患者さん向け 小児肝がんの治療(PDQ®)

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このPDQがん情報要約では、小児肝がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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小児肝がんについての一般的な情報

小児肝がんは、肝臓の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

肝臓は体内で最も大きな臓器の1つです。2つのから構成され、胸郭の内部に位置し、右上腹部の空間の大部分を占めています。肝臓の多くの重要な機能のうち、主なものは以下の3つです:

肝臓の解剖図:図は肝臓の右葉と左葉を示す。さらに胆管、胆嚢、胃、脾臓、膵臓、小腸、結腸も示している。

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肝臓の解剖図。肝臓は、上腹部の胃、腸、胆嚢、膵臓の近くに位置しています。肝臓には右葉と左葉があります。各葉は2つの部分に分けられます(図には示されていません)。

肝がんは、小児や青年ではまれながんです。

数種類の小児肝がんがあります。

小児肝がんの代表的なものには次の2種類があります:

それよりも頻度の少ない種類の小児肝がんには以下のようなものがあります:

本要約は、原発性肝がん(肝臓に発生したがん)の治療法について書かれたものです。転移性肝がん(他の部位から発生したがん細胞が肝臓に転移してできたがん)の治療法については、本要約では扱われていません。

原発性肝がんは成人にも小児にも発生します。ただし、小児に対する治療法は、成人に対する治療法と異なります。成人の治療法については、PDQの成人原発性肝がんの治療に関する要約をご覧ください。

特定の疾患や病態をもつ小児では、小児肝がんのリスクが高くなります。

病気になるリスクを増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

肝芽腫のリスク因子には、以下の症候群病態があります:

肝芽腫のリスクが高い小児には、症状が現れる前にがんの検査が実施されることがあります。小児が4歳になるまでは、3ヵ月ごとに腹部超音波検査を実施し、血液中のα-フェトプロテイン濃度を調べます。

肝細胞がんのリスク因子には、以下の症候群や病態があります:

チロシン血症の患者さんは、がんの徴候や症状がみられる前に、チロシン血症の治療として肝移植を受けることがあります。

小児肝がんの徴候や症状には、腹部のしこりや痛みなどがあります。

腫瘍が大きくなると、症候や症状がみられることが多くなります。ただし、別の病態が原因で同様の徴候や症状が現れてくる場合もあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:

小児肝がんを診断し転移の有無を確認するために、肝臓と血液を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

肝芽腫の予後と治療選択肢は、以下の因子に左右されます:

肝細胞がんの予後と治療選択肢は、以下の因子に左右されます:

最初の治療後に再発した小児肝がんの予後と治療選択肢は、以下の因子に左右されます:

小児肝がんは、腫瘍が小さくて手術によって完全に切除できる場合は、治癒も望めます。肝芽腫では、肝細胞がんと比べて、完全摘出が可能な場合が多くなります。

小児肝がんの病期

小児肝がんの診断がついた後には、がん細胞の肝臓内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん肝臓内での拡がりや、周辺の組織または臓器、もしくは他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。小児肝がんでは、病期分類の代わりにPRETEXTグループとPOSTTEXTグループを用いて治療計画を立てます。がんの発見や診断、あるいは転移の有無を明らかにするための検査や手技の結果を用いて、PRETEXTとPOSTTEXTのグループを判定します。

小児肝がんには、2つのグループ分類体系があります。

小児肝がんでは、次の2種類のグループ分類体系を用いて、手術腫瘍を切除できるかどうかを判定します:

4つのPRETEXTグループとPOSTTEXTグループがあります:

肝臓は4つの区域に分けられます。PRETEXTとPOSTTEXTのグループは、肝臓のどの区分にがんが存在するかによって決まります。

PRETEXTまたはPOSTTEXTのグループI

肝のPRETEXT I;2種類の肝臓を示す。それぞれ、縦の点線で肝臓を4つの区画に分けて、ほぼ同じ大きさになるようにしている。1番目の肝臓では、左端の区域にがんがある。2番目の肝臓では、右端の区域にがんがある。

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肝のPRETEXT I。肝臓の1つの区域のみにがんが認められます。そこと隣接している肝臓の3つの区域にはがんがありません。

グループIでは、肝臓の1つの区域のみにがんが認められます。そこと隣接している肝臓の3つの区域にはがんがありません。

PRETEXTまたはPOSTTEXTのグループII

肝のPRETEXT II;5種類の肝臓を示す。それぞれ、縦の点線で肝臓を4つの区画に分けて、ほぼ同じ大きさになるようにしている。1番目の肝臓では、左側の2つの区域にがんがある。2番目の肝臓では、右側の2つの区域にがんがある。3番目の肝臓では、左端と右端の区域にがんがある。4番目の肝臓では、左から2番目の区域にがんがある。5番目の肝臓では、右から2番目の区域にがんがある。

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肝のPRETEXT II。肝臓の1つないし2つの区域にがんが認められます。そこと隣接している肝臓の2つの区域にはがんがありません。

グループIIでは、肝臓の1つないし2つの区域にがんが認められます。そこと隣接している肝臓の2つの区域にはがんがありません。

PRETEXTまたはPOSTTEXTのグループIII

肝のPRETEXT III;7種類の肝臓を示す。それぞれ、縦の点線で肝臓を4つの区画に分けて、ほぼ同じ大きさになるようにしている。1番目の肝臓では、左側の3つの区域にがんがある。2番目の肝臓では、左側の2つの区域と右端の区域にがんがある。3番目の肝臓では、左端の区域と右側の2つの区域にがんがある。4番目の肝臓では、右側の3つの区域にがんがある。5番目の肝臓では、中央の2つの区域にがんがある。6番目の肝臓では、左端の区域と右から2番目の区域にがんがある。7番目の肝臓では、右端の区域と左から2番目の区域にがんがある。

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肝のPRETEXT III。がんが肝臓の3つの区域に認められ、かつ1つの区域にはがんが認められないか、またはがんが肝臓の2つの区域に認められ、かつ隣り合わない肝臓の2つの区域にがんが認められません。

グループIIIでは、以下の条件のいずれかが満たされます:

PRETEXTまたはPOSTTEXTのグループIV

肝のPRETEXT IV;2種類の肝臓を示す。それぞれ、縦の点線で肝臓を4つの区画に分けて、ほぼ同じ大きさになるようにしている。1番目の肝臓では、4つの区域全てにがんがある。2番目の肝臓では、左側の2つの区域にがんがあり、右側の2つの区域には塊状のがんがある。

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肝のPRETEXT IV。肝臓の4つの区域の全てにがんが認められます。

グループIVでは、肝臓の4つの区域の全てにがんが認められます。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、小児肝がんがに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は肝がんの細胞です。この疾患は転移性肝がんであり、肺がんではありません。

小児肝がんは治療後に増殖し続けたり再発したりすることがあります。

増殖や拡がり、または悪化が続くがんは進行性疾患です。進行性疾患のがんは、治療に反応しなくなっている可能性があります。

再発小児肝がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、肝臓内に起こることもあれば、体の他の部位に起こることもあります。

治療選択肢の概要

小児肝がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

小児肝がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、がん患者さんのために、既存の治療法の改善に役立てたり、新しい治療法に関する情報を得たりするための調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児肝がんの患者さんは全員が、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

肝がんのお子さんは、必ずこのまれな小児がんの治療に精通した医療提供者チームに治療計画を立ててもらってください。

この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児肝がんの治療に精通し、特定の医療分野を専門とした他の医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。特に、肝臓手術の経験が豊富で、必要であれば肝移植プログラムに患者さんを紹介できる小児外科医が治療に参加することが重要です。他にも以下のような専門家が治療に参加することがあります:

標準治療として以下の6種類が用いられています:

手術

可能な場合は、手術によるがんの摘出が行われます。

施行できる手術の種類に影響する因子には、以下のものがあります:

腫瘍を小さくして摘出しやすくするために、手術の前に化学療法を行うこともあります。このような治療は術前補助療法と呼ばれます。

手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法や放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、徴候症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く監視していくことです。肝芽腫では、この治療法は腫瘍が小さく手術で完全に切除できた場合にのみ用いられます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。複数の抗がん剤を用いる治療法は併用化学療法と呼ばれます。

肝動脈(肝臓に血液を供給している主要な動脈化学塞栓療法は局所化学療法の1つで、手術で切除できない小児肝がんの治療に用いられます。この方法では、カテーテル(細い管)を介して抗がん剤を肝動脈の中に注入します。その薬剤には動脈を詰まらせる物質が混ぜられていて、これによって腫瘍への血液の供給が遮断されます。その結果、抗がん剤の大半が腫瘍の近くにとどまり、体内の他の部位に送られる抗がん剤の量が少なくなります。動脈を遮断するのに使用する物質の種類に応じて、動脈の閉塞は一時的なものにも永久的なものにもできます。腫瘍の増殖に必要となる酸素栄養素が供給されないようになります。一方で肝臓への血液供給は、から肝臓に血液を運んでくる肝門脈によって維持されます。この療法は経動脈化学塞栓またはTACEとも呼ばれます。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類とPRETEXTまたはPOSTTEXTのグループに応じて異なります。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:

肝動脈(肝臓に血液を供給している主要な動脈)の放射線塞栓術は内照射療法の1つで、肝細胞がんの治療に用いられます。この方法では、ごく少量の放射性物質を微小なビーズに結合させ、カテーテル(細い管)を介して肝動脈に注入します。そのビーズには動脈を詰まらせる物質が混ぜられていて、これによって腫瘍への血液の供給が遮断されます。放射線の大半が腫瘍付近にとどまり、がん細胞を殺傷します。この方法は、肝細胞がんの小児に対して、症状を和らげ生活の質を改善するために行われます。

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類とPRETEXTまたはPOSTTEXTのグループに応じて異なります。外照射療法は、手術で切除できない、または他の部位に転移した肝芽腫の治療に用いられます。

焼灼療法(アブレーション)

焼灼療法(アブレーション)は組織を除去したり破壊したりします。肝がんには様々な焼灼療法が用いられます:

抗ウイルス治療

B型肝炎ウイルスに関連する肝細胞がんに対しては、抗ウイルス薬による治療が行われます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

標的療法

標的療法とは、がん細胞を攻撃する性質をもった薬物などの物質を用いる治療法です。標的療法では一般に、化学療法や放射線療法に比べて、正常な細胞に及ぼす害が少なくなります。

小児肝がんの治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

がんの治療の副作用のうち、治療後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:

晩期合併症(晩期障害)には治療や制御することが可能なものもあります。がん治療によってお子さんに発生する可能性がある晩期合併症(晩期障害)について、担当の医師とよく相談することが大切です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する要約をご覧ください)。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断や治療グループの特定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

小児肝芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断され、手術で切除可能と判断された肝芽腫の治療選択肢には、以下のようなものがあります:

新たに診断され、手術で切除できないと判断された肝芽腫、または切除されない肝芽腫の治療選択肢には、以下のようなものがあります:

新たに診断された他の部位に転移している肝芽腫では、併用化学療法を用いて、肝臓内の腫瘍と他の部位に転移しているがんを小さくします。化学療法の後に、画像検査を行って、手術で腫瘍を切除できるかどうかを調べます。

治療選択肢には以下のようなものがあります:

新たに診断された肝芽腫の臨床試験では、以下の治療選択肢があります:

小児肝細胞がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断され、手術で切除可能と判断された肝細胞がんの治療選択肢には、以下のようなものがあります:

新たに診断され、手術で切除できないと判断された他の部位に転移していない肝細胞がんの治療選択肢には、以下のようなものがあります:

新たに診断された他の部位に転移している肝細胞がんの治療法には以下のものがあります:

B型肝炎ウイルス(HBV)感染に関連する、新たに診断された肝細胞がんの治療法には、以下のようなものがあります:

新たに診断された肝細胞がんの臨床試験では、以下の治療選択肢があります:

小児肝未分化胎児性肉腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断された未分化胎児性肉腫の治療選択肢には、以下のようなものがあります:

乳児性肝絨毛がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断された乳児性絨毛がんの治療選択肢には以下のようなものがあります:

肝血管腫

血管の治療の詳細については、PDQ小児脈管腫瘍の治療に関する要約をご覧ください。

進行性または再発小児肝がんの治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

進行性または再発肝芽腫の治療法には、以下のようなものがあります:

進行性または再発肝細胞がんの治療法には、以下のようなものがあります:

再発肝未分化胎児性肉腫の治療法には、以下のようなものがあります:

再発乳児性肝絨毛がんの治療法には、以下のようなものがあります:

小児肝がんについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している小児肝がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

小児がんに関する情報と一般的ながんに関するその他の資源については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児肝がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Liver Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/liver/patient/child-liver-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389318]

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