ご利用について
このPDQがん情報要約では、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 晩期合併症(晩期障害)についての一般的な情報
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晩期合併症(晩期障害)とは、がん治療の終了後、数カ月ないし数年が経過して現れる健康障害のことです。
がん治療は体内の臓器や組織、骨に障害を及ぼし、後年になって健康障害を引き起こすことがあります。具体的には、身体的、精神的、社会的な問題や二次がんなどが挙げられます。このような健康障害は、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。
晩期合併症(晩期障害)の原因になりうる治療には以下のものがあります:
医師たちは、がん治療によって引き起こされる晩期合併症(晩期障害)について研究を続けています。そして、がんの治療法を改良し、晩期合併症(晩期障害)を予防ないし軽減するための取組みを続けています。大半の晩期合併症(晩期障害)は命にかかわるものではありませんが、健康や生活の質(QOL)に影響を及ぼす深刻な問題を引き起こすことがあります。
小児がん生存者における晩期合併症(晩期障害)は、身体と精神に影響を及ぼします。
小児がん生存者における晩期合併症(晩期障害)では、以下のものが影響を受けることがあります:
晩期合併症(晩期障害)のリスクに影響を及ぼす重要な因子が3つあります。
多くの小児がん生存者に晩期合併症(晩期障害)が現れます。晩期合併症(晩期障害)のリスクは、腫瘍や治療、あるいは患者さん自身に関連する因子に左右されます。具体的には以下のものがあります:
晩期合併症(晩期障害)が生じる可能性は、時間経過とともに高くなっていきます。
小児がんに対する新しい治療法のおかげで、原発がんによる死亡数は減少しています。小児がん生存者の寿命が改善されていることで、がん治療後の晩期合併症(晩期障害)の数が増加しています。生存者は、がんにならなかった人ほど長く生きられない可能性があります。小児がん生存者において最も多い死亡原因は次のものです:
- 原発がんの再発
- 二次原発がん(種類の異なるがん)の発生
- 心臓や肺の障害
晩期合併症(晩期障害)の原因に関する研究により、治療法が変更されるようになってきています。このことは、がん生存者の生活の質(QOL)を改善するもので、晩期合併症(晩期障害)による疾患や死亡の予防に役立っています。
小児がん生存者には、定期的にフォローアップケアを受けることが非常に重要になります。
小児がん生存者の長期的な健康には、晩期合併症(晩期障害)の発見や治療に熟練した医療専門家による定期的なフォローアップが重要です。がん治療を受けた生存者に対するフォローアップケアは、人によって異なります。がん生存者に対する診療計画は、生存者の全般的な健康状態や健康習慣、がんの種類、治療法、遺伝性因子、がん以外の病態によって決まります。フォローアップのケアでは、晩期合併症(晩期障害)の症状がみられないか確認したり、晩期合併症(晩期障害)を予防または軽減する方法についての保健教育を実施したりします。
小児がん生存者は、少なくとも年に1回は検査を受けることが重要です。その検査は、生存者の晩期合併症(晩期障害)のリスクを理解し、晩期合併症(晩期障害)の早期徴候に気付くことができる医療専門家が実施すべきです。血液検査や画像検査を実施することもあります。
長期のフォローアップは、がん生存者の健康と生活の質を向上させることがあります。また、がん治療の晩期合併症(晩期障害)を研究する上でも役立ち、そのおかげで、がんと診断された小児を今よりも安全に治療できるようになるかもしれません。
小児がんの生存者には、健康習慣を良好に保つことも重要になります。
がん生存者の生活の質は、健康や快適な暮らしを促進する習慣によって向上すると考えられます。そのような習慣には、健康的な食事と運動、定期的な健康診断や歯科健診などがあります。がん生存者は治療に関係する健康障害のリスクが高いため、こうしたセルフケアを行うことが特に重要です。健康的な生活行動により、晩期合併症(晩期障害)の程度が軽くなり、他の病気に対するリスクも低くなる可能性があります。
健康を害する生活行動を避けることも重要です。喫煙、過度の飲酒、違法薬物の使用、適切な日焼け対策を行わないこと、運動不足は、治療に関連する臓器障害を悪化させることがあり、二次がんのリスクを高める可能性もあります。
- 二次がん
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小児がん生存者では、後年になって二次がんのリスクが高くなります。
がん治療が終了して2ヵ月以上経過してから発生する別の原発がんは、二次がんと呼ばれます。治療完了後に数カ月ないし数年経過してから二次がんが発生することもあります。発生する二次がんの種類は、最初のがんの種類やそのがんに対する治療法に、ある程度左右されます。良性腫瘍(がんではない腫瘍)が生じることもあります。
がん治療後に発生することがある二次がんには、以下のものがあります:
骨髄異形成症候群および急性骨髄性白血病は、ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、肉腫、中枢神経系腫瘍、非ホジキンリンパ腫、神経芽腫、ウィルムス腫瘍といった原発がんの診断と以下の種類の化学療法による治療を受けてから10年以内に発生することがあります:
化学療法を併用せずに骨髄に対する放射線の照射を受けた小児でも、二次性の急性骨髄性白血病になるリスクが高くなる可能性があります。
以下のような固形腫瘍が原発がんの診断と治療から10年以上後に現れることがあります:
- 乳がん。小児がん、青年のがん、若年成人のがんで胸部に対する高線量の放射線療法を受けた生存者では、乳がんを発症するリスクが高くなります。アルキル化剤やアントラサイクリン系薬剤などの特定の化学療法薬も乳がんのリスクを高めます。リスクが最も高いのは、ホジキンリンパ腫、肉腫、白血病の女性生存者です。
- 甲状腺がん。甲状腺がんは、ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、もしくは脳腫瘍に対する頸部への放射線療法の後、または神経芽腫に対する放射性ヨウ素療法の後、または造血幹細胞移植の一部として行われた全身照射の後、または化学療法単独での実施後に発生することがあります。
- 脳腫瘍。脳腫瘍は、原発脳腫瘍や脳または脊髄に転移した急性リンパ性白血病や非ホジキンリンパ腫などのがんに対する頭部への放射線療法またはメトトレキサートを用いた髄腔内化学療法の実施後に発生することがあります。メトトレキサート投与による髄腔内化学療法と放射線療法を同時に行うと、脳腫瘍のリスクがさらに高くなります。
- 骨と軟部組織の腫瘍。遺伝性網膜芽細胞腫やユーイング肉腫、その他の骨のがんに対する放射線療法の実施後には、骨と軟部組織の腫瘍のリスクが高くなり、照射線量が高いほどリスクも上がります。アントラサイクリン系薬剤またはアルキル化剤による化学療法も骨や軟部組織の腫瘍のリスクを高め、用量が多いほどリスクが上がります。
- 肺がん。ホジキンリンパ腫または骨悪性腫瘍に対する胸部への放射線療法の実施後には、肺がんのリスクが高くなります(特に患者さんが喫煙者の場合)。
- 胃がん、肝がん、および大腸がん。胃がん、肝がん、大腸がんは腹部や骨盤に対する放射線療法、化学療法、またはその両方による治療を受けた後に発生することがあります。ウィルムス腫瘍およびホジキンリンパ腫の生存者では、これらの二次がんのリスクが最も高くなります。放射線の線量が高いほどリスクが増加します。大腸ポリープのリスクも高くなります。
- 非黒色腫皮膚がん(基底細胞がんまたは扁平上皮がん)。放射線療法の実施後には、通常は放射線の照射を受けた部分において、非黒色腫皮膚がんのリスクが高くなります。紫外線に曝されると、リスクが高くなる可能性があります。放射線療法後に非黒色腫皮膚がんを発症した患者さんは、将来、別の種類のがんを発症する可能性が高くなります。基底細胞がんのリスクは、ビンクリスチンやビンブラスチンなどの化学療法薬(ビンカアルカロイドと呼ばれる)による治療後にも高まります。遺伝性網膜芽細胞腫の生存者は非黒色腫皮膚がんのリスクが高くなる可能性があります。
- 悪性黒色腫。悪性黒色腫は放射線療法の実施後や、アルキル化剤と抗有糸分裂薬(ビンクリスチンやビンブラスチンなど)を用いた多剤併用化学療法の実施後に発生することがあります。ホジキンリンパ腫、遺伝性網膜芽細胞腫、軟部肉腫、および性腺腫瘍の生存者には、悪性黒色腫の発生リスクが高い傾向がみられます。二次がんとしての悪性黒色腫は非黒色腫皮膚がんよりまれです。遺伝性網膜芽細胞腫の生存者は黒色腫を発症するリスクが高くなる可能性があります。
- 口腔がん、喉頭がん、および唾液腺がん。口腔がんは、造血幹細胞移植を受けて慢性移植片対宿主病の病歴がある場合や、放射線療法または化学療法を受けた後に発生することがあります。口腔がんのリスクは白血病、骨肉腫、ホジキンリンパ腫、および軟部肉腫の生存者で最も高くなります。小児がん、青年のがん、若年成人のがんの生存者も、ヒトパピローマウイルス感染に関連した口腔がんの発生リスクが高くなる可能性があります。
- 腎がん。神経芽腫に対する治療、背中の中央部に対する放射線療法、シスプラチンまたはカルボプラチンなどの化学療法の実施後には、腎がんのリスクが高くなります。
- 膀胱がんおよび生殖器がん。膀胱がんは、シクロホスファミドによる化学療法後に発生することがあります。遺伝性網膜芽細胞腫の生存者では、膀胱がんのリスクが高くなります。女性生存者では、子宮や外陰部のがんのリスクが高くなります。
特定の遺伝型または遺伝性症候群があると、二次がんのリスクが高くなる可能性があります。
小児がん生存者の中には、がんの家族歴があるとか、リー-フラウメニ症候群などの遺伝性がん症候群や神経線維腫症1型などの遺伝子変異があるために、二次がんを発症するリスクが高い人もいます。細胞内におけるDNAの修復過程や、体内における抗がん剤の作用機序に関連する障害によって、二次がんのリスクが左右される場合もあります。
がん治療を受けたことのある人は、定期的にスクリーニング検査を受けて、二次がんが発生していないか確認するべきです。
がん治療を受けたことのある人にとって、症状が現れる前に、二次がんが発生していないか確認することが重要です。これはスクリーニングと呼ばれ、二次がんをより小さく拡がっていない段階で発見するのに役立ちます。異常組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合があります。症状が現れる前に、がんが拡がり始めている場合もあります。
医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんの存在を疑っているわけではないということを覚えておくことが重要です。スクリーニング検査が実施されるのは、がんの症状が認められない場合です。スクリーニング検査の結果が異常であれば、二次がんであるかどうか確認するためにさらなる検査が行われるかもしれません。このような検査を診断検査と呼びます。
二次がんのスクリーニングに使用される検査方法は、生存者が過去に受けたがん治療の種類によって多少異なります。
小児がん生存者は、年に1回、身体診察と病歴聴取を受けるべきです。身体診察を行って、健康状態を確認し、しこりや皮膚の変化、通常みられない所見など、疾患の徴候がないか調べます。病歴を聴取して、がん生存者の健康習慣、過去の病歴、治療歴について調べます。
放射線療法を受けた小児がん生存者では、以下の検査や処置を実施して、皮膚がん、乳がん、大腸がんについて調べることがあります:
- 皮膚の診察では、医師または看護師が皮膚の各部を調べ、特に放射線が照射された部分に、色や大きさ、形状、質感などが正常でないできものや斑点がないかを確かめます。皮膚がんの徴候がないかチェックするために、年に1回は皮膚の検査を実施することが推奨されます。医師はまた、皮膚がんのリスクを低減するための日焼け予防に関する情報も提供します。
- 乳房自己検査は、患者さん自身が乳房を調べる検査法です。患者さん自身が乳房とわきの下の触診を入念に行って、しこりなどの異常がないかを調べます。胸部に対する高線量の放射線療法を受けた女性は、思春期以降、月1回は乳房自己検査を行うことが推奨されます。乳房自己検診を始めるべき時期については、医師に相談してください。
- 臨床的乳房検査(CBE)とは、医師またはその他の医療専門家が実施する乳房の診察のことです。医師が乳房とわきの下の触診を入念に行って、しこりなどの異常がないかを調べます。胸部に高線量の放射線療法を受けた女性は、思春期から25歳まで年1回の臨床的乳房検査を受けることが推奨されます。25歳以降または放射線療法終了から8年が経過した後(どちらか早いほう)から、6ヵ月ごとに臨床的乳房検査を行います。臨床的乳房検査を始めるべき時期については、医師に相談してください。
- マンモグラフィとは、乳房のX線検査のことです。マンモグラフィは、胸部に高線量の放射線療法を受けたことがあり、乳房の密度が濃くない女性を対象に実施されることがあります。このような女性は、治療終了から8年後または25歳になった時点のいずれか遅い方から、年に1回はマンモグラフィを受けることが推奨されます。マンモグラフィによる乳がんの検査を始めるべき時期については、医師に相談してください。
- 乳房MRI(磁気共鳴画像法)は、磁気、電波、コンピュータを用いて、乳房の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。MRI検査は、胸部に高線量の放射線療法を受けたことがあり、乳房の密度が濃い女性を対象に実施されることがあります。このような女性は、治療終了から8年後または25歳になった時点のいずれか遅い方から、年に1回はMRI検査を受けることが推奨されます。乳房MRIによる乳がんの検査を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。
- 結腸鏡検査は、直腸および結腸内部にポリープ、異常な領域、がんなどがないかを調べる検査法です。結腸鏡を直腸から結腸の中に挿入します。結腸鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。ポリープや組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織を顕微鏡で観察して、がんの徴候がないか調べます。腹部、骨盤、または脊椎に対して高線量の放射線療法を受けた小児がん生存者は、5年ごとに結腸鏡検査を受けることが推奨されます。30歳になった時点または治療終了から5年後のいずれか遅い方から、結腸鏡検査を開始します。大腸がんの結腸鏡検査を開始するべき時期については、医師に相談してください。
- マルチターゲット便DNA検査は、便を採取してがん細胞の有無を確認する検査法です。この検査は、30歳になった時点または治療終了の5年後の時点から、3年ごとに行われることがあります。
- 心血管系
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特定の小児がんに対する治療を受けると、心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
小児がん生存者では、心血管疾患が若年で発生します。以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
胸部に対する放射線療法や特定の化学療法を受けると、心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、心臓や血管に関わる健康障害のリスクが高くなります:
- 造血幹細胞移植の一部として実施した、胸部、脊椎、脳、頸部、腎臓への放射線照射または全身照射(TBI)。健康障害のリスクは、放射線が照射された部位や照射された総放射線量、あるいは低線量照射か高線量照射かによって異なります。
- 特定の種類の化学療法。ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシンなどのアントラサイクリン系薬剤を使用する化学療法とミトキサントロンなどのアントラキノン系薬剤を使用する化学療法は、心血管系の問題が発生するリスクを高めます。健康障害のリスクは、化学療法で投与された薬剤の総用量と種類によって異なります。また、アントラサイクリン系薬剤による治療が13歳未満の小児に行われたかどうかと、アントラサイクリン系薬剤による治療中にデクスラゾキサンと呼ばれる薬剤が投与されたかどうかによってもリスクは異なります。デクスラゾキサンは、治療後最長5年にわたって、心臓や血管の損傷を抑える作用があります。イホスファミド、シクロホスファミド、メトトレキサート、アスパラギナーゼの投与、あるいはカルボプラチンやシスプラチンといった白金を含む薬剤による化学療法が、心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)を引き起こすこともあります。
- 造血幹細胞移植。
- 腎摘出術(腎臓の一部または全体を切除する手術)。
心臓や血管に対する放射線療法と特定の種類の化学療法の両方を受けた小児がん生存者では、リスクが極めて高くなります。
以下の因子も心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)のリスクを高める可能性があります:
新しい治療法として、より低い線量で放射線療法を行い、低用量の化学療法や有害作用の少ない薬剤を用いる化学療法を行うとともに、デクスラゾキサンを取り入れることが、小児がん生存者における心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)のリスク低減につながる可能性があります。
心臓や血管に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
放射線療法または特定の化学療法を受けた小児がん生存者では、心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)や関連する健康障害のリスクが高くなります。具体的には以下のものがあります:
心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、呼吸困難や胸痛などがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 呼吸障害(特に横になっているとき)
- 心拍が異常に遅い、異常に速い、または心臓の正常なリズムと異なる
- 胸の痛みや腕または脚の痛み
- 足、足首、脚、または腹部の腫れ
- 冷気に触れたり、強い感情が起きたりした際に、手足の指、耳、または鼻が白くなった後に青ざめ、ときに指先に痛みやしびれを伴うこともある
- 顔、腕、または脚の突然の知覚麻痺や脱力(特に体の片側に現れる)
- 突然の錯乱、発話障害、または会話が理解できない
- 突然の片眼または両眼の視覚障害
- 突然の歩行障害またはめまい
- 突然の平衡感覚障害または協調動作障害
- 突然の原因不明の重度の頭痛
- 腕や脚の一部に生じる痛み、熱感、発赤(特に下腿の後部)
これらの症状が心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
心臓や血管の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 心電図検査は、心臓内を流れる電流の変化を線グラフで記録して、心拍数と心拍リズムを調べる検査法です。まず患者さんの胸部、腕、脚に小さな電極をいくつか貼り付け、それらを導線によって心電計と呼ばれる装置に接続します。その後、心臓の活動を折れ線グラフとして記録していきます。電気的な活動が正常より速い場合や遅い場合は、心臓の疾患や障害の徴候である可能性があります。
- 心臓超音波検査は、高エネルギーの音波(超音波)を心臓や周辺の組織または臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。血液が心臓から送り出されるときの心臓や心臓弁の動きが動画として撮影されます。
- 超音波検査は、高エネルギーの音波(超音波)を心臓など内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。
- MRI(磁気共鳴画像法)は、磁気、電波、コンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。血栓の有無を調べるために行われます。
- CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。血栓の有無を調べるために行われます。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。
- MRA(磁気共鳴血管造影)は、電波とコンピュータ制御された強力な磁場発生装置を用いて、体内の血管と血流の詳細な画像を映し出す検査法です。血管と血流をより明瞭に映し出すために、造影剤を静脈内に注射します。血栓やその他の血管の問題を調べるために行われることがあります。
- 脂質組成検査は、採取した血液を用いて、血液中のトリグリセリド、コレステロール、低密度および高密度リポ蛋白コレステロールの量を測定する検査法です。
心臓や血管の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
小児がんの生存者には、心臓や血管の健全性を高める健康習慣が重要になります。
小児がん生存者が以下のような健康的な生活習慣を実践することで、心臓と血管の晩期合併症(晩期障害)のリスクが低下する可能性があります:
- 健康的な体重を維持する
- 野菜や果物、全粒穀類、魚、および鶏肉を多く含み、赤身肉や加工肉が少ない、心臓の健康に配慮した食事を摂る
- 定期的に運動をする
- 喫煙をしない
- 中枢神経系
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脳腫瘍や急性リンパ芽球性白血病に対する治療を受けると、脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
脳に対する放射線による治療を受けると、脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、脳や脊髄に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
脳に対する放射線療法と髄腔内化学療法を同時に受けると、脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
小児脳腫瘍の生存者が以下の項目に該当する場合も、脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなる可能性があります:
脳や脊髄に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
脳や脊髄に対する放射線療法、特定の種類の化学療法、または手術を受けた小児がん生存者では、脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)や関連する健康障害のリスクが高くなります。小児では、これらの問題が治療の直後に発生することもあれば、成人期になって数年後に発生することもあります。脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)には以下のものがあります:
思考、学習、記憶、感情、行動に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が生存者にみられることもあります。
脳のより狭い範囲に低線量の放射線を照射する新しい方法を利用して、脳や脊髄に晩期合併症(晩期障害)が生じるリスクを減らすことができます。
脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、頭痛、協調運動障害、てんかん発作などがあります。
これらの症状が脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
その他の症状には以下のものがあります:
- 記憶障害
- 注意力の低下
- 問題解決能力の低下
- 考えや作業を整理する能力の低下
- 新しい情報の学習や運用の遅れ
- 読み書きや計算能力の低下
- 眼や手、その他の筋肉の協調運動障害
- 正常な発達の遅延
- 社会的引きこもりや他者との協調に関する問題
これらの症状が脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
脳や脊髄の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 神経学的検査とは、脳と脊髄および神経の機能を調べる目的で行われる一連の問診と検査のことです。この検査のチェック項目には、精神状態、協調運動、歩行能力、さらに筋肉、感覚、反射がどの程度機能しているかなどが含まれます。この検査は神経検査や神経学的診察と呼ばれることもあります。場合によっては、神経内科医や神経外科医が、より綿密な検査を行うこともあります。
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神経心理学的評価は、患者さんの精神的な変化や挙動を調べる一連の検査法です。通常チェックされるのは、以下の領域です:
- 自分が誰で、どこにいて、今日が何曜日か理解しているか
- 新しい情報の学習能力や記憶能力
- 知能
- 問題解決能力
- 口頭言語や文字言語の使用
- 眼と手の協調
- 情報や作業の整理能力
脳や脊髄の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
小児がんの生存者では、精神疾患のリスクが高くなります。
小児がんの生存者は、がんの既往がない同世代の子と比べて、精神疾患と診断される可能性が高くなります。そのような疾患としては以下のものがあります:
- うつ病
- 不安症
- 自閉スペクトラム症
- 双極症
- 強迫症
- 心的外傷後ストレス症
精神疾患があると、人との関わりや教育、雇用、健康上の問題が生じ、自殺を考えるようになることがあります。結果的に、生存者は成人として自立した生活を送りにくくなる場合があります。
小児がん生存者のフォローアップケアには、想定される心理的苦悩や精神疾患に対するスクリーニングと治療を含めるべきです。
がんの患者さんの心理的苦悩や対処技術に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
小児がん生存者の中には、心的外傷後ストレス障害がみられる人もいます。
命にかかわる病気と診断され、その治療を受ける経験は、心的外傷の原因になる可能性があります。このような心的外傷が原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)が発生することがあります。PTSDは、死や死の恐怖、重篤な損傷、自分自身や他者への恐怖といったことに関連して、ストレスを強く感じる出来事を経験した後に特定の行動が認められる状態と定義されています。
PTSDはがん生存者に対して次のような影響を与えます:
- がんの診断や治療を受けた当時のことを再び体験したり、考えたりすることが続き、それらのことが頭から離れなくなる
- 悪夢やフラッシュバックを経験する
- がんの体験が蘇るような場所、出来事、人との接触を避ける
ある程度は患者さん自身の対処スタイルやその両親の対処スタイルにもよりますが、一般に小児がん生存者が示すPTSDの程度は低くなります。頭部に対する放射線療法を4歳未満で受けた生存者、または強力な治療を受けた生存者は、PTSDのリスクが高くなる可能性があります。家族に問題がある、家族や友人からの社会的支援が少ないか全くない、がんとは関係ないストレスがあるなどの場合には、PTSDになる可能性が高くなることがあります。
がんにまつわる場所や人との接触を避けることがPTSDの症状の1つと考えられるため、PTSDのある生存者は必要な医学的治療を受けようとしないことがあります。
青年期にがんの診断を受けた場合は、後年になって社会的な問題がみられることがあります。
青年期にがんの診断を受けると、そうでなかった場合と比べて、社会的なマイルストーンを達成することがほとんどできなかったり、遅れたりすることがあります。社会的に重要な段階には、初めてボーイフレンドやガールフレンドができる、結婚する、出産するといったことがあります。10代でがんの診断を受けた人は、他の人とうまくやることができないとか、同世代の人から好かれていないように感じる場合もあります。
この年齢層のがん生存者は、がんではない同年齢の人と比べて、一般に自身の健康や生活への満足度が低いと報告しています。青年または若年成人のがん生存者は、心理的支援、教育支援、および職業支援を提供する特別なプログラムを必要としています。
- 消化器系
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化学療法、放射線療法、または手術による治療は、口腔から直腸までの消化器系全体にわたって問題を引き起こすことがあります。
歯と顎
頭頸部への放射線やある種の化学療法を受けると、歯や顎の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、歯や顎に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
治療時の年齢が5歳未満であった生存者では永久歯が完全に形成されていないため、この場合もリスクが高くなります。
歯や顎に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
歯や顎の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
歯や顎の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、虫歯(の穴)や顎の痛みなどがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が歯や顎の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 歯が小さいか、正常な形と異なる
- 永久歯の欠損
- 永久歯の生える時期が一般的な年齢より遅い
- 歯のエナメル質が正常より少なくなる
- 虫歯(の穴)や歯周病が正常より多い
- ドライマウス
- 噛む、飲み込む、話す動作の障害
- 顎の痛み
- 通常の顎の開閉ができない
これらの症状が歯や顎の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
口腔や顎の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 歯科検査は、虫歯の穴などの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に歯、口、顎を調べる検査です。これは歯科健診と呼ばれることもあります。
- Panorex X線検査は、全ての歯や歯根をX線でパノラマ撮影する検査法です。X線は放射線の一種で、これを人の体に通して写真を撮影することができます。
- 顎のX線検査は、顎をX線で撮影する検査法です。X線は放射線の一種で、これを人の体に通して写真を撮影することができます。
- CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて頭部や頸部など体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。
- MRI(磁気共鳴画像法)は、磁気、電波、コンピュータを用いて頭部や頸部など体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- 生検とは、腫瘍から組織のサンプルを採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医が顕微鏡で観察して、がんの徴候がないか調べます。
歯や顎の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
消化管
特定の小児がんに対する治療を受けると、消化管の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が消化管(食道、胃、小腸、大腸、直腸、肛門)の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
膀胱、前立腺、精巣に対する放射線や特定の化学療法による治療を受けると、消化管の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、消化管に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
- 腹部や、食道、膀胱、前立腺、精巣などの腹部周辺の部位に対する放射線療法は消化管障害を引き起こすことがありますが、この場合の障害はすぐに現れて短時間で回復します。しかし、患者さんによっては、消化管障害が遅れて発生し、長く持続することもあります。これらの晩期合併症(晩期障害)は、血管に損傷を与える放射線療法によって引き起こされます。高線量の放射線療法や、アクチノマイシンDまたはアントラサイクリンなどの化学療法と放射線療法の併用を受けると、このリスクが高くなる可能性があります。
- 腹部の手術や膀胱を切除する骨盤手術。
- シクロホスファミド、プロカルバジン、イホスファミドなどのアルキル化剤、またはドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシンなどのアントラサイクリン系薬剤を用いた化学療法。
- 造血幹細胞移植。
次の場合も、消化管の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなることがあります:
消化管に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
消化管の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
消化管の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、腹痛や下痢などがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が消化管の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
これらの症状が消化管の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
消化管の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 直腸指診は、医師または看護師が手袋をはめて潤滑剤を塗った指を直腸内に挿入して、しこりや異常な部分がないかを指の感触で調べる診察法です。
- 血液生化学検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査です。ある物質の量が異常であることは、何らかの疾患の徴候である可能性があります。
- 腎臓、尿管、膀胱のX線検査では、放射線の一種であるX線を人の体に通して、腹部、腎臓、尿管、膀胱の写真を撮影し、疾患の徴候がないか調べることができます。
- CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。
- MRI(磁気共鳴画像法)は、磁気、電波、コンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- 上部消化管造影は、咽頭、食道、胃、および十二指腸(小腸の最初の部分)のX線画像を連続で撮影する検査法です。この検査法では、まずバリウム(銀白色の金属化合物)を溶かした液体を患者さんに飲んでもらいます。バリウムが食道と胃の表面を覆うことで、X線写真にこれらの臓器がより鮮明に映し出されます。この検査法は上部消化管撮影とも呼ばれます。
消化管の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
肝臓と胆管
特定の小児がんに対する治療を受けると、肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
- 急性リンパ芽球性白血病(ALL)
- 肝がん
- ウィルムス腫瘍
- 造血幹細胞移植で治療されたがん
特定の化学療法や肝臓または胆管への放射線療法を受けると、晩期合併症(晩期障害)のリスクが高まります。
以下の治療を受けた小児がん生存者では、肝臓または胆管の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなる可能性があります:
以下の項目に該当する場合も、肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなる可能性があります:
肝臓や胆管に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、腹痛や黄疸などがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
これらの症状が肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)には、徴候や症状がみられず治療が不要なものもあります。
肝臓や胆管の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 血液生化学検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法です。ある物質の量が異常であることは、何らかの疾患の徴候である可能性があります。例えば、肝臓に損傷があると、体内のビリルビン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の濃度が高くなることがあります。
- フェリチン検査は、採取した血液を用いて、フェリチンの濃度を測定する検査法です。フェリチンは、鉄と結合する蛋白で、体内で使用するために鉄を貯蔵しておく働きがあります。造血幹細胞移植後にフェリチン濃度が高いことは、肝臓疾患の徴候である場合があります。
-
血算(全血球算定)は、血液を採取して以下の項目について調べる検査です:
この検査は、体内の血小板の量を調べるために行われます。
- プロトロンビン時間(PT)検査は、血液凝固に必要な時間を測定する検査法です。
- 肝炎検査は、採取した血液を用いて、肝炎ウイルスの断片がないか調べる検査法です。血液中に存在する肝炎ウイルスの量を測定するために血液サンプルが使用されることもあります。1972年以前に輸血を受けた患者さんは全員、B型肝炎のスクリーニング検査を受けるべきです。また、1993年以前に輸血を受けた患者さんは、C型肝炎のスクリーニング検査を受けるべきです。
- 超音波検査は、高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や胆嚢などの臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。
- CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。
- MRI(磁気共鳴画像法)は、磁気、電波、コンピュータを用いて体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
肝臓や胆管の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
小児がんの生存者には、肝臓の健全性を高める健康習慣が重要になります。
肝臓の晩期合併症(晩期障害)がある小児がん生存者は、以下の点に注意して、健康を保つようにすべきです:
- 健康的な体重を維持する
- 飲酒をしない
- A型肝炎およびB型肝炎ウイルスに対するワクチンを接種する
膵臓
放射線療法は膵臓の晩期合併症(晩期障害)のリスクを高めます。
以下の治療を受けた小児がん生存者では、膵臓の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなる可能性があります:
- 腹部に対する放射線療法
- 造血幹細胞移植の一部として行われた全身照射
膵臓に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
膵臓の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
膵臓の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、頻尿や喉の渇きなどがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が膵臓の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 頻尿
- 激しい喉の渇き
- 激しい空腹感
- 原因不明の体重減少
- ひどい疲労感
- 特に皮膚、歯ぐき、膀胱における頻繁な感染
- 目のかすみ
- 切り傷やあざの治りが遅い
- 手足のしびれやチクチクとした痛み
これらの症状が膵臓の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
膵臓の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 糖化ヘモグロビン(A1C)検査は、血液サンプルを用いて、赤血球に結合しているブドウ糖の量を測定する検査法です。赤血球に結合しているブドウ糖の量が異常に高いことは、糖尿病の徴候である可能性があります。
- 空腹時血糖値検査は、採取した血液を用いて、ブドウ糖の血中濃度を測定する検査法です。この検査は、一晩絶食した状態で行われます。ブドウ糖の血中濃度が異常に高いことは、糖尿病の徴候である可能性があります。
- 内分泌系
-
甲状腺
特定の小児がんに対する治療を受けると、甲状腺の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が甲状腺の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
頭頸部に対する放射線療法を受けると、甲状腺の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けた小児がん生存者では、甲状腺の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなる可能性があります:
女性、治療時の年齢が低かった生存者、および放射線の線量が高かった生存者でもリスクが高くなり、さらに診断や治療からの経過時間が長くなるにつれてリスクが高くなります。内分泌系の異常のリスクは、腫瘍の位置によっても異なります。
甲状腺に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
甲状腺の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
- 甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの不足):頭頸部の甲状腺を含む領域に放射線照射を受けた生存者は甲状腺機能低下症のリスクが高くなり、特にホジキンリンパ腫の生存者では顕著です。これは最も多くみられる甲状腺の晩期合併症(晩期障害)です。通常は治療終了から2~5年後に発生しますが、放射線療法を受けてから25年以上が経過した後に生じることもあります。男児より女児に多くみられます。陽子線治療を受けた小児、青年、および若年成人は、甲状腺機能低下症を発症するリスクが比較的低いと考えられます。
- 甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンの過剰):甲状腺に対する放射線療法の線量が多くなると、甲状腺機能亢進症のリスクも高くなります。甲状腺機能亢進症は甲状腺機能低下症よりも少ない病態です。通常は治療終了から5年後までに発生しますが、放射線療法を受けてから25年以上が経過した後に生じることもあります。
- 甲状腺のしこり:診断後に高線量の放射線照射や長期間の照射を受けることには、甲状腺にしこりができるリスクが高まることとの関連が認められます。これらの増殖物は良性の(がんではない)場合も悪性(がん)の場合もあります。男児より女児に多くみられます。甲状腺のしこりによって、甲状腺の肥大(甲状腺腫)が引き起こされることがあります。
甲状腺の晩期合併症(晩期障害)の症状は、体内の甲状腺ホルモンが過剰に少ないか多いかによって異なります。
これらに加え、以下のような別の症状が甲状腺の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが過剰に少ない) まれに、甲状腺機能低下症で症状が現れないことがあります。
甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰に多い) -
甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰に多い)
- 落ち着きがない、不安、またはふさぎ込み
- 睡眠障害
- 疲労感や脱力感
- 手が震える
- 心拍が速い
- 皮膚が赤くなり、熱をもつ(かゆみを伴うこともある)
- 髪が細くて柔らかい(抜け落ちる)
- 排便(腸の運動)が頻繁またはゆるい
- 原因不明の体重減少
- 暑さを感じやすい
これらの症状が甲状腺の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
甲状腺の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 血液ホルモン検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定のホルモンの濃度を測定する検査法です。特定の物質の量が異常であることは、その物質を作り出している臓器や組織に影響を及ぼす疾患の徴候である可能性があります。採取した血液で、甲状腺刺激ホルモン(TSH)または遊離型チロキシン(T4)の値が異常ではないか調べることもあります。
- 超音波検査は、周波数の高い音波(超音波)を体内の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この検査法により、甲状腺の大きさや、甲状腺に小結節(しこり)がないかを確認することができます。
甲状腺の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
視床下部と下垂体
特定の小児がんに対する治療を受けると、神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)が現れることがあります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
- 急性リンパ芽球性白血病(ALL)
- 脳腫瘍および脊髄腫瘍
- 頭頸部がん
- 造血幹細胞移植で治療されたがん
視床下部または下垂体に影響を及ぼす治療を受けると、神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
小児がん生存者は、神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなっています。これらの障害は、脳の視床下部の近くにあるがんを治療するための放射線療法や、造血幹細胞移植の前の全身照射として実施される放射線療法によって引き起こされます。視床下部は、下垂体で作られて血液中に放出されるホルモンを調節しています。視床下部や下垂体、視経路で行われる手術も、同様の障害を引き起こします。
視床下部に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)が生じた小児がん生存者では、下垂体で作られ血液中に放出されるホルモンの濃度が異常になることがあります。神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
-
成長ホルモン欠乏症:成長ホルモンは成長を促し、代謝の調節に関与しています。これは、成長ホルモンの濃度が低下する病態で、小児がん生存者では脳に対する放射線による晩期合併症(晩期障害)として多くみられます。放射線の照射線量が高いほど、また、治療後の経過時間が長いほど、この晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。脳や脊髄に対する放射線療法や化学療法を受け、造血幹細胞移植を受けた小児ALLの生存者でも、成長ホルモンの濃度が低下することがあります。
小児で成長ホルモンの濃度が低下すると、成人になったときの身長が正常より低くなります。小児の骨が成長途中である場合は、治療が終了した1年後に成長ホルモン補充療法を行って、成長ホルモンの低濃度を治療することがあります。
-
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)欠乏症:副腎皮質刺激ホルモンは、グルココルチコイドの分泌を調節するホルモンです。これは副腎皮質刺激ホルモンの濃度が低下する、まれな晩期合併症(晩期障害)です。以下の生存者に生じることがあります:
- 小児脳腫瘍、その他の腫瘍、または血液のがんの生存者
- 成長ホルモンの濃度が低い生存者や中枢性甲状腺機能低下症の生存者
- 脳に対して放射線療法を受けた生存者
- ステロイドホルモンによる治療を受けた生存者
副腎皮質刺激ホルモン欠乏症の症状は重度でないこともあり、自覚されないケースもあります。症状には以下のものがあります:
副腎皮質刺激ホルモンの濃度が低下した状態は、ヒドロコルチゾン療法で治療されることがあります。
-
高プロラクチン血症:プロラクチンは母乳の出る量を調節するほか、人体において多くの役割を担っています。これは、ホルモンであるプロラクチンの濃度が高くなった状態で、脳に対する高線量の放射線照射や下垂体部分に影響を及ぼす手術の実施後に発生することがあります。プロラクチンの濃度が高くなると、以下の問題が発生する可能性があります:
徴候や症状がみられない場合もあります。治療が必要になることはまれです。
-
甲状腺刺激ホルモン(TSH)欠乏症:甲状腺刺激ホルモンは、甲状腺ホルモンの分泌を調節するホルモンです。これは、甲状腺ホルモンの濃度が低くなる病態で、脳に対する放射線療法後に非常にゆっくりと進行することがあります。甲状腺刺激ホルモン欠乏症は中枢性甲状腺機能低下症と呼ばれることもあります。
ときには甲状腺刺激ホルモン欠乏症の症状に気づかない場合もあります。甲状腺ホルモンの濃度が低いと、その他の症状と同様に、成長の遅れや思春期の遅れがみられることもあります。詳細については、甲状腺機能低下症の症状をご覧ください。
甲状腺ホルモンの濃度が低い場合は、甲状腺ホルモン補充療法で治療することがあります。
-
黄体形成ホルモンまたは卵胞刺激ホルモンのバランスの乱れ:黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンは生殖機能を制御します。これは、これらのホルモンの濃度が異常な病態で、様々な健康障害が現れる可能性があります。どのような障害が現れるかは、放射線の線量とホルモンの濃度が正常より高いか低いかによって異なります。
視床下部や下垂体の近くに脳腫瘍があった、低線量の放射線を脳に照射する治療を受けた、または水頭症がある小児がん生存者は、中枢性思春期早発症(女児で8歳以前、男児で9歳以前の思春期の開始を引き起こす病態)を発症することがあります。中枢性思春期早発症は、脳からの黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌が小児期の発育過程の異常に早い段階から始まることで起こります。この病態では、思春期を遅らせて小児の成長を補助するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト療法が行われることがあります。
脳に高線量の放射線療法を受けた小児がん生存者は、ときに黄体形成ホルモンまたは卵胞刺激ホルモンの濃度が低くなります。この病態は性ホルモン補充療法で治療されることがあります。用量は小児の年齢と思春期に達しているかどうかによって異なります。
-
中枢性尿崩症:下垂体の前部で作られ血液中に放出される数種のホルモンがいずれも減少または欠乏することで、中枢性尿崩症になる場合があります。この病態は、視床下部や下垂体に対する手術を受けた小児がん生存者でみられることがあります。中枢性尿崩症の症状には、以下のものがあります:
- 大量の尿の生成
- 激しい喉の渇き
- 疲労感
乳児における中枢性尿崩症の症状には、以下のものがあります:
- 嘔吐
- 下痢
- いらだち
- 成長や発達の遅れ
- 原因不明の体重減少
神経内分泌系の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 血液生化学検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出されるグルコースなどの特定の物質の濃度を測定する検査法です。ある物質の量が異常であることは、何らかの疾患の徴候である可能性があります。
- 血液ホルモン検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定のホルモンの濃度を測定する検査法です。特定の物質の量が異常であることは、その物質を作り出している臓器や組織に影響を及ぼす疾患の徴候である可能性があります。採取した血液で、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、エストラジオール、テストステロン、コルチゾール、または遊離型チロキシン(T4)の値が異常ではないか調べることもあります。
- 脂質組成検査は、採取した血液を用いて、血液中のトリグリセリド、コレステロール、低密度および高密度リポ蛋白コレステロールの量を測定する検査法です。
神経内分泌系の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
メタボリックシンドローム
特定の小児がんに対する治療を受けると、メタボリックシンドロームが起こりやすくなります。
メタボリックシンドロームは、腹部周辺の脂肪が過剰なことに加えて、以下のうちの少なくとも2つを含む一群の症状です:
- 高血圧
- 血中のトリグリセリド高値および高密度リポ蛋白(HDL)コレステロール低値
- 血中のグルコース(ブドウ糖)高値
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が後年になってメタボリックシンドロームを引き起こす原因となる場合があります:
- 急性リンパ芽球性白血病(ALL)
- 造血幹細胞移植で治療されたがん
- ウィルムス腫瘍や神経芽腫など、腹部に対する放射線療法で治療したがん
放射線療法はメタボリックシンドロームのリスクを高めます。
以下による治療を受けた小児がん生存者では、メタボリックシンドロームのリスクが高くなる可能性があります:
- 脳、腹部、または骨盤に対する放射線療法
- 造血幹細胞移植の一部として行われた全身照射(TBI)
- アルキル化剤などの化学療法
- 高齢
メタボリックシンドロームを診断するために、特定の検査や処置が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 血液生化学検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出されるグルコースなどの特定の物質の濃度を測定する検査法です。ある物質の量が異常であることは、何らかの疾患の徴候である可能性があります。
- 脂質組成検査は、採取した血液を用いて、血液中のトリグリセリド、コレステロール、低密度および高密度リポ蛋白コレステロールの量を測定する検査法です。
メタボリックシンドロームの徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
体重変化とフレイル
体重変化とフレイルは、特定の小児がんに対する治療を受けると起こりやすくなる晩期合併症(晩期障害)です。
体重の変化としては低体重、過体重、肥満があります。フレイルとは、通常は高齢者に発生する病態で、疲労、歩行速度の低下、筋力の低下などがみられます。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が体重変化やフレイルを引き起こす原因となる場合があります:
- 急性リンパ芽球性白血病(ALL)
- 脳腫瘍、特に頭蓋咽頭腫
- 骨腫瘍
- 造血幹細胞移植の一部として行われたTBIなど、脳への放射線照射による治療を行ったがん
移植片対宿主病によっても、造血幹細胞移植を受けた患者さんに体重の変化が起きることがあります。
放射線療法は体重変化やフレイルのリスクを高めます。
次の治療を受けると、低体重のリスクが高くなります:
- 女性に対するTBI
- 男性の腹部に対する放射線療法
- 特定の種類の化学療法(アルキル化剤やアントラサイクリン)
次の場合も、低体重のリスクが高くなることがあります:
- 女性であること
- 家計収入が低いこと
- 慢性疾患があること
次の治療を受けると、過体重または肥満になるリスクが高くなります:
- 脳に対する放射線療法
- 頭蓋咽頭腫を切除する手術など、視床下部または下垂体を損傷する手術
次の場合も、肥満のリスクが高くなることがあります:
十分な運動を行っていて、不安の程度が正常な小児がん生存者は肥満のリスクが低くなります。
次の治療を受けると、フレイルのリスクが高くなります:
- 脳に対する放射線療法
- TBI
体重変化を診断するために、特定の検査や処置が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 血液生化学検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出されるグルコースなどの特定の物質の濃度を測定する検査法です。ある物質の量が異常であることは、何らかの疾患の徴候である可能性があります。
- 脂質組成検査は、採取した血液を調べて、血液中のトリグリセリド、コレステロール、低密度および高密度リポ蛋白コレステロールの量を測定する検査法です。
低体重、過体重、肥満は、体重、肥満指数、体脂肪率、または腹周りの寸法(腹囲)を測定して評価することができます。
体重変化の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
- 免疫系
-
がんの治療や脾臓を摘出する手術を受けると、免疫系の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
脾臓に影響を及ぼす以下の治療を受けると、免疫系に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
以下の治療を受けると、免疫系に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなる可能性があります:
免疫系に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)は、感染を引き起こす可能性があります。
免疫系に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)があると、ウイルス感染や極めて重度の細菌感染のリスクが高くなることがあります。このリスクは、高年齢の小児より低年齢の小児で高く、またがん治療後にワクチンによる免疫効果が低下している小児でも高くなります。脾臓が機能を停止したり、手術で脾臓を切除したりしてから数年後に、リスクが高くなることがあります。以下のような症状が感染により引き起こされることがあります:
- 体の部分的な発赤、腫れ、熱感
- 眼、耳、喉など、体の部分的な痛み
- 発熱
感染症が他の症状を引き起こすことがあり、その症状は感染した体の場所によって異なります。例えば、肺の感染症によって、咳や呼吸困難が生じることがあります。
脾臓を摘出した小児やワクチンによる免疫が失われている小児では、感染リスクの軽減に抗菌薬の服用やワクチンの追加接種が必要になる場合があります。
5歳未満の小児で、脾臓が機能していない場合または手術で脾臓を摘出してから1年以上経過している場合は、毎日の服用で抗菌薬が処方されることがあります。特定の高リスクの患者さんでは、抗菌薬が処方されて、小児期から成人期まで毎日服用するよう指示されることがあります。
さらに、感染リスクの高いお子さんは、青年期を通した治療計画を策定し、以下の感染に対する予防接種を受けるべきです:
- 肺炎球菌による感染症
- 髄膜炎菌による感染症
- B型インフルエンザ菌(Hib)による感染症
- ジフテリア-破傷風-百日咳(DTaP)
- B型肝炎
- 麻疹
- ムンプス(おたふく風邪)
一部の小児では、がん治療中にワクチンによる防御効果が失われることがあります。がん治療を受ける前に、小児向け予防接種を繰り返し受ける必要があるかどうかについて医師に相談してください。
- 筋骨格系
-
特定の小児がんに対する治療を受けると、骨や関節の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんなどでは、その治療が骨や関節の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
栄養不良と運動不足も骨の晩期合併症(晩期障害)を引き起こすことがあります。
放射線療法、手術、化学療法、その他の治療を受けると、骨や関節の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
放射線療法
放射線療法を受けると、骨や筋肉の成長が停止したり遅くなったりすることがあります。骨や関節の晩期合併症(晩期障害)の種類は、体のどこに放射線療法を受けたかによって異なります。放射線療法は以下の症状を引き起こすことがあります:
手術
がんの切除や再発予防を目的とする四肢切断術または四肢温存手術が晩期合併症(晩期障害)の原因になることがありますが、腫瘍の位置、患者さんの年齢、手術の種類などによって異なります。切断術または四肢温存手術を受けた後には、以下の健康障害が考えられます:
小児がん生存者を対象に、切断術を受けた患者さんと四肢温存手術を受けた患者さんにおける生活の質(QOL)を比較した研究では、違いが認められませんでした。
化学療法などの薬物療法
メトトレキサート、またはデキサメタゾンなどの副腎皮質ステロイド(グルココルチコイド)を含むがん治療を受けた小児がん生存者では、リスクが高くなる可能性があります。薬物療法は以下の症状を引き起こすことがあります:
- 骨が弱くなったり、細くなったりして、骨折が起きやすくなる(骨粗鬆症)
- 血流が途絶えて骨の一部が壊死する(骨壊死)、特に股関節や膝関節
造血幹細胞移植
造血幹細胞移植は、以下に示す様々な形で、骨や関節に影響を与えることがあります:
骨や関節の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、骨の腫れや骨痛、関節痛などがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が骨や関節の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 体内の骨または骨性部分の腫れ
- 骨または関節の痛み
- 骨または関節の発赤や熱感
- 関節硬直または通常の動作ができない
- 骨折しやすくなる、または原因不明の骨折
- 低身長(身長が正常より低い)
- 体の片側がもう一方より高く見える、または体が片側に傾く
- 座っているときや立っているときに常に前かがみの姿勢をとる、または猫背になる
これらの症状が骨や関節の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
骨や関節の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査を行うことがあります:
- 骨密度スキャンは、エネルギーの異なる2種類のX線を骨に透過させることにより、骨密度(一定体積の骨に含まれる骨ミネラルの量)を測定できる画像検査です。骨粗鬆症(骨が弱くなったり、細くなったりして、骨折が起きやすくなる)の診断に用いられます。BMDスキャン、DEXA、DEXAスキャン、二重エネルギーX線吸収測定法、二重X線吸収測定法、DXAなどと呼ばれることもあります。
- X線は放射線の一種で、これを人の体に通して、骨などの体内領域の写真を撮影することができます。
- ビタミンD検査は、採取した血液を用いて、体内のビタミンDの量を測定する検査法です。ビタミンDは、丈夫な骨を作って維持するために身体が必要とする栄養素の一種です。
- カルシウムの血液検査は、採取した血液を用いて、体内のカルシウムの量を測定する検査法です。カルシウムは、丈夫な骨を作って維持するために体が必要とするミネラルの一種です。
骨や関節の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
- 生殖系
-
特定の小児がんに対する治療を受けると、生殖系の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が精巣の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が卵巣の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
手術、放射線療法、特定の化学療法を受けると、生殖系に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、生殖系に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
腹部に対して放射線療法を受けた女性生存者における卵巣の損傷の程度は、放射線の線量、治療時の年齢、および放射線を照射した腹部領域が一部か全体かによって異なります。
精巣
精巣に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
精巣の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
化学療法または放射線療法による治療後には、精子を作り出す能力が時間の経過とともに回復する可能性があります。
卵巣
卵巣に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
卵巣の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
思春期を発来させるためにホルモン補充療法が用いられることがあります。
卵巣の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、月経不順や無月経、ほてりなどがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が卵巣の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
これらの症状が卵巣の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
卵巣の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査を行うことがあります:
- 血液ホルモン検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定のホルモンの濃度を測定する検査法です。特定の物質の量が異常であることは、その物質を作り出している臓器や組織に影響を及ぼす疾患の徴候である可能性があります。採取した血液で、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、エストラジオール、TSHの値が異常ではないか調べることもあります。
妊孕性と生殖能
小児がん生存者では、妊娠に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が発生することがあります。
妊娠に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)には、次のリスクが高くなることも含まれます:
小児がん、青年のがん、若年成人のがんで放射線療法または特定の種類の化学療法による治療を受けた長期生存者では、妊娠中に周産期心筋症というまれな心不全が発生するリスクが高くなります。この心不全は妊娠後期または出産の5カ月後までに起きることがあります。がん治療によって心臓に損傷が生じている場合は、妊娠中にうっ血性心不全を発症するリスクもある可能性があります。これらの病態のリスクが高い患者さんは、妊娠中に起きる心筋の筋力低下について綿密なフォローアップを受けるべきです。
妊娠が晩期合併症(晩期障害)のリスクを高めるかどうかは、いくつかの研究で検討されていますが、明らかになっていません。
小児がん生存者が子どもをもうけるために有用な方法があります。
小児がん生存者が子どもをもうけることができるように、次の方法を使用することがあります:
小児がん生存者がもうけた子どもには、親が過去に受けたがん治療による影響はありません。
小児がん生存者がもうけた子どもの先天異常、遺伝性疾患、がんのリスクは高くないようです。
- 呼吸器系
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特定の小児がんに対する治療を受けると、肺の晩期合併症(晩期障害)が起こりやすくなります。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が肺の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
特定の化学療法と肺に対する放射線療法を受けると、肺の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、肺に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
胸部に放射線照射を受けた生存者では、照射線量、照射を受けたのが肺と胸壁の一部か全体か、放射線が少量ずつ毎日照射されたかどうか、ならびに治療を受けた小児の年齢に応じて、肺と胸壁に損傷が生じます。
肺の晩期合併症(晩期障害)のリスクは、小児がん生存者が手術、化学療法、放射線療法を組み合わせた併用療法を受けた場合に、より高くなります。以下の病歴がある生存者でも、リスクが高まります:
肺に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
肺の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
肺の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、呼吸困難や咳などがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が肺の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
これらの症状が肺の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
小児がん生存者における肺の晩期合併症(晩期障害)は、時間とともにゆっくりと進行する場合や症状が現れない場合があります。ときには、肺の損傷が画像検査または肺機能検査を行って初めて検出されることがあります。肺の晩期合併症(晩期障害)は時間とともに改善することもあります。
肺の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査を行うことがあります:
- 胸部X線検査は、胸部の臓器と骨を撮影するX線検査です。X線は放射線の一種で、これを人の体に通して、体内領域の写真を撮影することができます。
- 肺機能検査(PFT)は、肺の機能を評価する検査法です。肺活量や肺に空気を出し入れする速さを測定します。また、呼吸時の酸素の消費量や二酸化炭素の排気量なども計測します。この検査は肺機能検査とも呼ばれます。
- CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて胸部など体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。
肺の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
小児がんの生存者には、肺の健全性を高める健康習慣が重要になります。
肺の晩期合併症(晩期障害)がある小児がん生存者は、以下の点に注意して、健康を保つようにすべきです:
- 喫煙をしない。禁煙を望んでいる人向けの自助プログラムやカウンセリングがあります。詳細については、喫煙の健康リスクと禁煙方法をご覧ください。
- インフルエンザや肺炎球菌に対するワクチンを接種する。
- 感覚系
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聴覚
聴覚障害は、特定の小児がんに対する治療を受けると起こりやすくなる晩期合併症(晩期障害)です。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が聴覚の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
脳に対する放射線療法や特定の化学療法を受けると、難聴のリスクが高くなります。
以下の治療を受けた小児がん生存者では、難聴のリスクが高くなります:
放射線療法による難聴のリスクは、5歳までにがんと診断された小児でより高く、そのリスクは照射された放射線量が高いほど全年齢の小児で高くなります。脳に対する放射線療法と化学療法を同時に受けた小児がん生存者でも、難聴のリスクが高くなります。
シスプラチンによる治療を受けている小児に、チオ硫酸ナトリウムという薬剤を併用した場合、難聴のリスクが低くなる可能性があります。
難聴は、聴覚の晩期合併症(晩期障害)の最も多くみられる徴候です。
これらに加え、以下のような別の症状が聴覚の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 難聴
- 耳鳴り
- めまい
- 過剰に固くなった耳あか
これらの症状が聴覚の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
難聴は、治療中または治療後すぐに起こる場合や、治療後数カ月から数年経ってから現れる場合などがあり、時間とともに進行します。難聴のある幼児は、学習、コミュニケーション、学校での成績、および他者との交流に問題を抱えることがあります。成人期には、難聴により、社会的な孤立、抑うつ、不安が生じたり、安定した仕事を見つけることが困難になったりする可能性があります。補聴器や難聴に対処するその他の方法については、医師に相談してください。
耳の健康障害や聴覚の問題を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査を行うことがあります:
- 耳鏡検査は、耳の診察法の1つです。耳鏡を用いて外耳道と鼓膜を観察して、感染や難聴の徴候がないか調べます。ときには、プラスチック製のバルブが付いた耳鏡を使用し、そのバルブを押して外耳道に少量の空気を吐き出します。正常な耳では、鼓膜が動きます。鼓膜の裏側に液体があると、鼓膜は動きません。
- 聴覚検査は、患者さんの年齢に応じて様々な方法で行うことができます。聴覚検査を行って、患者さんが柔らかくて大きな音、および低い音や高い音を聞き分けることができるか調べます。両耳を別々に検査します。
聴覚の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
視覚
眼や視覚の障害は、特定の小児がんに対する治療を受けると起こりやすくなる晩期合併症(晩期障害)です。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が眼や視覚の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
- 急性リンパ芽球性白血病(ALL)
- 脳腫瘍
- 頭頸部がん
- 網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、その他の眼の腫瘍
- 造血幹細胞移植の前に全身照射(TBI)による治療が行われたがん
脳や頭部への放射線療法を受けると、眼の障害や視力低下のリスクが高くなります。
以下の治療を受けた小児がん生存者では、眼の障害や視力低下のリスクが高くなる可能性があります:
造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病の病歴がある場合も、眼の障害や視力低下のリスクが高くなる可能性があります。
眼に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
眼の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
眼や視覚の晩期合併症(晩期障害)で考えられる徴候や症状には、視覚の異常やドライアイなどがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が眼や視覚の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 以下のような視覚の異常:
- 近くにある物が見えない(遠視)
- 遠くにある物が見えない(近視)
- 物が二重に見える(複視)
- 目のかすみ(霧視)
- 物が色あせて見える
- 光がまぶしい、または夜間の視覚障害
- 夜間の光がまぶしい、または周りに光輪が見える
- ドライアイ(かゆみ、ヒリヒリ感、腫れを伴ったり、異物が眼に入ったように感じることがある)
- 眼の痛み
- 眼の赤み
- まぶたのできもの
- 上まぶたの垂れ下がり
これらの症状が眼や視覚の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
眼の健康障害や視覚の問題を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
眼や視覚の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
- 泌尿器系
-
腎臓
腎障害は、特定の小児がんに対する治療を受けると起こりやすくなる晩期合併症(晩期障害)です。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が腎臓の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
特定の種類の化学療法は、腎臓の晩期合併症(晩期障害)のリスクを高めます。
以下の治療を受けると、腎臓に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
腎臓の晩期合併症(晩期障害)のリスクは、小児がん生存者が手術、化学療法、放射線療法のいくつかを組み合わせた併用療法を受けた場合に、より高くなります。
以下に該当する場合にも、腎臓の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなる可能性があります:
- 両方の腎臓にがんがある場合
- Denys-Drash症候群やWAGR症候群など、腎臓障害のリスクを高める遺伝性症候群がある場合
- 複数の治療法による治療を受ける場合
腎臓に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
腎臓の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
腎臓の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、排尿の問題や手足の腫れなどがあります。
これらに加え、以下のような症状が腎臓の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることもありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
早期には、徴候や症状がみられない場合もあります。腎臓に対する損傷が長期に及ぶにつれて、徴候や症状が現れてくるかもしれません。これらの症状が腎臓の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
腎臓の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査を行うことがあります:
腎臓の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
腎臓に障害が認められた場合には、腎移植を含めた複数の治療法が選択肢になります。
小児がんの生存者には、腎臓の健全性を高める健康習慣が重要になります。
腎臓の一部または全体を切除した小児がん生存者は、以下の点について医師と相談すべきです:
- フットボールやホッケーなど、激しい接触や衝撃を受けるリスクが高いスポーツを行っても安全かどうか
- 自転車に安全対策を講じて、ハンドルによる負傷を避けること
- シートベルトは胴ではなく腰周りに装着すること
膀胱
膀胱障害は、特定の小児がんに対する治療を受けると起こりやすくなる晩期合併症(晩期障害)です。
以下のものを始めとする小児がんでは、その治療が膀胱の晩期合併症(晩期障害)を引き起こす原因となる場合があります:
- 網膜芽細胞腫
- 造血幹細胞移植で治療されたがん
骨盤領域に対する手術や特定の化学療法を受けると、膀胱の晩期合併症(晩期障害)のリスクが高くなります。
以下の治療を受けると、膀胱に影響を及ぼす健康障害のリスクが高くなります:
膀胱に影響を及ぼす晩期合併症(晩期障害)が特定の健康障害を引き起こすことがあります。
膀胱の晩期合併症(晩期障害)やこれに関連した健康障害には以下のものがあります:
膀胱の晩期合併症(晩期障害)で考えられる症状には、排尿の変化や手足の腫れなどがあります。
これらに加え、以下のような別の症状が膀胱の晩期合併症(晩期障害)により引き起こされることがありますが、同様の症状が他の問題によって生じることもあります:
- 尿意があるのに排尿できない
- 頻尿(特に夜間)
- 排尿困難
- 排尿後の残尿感
- 脚、足首、足、顔、または手の腫れ
- 排尿の調節がほとんどできない、または全くできない
- 血尿
これらの症状が膀胱の晩期合併症(晩期障害)によるものかどうかを確かめる唯一の方法は、医師の診察を受けることです。
膀胱の健康障害を診断するために、特定の検査や手技が行われます。
医師は小児がん生存者の病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
- 血液生化学検査は、採取した血液を用いて、体内の臓器や組織から血液中に放出されるマグネシウム、カルシウム、カリウムなどの特定の物質の濃度を測定する検査法です。ある物質の量が異常であることは、膀胱の異常の徴候である可能性があります。
- 尿検査は、尿の色と尿に含まれる成分(糖、蛋白、赤血球、白血球など)を調べる検査法です。
- 尿培養は、感染の症状がみられる場合に、尿中の細菌や酵母などの微生物を調べる検査です。尿培養は感染を引き起こしている微生物の種類を特定するために行われることがあります。感染の治療法は、原因となっている微生物の種類によって異なります。
- 超音波検査は、高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や膀胱などの臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。
膀胱の晩期合併症(晩期障害)の徴候がないか調べるために検査や処置を受ける必要があるかどうかについては、医師に相談してください。検査が必要な場合は、どれくらいの頻度で受けるべきかを確認してください。
- 小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)についてさらに学ぶために
-
小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
米国国立がん研究所が提供している小児がんに関するさらなる情報や、がん全般に関するその他の資料については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
-
PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所(NCI)が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
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臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
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