ご利用について
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、子宮頸がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
CONTENTS
- 子宮頸がんに関する一般情報
-
子宮頸がんは世界中の女性の間で4番目に多く発生しているがんであり、女性のがんの中で4番目に死亡率が高い。[ 1 ]ほとんどの子宮頸がんは、定期的なスクリーニングと前がん病変の治療によって予防可能である。したがって、子宮頸がんの診断は、ほとんどが適切なスクリーニングプロトコルが適用されていない地域の女性に対するものである。
発生率および死亡率
米国において、2020年に推定される子宮頸がんの新規症例数および死亡数:[ 2 ]
解剖学
子宮頸部は子宮体部に隣接し、子宮体部の開口部として機能する。子宮頸部は円柱状で線維性の器官であり、長さは平均3~4cmである。子宮頸部の一部は、膣診時に視認できる。子宮頸部の開口部は外子宮口と呼ばれる。外子宮口は子宮頸管の開始部で、子宮頸部の内部を形成する。子宮頸管の上部は内子宮口であり、この部分の子宮頸管は狭くなっている。この狭窄部は、子宮頸部と子宮体部の移行箇所に相当する。子宮頸管は内子宮口より上部に至ると、endometrial canalと呼ばれる。
子宮頸部の内壁は2種類の上皮細胞で覆われている:すなわち、頸管の外方部を覆う扁平上皮細胞と内方部を覆う円柱状の腺細胞である。扁平上皮細胞と円柱細胞の移行部は扁平円柱上皮接合部と呼ばれる。前がん性変化およびがん性変化のほとんどは、この領域で生じる。
発生機序
子宮頸がんは、扁平円柱上皮接合部より発生する;外方の扁平上皮細胞または内方の腺細胞、もしくはその両方に関係する。前駆病変は異形成、すなわち子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)または上皮内腺がんであり、浸潤がんへと進行する可能性がある。この過程はきわめて遅い。複数の縦断研究から、無治療の上皮内子宮頸がん患者において、10~12年間で30~70%に浸潤がんが発生することが示されている。ただし、患者の約10%では、1年以内に上皮内がんから浸潤がんへの進行が起こりうる。浸潤がんへ進行するにつれて、腫瘍が基底膜を越えて子宮頸部間質へ浸潤する。子宮頸部の腫瘍の進展は、最後には潰瘍性病変、外向発育腫瘍または膀胱や直腸を含む下部組織への広範囲浸潤像を呈する。
危険因子
加齢はほとんどのがんの最も重要な危険因子である。子宮頸がんに対する第一の危険因子は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染である。[ 3 ][ 4 ][ 5 ][ 6 ]
他の子宮頸がんの危険因子には以下のものがある:
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
HPV感染は、ほとんどすべての前がん病変とがん性病変の発生に必須の段階である。疫学研究によって、子宮頸がんの浸潤前病変または浸潤がんを発症する主要危険因子はHPV感染であることが明らかにされており、その重要度は他の既知の危険因子よりはるかに高い。
米国では600万人以上の女性がHPVに感染していると推定されている。一過性のHPV感染は一般的にみられ、特に若い女性に顕著であるが、[ 15 ]子宮頸がんはまれである。HPV感染の持続は、前がん病変およびがん性病変の発生リスクの増大につながる。[ 16 ][ 17 ]
感染するHPVの株もリスクをもたらす重要な因子である。ヒトに感染するHPVの型は複数存在するが、高度異形成およびがんに最も関連が深いのは16型と18型である。複数の研究で、HPV16型と18型の急性感染によって、急激な高悪性度CINの発生リスクは11~16.9倍になることが示されている。[ 18 ][ 19 ][ 20 ]さらに諸研究により、HPV16型と18型への感染は、高悪性度CINまたはより進行した疾患の細胞診スクリーニングに比べて予測に有用であり、その予測力は初期検査から最長18年後まで認められることが明らかになった。[ 21 ][ 22 ][ 23 ]
肛門生殖器に関連するHPV株を標的とするワクチンは、2種類が市販されている。これらのワクチンはHPVナイーブな女児と若年女性を対象としており、ワクチンの普及度は中程度であるものの、HPV関連疾患の大幅な減少が報告されている。[ 24 ](詳しい情報については、子宮頸がんの予防に関するPDQ要約を参照のこと。)
臨床的特徴
早期の子宮頸がんでは、顕著な徴候や症状がみられないこともある。
子宮頸がんでは、以下の徴候と症状が認められることがある:
診断
子宮頸がんの診断に用いられる検査には以下のものがある:
HPV検査
子宮頸部細胞診(パパニコロウ試験)は、登場以来、子宮頸がんスクリーニングの主流であった。しかし、分子学的技術によるヒトパピローマウイルス(HPV)DNAの同定は、感度および特異度ともに高い。現在、スクリーニングには以下の選択肢がある:
高度異形成またはより進行した病変の低リスク群と高リスク群に患者を適切に選別できる可能性が高い場合は、HPV検査が推奨される。
HPV DNA検査によって、低度扁平上皮内病変を有する患者を精査が必要な者と不要な者とに分別できる可能性は低い。女性642人を対象としたある研究では、子宮頸部細胞診の検体について高感度の方法(ハイブリッドキャプチャー法)を用いた解析が実施され、83%において造腫瘍性を有するHPVが1個以上検出された。[ 25 ]この研究の著者らならびに同時掲載された論説の著者らは、このような状況でHPV DNA検査を実施したとしても、その経費を正当化できるだけの十分な情報は得られないと結論付けている。[ 25 ]
一方、意義不明の異型扁平上皮細胞を認める患者においては膣鏡検査へのトリアージにHPV DNA検査が有用であることが証明されており、現在のスクリーニングガイドラインにも同検査が組み込まれている。[ 25 ][ 26 ][ 27 ]
他の研究によれば、細胞診で低リスクと判定され、16型、18型、31型の高リスクHPV感染者と判定された患者では、生検でCINまたは微小浸潤性組織学的異常を認める可能性が高いことが示されている。[ 18 ][ 28 ][ 29 ][ 30 ]また、HPV16型および18型のゲノムへの組み込み(ウイルスおよび細胞由来遺伝子の転写につながる)から高度異形成や浸潤がんの発生リスクの高い患者を予測可能であることが、ある方法によって示されている。[ 31 ]
30歳以上でHPVに持続感染している可能性が高い女性では、HPVタイピングにより、CIN 3またはより不良な疾患の低リスク群または高リスク群に適切に選別できることがある。この年齢群では、CIN 3またはより不良な疾患の発生リスクを予測する上で、HPV DNA検査の方が細胞診の単独実施よりも有効である。[ 32 ]別の研究では、HPV DNA検査を主とするスクリーニング戦略と細胞診によるトリアージについて、以前に用いられていた細胞診ベースのスクリーニングアルゴリズムを上回る有効性が示された。[ 33 ][ 34 ]
予後因子
診断時の病変の拡がりは子宮頸がんの患者の予後に重大な影響を及ぼす。子宮頸がん症例の90%以上は、パパニコロウ試験とHPV検査によって早期に発見することができる。[ 35 ]パパニコロウ試験およびHPV検査は適格な女性の約33%で実施されておらず、予測を上回る死亡率につながっている。
臨床病期
外科的治療が行われた患者における予後因子としての臨床病期は、いくつかの肉眼的および顕微鏡的な病理所見により補強される。
証拠(臨床病期および他の所見):
Gynecologic Oncology Group(GOG)が報告した臨床病期がIB期の患者を対象とする外科病理学的病期分類に関する大規模研究(GOG-49)において、リンパ節転移および短い無病生存を最も顕著に予測した因子は、腫瘍の毛細血管・リンパ管浸潤、腫瘍サイズが大きいこと、および間質浸潤が深いことであり、この最後の因子が最も重要で、最も再現性があった。[ 36 ][ 37 ]
根治手術を施行した1,028人の患者を対象とする研究では、生存率は臨床病期または組織学的病期より腫瘍容積(腫瘍の正確な容積測定によって決定)と一貫して相関していた。[ 38 ]
GOGによる局所進行がん(主にII期、III期、およびIV期)患者626人を対象とした予後予測変数の多変量解析から、無増悪期間および生存率に有意な影響を及ぼす因子として、以下のものが同定された:[ 39 ]
この研究によって、傍大動脈リンパ節転移の有無が最も重要であることが確認され、局所進行子宮頸がんではこれらリンパ節の状態についてさらに評価を行っていくことの必要性が示唆された。骨盤リンパ節の状態は、傍大動脈リンパ節が転移陰性である場合に限り重要である。これは腫瘍サイズについても同じことがいえる。
子宮頸部腺がんの予後が子宮頸部扁平上皮がんの予後よりも有意に不良であるか否かについては、見解が分かれている。[ 40 ]数件の集団ベースのレトロスペクティブ研究で、扁平上皮性の組織型の患者に比べ、遠隔転移の増加が確認された腺がん患者の不良な転帰が示された。[ 41 ][ 42 ][ 43 ][ 44 ]腺扁平上皮型であることの転帰に及ぼす影響については、互いに矛盾した報告が存在する。[ 45 ][ 46 ]1件の報告により、一見すると扁平上皮腫瘍であるものの約25%に明らかな粘液産生が認められ、純粋な扁平上皮腫瘍より侵攻性にふるまうことが明らかにされており、これは腺がんへ分化すれば予後が不良であることを示唆する。[ 47 ]
放射線療法による治療を受けた子宮頸がん患者の大規模シリーズにおいて、遠隔転移の発生率(最も頻度が高いのは肺、腹腔、肝臓、消化管)は病期が進むにつれて増加していたことが示された(IA期の3%からIVA期の75%)。[ 48 ]遠隔転移の発生率に影響を及ぼす因子についての多変量解析では、病期、子宮内膜への進展の有無、および骨盤腫瘍の制御が遠隔播種の有意な指標であることが示された。[ 48 ]
GOGの諸研究により、臨床病期と外科的病期のいずれを用いるか、またどのような治療を実施するかによって、予後因子が異なることが示されている。臨床病期を採用した場合には、放射線療法の完了の遅れが無増悪生存期間の不良化と関連する。現時点では、化学放射線療法を実施する研究において、病期、悪性度、人種、年齢といった因子が予後因子として妥当であるかどうかは、明らかにされていない。[ 49 ]
他の予後因子
転帰に影響を及ぼす他の予後因子には以下のものがある:
治療後の追跡
質の高い研究が実施されていないため、子宮頸がんの患者の治療後に行われる最適なフォローアップ法は明らかになっていない。複数のレトロスペクティブ研究によると、再発がみられた患者は治療後の2年以内に再発する可能性が最も高かった。[ 56 ]その結果を受けて、ほとんどのガイドラインでは、最初の2年間はルーチンのフォローアップを3~4ヵ月ごとに実施し、その後は6ヵ月ごとに評価を行うよう提言している。ほとんどの再発は患者の新しい症状と徴候に続いて診断され、[ 57 ][ 58 ]パパニコロウ試験や胸部X線などのルーチン検査の有用性は不明である。
フォローアップは、徹底的な病歴聴取と身体診察による慎重な症状の精査を中心とするべきである;画像検査は陽性所見を評価する段階に至ってから実施するようにする。患者は以下のような警告徴候について医師に質問するべきである:
患者は治療中に複数の治療法(手術、化学療法、および放射線療法)を受けることが多いため、フォローアップ時の検査では、以前の治療による合併症の可能性についてもスクリーニングを行うべきである。
関連する要約
子宮頸がんに関する情報を含む他のPDQ要約には以下のものがある:
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- 子宮頸がんの細胞分類
子宮頸がんのうち、約90%が扁平上皮(類表皮)がんであり、約10%が腺がんである。腺扁平上皮がんと小細胞がんは比較的まれである。子宮頸部の原発性肉腫と、子宮頸部の原発性または続発性の悪性リンパ腫も報告されている。
- 子宮頸がんの病期情報
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子宮頸がんは局所浸潤のほか、所属リンパ節または血流を介して転移する。腫瘍播種は一般に、局所病変の拡がりや浸潤作用によるものである。子宮頸がんは一般に、秩序正しく進行するが、ときに小腫瘍の遠隔転移が認められる場合がある。このため、転移性疾患の有無を注意深く評価しなければならない。
病変の進展度を明らかにする上では、治療前の外科的な病期診断が最も正確な方法となるが、[ 1 ]ルーチンの外科的病期診断により全生存率が改善することを実証した証拠はほとんど存在せず、多くの場合、外科的病期診断は臨床試験の一環としてのみ実施される。巨大ではあるが局所的に治癒可能な病変における治療前の外科的病期決定は、非外科的な検索で転移病変が陰性の場合に選択された一部の症例で適応となる。コンピュータ断層撮影(CT)またはリンパ管造影によってリンパ節の異常が検出された場合には、まず穿刺吸引生検を実施し、その結果が陰性である場合に外科的病期診断を実施するようにすべきである。
がんの進展度を評価する検査および手技には以下のものがある:
FIGO病期分類と定義
国際産婦人科連合(FIGO)および米国がん合同委員会は、妊娠性絨毛新形成を定義するための病期判定を指定している;FIGOシステムが最も一般的に用いられている。[ 3 ][ 4 ]
表1.FIGO病期分類Iの定義a 病期 記述 図解 FIGO = 国際産婦人科連合(Féderation Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。 a出典:FIGO Committee for Gynecologic Oncology.[ 3 ] bすべての病期で、腫瘍の大きさおよび拡がりに関して臨床所見の補助とするために、利用可能であれば、画像検査および病理検査が使用できる。病理所見が画像所見および臨床所見より優先される。 c血管/リンパ管への転移で病期分類が変わることはない。病変の側方進展はもはや考慮しない。 I 子宮頸部に厳密に限局しているがん(子宮体部への進展は無視すべきである)。 IA 顕微鏡検査のみで診断可能な浸潤がんで、最大の浸潤深さが5mm以下。b –IA1 –深さが3mm以下の間質浸潤。 –IA2 –深さが3mmを超え5mm以下の間質浸潤。 IB 最大の浸潤深さが5mmを超える(IA期より大きい)浸潤がん;病変が子宮頸部に限局し、大きさは最大腫瘍径により測定。c –IB1 –間質浸潤の深さが5mmを超える浸潤がんで、最大径が2cm以下。 –IB2 –最大径が2cmを超え4cm以下の浸潤がん。 –IB3 –最大径が4cmを超える浸潤がん。 表2.FIGO病期分類IIの定義a 病期 記述 図解 FIGO = 国際産婦人科連合(Féderation Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。 a出典:FIGO Committee for Gynecologic Oncology.[ 3 ] II 子宮を越えて浸潤しているが、膣下部1/3または骨盤壁までは達していない子宮頸がん。 IIA 膣上部2/3までに浸潤が限定され、子宮傍組織への浸潤が認められない。 –IIA1 –最大径が4cm以下の浸潤がん。 –IIA2 –最大径が4cmを超える浸潤がん。 IIB 子宮傍組織への浸潤が認められるが、骨盤壁までは達していない。 表3.FIGO病期分類IIIの定義a 病期 記述 図解 FIGO = 国際産婦人科連合(Féderation Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。 a出典:FIGO Committee for Gynecologic Oncology.[ 3 ] b遊離腫瘍細胞により病期は変化しないが、その存在を記録すべきである。 c所見を指定するために、r(画像所見)およびp(病理所見)の記号が追加され、当該症例をIIIC期に割り当てるために使用される。例えば、画像で骨盤リンパ節転移が認められる場合は、病期割付がIIIC1rとなり、病理所見で確認された場合はIIIC1pとなる。使用する画像撮影法または病理検査法の種類は常に記録すべきである。不確かな場合は、低い病期に割り当てること。 III 膣下部1/3に浸潤、骨盤壁まで進展、水腎症または無機能腎を来す、骨盤および/または傍大動脈リンパ節に浸潤のいずれか、またはそのいくつかに該当するがん。 IIIA 膣下部1/3まで浸潤しているが、骨盤壁までは進展していないがん。 IIIB 骨盤壁まで進展、および/または水腎症ないし無機能腎を来す(ただし、他の原因が判明している場合は除く)。 IIIC 骨盤および/または傍大動脈リンパ節に浸潤(微小転移を含む)b、腫瘍の大きさおよび拡がりを問わない(rおよびpの記号を付加)。c –IIIC1 –骨盤リンパ節転移のみ。 –IIIC2 –傍大動脈リンパ節に転移を認める。 表4.FIGO病期分類IVの定義a 病期 記述 図解 FIGO = 国際産婦人科連合(Féderation Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。 a出典:FIGO Committee for Gynecologic Oncology.[ 3 ] IV 小骨盤を越えて進展しているか、または膀胱ないし直腸の粘膜に浸潤している(生検で証明された)がん。そのようなものとして、胞状浮腫は、IV期に分類する症例とは認められない。 IVA 増殖した腫瘍が隣接臓器まで進展。 IVB 遠隔臓器へ転移。 参考文献- Gold MA, Tian C, Whitney CW, et al.: Surgical versus radiographic determination of para-aortic lymph node metastases before chemoradiation for locally advanced cervical carcinoma: a Gynecologic Oncology Group Study. Cancer 112 (9): 1954-63, 2008.[PUBMED Abstract]
- Epstein E, Testa A, Gaurilcikas A, et al.: Early-stage cervical cancer: tumor delineation by magnetic resonance imaging and ultrasound - a European multicenter trial. Gynecol Oncol 128 (3): 449-53, 2013.[PUBMED Abstract]
- Bhatla N, Berek JS, Cuello Fredes M, et al.: Revised FIGO staging for carcinoma of the cervix uteri. Int J Gynaecol Obstet 145 (1): 129-135, 2019.[PUBMED Abstract]
- Cervix uteri. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 649-59.[PUBMED Abstract]
- 子宮頸がんに対する治療法選択肢の概要
-
治療パターンの研究によって、腫瘍容積の増大と進展パターンが予後に負の影響を及ぼすことが明確に示されている。[ 1 ]このため、治療は現在、国際産婦人科連合(FIGO)によって定義されている病期ごとに異なる。
表5.子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢 病期( 標準治療法の選択肢 FIGO = 国際産婦人科連合(Féderation Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。 子宮頸部の上皮内がん(この病期はFIGOによる分類には含まれない) 円錐切除術 生殖年齢を過ぎた患者に対する子宮摘出術 医学的に切除不能の患者に対する内照射療法 IA期の子宮頸がん 円錐切除術 子宮全摘出術 リンパ節郭清を伴う改変広汎子宮全摘出術 根治的子宮頸部摘出術 腔内放射線療法 IB期、IIA期の子宮頸がん 放射線療法と化学療法の同時併用治療 広汎子宮全摘出術および両側骨盤内リンパ節郭清と、場合により全骨盤放射線療法 + 化学療法 根治的子宮頸部摘出術 術前補助化学療法 放射線療法単独 強度変調放射線療法(IMRT) IIB期、III期、IVA期の子宮頸がん 放射線療法と化学療法の同時併用治療 組織内密封小線源治療 術前補助化学療法 IVB期の子宮頸がん 症状緩和目的の放射線療法 症状緩和目的の化学療法および他の全身療法 再発子宮頸がん 放射線療法および化学療法 症状緩和目的の化学療法および他の全身療法 骨盤内臓器摘出術 化学放射線療法
5件の第III相ランダム化試験(GOG-85、RTOG-9001、GOG-120、GOG-123、およびSWOG-8797)から、シスプラチンベースの化学療法と放射線療法との同時併用療法による全生存の優位性が示されているが[ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ][ 6 ]、このレジメンを検討したある別の試験では有益性は一切認められなかった。[ 7 ]このような試験の患者集団には、FIGO IB2期からIVA期の子宮頸がんの女性で初回放射線療法を施行した患者およびFIGO I期からIIA期で初回手術時に予後不良因子(骨盤リンパ節転移、子宮傍組織浸潤または切除断端陽性)が認められた患者が含まれていた。
手術および放射線療法
早期がんで腫瘍容積が小さい場合には、手術および放射線療法の有効性は同等である。[ 11 ]若年者には卵巣を温存し膣萎縮と膣狭窄を回避するために、手術が有益であろう。
子宮頸部断端がんが認められる患者の治療は効果的であり、子宮が損なわれていない患者と同等の治療成績が得られている。[ 12 ]
参考文献- Lanciano RM, Won M, Hanks GE: A reappraisal of the International Federation of Gynecology and Obstetrics staging system for cervical cancer. A study of patterns of care. Cancer 69 (2): 482-7, 1992.[PUBMED Abstract]
- Whitney CW, Sause W, Bundy BN, et al.: Randomized comparison of fluorouracil plus cisplatin versus hydroxyurea as an adjunct to radiation therapy in stage IIB-IVA carcinoma of the cervix with negative para-aortic lymph nodes: a Gynecologic Oncology Group and Southwest Oncology Group study. J Clin Oncol 17 (5): 1339-48, 1999.[PUBMED Abstract]
- Morris M, Eifel PJ, Lu J, et al.: Pelvic radiation with concurrent chemotherapy compared with pelvic and para-aortic radiation for high-risk cervical cancer. N Engl J Med 340 (15): 1137-43, 1999.[PUBMED Abstract]
- Rose PG, Bundy BN, Watkins EB, et al.: Concurrent cisplatin-based radiotherapy and chemotherapy for locally advanced cervical cancer. N Engl J Med 340 (15): 1144-53, 1999.[PUBMED Abstract]
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- Peters WA, Liu PY, Barrett RJ, et al.: Concurrent chemotherapy and pelvic radiation therapy compared with pelvic radiation therapy alone as adjuvant therapy after radical surgery in high-risk early-stage cancer of the cervix. J Clin Oncol 18 (8): 1606-13, 2000.[PUBMED Abstract]
- Pearcey R, Brundage M, Drouin P, et al.: Phase III trial comparing radical radiotherapy with and without cisplatin chemotherapy in patients with advanced squamous cell cancer of the cervix. J Clin Oncol 20 (4): 966-72, 2002.[PUBMED Abstract]
- Thomas GM: Improved treatment for cervical cancer--concurrent chemotherapy and radiotherapy. N Engl J Med 340 (15): 1198-200, 1999.[PUBMED Abstract]
- Rose PG, Bundy BN: Chemoradiation for locally advanced cervical cancer: does it help? J Clin Oncol 20 (4): 891-3, 2002.[PUBMED Abstract]
- Chemoradiotherapy for Cervical Cancer Meta-Analysis Collaboration: Reducing uncertainties about the effects of chemoradiotherapy for cervical cancer: a systematic review and meta-analysis of individual patient data from 18 randomized trials. J Clin Oncol 26 (35): 5802-12, 2008.[PUBMED Abstract]
- Eifel PJ, Burke TW, Delclos L, et al.: Early stage I adenocarcinoma of the uterine cervix: treatment results in patients with tumors less than or equal to 4 cm in diameter. Gynecol Oncol 41 (3): 199-205, 1991.[PUBMED Abstract]
- Kovalic JJ, Grigsby PW, Perez CA, et al.: Cervical stump carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 20 (5): 933-8, 1991.[PUBMED Abstract]
- 上皮内子宮頸がんの治療
-
子宮頸部上皮内腫瘍または上皮内腺がんの女性患者の管理について、コンセンサスガイドラインが策定されている。[ 1 ]適切な治療が行われれば、子宮頸部上皮内がんの腫瘍制御率はほぼ100%となるはずである。治療開始の前に浸潤がんを除外するために、専門医による膣鏡下狙い生検または円錐生検のいずれかが必要である。さらに局所切除術を実施する前に細胞診と膣鏡下狙い生検との相関をみる必要もある。不十分な除去による浸潤がんの見落としが考えられ、これが最も多くみられる治療失敗の原因であろう。[ 2 ]疾患同定の失敗、パパニコロウ検査所見と膣鏡所見との不一致、上皮内腺がん、または子宮頸管内への進展がある場合には、レーザー切除術、ループ式電気メス、またはコールドナイフによる円錐切除が必須となる。
治療法の選択肢は、疾患の進展度のほかに、年齢、細胞型、妊孕性温存の希望の有無、医学的状態などの患者因子にも左右される。
上皮内子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢
上皮内子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:
子宮摘出術は上皮内腺がん患者に対する標準治療法である。子宮頸管内を起源とするがんは、円錐切除術による完全な切除が困難な場合がある。円錐切除術は、将来の妊孕性温存を希望する上皮内腺がん患者を選別するために実施されることもある。
円錐切除術
子宮頸管内に病変がみられる場合は、子宮を温存し、放射線療法やより広範な手術を回避する患者を選別するために、レーザーまたはコールドナイフによる円錐切除術を施行することも可能である。[ 6 ]
選択された症例では、コールドナイフによる円錐切除に代えて、外来でのLEEPの施行が許容される場合がある。この手技は局所麻酔で施行できるため、コールドナイフによる円錐切除に伴う全身麻酔によるリスクがなくなる。[ 7 ][ 8 ][ 9 ]ただし、LEEPが円錐切除の代替法として適切かどうかについては見解が分かれている。LEEPが上皮内腺がん患者にとって十分な治療法となる可能性は低い。[ 10 ]
証拠(LEEPを使用する円錐切除術):
生殖年齢を過ぎた患者に対する子宮摘出術
子宮頸部上皮内腺がんの女性に対する標準療法は子宮摘出術であるが、その理由には子宮頸管内での病変位置と、この領域におけるスキップ病変の可能性により切除断端状態の予後因子としての信頼性が低いことが挙げられる。しかし、子宮摘出術の死亡率に対する効果を保存的な外科的処置と比較した研究は行われていない。以前の手術のために円錐切除術が施行できない場合や、円錐切除術の施行後に切除断端陽性が確認された場合は、扁平上皮がんに対して子宮摘出術が施行されることがある。子宮摘出術は扁平上皮がんの第一選択療法として許容されていない。[ 12 ]
医学的に切除不能の患者に対する内照射療法
医学的に手術不能の患者には、タンデムとオボイドを用いた5,000mgH(膣表面線量80Gy)での子宮腔内挿入法を1回実施してもよい。[ 13 ]
最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
参考文献- Wright TC, Massad LS, Dunton CJ, et al.: 2006 consensus guidelines for the management of women with cervical intraepithelial neoplasia or adenocarcinoma in situ. Am J Obstet Gynecol 197 (4): 340-5, 2007.[PUBMED Abstract]
- Shumsky AG, Stuart GC, Nation J: Carcinoma of the cervix following conservative management of cervical intraepithelial neoplasia. Gynecol Oncol 53 (1): 50-4, 1994.[PUBMED Abstract]
- Wright VC, Chapman W: Intraepithelial neoplasia of the lower female genital tract: etiology, investigation, and management. Semin Surg Oncol 8 (4): 180-90, 1992 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]
- Bloss JD: The use of electrosurgical techniques in the management of premalignant diseases of the vulva, vagina, and cervix: an excisional rather than an ablative approach. Am J Obstet Gynecol 169 (5): 1081-5, 1993.[PUBMED Abstract]
- Tsukamoto N: Treatment of cervical intraepithelial neoplasia with the carbon dioxide laser. Gynecol Oncol 21 (3): 331-6, 1985.[PUBMED Abstract]
- Girardi F, Heydarfadai M, Koroschetz F, et al.: Cold-knife conization versus loop excision: histopathologic and clinical results of a randomized trial. Gynecol Oncol 55 (3 Pt 1): 368-70, 1994.[PUBMED Abstract]
- Wright TC, Gagnon S, Richart RM, et al.: Treatment of cervical intraepithelial neoplasia using the loop electrosurgical excision procedure. Obstet Gynecol 79 (2): 173-8, 1992.[PUBMED Abstract]
- Naumann RW, Bell MC, Alvarez RD, et al.: LLETZ is an acceptable alternative to diagnostic cold-knife conization. Gynecol Oncol 55 (2): 224-8, 1994.[PUBMED Abstract]
- Duesing N, Schwarz J, Choschzick M, et al.: Assessment of cervical intraepithelial neoplasia (CIN) with colposcopic biopsy and efficacy of loop electrosurgical excision procedure (LEEP). Arch Gynecol Obstet 286 (6): 1549-54, 2012.[PUBMED Abstract]
- Widrich T, Kennedy AW, Myers TM, et al.: Adenocarcinoma in situ of the uterine cervix: management and outcome. Gynecol Oncol 61 (3): 304-8, 1996.[PUBMED Abstract]
- Eddy GL, Spiegel GW, Creasman WT: Adverse effect of electrosurgical loop excision on assignment of FIGO stage in cervical cancer: report of two cases. Gynecol Oncol 55 (2): 313-7, 1994.[PUBMED Abstract]
- Massad LS: New guidelines on cervical cancer screening: more than just the end of annual Pap testing. J Low Genit Tract Dis 16 (3): 172-4, 2012.[PUBMED Abstract]
- Grigsby PW, Perez CA: Radiotherapy alone for medically inoperable carcinoma of the cervix: stage IA and carcinoma in situ. Int J Radiat Oncol Biol Phys 21 (2): 375-8, 1991.[PUBMED Abstract]
- IA期の子宮頸がんの治療
-
IA1期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢
IA1期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:
円錐切除術
妊孕性温存を希望する患者では、浸潤の深さが3mm未満で、血管浸潤もリンパ管浸潤も認められず、円錐切除の断端が陰性であれば、円錐切除術単独施行が適切となる場合がある。[ 1 ]
子宮全摘出術
円錐生検により確認した浸潤の深さが3mm未満で、断端陰性が明らかであり[ 2 ]、血管またはリンパ管への浸潤が認められない場合は、リンパ節転移の頻度がきわめて低いため、子宮摘出術時のリンパ節郭清は不要である。卵巣摘出は任意であり、若い女性への実施は見送るべきである。
IA2期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢
IA2期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:
リンパ節郭清を伴う改変広汎子宮全摘出術
腫瘍浸潤が3~5mmの患者では、リンパ節転移のリスクが10%にも達すると報告されているため、骨盤リンパ節郭清を伴う改変広汎子宮全摘出術が推奨されている。[ 2 ]腫瘍浸潤が円錐切除断端に認められるため浸潤の深さが不明な患者に対しても、リンパ節郭清を伴う広汎子宮全摘出術が考慮される場合がある。
証拠(開腹手術[open] vs 侵襲性を最小限に抑えた手術[MIS]):
- 多施設国際ランダム化試験であるLaparoscopic Approach to Cervical Cancer(LACC [NCT00614211])試験により、早期子宮頸がん患者について広汎子宮全摘出術の効力、および開腹手術 vs MISによる病期判定が検討された。[
3
]IA1期(リンパ血管浸潤を伴う)、IA2期、およびIB1期疾患を有し、組織学的サブタイプが扁平上皮がん、腺がんまたは腺扁平上皮がんの患者が研究への登録に適格とされた。主要エンドポイントは開腹手術と比較したMISの非劣性であった;用いられた測定基準は、手術後4.5年経過時に無病状態の患者のパーセントであった。副次エンドポイントは2群間の再発率および生存率の比較であった。
計画された患者740人のうち、632人が登録した時点で、2群間の死亡における不均衡が生じたため、研究は早期に中止された。適格患者631人中、319人がMISに、312人が開腹手術に割り付けられた。
研究では、MISは開腹手術アプローチに対して非劣性を満たしておらず、子宮頸がん患者に対する標準ケアとして開腹手術に取って代えるべきではないと結論している。
- 1件の疫学的研究では、米国の2件の大規模データベース、National Cancer Database(NCDB)およびSurveillance, Epidemiology, and End Results Database(SEER)が用いられ、2010年から2013年にIA2期およびIB1期子宮頸がんに対してMIS広汎子宮全摘出術を受けた患者におけるOSの低下が確認された。さらに、2000年から2010年に広汎子宮全摘出術を受けた女性では2006年以降OSが低下していたが、これは子宮頸がんに対してMISが広く採用されたことと一致していた。[ 4 ][証拠レベル:3iA]
良好リスク患者の一部の亜集団に対するMIS広汎子宮全摘出術の使用に関しては疑問が残っているが、この試験のデータは、広汎子宮全摘出術の候補である早期子宮頸がん患者について開腹手術を標準ケアとみなすべきであると示唆している。
他の治療法選択肢
根治的子宮頸部摘出術
病期がIA2期からIB期で将来の妊孕性温存を希望している患者は、根治的子宮頸部摘出術の候補者である。この手技では、子宮頸部と側方の子宮傍組織を切除し、子宮体と卵巣は保持される。大半の施設では、次のような患者の選択基準を採用している:
術中に患者は広汎子宮全摘出術に類似した方法での評価を受ける;想定より進行した疾患が明らかになった場合は、手技は中止される。標本の断端に対する評価も手術時に行われ、不十分な切除断端が得られた場合は、広汎子宮全摘出術が施行される。[ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][ 9 ]
腔内放射線療法
腔内放射線療法は、他の医学的状態のために緩和療法が適切である患者と手術に適格でない女性に対する治療選択肢である。
浸潤の深さが3mm未満で、毛細リンパ管浸潤も認められない場合は、リンパ節転移の頻度はきわめて低いため、外照射療法は不要である。タンデムとオボイドの挿入による6,500~8,000mgH(膣表面線量100~125Gy)での腔内照射を1~2回実施することが推奨される。[ 10 ]
最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
参考文献- Sevin BU, Nadji M, Averette HE, et al.: Microinvasive carcinoma of the cervix. Cancer 70 (8): 2121-8, 1992.[PUBMED Abstract]
- Jones WB, Mercer GO, Lewis JL, et al.: Early invasive carcinoma of the cervix. Gynecol Oncol 51 (1): 26-32, 1993.[PUBMED Abstract]
- Ramirez PT, Frumovitz M, Pareja R, et al.: Minimally Invasive versus Abdominal Radical Hysterectomy for Cervical Cancer. N Engl J Med 379 (20): 1895-1904, 2018.[PUBMED Abstract]
- Melamed A, Margul DJ, Chen L, et al.: Survival after Minimally Invasive Radical Hysterectomy for Early-Stage Cervical Cancer. N Engl J Med 379 (20): 1905-1914, 2018.[PUBMED Abstract]
- Covens A, Shaw P, Murphy J, et al.: Is radical trachelectomy a safe alternative to radical hysterectomy for patients with stage IA-B carcinoma of the cervix? Cancer 86 (11): 2273-9, 1999.[PUBMED Abstract]
- Dargent D, Martin X, Sacchetoni A, et al.: Laparoscopic vaginal radical trachelectomy: a treatment to preserve the fertility of cervical carcinoma patients. Cancer 88 (8): 1877-82, 2000.[PUBMED Abstract]
- Plante M, Renaud MC, Hoskins IA, et al.: Vaginal radical trachelectomy: a valuable fertility-preserving option in the management of early-stage cervical cancer. A series of 50 pregnancies and review of the literature. Gynecol Oncol 98 (1): 3-10, 2005.[PUBMED Abstract]
- Shepherd JH, Spencer C, Herod J, et al.: Radical vaginal trachelectomy as a fertility-sparing procedure in women with early-stage cervical cancer-cumulative pregnancy rate in a series of 123 women. BJOG 113 (6): 719-24, 2006.[PUBMED Abstract]
- Wethington SL, Cibula D, Duska LR, et al.: An international series on abdominal radical trachelectomy: 101 patients and 28 pregnancies. Int J Gynecol Cancer 22 (7): 1251-7, 2012.[PUBMED Abstract]
- Grigsby PW, Perez CA: Radiotherapy alone for medically inoperable carcinoma of the cervix: stage IA and carcinoma in situ. Int J Radiat Oncol Biol Phys 21 (2): 375-8, 1991.[PUBMED Abstract]
- 多施設国際ランダム化試験であるLaparoscopic Approach to Cervical Cancer(LACC [NCT00614211])試験により、早期子宮頸がん患者について広汎子宮全摘出術の効力、および開腹手術 vs MISによる病期判定が検討された。[
3
]IA1期(リンパ血管浸潤を伴う)、IA2期、およびIB1期疾患を有し、組織学的サブタイプが扁平上皮がん、腺がんまたは腺扁平上皮がんの患者が研究への登録に適格とされた。主要エンドポイントは開腹手術と比較したMISの非劣性であった;用いられた測定基準は、手術後4.5年経過時に無病状態の患者のパーセントであった。副次エンドポイントは2群間の再発率および生存率の比較であった。
- IB期およびIIA期の子宮頸がんの治療
-
IB期およびIIA期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢
IB期の子宮頸がんおよびIIA期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:
腫瘍のサイズは重要な予後因子であり、至適治療法の選択にあたっては慎重に評価すべきである。[ 1 ]
国際産婦人科連合(FIGO)分類IA2期およびIB1期で腫瘍容積が小さい女性では、放射線療法または広汎子宮全摘出術のいずれかと両側リンパ節郭清によって85~90%の治癒率が得られる。どの治療法を選択するかは、患者因子および地元の専門医の有無によって決まる。放射線療法と広汎子宮全摘出術とを比較したところ、5年全生存(OS)率および5年無病生存(DFS)率が同一であったことがランダム化試験1件によって報告された。[ 2 ]
IB2期では、子宮頸部で4cmを超えて進展している腺がんについて、化学療法と放射線療法の同時併用治療を一次治療とすべきである。[ 3 ]
放射線療法と化学療法の同時併用治療
シスプラチンベースの化学療法と放射線療法との同時併用療法は、子宮頸がんの治療に放射線療法を必要とする女性に対する標準治療である。[ 4 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][ 9 ][ 10 ]子宮頸がん患者に対する放射線療法プロトコルでは、患者が受ける線量を標準化するために、歴史的にA点、B点と呼ばれる2つの解剖学的点での照射が採用されている。A点は、外子宮口から2cmの位置で、子宮頸管に対して2cm側方の点と定義される。B点も外子宮口から2cmの位置であるが、骨盤骨を基準とした患者の正中線から側方に5cmの点である。一般に小型の腫瘍の場合はA点に対する治癒目的の照射を約70Gyで行うが、大型の腫瘍の場合はA点への線量を90Gy近くまで上げることもある。
証拠(放射線療法と化学療法の同時併用治療):
- 3件の第III相ランダム化試験では、放射線療法と同時併用したシスプラチンベースの化学療法によるOSの優位性が示されているが[ 4 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ]、このレジメンを検討した1件の試験では、有益性は認められなかった。[ 8 ]これらの試験の患者集団には、一次治療として放射線療法が施行されたFIGO分類IB2~IVA期の子宮頸がん患者と、一次治療としての手術施行時に予後不良因子(骨盤リンパ節転移、子宮傍組織浸潤、または切除断端陽性)が確認されたFIGO分類I~IIA期の患者が含まれていた。
密封小線源治療
子宮頸がんに対する標準放射線療法には、外部照射放射線療法(EBRT)とその後の密封小線源治療がある。密封小線源治療については、従来から低線量率(LDR)(137Csを用いるのが一般的)でのアプローチが採用されてきたが、現在では高線量率(HDR)(典型的には192Irを用いる)での治療が急速に普及してきている。HDR密封小線源治療は、医療関係者の放射線曝露の回避、治療期間の短縮化、患者の利便性、ならびに外来管理の改善という面で有利である。American Brachytherapy Societyでは、子宮頸がん治療の構成要素としてのLDRおよびHDR密封小線源治療の使用に対するガイドラインを発表している。[ 11 ][ 12 ]
証拠(密封小線源治療):
広汎子宮全摘出術および両側骨盤内リンパ節郭清と、場合により全骨盤放射線療法 + 化学療法
広汎子宮全摘出術および両側骨盤内リンパ節郭清術は、IB~IIA期の患者に対して考慮してよい。
証拠(広汎子宮全摘出術および両側骨盤内リンパ節郭清と、場合により全骨盤放射線療法 + 化学療法):
- あるイタリアのグループは、IB期およびIIA期の子宮頸がんの女性343人を手術群または放射線療法群にランダムに割り付けた。放射線療法ではEBRTと137Cs LDR 1個の挿入が行われ、A点に対する総線量は70~90Gy(中央値76Gy)であった。手術群の患者はクラスIIIの広汎子宮全摘出術、骨盤内リンパ節郭清術、選択的傍大動脈リンパ節郭清を受けた。尿検体中に高リスクの病理的特徴を認めた患者、またはリンパ節転移陽性の患者には、補助放射線療法が施行された。補助放射線療法は、総線量が50.4Gyの5~6週間にわたるEBRTであった。[ 2 ][証拠レベル:1iiA]
証拠(開腹手術[open] vs 侵襲性を最小限に抑えた手術[MIS]):
- 多施設国際ランダム化試験であるLaparoscopic Approach to Cervical Cancer(LACC [NCT00614211])試験により、早期子宮頸がん患者について広汎子宮全摘出術の効力、および開腹手術(open) vs MISによる病期判定が検討された。[
22
]IA1期(リンパ血管浸潤を伴う)、IA2期、およびIB1期疾患を有し、組織学的サブタイプが扁平上皮がん、腺がんまたは腺扁平上皮がんの患者が研究への登録に適格とされた。主要エンドポイントは開腹手術と比較したMISの非劣性であった;用いられた測定基準は、手術後4.5年経過時に無病状態の患者のパーセントであった。副次エンドポイントは2群間の再発率および生存率の比較であった。
計画された患者740人のうち、632人が登録した時点で、2群間の死亡における不均衡が生じたため、研究は早期に中止された。適格患者631人中、319人がMISに、312人が開腹手術に割り付けられた。
研究では、MISは開腹手術アプローチに対して非劣性を満たしておらず、子宮頸がん患者に対する標準ケアとして開腹手術に取って代えるべきではないと結論している。
- 1件の疫学的研究では、米国の2件の大規模データベース(National Cancer Database[NCDB]およびSurveillance, Epidemiology, and End Results [SEER] Database)が用いられ、2010年から2013年にIA2期およびIB1期子宮頸がんに対してMIS広汎子宮全摘出術を受けた患者におけるOSの低下が確認された。さらに、2000年から2010年に広汎子宮全摘出術を受けた女性では2006年以降OSが低下していたが、これは子宮頸がんに対してMISが広く採用されたことと一致していた。[ 23 ][証拠レベル:3iAおよび証拠レベル:3iiiA]
良好リスク患者の一部の亜集団に対するMIS広汎子宮全摘出術の使用に関しては疑問が残っているが、この試験のデータは、広汎子宮全摘出術の候補である早期子宮頸がん患者について開腹手術を標準ケアとみなすべきであると示唆している。
術後補助放射線療法
以前の臨床試験での再発率に基づいて、再発リスクの2つのクラスが定義された。腫瘍サイズが大きく、リンパ管腔への浸潤があり、子宮摘出術の検体に深い間質浸潤を認める患者は中リスクの疾患に罹患していると考えられる。これらの患者は補助EBRTの候補者である。[ 24 ]病理学的に切除断端陽性、子宮傍組織陽性、またはリンパ節陽性の患者は、再発リスクの高い候補者である。
証拠(術後補助放射線療法):
- Gynecologic Oncology Group(GOG)は、高リスク群の患者に対する広汎子宮全摘出術後の補助放射線療法単独と放射線療法 + シスプラチン + フルオロウラシル(5-FU)を比較した。術後の患者は、病理学的に子宮傍組織陽性、切除断端陽性、またはリンパ節陽性のいずれかに該当する場合に適格とされた。両群の患者は骨盤に49Gyの照射を受けた。実験群の患者には、シスプラチン(70mg/m2)の投与と96時間の5-FUの注入(1,000mg/m2/日、3週間ごとに4サイクル)も施行された;初回の2サイクルは放射線療法との併用であった。[ 6 ][証拠レベル:1iiA]
小さな病変には根治的手術が施行されてきたが、病理的因子によって術後に放射線療法や放射線療法 + 化学療法が追加されることが多かったため、現在では比較的大きい腫瘍を認める患者に対し、最初から化学療法と放射線療法を同時併用する方法が一般的になっている。再発リスクの高い患者には、50Gyの範囲で5週間にわたって照射する放射線療法に加えて、フルオロウラシル(5-FU)を併用または非併用のシスプラチンによる化学療法を検討すべきである。
傍大動脈リンパ節病変
外科的病期診断の実施後では、小さな傍大動脈リンパ節病変および制御可能な骨盤内病変が認められる患者においては、骨盤および傍大動脈領域に対する放射線療法によって治癒が期待できる。[ 25 ]傍大動脈リンパ節非切除症例の治療としては、小さな(2cm未満)リンパ節病変が第3腰椎よりも下方に存在する患者では、広範囲への放射線療法と化学療法の施行によって長期的な病変制御が可能となる。[ 18 ]ある単一研究(RTOG-7920)から、4cmを超える腫瘍のあった患者では、たとえ組織学的に転移の確証が得られていなくても、傍大動脈リンパ節への放射線療法を施行することで生存に有利であったことが示された。[ 26 ]傍大動脈領域への放射線療法による毒性作用は骨盤への放射線療法だけの場合よりも強かったが、その大半が腹部骨盤領域の手術歴のある患者に発生したものであった。[ 26 ]強度変調放射線療法(IMRT)の使用により、通常はこの治療に伴って生じる小腸への影響を最小限に抑えることができる。[ 27 ]
他の治療法選択肢
根治的子宮頸部摘出術
病期が早期と推定され、将来の妊孕性温存を希望している患者は、根治的子宮頸部摘出術の候補者である。この手技では、子宮頸部と側方の子宮傍組織を切除し、子宮体と卵巣は保持される。患者の選択方法はグループによって若干異なる;しかしながら、一般的な基準は以下の通りである:
術中に患者は広汎子宮全摘出術に類似した方法での評価を受ける;想定より進行した疾患が明らかになった場合は、手技は中止される。標本の断端に対する評価も手術時に行われ、不十分な切除断端が得られた場合は、広汎子宮全摘出術が施行される。[ 28 ][ 29 ][ 30 ][ 31 ][ 32 ]
術前補助化学療法
複数の研究グループは、従来の化学放射線療法の候補者である患者を根治手術の候補者に転換する術前補助化学療法の役割について調査した。[ 33 ][ 34 ][ 35 ][ 36 ][ 37 ]複数のレジメンが使用されたが、ほとんどすべてがプラチナの基本骨格を利用していた。これまでに行われた最大のランダム化試験は2001年に報告されたものであるが、この試験への登録は、標準治療の放射線療法にシスプラチンが追加される前に終了していた。[ 38 ]そのため、対照群には放射線療法単独が施行された。実験群にOSの改善が認められたものの、この結果は現在の実践に反映されていない。この研究にはIB~IVA期の患者が登録されたが、実験群における改善は早期疾患の患者(IB期、IIA期、またはIIB期)にのみ認められた。
EORTC-55994(NCT00039338)では、IB2期、IIA2期、IIB期の子宮頸がん患者を標準の化学放射線療法か、術前補助化学療法(シスプラチンの基本骨格、3サイクル)とその後の手術に対する評価のいずれかにランダムに割り付けた。主要エンドポイントはOSであり、この試験により、対象の患者集団に対する術前補助化学療法の役割があるかどうかが示されるであろう。
放射線療法単独
IA2期およびIB1期の病変を有する患者に対しては、骨盤領域への外照射療法と2回以上の腔内密封小線源治療の併用が適切な治療法である。IB2期で比較的大きな病変を有する患者は、放射線増感化学療法(radiosensitizing chemotherapy)の適応である。IA2およびIB1期の病変を有する患者における放射線増感化学療法の役割は、検証されていない。しかし、一部の症例では有益であることが実証される。
IMRT
IMRTは、隣接組織に損傷を与えずに標的の解剖学的組織に対する原体照射を可能にする放射線療法の一手法である。この手法は、理論上では放射線療法関連の毒性を低下させるものの、治療野からの組織の除外が不適切な場合は、有効性の低下につながりかねない。複数の施設が、中リスクおよび高リスク疾患の患者に対する根治手術後の術後補助療法としてIMRTを施行した経験について報告している。[ 39 ][ 40 ][ 41 ]Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)は、補助放射線療法を必要とする子宮頸がん患者と子宮内膜がん患者におけるIMRTの使用を評価する第II相試験(RTOG-0418[NCT00331760])への登録を終了した。
最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
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- IIB期、III期、IVA期の子宮頸がんの治療
-
IIB期、III期、IVA期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢
原発腫瘍の大きさは重要な予後因子であり、至適な治療法を選択する上では入念な評価を行うべきである。[ 1 ]生存率および局所制御率は、子宮傍組織浸潤が両側性の場合よりも片側性の場合に良好となる。[ 2 ]IIIA期およびIIIB期患者における治療パターンの研究によって、生存率は病変の進展度に依存し、片側性の骨盤壁浸潤例では両側性の浸潤例より転帰が良く、さらに膣壁の下1/3の浸潤例よりも転帰が良好と予測されている。[ 2 ]このような研究によって、腔内照射によるA点線量が漸増するのと平行して局所制御率および生存率が漸進的に改善されることも明らかにされている。A点線量が85Gyを超えた場合に、最も高い中央制御率が得られていた。[ 3 ]
IIB期、III期、IVA期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:
放射線療法と化学療法の同時併用治療
腔内放射線療法および骨盤に対する外部照射放射線療法(EBRT)とシスプラチンまたはシスプラチン/フルオロウラシル(5-FU)の併用を強く検討すべきである。[ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][ 9 ][ 10 ][ 11 ][ 12 ]
証拠(放射線療法と化学療法の同時併用治療):
- 5件の第III相ランダム化試験では、放射線療法と同時併用するシスプラチンベースの化学療法による全生存率(OS)の優位性が示されているが[ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][ 9 ][ 10 ]、このレジメンを検討した1件の試験では、有益性は認められなかった。[ 13 ]これらの研究の患者集団には、一次治療として放射線療法が施行された国際産婦人科連合(FIGO)分類でIB2期からIVA期の子宮頸がん女性と、一次治療として施行された手術時に予後不良因子(骨盤リンパ節転移、子宮傍組織浸潤、または切除断端陽性)が確認されたFIGO分類でI期からIIA期の患者が含まれていた。
証拠(低線量率腔内放射線療法 vs 高線量率腔内放射線療法):
- 密封小線源治療については、従来から低線量率(LDR)(137Csを用いるのが一般的)でのアプローチが採用されてきたが、現在では高線量率(HDR)(典型的には192Irを用いる)での治療が急速に普及してきている。HDR密封小線源治療は、医療関係者の放射線曝露の回避、治療期間の短縮化、患者の利便性、ならびに外来管理の改善という面で有利である。American Brachytherapy Societyでは、子宮頸がん治療の構成要素としてのLDRおよびHDR密封小線源治療の使用に対するガイドラインを発表している。[ 14 ][ 15 ]
- 3件のランダム化試験では、HDR密封小線源治療は局所-領域制御率および合併症発生率の点でLDR密封小線源治療に匹敵する成績を示した。[ 16 ][ 17 ][ 18 ][証拠レベル:1iiDii]
- 標準の化学放射線療法を改善する試みとして、1件の第III相ランダム化試験では、IIB期~IVA期子宮頸がん患者を対象として、ゲムシタビン + シスプラチンと放射線療法の同時併用に続く補助ゲムシタビン + シスプラチン(実験群)と、シスプラチンおよび放射線の同時併用(標準の化学放射線)とが比較された。[
19
][証拠レベル:1iiA]9ヵ国から計515人の患者が登録された。実験群のスケジュールでは、シスプラチン(40mg/m2)およびゲムシタビン(125mg/m2)を週1回、6週間とEBRT(28分割で50.4Gy)の同時併用に続いて、密封小線源治療(96時間で30~35Gy)と次に21日を1サイクルとして補助シスプラチン(50mg/m2)を1日目 + 補助ゲムシタビン(1,000mg/m2)を1日目と8日目に投与を2サイクル実施した。標準治療群では、実験群で記述したシスプラチン(40mg/m2)を週1回、6週間とEBRTの同時併用、および密封小線源治療を実施した。
サブグループ解析では、比較的高い病期(III~IVA期 vs IIB期)の子宮頸がん患者において有益性の増加が示されたことから、これらの患者では実験プロトコルの毒性作用の増加を正当化できることが示唆される。[ 20 ]実験群のどの治療側面が生存の改善をもたらしたか(すなわち、週1回のゲムシタビンの追加、補助化学療法、またはその両方)および治療中と治療後のQOL(プロトコルに含まれていない状態)を明らかにするには、追加の研究が必要である。
化学放射線療法後の補助化学療法の追加は、大規模な多国籍臨床試験の一環として、現在、評価が実施されている。OUTBACK試験(NCT01414608)は、シスプラチン(40mg/m2を週1回、5回の投与)および全骨盤放射線療法(標準の化学放射線療法)を受ける群と、それらに加えて標準化学放射線療法 + 補助カルボプラチン(AUC 5 + パクリタキセル155mg/m2)を受ける群に女性をランダムに割り付けている。
リンパ節の管理
臨床試験の一環として外科的病期診断が行われ、小さな傍大動脈リンパ節病変および制御可能な骨盤内病変が認められた患者では、骨盤と傍大動脈領域への放射線療法によって治癒が期待できる。[ 21 ]傍大動脈リンパ節非切除症例の治療としては、小さな(2cm未満)リンパ節病変が第3腰椎よりも下方に存在する患者では、広範囲への放射線療法の施行によって長期的な病変制御が可能となる。[ 22 ]ある単一研究(RTOG-7920)から、たとえ組織学的に転移の確証が得られていなくても、傍大動脈リンパ節への放射線療法を施行することで生存に有利であったことが示された。[ 23 ]傍大動脈領域への放射線照射による毒性作用は骨盤への照射だけの場合よりも強いが、その大半が腹部骨盤領域の手術歴のある患者に発生したものであった。[ 23 ]
手術後に術後EBRTを計画している場合には、放射線による合併症は、経腹膜的アプローチより腹膜外的リンパ節標本抽出の方が少ない。[ 24 ]腹膜外的にリンパ節試験切除を実施した患者は、経腹膜的リンパ節試験切除を実施した患者より腸管合併症が少なかった。[ 22 ][ 24 ][ 25 ]
肉眼的に転移陽性の骨盤リンパ節の切除については、術後に放射線療法を施行することで局所制御率を改善できる可能性がある。[ 26 ]加えて、プロスペクティブデータからは、陽性傍大動脈リンパ節の切除とその後の治癒目的の化学放射線療法を受ける患者の転帰に改善がみられた;しかし、利益はごく小さなリンパ節浸潤(<5mm)の患者に限られていた。[ 27 ]
他の治療法選択肢
組織内密封小線源治療
EBRTを完了したが、子宮頸部病変が巨大で、解剖学的に標準の密封小線源治療を留置できない患者には、許容可能な毒性プロファイルに基づき、組織内密封小線源治療による適切な殺腫瘍線量の照射が施行されている。[ 28 ]
術前補助化学療法
複数の研究グループは、従来の化学放射線療法の候補者である患者を根治手術の候補者に転換する術前補助化学療法の役割について調査した。[ 29 ][ 30 ][ 31 ][ 32 ][ 33 ]複数のレジメンが使用されたが、ほとんどすべてがプラチナの基本骨格を利用していた。これまでに行われた最大のランダム化試験は2001年に報告されたものであるが、この試験への登録は、標準治療の放射線療法にシスプラチンが追加される前に終了していた。[ 34 ]結果として、実験群にOSの改善が認められたものの、この結果は現在の実践に反映されていない。この研究にはIB~IVA期の患者が登録されたが、実験群における改善は早期疾患の患者(IB期、IIA期、またはIIB期)にのみ認められた。
EORTC-55994(NCT00039338)では、IB2期、IIA2期、IIB期の子宮頸がん患者を標準の化学放射線療法か、術前補助化学療法(シスプラチンの基本骨格、3サイクル)とその後の手術に対する評価のいずれかにランダムに割り付けた。主要エンドポイントはOSであり、この試験により、対象の患者集団に対する術前補助化学療法の役割があるかどうかが示されるであろう。
最新の臨床試験
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- Nag S, Erickson B, Thomadsen B, et al.: The American Brachytherapy Society recommendations for high-dose-rate brachytherapy for carcinoma of the cervix. Int J Radiat Oncol Biol Phys 48 (1): 201-11, 2000.[PUBMED Abstract]
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- Hareyama M, Sakata K, Oouchi A, et al.: High-dose-rate versus low-dose-rate intracavitary therapy for carcinoma of the uterine cervix: a randomized trial. Cancer 94 (1): 117-24, 2002.[PUBMED Abstract]
- Lertsanguansinchai P, Lertbutsayanukul C, Shotelersuk K, et al.: Phase III randomized trial comparing LDR and HDR brachytherapy in treatment of cervical carcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 59 (5): 1424-31, 2004.[PUBMED Abstract]
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- Dueňas-González A, Orlando M, Zhou Y, et al.: Efficacy in high burden locally advanced cervical cancer with concurrent gemcitabine and cisplatin chemoradiotherapy plus adjuvant gemcitabine and cisplatin: prognostic and predictive factors and the impact of disease stage on outcomes from a prospective randomized phase III trial. Gynecol Oncol 126 (3): 334-40, 2012.[PUBMED Abstract]
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- Pinn-Bingham M, Puthawala AA, Syed AM, et al.: Outcomes of high-dose-rate interstitial brachytherapy in the treatment of locally advanced cervical cancer: long-term results. Int J Radiat Oncol Biol Phys 85 (3): 714-20, 2013.[PUBMED Abstract]
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- Ferrandina G, Distefano MG, De Vincenzo R, et al.: Paclitaxel, epirubicin, and cisplatin (TEP) regimen as neoadjuvant treatment in locally advanced cervical cancer: long-term results. Gynecol Oncol 128 (3): 518-23, 2013.[PUBMED Abstract]
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- Manci N, Marchetti C, Di Tucci C, et al.: A prospective phase II study of topotecan (Hycamtin®) and cisplatin as neoadjuvant chemotherapy in locally advanced cervical cancer. Gynecol Oncol 122 (2): 285-90, 2011.[PUBMED Abstract]
- Gong L, Lou JY, Wang P, et al.: Clinical evaluation of neoadjuvant chemotherapy followed by radical surgery in the management of stage IB2-IIB cervical cancer. Int J Gynaecol Obstet 117 (1): 23-6, 2012.[PUBMED Abstract]
- Benedetti-Panici P, Greggi S, Colombo A, et al.: Neoadjuvant chemotherapy and radical surgery versus exclusive radiotherapy in locally advanced squamous cell cervical cancer: results from the Italian multicenter randomized study. J Clin Oncol 20 (1): 179-88, 2002.[PUBMED Abstract]
- IVB期の子宮頸がんの治療
-
IVB期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢
IVB期の子宮頸がんに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:
症状緩和目的の放射線療法
子宮主病変または遠隔転移巣に対する緩和作用を得るべく放射線療法が用いられることがある。
症状緩和目的の化学療法および他の全身療法
複数の薬剤が客観的奏効率に関連している;しかしながら、持続的反応はまれである。
IVB期子宮頸がんの治療に用いられる薬剤を表6に示す。
シスプラチンと他の薬物の併用
50mg/m²を3週間ごとに静脈内投与するシスプラチン単剤療法は、この薬剤が1970年代に最初に導入されて以来、子宮頸がんの再発治療に最も使用されたレジメンであった。[ 2 ]近年になって、GOGは、IVB期、再発性、または難治性の子宮頸がんに対する併用化学療法を検討する連続的ランダム化試験について報告している。[ 8 ][ 12 ][ 13 ][ 14 ][ 15 ][ 16 ]
証拠(シスプラチンと他の薬剤の併用):
最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
参考文献- Alberts DS, Kronmal R, Baker LH, et al.: Phase II randomized trial of cisplatin chemotherapy regimens in the treatment of recurrent or metastatic squamous cell cancer of the cervix: a Southwest Oncology Group Study. J Clin Oncol 5 (11): 1791-5, 1987.[PUBMED Abstract]
- Thigpen JT, Blessing JA, DiSaia PJ, et al.: A randomized comparison of a rapid versus prolonged (24 hr) infusion of cisplatin in therapy of squamous cell carcinoma of the uterine cervix: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 32 (2): 198-202, 1989.[PUBMED Abstract]
- Coleman RE, Harper PG, Gallagher C, et al.: A phase II study of ifosfamide in advanced and relapsed carcinoma of the cervix. Cancer Chemother Pharmacol 18 (3): 280-3, 1986.[PUBMED Abstract]
- Kudelka AP, Winn R, Edwards CL, et al.: Activity of paclitaxel in advanced or recurrent squamous cell cancer of the cervix. Clin Cancer Res 2 (8): 1285-8, 1996.[PUBMED Abstract]
- Thigpen T, Vance RB, Khansur T: The platinum compounds and paclitaxel in the management of carcinomas of the endometrium and uterine cervix. Semin Oncol 22 (5 Suppl 12): 67-75, 1995.[PUBMED Abstract]
- McGuire WP, Blessing JA, Moore D, et al.: Paclitaxel has moderate activity in squamous cervix cancer. A Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 14 (3): 792-5, 1996.[PUBMED Abstract]
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- Omura GA, Blessing JA, Vaccarello L, et al.: Randomized trial of cisplatin versus cisplatin plus mitolactol versus cisplatin plus ifosfamide in advanced squamous carcinoma of the cervix: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 15 (1): 165-71, 1997.[PUBMED Abstract]
- Verschraegen CF, Levy T, Kudelka AP, et al.: Phase II study of irinotecan in prior chemotherapy-treated squamous cell carcinoma of the cervix. J Clin Oncol 15 (2): 625-31, 1997.[PUBMED Abstract]
- Rose PG, Blessing JA, Gershenson DM, et al.: Paclitaxel and cisplatin as first-line therapy in recurrent or advanced squamous cell carcinoma of the cervix: a gynecologic oncology group study. J Clin Oncol 17 (9): 2676-80, 1999.[PUBMED Abstract]
- Burnett AF, Roman LD, Garcia AA, et al.: A phase II study of gemcitabine and cisplatin in patients with advanced, persistent, or recurrent squamous cell carcinoma of the cervix. Gynecol Oncol 76 (1): 63-6, 2000.[PUBMED Abstract]
- Long HJ, Bundy BN, Grendys EC, et al.: Randomized phase III trial of cisplatin with or without topotecan in carcinoma of the uterine cervix: a Gynecologic Oncology Group Study. J Clin Oncol 23 (21): 4626-33, 2005.[PUBMED Abstract]
- Tewari KS, Monk BJ: Gynecologic oncology group trials of chemotherapy for metastatic and recurrent cervical cancer. Curr Oncol Rep 7 (6): 419-34, 2005.[PUBMED Abstract]
- Moore DH, Blessing JA, McQuellon RP, et al.: Phase III study of cisplatin with or without paclitaxel in stage IVB, recurrent, or persistent squamous cell carcinoma of the cervix: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 22 (15): 3113-9, 2004.[PUBMED Abstract]
- Tewari KS, Monk BJ: Recent achievements and future developments in advanced and recurrent cervical cancer: trials of the Gynecologic Oncology Group. Semin Oncol 36 (2): 170-80, 2009.[PUBMED Abstract]
- Monk BJ, Sill MW, McMeekin DS, et al.: Phase III trial of four cisplatin-containing doublet combinations in stage IVB, recurrent, or persistent cervical carcinoma: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 27 (28): 4649-55, 2009.[PUBMED Abstract]
- Cella D, Huang HQ, Monk BJ, et al.: Health-related quality of life outcomes associated with four cisplatin-based doublet chemotherapy regimens for stage IVB recurrent or persistent cervical cancer: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 119 (3): 531-7, 2010.[PUBMED Abstract]
- Tewari KS, Sill MW, Long HJ, et al.: Improved survival with bevacizumab in advanced cervical cancer. N Engl J Med 370 (8): 734-43, 2014.[PUBMED Abstract]
- 再発子宮頸がんの治療
-
再発子宮頸がんに対する治療法の選択肢
無病生存期間の延長をもたらしている免疫療法を除いて、他の選択肢では治癒という結果が得られる可能性は低く、ほとんどは緩和目的で適用される。
再発子宮頸がんの治療法の選択肢には以下のものがある:
免疫療法
ペムブロリズマブ
再発または転移性子宮頸がんで、腫瘍が1つ以上のプログラム死リガンド(PD-L1)を発現している(combined positive score [CPS]、>1)女性を対象にした第II相KEYNOTE-158(NCT02628067)試験に基づいて、抗プログラム細胞死-1(PD-1)免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブでの良好な経験は、米国食品医薬品局(FDA)による承認につながった。
-
KEYNOTE-028(NCT02054806)は、24人の患者(1人を除く全員が扁平上皮がんを有した)を対象に抗PD-1免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブについて比較的早期に開始された第1b相拡大コホート試験であった。[
1
]
ペムブロリズマブのFDAによる承認につながった47人の患者の予備解析における第II相の所見が要約形式で発表された[ 2 ];これらは、Keytruda(ペムブロリズマブ)の製品パッケージの添付文書で更新されている。
- KEYNOTE-158(NCT02628067)は、再発または転移性子宮頸がんで、許容できない毒性作用または疾患進行が認められるまで3週間ごとに200mgを静注された患者98人が登録した多施設非ランダム化試験であった。[ 3 ]腫瘍にPD-L1が発現している(CPS >1)77人の患者では別の解析が実施された;92%に扁平上皮性の組織型が認められた。
- 11人の患者を対象にしたケースシリーズの経験が発表されており、ペムブロリズマブ治療に関連して、2人の患者で部分奏効および2人の患者で病勢の安定が得られたことが示された。[ 4 ]
- 要約形式で発表されたCheckMate 358(NCT02488759)試験では、子宮頸がん患者19人および膣および外陰由来の他のウイルス関連腫瘍を有する患者5人においてニボルマブ(2週間ごとに240mg、静注)が検証された。[ 5 ]
放射線療法および化学療法
初回根治的手術後に骨盤内に再発した症例では、放射線療法と化学療法(フルオロウラシル、またはフルオロウラシルとマイトマイシンとの併用)によって患者の40~50%が治癒する場合がある。[ 6 ]
症状緩和目的の化学療法および他の全身療法
緩和を目的として化学療法が行われることもある。症状緩和目的の化学療法に用いられる薬剤を表7に示す。
表7.再発子宮頸がんの治療に用いられる薬物 薬物名 奏効率 シスプラチン[ 7 ] 15%–25% イホスファミド[ 8 ][ 9 ] 15%–30% パクリタキセル[ 10 ] 17% イリノテカン[ 11 ] 21%(過去に化学療法を受けた患者) ベバシズマブ[ 12 ] 11%;24%が6ヵ月以上の無増悪生存、GOG-0227C(NCT00025233)で確認 イホスファミド/シスプラチン[ 13 ][ 14 ] 31% パクリタキセル/シスプラチン[ 15 ] 46% シスプラチン/ゲムシタビン[ 16 ] 41% シスプラチン/トポテカン[ 17 ] 27% シスプラチン/ビノレルビン[ 18 ] 30% 再発子宮頸がんに対する臨床評価段階にある治療法の選択肢
再発子宮頸がんに対する臨床評価段階にある治療法の選択肢には以下のものがある:
- 第I相および第II相臨床試験が実施中の新規抗がん剤。
最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
参考文献- Frenel JS, Le Tourneau C, O'Neil B, et al.: Safety and Efficacy of Pembrolizumab in Advanced, Programmed Death Ligand 1-Positive Cervical Cancer: Results From the Phase Ib KEYNOTE-028 Trial. J Clin Oncol 35 (36): 4035-4041, 2017.[PUBMED Abstract]
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- Kranawetter M, Röhrich S, Müllauer L, et al.: Activity of Pembrolizumab in Recurrent Cervical Cancer: Case Series and Review of Published Data. Int J Gynecol Cancer 28 (6): 1196-1202, 2018.[PUBMED Abstract]
- Hollebecque A, Meyer T, Moore K: An open-label, multicohort, phase I/II study of nivolumab in patients with virus-associated tumors (CheckMate 358): Efficacy and safety in recurrent or metastatic (R/M) cervical, vaginal, and vulvar cancers. [Abstract] J Clin Oncol 35:15, A-5504, 2017.[PUBMED Abstract]
- Thomas GM, Dembo AJ, Black B, et al.: Concurrent radiation and chemotherapy for carcinoma of the cervix recurrent after radical surgery. Gynecol Oncol 27 (3): 254-63, 1987.[PUBMED Abstract]
- Thigpen JT, Blessing JA, DiSaia PJ, et al.: A randomized comparison of a rapid versus prolonged (24 hr) infusion of cisplatin in therapy of squamous cell carcinoma of the uterine cervix: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 32 (2): 198-202, 1989.[PUBMED Abstract]
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- Verschraegen CF, Levy T, Kudelka AP, et al.: Phase II study of irinotecan in prior chemotherapy-treated squamous cell carcinoma of the cervix. J Clin Oncol 15 (2): 625-31, 1997.[PUBMED Abstract]
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- Tewari KS, Sill MW, Long HJ, et al.: Improved survival with bevacizumab in advanced cervical cancer. N Engl J Med 370 (8): 734-43, 2014.[PUBMED Abstract]
- Alberts DS, Kronmal R, Baker LH, et al.: Phase II randomized trial of cisplatin chemotherapy regimens in the treatment of recurrent or metastatic squamous cell cancer of the cervix: a Southwest Oncology Group Study. J Clin Oncol 5 (11): 1791-5, 1987.[PUBMED Abstract]
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-
KEYNOTE-028(NCT02054806)は、24人の患者(1人を除く全員が扁平上皮がんを有した)を対象に抗PD-1免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブについて比較的早期に開始された第1b相拡大コホート試験であった。[
1
]
- 妊娠中の子宮頸がん
-
妊娠中は、浸潤がんを除外するための専門医による膣鏡検査は推奨されるものの、上皮内がんを含む子宮頸部の浸潤前病変に対する治療は一切正当化されない。
診断
妊娠中の子宮頸がんの治療は、診断時のがんの進展度および在胎月齢によって決まる。患者は必要に応じて生検と画像検査を受け、がんの進展度を明らかにした上で、十分に説明を受けた後に選択を行うべきである。妊娠中に最適な画像検査法は、適応であれば磁気共鳴画像法である。
I期のがんに対する治療法
妊娠によって、子宮頸がんの経過は変化しない。そのため、がんが妊娠に及ぼす影響が最小限であるうちは、患者が治療の延期を選択する場合もある。こうした対応は、より一般的で侵攻性の低い組織型、すなわち扁平上皮、腺がん、腺扁平上皮の各型のがんを認める患者に考慮してもよい。小細胞腫瘍または神経内分泌腫瘍などの高リスク型の病変を有する患者では、増悪のリスクを考慮して、胎児への影響にかかわらず、直ちに治療を開始するよう勧告するべきである。
早期(IA)の患者は、適応であれば、子宮頸部の円錐切除術または根治的子宮頸部切除術などの妊孕性温存治療を安全に受けることができる。これらの処置を施行する最適なタイミングは、妊娠第2期の胎児が生存能力を獲得する前である。一部の研究者は、妊娠が終了するまで治療の開始を待機するよう提案している。[ 1 ]IA2期およびIB期の患者では、その時期まで治療を遅延しても安全であろうが、リンパ節転移のリスクがあるため、第一にリンパ節の状態に対する評価を確保する必要がある。リンパ節の状態は、腹腔鏡下または開腹でのリンパ節郭清により外科的に判定する方法が最適であり、妊娠20週前後まではこれらの手技を安全に施行することができる。[ 2 ][ 3 ]リンパ節転移がみられない患者では、胎児が生存能力を獲得するまで治療の開始を待機してもよい。リンパ節転移陽性の患者には、即座の治療開始を勧告するべきである。
II期、III期、IV期のがんに対する治療法
II期以上の病期の患者では、胎児が生存能力を獲得するまで待機する選択肢は一般に許容されない。[ 4 ]標準治療は治癒目的の化学療法および放射線療法である。この治療法には胎児に対する毒性があり、卵巣転位を施さなければ、治療後に卵巣機能は停止する。放射線照射の開始前に、胎児を除去するべきである。除去が不可能な場合でも、通常は放射線照射により、治療開始後3~5週で自然流産に至る。
術前補助化学療法
術前補助化学療法は、局所進行がんの患者に対して、妊娠を継続しながら治療を開始する方法として利用されてきた。[ 1 ]ほとんどの化学療法薬は妊娠第2期またはそれ以降に安全に開始することができる;主な副作用は軽度の胎児発育遅延である。発育遅延は比較的少数の患者において報告されており、長期転帰に関するデータは不足している;そのため、この選択肢は慎重に検討するべきである。報告された患者のほとんどは、妊娠終了後に標準治療(手術または放射線療法)を受けた。
参考文献- Morice P, Uzan C, Gouy S, et al.: Gynaecological cancers in pregnancy. Lancet 379 (9815): 558-69, 2012.[PUBMED Abstract]
- Alouini S, Rida K, Mathevet P: Cervical cancer complicating pregnancy: implications of laparoscopic lymphadenectomy. Gynecol Oncol 108 (3): 472-7, 2008.[PUBMED Abstract]
- Favero G, Chiantera V, Oleszczuk A, et al.: Invasive cervical cancer during pregnancy: laparoscopic nodal evaluation before oncologic treatment delay. Gynecol Oncol 118 (2): 123-7, 2010.[PUBMED Abstract]
- Hunter MI, Tewari K, Monk BJ: Cervical neoplasia in pregnancy. Part 2: current treatment of invasive disease. Am J Obstet Gynecol 199 (1): 10-8, 2008.[PUBMED Abstract]
- 本要約の変更点(05/13/2020)
-
PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。
子宮頸がんの病期情報
本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。
- 本PDQ要約について
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本要約の目的
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、子宮頸がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
査読者および更新情報
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:
要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。
本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。
証拠レベル
本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。
本要約の使用許可
PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。
本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:
PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Cervical Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/cervical/hp/cervical-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389493]
本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。
免責条項
入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。