ご利用について
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、子宮内膜がん(子宮体がん)のスクリーニングについて包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
CONTENTS
- 証拠の概要
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子宮内膜がん(子宮体がん)の予防;子宮内膜がん(子宮体がん)の治療;および子宮肉腫の治療については、別のPDQ要約を参照できるようにしてある。
経膣超音波検査:有益性
超音波検査(例えば、経膣超音波検査[endovaginal ultrasound]または経膣超音波検査[transvaginal ultrasound])によるスクリーニングで子宮内膜がん死亡率が低下するという証拠は存在しない。子宮内膜がん症例のほとんど(85%)は症状があるために診断され、それにもかかわらずこうした症状は“早期”であり生存率が高い。
経膣超音波検査:有害性
固い証拠によると、症候のない女性をスクリーニングすると、偽陽性の検査結果のため不必要な追加生検の原因となる。偽陽性の検査と関連するリスクには、不安感および生検による合併症が挙げられる。
子宮内膜サンプリング(生検):有益性
子宮内膜サンプリング(すなわち、生検)によるスクリーニングで子宮内膜がん死亡率が低下するという証拠は不十分である。子宮内膜がん症例のほとんど(85%)は症状があるために診断され、それにもかかわらずこうした症状は“早期”であり生存率が高い。
子宮内膜サンプリング(生検):有害性
固い証拠によると、子宮内膜組織診は、不快感、出血、感染、まれに子宮穿孔を引き起こす。
- 意義
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子宮内膜がんの疫学
発生率と死亡率
子宮内膜がんは米国女性で最も頻度の高い婦人科浸潤がんで、2021年には新たに約66,570例の発症およびこのがんによる12,940人の女性の死亡が推定される。[ 1 ]子宮内膜がんは主に閉経後女性の疾患であり、診断時の平均年齢は60歳である。[ 2 ]米国における子宮内膜がんの年齢調整発生率は1975年以降低下しており、1973年から1978年に認められた発生率の一時的増加は、ホルモン療法としても知られるエストロゲン療法と関連したが[ 3 ]、死亡率の増大とは関連しなかった。2000年代半ばより、発生率は年当たり約1%増加した。2009年から2018年までの間に、子宮内膜がんの死亡率は年当たり約2%増加した。[ 1 ]子宮内膜がん症例のほとんどは症状があるために診断され、それにもかかわらずこうした症状は早期であり生存率が高い。
危険因子
プロゲステロン療法によって対抗されていないエストロゲン療法は、子宮が損なわれていない女性における子宮内膜がんの原因である。しかしながら、エストロゲン-プロゲステロン併用療法(ホルモン療法)を受けている女性は、閉経後ホルモン療法を受けていない女性とほぼ同じリスクを示す。[ 4 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ]タモキシフェン療法もまた子宮内膜がんの原因である。National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project P-1試験の結果から、プラセボ投与群女性1,000人当たり0.91人と比較して、タモキシフェン投与群女性の子宮内膜がんの年間発生率は1,000人当たり2.30人とリスクの倍加が報告されている;リスク増加は主として閉経後女性にみられた。[ 9 ]
対抗されていないエストロゲン療法またはタモキシフェン使用女性において観察される子宮内膜がん発生のリスク増加に加え、多くの追加的危険因子が同定されており、そのほとんどはエストロゲン作用と関係するらしい。このような因子には肥満、高脂肪食、未産婦、多嚢胞性卵巣症候群、早発月経および遅発閉経のような生殖因子が挙げられる。遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)症候群は、一般集団の女性に比べて、子宮内膜がんリスクの著明な増大と関連する。HNPCC保因女性では、子宮内膜がんの累積発生率は70歳までに20~60%にのぼると推定される(詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約を参照のこと)。[ 10 ][ 11 ][ 12 ]このリスクは生殖細胞系の突然変異に基づいてわずかに異なるようである;MLH1保因者では70歳時の生涯リスクが25%である一方、MSH2突然変異保因者は70歳までに35~40%の子宮内膜がん生涯リスクを有する。MLH1またはMSH2保因者の診断時平均年齢は、非遺伝性子宮内膜がんの60歳と比較して、47歳である。[ 13 ]HNPCC関連子宮内膜がんと非遺伝性子宮内膜がん間の予後および生存はほぼ同じである。[ 14 ]
発見時の子宮内膜がんの病期およびその後の生存には、黒人女性と白人女性との間に大きな差が存在する。黒人女性の方が子宮内膜がんの発生率は低いが、死亡率は高い。米国国立がん研究所は、Black/White Cancer Survival Studyを開始し[ 15 ]、黒人女性における進行病期子宮内膜がんの過剰リスクは、より高い悪性度およびより侵攻性の組織像と関連しているようであると結論付けた。子宮内膜がんに罹ったアフリカ系アメリカ人女性のより低い生存率に対して、生物学および社会経済的状態が及ぼす影響を解き明かすことは困難である。証拠から、低所得は進行病期子宮内膜がん、子宮摘出を受ける確率の低さ、および生存率の低さと関連しているということが示唆されている。[ 16 ]しかしながら、別の証拠の主張から、患者の報告による症状から初回診察までの期間に黒人と白人間の差はみられず、症状発現後の患者の遅れが、黒人女性にみられる進行病期疾患が過剰なことの原因の大半を説明しているとは考えられない。[ 17 ]なぜ黒人女性はより侵攻性の疾患を診断され、白人女性より子宮内膜がん発生率が低いにもかかわらず、死亡する確率が高い傾向があるのかを解明するにはさらなる研究が必要である。
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- 便益の証拠
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経膣超音波検査(TVU)による子宮内膜厚(ET)の測定および細胞診を伴う子宮内膜サンプリングは、子宮内膜がんの実現可能なスクリーニング法として提案されている。子宮頸がんのスクリーニングにおいて成功を収めているパパニコロウ(Pap)試験は、子宮内膜がんの検出にはあまりにも感度が悪く、スクリーニング法として用いられない[ 1 ]が、ときにパパニコロウ試験は偶発的に子宮内膜がんなどの子宮内膜の異常を同定することがある。
症状のない女性において、子宮内膜がん死亡率に対する影響について評価されたルーチンの子宮内膜がんスクリーニング検査はない。[ 2 ][ 3 ]高リスク集団は同定可能であるが、これらの高リスク集団の子宮内膜がん死亡率低下におけるスクリーニングの便益は評価されていない。症状のない女性[ 4 ]における異常なETを決定するために症状のある女性[ 5 ]と同じカットオフ値を用いると、多数の偽陽性検査結果が得られ、細胞学的評価への不必要な紹介が多くなる。子宮内膜癌のリスクが高い特定の女性グループをスクリーニングすることに関して公表されている推奨事項は、推定的有益性に関する意見に基づいている。[ 6 ]
子宮内膜がんのスクリーニング法
膣出血を認める女性における超音波検査
TVUは、膣出血を伴う症状のある女性を評価するための診断ツールとして使用される。閉経後の子宮出血およびがんを認める女性では、96%がETの異常(6mmを超える)を有する。特異度は女性がホルモン療法を使用していたかどうかによって異なる。非使用者における特異度は92%であった。[ 5 ]無症状の女性におけるTVUの正確度を評価する努力はほとんど行われていない。無症状の女性に同じETのカットオフ値を使用した場合、偽陽性はきわめて高くなり、陽性適中率は非常に低くなるであろう。[ 4 ]子宮内膜がんによる死亡率の低下についてTVUによるスクリーニングの効力を評価した研究は存在しない。
ある研究者グループは、閉経後の出血(PMB)を報告する女性(エストロゲン-プロゲスチン療法[ホルモン療法]および非ホルモン使用者)における子宮内膜がんの予測因子としてETのTVUによる測定を評価するため、ゴールドスタンダードとして子宮内膜掻爬術(D&C)を使用した。掻爬術の病理組織学に基づき、参加者339人中、39人(11.5%)が子宮内膜がんと診断された(ETは4人が5-7mmで、35人が8mmを超えた)。ETが4mm未満の女性にがんは検出されなかった。4mmのカットオフ点を使用すると、TVUは100%の感度、60%の特異度を有する。[ 7 ]この集団の女性の46%(156人)でETが4mmを超えていた。
膣出血を認めない女性における超音波検査
骨粗鬆症の予防に関する試験[ 8 ]に適格と予想される無症状の閉経後女性を対象に、ランダム化の適格性判定の一環として行われたTVUと子宮内膜吸引とを比較した。TVUは1,926人の女性に実施された。このうち93人の女性のETは6mmを超えていた。ETに異常を認めた93人のうち42人に子宮内膜吸引を実施したところ、ひとりに異常な病理所見が認められた(腺がんまたは子宮内膜異型増殖であると判定された)。ETが6mm以下の女性1,833人のうち1,750人に子宮内膜吸引を実施したところ、5人の病理生検結果に異常が認められた。この無症状の閉経後女性からなる集団では、TVUの推定感度は閾値6mmで17%、閾値5mmで33%であった。
1件の研究において、ホルモン療法を受けている無症状の閉経後女性のコホートを対象に、TVUの有用性が評価された。TVUと子宮内膜組織診の両方を受けたPostmenopausal Estrogen and Progestin Interventions Trialの参加者を対象に、プラセボ群、エストロゲン単独群およびエストロゲン-プロゲスチン療法群について感度、特異度、陽性予測値および陰性予測値を求めた。ETの閾値を5mmとした場合、TVUの感度は90%、特異度は48%であった。この閾値では半数以上の女性が生検を受診したが、重篤病変を認めたのはわずか4%であった。[ 9 ]
別の研究では、ホルモン療法研究登録前の症状のない閉経周辺期および閉経後女性801人から子宮内膜組織診の標本が得られた。標本のうち75%の標本が診断に十分な組織を含んでいた。これらの女性のうち、1例の子宮内膜がんが診断され、症候のない女性におけるスクリーニングの低い収率および子宮内膜腔へのアクセスの難しさが示された。[ 10 ]
TVUは無症状および潜伏性の子宮内膜疾患を評価するのに用いることができるが、この技術は無症状の女性の死亡率を下げるためのスクリーニング法としては、これまで評価されていない。
タモキシフェンを使用している女性における超音波検査
タモキシフェンは乳がんに対する補助療法の一環として、および乳がんのリスクが高い女性に対する化学予防として広く使用されている。乳がんに対する予防効果とともに、タモキシフェンの生物学的および内分泌効果は患者が子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜がんなどの子宮内膜疾患を発症するリスクを増加させる。
子宮内膜がんによる病的状態を早期発見により低下させる試み、および子宮内膜がんを発見するために女性にスクリーニングを実施する1つの方法として経膣超音波検査の使用は関心を集めている。
6年間にわたってタモキシフェンを使用した女性304人を対象とした1件のプロスペクティブ観察研究において、女性は年1回の経膣超音波検査スクリーニングを受けた;超音波所見に異常が認められた女性および出血を伴う症状がある女性はすべて、子宮内膜生検を受けた。超音波検査結果の32%は明らかな子宮の異常の同定と関連し、これらの異常にはさらなる内科的または外科的介入および治療が必要であった。しかしながら、ほとんどの異常(80%)は治療を必要としない良性ポリープであった。6例の原発性子宮内膜がんが同定され、すべての症例が不規則出血を呈した。超音波の感度はわずか63.3%であり、特異度は60.4%で、がんに対する陽性適中率は低く、わずか1%であった。[ 11 ]
他の報告も同様の結果を示している。タモキシフェンを使用している無症状の女性におけるルーチンの超音波サーベイランスは、特異度および陽性適中率が低いため、有用ではない。タモキシフェンを受けている女性における子宮内膜の評価は、膣出血を伴う症状のある女性に限定すべきである。
生食注入超音波検査
生食注入超音波検査(sonohysterography、hydrosonography)は無症状の女性におけるガイド下生検に役立てるために用いられる診断検査で、占拠性子宮内膜病変と子宮内膜-筋層接合部の異常とを区別することができる。生食注入超音波検査を用いたルーチンのスクリーニングによって臨床的便益が得られるという証拠はない。
子宮出血を認める女性における子宮内膜サンプリング
異常子宮出血の状況において、子宮内膜サンプリングは、部分的子宮内膜掻爬(D&C)のような、侵襲性の高い手技に代わる方法として広く支持されている。子宮内膜病理所見を同定するには、いくつかの生検法(例、Pipelle法、Tao Brush法、およびUterine Explora Curette法)がある。子宮出血を認める女性の評価における最初の選択として子宮内膜サンプリングが一般にD&Cに取って代わりつつあるが、子宮内膜腔へのアクセスおよびサンプリングのエラーの問題によって陰性の検査結果の臨床的意義が限定される。Arimidex、タモキシフェンの単剤または併用(Arimidex, Tamoxifen, Alone or in Combination)試験では、生検の36%が診断には不十分な組織しか含まなかった。PMBのメタアナリシスでは、子宮内膜がんの女性の91% (95%信頼区間[CI]、87%–93%)がPMBを報告したことが報告された。ただし、PMBの女性のうち、子宮内膜がんと診断されたのはわずか9%(95% CI、8%–11%)であった。組織特異的な推定値がないため、この報告には限界がある。[ 12 ][ 13 ]
子宮内膜がん死亡率の低下に関してルーチンのスクリーニングとして子宮内膜サンプリングの使用を評価している研究はない。
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- 特殊集団
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ホルモン療法
ホルモン療法としても知られるエストロゲン-プロゲスチン療法前または療法中の女性にスクリーニングを実施することで子宮内膜がん死亡率が低下することを示唆する証拠はない。[ 1 ][ 2 ]そのため、ホルモン療法中の女性は、異常出血が認められたらすぐに診断的精密検査を受けるべきである。ある種のホルモン療法レジメンを使用している女性では子宮内膜がんのリスクが高くなるが、がんが発生する女性のほとんどに膣出血がみられる。これらの女性にスクリーニングを実施することで子宮内膜がんの死亡率が低下するという証拠はない。
遺伝性非ポリポーシス大腸がん
遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)の女性およびHNPCCのリスクが高い女性に対する子宮内膜がんの生涯リスクは60%に及ぶ。これらの症例はしばしば、散発例よりも10~20年早い40歳代で診断される。[ 3 ][ 4 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ]限定的な証拠によると、子宮内膜がんと診断されたHNPCC女性の5年生存率は一般集団における非遺伝性症例の生存率と類似しているようである。[ 8 ]これらの女性では子宮内膜がんのリスクが非常に高いため、国際的指針では、25~35歳の女性に対して子宮内膜組織診を伴う年1回の経膣超音波検査を含む婦人科学的監視が提案されている。[ 9 ][ 10 ]最近のAmerican Cancer Society Cancer Detection Guidelines(2005年1月更新)では、35歳で開始する子宮内膜組織診を用いた年1回のスクリーニングを推奨している。[ 11 ]
タモキシフェン治療女性
子宮内膜がんのリスクはタモキシフェン投与女性では高く、エストロゲン療法の既往歴を有する女性のサブセットではさらに高い。[ 12 ]タモキシフェン投与女性での子宮内膜疾患を検出するスクリーニング検査および方法は、異常出血の既往歴を調べるルーチンの婦人科検査以上に、個々の婦人科医の裁量に委ねるべきと推奨されている。[ 13 ]通常、特に経膣超音波検査(endovaginal ultrasound)スクリーニング検査が偽陽性のタモキシフェン投与女性において子宮内膜の異常が認められる。より重要なことは、いかなる異常子宮出血も完全に評価することである。
タモキシフェンで治療された女性に発生する子宮内膜がんは病期、悪性度、および組織学的所見に関して一般集団に発生する子宮内膜がんとほとんど差がない。[ 14 ][ 15 ][ 16 ]予後は良好で、早期発見による影響を受けない。[ 17 ]
乳がんの治療または予防のためにタモキシフェンを投与されている女性において、死亡率に対する子宮内膜がんスクリーニングの効果を評価している研究は発表されていない。
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- 有害性の証拠
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超音波検査の異常は典型的に、子宮内膜組織診(サンプリング)を含むさらなる調査を必要とする。子宮内膜サンプリングは、不快感、出血、感染、およびまれに子宮穿孔の原因になるという固い証拠がある。膣出血を認める女性683人において、盲目生検、細胞診を伴う子宮鏡検査、および超音波検査の性能、患者の受け入れ、および費用対効果を評価するためにデザインされた研究では、細胞診を伴う子宮鏡検査を受けた女性の16%、および盲目生検を受けた女性の10%において不快感および苦痛などの軽症のイベントが発生したと報告された。[ 1 ]ある研究者グループにより、13,600例の診断的子宮鏡検査手技および子宮鏡手術手技が調査され、診断的手技の合併症発生率(0.13%)は手術手技(0.28%)よりも低いことが明らかにされた。[ 2 ]偽陽性の検査結果と関連するリスクには、不安感および追加的な診断検査と外科手術が挙げられる。子宮内膜がんは子宮内膜サンプリングおよび超音波検査では見逃されることがある。
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- 本要約の変更点(03/24/2021)
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PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。
意義
新規症例数および死亡数の推定値に関する統計を2021年度用に更新(引用、参考文献1としてAmerican Cancer Society)。また、本文で以下の記述が改訂された;2000年代半ばより、子宮内膜がんの発生率は年当たり約1%増加した;2009年から2018年までの間に、子宮内膜がんの死亡率は年当たり約2%増加した。
本要約はPDQ Screening and Prevention Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。
- 本PDQ要約について
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本要約の目的
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、子宮内膜がん(子宮体がん)のスクリーニングについて包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
査読者および更新情報
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:
要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。
本要約の内容に関するコメントまたは質問は、ウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。
証拠レベル
本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Screening and Prevention Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。
本要約の使用許可
PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。
本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:
PDQ® Screening and Prevention Editorial Board.PDQ Endometrial Cancer Screening.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/uterine/hp/endometrial-screening-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389229]
本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。
免責条項
これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。