患者さん向け 形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を含む)の治療(PDQ®)

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このPDQがん情報要約では、形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を含む)の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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形質細胞腫瘍についての一般的な情報

形質細胞腫瘍は、体内で形質細胞が過剰に作られる疾患です。

形質細胞は、骨髄で作られる白血球の一種であるBリンパ球(B細胞)が成熟することによってできる細胞です。正常な状態では、細菌ウイルスが体内に侵入すると、一部のB細胞が形質細胞に変化します。形質細胞は細菌やウイルスを撃退する抗体を作り出し、感染や疾患の発生を阻止します。

多発性骨髄腫;図は、正常な形質細胞、多発性骨髄腫細胞(異常な形質細胞)、抗体を示している。さらに形質細胞が作られる場である骨内の赤色骨髄も示されている。

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多発性骨髄腫。多発性骨髄腫細胞は、骨髄で増殖し体の多くの骨で腫瘍を形成する異常な形質細胞(白血球の一種)です。正常な形質細胞は、体が感染や疾患に抵抗するための抗体を産生します。多発性骨髄腫細胞の数が増加すると、より多くの抗体が作られます。これにより血液が濃くなり、骨髄は正常な血液細胞を作れなくなります。さらに多発性骨髄腫細胞は、骨に損傷を与えてもろくします。

形質細胞腫瘍は、異常な形質細胞が体内の骨や軟部組織腫瘍を形成する疾患です。この異常な形質細胞もM蛋白と呼ばれる抗体蛋白を生産しますが、これは体にとって不要な物質で、感染に対する防御には役立ちません。こうした抗体蛋白は骨髄内に蓄積され、血液の粘り気を高めたり、腎臓に損傷を与えたりする可能性があります。

形質細胞腫瘍には良性の(がんではない)ものと、悪性(がん)のものがあります。

意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)はがんではありませんが、がんになることがあります。以下の種類の形質細胞腫瘍はがんです:

形質細胞腫瘍にはいくつかの種類があります。

形質細胞腫瘍には以下のものが含まれます:

意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)

この種の形質細胞腫瘍では、骨髄の10%未満が異常な形質細胞で構成されるものの、がんは一切認められません。異常な形質細胞からM蛋白が作り出されるため、通常の血液検査尿検査でこの蛋白が発見されることがあります。ほとんどの患者さんでは、このM蛋白の量は一定の範囲内に留まり、徴候症状、または健康問題が生じることはありません。

しかし、一部の患者さんでは、MGUSが後にアミロイドーシスなどのより重篤な病態に変化したり、腎臓、心臓、神経の問題を引き起こしたりする場合があります。MGUSはまた、多発性骨髄腫リンパ形質細胞性リンパ腫慢性リンパ性白血病などのがんに変化することもあります。

形質細胞腫

この種の形質細胞腫瘍では、異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が1カ所で形質細胞腫と呼ばれる単一の腫瘍を形成します。形質細胞腫は根治の可能性があります。形質細胞腫には2種類のものがあります。

徴候や症状は、腫瘍の部位に応じて異なります。

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫では、異常な形質細胞骨髄腫細胞)が骨髄内に蓄積して、多数の骨の中に腫瘍が形成されます。このような腫瘍が形成されると、骨髄において正常な血液細胞が十分に作られなくなります。正常な状態の骨髄では、以下の3種類の成熟血液細胞に成長する幹細胞(未熟な細胞)が作られます:

骨髄腫細胞の数が増えるにつれて、新たに作られる赤血球、白血球、血小板の数は減少していきます。骨髄腫細胞はまた、骨に損傷を与えてもろくしたりもします。

多発性骨髄腫ではときに、徴候症状が全くみられないことがあります。これはくすぶり型多発性骨髄腫と呼ばれます。別の病態に対して実施された血液検査尿検査で発見されることもあります。徴候や症状は、多発性骨髄腫が原因のこともありますが、別の病態が原因である可能性もあります。以下の症状が1つでもみられる場合は、医師の診察を受けてください:

腫瘍によって骨が損傷を受けると、高カルシウム血症(血液中のカルシウム量の過剰)が引き起こされます。この状態は、腎臓神経、心臓、筋肉、消化管など多くの臓器に悪影響を及ぼして、深刻な健康障害の原因になります。

高カルシウム血症では、以下のような徴候や症状がみられることがあります:

多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍は、アミロイドーシスと呼ばれる病態を引き起こすことがあります。

まれに、多発性骨髄腫から末梢神経(脳や脊髄以外を走っている神経)障害や臓器不全に至ることもあります。これはアミロイドーシスと呼ばれる病態が原因と考えられます。この病態では、抗体蛋白が互いに結合し、末梢神経や腎臓や心臓などの臓器に蓄積します。こうなるとその神経や臓器は硬くなり、本来の機能を果たせなくなる可能性があります。

アミロイドーシスでは、以下のような徴候や症状がみられることがあります:

形質細胞腫瘍のリスクに影響を及ぼす要因に年齢があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。このようなリスク因子がある人全員が形質細胞腫瘍を発症するわけではなく、また、リスク因子が認められない人に形質細胞腫瘍が発生することもあります。ご自分にリスクがあるかもしれないと思われる場合は、担当の医師に相談してください。

形質細胞腫瘍は中年以上の人に最も多くみられます。多発性骨髄腫と形質細胞腫のリスク因子としては、この他にも以下のものがあります:

人種的、社会的、経済的要因が形質細胞腫瘍の治療へのアクセスや発生率にどのような影響を及ぼすかについて、研究が進められています。

多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍の診断には、血液、骨髄、尿を調べる検査法が用いられます。

医師は病歴および家族歴の聴取と身体診察に加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療選択肢に影響を及ぼします。

予後を左右する要因としては以下のものがあります:

治療選択肢を左右する要因としては以下のものがあります:

形質細胞腫瘍の病期

意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)と形質細胞腫には、標準的な病期分類システムがありません。

多発性骨髄腫の診断がついた後には、体内にあるがんの量を明らかにするために、さらに検査が行われます。

体内のがん細胞の量を調べるためのプロセスは、病期診断と呼ばれます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。

体内のがんの量を明らかにするには、以下のような検査法や手技が用いられます:

多発性骨髄腫の病期は、β-2-ミクログロブリンとアルブミンの血中濃度に基づいて分類されます。

β-2-ミクログロブリンアルブミンは、血液中で検出されます。β-2-ミクログロブリンは、形質細胞の表面にある蛋白です。アルブミンは、血漿中に最も多く含まれる蛋白です。血管からの水分の漏出を防ぐ働きがあります。さらに、組織栄養素を運ぶ、ホルモンビタミン、その他の物質(カルシウムなど)を全身に行き渡らせるなどの機能もあります。多発性骨髄腫の患者さんの血液中では、β-2-ミクログロブリンの量が増加し、アルブミンの量が減少しています。

多発性骨髄腫では以下のような病期が用いられます:

I期の多発性骨髄腫

I期の多発性骨髄腫では、血液検査の値は以下のようになります:

II期の多発性骨髄腫

II期の多発性骨髄腫では、血液検査の値はI期とIII期の間です。

III期の多発性骨髄腫

III期多発性骨髄腫では、血液検査でのβ-2-ミクログロブリン値が5.5mg/L以上で、さらに患者さんは以下のいずれかに該当します:

形質細胞腫瘍は治療に反応しない場合や、治療後に再発する場合があります。

治療後も形質細胞が増加し続ける形質細胞腫瘍は、難治性と呼ばれます。治療後に再発した形質細胞腫瘍は、再発形質細胞腫瘍と呼ばれます。

治療選択肢の概要

形質細胞腫瘍に対する治療法には様々なものがあります。

形質細胞腫瘍の患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、がんの患者さんを対象に、既存の治療法を改良したり、新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。新しい治療法が標準治療よりも優れていることが複数の臨床試験で示された場合、その新しい治療法が標準治療になる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

以下のような治療法が用いられます:

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。

多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

その他の薬物療法

副腎皮質ステロイドは、多発性骨髄腫に対して抗腫瘍効果を有するステロイド薬です。

分子標的療法

分子標的療法は、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍の治療では、数種類の分子標的療法が用いられます。以下のような種類の分子標的療法があります:

多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

造血幹細胞移植を伴う大量化学療法

まず、がん細胞を死滅させる目的で大量化学療法を行います。すると、このがん治療によって、造血幹細胞(未熟な血液細胞)を含めた正常な細胞も破壊されてしまいます。そこで造血幹細胞移植を行って、造血幹細胞を新しいものに置き換えます。患者さん(自家移植の場合)またはドナー同種移植の場合)から血液や骨髄を採取し、そこから幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して凍結保存しておきます。化学療法の終了後に、保存していた造血幹細胞を解凍し、それを点滴で患者さんの体内に戻します。体内に戻された造血幹細胞が成長することで、血液の機能が回復します。

ドナー造血幹細胞移植(1枚目):この図は、アフェレーシス装置を用いてドナーの血流から幹細胞を採取している様子を示している。ドナーの腕の静脈から血液を採取して、幹細胞を取り出す装置の中を通過させる。残った血液は反対側の腕の静脈からドナーの体内に戻される。(2枚目):この図は、患者の胸部に入れられたカテーテルから化学療法薬が投与されている様子を示している。化学療法は、がん細胞を殺傷する効果があり、患者の体がドナーの幹細胞を受け入れる環境を作るために行われる。(3枚目):この図は、患者が胸部のカテーテルからドナー幹細胞の投与を受けている様子を示している。

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ドナー造血幹細胞移植。(ステップ1):ドナーから造血幹細胞を採取する4~5日前に、血流内を循環する幹細胞の数を増やすための薬剤をドナーに投与します(図には示されていません)。その後、ドナーの腕の太い静脈から造血幹細胞を採取します。造血幹細胞を取り出すアフェレーシス装置の中に血液を流します。残った血液は反対側の腕の静脈からドナーの体内に戻されます。(ステップ2):患者さんに化学療法を行うことでがん細胞を殺傷して、患者さんの体がドナーの造血幹細胞を受け入れる環境を作ります。放射線療法を行う場合もあります(図には示されていません)。(ステップ3):患者さんにドナー幹細胞を投与します。

免疫療法

免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。体内で生産された物質や人工的に作られた物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながん治療は生物学的療法の一種です。

多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図るがん治療です。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域に放射線を照射する方法です。

手術

腫瘍を取り除く手術を行うことがあります。手術時に視認できるがんを全て切除した場合も、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、手術後に放射線療法が行われることがあります。このようにがんの再発リスクを減らすために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、徴候や症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに状態を注意深くモニタリングしていくことです。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

治療法の新しい組み合わせ

免疫療法、化学療法、ステロイド治療、薬物療法などを様々に組み合わせた治療法が、臨床試験で研究されています。セリネキサーを使用する新しい治療レジメンも現在研究中です。

形質細胞腫瘍の治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療によって引き起こされる副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

支持療法は、疾患やその治療が原因で生じた問題を軽減するために行われます。

これは、疾患や治療によって引き起こされる問題や副作用をコントロールし、生活の質を改善する治療です。支持療法は、多発性骨髄腫やその他の形質細胞腫瘍が原因で生じる問題を治療する目的で行われます。

支持療法には以下のようなものがあります:

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

がんに対する今日の標準治療の多くは、過去に行われた臨床試験の結果を根拠としています。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、まだ人に用いられたことがない新しい治療法を受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがん治療を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が新しい効果的な治療法の発見につながらなくても、しばしば重要な問題に対する答えが得られ、研究を前進させる助けになります。

患者さんはがん治療の開始前だけでなく、開始後でも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要になることもあります。

治療を進めるにつれて、フォローアップ検査または定期検査が行われます。がんの診断病期診断のために実施された検査の中には、治療の効果を確認するために繰り返し行われるものもあります。治療の継続、変更、中止などの決定がそれらの検査結果に基づいて判断されることもあります。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。それらの検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんが再発したかどうかを知ることができます。

意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)の治療法は、通常は注意深い経過観察です。血液中のM蛋白の量を測定する血液検査と、がん徴候症状を調べる身体診察を定期的に行っていきます。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

骨の孤立性形質細胞腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

骨の孤立性形質細胞腫の治療法は、通常は骨病変に対する放射線療法です。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

髄外性形質細胞腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

髄外性形質細胞腫に対する治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

難治性多発性骨髄腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

徴候症状がみられない患者さんでは、治療が必要ない場合もあります。そのような患者さんに対しては、徴候や症状が現れるまで注意深い経過観察を続けることがあります。

徴候や症状が現れた患者さんは2つのグループに分類され、それに応じて受ける治療が異なります:

65歳未満の患者さんは通常、若年で適格とみなされます。75歳以上の患者さんは通常、造血幹細胞移植に不適格です。65歳以上75歳未満の患者さんの適格性は、健康状態やその他の要因を考慮して判定されます。

多発性骨髄腫の治療は通常、段階的に行われます:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

再発または難治性多発性骨髄腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

再発または難治性多発性骨髄腫に対する治療法には以下のようなものがあります:

使用される薬剤としては以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

形質細胞腫瘍についてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している多発性骨髄腫とその他の形質細胞腫瘍に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資料については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を含む)の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。詳しい情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Plasma Cell Neoplasms (Including Multiple Myeloma) Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/myeloma/patient/myeloma-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389437]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。

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