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このPDQがん情報要約では、非ホジキンリンパ腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 非ホジキンリンパ腫についての一般的な情報
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非ホジキンリンパ腫は、リンパ系に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
非ホジキンリンパ腫は、リンパ系に発生するがんの一種です。リンパ系は免疫系の一部です。感染や疾患から体を守る働きを担っています。
リンパ系は以下の要素で構成されています:
リンパ系は免疫系の一部で、体を感染や疾患から守る働きのある組織と臓器で構成されています。具体的には、扁桃、咽頭扁桃(図には示されていません)、胸腺、脾臓、骨髄、リンパ管、リンパ節などがあります。リンパ組織は小腸など、他の多くの部位にも存在します。 リンパ組織は消化管の粘膜や気管支、皮膚といった体の他の部位にも存在します。
リンパ腫には大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類があります。本要約は、妊娠中を含む成人の非ホジキンリンパ腫の治療法について書かれたものです。
非ホジキンリンパ腫はインドレントリンパ腫とアグレッシブリンパ腫に分類されます。
非ホジキンリンパ腫が増殖して拡がる速さは様々ですが、インドレントとアグレッシブのどちらかに該当します。インドレントリンパ腫は、ゆっくりと増殖して拡がる傾向があり、徴候や症状はあまりみられません。アグレッシブリンパ腫は、急速に増殖して拡がり、重度の徴候や症状が現れることもあります。インドレントリンパ腫とアグレッシブリンパ腫は治療法が異なります。
本要約は、以下の種類の非ホジキンリンパ腫について書かれたものです:
インドレント非ホジキンリンパ腫
- 濾胞性リンパ腫。濾胞性リンパ腫は最もよくみられるインドレント非ホジキンリンパ腫です。非常に増殖の遅い種類の非ホジキンリンパ腫で、Bリンパ球から発生します。リンパ節に発生し、骨髄や脾臓に拡がることがあります。濾胞性リンパ腫の患者さんの大半は、診断の時点で50歳以上です。濾胞性リンパ腫は治療しなくても消失することがあります。そうなった患者さんは、再発の徴候や症状を注意深く調べる経過観察の対象になります。がんの消失後や初回のがん治療の終了後に徴候や症状が現れた場合は、治療が必要です。濾胞性リンパ腫は、アグレッシブリンパ腫であるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫などに変化することがあります。
- リンパ形質細胞性リンパ腫。大半のリンパ形質細胞性リンパ腫では、形質細胞に成長しつつあるBリンパ球によって単クローン性免疫グロブリンM(IgM)抗体と呼ばれる蛋白が大量に作られます。IgM抗体が血液中に大量に存在するようになると、血漿の粘度が増します。これにより、視覚または聴覚の異常、心臓の異常、息切れ、頭痛、めまい、手足のしびれや刺痛などの徴候や症状が現れる場合があります。リンパ形質細胞性リンパ腫では、徴候や症状がみられないこともあります。他の理由で行われた血液検査で偶然発見される場合もあります。リンパ形質細胞性リンパ腫はしばしば骨髄、リンパ節、脾臓に拡がります。リンパ形質細胞性リンパ腫の患者さんは、C型肝炎ウイルス感染症の検査を受けるべきです。ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症とも呼ばれます。
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辺縁帯リンパ腫。この種類の非ホジキンリンパ腫は、辺縁帯と呼ばれるリンパ組織の一部でBリンパ球から発生します。年齢が70歳以上で、病期がIII期またはIV期で、加えて乳酸脱水素酵素(LDH)の検査値が高い場合は、予後が不良であることがあります。辺縁帯リンパ腫には5つの種類があります。リンパ腫が形成された組織の種類によって、次のように分類されます:
- 節性辺縁帯リンパ腫。節性辺縁帯リンパ腫はリンパ節で発生します。この種の非ホジキンリンパ腫はまれです。単球様B細胞リンパ腫とも呼ばれます。
- 胃粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫。胃MALTリンパ腫は通常、胃で発生します。この種の辺縁帯リンパ腫は、粘膜内で抗体を作る細胞から発生します。胃MALTリンパ腫の患者さんは、ヘリコバクター胃炎か橋本甲状腺炎(橋本病)やシェーグレン症候群などの自己免疫疾患を合併していることがあります。
- 胃外MALTリンパ腫。胃外MALTリンパ腫は胃以外の体のほぼ全ての部位、例えば消化管、唾液腺、甲状腺、肺、皮膚、眼の周囲などで発生します。この種の辺縁帯リンパ腫は、粘膜内で抗体を作る細胞から発生します。胃外MALTリンパ腫は、治療後かなりの年数が経ってから再発することがあります。
- 地中海腹部リンパ腫。この種のMALTリンパ腫は、東地中海諸国の若年成人に発生します。腹部に発生することが多く、患者さんはカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)と呼ばれる細菌の感染症も合併していることがあります。この種のリンパ腫は免疫増殖性小腸疾患とも呼ばれます。
- 脾辺縁帯リンパ腫。この種の辺縁帯リンパ腫は脾臓で発生し、その後、末梢血や骨髄に拡がることがあります。脾辺縁帯リンパ腫の最も一般的な徴候は脾臓の肥大です。
- 原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫。この種の非ホジキンリンパ腫は皮膚にのみ発生します。自然に消失する良性の(がんではない)小結節である場合もありますが、皮膚の多くの場所に転移する可能性がある場合もあり、それらには治療が必要です。
アグレッシブ非ホジキンリンパ腫
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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、最もよくみられる種類の非ホジキンリンパ腫です。リンパ節で急速に増殖し、しばしば脾臓、肝臓、骨髄やその他の臓器を侵します。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の徴候・症状としては、発熱、著しい寝汗、体重減少などがあります。これらの症状はB症状とも呼ばれます。
- 原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫。この種の非ホジキンリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の一種です。特徴として、線維性(瘢痕に似た)リンパ組織の過剰増殖が認められます。大半の腫瘍が胸骨の後ろに形成されます。それが気道を圧迫し、咳や呼吸困難を引き起こすことがあります。原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫では、大半の患者さんが30~40歳の女性です。
- 濾胞性大細胞リンパ腫、III期。III期の濾胞性大細胞リンパ腫は、非常にまれな種類の非ホジキンリンパ腫です。この種の濾胞性リンパ腫に対しては、インドレント非ホジキンリンパ腫よりもアグレッシブ非ホジキンリンパ腫に対するそれに近い治療が行われます。
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未分化大細胞型リンパ腫。未分化大細胞型リンパ腫は、通常はTリンパ球から発生する非ホジキンリンパ腫の一種です。がん細胞の表面にCD30と呼ばれるマーカーがみられます。
未分化大細胞型リンパ腫には次の2種類があります:
- 皮膚未分化大細胞型リンパ腫。この種の未分化大細胞型リンパ腫は大半が皮膚に発生しますが、それ以外の部位に発生することもあります。皮膚未分化大細胞型リンパ腫の徴候として、皮膚に生じるできものや潰瘍などがあります。この種のリンパ腫はまれで、インドレントリンパ腫に分類されます。
- 全身性未分化大細胞型リンパ腫。この種の未分化大細胞型リンパ腫は、リンパ節から発生し、他の部位に拡がることがあります。この種のリンパ腫は増殖が速いです。リンパ腫細胞の内部に未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)蛋白が多量に認められることがあります。そのような患者さんは、過剰なALK蛋白が認められない患者さんと比べて予後が良好です。全身性未分化大細胞型リンパ腫は、成人より小児に多くみられます。詳しい情報については、小児非ホジキンリンパ腫の治療をご覧ください。
- 節外性NK/T細胞リンパ腫。節外性NK/T細胞リンパ腫は通常、鼻の周囲から発生します。さらに、副鼻腔(鼻の周辺の骨の中にある小さな空洞)、口腔の天井部分、気管、皮膚、胃、腸にみられることもあります。大半の節外性NK/T細胞リンパ腫では、腫瘍細胞にエプスタイン-バーウイルスが認められます。ときに血球貪食症候群(活性化した組織球とT細胞が増えすぎて重篤な炎症を引き起こす病態)が発生します。免疫系を抑制する治療が必要です。米国では、この種の非ホジキンリンパ腫は一般的ではありません。
- リンパ腫様肉芽腫症。リンパ腫様肉芽腫症は大半が肺に発生します。さらに、副鼻腔(鼻の周辺の骨の中にある小さな空洞)、皮膚、腎臓、中枢神経系にみられることもあります。リンパ腫様肉芽腫症では、がんは血管に浸潤し、組織を破壊します。がんが脳に転移する可能性があるため、髄腔内化学療法か脳に対する放射線療法が行われます。
- 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫。この種の非ホジキンリンパ腫はT細胞から発生します。よくみられる徴候としてリンパ節の腫れがあります。その他の徴候としては、発疹、発熱、体重減少、著しい寝汗などがあります。γグロブリン(抗体)の血中濃度が高くなることもあります。患者さんの免疫系の働きが低下して、日和見感染症を起こすこともあります。
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末梢T細胞リンパ腫。末梢T細胞リンパ腫は、成熟したTリンパ球から発生します。この種のTリンパ球は胸腺で成熟し、リンパ節や骨髄、脾臓などの他のリンパ組織に移動します。末梢T細胞リンパ腫には次の3種類があります:
- 肝脾T細胞リンパ腫。まれな種類の末梢T細胞リンパ腫で、その大半が若年男性に発生します。最初に肝臓や脾臓で発生し、がん細胞の表面にγ/δ(ガンマ/デルタ)というT細胞受容体がみられます。
- 皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫は皮膚または粘膜に発生します。血球貪食症候群(活性化した組織球とT細胞が増えすぎて重篤な炎症を引き起こす重篤な病態)を合併することがあります。免疫系を抑制する治療が必要です。
- 腸症型腸管T細胞リンパ腫。この種の末梢T細胞リンパ腫は、未治療のセリアック病(グルテンに対する免疫反応により栄養失調を来す疾患)の患者さんの小腸で発生します。小児期にセリアック病と診断された患者さんがグルテン除去食を続けた場合、腸症型腸管T細胞リンパ腫を発症することはまれです。
- 血管内大細胞型B細胞リンパ腫。この種の非ホジキンリンパ腫は血管に発生し、特に脳や腎臓、肺、皮膚の細い血管に多くみられます。血管内大細胞型B細胞リンパ腫の徴候と症状は、血管の閉塞によって引き起こされます。血管内リンパ腫症とも呼ばれます。
- バーキットリンパ腫。バーキットリンパ腫は、非常に急速に増殖して拡がるB細胞非ホジキンリンパ腫の一種です。顎、顔の骨、腸、腎臓、卵巣、その他の臓器に発生します。バーキットリンパ腫には主に3つの種類があります(地域性、散発性、免疫不全関連)。地域性のバーキットリンパ腫はアフリカで多く発生していて、エプスタイン-バーウイルスが関連している一方、散発性のバーキットリンパ腫は世界中で発生しています。免疫不全関連バーキットリンパ腫は、AIDSの患者さんに最も多くみられます。バーキットリンパ腫は脳や脊髄に転移することがあり、転移を予防するための治療が行われる場合があります。バーキットリンパ腫は小児および若年成人で最もよくみられます。詳しい情報については、小児非ホジキンリンパ腫の治療をご覧ください。バーキットリンパ腫は、びまん性小型非切れ込み核細胞型リンパ腫とも呼ばれます。
- リンパ芽球性リンパ腫。リンパ芽球性リンパ腫は、T細胞またはB細胞から発生する腫瘍ですが、通常はT細胞で生じます。この種の非ホジキンリンパ腫では、リンパ節や胸腺にリンパ芽球(未熟な白血球)が過剰に認められます。それらのリンパ芽球は、骨髄や脳、脊髄など他の部位に転移することがあります。リンパ芽球性リンパ腫は10代の若者と若年成人に最もよくみられます。急性リンパ芽球性白血病(リンパ芽球が主に骨髄と血液中に認められます)によく似ています。詳しい情報については、成人急性リンパ芽球性白血病の治療をご覧ください。
- T細胞白血病/リンパ腫。T細胞白血病/リンパ腫は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)が原因で発生します。徴候として、骨や皮膚の病変、高い血中カルシウム濃度、リンパ節、脾臓、肝臓の肥大などがあります。
- マントル細胞リンパ腫。マントル細胞リンパ腫は通常、中年以降の成人に発生するB細胞非ホジキンリンパ腫の一種です。最初にリンパ節で発生し、脾臓、骨髄、血液に拡がり、ときに食道、胃、腸に転移することもあります。マントル細胞リンパ腫の患者さんでは、リンパ腫細胞にサイクリンD1という蛋白が過剰に認められるか、特定の遺伝子変異がみられます。リンパ腫の徴候や症状がみられない患者さんの一部では、治療の開始が遅れても予後に影響はありません。
- 移植後リンパ増殖性疾患。この疾患は、心臓、肺、肝臓、腎臓、または膵臓の移植を受けた患者さんに発生し、生涯にわたる免疫抑制療法を必要とします。大半の移植後リンパ増殖性疾患はB細胞から発生し、その細胞にはエプスタイン-バーウイルスが感染しています。リンパ増殖性疾患には、しばしばがんと同様の治療が行われます。
- 真性組織球性リンパ腫。まれで、非常に進行の速いアグレッシブリンパ腫です。B細胞とT細胞のどちらから発生するかが明らかになっていません。標準の化学療法による治療があまり効きません。
- 原発性滲出液リンパ腫。原発性滲出液リンパ腫は、大量の液体が貯留している領域、例えば、肺の表面を覆っている組織と胸壁の間(胸水)や、心臓を取り囲んでいる袋と心臓の間(心のう液)、腹腔などに溜まった体液の中にあるB細胞から発生します。通常は、目で見える腫瘍はできません。この種のリンパ腫は、しばしばHIVの感染者に発生します。
- 形質芽球性リンパ腫。形質芽球性リンパ腫は、非常に進行の速い大細胞型B細胞非ホジキンリンパ腫の一種です。HIVに感染している患者さんで最もよくみられます。
年齢が高いこと、男性であること、免疫機能が低下していることにより、非ホジキンリンパ腫のリスクが上昇する可能性があります。
疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。このようなリスク因子がある人全員が非ホジキンリンパ腫を発症するわけではなく、また、リスク因子が認められない人に非ホジキンリンパ腫が発生することもあります。ご自分にリスクがあるかもしれないと思われる場合は、担当の医師に相談してください。
以下のようなリスク因子により、特定の種類の非ホジキンリンパ腫のリスクが高まることがあります:
- 高齢であること、男性であること、または白人であること
- 免疫系の働きを低下させる以下の病態のいずれかが存在すること:
- 遺伝性免疫疾患(例えば、低ガンマグロブリン血症やヴィスコット-オールドリッチ症候群)
- 自己免疫疾患(関節リウマチ、乾癬、シェーグレン症候群など)
- HIV/AIDS
- ヒトTリンパ球向性ウイルスI型またはエプスタイン-バーウイルス感染症
- ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染症
- 臓器移植後の免疫抑制薬の使用
非ホジキンリンパ腫の徴候と症状には、リンパ節の腫れ、発熱、著しい寝汗、体重減少、疲労などがあります。
これらの徴候や症状は、非ホジキンリンパ腫が原因のこともありますが、別の病態が原因である可能性もあります。以下の症状が1つでもみられる場合は、医師の診察を受けてください:
- 頸部、わきの下、鼠径部、または胃のリンパ節の腫れ
- 原因不明の発熱
- ひどい寝汗
- ひどい疲労感
- 原因不明の体重減少
- 皮膚の発疹や皮膚のかゆみ
- 胸部、腹部、骨などの原因不明の痛み
発熱、著しい寝汗、体重減少が一緒に生じる場合、この症状の組合せをB症状といいます。
非ホジキンリンパ腫のその他の徴候や症状は、以下の要因に応じて現れることがあります:
- がんの発生部位
- 腫瘍の大きさ
- 腫瘍が増殖する速さ
非ホジキンリンパ腫の診断と病期診断には、リンパ系とその他の部位を調べる検査法が用いられます。
医師は病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
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血算(全血球算定):血液を採取して以下の項目について調べる検査法です:
血算(全血球算定)。静脈内に針を挿入して注射器の中に血液を吸い込むことによって、血液を採取します。採取された血液は検査室に送られ、そこで赤血球と白血球と血小板の数が調べられます。血算は数多くの病態の検査、診断、モニタリングに用いられています。 - 血液生化学検査:採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の量を測定する検査です。ある物質の量が異常(正常より高いか低い場合)であることは、何らかの疾患の徴候である可能性があります。
- LDH検査:採取した血液を調べて、乳酸脱水素酵素(LDH)の量を測定する検査です。血液中のLDHの増加は、組織損傷、リンパ腫、またはその他の疾患の徴候である可能性があります。
- B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス検査:血液のサンプルを採取して、B型肝炎ウイルスに特異的な抗原や抗体の量とC型肝炎ウイルスに特異的な抗体の量を測定する検査です。これらの抗原や抗体はマーカーと呼ばれます。患者さんがB型またはC型肝炎ウイルスに感染しているか、過去に感染したか、ワクチン接種を受けたことがあるか、感染しやすいかどうかなどを明らかにするために、様々なマーカーや複数のマーカーの組合せが用いられます。B型肝炎ウイルス感染症に対する治療を受けたことのある患者さんには、ウイルスが再活性化していないかどうかを調べる継続的なモニタリングが必要です。B型またはC型肝炎の有無を把握することが治療の計画に役立つ場合があります。
- HIV検査:血液サンプル中のHIV抗体の量を測定する検査です。体内に異物が侵入すると、体内で抗体が作られます。HIV抗体の検査値が高いことは、その人がHIVに感染していることを意味している可能性があります。
- CTスキャン:頸部、胸部、腹部、骨盤、リンパ節などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査です。それらの画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。
- PET(陽電子放射断層撮影)スキャン:体内の悪性腫瘍細胞を検出するための検査法です。まず少量の放射性グルコース(ブドウ糖)を患者さんの静脈に注射します。体の周囲を回転するPETスキャナという装置を用いて、体内でグルコースが消費されている領域を示した画像を作成します。悪性腫瘍細胞は正常な細胞よりも活発でグルコースを多く取り込むため、この画像では腫瘍が周囲より明るく描き出されます。
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骨髄穿刺と骨髄生検:寛骨(腰骨)または胸骨に針を刺して骨髄や骨の小片などを採取する手技です。採取された骨髄や骨は病理医が顕微鏡で観察して、がんの徴候がないか調べます。
骨髄穿刺と骨髄生検。皮膚の小さな領域に麻酔を施してから、長い中空の針を患者さんの皮膚と寛骨(腰骨)を通して骨髄に挿入します。顕微鏡での検査用に骨髄のサンプルと骨の小片を採取します。 -
リンパ節生検:リンパ節の全体または一部を切除する手技です。切除された組織は病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。行われることがある生検には以下の種類があります:
- 摘出生検:リンパ節の全体を摘出します。
- 切除生検:リンパ節の一部を採取します。
- コア生検:太い針を用いてリンパ節の一部を採取します。
がんが発見されれば、以下のような検査を行って、がん細胞を詳しく調べます:
- 免疫組織化学検査:抗体を利用して、患者さんから採取した組織のサンプルに特定の抗原(マーカー)が含まれていないか調べる臨床検査です。使用される抗体には通常、酵素や蛍光色素が連結されています。抗体が組織のサンプルに含まれる特定の抗原に結合すると、酵素や色素が活性化して、顕微鏡で抗原を観察できるようになります。この種の検査は、がんの診断やがんの種類の判別を進める一助として用いられます。
- 染色体検査:血液または骨髄のサンプルに含まれる細胞の染色体を観察して、その数を計測するとともに、染色体に破損、欠失、再構成、過剰などの変化がないか調べる臨床検査です。特定の染色体に認められる変化は、がんの徴候である可能性があります。染色体検査は、がんの診断、治療計画、治療効果の判定に用いられます。
- 免疫表現型検査:抗体を利用して、細胞の表面にある抗原やマーカーの種類に基づいてがん細胞を特定する臨床検査です。この検査は特定の種類のリンパ腫の診断に用いられます。
- FISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)検査:細胞や組織のサンプルで遺伝子や染色体について調べる臨床検査です。蛍光色素を組み込んだDNAの断片を製造ラボで作製し、患者さんの細胞や組織のサンプルにそのDNA断片を添加します。蛍光標識されたDNA断片がサンプルに含まれる特定の遺伝子や染色体領域と結合すると、蛍光顕微鏡で観察したとき、結合した部分が光って見えます。FISH検査はがんの診断と治療計画に用いられます。
認められる徴候・症状やがんの発生部位に応じて、上記以外の検査や手技が行われることもあります。
特定の要因が予後(回復の見込み)や治療選択肢に影響を及ぼします。
予後や治療選択肢を左右する要因としては以下のものがあります:
妊娠中の非ホジキンリンパ腫では、治療選択肢は以下の要因にも左右されます:
- 患者さんの希望
- 妊娠週数
- 胎児を早期に分娩できるかどうか
非ホジキンリンパ腫の中には、ほかより進行が速い種類のものがあります。妊娠中に発生する非ホジキンリンパ腫は、大半がアグレッシブリンパ腫です。アグレッシブリンパ腫の治療を出産が終わるまで延期することは、患者さんの生存の可能性を低下させることにつながる場合があります。多くの場合は、たとえ妊娠中であっても、直ちに治療を開始することが推奨されます。
- 非ホジキンリンパ腫の病期
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非ホジキンリンパ腫の診断がついた後には、がん細胞のリンパ系内部での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。
がん細胞のリンパ系内部での拡がりや他の部位への転移の有無を調べるためのプロセスは、病期診断と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。非ホジキンリンパ腫を診断するために行われた検査と手技の結果は、治療に関する決定を下すための検討材料になります。
病期診断の過程では、以下のような検査法や手技も用いられます:
- ガドリニウムを使用するMRI(磁気共鳴画像)検査:磁気、電波、コンピュータを用いて脳や脊髄などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。まずガドリニウムと呼ばれる物質を静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
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腰椎穿刺:脊柱から髄液を採取する際に用いられる手技です。脊椎の2本の骨の間に針を刺し、髄液が流れている脊髄周囲の空間まで針先を進めて、髄液のサンプルを採取します。髄液のサンプルは顕微鏡で観察して、がんが脳や脊髄に転移した徴候がないか調べます。この手技は脊椎穿刺とも呼ばれることがあります。
腰椎穿刺。患者さんに背中を曲げた姿勢で台の上に横たわってもらいます。腰の小さな領域に麻酔を施してから、腰椎穿刺針(細長い針)を脊柱の下部に挿入して、髄液(青色で示されている)を採取します。採取した液体を検査のために検査室に送ることもあります。
妊娠中の女性の非ホジキンリンパ腫に対する病期診断には、胎児を放射線による害から保護できる検査法や手技が用いられます。そのような検査法や手技としては、MRI検査(造影剤を使用しないもの)、腰椎穿刺、超音波検査などがあります。
体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。
非ホジキンリンパ腫には以下の病期が用いられます:
I期
成人のI期リンパ腫。がんが1つのリンパ節群内の1つ以上のリンパ節に認められるか、まれにワルダイエル輪、胸腺、脾臓にみられることがあります。IE期(図には示されていません)では、がんがリンパ系の外にある1つの領域に拡がっています。 I期非ホジキンリンパ腫は、さらにI期とIE期に分けられます。
I期では、がんがリンパ系の中で以下の部位のいずれかに認められます:
IE期では、がんがリンパ系の外にある1つの領域に認められます。
II期
II期非ホジキンリンパ腫は、さらにII期とIIE期に分けられます。
- II期では、がんが横隔膜の上方または下方のいずれかにある複数のリンパ節群に認められます。
成人のII期リンパ腫。がんが横隔膜の上方または下方のいずれかにある複数のリンパ節群に認められます。 - IIE期では、がんが1つのリンパ節群から、リンパ系の外の周辺領域に拡がっています。横隔膜で分けた場合にがんと同じ側(横隔膜の上方または下方)に位置する他のリンパ節群に、がんが転移している場合があります。
成人のIIE期リンパ腫。がんが1つのリンパ節群から、リンパ系の外の周辺領域に拡がっています。横隔膜で分けた場合にがんと同じ側(横隔膜の上方または下方)に位置する他のリンパ節群に、がんが転移している場合があります。
II期では、巨大腫瘤という用語で大きな腫瘍の塊(腫瘤)を表現します。巨大腫瘤とみなされる腫瘤の大きさは、リンパ腫の種類によって異なります。
III期
成人のIII期リンパ腫。がんが横隔膜の上方にあるリンパ節群と下方にあるリンパ節群の両方、または横隔膜より上方のリンパ節群と脾臓に認められます。 III期非ホジキンリンパ腫では、がんが以下の部位に認められます:
IV期
成人のIV期リンパ腫。がんが(a)リンパ系の外の臓器に転移しているか、(b)横隔膜の上方または下方のいずれかに位置する複数のリンパ節群に認められ、がんが転移したリンパ節の近くにないリンパ系外の1つの臓器にも認められるか、(c)横隔膜の上下に位置するリンパ節群とリンパ系の外にあるいずれかの臓器に認められるか、(d)肝臓、骨髄、肺内の複数箇所、または髄液に認められます。周辺のリンパ節から肝臓、骨髄、肺、髄液に直接拡がったがんではありません。 IV期非ホジキンリンパ腫では、がんが以下の部位に認められます:
非ホジキンリンパ腫は、インドレントとアグレッシブのどちらか、侵されたリンパ節同士が隣接しているかどうか、新たに診断されたがんか再発したがんかによって、治療法が異なります。
インドレント(増殖が遅い)またはアグレッシブ(増殖が速い)非ホジキンリンパ腫の種類に関する詳細については、一般的な情報のセクションをご覧ください。
非ホジキンリンパ腫は、以下のように隣接型(contiguous)または非隣接型(noncontiguous)と表現されることもあります:
非ホジキンリンパ腫は治療後に再発することがあります。
リンパ腫の再発は、リンパ系で起こることもあれば、それ以外の部位で起こることもあります。インドレントリンパ腫がアグレッシブリンパ腫として再発する場合もあります。アグレッシブリンパ腫がインドレントリンパ腫として再発する場合もあります。
- 治療選択肢の概要
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非ホジキンリンパ腫に対する治療法には様々なものがあります。
非ホジキンリンパ腫の患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、がんの患者さんを対象に、既存の治療法を改良したり、新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。新しい治療法が標準治療よりも優れていることが複数の臨床試験で示された場合、その新しい治療法が標準治療になる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
妊娠中の非ホジキンリンパ腫の女性では、胎児を守るため、慎重に治療方針を選択する必要があります。治療法の決定は、患者さんの希望、非ホジキンリンパ腫の病期、および妊娠週数に基づいて判断します。徴候や症状、がん、妊娠状況の変化に伴って、治療計画を変更することもあります。最も適切ながん治療を選択する上では、患者さんとそのご家族、そして医療チームが関与して決定を下していくのが理想的な形となります。
非ホジキンリンパ腫の患者さんには、リンパ腫の治療に精通した医療従事者で構成されるチームが治療計画を策定するべきです。
治療は腫瘍内科医(がんの治療を専門とする医師)または血液専門医(造血器腫瘍の治療を専門とする医師)が監督します。腫瘍内科医は、非ホジキンリンパ腫の治療に精通しつつ同時に特定の医療分野を専門とする別の医療従事者に、患者さんを紹介することがあります。具体的には以下のような専門医や専門家です:
非ホジキンリンパ腫の治療は副作用を引き起こすことがあります。
がんの治療中に発生する副作用の詳細については、副作用(英語)のページをご覧ください。
がん治療による副作用のうち、治療後に始まって月単位または年単位で続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。非ホジキンリンパ腫に対する化学療法、放射線療法、または造血幹細胞移植による治療は、晩期合併症(晩期障害)のリスクを高めることがあります。
がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:
晩期合併症(晩期障害)には治療やコントロールが可能なものもあります。がん治療によってご自身に生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。晩期合併症(晩期障害)を検出するための定期的なフォローアップも重要です。
以下のような治療法が用いられます:
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図るがん治療です。
外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域に放射線を照射する方法です。造血幹細胞移植に先立って全身照射が行われることがあります。
陽子線治療は、大きなエネルギーを用いる外照射療法の一種で、陽子(正の電荷を帯びた微細な粒子)の流れを利用して、腫瘍細胞を殺傷します。この種の治療では、腫瘍の近くにある心臓や乳房などの正常組織の放射線による損傷を少なく抑えることができます。
外照射療法は非ホジキンリンパ腫に対する治療として用いられるほか、症状を和らげて生活の質(QOL)を高める緩和療法として用いられることもあります。
妊娠中の非ホジキンリンパ腫の女性に対しては、可能であれば、胎児へのリスクを回避するために放射線療法は分娩後まで延期されるべきです。妊娠中の女性が直ちに治療を受けなければならない場合には、妊娠を継続しながら放射線療法を受けるという選択も可能です。その場合は鉛シールドで妊婦の腹部を覆うことで、胎児を可能な限り放射線から保護します。
化学療法
化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止するがん治療です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。髄液(髄腔内化学療法)や臓器、あるいは腹部などの体腔の中に薬剤を直接投与する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。多剤併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。炎症を緩和し、体の免疫反応を抑制するために、ステロイド薬が追加されることもあります。
非ホジキンリンパ腫の治療には多剤併用の全身化学療法が用いられます。
精巣または副鼻腔(鼻の骨の周りにある空洞)で最初に発生したリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、一部のアグレッシブT細胞リンパ腫の治療には、髄腔内化学療法も用いられることがあります。これはリンパ腫細胞が脳や脊髄に転移する可能性を低下させる目的で行われます。この治療は中枢神経系予防と呼ばれます。
髄腔内化学療法。髄液(青色で示されている)で満たされた空洞である脊髄腔の中に抗がん剤が注入されます。これには2種類の方法があります。1つめはこの図の上の部分に示されているもので、オンマイヤーレザバー(手術中に頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内に薬剤を投与することを可能にします)に薬剤を注入する方法です。もう1つは図の下の部分に示されているもので、腰の小さな領域に麻酔を施してから、脊柱の下部から直接髄液内に薬剤を注入する方法です。 妊娠中の女性が非ホジキンリンパ腫に対して化学療法による治療を受ける場合は、胎児を化学療法薬の影響から守ることはできません。一部の化学療法レジメンは、妊娠初期に使用すると胎児の先天障害を引き起こすことがあります。
詳しい情報については、非ホジキンリンパ腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
免疫療法
免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。体内で生産された物質や人工的に作られた物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。
- 免疫調節薬:レナリドミドは非ホジキンリンパ腫の治療に用いられる免疫調節薬です。
- CAR T細胞療法:患者さんのT細胞(免疫細胞の一種)を改変して、がん細胞の表面にある特定の蛋白を攻撃させます。患者さんからT細胞を採取し、製造ラボでその表面に特殊な受容体を付加します。こうして改変した細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と呼ばれます。製造ラボでCAR T細胞を増やしてから、点滴で患者さんに投与します。投与されたCAR T細胞は、患者さんの血液中で増加し、がん細胞を攻撃します。CAR T細胞療法(アキシカブタゲン シロルユーセルやチサゲン レクルユーセルなど)は、治療に反応しない大細胞型B細胞リンパ腫の治療に使用されています。CAR T細胞療法は、再発したか治療に反応しなかったマントル細胞リンパ腫の治療法として研究されています。
CAR T細胞療法。製造ラボで患者さんのT細胞(免疫細胞の一種)を改変し、それらをがん細胞に結合させて殺傷する治療法です。患者さんの腕の静脈から血液をチューブを介してアフェレーシス装置(図には示されていません)に通し、T細胞などの白血球を採取して、残った血液は患者さんの体に戻します。その後、製造ラボでキメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれる特別な受容体の遺伝子をT細胞に導入します。製造ラボでCAR T細胞を数百万個まで培養して、それらを患者さんに投与します。CAR T細胞は、がん細胞の抗原に結合して、それらの細胞を殺傷することができます。 詳しい情報については、非ホジキンリンパ腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
分子標的療法
分子標的療法は、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。モノクローナル抗体療法、プロテアソーム阻害薬療法、キナーゼ阻害薬療法は、いずれも非ホジキンリンパ腫の治療に用いられる分子標的療法の一種です。
- モノクローナル抗体療法:モノクローナル抗体は、人工的に作られ、がんを含む様々な疾患の治療に用いられている免疫系の蛋白です。この種の抗体は、がんの治療薬として、がん細胞やその他の細胞の表面に存在してがん細胞の増殖に関与している特定の標的物質に結合することができます。これにより、抗体はがん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などの効果を発揮できるようになります。モノクローナル抗体は点滴で投与されます。単独で使用されることもありますが、薬物や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り込ませる用途でも用いられます。
次のようなモノクローナル抗体があります:
- リツキシマブは、様々な非ホジキンリンパ腫の治療に用いられます。
- オビヌツズマブは、濾胞性リンパ腫の治療に用いられます。
- モガムリズマブは、特定の種類の再発または難治性のT細胞リンパ腫の治療に用いられます。
- タファシタマブは、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療にレナリドミドと併用されます。
- ペムブロリズマブは、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫の治療に用いられます。
- ポラツズマブ ベドチンは、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療にベンダムスチンおよびリツキシマブと併用されます。
- ブレンツキシマブ ベドチンは、一部のリンパ腫細胞に存在するCD30という蛋白に結合するモノクローナル抗体を含んでいます。さらに、がん細胞を殺傷する働きのある抗がん剤も含んでいます。
- イットリウム90イブリツモマブ チウキセタンは、放射標識モノクローナル抗体の一例です。
- モスネツズマブは、免疫系にがん細胞を認識して殺傷させる働きのある二重特異性モノクローナル抗体です。再発または難治性の濾胞性リンパ腫の治療に用いられます。
- プロテアソーム阻害薬:この治療では、がん細胞の中に存在するプロテアソームの働きを阻害します。プロテアソームは細胞にとって不要になった蛋白を除去しています。プロテアソームの働きを阻害すると、その細胞の中に蛋白が蓄積し、それによりがん細胞を殺すことができます。ボルテゾミブまたはイキサゾミブは、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症)に対するがん治療の後に血液中に存在する免疫グロブリンMの量を減らすために使用されます。再発したマントル細胞リンパ腫の治療薬としても研究されています。
- キナーゼ阻害薬:この治療では、特定の蛋白を阻害することで、リンパ腫細胞の増殖を阻止して殺傷することができます。キナーゼ阻害薬としては以下のものがあります:
- イブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブはブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬です。これらの薬剤はマントル細胞リンパ腫の治療に用いられます。イブルチニブとアカラブルチニブはリンパ形質細胞性リンパ腫の治療にも用いられ、ザヌブルチニブはリンパ形質細胞性リンパ腫の治療薬として研究されています。
- ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害薬:タゼメトスタットは再発したか他の治療で改善しなかった濾胞性リンパ腫の治療に用いられます。EZH2遺伝子に特定の変異(変化)があるがんがあり、既に他の2種類の抗がん治療を受けている成人に使用されます。
- BCL-2阻害薬:ベネトクラクスはマントル細胞リンパ腫の治療に用いられます。この薬剤はBCL-2という蛋白を阻害し、がん細胞の殺傷を促進できる可能性があります。
詳しい情報については、非ホジキンリンパ腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
血漿交換療法
過剰な抗体蛋白により血液の粘度が増し、血液の循環が損なわれている場合は、血液中の余分な血漿と抗体蛋白を除去するために血漿交換療法を行います。この治療では、患者さんの体から抜き出した血液を専用の機械に通して、血液細胞(血球)と血漿(血液の液体部分)を分離します。患者さんの血漿中には不要な抗体が含まれていますので、それらの抗体は体内に戻さないようにします。正常な血液細胞は、補充用の血漿製剤や置換液と一緒に患者さんの血流に戻します。血漿交換療法では新たな抗体の生産を阻止することはできません。
手術
手術は、インドレントまたはアグレッシブ非ホジキンリンパ腫の特定の患者さんに対して、リンパ腫を除去する目的で用いられることがあります。
手術の種類はリンパ腫の発生部位に応じて異なります:
- 粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、PTLD、小腸T細胞リンパ腫の特定の患者さんには、局所切除術
- 脾臓の辺縁帯リンパ腫の患者さんには、脾摘出術
心臓、肺、肝臓、腎臓、または膵臓の移植を受けた患者さんは通常、生涯にわたり免疫系を抑制する薬剤の投与を受ける必要があります。臓器移植後の長期にわたる免疫抑制は、移植後リンパ増殖性疾患(PLTD)と呼ばれる種類の非ホジキンリンパ腫の原因になることがあります。
造血幹細胞移植
造血幹細胞移植は、大量化学療法や全身照射を行うための手段として、これらのがん治療によって破壊される造血幹細胞を外部から補充する目的で行われます。患者さん(自家移植の場合)またはドナー(同種移植の場合)から採取した血液または骨髄から造血幹細胞(未成熟の血液細胞)を取り出し、それを凍結保存しておきます。化学療法や放射線療法の完了後に、保存していた造血幹細胞を解凍し、それを点滴で患者さんの体内に戻します。体内に戻された造血幹細胞が成長することで、血液の機能が回復します。
ドナー造血幹細胞移植。(ステップ1):ドナーから造血幹細胞を採取する4~5日前に、血流内を循環する幹細胞の数を増やすための薬剤をドナーに投与します(図には示されていません)。その後、ドナーの腕の太い静脈から造血幹細胞を採取します。造血幹細胞を取り出すアフェレーシス装置の中に血液を流します。残った血液は反対側の腕の静脈からドナーの体内に戻されます。(ステップ2):患者さんに化学療法を行うことでがん細胞を殺傷して、患者さんの体がドナーの造血幹細胞を受け入れる環境を作ります。放射線療法を行う場合もあります(図には示されていません)。(ステップ3):患者さんにドナー幹細胞を投与します。 この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。
患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。
がんに対する今日の標準治療の多くは、過去に行われた臨床試験の結果を根拠としています。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、まだ人に用いられたことがない新しい治療法を受けることになる場合もあります。
患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがん治療を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が新しい効果的な治療法の発見につながらなくても、しばしば重要な問題に対する答えが得られ、研究を前進させる助けになります。
患者さんはがん治療の開始前だけでなく、開始後でも臨床試験に参加することができます。
ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。
臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
- インドレント非ホジキンリンパ腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
I期または隣接型(contiguous)II期のインドレント非ホジキンリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
腫瘍が大きすぎて放射線療法を行えない場合は、非隣接型(noncontiguous)II期、III期、またはIV期のインドレント非ホジキンリンパ腫に対する治療選択肢が適用されます。
非隣接型(noncontiguous)II期、III期、IV期のインドレント非ホジキンリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- 徴候も症状もみられない患者さんには、注意深い経過観察
- モノクローナル抗体療法(リツキシマブ)と場合により化学療法
- レナリドミドとリツキシマブ
- リツキシマブによる維持療法
- モノクローナル抗体療法(オビヌツズマブ)と場合により化学療法
- EZH2阻害薬療法(タゼメトスタット)
- 放射標識モノクローナル抗体療法
- 大量化学療法単独後、または大量化学療法と全身照射あるいは放射標識モノクローナル抗体療法との併用治療後に自家または同種造血幹細胞移植を行う臨床試験への参加
- 化学療法を単独で行うか、化学療法とワクチン療法を併用する臨床試験への参加
- 新しい種類のモノクローナル抗体の臨床試験への参加
- III期の患者さんでは、周辺のリンパ節を対象に含めた放射線療法の臨床試験への参加
- 症状を和らげて生活の質(QOL)を高める緩和療法として低線量放射線療法を行う臨床試験への参加
インドレント非ホジキンリンパ腫に対するその他の治療法は、非ホジキンリンパ腫の種類によって異なります。以下のような治療法があります:
- 濾胞性リンパ腫に対しては、新しいモノクローナル抗体療法、新しい化学療法レジメン、または造血幹細胞移植の臨床試験で治療を受けることがあります。
- リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症)には、チロシンキナーゼ阻害薬療法、血漿交換療法、プロテアソーム阻害薬療法(血液の希釈が必要な場合)のいずれかまたは複数を行います。その他、濾胞性リンパ腫に対する治療と同様の治療法が用いられることもあります。
- 胃の粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫には、最初にピロリ菌(Helicobacter pylori)感染症に対する抗菌薬療法を行います。抗菌薬療法に反応しない腫瘍には、放射線療法、手術、またはリツキシマブの投与を場合により化学療法を併用して行います。
- 眼の胃外MALTリンパ腫と地中海腹部リンパ腫には、感染症の治療として抗菌薬療法を行います。
- 脾臓の辺縁帯リンパ腫には、初回治療としてリツキシマブ、化学療法、B細胞受容体療法などを行います。腫瘍が治療に反応しない場合は、脾摘出術を行うことがあります。
- アグレッシブ非ホジキンリンパ腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
I期または隣接型(contiguous)II期のアグレッシブ非ホジキンリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
非隣接型(noncontiguous)II期、III期、IV期のアグレッシブ非ホジキンリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- モノクローナル抗体療法(リツキシマブ)と多剤併用化学療法。
- 多剤併用化学療法。
- モノクローナル抗体療法と多剤併用化学療法の後に放射線療法を行う臨床試験への参加。
その他の治療法はアグレッシブ非ホジキンリンパ腫の種類によって異なります。以下のような治療法があります:
- 節外性NK/T細胞リンパ腫には、化学療法および中枢神経系予防と場合によりその開始前、実施中、終了後のいずれかのタイミングで放射線療法。
- マントル細胞リンパ腫には、モノクローナル抗体療法と多剤併用化学療法、およびその後の造血幹細胞移植。モノクローナル抗体療法は、後から維持療法(最初の治療の後にがんの再発を予防する目的で行われる治療)として行われることもあります。
- 移植後リンパ増殖性疾患では、免疫抑制薬による治療を中止することがあります。それで効果がない場合や中止できない場合は、モノクローナル抗体療法を単独または化学療法との併用で行うことがあります。転移していないがんの場合は、がんを切除する手術または放射線療法を用いることがあります。
- 形質芽球性リンパ腫には、リンパ芽球性リンパ腫またはバーキットリンパ腫の場合と同様の治療を行います。
リンパ芽球性リンパ腫の治療に関する情報はリンパ芽球性リンパ腫の治療選択肢を、バーキットリンパ腫の治療に関する情報はバーキットリンパ腫の治療選択肢をご覧ください。
- リンパ芽球性リンパ腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
リンパ芽球性リンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- バーキットリンパ腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
バーキットリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- 再発非ホジキンリンパ腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
再発したインドレント非ホジキンリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
再発したアグレッシブ非ホジキンリンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- 原発難治性または1年以内の再発例に対してはアキシカブタゲン シロルユーセルを用いるCAR T細胞療法。
- 骨髄移植または造血幹細胞移植による地固め療法。
- 自家造血幹細胞移植後の再発例に対してはCAR T細胞療法。
- タファシタマブとレナリドミド。
- リツキシマブとレナリドミド。
- ポラツズマブ ベドチン+リツキシマブとベンダムスチン。
- ロンカスツキシマブ テシリン。
- 二重特異性モノクローナル抗体療法(モスネツズマブ)。
- 化学療法と場合により造血幹細胞移植。
- 特定のT細胞リンパ腫には、モガムリズマブによるモノクローナル抗体療法。
- モノクローナル抗体療法と場合により多剤併用化学療法と、その後の自家造血幹細胞移植。
- 症状を和らげて生活の質(QOL)を高める緩和療法としての放射線療法。
- 放射標識モノクローナル抗体療法。
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マントル細胞リンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬療法。
- リツキシマブと場合によりチロシンキナーゼ阻害薬(イブルチニブ)。
- レナリドミド。
- レナリドミドの投与とモノクローナル抗体療法を行う臨床試験への参加。
- レナリドミドと他の療法を比較する臨床試験への参加。
- プロテアソーム阻害薬療法(ボルテゾミブ)の臨床試験への参加。
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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する治療法には以下のようなものがあります:
- タファシタマブとレナリドミド。
- ポラツズマブ ベドチンとベンダムスチンおよびリツキシマブの併用。
- 自家造血幹細胞移植または同種造血幹細胞移植の臨床試験への参加。
アグレッシブリンパ腫として再発したインドレントリンパ腫の治療法は非ホジキンリンパ腫の種類に応じて異なりますが、症状を和らげて生活の質(QOL)を高める緩和療法として放射線療法が行われることがあります。インドレントリンパ腫として再発したアグレッシブリンパ腫の治療法には化学療法などがあります。
- 妊娠中の非ホジキンリンパ腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
妊娠中のインドレント非ホジキンリンパ腫
インドレント(増殖が遅い)非ホジキンリンパ腫の妊娠中の女性には、出産を終えるまで注意深い経過観察が行われることがあります。(詳しい情報については、インドレント非ホジキンリンパ腫の治療選択肢のセクションをご覧ください。)
- 非ホジキンリンパ腫についてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供している非ホジキンリンパ腫に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資料については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
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このPDQがん情報要約では、成人非ホジキンリンパ腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
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臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
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