ご利用について
このPDQがん情報要約では、小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 小児頭蓋外胚細胞腫瘍についての一般的な情報
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小児頭蓋外胚細胞腫瘍は、脳以外の体の部位で胚細胞から発生します。
胚細胞は、胎児の発生時に形成される細胞です。これらの細胞は、後に精巣内の精子や卵巣内の卵子になります。
本要約は頭蓋外(脳の外部)の部位に発生する胚細胞腫瘍について書かれたものです。頭蓋外胚細胞腫瘍は通常、以下の身体部位に発生します:
頭蓋外胚細胞腫瘍は、青年に最も多くみられ、この年齢層での発生率は男性より女性の方が低いです。
頭蓋内(脳内)の胚細胞腫瘍に関する情報については、小児中枢神経系胚細胞腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。
小児頭蓋外胚細胞腫瘍は、性腺腫瘍と頭蓋外性腺外腫瘍に分類されます。
悪性頭蓋外胚細胞腫瘍は、脳以外の領域に発生する腫瘍です。この腫瘍は性腺腫瘍と性腺外腫瘍に分けられます。
性腺胚細胞腫瘍
性腺胚細胞腫瘍は性腺(精巣や卵巣)に発生します。
性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍
性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍は、脳と性腺(精巣と卵巣)以外の領域に発生します。
ほとんどの性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍は、体の中心線に沿って発生します。以下のような部位に生じます:
幼児(11歳未満)の性腺外の頭蓋外胚細胞腫瘍は、通常、出生時または幼児期の早期に発生します。これらの腫瘍のほとんどは、仙骨または尾骨に生じる良性の奇形腫です。
年長(11歳以上)の小児、青年、若年成人では、性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍の多くが縦隔に発生します。
頭蓋外胚細胞腫瘍には3つの種類があります。
頭蓋外胚細胞腫瘍は、さらに奇形腫、悪性胚細胞腫瘍、混合型胚細胞腫瘍に分類されます:
奇形腫
主に2種類の奇形腫があります:
悪性胚細胞腫瘍
悪性胚細胞腫瘍はがんです。悪性胚細胞腫瘍には主に次の2種類があります:
混合型胚細胞腫瘍
混合型胚細胞腫瘍は、少なくとも2種類の悪性胚細胞腫瘍で構成されます。この腫瘍は、卵巣、精巣、または他の領域に発生します。
小児頭蓋外胚細胞腫瘍はそのほとんどが原因不明です。
特定の遺伝性疾患をもつ人では、頭蓋外胚細胞腫瘍のリスクが高くなります。
病気になるリスクを増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。このようなリスク因子がある小児がみな頭蓋外胚細胞腫瘍になるわけではありませんし、既知のリスク因子がないのに頭蓋外胚細胞腫瘍になる小児もいます。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。
頭蓋外胚細胞腫瘍のリスク因子としては、以下のものが考えられます:
小児頭蓋外胚細胞腫瘍の徴候は、腫瘍が発生した場所により異なります。
様々な腫瘍により、以下の徴候や症状が生じる可能性があります。ただし、他の病態が原因で同様の徴候や症状が生じる場合もあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:
小児頭蓋外胚細胞腫瘍の診断には、画像検査と血液検査が用いられます。
担当医は小児の個人歴と家族歴をたずね、身体診察を行うことに加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
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血清腫瘍マーカー試験:採取した血液を調べて、臓器や組織、腫瘍細胞などから血液中に放出された特定の物質の量を測定する検査法。特定の物質の血中濃度が上昇している場合には、その物質と関連性のある特定の種類のがんの存在が疑われます。このような物質は腫瘍マーカーと呼ばれます。
一部の悪性胚細胞腫瘍は腫瘍マーカーを放出します。頭蓋外胚細胞腫瘍を発見するために、以下の腫瘍マーカーが用いられることがあります:
精巣胚細胞腫瘍の場合、血液中の腫瘍マーカーの値から腫瘍がセミノーマか非セミノーマかの判定が行われます。- α-フェトプロテイン(AFP)。
- β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)。
- 血液生化学検査:採取した血液を調べて、乳酸脱水素酵素など、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。
- 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。
- CTスキャン(CATスキャン):胸部やリンパ節などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。
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生検:細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。手術前に切除生検や針生検を実施し、組織のサンプルを採取することがあります。また手術で腫瘍を摘出し、その腫瘍の組織をサンプルとして使用することもあります。
切除された組織のサンプルに対して、以下の検査が行われることがあります:
- 細胞遺伝学的分析:組織のサンプルに含まれる細胞を検査し、染色体の損傷や欠失、再構成、過剰などの変異を計測して調べる臨床検査。特定の染色体に認められる変化は、がんの徴候を示している可能性があります。細胞遺伝学的分析はがんの診断、治療計画、治療効果の判定に利用されます。
- 免疫組織化学検査:抗体を利用して、患者さんから採取した組織のサンプルに含まれる特定の抗原(マーカー)を調べる臨床検査。使用される抗体には、通常、酵素や蛍光色素が結合されています。この抗体が組織サンプル内の特定の抗原に結合すると、酵素や色素が活性化し、顕微鏡で抗原を観察できるようになります。この種の検査はがんの診断に利用されるほか、各種のがんの違いを示すためにも用いられます。
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血清腫瘍マーカー試験:採取した血液を調べて、臓器や組織、腫瘍細胞などから血液中に放出された特定の物質の量を測定する検査法。特定の物質の血中濃度が上昇している場合には、その物質と関連性のある特定の種類のがんの存在が疑われます。このような物質は腫瘍マーカーと呼ばれます。
- 小児頭蓋外胚細胞腫瘍の病期
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小児頭蓋外胚細胞腫瘍の診断がついた後には、腫瘍が最初に発生した部位から周辺領域や他の部位へのがん細胞の転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。
腫瘍の最初の発生部位から他の部位にがんが転移しているかどうかを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。病期分類は、腫瘍を摘出する手術の後に行われることもあります。
以下のような検査法が用いられます:
- MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、脳やリンパ節などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法とも呼ばれます。
- CTスキャン(CATスキャン):胸部やリンパ節などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- 骨スキャン:骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まずごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質にはがんが生じている骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。
- 胸腔穿刺:胸腔と肺の表面を覆っている膜の間に溜まった液体を針を用いて体外に排出させる手技。採取された液体を病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。
- 穿刺:腹腔と腹部の臓器の表面を覆う膜の間に溜まった液体を針を用いて体外に排出させる手技。採取された液体を病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。
体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。
がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。
がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。
転移性腫瘍は原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、頭蓋外胚細胞腫瘍が肝臓に転移した場合、肝臓にできたがん細胞は、実際はがん化した胚細胞です。この疾患は転移性頭蓋外胚細胞腫瘍であり、肝がんではありません。
病期は各種の頭蓋外胚細胞腫瘍を表すために用いられます。
精巣胚細胞腫瘍(11歳未満の患者さん)
次の病期分類は小児腫瘍学グループの分類です。
精巣胚細胞腫瘍(11歳以上の患者さん)
15歳より年長の男性の場合は、I期の腫瘍または転移性腫瘍に分類されます。11歳以上の患者さんの精巣胚細胞腫瘍の病期分類に関する詳しい情報については、PDQの精巣腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。
卵巣胚細胞腫瘍
卵巣胚細胞腫瘍には、小児腫瘍学グループと国際産科婦人科連合(FIGO)による2種類の病期分類システムが適用されます。
次の病期分類は小児腫瘍学グループの分類です。
次の病期分類は国際産科婦人科連合(FIGO)の分類です:
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I期
I期では、がんは片側または両側の卵巣に認められ、卵巣の外には拡がっていません。I期は、IA期、IB期、IC期に分けられます。
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II期
II期では、片側または両側の卵巣にがんが認められ、さらに骨盤の卵巣以外の領域に拡がっているか、または原発性腹膜がんが認められます。II期はさらにIIA期とIIB期に分けられます。
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III期
III期では、片側または両側の卵巣にがんが認められ、さらに原発性腹膜がんが認められます。がんが骨盤外に拡がり、腹部の他の部位または腹部後方のリンパ節、もしくはその両方に転移しています。III期はさらにIIIA期、IIIB期、IIIC期に分けられます。
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IV期
IV期はさらにIVA期とIVB期に分けられます。
- 治療選択肢の概要
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小児頭蓋外胚細胞腫瘍の患者さんには様々な治療法が存在します。
小児頭蓋外胚細胞腫瘍の患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。
小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療では、小児がんの治療に精通した医療提供者で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。
この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:
標準治療として以下の3種類が用いられています:
手術
可能であれば、腫瘍を完全に切除する手術が行われます。腫瘍が非常に大きい場合は、腫瘍を小さくして手術時に切除する組織の量を減らしておくために、最初に化学療法が実施されます。手術の目標は、生殖系機能を保持することです。以下のような手術法が用いられます:
手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
幹細胞移植を伴う大量化学療法
がん細胞を殺傷するために大量化学療法が行われます。このがん治療は造血細胞などの健康な細胞も破壊します。幹細胞移植は造血細胞を置き換える治療法です。まず患者さん自身またはドナーから採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域に放射線を照射する方法です。外照射療法は、再発した小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療法として研究されています。
標的療法
標的療法とは、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物などの物質を用いる治療法です。標的療法は再発した頭蓋外胚細胞腫瘍の治療法として研究されています。
小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療では副作用が現れることがあります。
がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。
がんの治療の副作用のうち、治療後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:
晩期合併症(晩期障害)には治療や制御することが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。詳しい情報については、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)をご覧ください。
患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。
患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。
今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。
患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。
患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。
ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。
臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
フォローアップ検査が必要となることもあります。
がんの診断や病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。
治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。
小児頭蓋外胚細胞腫瘍では、フォローアップ検査として定期的な身体診察や腫瘍マーカー検査、あるいはCTスキャン、MRI、胸部X線などの画像検査が行われることがあります。
- 小児成熟奇形腫、未熟奇形腫の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された成熟奇形腫の治療法には以下のようなものがあります:
新たに診断された未熟奇形腫の治療法には以下のようなものがあります:
ときには成熟奇形腫や未熟奇形腫に悪性の細胞が認められることもあります。奇形腫が悪性細胞を伴う場合は、別の治療法が必要になることがあります。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 悪性精巣胚細胞腫瘍の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された悪性の精巣胚細胞腫瘍には、以下のような治療法があります:
11歳未満の男児:
11歳以上の男児:
11歳以上の男児の悪性精巣胚細胞腫瘍では、年少の男児の場合とは異なる治療を行います。詳しい情報については、精巣腫瘍の治療をご覧ください。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 悪性卵巣胚細胞腫瘍の治療
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未分化胚細胞腫
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断されたI期の卵巣未分化胚細胞腫には、以下のような治療法があります:
新たに診断されたII~IV期の卵巣未分化胚細胞腫瘍には、以下のような治療法があります:
- 手術(片側付属器切除術)とその後の化学療法。
- 腫瘍を縮小する化学療法とその後の手術(片側卵管卵巣切除術)。
- 新しい化学療法レジメンの臨床試験への参加。
非ジャーミノーマ
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された、年少の女児に生じた非ジャーミノーマの卵巣胚細胞腫瘍(卵黄嚢腫瘍、混合型胚細胞腫瘍、絨毛がん、胎児性がんなど)には、以下のような治療法があります:
新たに診断された青年または若年女性に生じた非ジャーミノーマの卵巣胚細胞腫瘍には、以下のような治療法があります:
- I~IV期の腫瘍には、手術と化学療法。
- I期には手術とその後に経過観察を行う新しいレジメンの臨床試験への参加、II~IV期には手術とその後に化学療法を行う新しいレジメンの臨床試験への参加。
- 新しい化学療法レジメンの臨床試験への参加。
周辺の組織に対するリスクがあるために、新たに診断された非ジャーミノーマの卵巣胚細胞腫瘍を初回手術で切除できない場合には、以下のような治療法がとられます:
- 生検とその後の化学療法および手術。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 悪性性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された年少の小児の悪性性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍には、以下のような治療法があります:
悪性性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍の治療法は、病期以外にも、腫瘍が発生した部位に応じて異なります:
新たに診断された青年と若年成人の小児悪性性腺外頭蓋外胚細胞腫瘍には、以下のような治療法があります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 再発小児悪性頭蓋外胚細胞腫瘍の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
再発小児頭蓋外胚細胞腫瘍には、以下のような治療法があります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 小児がんについてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供している小児頭蓋外胚細胞腫瘍に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
小児がんに関する情報やその他の一般的ながんに関する資料については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、小児頭蓋外胚細胞腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
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本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Extracranial Germ Cell Tumors Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/extracranial-germ-cell/patient/germ-cell-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389180]
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Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。