患者さん向け 小児にはまれながんの治療(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、小児にはまれながんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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小児にはまれながんについての一般的な情報

小児にはまれながんとは、小児ではめったに見られないがんのことです。

がんの発生は、小児や青年ではまれな現象です。1975年以降、小児がんの新規症例数は緩やかに増加しています。しかし、1975年以降の小児がんによる死亡数は、半数以下まで減少しています。

本要約で取り扱うまれながんは、大半の小児科医院においてこのうちの一部のがんが数年間で数例しかみられない程度の、極めて希少な疾患です。こうしたがんは事例が非常に少ないため、最善の治療法についての情報が十分ではありません。小児に対する治療は、多くの場合、他の小児への治療から得られた知見に基づいて実施されます。ときには、同じ種類の治療を受けた1人または少人数の小児からしか、診断、治療、経過観察の報告が得られないこともあります。

本要約では、様々ながんの情報を記載しています。それぞれ、発生する体の部分により分類されています。

小児にはまれながんの発見(検出)、診断、病期分類を行うために、検査が実施されます。

がんの発見、診断、病期分類を行うために、検査を実施します。実施される検査法はがんの種類によって異なります。がんの診断後は、がん細胞が最初に発生した部位(原発部位)から他の部位に拡がっているかどうかを調べる検査が行われます。がん細胞が原発部位から他の部位に拡がっているかどうかを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。病期の判定は、最良の治療法を計画するために重要です。

以下の検査法と手技でがんを発見および診断し、病期分類を行います:

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、甲状腺がんに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は甲状腺がんの細胞です。この疾患は転移性甲状腺がんであり、肺がんではありません。

治療選択肢の概要

まれながんを患っている小児には様々な治療法が存在します。

がんを患っている小児は様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

小児のまれながんの治療では、小児がんの治療に精通した医療提供者で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児がんの治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:

標準治療として以下の9種類が用いられています:

手術

外科療法とは、がんの存在を確かめたり、がんを体内から取り除いたり、体の一部を修復したりするための手技のことをいいます。緩和手術(緩和療法)は、がんによって引き起こされる症状を軽減するために実施します。外科療法は手術とも呼ばれます。

手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には、いくつかの種類があります:

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内、腔などの体内、もしくは臓器内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

自家幹細胞救助を伴う大量化学療法

がん細胞を殺傷するために大化学療法が行われます。このがん治療は造細胞などの健康な細胞も破壊します。幹細胞救助は造血細胞を置き換える治療法です。まず患者さん自身から採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

ホルモン療法

ホルモン療法は、ホルモンを体内から除去したりその働きを阻害したりすることによって、がん細胞の増殖を阻止する治療法です。ホルモンは体内ので産生され、血流を介して運ばれます。ホルモンの中には一部のがんを増殖させるものがあります。がん細胞内にホルモンが結合する分子(受容体)が存在するということが検査によって判明した場合は、薬物投与や手術、放射線療法などの手段を用いて、そのホルモンの分泌を抑制したり作用を阻害したりする治療を行います。 胸腺腫胸腺がんの治療法としては、副腎皮質ステロイドという薬によるホルモン療法が用いられます。

ソマトスタチンアナログオクトレオチドまたはランレオチド)を用いるホルモン療法は、転移したまたは手術で切除できない神経内分泌腫瘍の治療に用いられることがあります。オクトレオチドは他の治療に反応しない胸腺腫の治療にも用いられることがあります。この治療は、神経内分泌腫瘍による過剰なホルモンの分泌を抑止します。ソマトスタチンアナログであるオクトレオチドまたはランレオチドを皮膚下または筋肉内に注射されます。ときに少量の放射性物質をこれらの薬剤に結合させて投与し、放射線によるがん細胞の殺傷も併せて行います。この治療法は、ペプチド受容体放射性核種療法と呼ばれます。

免疫療法

免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物療法や生物学的療法とも呼ばれます。

注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、徴候や症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く監視していくことです。注意深い経過観察は、腫瘍の増殖が遅い場合や治療を行わなくても腫瘍が消失する可能性のある場合に用いられます。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。小児にはまれながんの治療に使用される標的療法には、以下のような種類があります:

標的療法は、その他の小児にはまれながんの治療法として研究されています。

塞栓術

塞栓術は、造影剤と粒子をカテーテルという細い管を通して肝動脈に注入する治療法です。注入された粒子が動脈を塞ぎ、腫瘍への血流を遮断します。少量の放射性物質とこれらの粒子を結合させて投与する場合もあります。そうすると放射性物質の多くが腫瘍付近にとどまり、がん細胞を殺傷します。この治療法は放射線塞栓術と呼ばれます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

遺伝子治療

遺伝子治療は、疾患に対する予防や抵抗を目的として、人の細胞に外来性の遺伝物質(DNAまたはRNA)を移植する治療です。遺伝子治療は乳頭腫症の治療法として研究されています。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

小児にまれながんの治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

がんの治療の副作用のうち、治療後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:

晩期合併症(晩期障害)には治療や制御することが可能なものもあります。がんやがん治療によってお子さんに生じうる晩期合併症(晩期障害)について担当の医師とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する要約をご覧ください)。

頭頸部のまれながん

上咽頭がん

詳しい情報については、PDQ小児上咽頭がんの治療に関する要約をご覧ください。

感覚神経芽腫

詳しい情報については、PDQ小児感覚神経芽腫の治療に関する要約をご覧ください。

甲状腺腫瘍

詳しい情報については、PDQ小児甲状腺がんの治療に関する要約をご覧ください。

口腔がん

詳しい情報については、PDQ小児口腔がんの治療に関する要約をご覧ください。

唾液腺腫瘍

詳しい情報については、PDQ小児唾液腺腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

喉頭がんと乳頭腫症

詳しい情報については、PDQ小児喉頭腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

NUT遺伝子の異常(NUT正中線がん)を伴う正中管のがん

詳しい情報については、PDQ小児のNUT遺伝子の変化に関連する正中線上のがん(NUT正中線がん)の治療に関する要約をご覧ください。

胸部のまれながん

乳がん

乳がんは、乳房組織悪性がん細胞ができる疾患です。乳がんは男児にも女児にも発生する可能性があります。

乳がんは15~39歳の女性で最もよくみられるがんですが、この年齢層の女性に発生する乳がんは全体の5%未満です。この年齢層における乳がんは、高齢の女性より侵攻性で治療が困難です。若い女性も高齢の女性も治療法は同じです。乳がんの若年患者さんは、家族性がん症候群に関する遺伝カウンセリング(訓練を受けた専門家と遺伝性疾患について相談すること)や検査を受けることができます。さらに治療が生殖能力に及ぼす影響についても考慮すべきです。

小児の乳房の腫瘍は、ほとんどが良性の(がんではない)線維腺腫です。まれに、これらの腫瘍が大きな葉状腫瘍(がん)になり、急速に増殖し始めることがあります。良性腫瘍の急速な増殖が認められた場合、穿刺吸引生検(FNA生検)または摘出生検が実施されます。生検で採取された組織は、病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。

リスク因子、徴候、診断と病期分類検査

乳がんのリスクは以下の要因により増加します:

他にも以下のような乳がんのリスク因子があります:

乳がんでは、以下のような徴候のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、乳がん以外の病態が原因で同様の徴候が生じてくる場合もあります。

乳がんの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

乳がんの診断に使用される他の検査には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の良性乳房腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

小児の乳がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発乳がんの治療法には以下のようなものがあります:

乳がんの青年および若年成人の治療に関する詳しい情報については、PDQ乳がんの治療に関する要約をご覧ください。

肺がん

肺がん組織悪性がん細胞が発生する疾患です。肺は、胸部に位置する円錐形をした左右一対の呼吸器官です。息を吸い込むと、肺は酸素を体内に取り込みます。また、息を吐き出すと、肺は二酸化炭素(全身の細胞から出てくる老廃物)を体外に放出します。左右の肺はそれぞれいくつかの部分に分かれていて、それらのことを肺と呼びます。左側の肺は2つの肺葉で構成されています。右側の肺は左側の肺よりも若干大きく、3つの肺葉で構成されています。また、肺には気管支と呼ばれる管が1本ずつ入り込んでいますが、これらは気管から伸びています。肺の内部は、肺胞と呼ばれる空気の入った微小な袋と、細気管支と呼ばれる小さな管から構成されています。

小児では、肺と気道の腫瘍のほとんどが悪性腫瘍(がん)です。よくみられる肺または気道の原発腫瘍には以下のものがあります:

体の他の部位から肺に転移したがんは本要約では取り上げません。

気管気管支腫瘍

気管気管支腫瘍気管または気管支の内側を覆う組織で発生します。ほとんどの小児気管気管支腫瘍は良性で、気管または太い気管支(内部の大気道)に発生します。ときに、増殖の遅い気管気管支腫瘍(炎症性筋線維芽細胞性腫瘍など)ががんになり、他の部位に転移することがあります。

呼吸器系の解剖図:右肺の上葉、中葉、下葉;左肺の上葉と下葉;気管、気管支、リンパ節、横隔膜を示す。拡大図には細気管支、肺胞、動脈、静脈が示されている。

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呼吸器系の解剖図:気管、左右の肺とそれぞれの肺葉、気道を示しています。リンパ節と横隔膜も示されています。肺に吸い込まれた酸素は、肺胞の薄い膜を通過して血液中に取り込まれます(拡大図を参照)。

徴候や症状

気管気管支腫瘍では、以下のような徴候症状が現れることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、気管気管支腫瘍以外の病態が原因で、同様の徴候や症状が生じる場合もあります。例えば、気管気管支腫瘍の症状は喘息の症状とよく似ているため、腫瘍の診断が難しくなることがあります。

診断と病期分類検査

気管気管支腫瘍の診断や病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

異常な領域の生検は、重度の出血を引き起こす可能性があるため、通常は実施されません。

気管気管支腫瘍の診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

気管気管支がんの小児の予後回復の見込み)は、横紋筋肉腫を患っていなければ、非常に良好です。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

気管気管支腫瘍の治療法は、発生したがんの細胞の種類に応じて異なります。‎小児の気管気管支腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発気管気管支腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、本要約の神経内分泌腫瘍(カルチノイド)のセクションをご覧ください。

胸膜肺芽腫

胸膜肺芽腫(PPB)は、および胸膜(肺の外側と胸腔の内側の表面を覆っている組織)の組織に発生します。また、PPBは心臓、大動脈動脈などの両肺の間にある臓器横隔膜(肺の下にある主要な呼吸筋)にも発生します。ほとんどの症例で、PPBはDICER1遺伝子の特定の変化に関連しています。

次の3種類のPPBがあります:

リスク因子、徴候や症状、診断と病期分類検査

PPBのリスクは以下の要因により増加します:

PPBでは、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、PPB以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

PPBの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

PPBの診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

PPBは手術で切除した後でも、転移または再発する(再び現れる)ことがあります。

予後

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の胸膜肺芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発胸膜肺芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

食道腫瘍

食道腫瘍は、良性がんではない)の場合もあれば、悪性(がん)の場合もあります。食道がんは、食道組織に悪性細胞ができる疾患です。食道は筋肉でできた中空の管で、食べ物や飲み物をからまで送り込むという役割を担っています。ほとんどの小児の食道腫瘍は、食道の内側の表面を覆っている薄く扁平な形をした細胞から発生します。

消化器系の解剖図:食道、肝臓、胃、小腸、大腸を示す。

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食道と胃は上部消化器系の一部です。

リスク因子、徴候や症状

食道がんのリスクは以下の要因により増加します:

食道がんでは、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、食道がん以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

診断と病期分類検査

食道がんの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

食道がんの診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

食道がんは、通常は手術で完全に切除することができないため、治癒は困難です。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の食道がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発食道がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、PDQの成人の食道がんに関する要約をご覧ください。

胸腺腫

胸腺腫胸腺の外表面を覆う細胞から発生する腫瘍です。胸腺は、胸部上方の胸骨の奥に位置する小さな臓器です。リンパ系の一部であり、リンパ球と呼ばれる、感染に対抗する役割を担う白血球を生産します。 胸腺腫は通常、胸部の前方部分で両の間に発生し、別の理由で実施された胸部X線検査で発見されることがよくあります。

胸腺の解剖図;図は胸部上方の胸骨の奥に位置する胸腺を示している。肋骨、肺、心臓も示している。

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胸腺の解剖図。胸腺は、胸部上方の胸骨の奥に位置する小さな臓器です。体を感染から守るリンパ球という白血球を産生しています。

胸腺腫は胸腺の正常な細胞と見た目がよく似ており、緩やかに増殖し、胸腺の外に拡がることはまれです。

リンパ腫胚細胞腫瘍など、その他の腫瘍が胸腺に生じることもありますが、それらは胸腺腫とはみなされません。

徴候や症状、診断と病期分類検査

胸腺腫では、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、胸腺腫以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

胸腺腫の患者さんには、以下のいずれかの免疫系疾患またはホルモン障害がよく発生します:

胸腺腫の診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

予後

腫瘍が他の部位に転移していない場合、予後回復の見込み)は良好です。通常、小児胸腺腫は腫瘍が拡がる前に診断されます。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の胸腺腫の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発胸腺腫の治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、成人の胸腺腫および胸腺がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。

胸腺がん

胸腺がん胸腺の外表面を覆う細胞から発生するがんです。胸腺は、胸部上方の胸骨の奥に位置する小さな臓器です。リンパ系の一部であり、リンパ球と呼ばれる、感染に対抗する役割を担う白血球を生産します。 胸腺がんは通常、胸部の前方部分で両の間に発生し、別の理由で実施された胸部X線検査で発見されることがよくあります。

胸腺の解剖図;図は胸部上方の胸骨の奥に位置する胸腺を示している。肋骨、肺、心臓も示している。

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胸腺の解剖図。胸腺は、胸部上方の胸骨の奥に位置する小さな臓器です。体を感染から守るリンパ球という白血球を産生しています。

胸腺がんの腫瘍細胞は、胸腺の正常な細胞とは見た目が異なり、急速に増殖し、他の部位に転移しやすいという特性があります。

ほかにもリンパ腫胚細胞腫瘍などの腫瘍が胸腺に生じることもありますが、それらは胸腺がんとはみなされません。(詳しい情報については、上記の胸腺腫のセクションをご覧ください。)

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

胸腺がんは、手術で完全に切除できることがめったになく、治療後に再発する可能性の高いがんです。

小児の胸腺がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発胸腺がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、成人の胸腺腫および胸腺がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。

心臓腫瘍

心臓に発生する腫瘍は、ほとんどが良性の(がんではない)ものです。小児に認められることがある良性心臓腫瘍には以下のものがあります:

出生前および新生児に最もよくみられる良性の心臓腫瘍は、奇形腫です。結節性硬化症と呼ばれる遺伝性疾患は、胎児(出生前の児)や新生児の心臓腫瘍を引き起こす可能性があります。

小児では、心臓から発生する悪性腫瘍は良性腫瘍よりもまれです。悪性心臓腫瘍には以下のようなものがあります:

徴候や症状

心臓腫瘍では、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

心臓腫瘍では徴候や症状がみられないことがあります。

ただし、心臓腫瘍以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じる場合もあります。

診断と病期分類検査

心臓腫瘍の診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

心臓腫瘍の診断または病期分類に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の心臓腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発心臓腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

中皮腫

悪性中皮腫は、以下の部位に悪性がん細胞が発生する疾患です。

この腫瘍は、臓器の内部ではなく、臓器の表面に拡がることがよくあります。周辺のリンパ節や体の他の部位に転移することもあります。悪性中皮腫は精巣に発生することもありますが、まれなケースです。

リスク因子、徴候や症状

中皮腫は、何らかのがんに対する治療(特に放射線療法)の晩期合併症(晩期障害)として発生することがあります。成人では、中皮腫はかつて断熱建材として使用されていたアスベストへの曝露に関連しています。小児がアスベストに曝露した場合の中皮腫のリスクについては、現在のところ情報がありません。

中皮腫では、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、中皮腫以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

診断と病期分類検査

中皮腫の診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

中皮腫の診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

腫瘍が他の部位に転移していない場合、予後回復の見込み)は良好です。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の中皮腫の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発中皮腫の治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、成人の悪性中皮腫の治療に関するPDQの要約をご覧ください。

腹部のまれながん

副腎皮質がん

副腎皮質がんは、副腎の外層に悪性がん細胞ができる疾患です。副腎は2つあります。副腎は小さく、三角形の形状をしています。それぞれの副腎は左右の腎臓の上に乗るように存在しています。副腎はそれぞれ2つの部分から構成されています。一方、副腎の中心部は副腎髄質と呼ばれます。そのうち副腎の外層は副腎皮質と呼ばれます。副腎皮質がんは副腎皮質のがんとも呼ばれます。

小児副腎皮質がんは、6歳未満または10代に最も多く発生し、女性により多くみられます。

副腎皮質からは以下のような働きを担う重要なホルモンが分泌されています:

リスク因子、徴候や症状、診断と病期分類検査

副腎皮質がんのリスクは、遺伝子に特定の突然変異(変化)が認められる場合か、以下の症候群のいずれかを患っている場合に高くなります:

副腎皮質がんでは、以下のような徴候症状がみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

また、副腎皮質の腫瘍は機能性の(正常よりも多くのホルモンを分泌する)場合と非機能性の(ホルモンを過剰に分泌しない)場合があります。小児の副腎皮質の腫瘍は、ほとんどが機能性腫瘍です。機能性の腫瘍から分泌される余分なホルモンは、一部の疾患の徴候や症状の原因となる場合があります。腫瘍が分泌するホルモンの種類により、異なる徴候や症状がみられます。例えば、男児でも女児でも、アンドロゲンホルモンが過剰になると、体毛や低い声といった男性的な特徴が現れ、成長が早くなり、にきびができることもあります。エストロゲンホルモンが過剰になると、男児でも乳房組織が増殖することがあります。コルチゾールというホルモンが過剰になると、クッシング症候群(副腎皮質ホルモン過剰症)を引き起こすことがあります。

(副腎皮質がんの徴候や症状に関する詳しい情報については、成人の副腎皮質がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。)

副腎皮質がんの診断病期分類に用いられる検査法や手技は、患者さんにみられる症状に応じて異なります。以下のような検査法や手技が用いられます:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

副腎皮質がんの診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

腫瘍が小さく、手術により完全に切除された患者さんの場合、予後回復の見込み)は良好です。その他の患者さんでは、予後を左右する因子には以下のものがあります:

副腎皮質がんは、肝臓、腎臓、骨に転移することがあります。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児副腎皮質がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発副腎皮質がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、成人の副腎皮質がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。

胃がん

胃がんは、の内側を覆う組織の中に悪性がん細胞ができる疾患です。胃は上腹部にあるアルファベットのJに似た形をした臓器です。食物中の栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂質、蛋白、および水分)の消化吸収と老廃物の体外への排出を担う消化器系の一部です。咽頭(喉)を通過した食べ物は、食道と呼ばれる筋肉でできた中空の管を通って胃へと運ばれます。胃で一部消化された食べ物は、さらに小腸から大腸へと送られていきます。

消化器系の解剖図:食道、肝臓、胃、小腸、大腸を示す。

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食道と胃は上部消化器系の一部です。

リスク因子、徴候や症状

胃がんのリスクは以下の要因により増加します:

多くの患者さんはがんが拡がるまで徴候症状に気づきません。胃がんでは、以下の徴候や症状がみられます。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、胃がん以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

診断と病期分類検査

胃がんの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

胃がんの診断や病期分類に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

予後回復の見込み)は、診断時にがんが転移しているかどうかや、がんがどのくらい治療に反応するかに左右されます。

胃がんは肝臓腹膜やその他の部位に転移することがあります。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の胃がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発胃がんの治療法には以下のようなものがあります:

消化管カルチノイド神経内分泌腫瘍の詳しい情報については、本要約の消化管間質腫瘍(GIST)のセクションと神経内分泌腫瘍(カルチノイド)のセクションをご覧ください。

膵がん

膵がんは、膵臓組織悪性がん細胞ができる疾患です。膵臓は洋ナシの形をした長さ6インチ(約15.2cm)のです。膵臓の幅の広い方の端は膵頭部、中央部は膵体部、幅の狭い方の端は膵尾部と呼ばれます。膵臓には様々な種類の腫瘍が発生する場合があります。一部の腫瘍は良性です(がんではありません)。

膵臓の解剖図:図は、膵臓、胃、脾臓、肝臓、胆嚢、胆管、結腸、小腸を示す。小さな図は膵臓の頭部、体部、尾部を示している。胆管と膵管も示されている。

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膵臓の解剖図。膵臓は頭部、体部、尾部の3つの部分からなります。膵臓は腹部の胃、小腸、その他の臓器の近くにあります。

膵臓は主に次の2つの役割を果たしています:

次の4種類の小児膵がんがあります:

徴候や症状

膵がんの一般的な徴候や症状には以下のようなものがあります:

一部の小児膵腫瘍はホルモンを分泌せず、徴候や症状が現れません。このため、膵がんを早期に診断することが難しくなります。

ホルモンを分泌する膵腫瘍では、徴候や症状が現れる場合があります。徴候や症状は、生産されるホルモンの種類によって異なります。

腫瘍がインスリンを分泌する場合、以下のような徴候や症状が発生する可能性があります:

腫瘍がガストリンを分泌する場合、以下のような徴候や症状が発生する可能性があります:

ACTHやADHといった他の種類のホルモンを分泌する腫瘍により、以下のような徴候や症状が引き起こされます:

お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:ただし、膵がん以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

診断と病期分類検査

膵がんの診断や病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

膵がんの診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の膵臓に生じた充実性偽乳頭状腫瘍の治療法には、以下のようなものがあります:

小児の膵芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

小児膵島細胞腫瘍には、ホルモンによって引き起こされる症状を治療する薬物が投与されるほか、以下のような治療法があります:

膵腫瘍の詳しい情報については、成人の膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)の治療に関するPDQの要約をご覧ください。

小児膵がんの報告例はほとんどありません。(治療選択肢については、成人の膵がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。)

小児の再発膵がんの治療法には以下のようなものがあります:

膵腫瘍の詳しい情報については、成人の膵がんの治療膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)の治療に関するPDQの要約をご覧ください。

大腸がん

大腸がんは、結腸または直腸組織悪性がん細胞ができる疾患です。 結腸は消化器系の一部をなす臓器です。消化器系は、食物中の栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂質、蛋白質、水分)の消化吸収と、老廃物の体外への排出という役割を担っています。消化器系は、食道、小腸および大腸から構成されます。結腸(太い)は大腸の最初の部分で、長さは約5フィート(およそ152cm)です。加えて、大腸の終端部に直腸と肛門管があり、これらの長さは6~8インチ(15~20cm)です。そしてこの肛門管の終端部が肛門(大腸の体外への開口部)です。

消化器系の解剖図:食道、肝臓、胃、結腸、小腸、直腸、および肛門を示す。

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下部消化器系の解剖図:結腸と他の臓器を示しています。

リスク因子、徴候や症状、診断と病期分類検査

小児大腸がんは、遺伝性症候群の一部として発生することがあります。若年者の大腸がんの一部は、ポリープ(結腸の内壁を覆う粘膜にできた増殖物)を発生させる遺伝子突然変異に関連し、そのポリープが後にがんに変化することがあります。

以下のような特定の遺伝性の病態があると、大腸がんのリスクが高くなります:

遺伝性症候群ではない小児の結腸ポリープは、がんのリスク増大には関連しません。

小児の大腸がんの徴候症状は、通常、腫瘍が形成される場所により異なります。大腸がんでは、以下の徴候と症状がみられます。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、大腸がん以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

大腸がんの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

大腸がんの診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

予後(回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の大腸がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発大腸がんの治療法には以下のようなものがあります:

特定の家族性大腸がん症候群の小児では、以下の治療法が考えられます:

神経内分泌腫瘍(カルチノイド)

神経内分泌細胞神経細胞ホルモン産生細胞に似た働きをします。これらの細胞は、(気管や気管支)や消化管などの臓器に広く散在しています。

神経内分泌腫瘍カルチノイドなど)は通常、または虫垂を含む)の内側を覆う組織に発生しますが、膵臓、肺、肝臓などの他の臓器に発生することもあります。これらの腫瘍は、普通、小型で増殖が遅く、良性の(がんではない)ものです。一部の神経内分泌腫瘍は悪性(がん)であり、体内の他の部位に転移します。

ほとんどの小児神経内分泌腫瘍は虫垂(小腸末端部に近い、大腸の最初の部分から突き出ている小さな袋)に発生します。この腫瘍は、虫垂を切除する手術の際に発見されることがよくあります。

気管気管支カルチノイドについては、本要約の気管気管支腫瘍のセクションをご覧ください。

徴候や症状

神経内分泌腫瘍の徴候症状は、通常、腫瘍が形成される場所により異なります。虫垂の神経内分泌腫瘍は、以下のような徴候や症状を引き起こすことがあります:

虫垂以外の部分に生じた神経内分泌腫瘍は、ホルモンなどの物質を放出することがあります。セロトニンなどのホルモンが原因で発生するカルチノイド症候群では、以下のような徴候と症状がみられます。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、神経内分泌腫瘍以外の病態が原因で、同様の徴候や症状が生じる場合もあります。

診断と病期分類検査

神経内分泌腫瘍の診断病期分類を行うために、がんの徴候を調べる検査を実施します。以下の種類があります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

神経内分泌腫瘍の診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

予後

小児の虫垂に生じた神経内分泌腫瘍は、腫瘍を切除する手術以後の予後が通常は非常に良好です。虫垂以外に発生した神経内分泌腫瘍は多くの場合に大型であるか、診断時に他の部位に転移しており、化学療法にはあまり反応しません。大型の腫瘍は再発しやすい傾向がみられます。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の虫垂における神経内分泌腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

大腸や膵臓、胃に転移した神経内分泌腫瘍の治療法は通常、手術です。手術で切除できない腫瘍、複数の腫瘍、または他の部位に転移した腫瘍の治療法には、以下のようなものがあります:

小児の再発神経内分泌腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、成人の消化管カルチノイドの治療に関するPDQの要約をご覧ください。

消化管間質腫瘍

消化管間質腫瘍(GIST)は、通常、壁や壁の細胞から発生します。GISTは、良性がんではない)の場合もあれば、悪性(がん)の場合もあります。小児のGISTは女児に多くみられ、通常は10代に発生します。

リスク因子、徴候や症状

小児にみられるGISTは、成人にみられる疾患とは異なります。患者さんは、GISTの治療を専門とするセンターで診察を受け、腫瘍の検査を受けて遺伝学的変化の有無を調べるべきです。小児のごく一部では、成人の患者さんと同様の遺伝学的変化が生じている腫瘍が認められます。GISTのリスクは以下の遺伝性疾患により増加します:

GISTの小児のほとんどは、胃に腫瘍があり、出血を原因とした貧血になります。貧血の徴候症状には以下のものがあります:

腹部のしこりや腸の閉塞(腹部の痙攣痛、吐き気嘔吐下痢便秘、腹部の腫れ)もGISTの徴候です。

ただし、GISTによる貧血以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

診断と病期分類検査

GISTの診断病期分類を行うために、がんの徴候を調べる検査を実施します。以下の種類があります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

GISTの診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

成人の患者さんと同様の遺伝学的変化がみられる腫瘍を患っている小児の治療では、チロシンキナーゼ阻害薬イマチニブまたはスニチニブ)による標的療法が行われます。

遺伝学的変化がみられない腫瘍を患っている小児の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発GISTの治療法には以下のようなものがあります:

生殖器系と泌尿器系のまれながん

膀胱がん

膀胱がんは、膀胱組織悪性がん細胞ができる疾患です。膀胱は、腹部の下方に位置する中空の臓器です。小さな風船のような形状で、筋肉でできた壁によって大きさを変えられるようになっています。腎臓の内部では、微細な細管によって血液をろ過してきれいにします。また、老廃物を除去して尿を生成します。尿は左右の腎臓を出たのち、尿管と呼ばれる長い管を通って膀胱に送られます。膀胱は尿道から排泄するときまで、尿を溜めておくための臓器です。

女性の泌尿器系の解剖図:左右の腎臓、尿管、尿道、尿が溜まっている膀胱の正面図を示す。左の腎臓内部には腎盂が示されている。拡大図は、尿細管と尿を示している。脊椎、副腎、子宮も示されている。

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女性の泌尿器系の解剖図。腎臓、副腎、尿管、膀胱、尿道を示しています。尿は尿細管で作られ、それぞれの腎臓の腎盂に集められます。尿は腎臓から尿管を通って膀胱に流れます。尿は膀胱に溜められた後、尿道を通って体外へ排出されます。

最も一般的な膀胱がんは移行上皮がんです。扁平上皮がんなどの侵攻性の膀胱がんは比較的まれです。

リスク因子、徴候や症状、診断と病期分類検査

アルキル化剤という抗がんシクロホスファミドイホスファミドブスルファンテモゾロミドなど)によるがん治療を受けた小児では、膀胱がんのリスクが高くなります。

膀胱がんでは、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、膀胱がん以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

膀胱がんの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

予後

通常、小児での膀胱がんは低悪性度の(転移する可能性が低い)疾患であり、一般に手術で腫瘍を切除した後の予後は非常に良好です。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

通常、小児の膀胱がんには以下のような治療が行われます:

これらの手術がお子さんの排尿、性機能、妊孕性(子どもを作る能力)にどのような影響を及ぼすかは、担当の医師にご相談ください。

小児の再発膀胱がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、PDQの成人の膀胱がんの治療に関する要約をご覧ください。

精巣腫瘍

精巣腫瘍は、片方または両方の精巣組織悪性がん細胞ができる疾患です。精巣は卵形をした2つので、陰嚢陰茎の真下にあるゆったりとした皮膚の袋)の内部に位置しています。精巣は精索輸精管と精巣の血管および神経が通っている部分)に支えられて陰嚢内に保持されています。

男性の生殖器系および泌尿器系の解剖図:尿管、リンパ節、直腸、膀胱、前立腺、輸精管、陰茎、精巣、尿道、精嚢、射精管の正面図と側面図を示す。

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男性の生殖器系および泌尿器系の解剖図:前立腺、精巣、膀胱、その他の臓器を示しています。

次の2種類の精巣腫瘍があります:

徴候や症状、診断と病期分類検査

精巣腫瘍や精巣から他の部位に転移したがんでは、以下のような徴候症状がみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

精巣内の痛みを伴わないしこりは、精巣腫瘍の徴候かもしれません。他の病態により、精巣内にしこりができることもあります。

非胚細胞精巣腫瘍の診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

精巣腫瘍の診断に用いられる検査には、以下のようなものもあります:

予後

小児では通常、手術で腫瘍を切除した後の予後は非常に良好です。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の非胚細胞精巣腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発非胚細胞精巣腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

精巣胚細胞腫瘍の詳しい情報については、小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療に関するPDQの要約をご覧ください。

卵巣がん

卵巣がんは、卵巣悪性がん細胞ができる疾患です。卵巣は、女性の生殖系に属する左右一対の臓器です。この臓器は骨盤の内部に位置していて、子宮胎児の成長の場となる、洋ナシのような形をした中空の臓器)の左右に1つずつ存在しています。成人女性の卵巣の大きさはアーモンドと同じくらいで、その形状も似ています。卵巣は卵子の生産と女性ホルモン(特定の細胞や臓器の機能を制御する化学物質)の分泌を行っています。

女性生殖系の解剖図:図は、子宮、子宮筋層(子宮の外側の筋層)、子宮内膜(子宮内腔を覆う膜)、卵巣、卵管、子宮頸部、膣を示している。

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女性生殖系の解剖図。女性生殖系の臓器には、子宮、卵巣、卵管、子宮頸部、膣などが含まれます。子宮には、子宮筋層と呼ばれる筋肉の外層と子宮内膜と呼ばれる内膜があります。

小児に発生する卵巣腫瘍の大部分は良性の(がんではない)ものです。15歳から19歳の女性に最もよく発生します。

悪性(がん)の卵巣腫瘍には、いくつかの種類があります:

リスク因子、徴候や症状、診断と病期分類検査

卵巣がんのリスクは、以下のいずれかの病態があると高くなります:

卵巣がんでは、以下のような徴候症状のいずれかがみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、卵巣がん以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

卵巣がんの診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

卵巣腫瘍の診断に使用されるその他の検査には、以下のようなものがあります:

腫瘍を切除する手術中に、腹部の体液を調べて、がんの徴候がないか確認します。

予後

通常、小児の上皮性卵巣がんは早期に発見され、成人の患者さんに比べて治療は容易です。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の良性卵巣腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

小児の上皮性卵巣がんの治療法には以下のようなものがあります:

若年性顆粒膜細胞腫やセルトリ-ライディッヒ細胞腫などの卵巣間質腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:

卵巣の小細胞がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発卵巣がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:

子宮頸がんと膣がん

子宮頸がんは、子宮頸部悪性がん細胞ができる疾患です。子宮頸部とは、子宮(胎児の成長の場となる、洋ナシの形をした中空の臓器)下方の狭くなった部分です。子宮頸部は子宮から(産道)への移行部にあたります。 膣がんは膣に発生するがんです。膣は子宮頸部と体外をつなぐ管状の臓器です。出産時には、この膣を通って新生児が体外へ出て行きます(そのため産道とも呼ばれます)。

女性生殖系の解剖図:図は、子宮、子宮筋層(子宮の外側の筋層)、子宮内膜(子宮内腔を覆う膜)、卵巣、卵管、子宮頸部、膣を示している。

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女性生殖系の解剖図。女性生殖系の臓器には、子宮、卵巣、卵管、子宮頸部、膣などが含まれます。子宮には、子宮筋層と呼ばれる筋肉の外層と子宮内膜と呼ばれる内膜があります。

子宮頸がんや膣がんの徴候として最もよくみられるのは膣出血です。他の病態出血を引き起こす場合もあります。小児では進行がんと診断されることが少なくありません。

診断と病期分類検査

子宮頸がんと膣がんの診断や病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

子宮頸部と膣の腫瘍の診断に使用される検査には、ほかにも以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の子宮頸がんと膣がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発子宮頸がんと再発膣がんの治療法には以下のようなものがあります:

その他の小児にはまれながん

多発性内分泌腫瘍症候群

多発性内分泌腫瘍(MEN)症候群は、内分泌系に影響を及ぼす遺伝性疾患です。内分泌系は、ホルモンを生産して血液中に放出する細胞で構成されています。MEN症候群は、過形成(正常細胞の過剰な増殖)や良性がんではない)または悪性(がん)の腫瘍を引き起こす場合があります。

MEN症候群にはいくつかの種類があり、それぞれが異なった病態やがんを引き起こすことがあります。RET遺伝子変異は通常、MEN2症候群甲状腺髄様がんに関連しています。小児にMEN2症候群の診断が疑われる場合や、家族がMEN2症候群の診断を受けている場合は、両親は子どもの遺伝子検査に先立って遺伝カウンセリングを受けるべきです。遺伝カウンセリングには、子どもや家族に関係するMEN2症候群のリスクについて話し合うことも含まれます。

MEN症候群で主にみられる2つの種類は、以下に示すMEN1とMEN2です:

MEN症候群の診断と病期分類を行うために使用される検査は、徴候や症状と患者さんの家族歴により異なります。以下の種類があります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

MEN症候群の診断に使用されるその他の検査や手技には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

MEN症候群にはいくつかの種類があり、それぞれに対して必要な治療は異なります:

ヒルシュスプルング病でRET遺伝子に特定の変化がみられる患者さんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発MEN症候群の治療法には以下のようなものがあります:

褐色細胞腫と傍神経節腫

褐色細胞腫傍神経節腫は同じ種類の神経組織から発生するまれな腫瘍です。これらの腫瘍のほとんどはがんではありません。

リスク因子、徴候や症状、診断と病期分類検査

病気になる可能性を増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば、必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければ、がんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

褐色細胞腫または傍神経節腫のリスクは、以下の遺伝性症候群または遺伝子変異のいずれかがあると高くなります:

褐色細胞腫または傍神経節腫と診断された小児や青年の半数以上に遺伝性症候群または遺伝子変異がみられ、がんのリスクが高くなっています。治療計画では、遺伝カウンセリング(訓練を受けた専門家と遺伝性疾患について相談する)と検査が重要な位置を占めています。

一部の腫瘍は余分なアドレナリンやノルアドレナリンを産生せず、症状を引き起こしません。こうした腫瘍は、頸部にしこりができたときや、別の理由で検査や手技が行われたときに発見されることがあります。褐色細胞腫と傍神経節腫の徴候や症状は、過剰なアドレナリンとノルアドレナリンが血液中に放出される場合に生じます。これらに加え、別の徴候や症状が褐色細胞腫や傍神経節腫により引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

以上の徴候や症状は現れたり消失したりしますが、若い患者さんでは長期にわたって高血圧が生じやすい傾向がみられます。これらの徴候や症状は、身体運動、けが、麻酔、腫瘍を切除する手術、チョコレートやチーズなどの食事、または排尿(腫瘍が膀胱にある場合)に伴って発生することもあります。

褐色細胞腫と傍神経節腫の診断と病期分類に使用される検査は、徴候や症状と患者さんの家族歴により異なります。以下の種類があります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

褐色細胞腫と傍神経節腫の診断に使用されるその他の検査や手技には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の褐色細胞腫と傍神経節腫の治療法には以下のようなものがあります:

手術の前に、血圧をコントロールするα-遮断薬と心拍数をコントロールするβ-遮断薬による薬物療法が行われます。両方の副腎を摘出した場合は、副腎が作るホルモンを補充するホルモン療法を手術後から生涯にわたって受けるべきです。

小児の再発褐色細胞腫と再発傍神経節腫の治療法には以下のようなものがあります:

皮膚がん(黒色腫、扁平上皮がん、基底細胞がん)

皮膚がんは、皮膚の組織の中に悪性がん細胞ができる疾患です。皮膚は体のなかで最も大きな臓器です。その機能の1つは、熱や日光、外傷、感染などから体を保護することです。皮膚はまた体温の調節にも関わっていて、さらに水分や脂肪、ビタミンDなどの保持という役割も果たしています。皮膚はいくつかの層から構成されていますが、大きく分けると、表皮(外側の層)と真皮(内側の層)の2つの層があります。皮膚がんはこのうちの表皮から発生するものですが、この表皮は以下の3種類の細胞から構成されています:

メラニン形成細胞を含む皮膚の解剖図:図は正常な皮膚の解剖図であり、表皮、真皮、毛包、汗腺、毛幹、静脈、動脈、脂肪組織、神経、リンパ管、油腺、皮下組織が含まれる。抜き出し図には、扁平上皮細胞および基底細胞で構成される表皮と、その下方にある血管を含んだ真皮の拡大図が示されている。細胞の内部にメラニンが示されている。メラニン形成細胞は表皮底部の基底細胞層にある。

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表皮、真皮、皮下組織を示す皮膚の解剖図。メラニン形成細胞は表皮底部の基底細胞層にあります。

次の3種類の皮膚がんがあります:

黒色腫

黒色腫はまれではあるものの、小児では最も多くみられる皮膚がんです。15~19歳の青年に最もよく発生します。

黒色腫のリスクは、以下の病態があると高くなります:

あらゆる年齢層における黒色腫のリスク因子には、以下の要因が挙げられます:

黒色腫では、以下のような徴候症状がみられます:

黒色腫の診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。

黒色腫の診断に使用されるその他の検査や手技には、以下のようなものがあります:

黒色腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

リンパ節や他の部位に転移していない黒色腫の治療法には以下のようなものがあります:

周辺リンパ節に転移している黒色腫の治療法には以下のようなものがあります:

リンパ節を越えて転移した黒色腫の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発黒色腫の治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、PDQの成人の黒色腫の治療に関する要約をご覧ください。

扁平上皮がんと基底細胞がん

非黒色腫皮膚がん(扁平上皮がんと基底細胞がん)は、小児と青年では非常にまれです。扁平上皮がんまたは基底細胞がんのリスクは以下の要因により増加します:

扁平上皮がんと基底細胞がんでは、以下のような徴候がみられます:

扁平上皮と基底細胞の皮膚がんの診断に使用される検査には、以下のものがあります:

扁平上皮がんと基底細胞がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の扁平上皮がんと基底細胞がんの治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発扁平上皮がんと再発基底細胞がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、PDQの成人の皮膚がんの治療に関する要約をご覧ください。

眼内(ブドウ膜)黒色腫

眼内黒色腫は眼球壁を構成する3つの層のうちの中間にある層から発生します。外側の層は、白色の強膜(「白目」)と眼球前面にある透明な角膜から構成されます。内側の層には神経組織を含んだ網膜と呼ばれる層があり、この組織は光を感知することができ、感知された光は映像情報として視神経を介して脳へと送られます。眼内黒色腫が発生する中間の層はブドウ膜と呼ばれ、主に以下の3つの部分から構成されています:虹彩毛様体脈絡叢

眼の解剖図:2つの図に眼の外側および内側の構造を示す。上の図には、眼瞼、瞳孔、強膜、虹彩などの眼の外側の構造が示されており、下の図には、角膜、水晶体、毛様体、網膜、脈絡膜、視神経、硝子体液などの眼の内側の構造が示されている。

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眼の解剖図:強膜、角膜、虹彩、毛様体、脈絡膜、網膜、硝子体液、視神経などの眼の内側および外側の構造が示されています。硝子体液は、眼球の中央部を満たしている液体です。

リスク因子

眼内黒色腫のリスクは以下の要因により増加します:

眼内黒色腫の診断病期分類に使用される検査には以下のようなものがあります:

眼内黒色腫の診断に使用されるその他の検査や手技には、以下のようなものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の眼内黒色腫に対する治療法は成人の場合に類似しており、以下のような治療が行われます:

小児の再発眼内黒色腫の治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、PDQの成人の眼内(ブドウ膜)黒色腫の治療に関する要約をご覧ください。

脊索腫

脊索腫は緩やかに増殖する非常にまれな骨の腫瘍であり、脊椎周辺のあらゆる高さの部位(頭蓋骨の底部にある斜台と呼ばれる骨から尾骨まで)で発生します。小児と青年では、脊索腫は頭蓋骨の底部や尾骨付近に発生することが多く、その場合は手術で完全に摘出することが困難です。

小児の脊索腫は、良性の(がんではない)腫瘍が腎臓、脳、眼、心臓、、皮膚にできる遺伝性疾患である、結節性硬化症という病態に関係しています。

徴候や症状

脊索腫の徴候症状は、腫瘍が形成される場所により異なります。脊索腫では、以下のような徴候や症状がみられることがあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

ただし、脊索腫以外の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。

脊索腫を診断する、または転移の有無を調べるために用いられる検査には以下のようなものがあります:

脊索腫が再発する(再び現れる)場合は最初と同じ部位に発生するのが通常ですが、別の骨や肺に再発することもあります。

予後

予後回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

小児の脊索腫の治療法には以下のようなものがあります:

小児の再発脊索腫の治療法には以下のようなものがあります:

原発不明のがん

原発不明がんとは、体内で悪性のがん細胞が発見されたものの最初に発生した場所が特定できないがんのことです。 がんは全身のどの組織からも発生する可能性があります。原発がん(最初に発生したがん)は他の部位に転移することがあります。このプロセスは転移と呼ばれます。がん細胞は通常、そのがんが最初に発生した組織中にみられる細胞と似た外観をしています。例えば、乳がん細胞がに転移したとします。このがんは乳房から発生したため、肺に拡がったがん細胞の外観は乳がん細胞に似ています。

時折、がんが転移した場所を特定できても、そのがんが最初に増殖を開始した体内の場所を突き止めることができない場合があります。このようながんは、原発不明がんまたは潜在性原発腫瘍と呼ばれます。

原発不明がん:図は、不明な位置から体の他の部位(肺と脳)に拡がった原発腫瘍を示している。拡大図は、原発がんが血液とリンパ系を介して体の他の部位に拡がり、転移性腫瘍を形成する様子を示している。

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原発不明がんでは、がん細胞が体内で拡がっていますが、最初に原発がんが発生した位置は不明です。

検査を実施して、原発がんの発生した場所を特定し、がんがどの部位に転移しているかを調べます。検査で原発がんを突き止めることができれば、そのがんは原発不明がんではなくなり、原発がんの種類に応じた治療が行われます。

がんが最初に発生した部位が不明な場合は、遺伝子発現プロファイル遺伝子検査などの様々な検査と手技により、がんの種類を明らかにするべきです。検査でがんの存在が示されたら、生検を実施します。 生検では細胞や組織を採取し、病理医がそれらを顕微鏡で観察します。病理医は組織を観察して、がん細胞の有無やがんの種類を調べます。実施される生検の種類は、がんの検査を行う体の部位により異なります。以下の生検のいずれかが実施されることがあります:

採取されたがん細胞や組織の種類が、想定されていたがん細胞の種類と異なる場合、原発不明がんと診断されることがあります。 体内の細胞の外観は、それが由来する組織の種類に応じて異なります。例えば、乳房から採取されたがん組織のサンプルは、乳腺細胞で構成されていると想定されます。しかし、組織のサンプルが想定とは異なる種類の細胞であった(つまりこの例では乳腺細胞で構成されていなかった)場合、その細胞は体内の他の部位から乳房に転移したものと考えられます。

がんが最初に発生した場所が診断時に明らかでない小児や青年には、後から腺がん黒色腫胚芽腫横紋筋肉腫または神経芽腫)といった腫瘍の診断が下されることがよくあります。

治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

治療法は、顕微鏡で観察したときのがん細胞の外観、患者さんの年齢、徴候症状、がんが転移している部位などに基づいて決定されます。通常は以下のような治療が行われます:

小児の再発原発不明がんの治療法には以下のようなものがあります:

詳しい情報については、成人の原発不明がんに関するPDQの要約をご覧ください。

小児がんについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している小児にはまれながんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

小児がんに関する情報と一般的ながんに関するその他の資源については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児にはまれながんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Unusual Cancers of Childhood Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/childhood-cancers/patient/unusual-cancers-childhood-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389276]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。