医療専門家向け 成人急性骨髄性白血病の治療(PDQ®)

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医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、急性骨髄性白血病の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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成人急性骨髄性白血病(AML)に関する一般情報

発生率および死亡率

米国において、2020年に推定されるAMLの新規症例数および死亡数:[ 1 ]

予後および生存率

AML(急性骨髄性白血病、急性非リンパ性白血病[ANLL]とも呼ばれる)に対する治療法の進歩によって、完全寛解(CR)率の大幅な改善が得られている。[ 2 ]部分寛解では大幅な生存利益が見込めないため、CR達成に十分な強度の治療を実施すべきである。AML成人では、適切な導入療法の後に約60~70%の患者がCR状態に達することが期待される。25%を超えるAML成人(CRに達した患者の約45%)が3年以上生存することが期待でき、治癒することもある。成人AML患者における寛解率は年齢と逆相関を示し、60歳未満の患者で予測される寛解率は65%を上回る。データからは、高齢患者ではいったん寛解が得られても寛解期間は短いことが示唆される。導入療法中の合併症発生率と死亡率の増加は、年齢と直接の関係を示すようである。予後に悪影響を与える他の因子としては、白血病の中枢神経系浸潤、診断時の全身感染症、白血球数の増加(>100,000/mm3)、治療関連AML、骨髄異形成症候群または別の先行する血液疾患の既往歴などが挙げられる。前駆細胞抗原CD34および/またはP糖蛋白(MDR1遺伝子産物)を発現する白血病患者では、治療成績が比較的不良である。[ 3 ][ 4 ][ 5 ]FLT3遺伝子内の縦列重複(tandem duplication)と関連のあるAML(FLT3/ITD突然変異)では、再燃率が高いことから、治療成績が比較的不良である。[ 6 ][ 7 ]

細胞遺伝学的分析

Southwest Oncology Group(SWOG)およびEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)により実施された試験(E-3489)において示されたように、細胞遺伝学的分析によって予後に関して非常に有力な情報を得ることができ、寛解導入療法と寛解後療法の両方について治療成績の予測が可能となる。[ 8 ]細胞遺伝学的異常で予後が良好なものは、t(8;21)、inv(16)またはt(16;16)、およびt(15;17)である。細胞遺伝学的に正常なものは、平均リスクのAMLとみられている。5番または7番染色体のモノソミーあるいは長腕欠損;3番染色体の転座あるいは逆位、t(6;9)、t(9;22);ないし染色体11q23の異常により特徴付けられるAML患者の化学療法での予後は特に悪い。Medical Research Councilにより実施された試験(MRC-LEUK-AML11)で示されたように、これらの細胞遺伝学的分類は、若年患者のみならずより高齢のAML患者においても臨床的転帰の予測を可能にする。[ 9 ]t(8;21)およびinv(16)で形成される融合遺伝子は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法か蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を用いて検出することができ、これらの方法ではさらに、標準の細胞遺伝学的方法が技術的に不適であった患者においても、これらの遺伝子異常の有無を判定することができる。RT-PCR法では、細胞遺伝学的に正常で、リスク的に良好な融合遺伝子を有する有意な数の患者は識別できないと考えられる。[ 10 ]

予後およびWHO分類

AMLの分類は、世界保健機関(WHO)の主催で病理医および臨床家のグループにより修正されている。[ 11 ]French-American-British分類の要素(すなわち、形態学、免疫表現型、細胞遺伝学および臨床的特徴)が維持される一方で、WHO分類ではAMLの遺伝学および臨床的特徴に関するより最近の発見が組み入れられており、生物学的に均質で予後および治療に関連のある疾患単位を定義するよう試みられている。[ 11 ][ 12 ][ 13 ]各診断基準は、予後と治療に影響を与えるが、実際の目的から考えると、白血病の治療は全亜型において類似している。

寛解期のAML患者30人の少なくとも10年間の長期追跡で、二次悪性疾患の発生率は13%であることが示されている。40歳未満のAMLまたは急性リンパ芽球性白血病の長期女性生存者31人のうち、26人が治療完了後に正常な月経を再開した。生存者の存命子孫36人の中で、先天性障害が2件発生した。[ 14 ]

AMLを急性リンパ性白血病と鑑別することは、治療を考える上で重要である。組織化学的染色および細胞表面の抗原決定基がその鑑別に役立つ。

関連する要約

急性骨髄性白血病に関する情報を含む他のPDQ要約には以下のものがある:

参考文献
  1. American Cancer Society: Cancer Facts and Figures 2020. Atlanta, Ga: American Cancer Society, 2020. Available online. Last accessed January 17, 2020.[PUBMED Abstract]
  2. American Cancer Society: Cancer Facts and Figures 2014. Atlanta, Ga: American Cancer Society, 2014. Available online. Last accessed February 8, 2019.[PUBMED Abstract]
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  4. Geller RB, Zahurak M, Hurwitz CA, et al.: Prognostic importance of immunophenotyping in adults with acute myelocytic leukaemia: the significance of the stem-cell glycoprotein CD34 (My10) Br J Haematol 76 (3): 340-7, 1990.[PUBMED Abstract]
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  6. Kottaridis PD, Gale RE, Frew ME, et al.: The presence of a FLT3 internal tandem duplication in patients with acute myeloid leukemia (AML) adds important prognostic information to cytogenetic risk group and response to the first cycle of chemotherapy: analysis of 854 patients from the United Kingdom Medical Research Council AML 10 and 12 trials. Blood 98 (6): 1752-9, 2001.[PUBMED Abstract]
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  8. Slovak ML, Kopecky KJ, Cassileth PA, et al.: Karyotypic analysis predicts outcome of preremission and postremission therapy in adult acute myeloid leukemia: a Southwest Oncology Group/Eastern Cooperative Oncology Group Study. Blood 96 (13): 4075-83, 2000.[PUBMED Abstract]
  9. Grimwade D, Walker H, Harrison G, et al.: The predictive value of hierarchical cytogenetic classification in older adults with acute myeloid leukemia (AML): analysis of 1065 patients entered into the United Kingdom Medical Research Council AML11 trial. Blood 98 (5): 1312-20, 2001.[PUBMED Abstract]
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  14. Micallef IN, Rohatiner AZ, Carter M, et al.: Long-term outcome of patients surviving for more than ten years following treatment for acute leukaemia. Br J Haematol 113 (2): 443-5, 2001.[PUBMED Abstract]
成人AMLの分類

急性骨髄性白血病(AML)の世界保健機関の分類(WHO分類)は、普遍的に適用可能で予後予測という面で妥当な分類を構築するという目的のもとに、形態学的特徴、細胞遺伝学的所見、分子遺伝学所見、ならびに免疫学的マーカーを取り入れ、これらを相互に関係付けた分類法である。[ 1 ]かつてのFrench-American-British(FAB)分類の基準では、AMLの分類は、異なる細胞系列と比べた分化の程度と細胞の成熟の度合いにより決定される形態学特徴のみに基づいていた。[ 2 ][ 3 ]

WHO分類では、「他に分類されない急性骨髄性白血病」のカテゴリーは形態学に基づいており、FAB分類を2~3つの点で大きく修正している。[ 2 ][ 3 ]WHO分類とFAB分類間の最大の差異は、AMLの診断に必要とされる芽球の割合が血液または骨髄中に20%以上存在すべきであるというWHOの推奨である。FAB分類では、必要とされる血液または骨髄中の芽球の割合は30%以上であった。芽球の割合をこの閾値に定めたことで、骨髄異形成症候群(MDS)のFAB分類で認められるカテゴリーである「移行期芽球増加性不応性貧血(RAEB-t)」が排除された;RAEB-tは20~29%の骨髄芽球の割合と定義される。WHO分類において、RAEB-tはもはや臨床的に別個の疾患とはみなされておらず、その代わりに、「骨髄異形成症候群続発性の多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML」として、より広いカテゴリーの「多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML」に含められている。[ 4 ]

芽球の閾値をこのように下げたことで一部で批判が起こったが、骨髄中の芽球が20~29%の症例の生存パターンは、芽球が30%以上の症例の生存パターンとほぼ同じであるということが複数の研究により示されている。[ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][ 9 ]AMLの診断自体は治療が必須であることを意味しない。治療法の決定は、芽球の割合に加えて、患者の年齢、MDSの既往歴、臨床所見、疾患の進行度、さらには患者の意向(これが最も重要)などの他の因子にも基づいてなされる必要がある。

いくつかのグループが、マイクロアレイを用いた遺伝子発現プロファイル(GEP)の検討によって現在のAMLの診断的および予後予測的検査法を補強しようという研究を開始している。既に知られている細胞遺伝学的異常や分子的異常に対応するGEPを利用することで、個々の亜集団を同定することができる。この陽性的中率は、t(8;21)およびinv(16)(現在ではコア結合因子[CBF]白血病と呼ばれる)を認め、t(15;17)を伴う急性前骨髄球性白血病(APL)の患者のみに対しては十分強力で、臨床的に有用であると考えられる。従来の細胞遺伝学を用いて診断できなかったCBF白血病の数症例がGEPによって特定された。[ 10 ][ 11 ][ 12 ]

AMLゲノムに対する次世代の塩基配列決定法により、1症例当たり平均13個の突然変異が同定されている。変異遺伝子には、転写因子融合、ヌクレオフォスミン1、腫瘍抑制、DNAメチル化関連、信号伝達、クロマチン修飾、骨髄転写因子、接着複合体、およびスプライソソーム複合体が挙げられる。[ 13 ]

以下の概要および考察では、適宜、かつての分類法であるFAB分類を付記している。

特徴的な遺伝子の異常を伴うAML

このカテゴリーは、特徴的な遺伝子の異常および、特に11q23の異常を有する患者を除いて高い寛解率と良好な予後が頻繁にみられることによって特徴付けられる。[ 14 ]相互転座t(8; 21)、inv(16)またはt(16;16)、t(15; 17)、および11q23の切断点が関連する転座は、最も一般的に同定される遺伝子の異常である。これらの染色体の構造的再構成の結果、白血病発症の開始または増悪の一因となりうるキメラ蛋白をコードする融合遺伝子が形成される。これらの転座の多くは、細胞遺伝学的検査よりもの高い逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法か蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法によって検出される。これら以外の反復性の細胞遺伝学的異常はあまり一般的ではなく、後述の他に分類されないAMLで記述されている。

t(8; 21)(q22; q22);(AML/ETO)を伴うAML

t(8; 21)(q22; q22)の転座を伴うAML(FAB分類M2に最も一般的に起こる)は、AMLにおいて最も一般的な遺伝学的異常の1つで、AML症例の5~12%を占めており、核型分類で異常を示す分化型急性骨髄芽球性白血病症例の33%を占める。[ 15 ]骨髄性肉腫(緑色腫)がみられることもあり、20%未満の骨髄芽球の割合と関連している。

一般的な形態学的特徴は、以下の通りである:

分化型AML(FAB分類M2)は、t(8;21)と相関した最も一般的な形態学的タイプである。まれに、この転座を伴うAMLは、20%未満の骨髄芽球の割合を示す。[ 14 ]

t(8; 21)(q22; q22)の転座には、CBF-αをコードするRUNX1としても知られるAML1遺伝子およびETO(eight-twenty-one)遺伝子が関与している。[ 14 ][ 16 ]AML1/ETO融合転写産物は、t(8;21)を伴うAML患者に一貫して検出される。このタイプのAMLに関しては、通常、化学療法に対する反応が良好で、完全寛解(CR)率も高く、Cancer and Leukemia Group B(CLB-9022およびCLB-8525)と同様に、寛解後の段階で高用量シタラビンによる治療を行った場合は長期生存も得られる。[ 17 ][ 18 ][ 19 ][ 20 ]この他の染色体の異常も、例えば、性染色体の欠損およびdel(9)(q22)が一般的にみられる。神経細胞接着分子(CD56)の発現は、有害な予後指標の1つであると考えられる。[ 21 ][ 22 ]

inv(16)(p13; q22)またはt(16; 16)(p13; q22);(CBFβ/MYH11)を伴うAML

inv(16)(p13; q22)またはt(16; 16)(p13; q22)を伴うAMLは全AML症例の約10~12%でみられ、主としてより年齢の若い患者に起こる。[ 14 ][ 23 ]形態学的に、このタイプのAMLは、異常な好酸球を伴う急性骨髄単球性白血病(FAB分類M4)(AMML Eo)と関連している。骨髄性肉腫が初診時または再燃時に認められることもある。

一般的な形態学的特徴は、以下の通りである:

この遺伝学的異常を認める症例のほとんどはAMML Eoとして同定されているが、好酸球増加を認めない症例もときに報告されている。t(8;21)を伴うAMLのまれな症例でみられるように、このAMLの骨髄芽球の割合はときに20%未満となることがある。

inv(16)(p13; q22)およびt(16; 16)(p13; q22)の両方があると、16q22のCBFベータ(CBFβ)遺伝子が16p13の平滑筋ミオシン重鎖(MYH11)遺伝子に融合し、それにより融合遺伝子CBFβ/MYH11が形成される。[ 15 ]融合遺伝子の存在は従来の細胞遺伝学的分染法では高い信頼性で実証できないため、この融合遺伝子を実証するためにはFISHおよびRT-PCR法の使用が必要であろう。[ 24 ]このタイプのAML患者では、寛解後の段階で高用量のシタラビンにより治療した方が、CR率が高くなる可能性がある。[ 17 ][ 18 ][ 20 ]

APL[t(15;17)(q22; q12);(PML/RARA)を伴うAMLおよびその異型](FAB分類M3)

APLのt(15; 17)(q22; q12)を伴うAMLは、前骨髄球が優位を占めるAMLである。APLには、多顆粒型、すなわち典型的APLおよび微小顆粒型(寡顆粒型)APLの2種類がある。APLはAML症例の5~8%を構成し、主として中年期成人に発症する。[ 14 ]典型的APLおよび微小顆粒型APLはいずれも、一般的に播種性血管内凝固症候群(DIC)と関連している。[ 25 ][ 26 ]微小顆粒型APLは典型的なAPLと異なり、倍加時間が短く白血球数は非常に多い。[ 14 ]

典型的なAPLに共通する形態学的特徴は、以下の通りである:

微小顆粒型APLに共通する形態学的特徴は、以下の通りである:

APLでは、17q12上のRARA遺伝子が15q22上の核調節因子(前骨髄球性白血病、すなわちPML遺伝子)と融合した結果、PML/RARA遺伝子融合転写物を生じる。[ 15 ][ 27 ][ 28 ]潜在性または顕在化しないt(15;17)のまれな症例では、典型的な細胞遺伝学的所見が認められず、複合変異型の転座または顕微鏡でも判明しないRARA遺伝子のPML遺伝子への挿入が関与しており、PML/RARA融合転写物の発現に至る。[ 14 ]これらの潜在性の遺伝学的再構成を明らかにするにはFISHおよび/またはRT-PCR法が必要であろう。[ 29 ][ 30 ]

APLは特に、分化誘導物質として作用するオールトランスレチノイン酸(ATRA:all-trans retinoic acid、トレチノイン)を用いた治療に対する感受性が高い。[ 31 ][ 32 ][ 33 ]APLでは、ATRA治療と化学療法を併用することにより、高いCR率が得られる可能性がある。[ 34 ]APL症例の約1%では、RARA遺伝子が他の遺伝子と融合している異型の染色体異常が明らかになることがある。[ 35 ]RARA遺伝子が関与している異型の転座として以下のものがある:t(11;17)(q23; q21)、t(5;17)(q32; q12)、およびt(11; 17)(q13; q21)。[ 14 ]

11q23(MLL)の異常を伴うAML

11q23の異常を伴うAMLはAML症例の5~6%を構成し、一般的に単球性の特徴と関連する。このAMLは小児においてより一般的である。11q23の異常を伴うAMLの頻度が高い患者の臨床的サブグループには以下の2つがある:乳児におけるAMLおよび通常DNAトポイソメラーゼ阻害剤を用いた治療後に起こる治療関連AML。患者は、DICおよび髄外への単球性肉腫および/または組織浸潤(歯肉、皮膚)を呈することがある。[ 14 ]

このAMLに共通する形態学的特徴は、以下の通りである:

11q23の異常は、頻繁に急性骨髄単球性、単芽球性、および単球性白血病(それぞれFAB分類M4、M5aおよびM5b)と関連し、ときに分化型および未分化型AML(それぞれFAB分類M2およびM1)と関連している。[ 14 ]

11q23のMLL遺伝子は成長調節因子であり、約22個のさまざまなパートナー染色体との転座に関係している。[ 14 ][ 15 ]MLL以外の遺伝子が11q23の異常に関係していることもある。[ 36 ]MLLに関わる遺伝子の異常を検出するには、FISHが必要であろう。[ 36 ][ 37 ][ 38 ]一般に、個々の11q23転座に対するリスクカテゴリーおよび予後は、相当数の患者を含む研究が不十分なため決定が困難である;しかしながら、t(11; 19)(q23; p13.1)を伴う患者では転帰が不良であると報告されている。[ 18 ]

FLT3、NPM1、またはCMBPAの突然変異を伴うAML

de novo AMLの20~30%において診断時から存在するFLT3(FMS様チロシンキナーゼ3)の活性化突然変異は、本疾患において最も頻繁にみられる分子異常である。[ 39 ][ 40 ]最も一般的な突然変異のタイプ(23%)は、受容体の膜近傍領域に位置する遺伝子内の縦列重複(tandem duplication)突然変異(FLT3/遺伝子内縦列重複[ITD])であるが、キナーゼ領域の点突然変異はあまり一般的ではない(7%)。FLT3/ITD AML患者に一般的な臨床的特徴は、以下の通りである:

FLT3/ITD突然変異を有する患者、およびFLT3点突然変異を有する可能性のある患者は、再燃率が高く、全生存(OS)率が低いことが一貫して報告されている。[ 41 ][ 42 ]FLT3突然変異を伴うAML患者では、一般的にFLT3突然変異を伴わないAML患者とCR率に差がないことが報告されているが、この臨床的パラメータについて調査したほとんどの研究では、強化化学療法レジメンによる治療を受けた患者からの結果が使用されており、従来の7+3レジメンでは、この患者グループの寛解率が低下することを示唆するデータも得られている。[ 43 ][証拠レベル:3iiiDiv]

German-Austrian Acute Myeloid Leukemia Study Groupにより実施されたある研究では、強力な寛解導入療法と11年間に及ぶ寛解後療法を受けた細胞遺伝学的に正常なAML症例872例のデータが検討された。[ 44 ][証拠レベル:3iiiA]この研究グループによると、変異シトシン-シトシン-アデノシン-アデノシン-チミジン(CCAAT)-エンハンサー結合蛋白α(CEBPA)またはNPM1を有し、fms関連チロシンキナーゼ3の遺伝子内縦列重複(FLT3-ITD)を有さない患者(4年OS率は、それぞれ62%と60%)では、他の細胞学遺伝学的に正常なAML患者(4年OS率は25~30%)と比べて、完全奏効率、無病生存(DFS)率、およびOS率が高かったことが明らかになった。FLT3が突然変異したAML患者、またはCEBPAもしくはNPM1を有しFLT3-ITDを有さない患者以外の遺伝子異常を有する患者では、現時点で転帰を向上させる明確な戦略は存在しないが、小分子のFLT3阻害薬が現在開発中であり、また同種移植の役割も検討されている。

多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML

WHO分類において、移行期芽球増加性不応性貧血(RAEB-t)はもはや別個の疾患実体とは考えられず、その代わりにより広いカテゴリーの「多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML」内に以下の1つとして含められている:

多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAMLは、2つ以上の骨髄細胞系列における血液中または骨髄中の20%以上の芽球(一般に巨核球を含む)によって特徴付けられる。[ 4 ]診断を下すには、少なくとも2つの細胞系列の50%以上の細胞で異形成が存在する必要があり、また治療前の骨髄標本中に異形成が存在する必要がある。[ 4 ][ 45 ]多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAMLは、de novoとして、またはMDSの後または骨髄異形成および骨髄増殖性疾患(MDSおよびMPD)の後に起こることがある。(詳しい情報については、骨髄異形成症候群の治療および骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)「骨髄異形成症候群から進展した多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML」という診断用語は、MDSがAMLに先行する場合に使用すべきである。[ 4 ]

このカテゴリーのAMLは主に高齢患者に起こる。[ 4 ][ 46 ]このタイプのAML患者には頻繁に重度の汎血球減少の発症が認められる。

一般的な形態学的特徴は、以下の通りである:

多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAMLの鑑別診断には、急性赤血球性-骨髄性白血病および分化型急性骨髄芽球性白血病(FAB分類M6aおよびM2)がある。症例によっては、2つの形態学的タイプが重複することもある。[ 4 ]

SWOG-8600およびNCT00023777など、数件のSouthwest Oncology Groupの研究で証明されているように、多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAMLにおいて観察される多数の染色体異常は、MDSでみられる染色体異常と類似しており、特定の染色体(圧倒的に5番および/または7番染色体)の主要な領域の獲得または欠損が頻繁にかかわっている。[ 46 ][ 47 ][ 48 ][ 49 ]CRを達成する可能性は、多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAMLの診断によって悪影響を受けることが報告されている。[ 46 ][ 47 ][ 48 ]

治療に関連したAMLおよび骨髄異形成症候群

このカテゴリーには、細胞毒性化学療法および/または放射線療法に続発して起こるAMLおよびMDSがある。[ 50 ]治療に関連した(または続発する)MDSは、治療に関連したAMLと臨床病理学的に密接に関係しているために含められている。これらの治療に関連した疾患群は、関与する特異的変異原性薬物によって特徴付けられるが、最近のある研究から、がん治療では変異原性をもちうる薬物が頻繁に重複使用されるために、これらの識別が困難と示唆されている。[ 51 ]

アルキル化剤に関連したAMLおよびMDS

アルキル化剤/放射線に関連した急性白血病および骨髄異形成症候群は一般的に変異原性のある薬物への曝露後5~6年で発現するが、報告されているこの期間は約10~192ヵ月と幅がある。[ 50 ][ 52 ]発症リスクは、アルキル化剤の総累積投与量と患者の年齢の両方に関係している。臨床的には、この障害は一般的に骨髄不全の証拠を伴うMDSとして最初に出現する。この段階に続いて、複数の細胞系列において、通常5%未満の芽球の割合を伴う異形成の特徴がみられる。MDSの段階では、症例の約66%が多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴う不応性血球減少(RCMD)の基準を満たし、これらの症例の約33%が15%を超える環状鉄芽球(RCMD-RS)を呈する。[ 50 ](詳しい情報については、骨髄異形成症候群の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)他の25%の症例は過剰芽球を伴う不応性貧血-1または2(RAEB-1;RAEB-2)の基準を満たす。MDSのフェーズはより悪性度の高いMDSまたはAMLに進展する可能性がある。少数の患者が急性白血病を発症することがあるが、かなりの患者数がこのMDSのフェーズで死亡する。[ 50 ]

一般的な形態学的特徴は、以下の通りである:

症例は、形態学的に分化型AML、急性単球性白血病、AMML、赤白血病、または急性巨核芽球性白血病(それぞれ、FAB分類M2、M5b、M4、M6a、およびM7)に相当することもある。

細胞遺伝学的異常は、90%を超える治療関連AMLまたはMDS症例において観察されており、一般的に5番および/または7番染色体を含んでいる。[ 50 ][ 53 ][ 54 ]複合的な染色体異常(別個の異常が3つ以上)が最もよくみられる所見である。[ 51 ][ 53 ][ 54 ][ 55 ]治療に関連したAMLは通常、抗白血病治療に不応性である。これらの疾患の診断後の生存期間中央値は約7~8ヵ月である。[ 51 ][ 53 ]

トポイソメラーゼII阻害剤に関連したAML

このタイプのAMLは、トポイソメラーゼII阻害剤で治療された患者に起こる。含まれる薬物としては、エピポドフィロトキシンのエトポシドおよびテニポシド、アントラサイクリン系薬物のドキソルビシンおよび4-エピ-ドキソルビシンがある。[ 50 ]原因となる治療の開始時からAML発症までの平均潜伏期間は、約2年である。[ 56 ]形態学的には、かなりの単球性成分が存在する。ほとんどの症例は、急性単芽球性または骨髄単球性白血病として分類される。報告されているその他の形態には、APL、骨髄異形成症候群、および急性巨核芽球性白血病がある。[ 50 ]

アルキル化剤/放射線関連急性白血病および骨髄異形成症候群については、細胞遺伝学的異常はしばしば複合的である。[ 51 ][ 53 ][ 54 ][ 55 ]大多数を占める細胞遺伝学的所見は、染色体11q23およびMLL遺伝子と関係している。[ 51 ][ 57 ]現在のデータは生存期間を予測するには不十分である。

他に分類されないAML

再発性の遺伝子異常を伴うAML、多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML、または治療に関連したAMLおよびMDSの基準を満たさないAML症例がこのカテゴリーに分類される。このカテゴリーの分類は、形態学、細胞化学、および分化に関する白血病細胞の特徴に基づく。[ 58 ]

最未分化型急性骨髄芽球性白血病(FAB分類M0)

このAMLは、形態学および光学顕微鏡による細胞化学で骨髄分化の証拠を示さない。[ 59 ]芽球の骨髄性の性質は、免疫表現型検査および/または超微細構造研究により示される。[ 58 ]免疫表現型検査は、この急性白血病と急性リンパ芽球性白血病(ALL)を鑑別するために実施する必要がある。[ 58 ]最未分化型AMLは、AML症例の約5%を占める。このAMLの患者は一般的に骨髄不全、血小板減少、および好中球減少の証拠を呈する。[ 59 ]

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

免疫表現型検査により、1つ以上の汎骨髄性抗原(CD13、CD33、およびCD117)を発現し、BおよびTリンパ球に限定された抗原は陰性である芽球が明らかにされる。ほとんどの症例は、原始的な造血系関連抗原(CD34、CD38、およびHLA-DR)を発現する。鑑別診断には、ALL、急性巨核芽球性白血病、二重表現型/混合細胞系列急性白血病、および、まれに大細胞リンパ腫の白血病期がある。これらの疾患を鑑別するためには、免疫表現型検査が必要である。[ 58 ]

最未分化型AMLでは特異的染色体異常は認められないが、AML1遺伝子の点変異が症例の約25%において観察されている。この変異は、より高い白血球数およびより多い骨髄芽球占拠と臨床的に相関しているようである。[ 58 ][ 60 ]受容体型チロシンキナーゼ遺伝子であるFLT3の変異が約25%の症例に起こり、短い生存期間と関連している。[ 41 ][ 60 ]OS期間の中央値は約10ヵ月である。[ 61 ]

未分化型急性骨髄芽球性白血病(FAB分類M1)

未分化型AMLは、成熟好中球への分化の証拠をほとんど示さない高い割合の骨髄芽球を特徴とし、AML症例の約10%を構成する。[ 58 ]ほとんどの患者は成人である。患者には通常、貧血、血小板減少、および好中球減少が認められる。(貧血に関する詳しい情報については、疲労に関するPDQ要約を参照のこと。)

一般的な形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

免疫表現型検査により、少なくとも2つの骨髄単球性抗原(CD13、CD33、CD117)および/またはMPOを発現する芽球が明らかになる。CD34はしばしば陽性である。鑑別診断には、顆粒を伴わずMPO陽性芽球の割合が低い未分化型AML症例におけるALL、および芽球の割合が高い分化型AML症例における分化型AMLがある。

未分化型AMLに対する特異的染色体異常は同定されていないが、FLT3遺伝子の突然変異は白血球増加、高い割合の骨髄芽球、およびより不良な予後と関連している。[ 41 ][ 58 ][ 62 ]

分化型急性骨髄芽球性白血病(FAB分類M2)

分化型AMLは、血液中または骨髄中の20%以上の骨髄芽球およびさまざまな分化段階にある10%以上の好中球により特徴付けられる。単球は骨髄細胞の20%未満を占める。[ 58 ]このAMLは、AML症例の約30~45%を構成する。また、全年齢層で発生するが、25歳未満の患者が20%で、60歳以上の患者が40%である。[ 58 ]患者には頻繁に、貧血、血小板減少、および好中球減少の発症が認められる。(貧血に関する詳しい情報については、疲労に関するPDQ要約を参照のこと。)

形態学的特徴は、以下の通りである:

免疫表現型検査では、芽球は一般的に1つ以上の骨髄関連の抗原(CD13、CD33、およびCD15)を発現している。鑑別診断には以下が含まれる:芽球の割合が低い症例におけるRAEB、芽球の割合が高い場合の未分化型AML、および単球が増加している症例におけるAMML。

核型分類で異常を示す分化型AML症例の約33%は、t(8; 21)(q22;q22)と関連している。(詳しい情報については、本要約の成人AMLの分類セクションの特徴的な遺伝子の異常を伴うAMLのサブセクションを参照のこと。)[ 15 ]こうした症例は予後良好である。t(6; 9)(q23; q34)を伴うまれな症例は、予後不良であることが報告されている。[ 58 ][ 63 ]

急性前骨髄球性白血病[t(15; 17)(q22; q12);(PML/RARA]を伴うAMLおよび変異体)(FAB分類M3)

(詳しい情報については、本要約の特徴的な遺伝子の異常を伴うAMLのセクションの急性前骨髄球性白血病[t(15; 17)(q22; q12);(PML/RARA]を伴うAMLおよび変異体)(FAB分類M3)のサブセクションを参照のこと。)

急性骨髄単球性白血病(FAB分類M4)

急性骨髄単球性白血病(AMML)は、好中球および単球前躯細胞の増殖を特徴とする。患者には通常、貧血および血小板減少の発症が認められる。(貧血に関する詳しい情報については、疲労に関するPDQ要約を参照のこと。)このAMLの分類はAML症例の約15~25%を構成し、患者の中には、慢性骨髄単球性白血病(CMML)の既往歴を有するものもいる。(詳しい情報については、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)このタイプのAMLは、一般的に高年の人に多くみられる。[ 58 ]

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

一般的に免疫表現型検査により、単球分化マーカー(CD14、CD4、CD11b、CD11c、CD64、およびCD36)およびリゾチームが示される。鑑別診断には、分化型AMLおよび急性単球性白血病がある。

AMMLのほとんどの症例は、非特異的細胞遺伝学的異常を呈する。[ 58 ]11q23の遺伝子異常を有する症例もいる。16番染色体の異常と関連した骨髄中の異常な好酸球増加を伴う症例は、予後良好である。(詳しい情報については、本要約の成人AMLの分類セクションの特徴的な遺伝子の異常を伴うAMLのサブセクションを参照のこと。)

急性単芽球性白血病および急性単球性白血病(FAB分類M5aおよびM5b)

急性単芽球性白血病および急性単球性白血病は、白血病細胞の80%以上が単球性細胞系列を示すAMLである。これらの細胞には、単芽球、前単球、および単球がある。これら2つの白血病は、単芽球および前単球の相対的割合により区別される。急性単芽球性白血病では、ほとんどの単球細胞が単芽球である(通常80%以上)。急性単球性白血病では、ほとんどの単球細胞が前単球である。[ 58 ]急性単芽球性白血病はAML症例の5~8%を構成し、若年者に最も一般的に発現する。急性単球性白血病は症例の3~6%を構成し、成人により一般的である。[ 64 ]両急性白血病の一般的な臨床的特徴には、出血性疾患、髄外腫瘤、皮膚および歯肉への浸潤、および中枢神経系浸潤がある。

急性単芽球性白血病の形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

急性単球性白血病の形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

これらの白血病の髄外病変は、大部分が単芽球、単球、またはこの2つのタイプの混合のいずれかである。これらの白血病の免疫表現型検査により、骨髄細胞系抗原CD13、CD33、CD117、CD14(+)、CD4、CD36、CD11b、CD11c、CD64、およびCD68の発現が明らかにされるであろう。[ 58 ]急性単芽球性白血病の鑑別診断には、未分化型AML、最未分化型AML、および急性巨核芽球性白血病がある。急性単球性白血病の鑑別診断には、AMMLおよび微小顆粒型APLがある。

核型異常は、急性単芽球性白血病症例の約75%に観察されているが、急性単球性白血病症例で核型異常と関連しているのは約30%である。急性単芽球性白血病症例のほぼ30%および急性単球性白血病症例の12%が、MLL遺伝子を含む11q23の遺伝子異常と関連している。(詳しい情報については、本要約の成人AMLの分類セクションの特徴的な遺伝子の異常を伴うAMLのサブセクションを参照のこと。)受容体型チロシンキナーゼ遺伝子であるFLT3の変異は、急性単球性白血病症例の約30%(急性単芽球性白血病の約7%)において観察されている。[ 65 ](急性単球性白血病、白血病細胞による血球貪食、および化学療法への不良な反応と強く関連する)t(8;16)(p11; p13)の転座は、MOZ遺伝子(8p11)とCBP遺伝子(16p13)を融合させる。[ 66 ]急性単球性白血病に対する生命表法DFS中央値は、約21ヵ月であると報告されている。[ 67 ]

急性赤白血病(FAB分類M6aおよびM6b)

急性赤白血病の2つのサブタイプ、赤白血病(erythroleukemia)と純粋赤白血病(pure erythroid leukemia)は、赤血球集団の優勢および、赤白血病の症例においては、明らかな骨髄球系の存在によって特徴付けられる。赤白血病(赤血球系/骨髄系;M6a)は、大多数が成人の疾患であり、AML症例の約5~6%を構成する。[ 64 ]純粋赤白血病(M6b)はまれな疾患で、全年齢集団に起こる。ときには、慢性骨髄性白血病(CML)が急性赤白血病の1つに進展する症例もある。[ 58 ]赤白血病は、de novoとして現れるか、MDSのRAEBまたはRCMD-RSまたはRCMDから進展することがある。(詳しい情報については、骨髄異形成症候群の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)これらの急性白血病の臨床的特徴としては、重度の貧血および正染性赤芽球症がある。(詳しい情報については、疲労に関するPDQ要約を参照のこと。)

赤白血病の形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:[ 58 ]

純粋赤白血病の形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

赤白血病の免疫表現型検査により、グリコホリンAおよびヘモグロビンAに対する抗体と反応する赤芽球、およびさまざまな骨髄球系関連の抗原(CD13、CD33、CD117、c-kit、およびMPO)を発現する骨髄芽球が明らかにされる。急性赤白血病の免疫表現型検査では、グリコホリンAおよびヘモグロビンAの発現が分化した形で明らかにされる。炭酸脱水酵素1、Gerbich血液グループに対するGero抗体、またはCD36などのマーカーは、通常陽性である。赤白血病の鑑別診断には、赤血球前駆細胞が増加している場合のRAEBおよび分化型AML、および多系列細胞異形成(multilineage dysplasia)を伴うAML(50%以上の骨髄細胞系列または骨髄巨核球細胞系列の細胞を含む)がある。赤血球前駆細胞が50%以上で、非赤血球成分が20%以上であれば診断は赤白血病となり、非赤血球成分が20%未満であれば診断はRAEBとなる。純粋赤白血病の鑑別診断には、ビタミンB12または葉酸欠乏症に続発する巨赤芽球性貧血、急性巨核芽球性白血病、およびALLまたはリンパ腫がある。[ 58 ]

これらのAMLに対する特異的な染色体異常は記述されていない。多発性の構造異常を伴う複合的な核型が一般的である。5番および7番染色体が頻繁に影響を受けるようである。[ 58 ][ 68 ][ 69 ]1件の研究では、5番染色体および/または7番染色体の異常が有意に短い生存期間と相関することを示している。[ 70 ]

急性巨核芽球性白血病(FAB分類M7)

50%以上の芽球が巨核球性細胞系列である急性巨核芽球性白血病は全年齢集団に起こり、AML症例の約3~5%を構成する。[ 58 ]臨床的特徴には、血球減少;好中球および血小板における異形成性の変化;t(1;22)を伴う小児例を除いてまれな臓器肥大;小児例における溶解性骨病変;および若年成人男性における縦隔胚細胞腫瘍との関連が認められる。[ 58 ][ 71 ][ 72 ]

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:[ 58 ][ 71 ][ 73 ]

免疫表現型検査により、巨核芽球上に1つ以上の血小板糖蛋白:CD41(糖蛋白IIb/IIIa)および/またはCD61(糖蛋白IIIa)の発現が明らかにされる。骨髄マーカーCD13およびCD33は陽性の場合がある;CD36は一般的に陽性である。芽球は、抗MPO抗体および他の骨髄系分化マーカーについては陰性である。骨髄生検標本中の巨核球および巨核芽球は第VIII因子抗体に対して陽性に反応しうる。[ 58 ]鑑別診断には、最未分化型AML、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、ALL、純粋赤白血病、および慢性骨髄性白血病または特発性骨髄線維症の急性転化、および(特に小児における)骨髄の転移性腫瘍がある。(慢性骨髄性白血病または特発性骨髄線維症に関する詳しい情報については、慢性骨髄増殖性腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

成人においては、急性巨核芽球性白血病と関連する特異的な染色体異常は認められていない。[ 58 ][ 74 ]小児、特に乳児における特徴的な臨床症状は、t(1;22)(p13; q13)と関連していることがある。[ 71 ][ 73 ]このタイプの急性白血病に対する予後は不良である。[ 75 ][ 76 ]

変異型:ダウン症候群におけるAML/一過性の骨髄増殖性障害

ダウン症候群(21トリソミー)患者は、主として骨髄性のタイプの急性白血病にかかりやすい傾向がある。[ 77 ][ 78 ]主要なサブタイプは、急性巨核芽球性白血病のようである。白血病が自然に寛解する症例においては、経過は一過性の骨髄増殖性障害または一過性の白血病とされる。臨床的特徴としては、新生児期の症状発現(ダウン症候群新生児の10%)、著しい白血球増加、血液中の30~50%を超える芽球の割合、および髄外病変が挙げられる。

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

免疫表現型検査により、小児急性巨核芽球性白血病の他の症例のマーカーと一般的にほぼ同じマーカーが明らかにされる。

21トリソミーに加えて、一部の症例は他のクローン性の異常、特に8トリソミーを示すことがある。[ 78 ][ 79 ]自然寛解は、一過性の症例において1~3ヵ月以内に起こる。再発することもあり、その後2次自然寛解が得られることもあれば、疾患が持続することもある。ダウン症候群と持続性疾患を併発した小児患者に対する治療成績は、21トリソミーを認めない急性白血病の小児患者に対する治療成績よりも良好であろう。[ 76 ]

急性好塩基球性白血病

急性好塩基球性白血病は、主として好塩基球への分化を呈するAMLである。この急性白血病は比較的まれであり、全AML症例の1%未満を構成している。[ 58 ]臨床的特徴には、骨髄不全、循環血液中の芽球、皮膚病変、臓器肥大、ときに骨の溶解性病変、および高ヒスタミン血症に続発する症状がある。

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

免疫表現型検査では、芽球は骨髄系マーカーCD13とCD33および初期造血マーカーCD34およびクラスII HLA-DRを発現している。鑑別診断には以下が含まれる:CMLの急性転化、12pまたはt(6;9)の異常と関連した分化型AML(M2)などの好塩基球増加を伴う他のAMLのサブタイプ、急性好酸球性白血病、およびまれに著しく粗い顆粒を有するALLのサブタイプ。[ 58 ]

急性好塩基球性白血病に対する一貫した染色体の異常は同定されていない。[ 58 ]発生がまれなために、生存に関する情報はほとんど得られていない。

骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症

骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症(急性骨髄線維症、急性骨髄硬化症、および骨髄線維症を伴う急性骨髄異形成としても知られる)は、骨髄の線維症と関連した急性の汎骨髄系の増殖である。この疾患は非常にまれであり、全年齢集団に起こる。[ 58 ]この疾患はde novoに生じるか、またはアルキル化剤を用いる化学療法および/または放射線による治療後に起こることがある。(詳しい情報については、本要約の治療に関連したAMLおよび骨髄異形成症候群のセクションを参照のこと。)臨床的特徴には、脱力、疲労などの全身症状がある。(詳しい情報については、疲労に関するPDQ要約を参照のこと。)

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

免疫表現型検査では、芽球は1つ以上の骨髄系関連の抗原(CD13、CD33、CD117、およびMPO)を発現することがある。一部の細胞は、赤血球抗原または巨核球抗原を発現しうる。主な鑑別診断には、急性巨核芽球性白血病、骨髄線維症を伴う急性白血病、線維形成性反応を有する転移性腫瘍、および慢性特発性骨髄線維症がある。[ 58 ](詳しい情報については、慢性骨髄増殖性腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症と関連する特異的な染色体異常は認められていない。このAMLは化学療法への反応が不良で、短い生存期間と関連していることが報告されている。[ 58 ]

骨髄性肉腫

骨髄性肉腫(髄外骨髄性腫瘍、顆粒球肉腫、および緑色腫としても知られる)は、骨髄芽球または未熟骨髄系細胞で構成され、髄外部位に生じる腫瘍塊である[ 58 ];AML患者の2~8%での発症が報告されている。[ 80 ]臨床的特徴としては、頭蓋骨、副鼻腔、胸骨、肋骨、椎骨、骨盤の骨膜下骨構造;リンパ節、皮膚、縦隔、小腸、および硬膜外腔でよくみられる発症;およびde novoとしての発症、またはAMLあるいは骨髄増殖性疾患との併発が認められる。[ 58 ][ 80 ]

形態学的および細胞化学的特徴は、以下の通りである:

これらの病変の診断には、MPO、リゾチーム、およびクロロアセテートに対する抗体を用いる免疫表現型検査が不可欠である。[ 58 ]顆粒球肉腫における骨髄芽球は、骨髄系関連の抗原(CD13、CD33、CD117、およびMPO)を発現する。単芽球性肉腫における単芽球は、急性単芽球性白血病抗原(CD14、CD116、およびCD11c)を発現し、通常リゾチームおよびCD68に対する抗体と反応する。主な鑑別診断には、非ホジキンリンパ腫のリンパ芽球型、バーキットリンパ腫、大細胞リンパ腫、および特に小児における小円形細胞腫瘍(例えば、神経芽腫、横紋筋肉腫、ユーイング/原始神経外胚葉腫瘍、および髄芽腫)がある。

骨髄性肉腫と関連する特異的な染色体異常は認められていない。[ 58 ][ 80 ]分化型およびt(8; 21)(q22; q22)を伴うAML、およびin(16)(p13; q22)またはt(16;16)(p13; q22)を伴うAMML Eoが観察されることがあり、単芽球性肉腫は11q23を含む転座と関連していることがある。[ 58 ]その他の点では予後の良好なt(8;21)AML患者に骨髄性肉腫が存在すると、CR率が低下し、寛解持続時間が短縮することがある。[ 81 ]MDSまたはMPDの状況で起こる骨髄性肉腫は、急性転化と同等である。AMLの症例においては、予後は基礎疾患である白血病の予後に準じる。[ 58 ]骨髄性肉腫の最初の症状は孤立性のようにみえることがあるが、複数の報告により、孤立性骨髄性肉腫は全身疾患の部分的な発現であり、強化化学療法で治療されるべきであるということが示されている。[ 80 ][ 82 ][ 83 ]

細胞系列があいまいな急性白血病

細胞系列があいまいな急性白血病(細胞系列未確定の急性白血病、混合表現型急性白血病、混合細胞系列急性白血病、およびハイブリッド急性白血病としても知られる)は、芽球集団の形態学的、細胞化学的、および免疫表現型の特徴に関して、骨髄性またはリンパ性カテゴリーへの分類が不可能であるか、骨髄性とリンパ性、またはB細胞系列とT細胞系列の両方の形態学的および/または免疫表現型の特徴(すなわち、急性二細胞系列白血病および急性二重表現型白血病)をもつタイプの急性白血病である。[ 84 ][ 85 ][ 86 ][ 87 ][ 88 ]これらのまれな白血病は、全急性白血病症例の4%未満を占め、全年齢集団に起こるが、成人においてより頻繁に認められる。[ 84 ]臨床的特徴として、血球減少による症状と合併症、すなわち、疲労、感染症、および出血性障害が挙げられる。(詳しい情報については、疲労に関するPDQ要約を参照のこと。)

これらの急性白血病の形態学的および免疫表現型の特徴は、以下の通りである:[ 84 ][ 85 ][ 87 ][ 88 ]

鑑別診断には、骨髄系抗原陽性ALLまたはリンパ系抗原陽性AML(二重表現型急性白血病と鑑別する必要がある)および最未分化型AML(未分化(undifferentiated)急性白血病と鑑別する必要がある)がある。

細胞遺伝学的異常が、二細胞系列および二重表現型白血病において高い割合で観察されている。[ 85 ][ 86 ][ 89 ][ 90 ]症例の約33%がフィラデルフィア染色体を有し、一部の症例はt(4; 11)(q21; q23)または他の11q23の異常と関連している。一般に予後は、特に成人において不良のようである;t(4;11)の転座またはフィラデルフィア染色体の発現は特に不良な予後指標である。[ 84 ][ 86 ][ 91 ]

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成人AMLの病期情報

本疾患には明確な病期分類体系は存在しない。

未治療

未治療の成人急性骨髄性白血病(AML)とは、新たに診断された前治療歴のない状態と定義される。患者は以下の特徴を示す:芽球割合20%以上の骨髄の異常ならびに本疾患の徴候および症状、さらに通常は、白血球数および分画の異常、ヘマトクリット/ヘモグロビン値の異常、血小板数の異常なども伴う。

寛解期

寛解期のAMLは、末梢血の血球数が正常(絶対好中球数が1,000/mm3を超え、かつ血小板数が100,000/mm3を超える)[ 1 ]で、骨髄中の芽球が5%未満の正形成の骨髄像を示し、さらに本疾患の徴候または症状を認めない状態と定義される。なおかつ、中枢神経系白血病または他の髄外浸潤の徴候および症状もみられない。以上の寛解の基準を満たすAML患者では、その大多数で白血病細胞の残存がみられることから、細胞遺伝学的寛解(異常を示していた核型が正常化する)と分子的寛解(微小残存病変の検出には間期蛍光in situハイブリダイゼーション[FISH]法か多パラメータフローサイトメトリー法が用いられる)を含めた完全寛解の定義に関する修正案が提唱されている。免疫表現型検査および間期FISHは寛解に対する従来の基準よりも予後的意義が大きい。[ 2 ][ 3 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Cheson BD, Cassileth PA, Head DR, et al.: Report of the National Cancer Institute-sponsored workshop on definitions of diagnosis and response in acute myeloid leukemia. J Clin Oncol 8 (5): 813-9, 1990.[PUBMED Abstract]
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  3. Bacher U, Kern W, Schoch C, et al.: Evaluation of complete disease remission in acute myeloid leukemia: a prospective study based on cytomorphology, interphase fluorescence in situ hybridization, and immunophenotyping during follow-up in patients with acute myeloid leukemia. Cancer 106 (4): 839-47, 2006.[PUBMED Abstract]
AMLに対する治療法選択肢の概要

急性骨髄性白血病(AML)の治療を成功させるためには、骨髄ならびに全身における疾患の制御および中枢神経系(CNS)白血病があればそれに対する特定の治療が要求される。この戦略の要には、全身的に施される多剤化学療法が含まれる。AML患者の5%しかCNS白血病を併発しないので、予防的治療は必要としない。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]

治療は2相に分けられる:寛解導入療法(寛解に到達させるため)と寛解後療法(寛解を持続するため)である。AMLに対する維持療法は過去数年間行われていたが、米国の最近の臨床試験では急性前骨髄球性白血病以外には実施されていない。(詳しい情報については、本要約の寛解期の成人AMLのセクションを参照のこと。)より短期間により集中的な寛解後療法を行い、その後治療を打ち切るという手法の研究も行われている。[ 4 ]寛解後療法は、寛解に達した直後に実施すると効果的であると考えられる。[ 4 ]

白血病自体およびその化学療法による治療が原因となる骨髄抑制が予想されるため、治療期間中患者をしっかりと監視する必要がある。治療施設では、血小板輸血を含めた各種の血液成分輸血による血液学的支持療法および関連する感染性合併症の治療が可能でなければならない。[ 5 ]血小板が10,000/mm3のレベルで予防的に血小板輸血を受けた患者でも、血小板が20,000/mm3で輸血を受けた患者と同様の結果が得られることがランダム化試験で示されている。[ 6 ]血小板同種免疫の発生は、下記のランダムに割り付けられたグループ間で同等であった;ランダムドナーから採取したプール濃縮血小板輸血を受けたグループ、ランダムドナーから採取した濾過済みプール濃縮血小板輸血を受けたグループ、ランダムドナーから採取した紫外線B-照射処理済みプール濃縮血小板輸血を受けたグループ、あるいは、シングルランダムドナーからアフェレーシスによって得た濾過済み血小板輸血を受けたグループ。[ 7 ]コロニー刺激因子、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)は、白血病の治療に伴う顆粒球減少の期間を短縮する目的で研究されている。[ 8 ]使用する場合、これらの薬物は導入療法を終了した後で投与する。55歳から70歳のAML患者を対象にしたあるランダム化試験では、GM-CSFにより生存期間の向上がみられた(生存期間中央値は10.6ヵ月 vs 4.8ヵ月であった)。このEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)による試験(EST-1490)では、骨髄からの白血病細胞の消失が明らかになった後に、GM-CSFまたはプラセボを投与する群に患者をランダムに割り付けた[ 9 ];しかしながら、60歳を超える患者を対象とした別の同様なランダム化試験では、GM-CSFによる利益は示されなかった。[ 10 ]この後者の研究では、骨髄からの白血病細胞の消失がサイトカイン療法を開始する際の条件とされなかった。65歳を超える患者に対して導入療法後にG-CSFを投与するSouthwest Oncology Groupのランダム化試験(NCT00023777)では、G-CSFを投与した患者の方が、原発耐性白血病の発生率が低かったため、完全奏効率が高かった。成長因子の投与は、死亡や生存に大きく影響しなかった。[ 11 ][ 12 ]ランダム化臨床試験の大多数では成長因子の生存への影響は示されていないため、その使用は寛解導入療法の設定ではルーチンには推奨されていない。

導入療法前および期間中に、GM-CSFその他の骨髄系細胞成長因子を投与し、白血病芽球を細胞サイクルに取り込むことで殺細胞療法の効果を増強する方法(成長因子プライミング)は、現在盛んに臨床研究が行われている分野である。GM-CSFプライミングを行ったランダム化研究からの証拠は、相反する結果となっている。通常の導入および寛解後療法の期間中にGM-CSFによるプライミングを行ったランダム化研究では、GM-CSFのプライミングを受けた患者と成長因子のプライミングを受けなかった患者の結果には差がみられなかった。[ 13 ][ 14 ][証拠レベル:1iiA]それとは対照的に、55~75歳のAML患者を対象としたGM-CSFプライミングに関する同様のプラセボ対照ランダム化研究では、GM-CSFの投与を受けた患者群で無病生存(DFS)が改善し(完全寛解に達した患者のDFS中央値は、23ヵ月 vs 11ヵ月;2年DFS率は、48% vs 21%)、55~64歳の患者における全生存にも改善傾向がみられた(2年生存率が39% vs 27%、P = 0.082)。[ 15 ][証拠レベル:1iiDii]

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未治療の成人AML

シタラビンとダウノルビシンを併用する2剤レジメン(いわゆる7+3寛解導入後療法;シタラビンを7日間とダウノルビシンを3日間投与)は、約65%の完全奏効率が得られるであろう。このレジメンに第三の薬物、thioguanineを好んで追加する医師もいるが、この3剤レジメンの方が優れていることを結論付ける証拠はほとんどない。1件の研究では、導入療法中のエトポシドの追加が奏効持続期間を延長させうることを示唆した。[ 1 ]アントラサイクリンの選択およびアントラサイクリンの用量強度は、急性骨髄性白血病(AML)患者の生存に影響する可能性がある。特に若年成人ではイダルビシンの方がダウノルビシンより効果的であると考えられるが、イダルビシンとダウノルビシンの用量が同等でなかった可能性がある。[ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]ダウノルビシンとミトキサントロン間の生存の有意差は報告されていない。[ 6 ]

60歳以下の患者では、ダウノルビシン(1回当たり90mg/m2、導入療法の総用量 270mg/m2)の投与を受けた患者の転帰は、従来の用法(1回当たり45mg/m2、総用量 = 135mg/m2)で投与を受けた患者より優れていた。完全寛解(CR)率は、71% vs 57%(P < 0.001)で、生存中央値は、24ヵ月 vs 16ヵ月(P = 0.003)であった。[ 7 ]270mg/m2と180mg/m2のダウノルビシンを比較したランダム化データはなく、270mg/m2のダウノルビシンとイダルビシンを比較したランダム化データもない。しかしながら、イダルビシン(36mg/m2) vs ダウノルビシン(180mg/m2または240mg/m2)を高齢患者に投与した場合を検討した研究が2件ある。全生存(OS)では、アントラサイクリンの選択によって影響はみられなかったが、複合治癒モデルにおける長期無病生存の割合では、影響が明らかに認められた(ハザード比[HR]、0.8;0.65-0.98)。[ 8 ]51~79歳の患者を対象に、CD33を標的とした免疫毒素のゲムツズマブをシタラビン + アントラサイクリンまたはクロファラビン + アントラサイクリンに追加することで、生存中央値にわずかな延長が認められた(25% vs 20%;HR、0.87;95%信頼区間[CI]、0.76-1.00;P = < 0.05)。[ 9 ]対照的に、低量のシタラビンの投与を受けた高齢患者では、ゲムツズマブにより1年生存率は改善しなかったが、CR率は17%から30%に改善した(オッズ比[OR]、0.48(0.32-0.73);P = 0.006)。[ 10 ]

導入療法中の高用量シタラビン療法の役割については議論の分かれるところである;ランダム化試験からは、通常量のシタラビンベースの導入化学療法との比較で、無病生存(DFS)の延長という結果[ 11 ][ 12 ]と無効という結果[ 13 ][ 14 ]が示されている。優位性が示されなかった2件の試験の事後解析によると、治療失敗となる危険性の高い患者集団では、この強化された寛解導入療法が有益となる可能性のあることが示された[ 13 ][ 14 ];しかしながら、ドイツで実施された多施設ランダム化試験では、複雑な細胞遺伝学的異常を有する患者集団の解析から、CRの改善がみられたにもかかわらず、イベントフリー生存期間(EFS)の改善はわずかであった(CR、56% vs 23%;P = 0.04;EFS中央値、1ヵ月 vs 2ヵ月;P = 0.04)。[ 15 ][証拠レベル:1iiDii]

骨髄異形成性症候群から発生したAMLと以前に行われた殺細胞的化学療法から二次的に発生したAMLは、de novoのAMLよりも寛解率が低い。これらの設定で、同種骨髄移植(BMT)を受けた患者のレトロスペクティブ解析から、このような患者では、寛解導入療法を受けていたかどうかにかかわりなく、長期生存率が同等であることが示された(DFS率は約20%であった)。これらのデータからは、このような白血病の患者においては、総合的なパフォーマンスステータスが十分であれば、まず同種BMTによる治療を行うことにより、導入化学療法による付加的な毒性作用を回避できる可能性が示唆される。[ 16 ][証拠レベル:3iiiDii]

集中的な寛解導入療法を断るか、集中的な寛解導入療法が不適当と考えられるより高齢の成人は、4~6週間ごとに繰り返すサイクル期間中に10日間、1日2回投与する低用量のシタラビンから有益性が得られる可能性がある。このレジメンを用いた場合のCR率は18%であったのに対し、ヒドロキシウレアによる治療を受けた患者では1%であった(P = 0.006)。[ 17 ]低用量シタラビンでの生存率は、ヒドロキシウレアでの生存率よりも良好であった(OR、0.60;95%CI、0.44-0.81;P = 0.009)。[ 17 ][証拠レベル:1iiA]低メチル化剤のデシタビンおよびアザシチジンは、特に米国においてより高齢の成人のこうした集団に対して一般的に用いられる。米国食品医薬品局によるこれらの薬物の承認は骨髄異形成症候群の適応に対してであるが、承認に至った登録研究には、現在では乏芽球性AMLとみなされる骨髄芽球が20~30%の患者が含まれていた。[ 18 ][ 19 ]

1件の第III相試験により、65歳を超えるAML患者485人がデシタビン(n = 242)、または支持療法(n = 28)か低容量シタラビン(n = 215)のうち患者が好んだ選択(n = 243)のいずれかを受けるようにランダムに割り付けられた。CR + CRp(血小板の回復が不完全なCR)の割合はデシタビン群(17.8%)の方が治療選択群(7.8%)と比較して2倍以上であった(P = 0.001)が、OS期間中央値はデシタビン群の患者(7.7ヵ月)と治療選択群(5.0ヵ月)を比較して有意な改善は得られなかった(デシタビンの死亡に対するHR、0.85;95%CI、0.69-1.04;P = 0.11)。[ 20 ]

第III相試験の予備的結果から65歳を超えるAML患者がアザシチジンにランダムに割り付けられ、最適な支持療法、低用量シタラビン、および7+3 AML向け寛解導入化学療法の従来の治療レジメンと比較したところ、OS期間中央値における有意差は同様に示されず、アザシチジン群の患者で10.4ヵ月であったのに対し従来の治療群で6.5ヵ月であった(アザシチジンの死亡に対するHR、0.84;95%CI、0.69-1.02;P = 0.08)。[ 21 ]

要約すると、低用量シタラビン、デシタビン、アザシチジン、または最適な支持療法は、従来の7+3寛解導入化学療法の実施を断る高齢のAML患者に対して同等に有効な治療アプローチであると考えられる。

寛解導入治療期間中の支持療法として、赤血球および血小板の輸血を適宜行うべきである。[ 22 ][ 23 ]好中球減少が重度の発熱患者には、広域スペクトラム抗生物質による経験的な治療が必須である。[ 24 ][ 25 ]身体衛生の行き届いた指導、歯科治療、そして感染症の初期の徴候を認識することは、どの患者にとっても重要である。入念な隔離設備(濾過空気、無菌食、腸内細菌叢の殺菌を含め)は、常に必要とされるわけではないが、移植患者には有益である。[ 26 ][ 27 ]迅速に骨髄の空隙化を達成し、その結果骨髄再生が早まれば、罹病率および死亡率が減少する。重度の長期顆粒球減少症(100/mm3未満の状態が2週間)が予想される患者には、予防的な抗生物質の経口投与が適切であろう。[ 28 ]ノルフロキサシンとシプロフロキサシンはグラム陰性菌感染の発生を減らし、初回発熱までの時間を減少させることがランダム化試験で示されている。オフロキサシンとリファンピシンの併用は、原因がはっきりしている顆粒球減少性感染の発生を減らすことにおいて、ノフロキサシンより優れていることが証明されている。[ 29 ][ 30 ][ 31 ]このような患者には、耐性菌の存在あるいは獲得を検出するために、経時的な監視培養が有用である。

寛解期のAML患者30人の少なくとも10年間の長期追跡で、二次悪性疾患の発生率は13%であることが示されている。40歳未満のAMLまたは急性リンパ芽球性白血病の長期女性生存者31人のうち、26人に治療完了後正常な月経が再開した。生存者の存命子孫36人の中で、先天性障害が2件発生した。[ 32 ]

寛解導入療法の治療法選択肢

  1. 以下に示す同等な併用化学療法レジメンのいずれか:
  2. 中枢神経系白血病の存在する場合の治療:
  3. 臨床試験。

急性前骨髄球性白血病

急性前骨髄球性白血病(APL)の導入療法については、特別な配慮が必要である。トレチノイン(オールトランスレチノイン酸;all-trans-retinoic acid[ATRA]);45mg/m2/日)の経口投与により、M3 AML患者の70~90%で寛解導入が可能である。(形態学的にはM3に類似するが、t(15;17)または典型的なPML-RARA遺伝子再構成を認めないAML患者に、ATRAは無効である。)[ 37 ][ 38 ][ 39 ][ 40 ][ 41 ][ 42 ][ 43 ]ATRAは白血病細胞の最終分化を誘導し、これにより非クローン性の造血機能が回復する。ATRAの投与により、ほとんどの患者の凝固障害が急速に改善し、ATRA服用患者はヘパリンの投与を必要としない。しかしながら、化学療法と比較したランダム化試験では、ATRAによる導入中の病的状態と死亡の低下は示されていない。ATRAの投与により、白血球増加症および現在では分化症候群として知られる呼吸促迫症候群が引き起こされることがある。この症候群の迅速な認識と、強力なステロイド投与によって重度の呼吸困難を防止できる。[ 44 ]ATRA誘発性白血球増加症に対する最適な管理法は未だ確立されていない;ATRA導入療法を受ける患者の寛解後の最適な管理法についても同様である。しかしながら、2件の大規模共同研究グループ試験において、白血病治療期間中のある時点でATRA投与を受けたM3のAML患者群に有利な無再燃生存およびOSの統計的有意差が示されている。[ 45 ][ 46 ]

1990年代に実施された研究により、化学療法に追加するATRAを受けた患者でOS率が改善したことが実証された。[ 47 ][ 48 ]

C9710(NCT00003934)試験では、ATRAおよびアントラサイクリン系薬物を受けた患者が、三酸化ヒ素(ATO)を用いるまたは用いない2サイクルの地固め療法にランダムに割り付けられた。主要エンドポイントのイベントフリー生存(EFS)率は、三酸化ヒ素による地固め療法に割り付けられた患者が有意に良好で3年経過時に80%であったのに対し、ヒ素未使用患者では63%であった(層別ログランク検定、P < 0.0001)。副次エンドポイントの生存率も三酸化ヒ素群の方が良好で、3年経過時に86%であったのに対し、ヒ素未使用群で81%であった(P = 0.059)。ATOを含めることにより、高リスク患者では低リスク患者の治療成績と同等の治療成績が得られた。[ 49 ]1件の第II相研究では、APL患者の一次管理にATOを組み込むことで、実施される治療の総量が削減できたことが示された。[ 50 ]

University of Texas MD Anderson Cancer Centerの研究者らは、唯一の細胞毒性薬としてゲムツズマブオゾガマイシン(GO)を含むATOをベースにしたレジメンを用いた。[ 51 ]患者はATRA + ATOによる導入を受けた;患者はまた、初発時のWBCが10,000/mm3を超えており、導入療法中に30,000/mm3以上に上昇した場合には、GOの投与を1回受けた。寛解期の患者は、ATOとATRAを1ヵ月ごとに交替で計7サイクル投与された;ATOまたはATRAのどちらかが毒性作用の結果として中止された場合には、GOが代わりに用いられた。82人の患者が治療された;導入療法中に7人の患者が死亡し、残りは寛解を達成した。寛解中に3人の患者が再燃し、4人が死亡した;その結果、EFS率は約76%であった。

このアプローチは、低リスクAPL患者においてATO + ATRAとATRA-アントラサイクリン系薬物をベースにしたレジメンとを比較したランダム化非劣性試験で検討された。追跡期間中央値34.4ヵ月で、ATO + ATRA群の2年EFS率は97%、ATRA-化学療法群では86%であった(差の95%CI、2-22%)。OSもまたATO + ATRA群の方が良好であった(P = 0.02)。[ 52 ]

APLを治療するための現在のレジメンのほとんどに、特に高リスクAPLの患者に対して何らかの形で維持療法が含まれている。ランダム化試験のメタアナリシスにより、維持療法はDFS(ただしOSではない)を明確に改善することが示されている;しかしながら、これらの研究にはATOを用いた試験は含まれていなかった。

治療法の選択肢

  1. ATRA + ATO。
  2. ATRA + アントラサイクリンとその後に実施するATOをベースにした地固め療法。

最新の臨床試験

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寛解期の成人AML

個々の患者では、1サイクルの化学療法で長期の無病生存(DFS)または治癒が得られたという報告もあるが[ 1 ]、治癒を意図して計画される療法には、常に寛解後療法が必要である。ECOG(the Eastern Cooperative Oncology Group)が実施した小規模ランダム化研究によると、寛解後療法を受けなかった患者では、全例が中央値の短い完全寛解(CR)期間後に再発した。[ 2 ]寛解後療法として現在用いられているアプローチとしては、標準的な導入療法の臨床試験レジメンに類似したシタラビンベースのレジメンによる比較的強力な短期間の化学療法(寛解後化学療法)、用量を増やしたシタラビンベースの治療による寛解後化学療法、自家骨髄移植を伴う大量化学療法または化学放射線療法、同種骨髄移植を伴う高用量の骨髄破壊的療法が挙げられる。過去には、低用量の長期療法(維持療法)の研究がなされてきたが、急性骨髄性白血病(AML)では、このような維持療法により、短期間のより用量を強化したアプローチと比べてDFSが延長する納得できる証拠は得られず、現行の治療法に関する臨床試験で、維持療法を含むものはほとんどない。

シタラビンを含むレジメンを使用した移植を行わない寛解後療法は、治療に関連する死亡率が通常10~20%未満で、長期の無病生存率が20~50%と報告されている。[ 3 ][ 4 ][ 5 ][ 6 ]シタラビンを含む3つの異なる寛解後療法レジメンを比較した大規模ランダム化試験では、高用量のシタラビンを投与した60歳未満の患者の生存に関して明らかな利益がみられた。[ 3 ]シタラビンの用量強化または通常量のシタラビンを用いた寛解後化学療法の期間延長では、英国医学研究審議会の試験(MRC-LEUK-AML11)において証明されているように、60歳以上の患者においてDFSまたはOSは改善しなかった。[ 7 ][ 8 ]寛解後療法の期間は1サイクル[ 4 ][ 6 ]から4サイクルあるいはそれ以上[ 3 ][ 5 ]にわたる。寛解期のAML患者に対する標準の寛解後療法は高用量シタラビンである;しかしながら、高用量シタラビンがコア結合因子の異常を有する患者など、選択されたサブグループよりも若い第一完全奏効期のすべてのAML患者に便益があるかどうかについては、いくぶん見解が分かれている。[ 9 ][ 10 ][ 11 ][ 12 ][ 13 ]寛解後化学療法の最適な用量、スケジュール、期間は未だ決定していない。したがって、この問題に対処するためにも、AML患者は当疾患患者を多数治療する医療施設で実施する臨床試験に参加すべきである。

シタラビンを基本とした用量強化化学療法は、重度の神経毒性[ 14 ]および/または肺毒性作用[ 15 ]が合併しうるので、これらのレジメンの使用経験が豊富な医師により、起こりうる合併症に対処できる設備のある施設で行われるべきである。単施設で実施した高用量シタラビンをボーラス投与した患者256人のレトロスペクティブ分析において、シタラビンによる神経毒性に対する最も強力な予測因子は腎機能不全であった。神経毒性の発生率は、一回当たり2g/m2を投与した患者群と比較すると、一回当たり3g/m2を1日2回投与した患者群の方が有意に高かった。

一卵性双生児からの骨髄移植(BMT)(同系BMT)と比べても、同種BMTは白血病の再燃率が最低である。このことから移植片対宿主病に類似(および関連)した免疫学的な移植片対白血病効果という概念が生まれた。この主要な寛解後療法としての同種BMTによる無再燃率の向上は、少なくともある部分、移植片対宿主病、肝静脈閉塞症、間質性肺炎による罹病率と死亡率の増加と相殺される。第一完全寛解(CR)期に同種移植を用いた場合のDFS率は45~60%の範囲となっている。[ 16 ][ 17 ][ 18 ]主要な寛解後療法としての同種BMTの使用は、ヒト白血球抗原(HLA)適合の同胞ドナーの必要性、および、50歳を超える患者における同種BMTの高い死亡率により制限される。HLA適合同胞ドナーからの同種BMTにおける死亡率は20~40%の範囲で、治療シリーズに依存する。非血縁適合ドナーからの同種BMTは多くの医療機関で現在評価されているが、治療関連の死亡率がかなり高く、DFS率は35%未満である。[ 19 ]国際骨髄移植登録(International Bone Marrow Transplant Registry)からのデータのレトロスペクティブ解析は、HLA一致同胞ドナーからの同種BMTを受けた第一寛解期の患者では、(移植前に行う)寛解後化学療法は、DFSおよびOSの改善に寄与しないことを示している。[ 20 ][証拠レベル:3iiiA]

第一寛解期のAMLに対する地固め療法としての同種移植の有益性を評価するために用いられる一般的な臨床試験デザインは、いわゆるドナーあり-ドナーなし比較である。このデザインによると、新たにAMLと診断された患者では、CRを達成し、1人以上の同胞を有し、同種移植が医学的に適格であると考えられれば、HLA型検査を受ける。同胞ドナーが同定されれば、患者は移植群に割り付けられる。治療成績の解析は「intention to treat」により行う;すなわち、ドナーあり群に割り付けられたが移植を受けていない患者も、実際に移植を受けた患者と同じ解析に分類される。無再燃生存(RFS)はこの種の試験に対する通常のエンドポイントである。診断時からの全生存(OS)はこれらの試験ではそれほど頻繁には報告されない。これらの試験の結果は雑多であり、すべての細胞遺伝学的サブグループで明確な有益性を示す試験もあれば、有益性を示さない試験もある。

ある研究者らがこの問題に取り組もうと試み、ドナーあり-ドナーなしデザインによりAML患者を調査した18件の別個のプロスペクティブ試験からのデータを用いてメタアナリシスを実施した(感受性分析には追加の6試験からのデータを含めた)。[ 21 ]このメタアナリシスに含められた試験には、1982年から2006年の間に60歳以下の成人患者が登録された。追跡期間中央値は42ヵ月~142ヵ月であった。それぞれの試験間の前処置レジメンはほぼ同じであった。同種移植は自家移植(6試験)またはさまざまな地固め化学療法レジメンと比較されたが、最も一般的な比較レジメンは高用量シタラビンであった。

ドナーあり群における治療関連死亡率が5~42%であったのに比べ、ドナーなし群では3~27%であった。すべての細胞遺伝学的リスク群でRFSを報告した18試験で、同種移植による全体的なRFSの有益性に対する統合ハザード比(HR)が0.80であったことは、第一CR期の死亡または再燃における統計的に有意な低下を示している。すべての細胞遺伝学的リスク群でOSを報告した15試験で、OSの統合HRが0.90であったことは、これも第一CR期の死亡または再燃における統計的に有意な低下を示している。

細胞遺伝学的リスクカテゴリーに応じたサブグループの解析では、予後良好なAML患者に対する同種移植の有益性についてはRFSまたはOSのいずれでもみられなかった(RFS:HR、1.07;95%信頼区間[CI]、0.83-1.38;P = 0.59;OS:HR、1.06;95%CI、0.64-1.76;P = 0.81)。しかしながら、細胞遺伝学が中間的リスクの患者(RFS:HR、0.83;95%CI、0.74-0.93;P < 0.01;OS:HR、0.84;95%CI、0.71-0.99;P = 0.03)または予後不良な患者(RFS:HR、0.73;95%CI、0.59-0.90;P < 0.01;OS:HR、0.60;95%CI、0.40-0.90;P = 0.01)では移植の有益性がみられた。このメタアナリシスからの結論によると、第一CR期における同胞ドナーからの同種移植は、細胞遺伝学的に中リスクまたは予後不良、つまり予後良好以外の患者ではRFSおよびOSが改善されることを根拠に理にかなっているとされた。[ 21 ][証拠レベル:2A]

この分析では、メタアナリシスに含められた研究間でAMLに対する導入療法および寛解後の戦略が統一されていなかったこと;また細胞遺伝学的リスク群の定義も統一されていなかったことに注意することが重要である。このため、化学療法単独で治療された患者では生存率の低下を招いた可能性がある。米国の白血病専門医のほとんどが、細胞遺伝学的に予後不良で第一CR期のAML患者に対しては移植を提供すべきであるが、細胞遺伝学的に予後良好な第一CR期の患者には提供すべきでないという見解で合意している。

非血縁適合ドナーからの同種BMTは多くの医療機関で現在評価されているが、治療関連の死亡率がかなり高く、DFS率は35%未満である。[ 19 ]国際骨髄移植登録(International Bone Marrow Transplant Registry)からのデータのレトロスペクティブ解析は、HLA一致同胞ドナーからの同種BMTを受けた第一寛解期の患者では、(移植前に行う)寛解後化学療法は、DFSおよびOSの改善に寄与しないことを示している。[ 20 ][証拠レベル:3iiiA]

第一寛解期のAML患者における自家BMTのDFS率は35~50%の間であった。自家BMTは、第二寛解期中の、比較的少ない割合の患者にも治癒をもたらしている。[ 22 ][ 23 ][ 24 ][ 25 ][ 26 ][ 27 ][ 28 ]自家末梢血幹細胞または骨髄移植を受けた患者における治療関連死亡率は10~20%の範囲である。現在議論されているのは、自家幹細胞移植の最適なタイミングが、寛解後化学療法の後か否か、また、例えば4-ハイドロペロキシシクロホスファミド(4-HC)[ 26 ]あるいはマフォスミド[ 27 ]などの化学療法、あるいは抗-CD33のようなモノクローナル抗体[ 28 ]による移植片の体外(ex vivo)処理の役割についてである。体外処理を受けた骨髄では造血機能の回復が遅れることが示された;しかしながら、非処理骨髄移植片を用いた大半の研究は、数サイクルの寛解後化学療法を含んでおり、既に白血病が治癒した患者を含んでいた可能性がある。

第一寛解期のAML患者に対するプロスペクティブ試験で、City of Hopeの研究者らは、高用量のシタラビンを用いた寛解後療法を1コース行った後に、全身放射線療法、エトポシド、シクロホスファミドによる前処置に続き、非体外処理自家BMTを行った。ITT(intent-to-treat)解析では、生命表法によるDFSは約50%であったが、これは他の高用量の寛解後療法または体外処理された自家移植と匹敵する。[ 29 ][証拠レベル:3iiDii]

ECOGとSouthwest Oncology Group(SWOG)が行ったランダム化試験は、4-HC処理骨髄を用いて自家BMTする方法と、高用量シタラビンによる寛解後療法を比較した。[ 30 ]高用量シタラビン治療群、自家BMT群、または同種BMT群において、DFSの差はみられなかった;しかしながら、シタラビン治療を受けた患者群の方がBMTを受けた患者群に比べ、OSは優れていた。[ 30 ][証拠レベル:1iiA]

第一CR期の自家BMTと寛解後化学療法を比較したランダム化試験があり、後者の治療群は第二CR期の自家BMTに適格である。この研究の2つの治療群における生存率は同等であった。[ 31 ]小児AMLにおける2件のランダム化試験で、ブスルファン/シクロホスファミドの前治療に続き4HCで処理した移植片を用いた自家移植群は、高用量のシタラビンを含む寛解後化学療法と比較して優位性はみられないことが示されている。[ 32 ][ 33 ]成人AMLで、非処理自家BMTと強化寛解後化学療法とを比較した別のランダム化Groupe Ouest Est d'etude des Leucemies et Autres Maladies du Sang試験(NCT01074086)もまた、第一寛解期における自家BMT群に優位性を示さなかった。[ 34 ]AMLのある特定のサブセットでは、第一寛解期での自家BMTで特に利益が得られることがある。診断時の細胞遺伝学的分析が入手でき、第一寛解期に同種または自家BMTを受けた、de novoのAML患者999人を対象にしたレトロスペクティブ分析では、細胞遺伝学的に予後不良な患者(染色体5、7、11qの異常または低2倍性)は、正常核型の患者や他の細胞遺伝学的異常を有する患者に比して、同種BMT後の結果が芳しくなかった。予後不良グループの患者に対する無白血病生存率は約20%であった。[ 35 ][証拠レベル:3iiiDii]

細胞遺伝学的に分類された亜集団別に寛解後療法の成績を検討したSWOG/ECOGによるランダム化試験(E-3489)の分析では、細胞遺伝学的に予後不良の患者群では同種BMTによって死亡の相対リスクが改善され、一方の細胞遺伝学的に予後良好の患者群では自家移植の方が成績で勝っていたことが示唆された。これらのデータは数少ない患者サブセットの解析に基づいており、統計的な有意差は得られなかった。[ 36 ]自家BMT後の続発性骨髄異形成症候群が報告されているが、自家BMT後の新たなクローン性細胞遺伝学的異常の発生は必ずしも続発性骨髄異形成症候群またはAML発生の前兆とは言えない。[ 37 ][証拠レベル:3iiiDiv]可能な場合はいつでも、患者は寛解後治療に関する臨床試験に参加すべきである。

一部の研究者は、化学療法後の再燃患者の約30%がBMTにより治癒可能であるため、初回再燃が早い場合または第二CR期に対してのみ同種BMTを実施することで、最終的に治癒する患者数を減らさないことを提案した[ 38 ];しかしながら、臨床的および細胞遺伝学的情報から特定の患者集団を定義することで、寛解後化学療法を使用した患者の予後が良好か不良かが予測できる。[ 39 ]予後良好因子にはt(8;21)、好酸球増加を伴うM4 AMLに関連したinv(16)、NPM1突然変異を伴う正常核型(flt-3突然変異はみられない)、およびシトシン-シトシン-アデノシン-アデノシン-チミジン(CCAAT)-エンハンサー結合蛋白(C/EBP)α-double突然変異を伴う正常核型がある。予後不良因子としては、5qおよび7qの欠損、8トリソミー、t(6;9)、t(9;22)、染色体11q23とMLL遺伝子の突然変異が関与するほとんどの転座、骨髄異形成または先行する血液疾患の病歴、およびflt-3突然変異を伴う正常核型が挙げられる。予後良好なグループの患者は、強化寛解後療法でかなり治癒する可能性があり、初回再燃早期まで移植を差し控えるのも妥当である。予後不良なグループでは、寛解後化学療法で治癒する可能性は乏しく、HLA一致同胞ドナーが得られる患者には、第一CR期での同種BMTが合理的な選択である。しかしながら、たとえ同種幹細胞移植を行っても高リスクAML患者の治療成績は不良である(治療関連白血病または骨髄異形成の患者の5年DFSは8~30%)。[ 40 ]予後不良な患者に対する自家幹細胞移植の有効性は未だ報告されていないが、精力的な臨床試験の対象となっている。細胞遺伝学的に正常な患者は、中間的リスクのグループに位置し、寛解後管理は個々に、あるいは、理想的には臨床試験に沿って行うべきである。

上皮性腫瘍に対する高用量療法の臨床試験で末梢血前駆細胞の迅速な生着動態が明らかになったことで、AML治療の骨髄破壊的治療に対する救済として自家および同種末梢血前駆細胞の代替使用に関心が注がれている。第一寛解期における非処理末梢血前駆細胞による自家移植使用の1件のパイロット研究では、3年DFS率が35%であった;これらの患者の詳しい予後因子は提供されなかった。[ 24 ]この結果は化学療法や自家BMTにおける最善の結果に劣り、末梢血前駆細胞の使用は臨床試験に限定すべきであることが示唆されている。

同種幹細胞移植は、骨髄収集または末梢血前駆細胞収集で得られた幹細胞を用いて実施できる。さまざまな血液悪性腫瘍の患者175人に対して骨髄または末梢血幹細胞による同種幹細胞移植を実施し、移植片対宿主病を防止するためにメトトレキサートおよびシクロスポリンを使用したランダム化試験では、末梢血前駆細胞の使用により、生着が早期にみられた(好中球生着中央値、16日 vs 21日;血小板生着中央値、13日 vs 19日)。[ 41 ]末梢血前駆細胞の使用は移植片対宿主病の増加傾向と関連したが、移植関連死亡は同等であった。2年での再燃率は、末梢血前駆細胞による移植を受けた患者の方が低いと考えられた(ハザード比[HR]、0.49;95%CI、0.24-1.00);しかしながら、OSに有意な増加は認められなかった(2年以内の死亡に対するHR、0.62;95%CI、0.38-1.02)。[ 41 ]

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再発成人AML

再燃した急性骨髄性白血病(AML)患者、特に第一寛解期間が1年未満の患者の治療には標準レジメンが存在しない。[ 1 ]

再発AMLに対して多数の薬物が活性をもつ。[ 2 ][ 3 ]ミトキサントロンとシタラビンの併用は、最初に完全寛解(CR)に達した後に再燃した患者の50~60%に有効であった。[ 4 ]イダルビシンとシタラビン、または高用量エトポシドとシクロホスファミドを用いた他研究も同等の結果を報告した。[ 3 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ]ミトキサントロン、エトポシド、およびシタラビンの併用(MEC)により、再燃AMLの患者30人、原発性難治性AMLの患者28人、および二次性AMLの患者16人を含む集団において55%のCR導入率が明らかになった。[ 8 ][証拠レベル:3iiiDiv]しかしながら、多剤耐性修飾薬のPSC388を併用または非併用でMECを検討する第III相Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)試験(E-2995)で、第一完全寛解(CR)後6ヵ月未満での再燃、同種または自家骨髄移植(BMT)後の再燃、二回目以降の再燃、初回導入療法の失敗、二次性AML、および高リスク骨髄異形成症候群を含む集団において、完全奏効(CR)率はわずか17~25%であった。[ 9 ][証拠レベル:1iiDiv]したがって、再発AMLの適格な患者には、臨床評価段階にある新薬を用いた治療が依然として適切である。[ 10 ]

免疫毒素のゲムツズマブオゾガマイシンはCD33を発現する再燃AML患者において、30%の奏効率を有すると報告されている。これにはCRを達成した患者の16%、またこの試験で新たに定義された反応判定基準であるCRpを達成した患者の13%が含まれた。CRpは、骨髄からの白血病性芽球の除去を意味し、骨髄球系および赤血球系の回復は十分であるが、血小板の回復が不完全な状態である(血小板輸血からの離脱には少なくとも1週間が要される)。血小板回復不良の原因がゲムツズマブによる骨髄巨核球への毒性作用によるものか、臨床的に検出できない残存白血病によるものかは明らかではない。ゲムツズマブ投与後CRpを得た患者の長期の結果は、現在まだ分かっていない。ゲムツズマブは、白血病の導入化学療法と同様に重度の骨髄造血不全を引き起こし、肝静脈閉塞症を含め、かなりの肝臓毒性も有する。[ 11 ][ 12 ]ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤のチピファルニブ(R115777)は再燃および難治性急性白血病患者を対象にした第I相試験では、32%の奏効率を示し(治療患者24人中、CR2人、部分奏効6人)、第II相試験に入っている。[ 13 ]新しいプリンヌクレオシドアナログのクロファラビンでは、単剤として投与した場合は初回再燃患者19人中8人がCRとなり[ 14 ]、中用量のシタラビンと併用した場合は29人中7人がCRとなった。[ 15 ][証拠レベル:3iiiDiv]

再燃患者で積極的な治療を受けたサブセットは、無病生存(DFS)期間が延長したようである;しかしながら、再燃後に治癒するのはBMTを行った患者の方が多いと考えられている。[ 7 ][証拠レベル:3iDii]国際骨髄移植登録(International Bone Marrow Transplant Registry)によるレトロスペクティブ研究では、HLA適合同胞移植 vs 各種の寛解後アプローチを受けた第二CR期の50歳未満の成人AML患者を比較した。[ 16 ]化学療法へのアプローチは不均一で;一部の患者は寛解後療法を受けていなかった。移植レジメンも同様にさまざまであった。次の2つのグループにおいて、無白血病生存率はBMTを受けた患者群の方が優れていたようである:すなわち、第一寛解期間が1年未満であった30歳を超える患者;および第一寛解期間が1年を超えた30歳未満の患者。[ 16 ][証拠レベル:3iDii]

初回再燃が早い場合または第二CR期に実施したHLA適合ドナーからの同種BMTでは、DFS率が約30%である。[ 17 ][証拠レベル:3iiiA]初回再燃の初期段階での移植により再寛解導入化学療法の毒性作用が避けられる可能性がある。[ 3 ][ 17 ][ 18 ]強化化学療法では寛解に到達しなかった一部の患者(原発性難治性白血病)を、同種BMTで救うことが可能である。原発性難治性AMLの患者21人中、9人が同種BMT後10年経過時に無病状態で生存していた。[ 7 ][証拠レベル:3iiiA]このアプローチの効力を検証するランダム化試験は実施されていない。自家BMTは第二CR期の患者に対する選択肢であり、第一CR期における自家移植に匹敵するDFSが期待できる。[ 19 ][ 20 ][ 21 ]

同種BMT後に再燃した患者に対しては、慢性骨髄性白血病(CML)が再燃した患者が受ける治療法と類似したドナーからのリンパ球の輸注(ドナーリンパ球輸注、つまりDLI)を実施する場合がある。(詳しい情報については、慢性骨髄性白血病の治療に関するPDQ要約の再燃した慢性骨髄性白血病のセクションを参照のこと。)同種BMT後に再燃したAML患者に対するDLIの役割について調査したプロスペクティブ試験で発表された研究は存在しない。ヨーロッパ人患者を対象にした1件のレトロスペクティブ研究により、同種BMT後に再燃した患者399人中、171人の患者が救助療法の一環としてDLIを受けた。[ 22 ]生存の多変量解析により、DLIレシピエント171人に対して有意な優位性が示され、21%の2年全生存率(再燃した時点から)を達成したが、DLIを受けなかった228人の患者では9%であった(P < 0.04;RR、0.8;95%信頼区間、0.64-0.99)。[ 22 ][証拠レベル:3iiiA]この知見の強さは、研究のレトロスペクティブという性質、および生存優位性の多くが選択バイアスの結果であった可能性によって限定される。さらに、この研究で報告された34%という寛解率は、CMLに対して報告されている67~91%よりもかなり低かった。[ 23 ]そのため、DLIによってもたらされる生存優位性が事実であるとしても、この治療法から利益が得られる再燃したAML患者の割合はかなり限定されると考えられる。

三酸化ヒ素は、急性前骨髄球性白血病(APL)細胞に対して、分化誘発とアポトーシス誘発の両特性を有する薬物で、再燃したAPL患者を、かなり高い割合で寛解導入する。三酸化ヒ素による寛解導入を行った患者の85%で臨床的CRが報告されており、臨床的CRまでの期間中央値は59日であった。三酸化ヒ素による導入または寛解後療法の後の検査で、評価可能な患者の86%は、PML-RARA転写物の有無が陰性であった。生命表法による18ヵ月無再燃生存率は56%だった。三酸化ヒ素による導入法はAPL分化症候群(ATRA症候群と同じ)、およびQT間隔の延長、ニューロパチーを合併する可能性がある。[ 24 ][ 25 ]三酸化ヒ素は現在、複数の臨床試験において、de novoのAPL患者の寛解後治療戦略に組み入れられている。

ATOにより第二寛解に導入できた患者の一部では、自家幹細胞移植後に長期DFSが得られている。[ 26 ]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
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  3. Brown RA, Herzig RH, Wolff SN, et al.: High-dose etoposide and cyclophosphamide without bone marrow transplantation for resistant hematologic malignancy. Blood 76 (3): 473-9, 1990.[PUBMED Abstract]
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  21. Gorin NC, Labopin M, Meloni G, et al.: Autologous bone marrow transplantation for acute myeloblastic leukemia in Europe: further evidence of the role of marrow purging by mafosfamide. European Co-operative Group for Bone Marrow Transplantation (EBMT). Leukemia 5 (10): 896-904, 1991.[PUBMED Abstract]
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本要約の変更点(01/22/2020)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

成人急性骨髄性白血病(AML)に関する一般情報

新規症例数および死亡数の推定値に関する統計が2020年度用に更新された(引用、参考文献1としてAmerican Cancer Society)。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、急性骨髄性白血病の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.gov まで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

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本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Adult Acute Myeloid Leukemia Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/leukemia/hp/adult-aml-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389432]

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