患者さん向け 神経芽腫の治療(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、神経芽腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

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神経芽腫についての一般的な情報

神経芽腫は、副腎、頸部、胸部、脊髄の神経芽細胞(未熟な神経組織)に発生するがんの一種です。

神経芽腫は多くの場合、副腎神経組織から発生します。副腎は体内に2つあり、上腹部の背側に位置する左右の腎臓の上部に1つずつ存在しています。副腎では、心拍数や血圧血糖ストレスに対する反応などの調節で重要な働きをする数種類のホルモンが作られています。

この図は、神経芽腫が発生することがある傍脊椎神経組織や副腎などの部位を示している。脊椎と左右の腎臓も示している。

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神経芽腫は副腎と首から骨盤にかけての傍脊椎神経組織に認められます。

神経芽腫の大半は乳児期に発生します。通常は生後1カ月から5歳までの間に診断されます。腫瘍が大きくなり、徴候症状を引き起こし始めてから、その存在が明らかになります。ときには出生前に発生し、胎児の超音波検査で発見される場合もあります。

がんと診断されるまでに、通常はがんが他の部位に転移して(拡がって)います。神経芽腫がよく転移する部位は、乳幼児ではリンパ節、骨、骨髄肝臓、皮膚です。また青年では、転移することもあります。

特定の遺伝的状態は、神経芽腫の発生リスクに影響を及ぼすことがあります。

神経芽腫は、神経芽細胞の挙動、特に成長して新しい細胞に分裂する過程での挙動が変化することによって発生します。神経芽腫には様々なリスク因子がありますが、その多くはがんの直接の原因にはなりません。むしろ、細胞内のDNAに神経芽腫の発生につながる損傷を与えることがあります。がんの発生の詳細については、がんとは何か(英語)をご覧ください。

リスク因子とは、疾患が発生する可能性を増大させるあらゆる要因のことです。リスク因子の中には変えることができるものもあります。一方で、家族歴のように、変えることができないものもあります。神経芽腫のリスク因子について知ることは、がんのスクリーニングに関する決定を行う際に役立つ場合があるため重要です。

神経芽腫のリスク因子としては以下のものが考えられます:

遺伝子検査で、小児が遺伝性の神経芽腫かどうかを判定することができます。

神経芽腫のリスクを高める遺伝子変異は、遺伝する(親から子へと受け継がれる)ことがあります。この遺伝子変異を有する小児では、神経芽腫が通常は若年で発生し、副腎や頸部、胸部、腹部、骨盤の神経組織に複数の腫瘍ができることがあります。

ある状態が遺伝するかどうかは、家族歴から必ず判明するとは限りません。特定の条件に当てはまる家族は、遺伝カウンセリング遺伝子検査を受けるメリットがあります。遺伝カウンセラーやその他の特別な訓練を受けた専門家は、小児の診断と家族の病歴について保護者と話し合い、以下の点を説明することができます:

遺伝カウンセラーは遺伝子検査の結果について家族と話し合う方法を助言するなどして、保護者が検査結果に対処するための支援を行います。

小児が遺伝性の神経芽腫を患っていることが明らかになったら、他の家族もALKまたはPHOX2Bの変異に対するスクリーニングを受けることができます。

特定の遺伝子変異がある小児は、神経芽腫の徴候を調べる検査を受けるべきです。

特定の遺伝子変異を有する小児や遺伝性症候群の小児は、10歳になるまで時折、神経芽腫の徴候を調べる検査を受けるべきです。以下のような検査法が用いられます:

これらの検査をどのくらいの頻度で受ける必要があるかは、担当の医師に確認してください。

神経芽腫の徴候と症状には、骨の痛みや腹部、頸部、胸部のしこりなどがあります。

神経芽腫で最もよくみられる徴候や症状としては、増殖した腫瘍によって周囲の組織が圧迫されることで引き起こされるものや、がんが骨に転移することで引き起こされるものがあります。

以下の症状が1つでもみられる場合は、お子さんの担当医に相談してください。

神経芽腫では、あまり多くはありませんが、以下のような徴候や症状もみられます:

これらのような徴候や症状は、神経芽腫が原因のこともありますが、別の病態が原因である可能性もあります。状況を把握する唯一の方法は、担当医の話を聞くことです。医師は診断に向けた第一歩として、症状がいつから始まり、どのくらいの頻度で起きているかを質問します。

神経芽腫を診断するために、体の様々な組織と体液を調べる検査が行われます。

お子さんに神経芽腫を示唆する症状がみられる場合、それらの原因ががんなのか、それとも別の問題なのかを医師が確認する必要があります。医師は保護者に小児の病歴と家族歴をたずね、身体診察を行います。

医師は、患者さんの症状、病歴、身体診察と神経学検査の結果に基づき、神経芽腫の有無を調べる検査と、がんがあった場合にがんの拡がりの程度(病期)を調べる検査を受けるように勧めることがあります。神経芽腫と診断された場合、これらの検査や手技の結果は、あなたやあなたのお子さんの担当医が治療に関する決定を行うのに役立ちます。

以下のような検査法や手技が用いられます:

セカンドオピニオンを受ける

神経芽腫の診断を確定して治療計画を立てるにあたって、保護者はセカンドオピニオンを求めることができます。セカンドオピニオンを求めるときは、最初の担当医に重要な医学的検査の結果と報告書を提供してもらい、それらを別の医師に見せる必要があります。2人目の医師は、病理報告書、スライド、検査画像を確認してから、推奨を提示します。セカンドオピニオンを行う医師は、最初の医師の見解に同意するか、アプローチの変更や別のアプローチを提案したり、患者さんのがんについて新たな情報を提供したりします。

医師を選んでセカンドオピニオンを受けるプロセスの詳細については、がん治療の医療機関を探す(英語)をご覧ください。セカンドオピニオンを提供できる医師や病院の情報については、NCIのCancer Information Serviceまで、チャット、電子メール、電話(英語とスペイン語に対応)でお問い合わせください。受診時に聞いておくとよい質問については、がんについて主治医に尋ねるべき質問(英語)をご覧ください。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療選択肢に影響を及ぼします。

子どもが神経芽腫と診断されると、多くの保護者は、そのがんの深刻度や生存の可能性を知りたくなるでしょう。がんがどのような経過をたどるかの見通しを予後といいます。

予後や治療選択肢を左右する要因としては以下のものがあります:

神経芽腫の予後や治療選択肢は、以下のような腫瘍の組織学的特徴にも影響を受けます:

腫瘍の組織型は、これらの要因を基準にして、生物学的に予後良好型と予後不良型に分類されます。予後良好型の小児は、回復する見込みが大きいと考えられます。

生後6カ月までの一部の乳児では、治療なしで神経芽腫が消失することがあります。これは自然退縮と呼ばれます。このような乳児では、神経芽腫の徴候や症状を注意深く観察していきます。徴候や症状が現れた場合は、治療が必要と考えられます。

神経芽腫の病期

神経芽腫の診断がついた後には、がんの発生部位から他の部位への拡がりの有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がんの存在範囲や拡がりの程度を調べるためのプロセスは、病期診断と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。神経芽腫では、病期によって、がんが低リスク、中リスク、高リスクのいずれであるかが異なります。また、病期は治療計画にも影響を及ぼします。神経芽腫の診断に用いられた検査法や手技で得られた結果が、病期分類に利用されることもあります。これらの検査法や手技の説明については、一般的な情報のセクションをご覧ください。

国際神経芽腫リスクグループの病期分類システム(INRGSS)

L1期

L1期では、がんが1つの領域内にのみ存在し、画像診断から推定される手術のリスク(IDRF)は存在しません。診断時のMRIまたはCTスキャンでIDRFがわかります。IDRFは、手術のリスクと完全に腫瘍を切除できる確率を見極めるための情報として利用されます。

L2期

L2期では、がんは1つの領域に存在し、周辺組織の外には拡がっておらず、1つ以上のIDRFが存在します。

M期

M期では、神経芽腫は遠く離れた領域に拡がっています。MS期に該当するものを除きます。

MS期

MS期では、18カ月未満の小児に発生したがんが、皮膚、肝臓骨髄のいずれか、または複数に転移しています。

神経芽腫の治療法はリスク分類に基づいて決定されます。

多くの種類のがんでは、治療計画を立てる際には病期が参考にされます。しかし、神経芽腫では、患者さんが属するリスク群に応じて治療法が決定されます。リスク群は以下の要因を考慮して判定されます:

リスク群は低リスク、中リスク、高リスクの3つに分けられます。

リスク分類の詳細については、神経芽腫の治療(専門家向けバージョン)の神経芽腫の改定国際反応基準(INRC)に関する記述のセクションをご覧ください。

神経芽腫は治療に反応しない場合や治療後に再発する場合があります。

難治性神経芽腫は治療に反応しない腫瘍です。

再発神経芽腫とは、治療後に再発した場合のことです。神経芽腫の再発は、腫瘍が最初に発生した部位や中枢神経系に起こります。

治療選択肢の概要

神経芽腫に対する治療法には様々なものがあります。

小児と青年の神経芽腫に対する治療法には様々なものがあります。保護者と担当のがん治療チームが協力して、治療法を決定します。小児の全体的な健康状態や、がんが新たに診断されたものかそれとも再発したものかなど、数多くの要因が検討されます。

神経芽腫の小児の治療では、小児がん(特に神経芽腫)の治療に精通した医師のチームが治療計画を策定するべきです。

小児がんの治療を専門とする小児腫瘍医が治療を監督します。小児腫瘍医は、小児がんの治療に精通しつつ、同時に特定の医療分野を専門とする他の小児医療従事者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門医や専門家です:

小児の治療計画では、がんについての情報、治療の目標、治療選択肢、起こりうる副作用などが検討対象に含まれます。これは、治療に先立って担当のがん治療チームと今後の見通しを話し合う上で役に立ちます。実際の進め方については、NCIのがんの小児:ご両親のための手引き(英語)というダウンロード可能な小冊子をご覧ください。

以下の治療法が用いられることがあります:

経過観察

経過観察とは、徴候症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深くモニタリングしていくことです。

手術

他の部位に転移していない神経芽腫の治療には、手術が用いられます。安全を確保できる範囲内で可能な限り腫瘍を切除します。リンパ節も切除され、がんの徴候が調べられます。

腫瘍の切除が不可能な場合は、代わりに生検を行います。

詳しい情報については、手術によるがん治療(英語)をご覧ください。

化学療法

化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入り、全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。

複数の抗がん剤を使用する場合は、多剤併用化学療法と呼ばれます。

詳しい情報については、神経芽腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

詳細については、化学療法によるがん治療(英語)をご覧ください。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法にはいくつかの種類があります:

詳しい情報については、放射線療法によるがん治療(英語)をご覧ください。

造血幹細胞移植を伴う大量化学療法と放射線療法

まず、再び増殖して再発を起こす可能性があるがん細胞を死滅させる目的で、大量化学療法と放射線療法を行います。すると、このがん治療によって、造血幹細胞(未熟な血液細胞)を含めた正常な細胞も破壊されてしまいます。そこで造血幹細胞移植を行って、造血幹細胞を新しいものに置き換えます。患者さんから採取した血液または骨髄から造血幹細胞(未成熟の血液細胞)を取り出し、それを凍結保存しておきます。化学療法と放射線療法の終了後に、保存していた造血幹細胞を解凍し、それを点滴で患者さんの体内に戻します。体内に戻された造血幹細胞が成長することで、血液の機能が回復します。

ヨウ素131-MIBG療法

ヨウ素131-MIBG療法は、放射性ヨウ素を使用する治療法です。放射性ヨウ素を静脈ラインから投与すると、血流に入った放射性ヨウ素から腫瘍細胞に直接放射線が照射されます。放射性ヨウ素は、神経芽腫細胞に集まる性質があり、照射する放射線によって腫瘍細胞を殺傷します。ヨウ素131-MIBG療法は、最初の治療後に再発した高リスク神経芽腫の治療に用いられることがあります。

分子標的療法

分子標的療法は、薬剤またはその他の物質を使用して、がん細胞の増殖や進展に関わる特定の酵素蛋白、その他の分子の作用を阻害する治療法です。

詳しい情報については、分子標的療法によるがん治療(英語)をご覧ください。

その他の薬物療法

神経芽腫の治療に組み合わせて用いられる他の薬物には、以下のようなものがあります:

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

治療法の臨床試験とは、がんの患者さんを対象に、既存の治療法を改良したり、新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。患者さんによっては、臨床試験に参加することが選択肢の1つとなる場合もあります。小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討するべきです。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

詳細については、患者さんと介護者のための臨床試験情報(英語)をご覧ください。

免疫療法

免疫療法は、小児の免疫系ががんに対抗する働きを支援します。

詳しい情報については T細胞移入療法(英語)をご覧ください。

神経芽腫の治療は副作用や晩期合併症(晩期障害)を引き起こすことがあります。

がんの治療中に発生する副作用の詳細については、副作用(英語)のページをご覧ください。

がん治療による副作用のうち、治療後に始まって月単位または年単位で続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:

晩期合併症(晩期障害)には治療やコントロールが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。詳細については、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)をご覧ください。

フォローアップ検査が必要になることもあります。

治療を進めるにつれて、フォローアップ検査または定期検査が行われます。がんの診断病期診断のために実施された検査の中には、治療の効果を確認するために繰り返し行われるものもあります。治療の継続、変更、中止などの決定がそれらの検査結果に基づいて判断されることもあります。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。それらの検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんが再発したかどうかを知ることができます。

神経芽腫の患者さんに対するフォローアップ検査には以下のものがあります:

低リスク神経芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断された低リスク神経芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

中リスク神経芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断された中リスク神経芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

高リスク神経芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

高リスクの神経芽腫と新たに診断された小児は通常、寛解導入地固め維持という3段階の治療を受けます。

寛解導入段階で行われる治療には以下のようなものがあります:

地固め段階で行われる治療には以下のようなものがあります:

維持段階で行われる治療には以下のようなものがあります:

研究中の治療法として以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

MS期神経芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

新たに診断されたMS期神経芽腫に対する標準治療はありませんが、以下の治療選択肢があります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

再発神経芽腫の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

再発前は低リスクの神経芽腫として治療を受けていた患者さん

がんが最初に発生した領域に再発した神経芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

他の部位に転移したか、治療に反応しなかった再発神経芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

再発前は中リスクの神経芽腫として治療を受けていた患者さん

最初の発生部位で再発した神経芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

他の部位で再発した再発神経芽腫の治療法には以下のようなものがあります:

再発前は高リスクの神経芽腫として治療を受けていた患者さん

高リスク神経芽腫に対して初回治療を受けた患者さんの再発神経芽腫には、標準治療はありません。以下のような治療法が用いられます:

標準治療が存在しないため、高リスク神経芽腫に対する初回治療を受けた患者さんは臨床試験の検討が必要になる場合があります。臨床試験に関する情報については、NCIのウェブサイトをご覧ください。

再発CNS神経芽腫の患者さん

中枢神経系(CNS)(脳と脊髄)に再発した神経芽腫に対する治療法には以下のようなものがあります:

進行性/再発神経芽腫に対する研究中の治療法

再発または進行している(増殖しているか、転移しているか、治療に反応しない)神経芽腫を対象として臨床試験で研究されている治療法の一部を以下に示します:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

神経芽腫についてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している神経芽腫に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

小児がんに関する情報やその他の一般的ながんに関する資料については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、神経芽腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

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PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Neuroblastoma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/neuroblastoma/patient/neuroblastoma-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389278]

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