患者さん向け 小児喉頭腫瘍(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、小児喉頭がんと乳頭腫症の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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小児喉頭腫瘍とは

小児喉頭腫瘍は喉頭に発生します。この種の腫瘍は、良性(がんではないことを意味する)の場合もあれば、がんの場合もあります。大半の小児喉頭腫瘍はがんではなく、他の組織に拡がっていくことはありません。どちらの腫瘍にも治療が必要です。

最もよくみられる種類の喉頭良性腫瘍は喉頭乳頭腫症です。この病態では、喉頭の内壁を覆う組織に乳頭腫(いぼに似た良性腫瘍)ができます。それらの腫瘍が気道を塞ぎ、呼吸障害を招く場合があります。治療後に再発することが多く、まれに喉頭や肺のがんに変化することがあります。

喉頭は喉の一部で、舌の根元と気管までの部分です。喉頭には声帯が存在し、この声帯が空気を受けて振動すると音が発生します。この音が咽頭内、口腔内、鼻腔内を通過しながら反響していくことにより、人の声が作られます。

喉頭は主に以下の3つの部分に分けられます:

喉頭の解剖図;図は喉頭蓋、声門上、声帯、声門、声門下を示している。舌、気管、食道も示している。

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喉頭の解剖図。喉頭は喉の一部で、舌の根元と気管までの部分です。喉頭は、声門上(喉頭蓋を含む)、声門(声帯を含む)、声門下の3つの部分から成ります。
小児喉頭腫瘍の原因

小児の喉頭がんは、喉頭の細胞の挙動、特に成長して新しい細胞に分裂する過程での挙動に特定の変化が生じることで発生します。そうした細胞の変化が生じる正確な原因は多くの場合、不明です。がんの発生の詳細について、がんとは何か(英語)をご覧ください。

喉頭乳頭腫症は、低リスクHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染によって引き起こされ、その多くは6型と11型です。喉頭乳頭腫症の原因となるHPVは、出産時に感染している母親から小児に伝染する可能性があります。HPVに感染した小児の大半は喉頭乳頭腫症を発症しません。お子さんにリスクがあるかもしれないと思われる場合は、担当の医師に相談してください。

HPVワクチンを接種することは、HPV感染の予防と出産時の感染リスクの低減に役立つ可能性があります。詳細については、HPVワクチン(英語)をご覧ください。

小児喉頭腫瘍の症状

小児の喉頭腫瘍では、腫瘍が大きくなるまで症状が現れないことがあります。以下の症状がみられる場合は、お子さんの担当医に相談するべきです:

これらの腫瘍がある乳児と幼児は成長が遅く、あまり物を食べなかったり、座る、歩く、言葉を話すなどの発達上のマイルストーンを達成できなかったりすることがあります。

これらの症状は、喉頭腫瘍以外の病態によって引き起こされることもあります。状況を把握する唯一の方法は、担当医の診察を受けることです。

小児喉頭腫瘍の診断に用いられる検査

小児に喉頭腫瘍を示唆する症状がみられる場合、それらの原因ががんなのか、それとも別の問題なのかを医師が確認する必要があります。医師は症状がいつから始まり、どのくらいの頻度で起きているかを質問します。医師はまた、保護者に小児の病歴家族歴をたずね、身体診察を行います。それらの結果に応じて、ほかの検査を勧めることもあります。それらの検査の結果は、喉頭腫瘍と診断された場合に保護者と担当医で治療計画を立てるのに役立ちます。

喉頭腫瘍の診断に用いられることがある検査として、以下のものがあります:

口腔診察

口腔診察では、医師または歯科医師が口の中に異常な部分がないかを調べます。この診察は麻酔下で行われることがあります。医師または歯科医師が手袋をはめ、指で口の中を全体にわたって触診し、長い柄の付いた小さな鏡とライトまたは光ファイバー機器を用いてその部分を調べます。

頸部および胸部X線

X線は放射線の一種で、これを人の体に通して、体内の写真を撮影することができます。頸部と胸部のX線検査は、頸部や胸部の臓器と骨の写真を撮影する検査法です。

MRI(磁気共鳴画像)検査

MRI検査は、磁気、電波、コンピュータを用いて頭頸部など体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

CTスキャン

CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。

頭頸部のCT(コンピュータ断層撮影)スキャン:この図は、患者さんが横たわった台がCT装置内を水平に移動している間に頭頸部の精細なX線写真が連続して撮影されている様子を示している。

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頭頸部のCT(コンピュータ断層撮影)スキャン。患者さんが台の上に横たわり、その台がCT装置の中を水平に移動する間に、頭頸部の精細なX線画像が連続で撮影されます。

PETスキャン

PETスキャン(陽電子放射断層撮影)では、少量の放射性グルコース(放射線を放出するブドウ糖)を静脈内に注射します。体の周囲を回転するPETスキャナという装置を用いて、体内でグルコースが消費されている領域を示した画像を作成します。がん細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

PET(陽電子放射断層撮影)スキャン:この図は、患者さんが横たわった台がPETスキャナの中を水平に移動している様子を示している。

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PET(陽電子放射断層撮影)スキャン。患者さんが横たわった台がPETスキャナの中を水平に移動していきます。ヘッドレストと白いストラップは患者さんの動きを制止するためのものです。少量の放射性グルコース(ブドウ糖)を患者さんの静脈に注射してから、体内でグルコースが消費されている領域を示した画像を、スキャナと呼ばれる装置で作成します。がん細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

超音波検査

超音波検査は、周波数の高い音波(超音波)を体内の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。

上部消化管造影

上部消化管造影は、食道と胃のX線画像を連続で撮影する検査法です。この検査では、まずバリウム(銀白色の金属化合物)を溶かした液体を患者さんに飲んでもらいます。バリウムが食道や胃に付着し、X線でより鮮明に描出されます。この検査法は上部消化管撮影とも呼ばれます。

生検

生検とは、腫瘍から組織のサンプルを採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医が顕微鏡で観察して、がんや喉頭乳頭腫症の徴候がないか調べます。

組織のサンプルは以下のような手技の際に採取されることもあります:

ヒトパピローマウイルス(HPV)検査

HPV検査では、生検で採取した組織検体を用いて、喉頭乳頭腫症と関連する可能性がある特定の型のHPVに感染していないかどうかを確認します。

免疫組織化学検査

免疫組織化学検査は、抗体を利用して、患者さんから採取した組織のサンプルに特定の抗原(マーカー)が含まれていないか調べる検査法です。使用される抗体には通常、酵素や蛍光色素が結合されています。この抗体が組織サンプル内の特定の抗原に結合すると、酵素や色素が活性化し、顕微鏡で抗原を観察できるようになります。この種の検査は、がんの診断やがんの種類の判別を進める一助として用いられます。

セカンドオピニオンを受ける

子どものがんの診断を確定して治療計画を立てるにあたって、保護者はセカンドオピニオンを求めることができます。セカンドオピニオンを求めるときは、最初の担当医に医学的検査の結果と報告書を提供してもらい、それらを別の医師と共有する必要があります。2人目の医師は、病理報告書、スライド、検査画像を確認します。そして、最初の医師の見解に同意するか、治療計画の変更を提案したり、患者さんのがんについて新たな情報を提供したりします。

医師を選んでセカンドオピニオンを受けるプロセスの詳細については、がん治療の医療機関を探す(英語)をご覧ください。セカンドオピニオンを提供できる医師や病院の情報については、NCIのCancer Information Serviceまで、チャット、電子メール、電話(英語とスペイン語に対応)でお問い合わせください。受診時に聞いておくとよい質問については、がんについて主治医に尋ねるべき質問(英語)をご覧ください。

小児喉頭腫瘍の治療

喉頭腫瘍の小児の治療を担う医療従事者

小児喉頭腫瘍の治療は、小児がんの治療を専門とする小児腫瘍医が監督します。小児腫瘍医は、小児がんの治療に精通しつつ、同時に特定の医療分野を専門とする他の医療従事者と協力しながら治療に取り組んでいきます。ほかにも以下の専門家が関与することがあります:

小児の喉頭腫瘍に対する治療法には様々なものがあります。保護者と担当の治療チームが協力して、治療法を決定します。小児の全体的な健康状態や、腫瘍が新たに診断されたものかそれとも再発したものかなど、数多くの要因が検討されます。

小児の治療計画では、腫瘍についての情報、治療の目標、治療選択肢、起こりうる副作用などが検討対象に含まれます。治療に先立って担当の治療チームと今後の見通しについて話し合うことが助けになります。実際の進め方については、NCIの小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)をご覧ください。

小児喉頭がんの治療

レーザー手術は、レーザー光線(照射幅の狭い強力な光線)を利用して、がん細胞を破壊する治療法です。

転移する可能性が高い喉頭がんには、外照射療法も用いられます。この治療では、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図ります。詳細については、がんに対する外照射療法(英語)放射線療法の副作用(英語)をご覧ください。

治療後にがんが再発した場合は、予想される経過と次に取ることができる対応について主治医から説明があります。治療の選択肢としては、がんを縮小させるものや、増殖をコントロールするものが考えられます。治療法がない場合は、がんの症状をコントロールするためのケアを受けることができ、それによりできるだけ快適に過ごすことができます。

小児喉頭乳頭腫症の治療

レーザー手術は、レーザー光線(照射幅の狭い強力な光線)を利用してがん細胞を破壊する治療法で、新たに診断された乳頭腫症やその他の良性腫瘍の治療に用いられることがあります。

レーザー手術による切除後に1年で4回再発した喉頭乳頭腫症には、以下のような治療法があります:

臨床試験

患者さんによっては、臨床試験への参加が選択肢の1つになる場合もあります。小児がんを対象とする臨床試験にはいくつかの種類があります。例えば、治療の臨床試験では、新しい治療法や既存の治療法の新しい利用方法が検証されます。支持療法や緩和ケアの臨床試験では、生活の質を改善する方法が検討され、特にがんの影響やその治療による副作用がみられる人が対象になります。

NCIの臨床試験検索から、参加を受け付けているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。この検索では、がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて試験を絞り込むことができます。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

探し方や参加方法など、臨床試験の詳細については、患者さんと介護者のための臨床試験情報(英語)をご覧ください。

フォローアップケア

治療を進める中で、定期的に検査や診察が行われます。がんの診断のために行われた検査の一部が、治療効果を確認する目的で再び行われることもあります。治療の継続、変更、中止などの決定がそれらの検査結果に基づいて判断されることもあります。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。それらの検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんが再発したかどうかを知ることができます。

子どものがんへの対処

小児ががんを発症すると、そのご家族全員に対してサポートが必要になります。この困難な時期には、保護者が自分自身のことに気を配ることが重要になります。担当の治療チームやご家族や地域の人々に助けを求めましょう。詳細については、小児がん患者さんのご家族のためにという記事と、小児がんの子どもたち:親のための手引き(英語)という冊子をご覧ください。

関連資料

小児がんに関するさらなる情報や、がん全般に関するその他の資料については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所(NCI)が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児喉頭がんと乳頭腫症の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board. PDQ Childhood Laryngeal Tumors. Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: https://www.cancer.gov/types/head-and-neck/patient/child/laryngeal-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.

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