ご利用について
このPDQがん情報要約では、皮膚がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 予防とは
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がん予防とは、がんになる可能性を減らすためにとる対策です。がんを予防することで、集団または人口におけるがんの新規症例の数が減少します。うまくいけば、それにより、がんによる死亡者の数を減らすことができます。
新たながんの発生を予防するため、科学者はリスク因子と防御因子に注目します。がん発生の可能性を高めるものは全てがんのリスク因子と呼ばれ、がん発生の可能性を低減させるものは全てがんの防御因子と呼ばれます。
がんのリスク因子には回避できるものもありますが、回避できないものも数多くあります。例えば、喫煙の習慣と特定の遺伝子をもっていることは、どちらもある種のがんのリスク因子ですが、避けることができるのは喫煙だけです。普段から運動や健康的な食事を心がけることは、いくつかの種類のがんに対する防御因子となります。リスク因子を避けて防御因子を増やすことはリスクの低減につながりますが、それでがんにかからなくなるということではありません。
現在、様々ながんの予防法が研究されています。
- 皮膚がんについての一般的な情報
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皮膚がんは、皮膚の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
皮膚は体のなかで最も大きな臓器です。その機能の1つは、熱や日光、外傷、感染などから体を保護することです。皮膚はまた体温の調節にも関わっていて、さらに水分や脂肪、ビタミンDなどの保持という役割も果たしています。皮膚はいくつかの層から構成されていますが、大きく分けると、表皮(外側の層)と真皮(内側の層)の2つの層があります。
表皮は以下の3種類の細胞から構成されています:
- 皮膚がんの予防
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リスク因子を回避することと防御因子を増やすことは、がんの予防につながる可能性があります。
がんのリスク因子を避けることは、特定のがんの予防につながる可能性があります。リスク因子には、喫煙や過体重、運動不足などがあります。禁煙や運動などの防御因子を高めることも、がん予防に役立ちます。がんのリスクを低減させる方法については、担当の医師か他の医療専門家にご相談ください。
紫外線に曝されることは、皮膚がんのリスク因子です。
複数の研究によると、紫外線(UV)に曝されること、ならびに個人のUVに対する皮膚の感度が高いことは、皮膚がんのリスク因子です。紫外線は、太陽から放射されている光のうち、眼には見えない部分の光(の一部分)のことです。太陽灯や日焼けベッドなどの機器もまたUVを照射します。
非黒色腫皮膚がんと悪性黒色腫のリスク因子は同じではありません。
色白であることは黒色腫と非黒色腫皮膚がんのリスク因子ですが、どんな皮膚の色の人も皮膚がんになる可能性があります。
次の要因により非黒色腫皮膚がんのリスクが低下するかどうかは不明です:
日焼け止めを使用し、日光に曝されないようにすること
日中の外出を控える、日焼け止めを使用する、屋外では日光を避ける衣服を着用するなどの対策によって非黒色腫皮膚がんのリスクが低下するか否かは、明らかになっていません。これらの効果を検証する研究が十分に行われていないためです。
日焼け止めは、皮膚へのUVの照射量を減少させるのに有用です。1件の研究は、日焼け止めの使用が日光角化症(扁平上皮がんに変化しうるうろこ状の皮疹)の予防に有効な可能性があることを示しています。
多くの場合、日焼け止めの使用による害は少なく、スキンクリームに対するアレルギー反応が起きたり、日光への曝露が抑制されてビタミンDの生産量が少なくなったりする程度です。
日焼け止めを使用することにより、長時間にわたる日光や有害なUVの曝露による日焼けを避けることもできます。
日光から皮膚と眼を保護することが皮膚がんの発生リスクの低減につながるという証明はなされていませんが、皮膚の専門家は以下のような見解を示しています:
- UVに対する保護効果のある日焼け止めを使用すること。
- 長時間日の当たる場所にいないようにすること(特に日差しの強い時間帯)。
- 屋外では袖と裾の長い衣服、日よけ帽、サングラスなどを着用すること。
化学予防薬
化学予防は薬物やビタミンなどの物質を使用して、がんのリスクを低下させるための対策です。次の化学予防薬は、非黒色腫皮膚がんのリスクを低下させるか否かについて研究されています:
イソトレチノイン
高用量のイソトレチノインは色素性乾皮症の患者さんにおける新たな皮膚がんの発生を防止することが示されています。しかし、以前に非黒色腫皮膚がんの治療を受けた患者さんにおいて、イソトレチノインが非黒色腫皮膚がんの再発を防止することは示されていません。イソトレチノインを用いた治療は、重大な副作用を起こす場合があります。
セレコキシブ
日光角化症を患い、非黒色腫皮膚がんの家族歴を持つ患者さんを対象としたセレコキシブの研究では、セレコキシブを投与された患者さんにおいて、再発非黒色腫皮膚がんの発生率がわずかに低くなることが示されました。セレコキシブは心臓と血管に重大な副作用を引き起こす可能性があります。
α-ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)
非黒色腫皮膚がんの既往歴がある患者さんを対象としたα-ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)の研究で、DFMOを投与された患者さんでは、プラセボを投与された患者さんに比べ、非黒色腫皮膚がんの再発率が低くなることが示されました。DFMOは難聴を引き起こす可能性がありますが、この難聴は通常、一時的です。
次の要因により黒色腫のリスクが低下するかどうかは不明です:
日焼け止め
日焼け止めを使用してUVが原因の黒色腫を防止できるかどうかは実証されていません。また、日に焼けやすいこと、良性のほくろがたくさんあること、異形成母斑があることなどのリスク因子も黒色腫の発生に関連する可能性があります。
カウンセリングの実施と日光からの皮膚の防御
日光への曝露を避けるための情報やカウンセリングを受けた人が、日光から皮膚を守る行動をとるようになるかどうかは明らかになっていません。
がんの予防法の研究では、がん予防臨床試験が実施されます。
特定のがんの発生リスクを低下させる方法を研究するには、がん予防臨床試験が実施されます。がん予防臨床試験には、がんにかかってはいないものの、がんのリスクが高い人々を対象として行われるものもあります。また、すでにがんにかかっていて、同種のがんのさらなる発生を予防しようとしている人々や、別の種類のがんが発生する可能性を小さくしようとしている人々を対象とした予防試験もあります。その他にも、がんのリスク因子をもっていることが判明していない健康なボランティアを対象とした試験もあります。
一部のがん予防の臨床試験の目的は、何らかの行動によってがんを予防できるかどうかを検証することです。具体的には、果実や野菜を食べる、運動をする、喫煙をやめる、特定の薬、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品などを摂取する、などが挙げられます。
現在、皮膚がんの新たな予防法が臨床試験で検証されています。
NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、皮膚がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Screening and Prevention Editorial Board.PDQ Skin Cancer Prevention.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/skin/patient/skin-prevention-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389434]
本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。
免責事項
PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。
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Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。