ご利用について
このPDQがん情報要約では、精巣腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 精巣腫瘍についての一般的な情報
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精巣腫瘍は、片側または両側の精巣の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
精巣は卵形をした2つの腺で、陰嚢(陰茎の真下にあるゆったりとした皮膚の袋)の内部に位置しています。精巣は精索(輸精管や精巣の血管と神経などが通る部分)に支えられながら陰嚢内に保持されています。
精巣は男性の生殖腺で、ここではテストステロンと精子の生産が行われています。精巣内の胚細胞から未熟な精子が作られ、これが精細管(微細な管)のネットワークとより太い管を通って精巣上体(精巣の隣にある長いコイル状の管)に送られ、ここで成熟して貯蔵されます。
精巣腫瘍はそのほぼ全てが胚細胞から発生します。精巣胚細胞腫瘍には、大きく分けてセミノーマと非セミノーマの2種類があります。これらの2種類の間では、増殖の仕方や拡がり方が異なり、そのため治療法も異なります。非セミノーマでは、セミノーマと比べて増殖や拡大のペースがより速くなる傾向があります。また、セミノーマの方が放射線に対する反応性が高くなります。セミノーマ細胞と非セミノーマ細胞の両方を含む精巣腫瘍は、非セミノーマとして治療されます。
精巣腫瘍は20~35歳の男性で最も多くみられるがんです。
過去の病歴によって精巣腫瘍のリスクが高まることがあります。
疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。精巣腫瘍のリスク因子には以下のものがあります:
精巣腫瘍の徴候や症状には、陰嚢の腫れと陰嚢内の違和感があります。
こうした徴候や症状は、精巣腫瘍によって引き起こされることもありますが、他の病態によって生じることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:
精巣腫瘍の発見と診断には、精巣と血液を調べる検査方法が用いられます。
以下のような検査法や手技が用いられます:
- 精巣腫瘍の病期
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精巣腫瘍の診断がついた後には、がん細胞の精巣内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。
がんの精巣内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期診断と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。
病期分類の過程では、以下のような検査法や手技が用いられます:
- 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。
- CTスキャン(CATスキャン):腹部などの体内領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、静脈内に造影剤を注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、腹部などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- 腹部リンパ節郭清:腹部にあるリンパ節を切除する外科手術で、切除した組織サンプルは顕微鏡でがんの徴候がないか調べられます。この手術はリンパ節切除術とも呼ばれます。非セミノーマの患者さんでは、リンパ節の摘出によって病巣の拡がりを阻止できる場合があります。セミノーマの患者さんでは、リンパ節中のがん細胞は放射線療法で治療することができます。
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血清腫瘍マーカー試験:採取した血液を調べて、臓器や組織、腫瘍細胞などから血液中に放出された特定の物質の量を測定する検査法。特定の物質の血中濃度が上昇している場合には、その物質と関連性のある特定の種類のがんの存在が疑われます。このような物質は腫瘍マーカーと呼ばれます。精巣腫瘍の病期分類には以下の3種類の腫瘍マーカーが用いられます:
腫瘍マーカーの値は高位精巣摘出術の後や生検の後にも再び測定され、がんの病期判定の際に活用されます。この検査の結果は、がん細胞が全て摘出されたかどうかや、さらなる治療が必要かどうかを判定する際の判断材料となります。また、経過観察の期間中も、がんの再発を調べるために腫瘍マーカーの値が測定されます。- α-フェトプロテイン(AFP)
- β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)。
- 乳酸脱水素酵素(LDH)。
体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。
がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。
がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。
転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、精巣腫瘍が肺に転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は精巣腫瘍の細胞です。この疾患は転移性精巣腫瘍であり、肺がんではありません。
がんの病期を把握するために高位精巣摘除術が行われます。
精巣腫瘍では、以下のような病期が用いられます:
0期
0期の精巣上皮内がんでは、異常な細胞が精細管(その内部で精子が発育を始める微小な管)の中のみに認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。腫瘍マーカーは全て正常値を示す。0期は精細管内胚細胞腫瘍(GCNIS)とも呼ばれます。
II期
II期は、IIA期、IIB期、IIC期に分けられます。
- IIA期では、がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。さらにがんは1~5個の周辺リンパ節に転移しており、それらのリンパ節の大きさは2cm以下である。
腫瘍マーカーは全て正常値か、正常値よりわずかに高くなる。
- IIB期では、がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。がんは以下のように転移している:
腫瘍マーカーは全て正常値か、正常値よりわずかに高くなる。
- IIC期では、がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。さらにがんは1個の周辺リンパ節に転移しており、そのリンパ節の大きさは5cmを超えている。
腫瘍マーカーは全て正常値か、正常値よりわずかに高くなる。
III期
III期は、IIIA期、IIIB期、IIIC期に分けられます。
- IIIA期では、がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。がんが1つ以上の周辺リンパ節に転移している場合もある。さらに、がんは遠隔部のリンパ節または肺に転移している。
腫瘍マーカーは全て正常値か、正常値よりわずかに高くなる。
- IIIB期では、がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。さらに、がんは以下のように転移している:
1種類以上の腫瘍マーカーが、正常値よりやや高くなる。
- IIIC期では、がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。さらに、がんは以下のように転移している:
1種類以上の腫瘍マーカーが、高値になっている。
または、
がんが精巣内のどこかに存在し、精索または陰嚢に拡がっていることがある。がんは遠隔部のリンパ節や肺には転移していないが、肝臓や骨など体の他の部位に転移している。
腫瘍マーカーは、正常値から高値に及ぶ場合がある。
- 再発精巣腫瘍
再発精巣腫瘍とは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、最初のがんの発生から何年も経過した後に生じることもあり、もう一方の精巣に発生することもあれば、体の他の部位に発生することもあります。
- 治療選択肢の概要
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精巣腫瘍の患者さんには様々な治療法が存在します。
精巣腫瘍の患者さんは様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
精巣腫瘍は、その腫瘍に対する治療の効果の予測に基づいて、以下の3つの群に分けられます。
予後良好
非セミノーマでは、以下の条件が全て満たされる必要があります:
セミノーマでは、以下の条件が全て満たされる必要があります:
- 腫瘍が肺以外の臓器には拡がっておらず;なおかつ
- α-フェトプロテイン(AFP)が正常値。ここでは、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)と乳酸脱水素酵素(LDH)の値は関係ありません。
予後中等度
非セミノーマでは、以下の条件が全て満たされる必要があります:
- 腫瘍が片側の精巣のみ、もしくは後腹膜腔(腹壁の外側と後側の部分)に認められ;なおかつ
- 腫瘍が肺以外の臓器には拡がっておらず;なおかつ
- いずれかの腫瘍マーカーの値が正常値より中等度以上に高くなっている。
セミノーマでは、以下の条件が全て満たされる必要があります:
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっていて;なおかつ
- AFPが正常値。ここでは、β-hCGとLDHの値は関係ありません。
予後不良
非セミノーマでは、以下の条件が1つでも満たされると予後不良とされます:
- 腫瘍が胸部中央の両肺の間の領域に認められる;または
- 腫瘍が肺以外の臓器に拡がっている;または
- 腫瘍マーカーのいずれか1つでも高値を示している。
セミノーマの精巣腫瘍には予後不良の分類はありません。
標準治療として、以下の5種類が用いられています:
手術
診断と病期分類を行う際に、精巣を摘出する手術(高位精巣摘出術)と一部のリンパ節を摘出する手術を行うことがあります。(この要約の一般的な情報のセクションと病期のセクションをご覧ください。)また、体の他の部位に転移した腫瘍を手術によって部分的または完全に摘出することもあります。
手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法や放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:
放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。精巣腫瘍の治療には外照射療法が用いられます。
化学療法
化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体腔内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。
詳しい情報については、精巣腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。
患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。
今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。
患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。
患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。
ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。
臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
フォローアップ検査が必要となることもあります。
がんの診断や病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。
治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。
精巣腫瘍の既往がある男性では、もう一方の精巣におけるがんの発生リスクが高くなります。定期的にもう一方の精巣の検査を受け、通常みられない症状が現れた場合には、どんなものでも直ちに医師に報告することが推奨されます。
長期にわたって臨床検査を受けることが非常に重要となります。おそらく患者さんは、手術後1年間は頻繁に検査を受け、それ以降はもう少し間隔をおいて検査を受けることになります。
- 病期ごとの治療選択肢
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
0期(精巣上皮内腫瘍)
0期の治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
I期精巣腫瘍
I期精巣腫瘍の治療法は、がんがセミノーマか非セミノーマかで異なります。
セミノーマの治療法には以下のようなものがあります:
非セミノーマの治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
II期精巣腫瘍
II期精巣腫瘍の治療法は、がんがセミノーマか非セミノーマかで異なります。
セミノーマの治療法には以下のようなものがあります:
非セミノーマの治療法には以下のようなものがあります:
- 手術で精巣とリンパ節を摘出し、その後長期にわたる経過観察。
- 手術で精巣とリンパ節を摘出した後に、併用化学療法を実施し、その後長期にわたる経過観察。
- 手術で精巣を摘出した後に併用化学療法を実施し、それでもがんが残っている場合は再手術を行い、その後長期にわたる経過観察。
- がんの拡がりにより生命が脅かされると考えられる場合は、併用化学療法とその後の精巣摘出術。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 再発精巣腫瘍の治療選択肢
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 精巣腫瘍についてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供している精巣腫瘍に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、精巣腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Testicular Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/testicular/patient/testicular-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389286]
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