医療専門家向け 上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの治療(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)に関する一般情報

本PDQ要約では、上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)の病期分類と治療を対象とする。

発生部位に関係なく、これらのがんの特徴は早期の腹膜転移への進展である。FTCおよびPPCを上皮性卵巣がんの範疇に含めることは、共通のミュラー管上皮由来であり、これら3種の腫瘍の管理が類似していることを示す多くのエビデンスのために一般に受け入れられている。高悪性度の漿液性卵巣がん(最もよくみられる組織学的亜型)の多くが卵管采を起源とする前駆病変から生じるという仮説は、BRCA1またはBRCA2の突然変異を有する健康な女性におけるリスク低減手術から得られた知見により支持されている。[ 1 ]さらに、原発性腹膜がんとして診断される組織学的に類似するがんとの間で、腫瘍抑制遺伝子p53およびBRCA1またはBRCA2蛋白の欠失または不活性化などの分子的所見が共通している。[ 2 ]したがって、卵管および腹腔内の他の部位から発生する高悪性度の漿液性腺がんは、ほとんどの上皮性卵巣がんとともに「ミュラー管上皮由来の子宮外腺がん(extrauterine adenocarcinomas of Müllerian epithelial origin)」とされ、卵巣がんと同様の病期判定および治療が行われる。2000年以降、FTCおよびPPCは通常、卵巣がんの臨床試験に含められている。[ 3 ]

子宮内膜症に関連する卵巣明細胞がんおよび卵巣類内膜がんは、異なる遺伝子発現シグネチャーを有し、これは粘液性の亜型と同様である。[ 2 ]

間質細胞腫瘍および胚細胞腫瘍は比較的少なく、全体の10%に満たない。(詳しい情報については、卵巣胚細胞腫瘍の治療および卵巣低悪性度腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

発生率および死亡率

上皮性卵巣がんは、最もよくみられる婦人科悪性腫瘍の1つで、全症例の50%は65歳を超える女性にみられる。このがんは、女性のがんによる死亡原因の第5位を占めている。[ 4 ]

米国において、2019年に推定される卵巣がんの新規症例数および死亡数:[ 5 ]

解剖学

卵管采は、卵巣付属器の近くの腹膜腔にあり、腹膜層の下に位置する子宮体(子宮の本体)と向かい合っている。

女性生殖系の解剖図;図は、子宮、子宮筋層(子宮の外側の筋層)、子宮内膜(子宮内腔を覆う膜)、卵巣、卵管、子宮頸部、膣を示している。

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正常な女性生殖系の解剖図。

危険因子

加齢はほとんどのがんの最も重要な危険因子である。卵巣(上皮性)がんの他の危険因子には以下のものがある:

家族歴および遺伝子変異

卵巣がんの最も重要な危険因子は、第一度近親者(母親、娘、または姉妹)の卵巣がん既往歴である。卵巣がんの約20%が家族性であり、これらのほとんどはBRCA1またはBRCA2のいずれかの遺伝子における突然変異に関連があるが、他にも数種の遺伝子が関与している。[ 19 ][ 20 ]このリスクは、卵巣がんの第一度近親者が2人以上いる女性で最も高い。[ 21 ]また、卵巣がんの第一度近親者が1人で、かつ第二度近親者(祖母または叔母)が1人の女性ではやや低い。

乳がん卵巣がん症候群または卵巣に特異的に発生するがんの家系のほとんどに、染色体17q21にあるBRCA1遺伝子座に遺伝的連鎖が同定されている。[ 22 ][ 23 ][ 24 ]遺伝性卵巣がんおよび遺伝性乳がんの一部の例でも原因となっているBRCA2が遺伝的連鎖解析により13q12にマップされている。[ 25 ]

BRCA1に生殖細胞変異を認める患者が卵巣がんを発症する生涯リスクは、実質的に一般集団の値を超えている。[ 26 ][ 27 ]また、BRCA1に生殖細胞変異を認める患者に関する2件のレトロスペクティブ研究によると、これらの研究で対象となった女性は、BRCA1に変異を認めない女性に比べ、生存期間が長いことが示唆される。[ 28 ][ 29 ][証拠レベル:3iiiA]BRCA1変異を認める女性のほとんどには、卵巣がんおよび/または乳がんの病歴のある家系員がいると考えられる;このため、これらの研究で対象となった女性は比較的用心しており、早期発見につながるがん検診を受ける傾向を示している。

リスクの高い女性は、出産を終えていれば35歳以上で予防的卵巣摘除術を検討するのもよい。BRCA1またはBRCA2の突然変異を有する女性551人を対象とした家系ベースの研究において、予防的両側卵巣摘出術を受けた女性259人のうち、2人(0.8%)がその後に乳頭状漿液性腹膜がんを発症し、6人(2.8%)が手術時にI期の卵巣がんであった。対応対照群292人のうち、予防的手術を受けなかった20%が卵巣がんを発症した。予防的手術は、平均追跡期間9年で90%を超える卵巣がんリスクの低下と関連していた(相対リスク、0.04;95%信頼区間、0.01-0.16)[ 30 ];しかしながら、家系ベースの研究は、症例選択によるバイアスおよび有益性の推定値に影響するその他の因子と関連している可能性がある。[ 31 ]予防的卵巣摘除術後、わずかな割合の女性が卵巣がんに類似した外観の原発性腹膜がんを発症することがある。[ 32 ](詳しい情報については、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの予防に関するPDQ要約の証拠の記述のセクションを参照のこと。)

(詳しい情報については、乳がんおよび婦人科がんの遺伝学に関するPDQ要約のBRCA病原性多様体キャリアの臨床管理のセクションを参照のこと。)

臨床像

卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がんでは、初期の徴候または症状がみられないことがある。徴候または症状が実際に現れた場合、がんが進行していることが多い。徴候および症状には以下のものがある:

これらの症状はしばしば認識されなくなり、診断が遅れる原因となる。医師および患者によるこうした非特異的症状の発生の認識を高める努力がなされている。[ 33 ][ 34 ][ 35 ][ 36 ][ 37 ]

卵巣がんに特異的な危険因子を有さない女性では、婦人科的評価、経膣超音波検査、およびがん抗原125(CA 125)測定などのスクリーニング検査による卵巣がん検出の適中率は低い。[ 38 ][ 39 ]こうした交絡因子の結果、卵巣がんの年間死亡率は発生率の約65%である。

卵巣がん患者のほとんどは、発症時に広範囲に及ぶ病変を有する。最も一般的な亜型である高悪性度の漿液性がんの早期の腹膜進展は、卵管采または腹膜を起源とする重篤ながんに関係することがあり、このことから、そのようながんが進行した病期で検出される理由が容易に説明できる。逆に、高悪性度の漿液性がんは、I期の卵巣がんの中で想定より少ない。その他の種類の卵巣がんは、実際にI期またはII期で検出されるがんの中で想定より多い。この種の卵巣がんは通常、腹腔に局所的に散布して拡がったのち腹膜に播種するか、腸管および膀胱の局所浸潤を経て拡がっていく。初回手術でリンパ節転移している割合は、I期の患者で24%、II期で50%、III期で74%、IV期で73%であることが報告されている。骨盤リンパ節および傍大動脈リンパ節への転移の頻度は同じであった。[ 40 ]また、腫瘍細胞は横隔膜リンパ管を詰まらせることがある。これにより腹膜のリンパ流に生じる滞留は、卵巣がんの腹水貯留に関与していると考えられている。経横隔膜から胸膜に進展することがよくある。

診断的評価および病期評価

上皮性卵巣がん、卵管がん、または原発性腹膜がんの診断および病期分類では、以下の検査および処置を使用することがある:

CA-125値は、他の悪性腫瘍および良性の子宮内膜症などの婦人科の問題で上昇することがある。CA-125値および組織像を用いて上皮性卵巣がんを診断する。[ 41 ][ 42 ]

予後因子

卵巣がん患者の予後は、多くの因子により影響を受ける。多変量解析では、最も重要な良好な予後因子として以下が挙げられることが示唆される:[ 43 ][ 44 ][ 45 ][ 46 ][ 47 ]

I期の患者で再燃に関連する最も重要な予後因子は悪性度で、次に強固な癒着および大量の腹水が重要である。[ 48 ]I期の腫瘍は、低悪性度の漿液性がんの割合が高い。このようながんの由来は、通常III期およびIV期にみられる高悪性度の漿液性がんと明らかに異なる。多くの高悪性度の漿液性がんは、卵管のほか、子宮外のミュラー管上皮に由来する領域を起源とする。

腫瘍が悪性度III、固着性、またはIC期であれば、卵巣がんが再燃し、それにより死亡する可能性は30%である。[ 48 ][ 49 ][ 50 ][ 51 ]

I期およびIIA期の患者から採取した腫瘍のDNAフローサイトメトリー分析を実施することにより、高リスクの患者の一群が同定できる。[ 52 ]組織型が明細胞型の患者は、予後不良と考えられる。[ 53 ]移行上皮がんの成分を明らかに有する患者は、予後良好と考えられる。[ 54 ]

複数のケースコントロール研究によると、BRCA1およびBRCA2の突然変異キャリアは、散発性上皮性卵巣がんの患者と比較して化学療法への反応が良好であることが示唆される。これは、これらの腫瘍において相同性のDNA修復メカニズムが欠損しており、それにより化学療法薬への感受性が増している結果である可能性がある。[ 55 ][ 56 ]

フォローアップ

CA-125測定の特異度および感度が低いため、再発に対する治療を受けている患者では、連続CA-125モニタリングが有用な場合がある。しかしながら、それにより正味の利益が得られるかどうかは未だ確立していない。初回の寛解導入療法後の患者に対するフォローアップ方法を示すガイダンスはほとんどなく、画像検査またはCA-125上昇により早期発見しても転帰は変わらないことが示されている。[ 57 ](詳しい情報については、本要約の再発または持続性の上皮性卵巣がん、FTC、PPCの治療のセクションを参照のこと。)

関連する要約

上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんに関する情報を含む他のPDQ要約には以下のものがある:

参考文献
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上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCの細胞分類

表1に上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)の組織学的分類を示す。

表1.上皮性卵巣がん、FTC、PPCの組織学的分類
組織学的分類 組織学的亜型
FTC = 卵管がん;PPC = 原発性腹膜がん。
漿液性嚢腫 良性漿液性嚢胞腺腫。
漿液性嚢胞腺腫のうち上皮細胞の増殖および核異常を伴うが、浸潤性破壊性成長を伴わないもの(詳しい情報については、卵巣低悪性度腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと)。
漿液性嚢胞腺がん。
粘液性嚢腫 良性粘液性嚢胞腺腫。
粘液性嚢胞腺腫のうち上皮細胞の増殖および核異常を伴うが、浸潤性破壊性成長を伴わないもの(低悪性度または境界悪性)。
粘液性嚢胞腺がん。
類内膜腫瘍(子宮内膜腺がんに類似) 良性類内膜嚢胞。
類内膜腫瘍のうち上皮細胞の増殖および核異常を伴うが、浸潤性破壊性成長を伴わないもの(低悪性度または境界悪性)。
類内膜腺がん。
明細胞(類中腎)腫瘍 良性明細胞腫瘍。
明細胞腫瘍のうち上皮細胞の増殖および核異常を伴うが、浸潤性破壊性成長を伴わないもの(低悪性度または境界悪性)。
明細胞嚢胞腺がん。
上のいずれにも当てはまらない分類不能腫瘍  
組織型不明(細胞学的診断のみ)  
この他の悪性腫瘍(よくみられる上皮型以外の悪性腫瘍は上のリストに記載されていない)  
上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCの病期情報

腹腔外に転移性病変がない場合は、卵巣がんの病期確定に手術が必要である。IV期卵巣がんおよび腹腔外に病変がある患者における手術の役割は、未だ確立されていない。病変が卵巣または骨盤内に限局しているようであれば、開腹時に腹腔洗浄液を採取し、以下の触診および生検または細胞ブラッシング法による採取の実施が不可欠である:

国際産婦人科連合(FIGO = Fédération Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)病期分類

FIGOおよび米国がん合同委員会(AJCC)は、上皮性卵巣がんを定義するために病期判定を指定している。FIGOが認定した上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)に関する新しい病期分類システムは、最も多く用いられているものの1つである。[ 2 ][ 3 ]

表2.FIGO病期でI期の定義a
病期 定義 イラスト
a出典:国際産婦人科連合(Fédération Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。[ 2 ]
I 卵巣または卵管(両側の場合もある)に限局した腫瘍。  
3つの図はIA期、IB期、およびIC期を表している;最初の図(IA期)では片方の卵巣内にがんがある。2つ目の図(IB期)では両側の卵巣内にがんがある。3つ目の図(IC期)では両側の卵巣内にがんがあり、片方の卵巣の被膜が破綻している。挿入図は骨盤腹膜内のがん細胞を示す。また、卵管、子宮、頸部、および膣も示している。

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IA 片側の卵巣(被膜は無傷)または卵管に限局した腫瘍;卵巣または卵管表面に腫瘍を認めない;腹水中または腹腔洗浄液中に悪性細胞を認めない。  
IB 両側の卵巣(被膜は無傷)または卵管に限局した腫瘍;卵巣または卵管表面に腫瘍を認めない;腹水中または腹腔洗浄液中に悪性細胞を認めない。
IC 片側もしくは両側の卵巣、または卵管に限局した腫瘍で、以下のいずれかに該当する:
IC1:術中に外科的な漏出を来す。
IC2:術前に被膜の破綻を認めるか、卵巣または卵管表面に腫瘍が存在する。
IC3:腹水中または腹腔洗浄液中に悪性細胞が存在する。
表3.FIGO 病期でII期の定義a
病期 定義 イラスト
a出典:国際産婦人科連合(Fédération Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。[ 2 ]
II 片側または両側の卵巣または卵管に腫瘍があり、骨盤内(分界線より下方)への進展を認めるか、腹膜がんがみられる(Tp)。  
3つの図はIIA期、IIB期、およびII期の原発性腹膜がんを表している;最初の図(IIA期)では両方の卵巣内にがんがあり、子宮および卵管に進展している。2つ目の図(IIB期)では両側の卵巣内にがんがあり、結腸に進展している。3つ目の図(II期の原発性腹膜がん)では、骨盤腹膜にがんがある。また、頸部および膣も示している。

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IIA がんの進展および/または転移が子宮、卵管、または卵巣の1つ以上に及んでいる。  
IIB 他の骨盤腹腔内組織への進展を認める。
表4.FIGO 病期でIII期の定義a
病期 定義 イラスト
a出典:国際産婦人科連合(Fédération Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。[ 2 ]
b肝臓および脾臓の被膜に腫瘍が進展しているが、いずれの臓器も実質に浸潤していない場合を含む。
III 片側または両側の卵巣または卵管に腫瘍があるか原発性腹膜がんがみられ、細胞学的または組織学的に骨盤外の腹膜への転移および/または後腹膜リンパ節転移を認める。  
IIIA 後腹膜リンパ節への転移を認め、場合によっては顕微鏡下で骨盤外の腹膜播種を認める。  
IIIA期の図で、両側の卵巣内にがんがあり、(a)腹膜後方のリンパ節に進展している。また、(b)顕微鏡的がん細胞が大網に進展している。小腸、結腸、卵管、子宮、および膀胱も示している。

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IIIA(i) 後腹膜リンパ節転移陽性のみ(細胞学的または組織学的に証明)。  
IIIA(ii) 転移病変の最大径が10mmを超える。
IIIA2 顕微鏡下で骨盤外(分界線より上方)の腹膜播種を認め、場合によっては後腹膜リンパ節転移陽性である。
IIIB 分界線を越える位置に肉眼で最大径2cm以下の腹膜転移を認め、場合によっては後腹膜リンパ節に転移している。  
IIIB期の図で、両側の卵巣内にがんがあり、大網に進展している。大網のがんは2cm以下である。挿入図で、2cmがおよそピーナッツの大きさであることを示している。また、小腸、結腸、卵管、子宮、膀胱、および腹膜後方のリンパ節も示している。

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IIIC 分界線を越える位置に肉眼で最大径2cm超の腹膜転移を認め、場合によっては後腹膜リンパ節に転移している。b  
IIIC期の図で、両側の卵巣内にがんがあり、大網に進展している。大網のがんは2cmを超える。挿入図で、2cmがおよそピーナッツの大きさであることを示している。また、小腸、結腸、卵管、子宮、膀胱、および腹膜後方のリンパ節も示している。

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表5.FIGO 病期でIV期の定義a
病期 定義 イラスト
a出典:国際産婦人科連合(Fédération Internationale de Gynécologie et d'Obstétrique)。[ 2 ]
b実質への転移は、IVB期である。
IV 腹膜転移以外の遠隔転移を認める。  
IV期の図は、肺、肝臓、骨、および鼠径リンパ節など、卵巣がん、卵管がん、および原発性腹膜がんが転移しうる身体の他の部位を示している。上の挿入図では、肺の周囲に余分な体液がみられる。下の挿入図では、がん細胞が血液系およびリンパ系を通して他の身体部分へ拡がり、転移がんを形成している。

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IVA 細胞診陽性の胸水を認める。  
IVB 腹腔外臓器(鼠径部リンパ節および腹腔外リンパ節を含む)に転移している。b
参考文献
  1. Hoskins WJ: Surgical staging and cytoreductive surgery of epithelial ovarian cancer. Cancer 71 (4 Suppl): 1534-40, 1993.[PUBMED Abstract]
  2. Mutch DG, Prat J: 2014 FIGO staging for ovarian, fallopian tube and peritoneal cancer. Gynecol Oncol 133 (3): 401-4, 2014.[PUBMED Abstract]
  3. Ovary, fallopian tube, and primary peritoneal carcinoma. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp 681-90.[PUBMED Abstract]
治療法選択肢の概要

上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)の患者に対する治療法の選択肢は、すべての病期で、手術とその後の白金製剤ベースの化学療法から構成されている。

初期の病期はI期およびII期である。しかしながら、初期の病期を対象とした試験では、II期の患者で再発率が高いため、2009年以降の婦人科腫瘍学グループの試験では、より進行した病期のがん患者とともにII期のがん患者が対象に含められている。将来、治療法を検討する上でI期は別個のカテゴリーのままであるが、高悪性度のII期漿液性がんは、より進行した病期とともに対象に含められる可能性が高い。

既存の治療法を改良し、術後の薬剤および放射線療法に対する異なるアプローチの価値を検証するため、多くの臨床試験が現在進められている。卵巣がんの患者は病期にかかわらず臨床試験への参加を検討するとよい。[ 1 ][ 2 ]現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCに対する治療法の選択肢を表6に示す。

表6.上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCに対する治療法の選択肢
病期 治療法の選択肢
OS = 全生存;PARP = ポリ(ADP)リボース-ポリメラーゼ。
初期の病期 化学療法の併用または非併用の手術
進行した病期 手術とその後の全身化学療法
手術とその後の腹腔内(IP)化学療法
手術とその後の化学療法およびベバシズマブ
手術とその後の化学療法およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤
化学療法とその後の手術(場合によりその後のIP療法)。
手術が不可能な患者に対する化学療法(ただし、OSに対する効果は証明されていない)
再発 白金製剤を含む化学療法レジメン
化学療法を併用するまたは併用しないベバシズマブ、他の標的薬物、およびPARP阻害剤
化学療法
化学療法、ベバシズマブ、またはその併用
参考文献
  1. Ozols RF, Young RC: Ovarian cancer. Curr Probl Cancer 11 (2): 57-122, 1987 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]
  2. Cannistra SA: Cancer of the ovary. N Engl J Med 329 (21): 1550-9, 1993.[PUBMED Abstract]
初期の病期の上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCの治療

初期の病期はI期およびII期である。しかしながら、初期の病期を対象とした試験では、II期の患者で再発率が高いため、2009年以降の婦人科腫瘍学グループ(GOG)の試験では、より進行した病期のがん患者とともにII期のがん患者が対象に含められている。将来、治療法を検討する上でI期は別個のカテゴリーのままであるが、高悪性度のII期漿液性がんは、より進行した病期とともに対象に含められる可能性が高い。

初期の病期の上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCに対する標準治療法の選択肢

初期の病期の上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)に対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 化学療法の併用または非併用の手術

化学療法の併用または非併用の手術

IA期またはIB期の患者で腫瘍が高分化型または中分化型であれば、手術単独で十分な治療となる可能性がある。手術には、子宮摘出、両側卵管卵巣摘出術、および大網切除術がある。横隔膜の下面が見えるようにして生検を行う。骨盤および腹部の腹膜に加え、骨盤および傍大動脈リンパ節の生検も実施する。通常、腹腔洗浄液を採取する。[ 1 ][ 2 ]妊娠を希望する患者で腫瘍の悪性度がIの場合は、片側卵管卵巣摘除術に伴う再発リスクが低い可能性がある。[ 3 ]

米国では、患者のうち最も予後良好なサブセット(IA期の高分化型の患者)を除いて、全死亡をエンドポイントとした二重盲検ランダム化比較試験に基づいたエビデンスにより、シスプラチン、カルボプラチン、およびパクリタキセルからなる補助療法が支持されている。

証拠(化学療法の併用または非併用の手術)

  1. ヨーロッパの2件の大規模試験であるEuropean Organization for Research and Treatment of Cancer-Adjuvant ChemoTherapy in Ovarian Neoplasm(EORTC-ACTION)試験およびInternational Collaborative Ovarian Neoplasm(MRC-ICON1[NCT00002477])試験において、IA期(悪性度II)およびIB期(悪性度III)、すべてのIC期およびII期の上皮性卵巣がん、ならびにすべてのI期およびIIA期の明細胞がんの患者が補助化学療法群または観察群にランダムに割り付けられた。[ 4 ][ 5 ][ 6 ]
    1. EORTC-ACTION試験では、治療に少なくとも4サイクルのカルボプラチンまたはシスプラチンをベースにした化学療法が必要とされた。外科的病期分類基準がモニタリングの対象となったが、病期分類が不十分でも除外基準とされなかった。[ 4 ]
    2. MRC-ICON1試験では、6サイクルのカルボプラチン単独またはシスプラチン単独または白金製剤をベースにした化学療法群(通常、シクロホスファミド、ドキソルビシン、およびシスプラチン) vs 観察群に患者がランダムに割り付けられ、登録基準はEORTC-ACTION試験とほぼ同じであった;しかしながら、MRC-ICON1試験では、十分な外科的病期分類が実施されたかどうかはモニタリングの対象とされなかった。[ 5 ]これらの試験の結果を併合すると、OSの差が統計的有意性に達した。
    3. 両試験の併合データの解析により、以下が実証された:[ 6 ][証拠レベル:1iA]
  2. GOG-0157試験では、初期の高リスク上皮性卵巣がん患者に対する初回手術後の化学療法で、6サイクルの方が3サイクルより優れているかどうかが評価された。適格な患者は、IA期の悪性度3または組織型が明細胞型、IB期の悪性度3または組織型が明細胞型、すべてのIC期、およびすべてのII期であった。パクリタキセル(175mg/m2を3時間かけて投与)およびカルボプラチン(30分かけて投与;曲線下面積、7.5)を21日ごとに投与する併用療法を3サイクル施行または6サイクル施行のいずれかに患者がランダムに割り付けられた。主要エンドポイントはRFSで、この研究は、5年再発率における50%の低下を識別する検出力を有していた。計427人の患者が適格となった。[ 8 ][証拠レベル:1iiDi]

    II期の女性における再発リスクが高いため、また初期の試験と組み合わせて、Ovarian Committee of the GOGでは、II期の患者を進行期卵巣がんの試験に含めるように決定した。この研究の解釈は、サブセット解析に関する所見も含めて、議論の的になっている。

  3. II期卵巣がんの患者が日本の婦人科悪性腫瘍研究機構の研究(JGOG-3016 [NCT00226915])に登録され、卵巣がんの第一選択治療として週1回の投与スケジュールまたは従来の3週間ごとの投与スケジュールで治療を受けた。[ 9 ][ 10 ][ 11 ]

以下のような治療アプローチを評価する臨床試験が実施されている:

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
  1. Young RC, Decker DG, Wharton JT, et al.: Staging laparotomy in early ovarian cancer. JAMA 250 (22): 3072-6, 1983.[PUBMED Abstract]
  2. Fader AN, Java J, Ueda S, et al.: Survival in women with grade 1 serous ovarian carcinoma. Obstet Gynecol 122 (2 Pt 1): 225-32, 2013.[PUBMED Abstract]
  3. Zanetta G, Chiari S, Rota S, et al.: Conservative surgery for stage I ovarian carcinoma in women of childbearing age. Br J Obstet Gynaecol 104 (9): 1030-5, 1997.[PUBMED Abstract]
  4. Trimbos JB, Vergote I, Bolis G, et al.: Impact of adjuvant chemotherapy and surgical staging in early-stage ovarian carcinoma: European Organisation for Research and Treatment of Cancer-Adjuvant ChemoTherapy in Ovarian Neoplasm trial. J Natl Cancer Inst 95 (2): 113-25, 2003.[PUBMED Abstract]
  5. Colombo N, Guthrie D, Chiari S, et al.: International Collaborative Ovarian Neoplasm trial 1: a randomized trial of adjuvant chemotherapy in women with early-stage ovarian cancer. J Natl Cancer Inst 95 (2): 125-32, 2003.[PUBMED Abstract]
  6. Trimbos JB, Parmar M, Vergote I, et al.: International Collaborative Ovarian Neoplasm trial 1 and Adjuvant ChemoTherapy In Ovarian Neoplasm trial: two parallel randomized phase III trials of adjuvant chemotherapy in patients with early-stage ovarian carcinoma. J Natl Cancer Inst 95 (2): 105-12, 2003.[PUBMED Abstract]
  7. Young RC: Early-stage ovarian cancer: to treat or not to treat. J Natl Cancer Inst 95 (2): 94-5, 2003.[PUBMED Abstract]
  8. Bell J, Brady MF, Young RC, et al.: Randomized phase III trial of three versus six cycles of adjuvant carboplatin and paclitaxel in early stage epithelial ovarian carcinoma: a Gynecologic Oncology Group study. Gynecol Oncol 102 (3): 432-9, 2006.[PUBMED Abstract]
  9. Katsumata N, Yasuda M, Takahashi F, et al.: Dose-dense paclitaxel once a week in combination with carboplatin every 3 weeks for advanced ovarian cancer: a phase 3, open-label, randomised controlled trial. Lancet 374 (9698): 1331-8, 2009.[PUBMED Abstract]
  10. Katsumata N, Yasuda M, Isonishi S, et al.: Long-term results of dose-dense paclitaxel and carboplatin versus conventional paclitaxel and carboplatin for treatment of advanced epithelial ovarian, fallopian tube, or primary peritoneal cancer (JGOG 3016): a randomised, controlled, open-label trial. Lancet Oncol 14 (10): 1020-6, 2013.[PUBMED Abstract]
  11. Scambia G, Salutari V, Amadio G: Controversy in treatment of advanced ovarian cancer. Lancet Oncol 14 (10): 920-1, 2013.[PUBMED Abstract]
  12. Vergote IB, Vergote-De Vos LN, Abeler VM, et al.: Randomized trial comparing cisplatin with radioactive phosphorus or whole-abdomen irradiation as adjuvant treatment of ovarian cancer. Cancer 69 (3): 741-9, 1992.[PUBMED Abstract]
  13. Piver MS, Lele SB, Bakshi S, et al.: Five and ten year estimated survival and disease-free rates after intraperitoneal chromic phosphate; stage I ovarian adenocarcinoma. Am J Clin Oncol 11 (5): 515-9, 1988.[PUBMED Abstract]
  14. Bolis G, Colombo N, Pecorelli S, et al.: Adjuvant treatment for early epithelial ovarian cancer: results of two randomised clinical trials comparing cisplatin to no further treatment or chromic phosphate (32P). G.I.C.O.G.: Gruppo Interregionale Collaborativo in Ginecologia Oncologica. Ann Oncol 6 (9): 887-93, 1995.[PUBMED Abstract]
  15. Piver MS, Malfetano J, Baker TR, et al.: Five-year survival for stage IC or stage I grade 3 epithelial ovarian cancer treated with cisplatin-based chemotherapy. Gynecol Oncol 46 (3): 357-60, 1992.[PUBMED Abstract]
  16. McGuire WP: Early ovarian cancer: treat now, later or never? Ann Oncol 6 (9): 865-6, 1995.[PUBMED Abstract]
進行した病期の上皮性卵巣がん、FTC、PPCの治療

上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)の患者に対する治療法の選択肢は、すべての病期で、手術とその後の白金製剤ベースの化学療法から構成されている。初期の病期を対象とした試験では、II期の患者で再発率が高いため、2009年以降の婦人科腫瘍学グループ(GOG)の試験では、より進行した病期のがん患者とともにII期のがん患者が対象に含められている。将来、治療法を検討する上でI期は別個のカテゴリーのままであるが、高悪性度のII期漿液性がんは、より進行した病期とともに対象に含められる可能性が高い。

進行した病期の上皮性卵巣がん、FTC、PPCに対する標準治療法の選択肢

進行した病期の上皮性卵巣がん、FTC、PPCに対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術とその後の全身化学療法
  2. 手術とその後の腹腔内(IP)化学療法
  3. 手術とその後の化学療法およびベバシズマブ
  4. 手術とその後の化学療法およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤
  5. 化学療法とその後の手術(場合によりその後のIP療法)
  6. 手術が不可能な患者に対する化学療法(ただし、全生存[OS]に対する効果は証明されていない)

初回治療後の地固めおよび/または維持療法では、生存が改善されないことが示されている。(詳しい情報については、本要約の地固め療法および/または維持療法のセクションを参照のこと。)

進行した病期で診断された患者は、手術および化学療法で治療される;しかしながら、IV期の患者では、転帰が一般的に好ましくない。IV期の患者における手術の役割は明らかではないが、ほとんどの事例で腹腔内に大きな腫瘍塊が認められ、III期の患者の管理で用いられるものと同様の外科的手技が適用される。IV期の患者でIPレジメンの選択肢が適用される可能性は、実施上(着手時のIPカテーテル挿入に関する限り)も、理論上(腹膜腔内の顕微鏡的病変の破壊が目的)も低い。

本疾患の適切な病期判定のため、また治療法の1つとして手術が用いられる。手術には、腹式子宮全摘および両側卵管卵巣摘除術とともに、大網切除術および安全に施行できる最大限の肉眼的腫瘍を除去する減量手術を含める。

初回腫瘍減量手術を実施してもこの腫瘍の生物学的特性は変わらないが、この手術で切除しきれなかったがんの量が患者の生存率と関係があることを十分な証拠が示している。[ 1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ]文献調査によると、腫瘍細胞縮小が最適であった患者では生存期間中央値が39ヵ月であったのに対して、切除が不十分で病変が残存した患者では17ヵ月に過ぎないことが明らかになった。[ 1 ][証拠レベル:3iA]

術後残存病変が1cm以下であった患者349人を対象としたレトロスペクティブ解析の結果により、減量手術後の残存病変の大きさが同じであっても、元の病変の量が多い症例では少ない症例に比べ、転帰が芳しくないことが示唆された。[ 2 ]残存腫瘍が小さいほど生存率がわずかながら高くなると考えられる。この関係が原因とはいえないが、白金製剤ベースの化学療法を受けた患者のメタアナリシスを含むレトロスペクティブ解析により、腫瘍細胞縮小が生存に関して独立した予後因子であることも明らかになっている。[ 3 ][ 4 ]GOG-0182(NCT00011986)に登録された患者2,655人を解析したところ、リンパ節が見える(node-visible)疾患に対してR0(すなわち、外科的完全切除)の減量手術のみが生存に独立して影響したことが明らかにされた。[ 5 ]

この30年間でGOGは、腫瘍細胞減量が最適(残存病変1cm以下と定義)であった女性および腫瘍細胞減量が不十分(残存病変が1cmを超える)であった女性に対して個別の試験を実施している。初回手術後の残存病変の程度は、ほとんどのシリーズにおいて転帰の決定因子であり[ 1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ]、特にGOGによる臨床試験のデザインに用いられている。

これらの研究結果を基に、腫瘍細胞減量が最適であったIII期の患者と腫瘍細胞減量が不十分であったIII期およびIV期の患者に対して、異なる標準治療アプローチが用いられることがある。IP治療を評価しているほとんどの研究では、腫瘍細胞減量の程度に基づいて割り付けを行う必要がある。(詳しい情報については、本要約の手術とその後のIP化学療法のセクションを参照のこと。)

腫瘍細胞減量が不十分であったIII期およびIV期の患者の長期追跡により、タキサン系製剤を含む現世代の試験以前の白金製剤ベースの併用療法では5年生存率が10%に満たないことが示された。[ 6 ]これに対して、GOG試験で腫瘍細胞減量が最適であったIII期の患者がタキサン系薬剤の静脈内(IV)投与および白金製剤 + タキサン系薬剤の腹腔内投与の併用療法を受けた場合の生存期間中央値は66ヵ月に達した。[ 7 ][証拠レベル:1iiA]

手術とその後の全身化学療法

手術後に1cmを超える残存病変が認められる患者に対しては、全身化学療法が標準である。単独または他の薬物と併用して投与するシスプラチンまたはその第二世代アナログであるカルボプラチンなどの白金製剤は、化学療法に使用するレジメンの基盤である。さまざまな共同研究グループによる試験(1999年~2010年)では、シスプラチンおよびカルボプラチン[ 11 ]の両方で最適な用量強度[ 8 ][ 9 ][ 10 ]、スケジュール[ 12 ]、ならびに通常はシクロホスファミドと併用して、これらのいずれかの白金製剤を使用して得られる同程度の結果といった問題が検討された。[ 13 ]

タキサン系薬剤のパクリタキセルの導入により、2件の試験で従来のシスプラチン + シクロホスファミドの標準治療と比較したところ、パクリタキセルと併用したシスプラチンの優越性が確認された。[ 14 ][ 15 ]しかしながら、パクリタキセル単剤をシスプラチンまたはカルボプラチンのいずれかと比較した2件の試験(ICON2およびGOG-132)で、そのような優越性は、すべての転帰パラメータ(すなわち、奏効、無増悪期間、および生存)で確認されなかった(これらの研究の一覧は表7を参照のこと)。

このエビデンスに基づいて、卵巣がん患者に対する初回の標準治療は、シスプラチンまたはカルボプラチンとパクリタキセルの併用である(導入化学療法と定義)。

証拠(シスプラチンまたはカルボプラチンとパクリタキセルの併用)

  1. GOG-132によりシスプラチンおよびパクリタキセルによる順次投与療法はシスプラチンまたはカルボプラチン + パクリタキセルの併用とほぼ同等であることが示されたと広くみなされている;しかしながら、多くの患者が疾患増悪前にクロスオーバーした。さらに、シスプラチン単独群では100mg/m2の用量が用いられたため、他より毒性が強かった。[ 16 ]
  2. Medical Research Council(MRC-ICON3)研究では早期のクロスオーバーがほとんどなかったが、順次投与療法の生存への影響に関して同様の解釈が可能であった。[ 17 ]

白金製剤 + タキサン系薬剤による標準併用療法がほぼ全世界で採用されて以降の臨床試験で、以下のことが実証されている:

  1. カルボプラチン + パクリタキセル vs シスプラチン + パクリタキセルの非劣性。[ 14 ][ 15 ][ 18 ]
  2. カルボプラチン + パクリタキセル vs カルボプラチン + ドセタキセルの非劣性。[ 19 ]
  3. カルボプラチン + パクリタキセルの2剤併用療法にエピルビシンを追加しても、利点がないばかりか、毒性作用も増大する。[ 20 ]
  4. 以下に示すようにカルボプラチン + パクリタキセル vs ゲムシタビンまたはトポテカンのいずれかとカルボプラチンを含む2剤の順次併用投与;あるいは基準の2剤にゲムシタビンまたはペグ化リポソーマルドキソルビシンを加えた3剤併用の非劣性:[ 21 ][ 22 ]
    1. 2001年2月から2004年9月に実施されたGOG-0182試験に参加したIII期またはIV期の上皮性卵巣がん、FTC、またはPPCの女性4,312人が4種類の異なる実験群またはカルボプラチン(曲線下面積[AUC]、6)およびパクリタキセル(175mg/m2)を3週間ごとに8サイクル投与する基準治療群にランダムに割り付けられた。[ 21 ]層別化因子は、残存病変の状態、およびインターバル減量手術を実施する意図の有無であった。

      この大規模な研究では、2群に国際産婦人科連合病期でIII期の患者(一方の群で84%、他方の群で87%)が含まれており、予想されたように、腫瘍細胞減量の程度はOSの重要な予後因子であった。

婦人科がんのうち、乳がんとは対照的に、2004年以前の第III相試験でパクリタキセルの週1回投与は検討されていなかった。日本の婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)の3016研究からの肯定的な結果は、広く採用されており、また新たな分割投与のパクリタキセル研究につながっている。

証拠(投与間隔を狭めた[dose-dense][週1回]治療スケジュール):

  1. JGOGの試験(JGOG-3601[NCT00226915])では、患者637人を登録し、パクリタキセル(80mg/m2)の週1回投与を6~9サイクル施行する群(dose-dense群)、またはパクリタキセルを180mg/m2で21日ごとに投与する標準スケジュール群にランダムに割り付けた。いずれのレジメンでも、3週間ごとのサイクルでカルボプラチン(AUC、6)が投与された。PFSを主要エンドポイントとして、週1回のパクリタキセルをベースとしたレジメンによりPFSに16~21ヵ月の延長が見出された。[ 23 ][ 24 ]週1回のパクリタキセルレジメンは毒性は強かったが、間欠投与スケジュールと比較した場合にQOLに悪影響を及ぼさなかった。[ 25 ][証拠レベル:1iiDiii]

    民族性以外に、この試験集団は他の研究と以下の点で異なっていた:

    研究結果では以下が実証された:

  2. 1件の第III相試験(MITO-7[NCT00660842])では、週1回のパクリタキセル(60mg/m2)と週1回のカルボプラチン(AUC、2)との併用群に割り付けられた患者406人の転帰がパクリタキセルおよびカルボプラチンの従来の3週間ごとの投与レジメンを受ける患者404人と比較された。[ 26 ][証拠レベル:1iiA]
  3. GOG-0262(NCT01167712)は、パクリタキセルの週1回(80mg/m2)から3週間ごとの投与(175mg/m2)の両者を、従来の3週間ごとのカルボプラチン(AUC、6)レジメンと比較した第III相研究である。[ 27 ][証拠レベル:1iiDiii]GOG-0218と同様に、両治療群には、2サイクル目に開始して6サイクル目まで継続する3週間ごとのベバシズマブ投与とその後の1年間ベバシズマブ単独を投与する選択肢が含められた。この選択肢は、すべての患者のうち約84%で適用された。
表7.初回手術後に進行した卵巣がんに対する術後静脈内療法で選択した第III相研究
試験 治療レジメン 患者数 無増悪生存(月数) 全生存(月数)
AUC = 曲線下面積;EORTC = European Organization for Research and Treatment of Cancer;Est = 推定;GOG = Gynecologic Oncology Group;ICON = International Collaboration on Ovarian Neoplasms;JGOG = Japanese Gynecologic Oncology Group;MITO = Multicentre Italian Trials in Ovarian cancer;MRC = Medical Research Council;No. = 数;NR = 報告なし。
a対照群は太字で示されている。
b統計解析結果が劣性(P < 0.001 - < 0.05)。
c最適に減量術が施された患者のみ。
d指定がなければ、3週間ごとに6サイクル実施。
eJGOG-3016には、II期の患者が含まれていた。
GOG-111(1990-1992)a[ 28 ] パクリタキセル(135mg/m2、24時間)およびシスプラチン(75mg/m2 184 18 38
シクロホスファミド(750mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2 202 13b 24b
EORTC-55931 パクリタキセル(175 mg/m2、3時間)およびシスプラチン(75mg/m2 162 15.5 35.6
シクロホスファミド(750mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2 161 11.5b 25.8b
GOG-132(1992-1994) パクリタキセル(135mg/m2、24時間)およびシスプラチン(75mg/m2 201 14.2 26.6
シスプラチン(100mg/m2 200 16.4 30.2
パクリタキセル(200mg/m2、24時間) 213 11.2b 26
MRC-ICON3[ 17 ] パクリタキセル(175mg/m2、3時間)およびカルボプラチン(AUC、6) 478 17.3 36.1
カルボプラチン(AUC、6) 943 16.1 35.4
パクリタキセル(175mg/m2、3時間)およびカルボプラチン(AUC、6) 232 17 40
シクロホスファミド(500mg/m2)およびドキソルビシン(50mg/m2)およびシスプラチン(50mg/m2 421 17 40
GOG-158(1995-1998)c パクリタキセル(135mg/m2、24時間)およびシスプラチン(75mg/m2d 425 14.5 48
パクリタキセル(175mg/m2、3時間)およびカルボプラチン(AUC、6) 415 15.5 52
JGOG-3016(2002-2004)e パクリタキセル(180 mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6)d 319 17.5 62.2
パクリタキセル(80 mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6) 312 28.5 100.5
MITO-7 [ 26 ][ 29 ] パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6)d 404 17.3 NR
パクリタキセル(60mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6) 406 18.3 NR
GOG-0262[ 27 ] パクリタキセル(80mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6) + 任意で2~6サイクル目に増悪するまで3週間ごとにベバシズマブ 346 14.7 Est 42
パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6)(× 6サイクル) + 任意で2~6サイクル目に増悪するまで3週間ごとにベバシズマブ 346 14.0 Est 42
GOG-218 パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6)(×6サイクル)および2~22サイクル目にプラセボ 625 10.3 39.3
パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6)(×6サイクル)および2~6サイクル目にベバシズマブ、および7~22サイクル目にプラセボ 625 11.2 38.7
パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、6)(×6サイクル)および2~22サイクル目にベバシズマブ 623 14.1 39.7
ICON7 [ 30 ] パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、5または6)およびベバシズマブ7.5mg/kg×6サイクルおよび7~18サイクル目にベバシズマブ単独 764 19.0 45.5
パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC、5または6)× 6サイクル 764 17.3 44.6

手術とその後のIP化学療法

IP経路による抗がん剤送達の薬理学的基盤は、1970年代後半から1980年代初期に確立された。主として患者が初回化学療法を受けた後、再評価時の微小残存病変の設定で、いくつかの薬物が研究され、シスプラチンの単独および併用が最も注目された。シスプラチンIP投与による良好な転帰は、腫瘍が白金製剤治療へ反応を示しており、腫瘍容積が小さい(通常1cm未満の腫瘍と定義)場合に、最も多くみられた。[ 31 ]

1990年代には、ランダム化試験が実施され、IP経路がIV経路よりも優れていると証明されるかどうかが評価された。IPシスプラチンは、これらのランダム化試験の共通項であった。

腹腔内温熱化学療法(HIPEC)は、別の薬理学ベースの治療法で、腹膜面に薬物を直接送達することで抗腫瘍効果を高める。最初に消化管由来の粘液性腫瘍に対して検証された。[ 32 ]HIPECは卵巣がんに次第に多く適用されるようになっているが、患者選択、投与薬物、および目標温度での時間(42°Cで30分間が最も多い)にはかなりの違いがある。卵巣がん再発の設定で探索的試験が進行中であるが、このような治療法は、初回治療後のシスプラチンIP投与をベースとしたレジメンの代替として使用すべきではない。[ 33 ]高悪性度の漿液性卵巣がん患者の治療におけるHIPECの役割は依然として実験的である。

証拠(手術とその後のIP化学療法):

  1. III期の卵巣がんで腫瘍細胞減量が最適であった患者に対して、IPシスプラチンを最初のアプローチの一部として使用することは、主に3件のランダム化臨床試験(SWOG-8501、GOG-0114、およびGOG-0172[NCT00003322])の結果から支持される。[ 7 ][ 34 ][ 35 ]これらの試験では、標準IVレジメンに対するIP薬物(3試験すべてでIPシスプラチン、最後の試験でIPパクリタキセル)の役割が検討された。

    特につい最近の研究のGOG-0172では、以下が実証された:[ 7 ][証拠レベル:1iiA]

    GOG-0114およびGOG-0172の更新された併合解析には876人の患者が含まれ、追跡期間中央値は10.7年で以下の結果が報告された:[ 36 ]

    したがって、GOG-0172で使用されたIPレジメンでは、忍容性を改善するためのいくつかの修正(例、3時間で投与するシスプラチンの総用量を25%以上減量;実用性に劣るパクリタキセルの24時間IV投与を3時間IV投与へ変更)を検証する取り組みがGOGにより進められている。

  2. IP vs IVのすべてのランダム化試験を対象としたコクラン後援のメタアナリシスによると、HRは無病生存で0.79、OSで0.79であり、IP群が優れていることが示された。[ 37 ]
  3. Cancer Care of Ontarioが実施したIP vs 全身化学療法を評価する7件のランダム化試験を対象とした別のメタアナリシスによると、IP投与経路で、5年での疾患増悪の相対比(RR)は、このエンドポイントを報告した3件の試験に基づき0.91(95%CI、0.85-0.98)で、5年での死亡のRRは、このエンドポイントを報告した6件の試験に基づき0.88(95%CI、0.81-0.95)であった。[ 38 ]

手術とその後の化学療法およびベバシズマブ

2件の第III相試験(GOG-0218[NCT00262847]およびICON 7[NCT00483782])で、卵巣がん、FTC、およびPPCに対する外科的腫瘍細胞減量後の第一選択治療におけるベバシズマブの役割が評価されている。[ 39 ][ 40 ]両試験により、ベバシズマブが初回化学療法に追加され、維持療法期として3週間ごとに追加で、16サイクルおよび12サイクル継続された場合にPFSのわずかな改善が示された。

証拠(手術とその後の化学療法およびベバシズマブ):

  1. GOG-0218は、III期またはIV期の女性1,873人が含まれ、全員が化学療法-カルボプラチン(AUC、6)およびパクリタキセル(175mg/m2を6サイクル)を受けた二重盲検ランダム化比較試験であった。40%の女性が切除不十分のIII期で、26%がIV期であった。本研究の主要エンドポイントはPFSであった。[ 39 ][証拠レベル:1iDiii]参加者は以下の投与群にランダムに割り付けられた:

    本試験の結果により以下が実証された:

  2. ICON7では、初回手術後の女性1,528人がカルボプラチン(AUC 5または6) + パクリタキセル(175mg/m2を6サイクル)の化学療法群または化学療法 + ベバシズマブ(7.5mg/kgを6サイクル)とその後さらに12サイクルのベバシズマブ単独群にランダムに割り付けられた。患者の9%が初期の病期の高悪性度腫瘍;70%がIIIC期またはIV期、26%が化学療法開始前の残存腫瘍が1cmより大きかった。PFSが主要な転帰測定値であった。[ 40 ][証拠レベル:1iiDiii]
    1. PFS期間中央値は、対照群で17.3ヵ月およびベバシズマブ群で19ヵ月であった。ベバシズマブ群におけるHR疾患増悪または死亡は0.81(95%CI、0.70-0.94;P = 0.004)であった。
    2. ベバシズマブ群では、グレード3以上の有害事象がより多くみられ、出血、高血圧(グレード2以上)、血栓塞栓性事象(グレード3以上)、および消化管穿孔が多かった。
    3. 2群間で生活の質に差はなかった。
    4. 2015年にICON7の著者らは最新の生存解析を報告した。[ 30 ]

要約すると、このエビデンスは、PFSの増加に伴い毒性作用も増加し、OSまたは生活の質の改善がみられなかったことから、第一選択治療としてのベバシズマブの使用を支持していない。

手術とその後の化学療法およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤

PARPは、DNA一本鎖切断の塩基除去修復に関与する酵素群である。BRCA1またはBRCA2の生殖細胞変異(gBRCA)を認める患者を含めて、相同組換え欠損を有する患者あるいは生殖細胞系列以外の相同組換え欠損陽性腫瘍を有する患者でPARPを阻害すると、DNA二本鎖切断が生じる。ヒトのDNA修復メカニズムは主に遺伝子の完全な1つのコピーに依存している。DNA二本鎖切断を来した細胞は通常、細胞死の標的とされる。BRCA欠損またはBRCA変異を認める細胞でPARP阻害に対するこうした感受性により[ 41 ][ 42 ]、このクラスの薬物の臨床開発に拍車がかかっている。最初に、これらの薬物は以前に化学療法で治療された女性で検証された。(詳しい情報については、本要約の化学療法を併用するまたは併用しないベバシズマブ、他の標的薬物、およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤のセクションを参照のこと。)

証拠(手術とその後の化学療法およびPARP阻害剤):

  1. 1件の二重盲検第III相試験(SOLO-1)(NCT01844986)により、高悪性度の漿液性または類内膜進行卵巣がんを新たに診断され、BRCA1BRCA2、またはこの両方に変異が認められ、白金製剤ベースの化学療法後に臨床的完全奏効または部分奏効を示した患者において、オラパリブ維持療法(300mg錠、1日2回)またはプラセボが比較された。[ 43 ]この研究は391人の患者をランダムに割り付け、2013年9月から2015年3月まで実施された。これらの患者のうち、260人がオラパリブ投与に割り付けられ、131人の患者がプラセボ投与に割り付けられた。3人を除くすべての患者がBRCA1(n = 191)またはBRCA2(n = 66)に生殖細胞変異を有した。主要エンドポイントの解析は、疾患の証拠がない場合は2年後に中止されるか、または研究者が評価した疾患増悪まで継続された。2年経過時に部分奏効が得られていた患者は、盲検化して介入を受けることが許可された。クロスオーバーは規定されなかったが、中止後、患者は研究者の裁量で治療を受けることができた。主要エンドポイントはPFSで、ランダム化時から画像検査(12週間ごとに最大3年間)での客観的な疾患増悪、またはすべての原因による死亡までと定義された。

    試験結果から、前もって選択されたこの集団における地固め療法としてオラパリブ維持療法の使用が支持されている。これは、BRCA1およびBRCA2に生殖細胞変異が認められる状況で第一選択化学療法を受け、完全または部分奏効を達成した後のPARP阻害剤の最初の適応である。

化学療法とその後の手術

2件の第III相研究で、標準的な初回腫瘍減量手術の転帰と術前補助化学療法に続くインターバル減量手術の転帰が比較された;両研究(以下に記述する)で、PFSおよびOSについて初回腫瘍減量手術使用の非劣性が実証された。[ 44 ][ 45 ]

証拠(化学療法とその後の手術):

  1. 1998年から2006年に、European Organization for the Research and Treatment of Cancer(EORTC)のGynecological Cancer GroupがNational Cancer Institute of Canada Clinical Trials Groupと共同で実施した研究(EORTC-55971[NCT00003636])では、IIIC期およびIV期の上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCの女性670人が含まれていた。[ 44 ][証拠レベル:1iiA]これらの女性が初回減量手術の後に白金製剤ベースの化学療法を6コース以上実施する群、または白金製剤ベースの術前補助化学療法を3コース実施した後にインターバル減量手術と合わせて、白金製剤ベースの化学療法を3コース以上実施する群にランダムに割り付けられた。

    方法としては、診断の正確さを確保する取り組み(例、消化管由来の腹膜がん腫症を除外)および術前の腫瘍(卵巣を除く)の最大サイズ(5cm以下、5cm超~10cm、10cm超~20cm、または20cm超)による層別化が含まれていた。他の層別化因子には、施設、生検の手法(すなわち、画像ガイド下、腹腔鏡検査、開腹術、または穿刺吸引法)、および腫瘍病期(すなわち、IIIC期またはIV期)が含まれた。この研究の主要エンドポイントはOSで、初回減量手術が標準とみなされた。[ 44 ][証拠レベル:1iiA]

  2. 2004年から2010年に、英国およびニュージーランドの87の病院にIII期またはIV期上皮性卵巣がんの女性550人が登録され、初回腫瘍減量手術とその後6サイクルの化学療法、または3サイクルの初期(術前補助)化学療法とその後の手術に追加で3サイクルの化学療法を受ける群にランダムに割り付けられた。EORTC研究とは対照的に、化学療法は従来のカルボプラチン(AUC、5またはAUC、6)およびパクリタキセル(175mg/m2、76%の患者)、またはカルボプラチン単独(23%の患者)、またはパクリタキセルを含まない化学療法(1%の患者)で構成された。[ 45 ][証拠レベル:1iiA]

    患者を1:1の比率でランダムに割り付けるために最小化法が用いられた。参加者は、ランダム化施設、放射線検査で最も大きな腫瘍、および事前に規定された化学療法レジメンで層別化された。主要エンドポイントは非劣性の確立であり、HR死亡に対する90%片側信頼区間の上限は1.18未満とされた。

これらの研究や別の観察研究および一部発表された第III相研究により、Society of Gynecologic Oncologyおよび米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology)の代わりに臨床診療ガイドラインの発表につながった。[ 46 ]

HIPECは、ほとんどは化学療法抵抗性疾患に対する広範な腫瘍減量手術後に、さまざま発生由来(虫垂がん、大腸がん、腹膜中皮腫など)の腹膜がん腫症に用いられている。HIPECでの経験は、初期の発表が要約されて以降、20年以上に及んでいる。[ 47 ]

証拠(化学療法および手術後のHIPEC):

  1. オランダの第III相オープンラベル研究(NCT00426257)の最終結果が発表されている。この研究は8つの病院で実施され、卵巣がんを新たに診断され、3サイクルのカルボプラチン(AUC 5~6)およびパクリタキセル、175mg/m2(どちらも3週間ごとにIV投与された)を受けた後に少なくとも病勢が安定していた患者245人が含まれた。[ 48 ]ランダム化は手術時に実施され、患者はHIPECを併用しない腫瘍減量手術(n = 123)またはHIPECを併用する腫瘍減量手術(n = 122)のいずれかを受けるように割り付けられた。その後、患者は全員追加で3サイクルのIV化学療法を受けた。外科的介入後、追跡期間中央値4.7年時点で研究が報告された。HIPECは腹腔灌流と、40℃(104°F)に加温(60分間維持)された生理食塩水にシスプラチン、100mg/m2を加えた投与で構成された。チオ硫酸ナトリウムが灌流開始時に200mL中に9g/m2の用量でIVボーラス投与された後、6時間持続IV注入(1L中に12g/m2)された。[ 49 ]

HIPEC実施経験を有する施設では、2つのグループでの有害事象は同等であった。HIPEC群の患者では、イレウス(3% vs 8%)、発熱(8% vs 12%)、血栓塞栓性事象(2% vs 6%)の発生率が高かったが、このグループでは手術群の患者と比べて、電解質の変化(5% vs 6%)および神経障害(27% vs 31%)の差が小さく、両患者群でIV化学療法が追加された。チオ硫酸ナトリウムの使用は、発表された第I相試験におけるHIPECの一部として投与されたシスプラチンに関するこの良好な安全性プロファイルを最もよく説明している。[ 50 ]HIPECは、HIPEC実施経験を有する外科チームに患者がアクセスできる場合に、術前補助療法を受ける患者に対する選択肢として検討すべきである。

地固め療法および/または維持療法

再発卵巣がんの治療に寄与している細胞毒性薬、ワクチン、および以下に一覧で示され、ほとんどは否定的な結果となっている放射性免疫抱合のほか、いくつかの生物学的製剤(上記の別のセクションで考察したベバシズマブなど)を用いた地固め療法および/または維持療法の第III相試験が実施されている。このような治療には以下のものがある:

血管新生阻害剤(ベバシズマブ以外)およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤について進行中の試験が、以下の臨床評価段階にある治療法の選択肢のセクションで記述されている。

臨床評価段階にある治療法の選択肢

血管新生阻害剤(ベバシズマブ以外)およびPARP阻害剤についての試験が進行中である。PARPは、DNA一本鎖切断の塩基除去修復に関与する酵素群である。BRCA1またはBRCA2の生殖細胞変異(gBRCA)を認める患者を含めて、相同組換え欠損を有する患者あるいは生殖細胞系列以外の相同組換え欠損陽性腫瘍を有する患者でPARPを阻害すると、DNA二本鎖切断が生じる。ヒトのDNA修復メカニズムは主に遺伝子の完全な1つのコピーに依存している;DNA二本鎖切断を来した細胞は通常、細胞死の標的とされる。BRCA欠損またはBRCA変異を認める細胞でPARP阻害に対するこうした感受性により[ 41 ][ 42 ]、このクラスの薬物の臨床開発に拍車がかかっている。白金化合物に対する感受性は相同組換え欠損の特性の1つであり、白金製剤感受性の患者集団は相同組換え欠損が多く認められ、PARP阻害から利益が得られる可能性が最も高いと期待される。これらの薬物のいくつかが、単剤療法または薬物の併用として卵巣がんにおいて研究され、再発がんの設定における活性が実証されており、オラパリブrucaparib、およびニラパリブがさまざまな適応について米国食品医薬品局の承認を受けている。(詳しい情報については、再発または持続性の上皮性卵巣がん、FTC、PPCの治療のセクションを参照のこと。)第一選択治療後、これら3つの薬物のほか、4つ目の薬物、ベリパリブ(他の治療には市販されていない)に関する第III相研究が進行中である。

現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

最新の臨床試験

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再発または持続性の上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCの治療

全般的に、上皮性卵巣がん、卵管がん(FTC)、原発性腹膜がん(PPC)と診断された患者の約80%は、第一選択の白金製剤ベースの化学療法およびタキサン系薬剤ベースの化学療法後に再燃するが、その後の治療法で利益が得られる可能性がある。第一選択治療完了後のセカンドルック開腹術による持続性病変の早期検出はもはや行われていない。このような手技を実施していた施設(施設の50%)における転帰と使用していない施設の転帰を非公式に比較すると、セカンドルック開腹術への不支持が増大した。このことはGynecologic Oncology Group(GOG)のGOG-0158試験で確認された。[ 1 ]

一方で、治療を完了した患者について1~3ヵ月間隔でがん抗原125(CA-125)値を測定する綿密なフォローアップの実施は、ほぼ例外なく採用された。臨床的完全寛解にある患者における初期治療からのCA-125値の増加は、最終的には臨床的に再燃する疾患を発見するための最も一般的な方法である。

疾患の症状または画像所見がない状態でCA-125の異常増加を基にした治療が臨床試験で検討されている。

証拠(治療早期開始 vs 治療延期):

  1. 英国医学研究審議会(MRC)による試験(MRC-OV05)およびEuropean Organisation for Research and Treatment of Cancerでは、CA-125値の上昇に対する早期治療開始 vs 臨床症状が現れるまで治療延期の転帰が検討された。[ 2 ]白金製剤ベースの化学療法後に臨床的完全寛解に達した患者が登録され、CA125値および臨床訪問のみで追跡された。CA125の正常範囲の2倍を超える上昇が検出された時点で、結果の開示と再発に対する早期治療群 vs 盲検維持と臨床的な再燃を示す徴候および症状の発現時点での治療群に患者がランダムに割り付けられた。ランダムに割り付ける患者数が500人を超えると、2年で早期治療開始群に優れた生存転帰が得られる予定であった;このためには1,400人の登録が必要で、1996年5月から2005年8月まで集積が行われた。

この研究に付随して実施されたQOLの評価で、早期治療は徴候および症状が現れるのを待つ場合と比較して有害な影響が認められた。[ 3 ]

米国の5つのがんセンターにおいてこれらの所見がCA-125の10年間にわたるサーベイランスパターンに及ぼす影響は期待はずれに低かった。[ 4 ][ 5 ]経過観察におけるCA-125値のモニタリングは白金製剤感受性の再発と白金製剤抵抗性の再発の識別に用いられ、再度の腫瘍細胞減量が適切な候補者を同定するのに一定の役割を果たすが、それでも、この戦略はランダム化試験による確認を必要としている。

再発または持続性の卵巣がん、FTC、PPCの患者に対する治療法の選択肢

再発病変を認める患者に対する治療法の選択肢は以下のように細分される:

  1. 白金製剤感受性の再発:導入療法終了後6ヵ月を超えてから再発する患者に対しては、白金製剤単剤またはカルボプラチンなど白金製剤を含むとの併用療法による再治療を検討すべきである(表8を参照のこと)。
  2. 白金製剤不応性または白金製剤抵抗性の再発:導入療法終了前に増悪する患者(白金製剤不応性)または導入療法終了後6ヵ月以内に増悪する患者(白金製剤抵抗性)に対して白金製剤による治療は一般的に治療計画の一部として有用ではない。臨床試験への参加を考慮すべきである。

第II相試験で活性が示されている他の薬物が表10に一覧で示されており、単独または他の薬物との併用で使用される場合もあるが、こうした治療はプロスペクティブ試験で実施するのが最良である。

腫瘍細胞減量術を使用してもよい[ 4 ];この介入はランダム化臨床試験の設定で検討されている(GOG-0213)。

再発卵巣がん患者における放射線療法の役割は明らかにされていない。

白金製剤感受性の再発

白金製剤を含む化学療法レジメン

表8に、卵巣がんの白金製剤感受性の再発の治療で、初回再燃に用いられる化学療法レジメンを示す。

表8.初回再燃で用いられる化学療法レジメン
適格性(初回治療終了後の月数) レジメン 患者数 対照薬 転帰(月数)に関するコメント
No. = 数;OS = 全生存;PFS = 無増悪生存。
aトラベクテジンは、欧州およびカナダで再発卵巣がんの治療における使用に対して承認されている。
b本稿が公開される時点で、OSデータは確定していなかった。[ ]
cP < 0.0001。
最も一般的に使用されるレジメン
白金製剤感受性(> 6ヵ月) シスプラチンまたはカルボプラチン + パクリタキセル 802 タキサン系製剤単剤 + 白金製剤 PFS 11 vs 9ヵ月;OS 24 vs 19ヵ月[ ]
白金製剤感受性(> 6ヵ月) カルボプラチン + ゲムシタビン 356 カルボプラチン PFS 8.6 vs 5.8ヵ月;OS 18 vs 17ヵ月[ ]
白金製剤感受性(> 6ヵ月) カルボプラチン + ペグ化リポソーマルドキソルビシン 976 カルボプラチン + パクリタキセル PFS 11.3 vs 9.4ヵ月;OS 30.7 vs 33.0ヵ月[ ]
他のレジメン
白金製剤感受性(> 6ヵ月) カルボプラチン + エピルビシン 190 カルボプラチン 反応差の検出力あり;OS 17 vs 15ヵ月[ ]
白金製剤感受性(12ヵ月以上) シスプラチン + ドキソルビシン + シクロホスファミド 97 パクリタキセル PFS 15.7 vs 9ヵ月;OS 34.7 vs 25.8ヵ月[ ]
白金製剤に対して感受性 + 抵抗性 ペグ化リポソーマルドキソルビシン + トラベクテジンa 672 ペグ化リポソーマルドキソルビシン PFS 7.3 vs 5.8ヵ月;OS 20.5 vs 19.4ヵ月b
白金製剤感受性 パクリタキセル-カルボプラチン 674 パクリタキセル-カルボプラチン + ベバシズマブ PFS 10.4 vs 13.8ヵ月c;OS 37.4 vs 42.2ヵ月[ ]

カルボプラチンは、エトポシドまたは5-フルオロウラシルと併用して生存が改善されたことに基づいて、シスプラチンによる治療後に再発した卵巣がん患者の治療法として1987年に承認された。[ 12 ]現在利用されている第二選択の薬物であるパクリタキセルに関する1件の第II相ランダム化試験において、シスプラチン + ドキソルビシン + シクロホスファミド(CAP)のシスプラチンを含む併用療法により、優れた生存転帰がもたらされた。[ 10 ]この研究およびその後の研究(表8を参照のこと)により、白金製剤感受性の再発を来した患者に対する治療の中核としてカルボプラチンの使用が強化されている。シスプラチンは骨髄抑制がより低いために、特に他の薬物との併用においてたまに使用されるが、このカルボプラチンを上回る利点は、不耐性が大きいことにより相殺される。

オキサリプラチンは、当初白金製剤抵抗性を克服することが期待されて導入され、主として白金製剤感受性患者に活性を示しているが[ 13 ]、カルボプラチン単独または併用とは比較されていない。

すべての白金製剤で、転帰は一般的に最初の白金製剤を含むレジメンから無再発の期間が長いほど良好である。[ 14 ]そのため、1年以内に再燃した白金製剤感受性再発を来した患者が非白金製剤の試験にときに含められている。こうした1件の試験で、ペグ化リポソーマルドキソルビシンとトポテカンが比較され、白金製剤感受性であった患者のサブセットでは、いずれの薬剤(特にペグ化リポソーマルドキソルビシン)でも白金製剤抵抗性のコホートと比較して転帰が良好であった。[ 15 ]

数件のランダム化試験で、白金製剤と他の化学療法薬との併用が単独薬よりも優れているかどうかが扱われている(表8を参照のこと)。

証拠(他の化学療法薬剤と併用した白金製剤):

  1. MRC/Arbeitsgemeinschaft Gynaekologische Onkologie(MRC/AGO)およびInternational Collaborative Ovarian Neoplasm(ICON)の研究者らが実施した試験の結果を合同で検討したデータ解析(ICON4)で、以下の結果が観察された:[ 5 ][ 9 ][証拠レベル:1iiA]
  2. ヨーロッパとカナダのグループによる別の試験では、ゲムシタビン + カルボプラチンとカルボプラチンが比較された。
  3. 第III相試験で、白金製剤感受性の再発(6ヵ月を超えて再発)患者を対象にカルボプラチン + ペグ化リポソーマルドキソルビシンがカルボプラチン + パクリタキセルと比較された。主要エンドポイントはPFSであった。

    カルボプラチン + ペグ化リポソーマルドキソルビシンは、毒性プロファイルおよび標準レジメンに対する非劣性を考慮すると、白金製剤感受性の再発患者に対する重要な選択肢となる。

神経性毒性作用が残存していない場合は、カルボプラチン + パクリタキセルが白金製剤感受性の再発に対する標準レジメンと考えられている。GOG-0213試験では、このレジメンがベバシズマブをカルボプラチン + パクリタキセルに追加する実験的治療群と比較されている。

化学療法を併用するまたは併用しないベバシズマブ、他の標的薬物、およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤

証拠(ベバシズマブとゲムシタビン-カルボプラチン化学療法の併用):

  1. Ovarian Cancer Study Comparing Efficacy and Safety of Chemotherapy and Anti-Angiogenic Therapy in Platinum-Sensitive Recurrent Diseases(OCEANS[NCT00434642])では、白金製剤感受性の再発の治療におけるベバシズマブの役割が評価された(この設定における他の試験については表8を参照のこと)。この上皮性卵巣がん、FTC、またはPPCの再発に対するベバシズマブの併用または非併用の化学療法(ゲムシタビン + カルボプラチン)の二重盲検プラセボ対照第III相試験では、242人の患者が各治療群にランダムに割り付けられた。第一選択治療の研究とは対照的に、奏効が得られている患者には6サイクルを超えて10サイクルまでの治療継続が可能であったが、維持療法は設けられていなかった。[ 18 ]

証拠(ベバシズマブとパクリタキセル-カルボプラチン化学療法の併用):

  1. National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)、Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)、およびGOGのNRG Oncology Group、またはNational Clinical Trials Network(NCTN)グループによる取り組みを併合した研究(GOG-0213[NCT00565851])により、白金製剤感受性卵巣がんの再発女性における減量手術と、ベバシズマブ導入療法および維持療法追加との両方の役割が評価された。[ 11 ][証拠レベル:1iiA]GOG-0213の手術以外の群では、0.75の真のハザード比(HR)に対する検出力は81%であった;2007年12月から2011年8月までに674人の女性が登録し、追跡期間中央値が4年を超えた後に解析が発表された。

証拠(血管新生阻害剤を併用するまたは併用しないPARP阻害剤):

PARPは、DNA一本鎖切断の塩基除去修復に関与する酵素群である。BRCA1またはBRCA2の生殖細胞変異(gBRCA)を認める患者を含めて、相同組換え欠損を有する患者あるいは生殖細胞系列以外の相同組換え欠損陽性腫瘍を有する患者でPARPを阻害すると、DNA二本鎖切断が生じる。ヒトのDNA修復メカニズムは主に遺伝子の完全な1つのコピーに依存している;DNA二本鎖切断を来した細胞は通常、細胞死の標的とされる。BRCA欠損またはBRCA変異を認める細胞でPARP阻害に対するこうした感受性により[ 19 ][ 20 ]、このクラスの薬物の臨床開発に拍車がかかっている。白金化合物に対する感受性は相同組換え欠損の特性の1つであり、白金製剤感受性の患者集団は相同組換え欠損が多く認められ、PARP阻害から利益が得られる可能性が最も高いと期待される。

  1. オラパリブによる維持療法に関するランダム化二重盲検プラセボ対照第II相試験で適格患者は、白金製剤感受性の高悪性度の漿液性卵巣がんであった。患者はオラパリブ(400mg、1日2回)またはプラセボを投与される群にランダムに割り付けられた。gBRCA1またはgBRCA2変異の存在は、適格性に必要なかった;しかしながら、実験群の23%の患者およびプラセボ群の22%の患者でBRCA1またはBRCA2変異が確認された。主要エンドポイントはPFSであった。[ 21 ][証拠レベル:1iiDiii]
  2. 二重盲検ランダム化プラセボ対照第III相試験のSOLO2(NCT01874353)において、高悪性度の漿液性または類内膜、原発性腹膜、あるいは卵管がん患者を対象にオラパリブ錠(以前のカプセル製剤とは異なる)が評価された。患者は白金製剤感受性の再燃を来しており、BRCA 1/2変異について前もって選択されていた。[ 23 ][証拠レベル:1iiDiii]以前の白金製剤に対する反応(完全奏効 vs 部分奏効)および白金製剤不使用期間(6ヵ月超~12ヵ月 vs 12ヵ月超)による層別化と150mg錠、1日2回のオラパリブまたは対応するプラセボ錠に2:1の割合でランダムな割り付けが実施された。登録された適格患者295人中、196人がオラパリブに割り付けられ、99人がプラセボに割り付けられた。
  3. オープンラベル研究のARIEL2(NCT01891344)で、rucaparibが第II相の評価を受け、この研究には2013年10月から2014年11月の間に206人の患者が登録し、このうち204人が実際にrucaparibを投与され(192人が実際にサブグループに分類可能であった)、高悪性度白金製剤感受性再発を来していた。[ 25 ][証拠レベル:3iiDiii]腫瘍の変異解析に基づいて、以下の3つの予め規定されていた相同組換え欠損サブグループが研究された: この薬物は1日2回600mgで経口投与され、患者は疾患進行または他の中止すべき理由が起こるまで治療された。204人の患者の治療期間中央値は5.7ヵ月であった。
  4. その後の評価で、rucaparibは1件のランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験(ARIEL 3[NCT01968213])において、白金製剤治療への反応後の維持療法として査定された。[ 26 ]適格となるために、患者は高悪性度がんを有し、以前に少なくとも2つの白金製剤を含むレジメンで治療され、最後の白金製剤を含むレジメンに対して完全奏効または部分奏効を達成していることとされた。2014年4月から2016年7月に2:1の比率で治療割り付けが行われ、375人の患者がrucaparibを受け、189人の患者がプラセボを受けた。研究者が判定したPFSが主要エンドポイントであり、以下の3つの判定されたネステッド治療コホートに対してステップダウン法が用いられた:プラセボ群と比較してrucaparib群において治療により発生したグレード3以上の有害事象は、主に貧血(19% vs 1%)とアラニンアミノトランスフェラーゼまたはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ高値(10% vs 0%)であった。
  5. 白金製剤感受性の主に高悪性度の漿液性卵巣がん患者533人が2:1の比率で、経口ニラパリブによる維持療法またはプラセボにランダムに割り付けられ、主要エンドポイントをPFSとして追跡された1件の二重盲検プラセボ対照第III相試験で、ニラパリブが評価された。[ 27 ]患者は腫瘍および血液サンプルからのBRCA解析検査(Myriad Genetics)に基づいて、gBRCAまたはBRCA以外の相同組換え欠損陽性卵巣がんあるいはBRCA以外の相同組換え欠損陰性卵巣がんの有無によってカテゴリー別に分類された。
    1. ニラパリブ投与群の患者では、プラセボ群と比較してPFS期間中央値が有意に長かった。[ 27 ][証拠レベル:1iiDiii]カテゴリー間の比較は、gBRCAがんについてHR、0.27(21.0ヵ月 vs 5.5ヵ月)、BRCA以外の相同組換え欠損陽性のがんについてHR、0.38(12.9ヵ月 vs 3.8ヵ月)、およびBRCA以外の相同組換え欠損陰性のがんについてHR、0.45(9.3ヵ月 vs 3.9ヵ月)の範囲に及んだ。
    2. OSのデータはこの報告時点で十分に得られていなかったが、研究期間中の死亡はニラパリブ群の患者の16.1%およびプラセボ群の患者の19.3%に発生した。
    3. 患者の3分の1から半分近くが以前に3つ以上の治療を受けており、こうした治療には以下のようなことが含まれた:
    4. 相同組換え欠損陽性の進行卵巣がんで第一選択の白金製剤ベースの化学療法に反応後の患者におけるニラパリブ維持療法に関する1件の第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照研究(NCT01847274)は患者登録が締め切られ、結果が待たれている。
    5. 他のPARP阻害剤では、白金製剤抵抗性がんにおける役割と他の薬物との併用における役割が探究されている。
  6. オラパリブは、多施設共同第II相試験でBRCA1またはBRCA2の生殖細胞変異が確認された患者に対する単剤としても評価された。[ 28 ][証拠レベル:3iiiDiv]この試験は、白金製剤抵抗性の卵巣がん患者、3種類以上のレジメンによる治療歴のある乳がん患者、ゲムシタビン投与歴のある膵がん患者、またはホルモン療法と1回の全身療法による治療歴のある前立腺がん患者を対象としていた。オラパリブは400mg、1日2回の用量で投与された。主要エンドポイントは奏効率であった。計298人の患者が登録された。

    この試験からのデータは、BRCA1またはBRCA2変異が確認されており、以前の3つのレジメンが無効となった卵巣がん患者に対するオラパリブの米国食品医薬品局(FDA)による承認に用いられた。

  7. 他の数件の試験では、細胞毒性化学療法または他の生物学的療法とオラパリブが併用されている。[ 29 ][ 30 ]表9を参照のこと。

白金製剤ベースの治療に反応後の維持療法としてのPARP阻害剤の試験が進行中である(表9を参照のこと)。

表9.オラパリブの併用
試験 適格性 治療群 患者数 PFS(月数) OS
AUC = 曲線下面積;BID = 1日2回;g = 生殖細胞系列;N = 数;NR = 報告なし;PFS = 無増悪生存;OS = 全生存。
NCT01116648 (2014)[ ] 白金製剤感受性卵巣がんで、高悪性度の漿液性がんまたはBRCA生殖細胞変異 オラパリブ 200mg 1日2回 + セジラニブ1日30mg 44 17.7 NR
オラパリブ 400mg 1日2回 46 9.0 NR
NCT01081951 (2015)[ ] 白金製剤感受性の高悪性度の漿液性卵巣がん オラパリブ 200mg 1日2回 + パクリタキセル175mg/m2 + カルボプラチン AUC 4 81 12.2 NR
パクリタキセル175mg/m2 + カルボプラチンAUC 6 81 9.6 NR

白金製剤不応性または白金製剤抵抗性の再発

化学療法

白金製剤を含むレジメン完了から6ヵ月以内に起こる臨床的再発は白金製剤不応性または白金製剤抵抗性の再発と考えられる。アントラサイクリン系薬物(特にペグ化リポソーマルドキソルビシンとして処方される場合)、タキサン系薬物、トポテカン、およびゲムシタビンは、有効性および表10に掲載した薬物と比較して良好な治療指数に基づいて、これらの再発に対する単剤として使用される。長い一覧は、これらの薬物の有益性があるとしてもごくわずかなことを強調している。白金製剤抵抗性の患者では、臨床試験への参加を考慮すべきである。

白金製剤不応性または白金製剤抵抗性の再発の治療に用いられる薬物には以下のものがある:

化学療法、ベバシズマブ、またはその併用

白金製剤不応性または白金製剤抵抗性の再発の治療に用いられる他の薬物(有効性が十分に確定しているとはいえない)

表10に示す薬物は、白金製剤抵抗性の設定における有効性が十分に確認されているわけではなく、望ましい治療指数も低度で、証拠レベルは3iiiDivより低い。

表10:再発卵巣がんの設定で使用されている他の薬物(白金製剤を含むレジメンの失敗後の効力は十分に明らかにされていない)
薬物 薬効群 主な毒性 コメント
エトポシド トポイソメラーゼII阻害薬 骨髄抑制;脱毛 経口投与;まれな白血病により関心が弱められる
シクロホスファミドおよび他のいくつかのビスクロロエチルアミン(bis chloroethyl amines) アルキル化剤 骨髄抑制;脱毛(oxazaphosphorinesのみ) 白血病および膀胱炎;白金製剤後の有効性が不確定
ヘキサメチルメラミン(アルトレタミン) 不明であるがおそらくアルキル化プロドラッグ(alkylating prodrugs) 催吐および神経毒性作用 経口投与;白金製剤後の有効性が不確定
イリノテカン トポイソメラーゼI阻害薬 下痢および他の消化管症状 トポテカンに対する交差耐性
オキサリプラチン 白金製剤 神経障害、催吐、骨髄抑制 通常の白金製剤に対して交差耐性を示すが、それほど強くない
ビノレルビン 分裂抑制剤 骨髄抑制 不規則な活性
フルオロウラシルおよびカペシタビン フルオロピリミジン代謝拮抗薬 消化管症状および骨髄抑制 カペシタビンは経口投与;粘液性腫瘍において有用な場合がある
タモキシフェン 抗エストロゲン 血栓塞栓症 経口投与;有効性がごくわずかで、サブセットによってはより大きな可能性がある

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

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本要約の変更点(12/18/2019)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

上皮性卵巣がん、FTC、およびPPCの病期情報

参考文献3として、米国がん合同委員会(AJCC)が更新された。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Ovarian Epithelial, Fallopian Tube, and Primary Peritoneal Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/ovarian/hp/ovarian-epithelial-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389443]

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

免責条項

入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。