医療専門家向け 大腸がんの予防(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、大腸がんの予防について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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リスクのある個人

大多数の人で、大腸がん(CRC)のリスクを高める主要因子は加齢である。50歳を過ぎるとリスクが劇的に増加する;全CRCの90%がこの年齢を過ぎてから診断される。発生率および死亡率は米国の他の人種と比較してアフリカ系米国人が高いが、1件のメタアナリシスでは、アフリカ系米国人の前がん病変の発生率が高いという証拠は得られなかった。[ 1 ][ 2 ]第一度近親者におけるCRCの家族歴は、特に55歳前であれば、リスクをほぼ倍増させる。CRCの個人歴、高リスクの腺腫または卵巣がんはCRCのリスクを高める。[ 3 ]他の危険因子は年齢および家族歴より弱い。潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患を有する人々は、発症後約8年後にCRCのリスクが非常に高く、頻繁な結腸鏡検査によるサーベイランスを受けることが推奨される。[ 4 ]CRCの中での割合は少ない(5%未満)が、家族性大腸腺腫症および遺伝性大腸非ポリポーシスを含む遺伝的素因を有する人に発生する。

参考文献
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概要

注:大腸がんのスクリーニング結腸がんの治療および直腸がんの治療については、別のPDQ要約を参照できるようにしてある。

大腸がんリスク増加の十分な証拠がある因子

過度のアルコール摂取

観察研究から得られた固い証拠によると、過度のアルコール摂取は大腸がん(CRC)のリスク増加と関連している。[ 1 ][ 2 ]

影響の大きさ:8件のコホート研究を対象としたプール解析では、45g/日を超える摂取で調整後相対リスク(RR)が1.41(95%信頼区間[CI]、1.16-1.72)と推定されている。[ 1 ]

喫煙

固い証拠によると、喫煙はCRCの発症およびそれによる死亡の増加と関連している。

影響の大きさ:106件の観察研究を対象としたプール解析では、CRC発症の調整後RR(現在喫煙者 vs 非喫煙者)が1.18(95%CI、1.11-1.25)と推定された。[ 3 ][ 4 ]

肥満

固い証拠によると、肥満はCRCの発症およびそれによる死亡の増加と関連している。

影響の大きさ:1件の大規模なコホート研究では、肥満指数が29を超える女性における結腸がん発症の調整後RRは1.45(95%CI、1.02-2.07)であった。[ 5 ][ 6 ]他の大規模なコホート研究でもCRCによる死亡に同様な増加が認められている。[ 7 ][ 8 ]

大腸がんおよび他の遺伝性疾患の家族歴/個人歴

固い証拠によると、第一度近親者におけるCRCの家族歴またはCRCの個人歴は、CRCのリスクを増加させる。[ 9 ][ 10 ][ 11 ][ 12 ]家族性大腸腺腫症および遺伝性非ポリポーシス大腸がんといった遺伝的素因を有することもCRCのリスクを増加させる。[ 13 ]

影響の大きさ:家族性大腸腺腫症の個人における40歳までのCRCのリスクは、100%という高さに及ぶ。リンチ症候群の個人のCRCの生涯リスクは約80%である。

家族歴および遺伝性疾患に関する詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約を参照のこと。

大腸がんリスク低下の十分な証拠がある因子

身体活動

固い証拠によると、規則的な身体活動はCRC発症の減少と関連している。

影響の大きさ:52件の観察研究を対象としたメタアナリシスで、CRC発症において統計的に有意な24%減少が認められた(RR、0.76;95%CI、0.72-0.81)。[ 14 ]

大腸がんリスク低下の十分な証拠がある介入

アスピリン:有益性

固い証拠によると、毎日のアスピリン(アセチルサリチル酸[ASA])により、10~20年後のCRCの発生率および死亡率が低下する。これは、心血管疾患の一次および二次予防に用いられるアスピリンに関する試験3件の個別の参加者レベルのデータに対するメタアナリシスに基づいている。[ 15 ][ 16 ][ 17 ]

影響の大きさ:ASAの使用は開始後約10~19年で、長期のCRC発生リスクを40%低下させる(ハザード比[HR]、0.60;95%CI、0.47-0.76)。[ 18 ]ASA 75~1,200mg/日の用量により、CRCによる死亡の20年リスクは約33%低下する(HR、0.67;95%CI、0.52-0.86)。[ 16 ][ 17 ]

アスピリン:有害性

固い証拠によると、ASA使用の有害作用には、消化管出血および出血性脳卒中などの過度の出血が含まれる。

影響の大きさ:非常に低用量のASA使用(すなわち、毎日または隔日で100mg以下)により、10年間で1,000人当たり14例(95%CI、7-23)の追加の重大な消化管出血イベントおよび3.2例(95%CI、-0.5-0.82)の過剰な出血性脳卒中が発生すると推定される。これらのリスクは加齢に伴って増加する。[ 19 ]

ホルモン療法(エストロゲン + プロゲスチン)

固い証拠によると、併用ホルモン療法(抱合型ウマエストロゲンおよびプロゲスチン)により、浸潤性CRCの発生率が低下する。[ 20 ]

中等度の証拠によると、抱合型ウマエストロゲンおよびプロゲスチンの併用によって、CRCの死亡率低下における有益性はほとんどまたは全く得られない。エストロゲン + プロゲスチン(平均5.6年間の介入および11.6年間の追跡が実施された)を評価したWomen's Health Initiative(WHI)のランダム化プラセボ対照試験からのデータにより、併用ホルモン療法を受けた女性は診断時のがんの病期が統計的に有意に高かった(所属領域および遠隔領域)が、プラセボを受けた女性と比較したCRCによる死亡数に統計的有意差はみられなかったがことが示された。[ 20 ]

影響の大きさ:併用ホルモン療法群ではプラセボ群よりもCRCが少なかった(0.12% vs 0.16%;HR、0.72;95%CI、0.56-0.94)。複数のコホート研究を対象にしたメタアナリシスでは、併用ホルモン療法に関連したCRCの発生に対するRRは0.86(95%CI、0.76-0.97)であった。

併用ホルモン療法群でのCRCによる死亡数は37例であったのに対し、プラセボ群での死亡数は27例であった(0.04% vs 0.03%;HR、1.29;95%CI、0.78-2.11)。

ホルモン療法(エストロゲン + プロゲスチン):有害性

固い証拠によると、閉経後のエストロゲン + プロゲステロンホルモン併用の有害作用には、乳がん、冠動脈心疾患、および血栓塞栓性イベントのリスク増大が含まれる。

影響の大きさ:WHIは、ホルモン併用群で浸潤性乳がんにおける26%の増加、冠動脈心疾患イベントにおける29%の増加、脳卒中発生率における41%の増加、および血栓塞栓性イベントの2倍高い発生率を示した。[ 21 ]

ポリープ切除:有益性

中等度の証拠によると、腺腫性ポリープ切除は、CRCのリスクを低下させる。この低下の多くは、大きな(すなわち、1.0cmを超える)ポリープの切除から得られた可能性が高いが、それよりもはるかに多くみられる小さなポリープの切除から得られる有益性は不明である。すべてではないが一部の観察的証拠では、この低下が右側のCRCより左側のCRCで大きい可能性があることを示している。[ 22 ][ 23 ][ 24 ]

影響の大きさ:不明、おそらくポリープが小さいよりは大きい(すなわち、1.0cmを超える)方が影響が大きい。

ポリープ切除:有害性

固い証拠によると、ポリープ切除の主な有害作用には結腸の穿孔および出血が含まれる。

影響の大きさ:手術1,000件当たり7~9イベント。[ 26 ][ 27 ][ 28 ]

大腸がんに関連する証拠が不十分な因子

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID):有益性

NSAIDの使用によりCRCリスクが低下するという証拠は不十分である。遺伝的素因はないが過去に結腸腺腫を切除した既往がある人では、3件のRCTにおいて、セレコキシブ[ 29 ][ 30 ]およびロフェコキシブ[ 31 ]により、 追跡期間が短すぎるためCRCの発症またはそれによる死亡に影響するかどうかは判断できないものの、腺腫の再発率が減少することが明らかになった。

固い証拠によると、NSAIDは腺腫のリスクを低下させるが、これがCRCの減少にどの程度つながるのかは不明確である。

NSAID:有害性

固い証拠によると、NSAID使用による有害作用は比較的多くみられ、重篤となる可能性があるとともに、上部消化管出血および慢性腎疾患のほか、心筋梗塞、心不全、および出血性脳卒中などの重篤な心血管イベントが含まれる。[ 32 ]最近の報告で、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬のセレコキシブ(200mg/日)と非選択的非ステロイドのナプロキセン(850mg/日)およびイブプロフェン(2,000mg/日)が重度の関節炎を有する個人(すなわち、一次予防として低用量を用いていない)において、比較された。結果から、非選択的非ステロイドの投与を受けた個人では、重篤な心血管イベントが少なくなるということはないことが示された。ただし、この研究では、より低用量での安全性の比較またはCOX-2阻害薬のロフェコキシブの安全性については評価されなかった。[ 33 ]

影響の大きさ:平均リスクの人で推定されるNSAIDに起因する上部消化管合併症の平均過剰リスクは、年間1,000人当たり4~5人である。[ 34 ][ 35 ]しかしながら、この過剰リスクは基礎の消化管リスクに伴って変動し、10%を超える使用者では、追加症例がおそらく年間1,000人当たり10例を超える。[ 36 ]重篤な心血管イベントは50~60%増加する。[ 35 ]

カルシウム補給

カルシウム補給によりCRCリスクが低下するかどうかを判断するには、証拠が不十分である。

食物要因

成人期に開始した脂肪および肉が少なく、繊維、果物および野菜を多く含む食事は、臨床的に重要なレベルまでCRCのリスクが低下したという信頼できる証拠は得られていない。

大腸がんに関連しない証拠が十分にある因子および介入

エストロゲン単独療法:有益性

中等度の証拠によると、抱合型ウマエストロゲンは、浸潤性CRCの発生率、または生存率に影響しない。[ 37 ]

影響の大きさ:該当せず。

スタチン:有益性

固い証拠によると、スタチンではCRCの発生率またはそれによる死亡率は低下しない。

スタチン:有害性

固い証拠によると、スタチンによる有害作用は小さい。

参考文献
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証拠の記述

発生率および死亡率

大腸がん(CRC)は、世界で3番目に多くみられる悪性新生物であり[ 1 ]、男女とも米国のがんによる死因の第3位となっている。[ 2 ]米国では2021年に新たに149,500人が診断され、52,980人が同疾患により死亡すると推定されている。[ 2 ]2013年から2017年には、米国におけるCRCの発生率は1年当たり約1%減少した。[ 2 ]過去20年にわたり、男女ともに死亡率は減少している。2014年から2018年までの間に、死亡率は年当たり約2%低下した。[ 2 ]発生率および死亡率は米国の他の人種と比較して黒人が高いが、1件のメタアナリシスでは、黒人の前がん病変の発生率が高いという証拠は得られなかった。[ 3 ][ 4 ][ 5 ]

5年生存率は全体で65%となっている。米国人の約4.15%が、その生涯のうちに大腸がんを発症すると予想される。[ 2 ][ 6 ]CRCのリスクは40歳を過ぎると増大し、50~55歳に急激に増加する;これ以降10歳年齢が上がるごとにリスクは倍増し、指数関数的に増大を続ける。外科技術および補助療法が進歩しているものの、進行がんの生存率はわずかに改善をみているに過ぎない。[ 7 ][ 8 ]このため、CRCの罹病率および死亡率を減少させるには、有効な一次予防ならびに二次予防へのアプローチを開発する必要がある。

予防の定義

一次予防には、臨床症状を示すCRC発症およびそれによる死亡を防ぐ目的で、CRCの臨床症状が現れる前の医薬品の使用または他の介入を含む。

大腸がんの病因と発生機序

遺伝学研究[ 9 ][ 10 ]、実験研究[ 11 ][ 12 ]、ならびに疫学研究[ 13 ][ 14 ][ 15 ]の結果、CRCは、遺伝による易発がん性と環境因子とが互いに複雑に作用して発症することが示唆されている。CRCの発生率および死亡率に対するこれらの因子の正確な性質および関与は、現在継続されている研究の対象である。

大腸がんリスク増加の十分な証拠がある因子

過度のアルコール摂取

CRCとアルコール飲料の摂取との間に関連性を示す証拠が報告されている。8件のコホート研究を対象としたメタアナリシスでは、45g/日のアルコール摂取(すなわち、標準量を1日約3杯)を非摂取者と比較した相対リスク(RR)は、1.41(95%信頼区間[CI]、1.16-1.72)であった。[ 16 ]複数のケースコントロール研究は、アルコール摂取と大腸がんの間に中度~強度の正相関を示している。[ 17 ][ 18 ]あるメタアナリシスにより、この相関性は性別または大腸内の病変部位で変わらないことが明らかになった。[ 19 ]

5つの研究で、アルコール摂取と大腸腺腫との間に関連性が認められている。[ 20 ]食事、遺伝因子、および腺腫-がん連鎖に関するケースコントロール研究がブルゴーニュで実施された。[ 21 ]この研究は、直径10.0mm未満の腺腫とそれ以上の大きさの腺腫との2群に分けて実施された。現在のアルコール摂取と腺腫との間の関連性は、より大きい腺腫の試験群に限定して認められ、腺腫-がん連鎖の促進期にアルコール摂取が作用することを示唆している。[ 21 ]

ある大規模なコホート研究により、アルコール摂取とCRCによる死亡の間に用量反応の相関関係が認められ、1日当たり4杯以上のアルコール摂取を非摂取者と比較したRRは、1.2(95%CI、1.0-1.5)であることが明らかになった。[ 22 ]

喫煙

タバコへの曝露と腺腫との関係に関するケースコントロール研究では、そのほとんどで喫煙者のリスク増大が認められている。[ 23 ]さらに、男女ともに、ポリープ切除後の腺腫再発リスクの有意な増大と喫煙との関連性が指摘されてきた。[ 23 ]Nurses' Health Studyの結果から、がんの潜伏期は最低35年であると考えられる。[ 24 ]同様に、Health Professionals Follow-up Studyにおいて、喫煙歴は、大きなおよび小さな腺腫の両方と関連し、またCRCの少なくとも35年以上の長い誘導期とも関連した。[ 25 ]Cancer Prevention Study II(CPS II)では、全国規模の大規模コホート研究を実施し、多変量調整後のCRCの死亡率は、喫煙している集団が最高で、過去に喫煙歴のある集団が中間、試験実施時にも過去にも喫煙の習慣がなかった集団が最低で、男性、女性ともに喫煙の習慣が20年以上にわたっている集団にリスクの増大がみられた。[ 26 ]CPS IIデータによると、1997年の米国人集団におけるCRCによる死亡症例の12%が喫煙に由来すると推定された。スウェーデンの双胎を対象とした集団ベースの大規模コホート研究では、35年以上にわたる重度の喫煙が結腸がん発生リスクの3倍近くの増大と関連していたが、部位別の分析では、統計的に有意な効果が認められたのは直腸がんのみで、結腸がんについては認められなかった。[ 27 ]別に実施された集団ベースの大規模ケースコントロール研究は、現在喫煙の習慣がある集団および過去10年間に習慣があった集団と結腸がんとの間に関連があるという見解を裏付けている。1日に1箱より多くを吸う集団には、全く喫煙経験のない集団と比べてリスクが50%増大していた。[ 28 ]しかしながら、57,000人のフィンランド人を28年間にわたり追跡調査したところでは、CRCの発生とベースラインの喫煙習慣との間には因果関係がみられなかったが、喫煙を継続してきた集団には57~71%のリスクの増大がみられた。[ 29 ]初期の結腸鏡検査後、4年間追跡調査した集団で、長期にわたる喫煙においても喫煙と腺腫の再発との間に、関連性は認められなかった。[ 30 ]

106件の観察研究を対象としたメタアナリシスにより、CRC発症のRR(喫煙経験者 vs 非喫煙者)は1.18(95%CI、1.11-1.25)で、リスク増加の絶対値は10万人年当たり10.8例のがん発症(95%CI、7.9-13.6)であることが明らかになった。統計的に有意な用量反応作用が認められた。CRCによる死亡に関するデータを扱った17件の研究では、喫煙はCRCによる死亡と関連しており、RR(喫煙経験者 vs 非喫煙者)が1.25(95%CI、1.14-1.37)で、死亡率における増加の絶対値は10万人年当たり6.0例の死亡であった。発症および死亡の両者で、その相関性は結腸がんより直腸がんの方が強かった。[ 31 ]

肥満

3件以上の大規模なコホート研究で、肥満とCRCの発症およびそれによる死亡との間に関係があることが明らかになっている。[ 32 ][ 33 ][ 34 ]Nurses' Health Studyでは、肥満指数(BMI)が29を超える女性は、BMIが21未満の女性と比較して、CRC発症の調整後RRが1.45(95%CI、1.02-2.07)であることが明らかになった。[ 32 ]CPS II[ 34 ]では、BMIが30~34.9の男女におけるCRC死亡の調整後RRは(BMIが18.5~24.9の人と比較して)、1.47(95%CI、1.30-1.66)であり、統計的に有意な用量反応作用が認められた。[ 34 ]この作用は男女とも同等であった。

大腸がんおよび他の遺伝性疾患の家族歴/個人歴

CRCの家族歴に関する最も初期の研究の一部はユタ州の家族に関するもので、その報告ではCRCにより死亡した患者の第一度近親者におけるCRCによる死亡者数(3.9%)は、性別および年齢を一致させた対照群(1.2%)より多かった。以来、この差は多数の研究で再現されており、罹患者の第一度近親者は通常の2~3倍のCRCリスクを有することが一貫して認められている。研究デザイン(ケースコントロール、コホート)、抽出枠、サンプルサイズ、データの検証方法、分析方法、研究の実施国はさまざまであるが、リスクの大きさは一貫している。[ 35 ][ 36 ][ 37 ][ 38 ][ 39 ][ 40 ]

家族性CRCリスクの系統的レビューおよびメタアナリシスが報告された。[ 41 ]分析に含まれた24件の研究のうち、1件を除くすべてで、罹患した第一度近親者が1人いる場合、CRCリスクが増加することが報告された。このプール研究におけるCRCのRRは、罹患した第一度近親者の家系員が1人いる場合、2.25(95%CI、2.00-2.53)であった。11件の研究中、8件では、発端者のがんが結腸に発生した場合は、直腸に発生した場合よりもこのリスクはわずかに高かった。プール解析により、結腸がんおよび直腸がん患者の近親者におけるRRはそれぞれ、2.42(95%CI、2.20-2.65)および1.89(95%CI、1.62-2.21)であったことが明らかにされた。この分析では、腫瘍の部位(右側 vs 左側)に基づく結腸がんのRRの差は明らかにされなかった。[ 41 ]

遺伝性CRCには詳細な報告がある次の2つの形態が存在する:APC遺伝子の生殖細胞変異による家族性大腸腺腫症(FAP)(ポリポーシスの軽症型を含む)[ 42 ][ 43 ][ 44 ][ 45 ][ 46 ][ 47 ][ 48 ][ 49 ]、およびDNAミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞変異により発生するリンチ症候群。[ 50 ][ 51 ][ 52 ][ 53 ]その他多くの家系にCRCおよび/または大腸腺腫の集積がみられるが、確認できる遺伝性症候群との間に明らかな関連はみられず、これらはひとまとめにして家族性CRCとして知られている。[ 53 ]

CRCの遺伝的危険因子に関する詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約を参照のこと。

大腸がんリスク低下の十分な証拠がある因子

身体活動

すべてではないが[ 56 ]、一部の研究において[ 54 ][ 55 ]座位の多い生活様式は、CRCリスクの増加と関連している。身体活動と結腸がんリスクとの間の関係を検討した多数の観察研究。[ 57 ]これらの研究のほとんどが、身体活動レベルと結腸がんの発生率との間に逆の関係があることを示している。RRの減少率の平均は40~50%であると報告されている。米国の大規模なコホート研究では、エネルギー消費量の平均値が高い人と低い人を比較した場合、調整後RRが0.54(95%CI、0.33-0.90)[ 32 ]および0.53(95%CI、0.32-0.88)[ 33 ]で、統計的に有意であることが明らかになった。52件の観察研究を対象としたメタアナリシスでは、全体の調整後RRが0.76(95%CI、0.72-0.81)で、男女とも同等な結果であったことが明らかになった。[ 58 ]

大腸がんリスク低下の十分な証拠がある介入

アスピリン

心血管疾患の予防のためのアスピリン使用について調査したランダム化比較試験(RCT)および観察研究[ 59 ][ 60 ]の個別の参加者レベルのデータに対するメタアナリシスからの証拠により、アセチルサリチル酸(ASA)の使用はCRCの発生率を低下させるが、治療開始後少なくとも10年使用してはじめて低下が認められる(開始から10年以内のCRC発生率の併合されたRRは、0.99[95%CI、0.85-1.15] vs 開始後10~19年経過時のRR、0.60[95%CI、0.47-0.76])ことが示されている。[ 61 ]Women's Health Studyの2 X 2要因ランダム化試験では、ASA 100mgの隔日投与が平均10年間続けられ、17.5年後のCRC発生率が約20%低下した(HR、0.80;95%CI、0.67-0.97)。[ 62 ]82,911人の女性を対象に20年間追跡したNurses' Health Studyの報告では、ASA常用(標準的な325mg錠を週当たり2錠以上)女性における非常用者と比較した結腸がんの多変量RRは0.77(95%CI、0.67-0.88)であった。しかしながら、使用期間が10年以上になるまでは有意なリスク低下(RR)は観察されなかった。[ 63 ]

CRC(T1-T2、N0、M0)で、その後治癒的切除術を受けた患者635人を対象としたランダム化研究では、325mg/日のASA服用と関連して、治療持続期間の中央値が31ヵ月目で、プラセボ群と比較した再発腺腫の調整後RR(0.65;95%CI、0.46-0.91)が減少した。新たな結腸病変発見の可能性はプラセボ群よりASA群の方が低かった(新たなポリープ発見に対するHR、0.54;95%CI、0.43-0.94、P = 0.022)。[ 64 ]大腸腺腫の最近の既往がある患者1,121人を対象とした研究では、治療期間平均値が33ヵ月後で、腺腫の種類にかかわらず、(プラセボ群と比較した)未調整RRは、81mg/日のASA群で0.81(95%CI、0.69-0.96)、325mg/日のASA群で0.96(95%CI、0.81-1.13)であった。進行新生物(直径10.0mm以上または乳頭状あるいは絨毛性の特徴を示す腺腫、重度の異形成、または浸潤がん)では、それぞれRRが81mg/日のASA群で0.59(95%CI、0.38-0.92)、325mg/日のASA群で0.83(95%CI、0.55-1.23)であった。[ 65 ]

ASAはまた、大腸がん死亡率に対する潜在的効果について評価されている。2010年の個別の患者レベルのデータに対するメタアナリシスで、心血管疾患の一次および二次予防に関する4件のRCTから長期(追跡期間中央値、18.3年)のデータが解析された;このメタアナリシスで、少なくとも1年間以上のASA 75~1,200mg/日の使用への割り付けは対照と比較して結腸がんによる死亡の累積リスクを低下させる(HR、0.67;95%CI、0.52-0.86)ことが明らかにされた。アスピリンによる大腸がん死亡率の低下は、ランダム化から10~20年経過後に認められ始めたが、それ以前は認められなかった。[ 60 ]2011年の個別の参加者レベルのデータに対するメタアナリシスで、心血管疾患の一次および二次予防に関する6件のRCTからのデータが調査された。ASA群への割り付け後、試験中の追跡が5年以上継続された試験では、CRC死亡率のハザード比は0.41(95%CI、0.71-1.00)であった。ランダム化後、最初の5年間は統計的に有意な効果が認められなかった。[ 66 ]

英国の5試験を含む6件のRCTがメタアナリシスに含められ、患者はアスピリンまたはプラセボを投与される群にランダムに割り付けられ、試験の予定された平均投与期間は4年以上であった。試験中のすべてのがん死に関する個別の患者データが入手された。英国の3試験では、試験終了後のがん死亡情報は死亡証明およびがん登録から入手され、ランダム化から20年後まで追跡された。個別の患者のデータについて比較的感度の高い生命表法解析よりもむしろ各試験のオッズ比(OR)のメタアナリシスに基づいて、RCTにおけるアスピリン投与への割り付けにより、CRCによる20年間の死亡リスクが低下した。最大用量のアスピリン使用に対するORはCRCリスクについて0.55(95%CI、0.41-0.76)で、何らかのアスピリン使用に対してはCRCリスクについて0.58(95%CI、0.44-0.78)であった。[ 67 ]

現在までのアスピリンの最大規模のランダム化試験であるWomen's Health Study(N = 39,876)では、最初の10年間の追跡期間中、隔日の低用量のアスピリン使用によるCRC死亡率の低下は示されなかった。この研究では、CRC死亡のより長期のリスクについては報告されなかった。[ 62 ]

アスピリンにはその使用に関連する重要な潜在的有害性がいくつかあり、疾患の予防戦略の1つとして使用する場合に考慮しておくべきである。通常の低用量のアスピリン使用で、重大な消化管出血イベントおよび頭蓋内出血イベント(出血性脳卒中など)のリスクが高まる。心血管疾患の一次予防のためのアスピリン使用に関する研究の系統的レビューにより、毎日または隔日の100mg以上のアスピリン使用は重大な消化管出血の個人リスクを58%(OR、1.58;95%CI、1.29-1.95)または頭蓋内出血の個人リスクを30%(OR、1.30;95%CI、1.00-1.68)増加させることが明らかにされた。こうしたリスクは、高齢者、男性、および出血リスクを助長する併存する危険因子を有する個人では大きくなりうる。[ 68 ]

ホルモン療法(エストロゲン + プロゲスチン)

いくつかの観察研究では、閉経後の女性ホルモン補充薬の使用者における結腸がんリスクの低下が示唆されている。[ 69 ][ 70 ][ 71 ][ 72 ]直腸がんのリスクに関しては、ほとんどの研究で全く関連性が観察されていないか、あるいはわずかながらリスクの増大が観察されている。[ 73 ][ 74 ][ 75 ]

Women's Health Initiative(WHI)の試験では、副次エンドポイントとして、エストロゲン + プロゲスチン併用療法とエストロゲン単独療法がCRCの発生率および死亡率に及ぼす影響について調査された。WHIのエストロゲン + プロゲスチンの併用群の女性では追跡が延長され(平均、11.6年)、併用ホルモン療法群ではプラセボ群よりもCRCの診断が少ないことが確認された(HR、0.72;95%CI、0.56-0.94);併用群女性のCRCはプラセボ群女性のCRCよりもリンパ節転移を来している可能性が高く(50.5% vs 28.6%;P < 0.001)、より高い病期(所属領域および遠隔領域)に分類された(68.8% vs 51.4%;P = 0.003)。併用群におけるCRCによる死亡数はプラセボ群よりも高かった(死亡数、37例 vs 27例)が、その差は統計的に有意ではなかった(HR、1.29;95%CI、0.78-2.11)。[ 76 ]

ポリープ切除

National Polyp Study(NPS)からのデータを外部の歴史的対照を用いて解析した研究は、時期の異なる3件の歴史的対照群と比較して、結腸内視鏡的ポリープ切除後のCRC発生率に76~90%の低下がみられるとして、よく引用される。[ 77 ]この研究には、いくつかの点でポリープ切除の見かけ上の効力を誇張するようなバイアスの可能性がある;主な問題は、NPSではベースライン検査時にCRCが認められた場合には、登録可能な者が除外された点である。こうした除外(ベースライン結腸鏡検査)は3つの比較群では行われなかったため、ベースラインにおいてCRCが認められた患者はその後の追跡でCRC発生症例として数えられた。調整が何度か試みられたが、CRCが症状を引き起こさないで、どれくらいの期間潜伏できるかどうか不明なため、この問題が結果に及ぼす影響の大きさを知ることはできない。

NPSコホートを対象にしたさらに長期の追跡研究(追跡期間中央値、15.8年;最長23年)で、(単純に最初の検査でCRCを有する個人の除外によるものではなく)ポリープ切除によるCRC死亡率の約53%の低下が示唆された。しかしながら、低下の程度は、この研究では直接の比較群がなく、主に米国国立がん研究所のSurveillance, Epidemiology and End Results Programからの予想データとの比較に依拠しているため、慎重に検討する必要がある。さらに、影響を及ぼす因子によってもたらされる死亡率低下に関する詳細は不明である。NPSの患者は、1年目と3年目の結腸鏡検査に割り付けられた;結腸鏡検査はまた1年目に2つの比較群の一方にも実施された;6年目にはすべての参加者に結腸鏡検査が実施された。しかしながら、6年目以降、患者が受けた監視およびその監視がCRC死亡率の低下とどの程度関連しているかについては十分に記述されていなかった。[ 78 ]

英国のFlexible Sigmoidoscopy Screening Trialにおける追加の追跡によって、ポリープ切除の(少なくとも結腸の左側への)長期間の効果に関する詳細が明らかにできるだろうと期待されている。[ 78 ]

S状結腸鏡検査スクリーニング(その時点でポリープおよび早期がんが発見されれば、両方とも切除される)の有益性に関する他の証拠では、少なくとも左側の結腸に対しての内視鏡によるスクリーニングの効果は相当大きく、長期にわたることが示唆される。あるRCTでは、170,000人を1回のS状結腸鏡検査群と通常ケア群にランダムに割り付けた。S状結腸鏡検査時にポリープは切除され、がんが発見された後、患者には治療が勧められた。S状結腸鏡検査の所見に基づいて、検査結果が正常または小さな(1cm未満の)管状腺腫が2ヵ所以下の人は低リスクとみなされた;このような人には、結腸鏡検査による精密検査または結腸鏡検査による監視はいずれも勧められなかった。10年間の追跡で、低リスク群(被験者の約95%が低リスク)における左側のCRCの発生率は年間0.02~0.04%であった-このCRCリスクは平均リスクに比べてきわめて低い。このリスク低下の原因は、発見され切除されたポリープの大きさによるものか、またはリスクがより低い人を選択したことによるものかどうかにかかわらず、依然として不明である。[ 79 ]大きなポリープの自然史は十分解明されていないが、いくつかの証拠から、そうした病変が年間約1%の割合で臨床症状を示すCRCになることが示唆される。[ 80 ]左結腸に対する内視鏡検査の効果に関する強力なデータを受けて、複数の研究から得られた証拠から、右結腸におけるCRCによる死亡率の低下に対する内視鏡検査の能力に関して疑念が高まっている。[ 81 ][ 82 ][ 83 ]したがって、内視鏡検査(例えば、結腸鏡検査スクリーニング)の全体的な効果は何か、左側結腸に対する効果には右側に比べて大きな差があるかどうかは不明である。[ 81 ]

他の複数の研究から、CRCに進行する可能性が最も高いポリープは大きなポリープ(すなわち、1.0cmを超える)であり、絨毛性または高悪性度の組織型の特徴を有するポリープのほとんどが含まれることが示唆される。複数のレトロスペクティブ・コホート研究でも、ポリープ切除術に伴う出血を含む有害作用が示されている。[ 84 ][ 85 ]

大腸がんに関連する証拠が不十分な因子

非ステロイド性抗炎症薬

1件の大規模コホート研究(3,894例のCRC症例を含む301,240人)により、毎日または週1回の非アスピリン剤である(non-ASA)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用と近位および遠位結腸がん(ただし直腸は含まない)の10年発生率の低下との関連が明らかにされ、結腸がんについてNSAIDの毎日の使用に対するHRは0.67(95%CI、0.58-0.77)であった。non-ASA NSAIDへの曝露の評価は1回のみであり、評価は自己申告によるものであり、用量または使用期間に関する情報は示されていないため、この単一の研究の確実性は低く評価する必要がある。この知見を受け入れられるようにするには、さらなる研究が必要である。[ 86 ]

NSAIDによりCRC発症が抑えられるかどうか判断するには現時点での証拠は不十分であるが、これらの薬物の一部の効果はシクロオキシゲナーゼ(COX)の活性を阻害する能力によるものであると提言している研究者もいる。COXは、アラキドン酸のプロスタノイド、プロスタグランジンおよびトロンボキサンA2への変換において重要である。NSAIDには、COX-1およびCOX-2と呼ばれる2種類の機能性COXイソフォームに対する第一世代の非選択的阻害薬であるアスピリン(ASA、ここでは個別に取り扱う)などに限らず、主にCOX-2を阻害する、さらに新しい第二世代の薬物も含まれる。通常、COX-1はほとんどの組織に発現しており、主に維持管理の役割(例、消化管粘膜の保護および血小板の凝集)を果たしている。COX-2活性は、ストレス反応および関節炎に特徴的な疼痛と炎症を仲介して伝える際にきわめて重要である。[ 87 ]

非選択的なCOX阻害薬には、インドメタシン(Indocin);スリンダク(Clinoril);ピロキシカム(Feldene);ジフルニサル(Dolobid);イブプロフェン(Advil、Motrin);ケトプロフェン(Orudis);ナプロキセン(Naprosyn);およびナプロキセンナトリウム(Aleve、Anaprox)がある。選択的なCOX-2阻害薬には、セレコキシブ(Celebrex)、ロフェコキシブ(Vioxx)、およびバルデコキシブ(Bextra)がある。ロフェコキシブおよびバルデコキシブは、重篤な心血管イベントのリスク増加との関連から、もはや市販されていない。

セレコキシブとロフェコキシブはどちらも、心筋梗塞、脳卒中、または心不全といった心血管性の原因による用量依存的な死亡など重篤な心血管性イベントと関連している。[ 88 ][ 89 ][ 90 ][ 91 ]このリスク増加を実証した4件の試験を表1に要約する。さらに、任意のNSAIDを他のNSAIDまたはプラセボと比較したすべての大規模RCTを対象としたネットワークメタアナリシスでは、治験薬のいずれかが心血管系の影響に関して安全であることを示した証拠はほとんどないことが明らかになった。ナプロキセンは有害作用が最も少ないと考えられた。[ 92 ]

表1.セレコキシブおよびロフェコキシブの用量/薬物と関連する心血管性のリスク
著者 用量/試験薬 リスク 研究の種類
bid = 1日2回;CI = 信頼区間;CI = 信頼区間;HR = ハザード比;OR = オッズ比;RR = 相対リスク;Rx = 処方。
[ 89 ] ロフェコキシブ < 25mg/毎日;ロフェコキシブ > 25mg/毎日 OR、1.47(0.99-2.17) vs 3.58(1.27-10.17) ネステッドケースコントロール研究におけるすべての使用者
[ 91 ] セレコキシブ200mg/毎日 vs 400mg bid 3.4%;HR、3.4(95%CI、1.4-7.8) 散発性腺腫の予防試験(N = 2,035)
  [ 90 ] ロフェコキシブ 25mg/毎日 RR、1.92(95%CI、1.19-3.11;P = 0.008) 散発性腺腫の化学予防
[ 88 ] ロフェコキシブ 25mg/毎日 RR(推定)、2.66(95%CI、1.03-6.86;P = 0.04) 散発性腺腫の化学予防;研究での治療期間中央値7.4ヵ月

すべてのNSAIDによる他の重大な有害作用は、消化管出血および腎障害である。報告された重大な消化管出血イベントの発生は用量に関連していると考えられる。[ 93 ]

セレコキシブにより腺腫の発生が低下する;しかしながら、散発性CRCのリスクを低下させる上では、セレコキシブに臨床的役割はない。セレコキシブは心血管イベントのリスクが増加するためCRC予防における長期的な効力が示されておらず、CRCによる死亡率を低下させるためにスクリーニングなどの他の有効な方法があるためである。[ 94 ]65歳以上の集団を対象に非アスピリン系NSAIDを使用した集団ベースのレトロスペクティブ・コホート研究では、CRCリスクの低下との関連性が認められ、特に使用期間が長いほど低下した。[ 95 ]

数件の厳密な研究では、家族性ポリポーシスにみられる腺腫の大きさの縮小と数の減少に、スリンダクが有効であることが実証されている。[ 96 ][ 97 ]FAPを認める患者77人のランダム化二重盲検プラセボ対照研究において、セレコキシブ400mgを1日2回で投与した患者は、大腸腺腫平均数が28.0%減少し(プラセボ群との比較におけるP = 0.003)、ポリープ負荷は30.7%減少した(ポリープ直径の総計;P = 0.001)が、これに対してプラセボ群はそれぞれ4.5%および4.9%の減少であった。セレコキシブ100mgの1日2回投与群の減少は、それぞれ11.9%(プラセボ群と比較してP = 0.33)と14.6%(P = 0.09)であった。有害事象の発生率は群間で類似していた。[ 98 ]

NSAIDであるピロキシカムを20mg/日の用量で投与したところ、腺腫の既往歴のある患者の直腸の平均プロスタグランジン濃度を50%減少させた。[ 99 ]ポリープ切除後のポリープ再発に対するASAまたは他の非ステロイド薬の効果を評価する研究がいくつか実施中である。[ 100 ]これらの研究のいくつかでは、粘膜のプロスタグランジン濃度を測定している。

現在、NSAIDを一次予防手段とする可能性について研究が進められている。しかし、いくつか未解決の問題があり、現時点でその使用を一般に推奨することはためらわれる。これらには、こうした薬物の適切な用量および使用期間に関する知見の不足、および平均リスクを有する被験者に対し、消化管潰瘍や出血性脳卒中などの長期的リスクが、スクリーニングまたはサーベイランスの頻度の減少や強度の低下といった期待できる予防的有益性に照らして得策であるかどうかという懸念がある。[ 101 ]

カルシウム補給

あるランダム化プラセボ比較試験では、腺腫の再発リスクに対するカルシウム補給(炭酸カルシウム3g/日[元素カルシウム1,200mg])の効果が調べられた。[ 102 ]その主要エンドポイントは、初回および/または2回目の追跡内視鏡検査において少なくとも1個の腺腫が確認された患者(72%が男性)の割合とされた。少なくとも1個の腺腫の再発(調整後のリスク比[ARR]、0.81;95%CI、0.67-0.99)と腺腫の平均数(ARR、0.76;95%CI、0.60-0.96)の両方について、わずかなリスクの低下が認められた。こうしたカルシウムの効果は、年齢、性別、およびベースラインにおけるカルシウム、脂肪、繊維の食事摂取量のカテゴリーによらずほぼ同じであった。この試験の対象は、大腸腺腫の最近の病歴がある症例に限られており、最初に発生する腺腫リスクに対するカルシウムの効果は確認できず、試験規模も期間も浸潤性CRCのリスクを検討するには不十分であった。カルシウム補給が中止された後、リスクの低下は最大で5年間持続するようである。[ 103 ]他の腺腫再発に関して進められている研究の結果が興味をもって待たれるところである。投与したカルシウム塩の用量も重要であり、試験で通常投与されている用量は1,250~2,000mg/日である。

閉経後女性36,282人に対する1件の二重盲検プラセボ対照ランダム化試験において、カルシウム成分500mgと1日2回の200IUのビタミンD3の平均7.0年間の投与は、浸潤性CRCの減少と関連しなかった(HR、1.08;95%CI、0.86-1.34;P = 0.051)。[ 104 ]10~15年のCRCの潜伏期と最適以下の用量のカルシウムおよびビタミンDを考慮に入れると、追跡期間が比較的短いことが本試験のマイナスの影響の原因であるが、その他の要因もまた原因の可能性がある。[ 105 ]

食物要因

食物脂肪および肉類の摂取

脂肪の総摂取量が多い集団では、結腸がんを発症する割合が高く、摂取量が少ない集団では、その割合は低くなる。[ 106 ]平均すると、発生率の高い西欧諸国では、脂肪が総カロリー摂取量の40~45%に上る;低リスク集団の場合、脂肪は食事から摂取するカロリーの10%に過ぎない。[ 107 ]いくつかのケースコントロール研究が実施され、結腸がんのリスクと肉あるいは脂肪の摂取との関係のほか、タンパク質とエネルギー摂取との関係も検討されている。[ 13 ][ 108 ]肉の摂取または脂肪の摂取との間に正相関が認められているが、その結果は一貫していない。[ 109 ]米国内および米国外でいくつかのプロスペクティブ・コホート研究が実施されている;Iowa Women's Health StudyおよびNurses' Health Studyを含む13報の系統的レビューでは、肉の摂取とCRC発生率との間に正相関がみられると結論された。しかしながら、著者らは、がんリスクに対する肉の摂取単独の影響を検討しようとした研究がほんのわずかなため、観察された関係はもっぱら交絡による可能性があると述べている。[ 110 ]同様に、2019年の観察研究の系統的レビューでは、加工または未加工赤身肉の摂取とCRC発生率および死亡率との間の関係が評価され、週当たり3食減らした場合、これらの転帰はわずかに減少するか、減少しなかったと結論されたが、これらの知見に関する確実性は低いからきわめて低いと判定された。[ 111 ]

食生活の改善に関するランダム化対照比較研究が、WHIにも登録された50~79歳の閉経後女性約48,835人を対象に実施された。介入は、総脂肪の摂取量を20%減少させながら、野菜、果物、穀類の1日当たりの摂取量を増やすことを目標に進められた。介入群では、8.1年にわたる追跡期間中、比較群よりも脂肪摂取量の約10%の減少が達成された。介入群と対照群間で浸潤性CRCの減少の証拠は認められず、HRは1.08(95%CI、0.90-1.29)であった。[ 112 ]同様に、すべてのがんによる死亡、全死亡率、または心血管疾患において、低脂肪食の有益性はみられなかった。[ 113 ]この最新の観察は、がん転帰に対するさまざまな赤身の肉の摂取による影響を検討したランダム化比較試験に関する2019年の系統的レビューに反映された。このレビューは、WHIに大きく依存しており、CRC発生率に対する赤身の肉の摂取による影響はわずかか、まったくないとみられるとの結論に達したが、利用可能な研究が限られていることから、この知見に関する確実性は低い。[ 114 ]

食事での脂肪または肉の摂取がCRCリスクに影響するかどうかに関して、矛盾する結果[ 115 ]の説明として以下がある:

6件のケースコントロール研究と2件のコホート研究では、大腸腺腫に対する食生活の危険因子が検討されている。[ 23 ][ 118 ]この8件の研究のうち3件では、多量の脂肪摂取とリスク増大との間に関連が認められた。多量の脂肪摂取については、ポリープ切除後の腺腫再発のリスクを増大させることが明らかにされている。[ 119 ]1件の多施設RCTでは、低脂肪(総カロリーのうち20%)、高繊維かつ果物および野菜に富む食事によって、大腸腺腫の再発リスクは低下しなかった。[ 120 ]

したがって、食事で脂肪および肉を減らすことで、CRC発症が抑えられるかどうかを判断するには、証拠が不十分である。

大腸がんに関連しない証拠が十分にある因子および介入

エストロゲン単独療法

WHIのエストロゲン単独介入が子宮摘出術を受けた女性に実施され、試験の副次エンドポイントとしてCRC発生率が含められた。エストロゲンを受けた女性ではCRC発生率に低下はみられなかった;中央値にして7.1年間の追跡後、エストロゲン投与群では58例の浸潤がんが発生したのに対し、プラセボ群では53例の浸潤がんが発生した(HR、1.12;95%CI、0.77-1.63)。腫瘍の病期および悪性度は2群間でほぼ同じであった;CRC後の死亡率はホルモン療法群で34%であったのに対し、プラセボ群では30%であった(HR、1.34;95%CI、0.58-3.19)。[ 121 ]

スタチン

証拠を全体的にみると、スタチン使用ではCRCの発生率と死亡率のいずれについても上昇も低下も起こらないことが示されている。リスク低下を示したケースコントロール研究もあるが、大規模なコホート研究[ 122 ]でも、4件のRCTを対象としたメタアナリシス[ 123 ]でも、スタチン使用の効果は一切認められなかった。

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本要約の変更点(06/29/2021)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

証拠の記述

参考文献6として、Howlader et al.を追加。

本要約はPDQ Screening and Prevention Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、大腸がんの予防について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Screening and Prevention Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board.PDQ Colorectal Cancer Prevention.Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/colorectal/hp/colorectal-prevention-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389222]

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

免責条項

これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。