小児がん患者さんのご家族のために
ご利用について(お読みいただく前に)
本コンテンツは、米国国立がん研究所(NCI)のSupport for Families: Childhood Cancerを日本語に翻訳したものです。内容には以下が含まれていることをご了承いただいたうえでご利用ください。
・日本の事情とは異なる情報
・日本では利用できないサービスの情報
・日本語版がない情報(動画、NCIウェブサイトの別ページに掲載されている媒体等)
親から子どもへ、治療に役立つ正しい情報を伝えること。がん治療を受けるお子さんは、それを頼りにしています。
このページの内容
お子さんががんという診断を受けた時、ご家族全員への様々なサポートが必要です。親として強いショックを受け、打ちのめされてしまう方もたくさんいます。気を落ち着けて、お子さんや兄弟姉妹に丁寧に正しく伝え、家族間の信頼を深めましょう。大変な時期だからこそ、自分自身を大切にしてください。ご自身のために、お子さんの治療チームの方、ご家族や地域の方々からのサポートを受けましょう。
がんについてお子さんにどのように伝えるか
子どものことを一番分かっているのが親です。お子さんと話す際にはまず、そのことをしっかりと念頭に置いてください。お子さんは、自分に必要な情報を得るうえで、親を頼りにしています。子どもは声の調子や表情から多くを読み取りますから、お子さんに伝えるときは落ち着いて話をしましょう。
この動画では、子どもががんと診断された家族が、どのように前向きになり、治療に適した病院を見つけたかについて、実際の体験談をご覧いただけます。
ここからは、治療に際する年齢別ケアについて、ご紹介します。お子さんがこれからの治療で起こることを知り、処置に備え、そして安心感を得るように、医療チームと協力する際の参考にご覧ください。
1歳未満の場合:抱っこしたりやさしく触れたりして、お子さんを安心させてあげましょう。肌と肌のふれあいを大切にしてください。おもちゃや毛布など、使い慣れたものを自宅から持参しましょう。親の声を聞くと落ち着くため、お子さんに声をかけたり歌ったりしてあげましょう。食事や就寝時間はできるだけ規則正しく守るようにします。
1~2歳の場合:見たり触ったりするものが分かるようになる年齢です。遊びたい年ごろですので、安全に遊べるように注意しましょう。また、自分で選ぶことを好むようになりますので、可能であれば、お子さんが薬の味やご褒美のシールを自分で選べるようにしてください。痛みを伴うような検査や治療の前にはお子さんが恐怖や不安を感じないように十分なケアをしましょう。
3~5歳の場合:お子さんが治療についてよく理解ができるように、医療機器や模型、その他医療用品(チューブ、包帯、ポートなど)に触ってもよいか、事前に主治医に確認しましょう。痛みを伴う処置の場合、前もって十分なケアをしてください。絵本を読んだり、ぬいぐるみを渡したりして、お子さんの気持ちが楽になるようにしましょう。
6~12歳の場合: 就学年齢になると、病気がよくなるためには薬や治療が必要であることを理解するようになります。治療に協力的になる一方、何が起こるのかに興味をもつようにもなります。質問が多くなりますので、その質問に答えたり、一緒に答えを見つけたりするための準備をしておきましょう。人と関わりを保つことが大事ですので、お子さんが友人やご家族と連絡が取り合えるように手助けをしましょう。
10代の場合(13~19歳の場合):がんが自分の生活をどのように変えてしまうのか、友人関係や自分の容姿、活動がどう変わってしまうのかと強く気にする年代です。がんによって友人から孤立してしまうことに恐怖や怒りを感じてしまうこともあります。お子さんが友人とのつながりを維持できる方法を探しましょう。また、お子さんが治療前に感じていたゆとりや自由を少しでも作り出して、治療の意思決定については、お子さんと一緒に考えましょう。
小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)
親および医療提供者向けの小児がん、治療、対処などについての実践的な情報。
小児がんのお子さんの親御さんへのアドバイス
疑問点は担当の医療チームのメンバーに質問しましょう。また、以下のいくつかのヒントもご参照ください。
子どもに伝えるのは誰が良いでしょう?
多くの場合、親は医師から子どもの診断を聞き、それと同時にお子さんも自身の病気を知りますが、親から子どもに伝えることを選ぶ場合、何を話すのか、お子さんの質問にどう答えるのか、医師や看護師と話し合いましょう。
伝えるタイミングは?
お子さんにはできるだけ早く伝えましょう。一度にすべてのことを伝える必要はないですが、早いタイミングで伝えることで、お子さんとの信頼関係が生まれます。
伝える内容は?
お子さんの年齢や理解力にあわせた説明をすることが大前提になりますが、すべてのお子さんに共通して、明確でシンプルに、わかりやすく説明することが大事です。できる限りお子さんが理解できる言葉やアイデアを用いて、これから起こることが伝わるようにしましょう。治療を受けることでどんな気分になるか、いつ痛みを感じる過程があるか、伝えてください。強い薬や苦しい治療を経てがんを克服した子どもたちがいることも話しましょう。
どこまで伝えるべきでしょうか?
病気のこと、治療のこと、またこれから起こることに関する基本情報について、お子さんが理解できるようにサポートをしてください。子どもは多すぎる詳細な情報やずっと先の話を処理することが難しいため、お子さんが理解できる分量の情報から始めましょう。子どもはわからないことに対して想像を働かせて、最悪を想像しておびえてしまうこともあります。お子さんのために、質問に正しく答え、会話を続けてください。真実でないことが伝わると、子どもは家族や医療チームに不信感を抱くようになります。
子どもはどんな反応をするでしょうか?
子どもの反応は様々です。心配になる子もいます。動揺したり、おとなしくなってしまったり、怖がったり、反抗的になったりする子もいます。感情を言葉で表す子もいれば、行動で表す子もいます。赤ちゃん返りする子もいますが、これらは慣れ親しんだ生活の変化に対する正常な反応です。生活リズム、自分の見た目や感じ方、友人関係など、すべてが変化する可能性があり、つらい日もあれば少し楽な日もあるでしょう。いつもそばにいるよ、とお子さんに伝え、あなたがそばにいることをお子さんが感じられるようにしましょう。
子どもが状況に対処するために、何をしてあげられますか?
子どもは親を見て倣うため、あなた自身が落ち着いていて、希望をもっている様子をお子さんに見せ、愛情を示しましょう。お子さんとともに困難を乗り越えてきたことを思い出してください。話すことで気持ちが落ち着く子もいますし、絵を描くのが好きな子、文章を書くこと、ゲームをすること、音楽を聴くことが好きな子もいます。
がんについてどう説明するか
お子さんの質問にどのように答えたらよいか、担当の医療チームのメンバーに相談しましょう。また、以下のいくつかのヒントもご参照ください。
がんって何?
がんについてお子さんと話すときには、簡単な言葉を使って、シンプルな考え方を伝えるようにしましょう。がんは人にうつるものではないこと、誰かからうつされたり、ほかの誰かにうつしたりする病気ではないことを説明してください。幼い子どもでも、しこり(腫瘍)のせいで病気になったり血液の働きが悪くなったりするということを理解できる場合があります。親や年長のお子さんでしたら「小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)」の「Diagnosis(診断)」のセクションから、様々な種類の小児がんについて知ることができます。
どうしてがんになったの?
自分が何か悪いことや間違ったことをしたために、がんになったのだと考える子どもがいます。また、なぜ病気になったのだろうと考える子もいます。がんになったのは、自分のせいでも、ほかの誰のせいでもないこと、そして医師が原因究明のために日々邁進していることをお子さんに伝えてください。
·伝え方の一例:「どうしてなのか、私にもわからないし、お医者さんでさえ、どうしてがんにかかる子とそうでない子がいるのか、正確にはわからないんだよ。ただ、確かなことは、あなたは何も悪いことをしていないし、誰かからうつされたわけでもないし、誰かにうつすこともないということだよ。」
良くなるの?
入院することや診察が続くことは子どもにとって怖いことです。誰かががんで亡くなったことを知っていたり、聞いたことがあったりする子もいるでしょう。お子さんは自分は良くなるのだろうか、と不安に思うかもしれません。
·伝え方の一例:「がんというのは大きな病気だけれど、今あなたがお医者さんや看護婦さんから受けている治療は他のがんの子ども達が救われた治療なんだよ。あなたが良くなるために私達ができることの全てをこれからやっていくからね。病気のことをもっと良く知るために、お医者さんや看護師さんに一緒に話を聞こう。」
治療中はどんな気持ちになるの?
治療前のお子さんは、治療中どんな気持ちになるんだろうと不安を感じるかもしれません。小児がんのお子さんは、他の患者さんの髪が抜けたり、症状が重くなったりする様子を目にすることがあります。看護師やソーシャルワーカーさんと話して、お子さんの治療が外見や気持ちにどのような影響をおよぼすのか、どういった副作用が考えられるのかについて、知っておきましょう。
·伝え方の一例:「2人の子どもが同じ種類のがんにかかっていても、1人に起こることが、もう1人にも同じように起こるかというとそうではないんだよ。お医者さんも私も、私達にわかることをあなたにきちんと説明するからね。治療中、できるだけ快適に過ごせるようにチームみんなで協力していくからね。」
小児がんのお子さんを支援する方法
がんの治療は、子どもの人生や将来の展望に多くの変化をもたらします。できるだけ普通の生活を送らせてあげることで、お子さんをサポートすることができます。医療チームと話し合ってお子さんが治療を受ける際に予想される出来事を知り、お子さんとご家族が準備できるようにしましょう。
小児がんの治療を受けるお子さんを手助けする方法について、小児がんの専門家の意見や親の経験談をお聞きください。
お子さんが身体の変化に適応できるように手助けをしましょう
子どもは、自分の見た目や他人の反応に敏感になることがあります。以下のような方法でお子さんを手助けしましょう:
·身体的変化に備える:治療によって髪が抜けてしまう場合は、前もって好きな帽子やスカーフ、かつらを選べるようにしましょう。治療によっては体重に変化が生じることがあります。管理栄養士に相談して、治療中、体力を維持するために必要な栄養素を摂取するようにしましょう。
·副作用:お子さんの担当看護師に、支持療法について話を聞きましょう。支持療法とは副作用の予防や対処を通して、お子さんの生活の質を改善するために行われるケアです。痛みの軽減、栄養管理、感染症の予防、一般的な健康管理など、治療中に役立つ情報は、「小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)」の「Treatment(治療)」のセクションにも記載されています。
·周囲への対処を手助けする:じろじろ見られたり、性別を間違えられたり、個人的な質問をされたりすることもあります。お子さんと話し合って、上手な対応の仕方を考えましょう。お子さんは必ずしも周囲のコメントに反応する必要はなく、受け流してもよいのです。
友だちとつながっていられるように手助けをしましょう
がんのような深刻な病気にかかると、お子さんの友人関係に影響が及び、関係性が変化する場合があります。昔からの友だちがもはや「そばにいてくれない」ように思えることもあるかもしれません。そんな時最初の一歩を踏み出して、友だちに連絡を取ることで関係性をうまく保てるかもしれません。また、この経験を通して新しい友だちができる場合もあります。お子さんと一緒にできるいくつかのステップを紹介します:
·友だちと連絡を取り合うためのサポート:メール、ビデオチャット、電話、SNSなどを通じて、お子さんが友だちとつながるよう促したり、それを手助けしたりしましょう。
·ヒントやアドバイスをもらう:ソーシャルワーカーやチャイルドライフスペシャリストといった人たちは、お子さんが友だちに話すこと・話したくないことを整理するためのアドバイスをしてくれます。お子さんが希望する場合、可能であれば友だちに遊びに来てもらうこともできます。また、主治医のアドバイスに基づいて、学校やその他の活動に参加できる場合もあります。
お子さんが辛い感情に向き合うための手助けをしましょう
小児がんのお子さんの多くは時間の経過とともにうまく病気に対処していきますが、ときに不安、悲しみ、ストレス、恐怖を感じたり、引きこもったりすることがあります。お子さんが感じていることについて話をし、気持ちを落ち着ける手助けをしてあげてください。また、簡単には解決できない感情や、時間が経つにつれて悪化していくような感情については、チャイルドライフスペシャリストや心理士に相談することもできます。以下のアドバイスも参照してください:
·お子さんの気を紛らせて、楽しませる方法を見つける:ビデオゲームをしたり、映画を見たりすることは、お子さんがリラックスするのに効果的です。また、治療中のお子さんをサポートするその他の方法として、アートセラピー、バイオフィードバック法、誘導イメージ法、催眠、笑い療法、マッサージ療法、瞑想、音楽療法、リラクゼーション療法などもあります。「小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)」の「Resources(リソース)」のセクションでは、お子さんに役立つ統合医療の実践方法についてさらに詳しく学べます。
·落ち着いて、でも感情は隠さない:子どもは親の感情を感じとります。悲しさや不安を感じることが多い場合は、主治医やお子さんの医療チームに相談し、感情をうまくコントロールできるようにしましょう。ただ、親が感情を隠すことが多くなると、お子さんも自分の感情を隠すようになる場合があることを覚えておいてください。
·お子さんに感情の変化がみられたら、助けを求める:お子さんがときに落ち込んだり、悲しくなったりするのは普通のことですが、このような感情が長期間にわたって毎日のようにみられる場合は、お子さんに特別なサポートが必要というサインかもしれません。そんな時はお子さんと担当看護師、チャイルドライフスペシャリスト、また心理士が面談できるようにしてください。お子さんはストレスに対処する方法を学ぶことができますし、また、専門家たちは不安症やうつ病などの精神疾患の可能性を評価することができます。
お子さんが新たな日常に適応できるように手助けをしましょう
お子さんは治療中、病院や自宅で過ごす時間が長くなるかもしれません。ここでは、孤独な時間や友だちに会えない期間の対処方法を紹介します。
入院:入院は子どもにとって特に辛い可能性があります。初めて会う人たち、新たな日常、普段は見ることのない大きな機械、ときには痛みを伴う治療など、これまでとは環境が変わってしまいます。
·快適に過ごせるアイテムを持参しましょう。写真やゲーム、音楽など、自宅にあるお気に入りのものをお子さんに選ばせてあげましょう。お子さんの心が和み、リラックスできるようになります。
·ゲームルームやプレイルーム、ティーンルームを訪れましょう。多くの病院には、患者さんが遊んだり、くつろいだり、他の患者さんと一緒に過ごしたりできる場所があります。おもちゃやゲーム、工芸品、音楽、コンピュータなどが用意されていることが多いです。病院で開催される社交行事や活動への参加をお子さんに勧めるのもよいでしょう。
自宅療養中の孤立:治療を受けている間は、疲労感、感染症のリスク、痛み、消化管の合併症など、がん治療の副作用(英語)のために、長期にわたって自宅待機が必要になることがあります。
·お子さんの部屋のデコレーションを工夫してみましょう。ポスターや絵などを飾ると、部屋が明るくなって、お子さんが元気になるかもしれません。ウィンドウマーカーも部屋を楽しく飾りつける方法の1つです。医学的な制限がある場合もあるため、お子さんの部屋から取り除くべきものがないかも確認しましょう。
·新たなアクティビティを探してみましょう。スポーツが禁止されている場合は、お子さんが活動的で楽しく過ごせるような他のアクティビティを調べてみましょう。音楽を聴いたり、本を読んだり、ゲームをしたり、文章を書いたりすることが好きなお子さんもいるでしょう。病気を経験したお子さんの中には、自分でも知らなかった新しいスキルや興味を発見する子もいます。
休学:小児がんのお子さんの中には学校に通える子もいますが、多くは短期もしくは長期の休学が必要となります。この時期に必要な学習支援を受ける方法を紹介します:
·治療がお子さんの活力にどれくらい影響を与えるのか、また、学校生活に及ぼす影響について、主治医と面談し、詳しく話を聞きましょう。また、お子さんの病状、制限事項、予想される欠席日数についての診断書を担任の先生あてに作成してもらいましょう。
·学校の先生と常に情報を共有しましょう。担任の先生や校長先生にお子さんの病状を伝えておいてください。主治医からの診断書を共有し、どの科目を欠席することになるかを確認して、お子さんが可能な範囲でついていけるようにする方法についてきいておきましょう。
·病院や学校から得られる支援について情報を集めましょう。
親や兄弟姉妹の向き合い方
ここからの提案は、ご自身、お子さん、そしてご家族皆さんのケアについてです。多くの親御さんが、お子さん一人への診断が、家族への診断のように感じると言われます。この困難な時期に家族で向き合い、つながりを保つための実践的なアドバイスを紹介します。
お子さんががんと診断されたら、家族全員にサポートが必要になります。セルフケアについて、夫婦関係について、また、兄弟姉妹へのケアについて、がんの専門家のアドバイスや経験者の体験談をご覧ください。
家族の絆を深めましょう
お子さんががんになると、家族間係がぎくしゃくしたり、プレッシャーにさらされたりします。一方、この時期に夫婦関係がより強固になることもあります。ここでは、小児がん患者の親御さんが実際に役立ったと言うポイントをいくつかご紹介します:
·コミュニケーションを絶やさない:それぞれがストレスにどう対処しているか、家族で話しましょう。時間が限られているときでも、つながる時間を作りましょう。
·人はそれぞれ違うということを忘れない:夫婦やパートナー間で対処の仕方が異なることはよくあります。配偶者やパートナーが自分ほど取り乱していないように見えたとしても、その人が自分ほど苦しんでいないということではありません。
·時間をつくる:ちょっと電話をかける、ショートメッセージを送る、メモを渡すなど、こまめな連絡を大事にすることで、パートナーやお子さんの一日がより良い一日になります。
家族や友人、地域の人々に助けてもらいましょう
すでにご存じの方も多いかもしれませんが、周囲からのサポートがお子さんや家族を力づけ、勇気づけるということが研究によって示されています。ただ、支援したいという気持ちがあっても、何が求められているのか分からないという家族の方、友人もいることでしょう。以下はそういった場合のアドバイスです:
·家族や友人に近況を伝えるための簡単な方法を見つける:Caring Bridge、My Cancer Circle、MyLifeLine、Lotsa Helping Handsなどのサイト(これらは米国のサイトです)を通じて近況を投稿したり、実践的な支援を受けたりすることを検討してみましょう。安心して共有できると思えることだけを共有しましょう。
·家族を支えるために周りの人にしてもらいたいことを具体的に示す:家族のためにほかの人にお願いできることをリストにまとめておきましょう。ほかの人にお願いできることとして、例えば、料理や掃除、食料品の買い物、兄弟姉妹の車での送り迎えなどがあります。
·支援グループに参加する:直接会って話すグループもあれば、オンラインで集まるグループもあります。参加者から親としての経験や情報を得ることができるため、多くの親御さんがこういった場で助けを得ています。
·専門家の助けを得る:あなた自身がよく眠れなかったり、落ち込んだりする場合は、かかりつけの医師やお子さんの医療チームのメンバーに相談しましょう。精神科医、心理士、カウンセラー、ソーシャルワーカーなど、メンタルヘルスの専門家を紹介してもらいましょう。
心と体をリフレッシュする時間をつくりましょう
自分のことは後回しにして、病気のお子さんのことだけに集中したくなることもあるでしょう。しかし、自分のための時間をつくることはとても重要です。そうすることで、お子さんをケアするエネルギーも湧いてきます。そのためのヒントをいくつか紹介します:
·リラックスしてストレスを軽減する方法を見つける:自分にとって新しいこと、例えばヨガや深呼吸の教室などに挑戦する人、また、短時間でも屋外で過ごしてリフレッシュする人など、方法はそれぞれです。どのような方法や場所であっても、安らぎを感じられるものを見つけましょう。こちらのページには、患者にも親にも役立つリラックスするための方法(英語)が紹介されています。
·待ち時間をうまく利用する:ゲームをする、本を読む、文章を書く、音楽を聴くなど、自分が楽しめて病院でもできることをいくつか選んでみましょう。
·体を動かす:ウォーキングやジョギングをしたり、ジムに通ったり、運動アプリを利用するなどの計画を立てましょう。友人やご家族と一緒に運動をすれば、日課として続けやすくなります。病院で体を動かすのが難しい場合は、階段を昇り降りしたり、病院や病棟の周りを歩いたりしてみましょう。体を動かすとストレスが軽減され、夜もよく眠れるようになります。
その他詳細については、「小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)」の「Support(支援)」のセクションや、がん患者さんの介護者に対するサポートのページ(英語)をご覧ください。
兄弟姉妹を支える
「兄弟姉妹ががんになったとき(英語)」
がんの兄弟姉妹をもつ10代や子どもたちのための情報。
親としては、お子さん全員に寄り添いたいと思うものですが、がんの治療を受けているお子さんがいると、それが難しい場合があります。他のお子さんたちが、つらい時間を過ごしながら、自分を出せなくなってしまっていることに気づくこともあるでしょう。兄弟姉妹へのサポートについて、上述の動画をご参照ください。
また、以下のような方法も追加でご紹介します。:
·兄弟姉妹の話に耳を傾け、心を通わせる:毎日、たとえ数分でも、他のお子さんたちと過ごす時間をもちましょう。どのように過ごしているか気にかけたり、尋ねたりしてください。お子さん達が直面している困難にすぐに答えを出すことはできないかもしれませんが、大切なのは、つながりをもち、話に耳を傾けることです。
·兄弟姉妹に伝え、彼らも一員に:お子さんの病気について兄弟姉妹たちと話をし、治療中に予想されることを伝えておきましょう。可能であれば、通院に同行できるようにしましょう。家が離れている場合は、ビデオチャット、ショートメッセージ、電話などで連絡を取り合う方法を見つけましょう。
·できるだけいつもと変わらない状態に保つ:他のお子さんたちにとって大切な学校の行事や活動に参加できるように調整しましょう。友人や近所の人の援助を求めましょう。たいていの人は手助けしたいと思っていますし、喜んで協力してくれます。
「兄弟姉妹ががんになったとき(英語)」には、兄弟姉妹の体験談、兄弟姉妹が支援を受けられるようにするためのチェックリスト、関連する団体やリソースのリストが掲載されています。印刷したり、冊子、ePub、Kindle本として閲覧したりすることができます。冊子のハードコピーも無料でご利用いただけます。
治療中のお子さんへの支援
あなたとお子さんとが、医療チームとよりよい関係を構築できるように、以下をご参照ください。
·強いパートナーシップを築く
お子さんの医療チームのメンバーと互いに尊敬し合える関係性をもちましょう。率直かつ誠実なコミュニケーションをとることで、質問しやすくなり、選択肢についても話し合いやすくなるほか、お子さんを安心して任せられるようにもなります。
·お子さんを支援してくれる多くの専門家を活用する
どのような治療を受け、どのように検査に備え、副作用をコントロールし、対処するかなど、お子さんが病気について学べるように専門家と協力しましょう。
·インターネット上の情報は、その情報源の信頼性を確認する
わかりやすく、かつ大事な判断に使えるような正確な情報を入手することが重要です。見つけた情報を医療チームと共有し、それがお子さんに当てはまるかどうかを確認しましょう。
·お子さんの医療チームから伝えられる内容をしっかり理解する
わからないことや不明確な点がある場合、特に意思決定が求められる場合には、率直に伝えましょう。馴染みのない医療情報を理解するために、写真や動画も見せてもらいましょう。
·お子さんのかかりつけの小児科医と最新情報を共有する
お子さんの医療チームのメンバーから、かかりつけの小児科医あてに最新情報を送ってもらいましょう。
小児がんの専門家とがんの患者の親御さんが、信頼できる情報の見つけ方や、子どもの医療チームと積極的に協力する方法について紹介しています。
「小児がんの子どもの治療において考慮すべきこと(英語)」という動画では、親と小児がんの専門家が、小児がんの治療に関する意思決定、副作用、臨床試験、子どものケア戦略について紹介しています。