医療専門家向け 骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に関する一般情報

小児および青年のがん患者の生存において、劇的な改善が達成されている。1975年から2010年の間に、小児がんの死亡率は50%以上低下した。[ 1 ]骨肉腫では、5年生存率が同じ期間に15歳未満の小児において40%から76%に、15~19歳の青年において56%から約66%に増加したが、1980年代以降は実質的に改善していない。[ 2 ]

疾患の概要

骨肉腫は、主として青年および若年成人に発生する。米国国立がん研究所(National Cancer Institute)のSurveillance, Epidemiology, and End Resultsプログラムのデータをレビューした結果、0~24歳の人で毎年100万人当たり4.4例という骨肉腫症発生率が推定された。[ 3 ]米国勢調査局では、2010年にはこの年齢範囲の人口は1億1000万人であり、小児および25歳未満の若年成人において年間約450例が発生すると推定された。

骨肉腫は小児腫瘍の約5%を占めている。小児および青年において、骨肉腫の50%以上は膝周辺の長骨に発生する。骨肉腫はまれに軟部組織または内臓で観察される。小児(12歳未満)では青年と比較して、認められる症状、腫瘍の位置、および転帰に差異はみられないようである。[ 4 ][ 5 ]

1980年代に実施された2件の試験は、原発腫瘍の外科的切除後に行う化学療法により骨肉腫の自然経過が変わるかどうかを判定するようにデザインされた。これらの試験で原発腫瘍を外科的に切除した患者の治療成績は、1970年以前の治療成績と同じような結果を示した;半数以上の患者には診断から6ヵ月以内に転移が認められ、全体としては、約90%の患者が診断後2年以内に再発した。[ 6 ]手術単独群の全生存率(OS)は統計的に低い値であった。[ 7 ]骨肉腫の自然経過は以前と変わっておらず、限局性の切除可能な原発腫瘍を手術単独で治療した患者のうち、無再燃生存が得られるのは、20%未満と予想される。[ 6 ][ 8 ][ 9 ][証拠レベル:1iiA]

診断的評価

骨肉腫の診断は、穿刺吸引法または切開生検法により行える。生検は患肢温存手術(切断することなく悪性骨腫瘍を除去し、同種骨移植または人工装具による骨または関節の置換を行うこと)に熟練した外科医による実施が望ましい。これらの症例では、最初の生検切開の位置がきわめて重要である。生検の位置合わせが不適切であるか、軟部組織が不注意で混入すると、その後の患肢温存再建手術が不可能になる場合がある。

予後因子

一般的に骨肉腫の予後因子は、治療の強化から利益が得られる患者またはきわめて優れた治療成績を維持しながらあまり治療を必要としない患者を同定する際には有用ではない。

治療成績に影響する治療前の因子には以下のものがある:[ 10 ]

術前化学療法の実施後、治療成績に影響する因子には以下のものがある:

原発腫瘍の部位および初期治療

限局性骨肉腫患者では、原発腫瘍部位が重要な予後因子である。四肢の腫瘍では、近位の部位よりも遠位の部位の方が予後良好である。体幹骨格の原発腫瘍は、主に外科的完全切除を達成できないために病勢進行と死亡のリスクが最も高い。

体幹骨格および骨外性部位に対する予後に関する考慮事項は以下の通りである:

原発腫瘍の大きさ

一部のシリーズにおいて、大きな腫瘍を有する患者は、小さな腫瘍を有する患者と比べて予後不良である。[ 10 ][ 28 ]腫瘍の大きさは、単一の最大径、断面積、または腫瘍容積の推定値で評価されている;これらの評価はすべて治療成績と相関している。

血清乳酸脱水素酵素(LDH)もまた治療成績と相関しており、腫瘍容積の代替となるようである。

臨床的に検出可能な転移病変の存在

限局性骨肉腫の患者は、明らかな転移を有する患者よりもはるかに予後良好である。20%もの患者が、診断時にX線像で検出可能な転移を認め、最も好発する部位は肺である。[ 29 ]転移性病変を認める患者の予後は、主として転移の部位と数、および転移性腫瘍が外科的に切除可能であるかに左右されるようである。[ 30 ][ 31 ]

原発腫瘍の外科的切除可能性

骨肉腫は放射線療法に比較的抵抗性が高いため、腫瘍の切除可能性はきわめて重要な予後の特徴である。一般的に、原発腫瘍およびスキップ病変を十分な切除縁で完全切除することが治癒のために必須であると考えられている。German-Austrian-Swiss骨肉腫共同研究グループにより実施された頭蓋顔面骨の骨肉腫患者を対象にした1件のレトロスペクティブ・レビューでは、不完全な外科切除は不良な生存の可能性と関連したことが報告された。[ 15 ][証拠レベル:3iiB]ヨーロッパの1件の共同研究では、断端の大きさは重要ではなかった。しかしながら、整形外科腫瘍の経験を有する施設で生検と切除の両方が実施された場合の方が予後良好であった。[ 12 ]

体軸骨格原発腫瘍を有し、原発腫瘍に対する手術を受けていないか手術を受けても切除断端陽性である患者には、放射線療法により生存が改善しうる。[ 14 ][ 38 ]

腫瘍壊死の程度

骨肉腫に対するほとんどの治療プロトコルでは、原発腫瘍の根治的切除(または転移部位の切除)前に初期の全身化学療法を用いる。病理医により、切除腫瘍の壊死が評価される。導入化学療法後、原発腫瘍に90%以上の壊死がみられる患者は、壊死組織の量がより少ない患者と比べて予後良好である。[ 28 ]初回化学療法後の原発腫瘍の壊死がより少ない(90%未満)患者は、壊死組織の量がより良好(90%以上)な患者よりも最初の2年以内の再発率が高い。[ 39 ]

壊死組織の量が少なくても、化学療法が有効ではないことを意味していると解釈すべきではない;導入化学療法後の壊死が少ないか、またはみられない患者の治癒率は、化学療法を受けていない患者の治癒率よりもはるかに高い。小児腫瘍学グループが実施した2件の連続したプロスペクティブ試験のレビューから、初回化学療法後の原発腫瘍の組織学的壊死は初期の化学療法の期間および強度の影響を受けることが示された。両試験で、壊死組織の量の多さは転帰の良好さと関連していたが、壊死組織の量の多い患者と少ない患者間の差は、初回化学療法の期間が長く、強度が強いほど小さくなった。[ 40 ][証拠レベル:1iiD]

その他の予後因子

その他の予後因子には、以下のものが挙げられる:

予後因子の可能性があると同定されているが、まだ多数の患者を対象にした検証が行われていないものを以下に示す:

骨肉腫のゲノム情報

骨肉腫のゲノムの全体像は他の小児がんのものとは異なる。その全体像は、多くの成人がんと比較して、非常に多数の構造的多様体と比較的少数の単一ヌクレオチド多様体を特徴とする。[ 72 ][ 73 ]

骨肉腫のゲノムの全体像に関する主要知見を以下に要約する:

いくつかの生殖細胞変異が骨肉腫に対する感受性と関連しており、表1ではこうした状況に対する症候群および関連遺伝子を要約している。

TP53における変異は骨肉腫に関連する最も一般的な生殖細胞変異である。この遺伝子における変異は、骨肉腫、乳がん、さまざまな脳腫瘍、軟部肉腫をはじめとするがんリスクの増加に関連するリー-フラウメニ症候群(LFS)患者の約70%で認められる。横紋筋肉腫が5歳以下でTP53関連LFSの患者に発生する最も一般的な肉腫である一方、骨肉腫は6~19歳の小児と青年における最も一般的な肉腫である。[ 74 ]1件の研究により、既知のLFS関連またはLFSと関連する可能性が高いTP53変異(3.8%)またはTP53のまれなエクソン変異体(5.7%)を保有する若年の骨肉腫症例(30歳未満)の頻度が高いことが観察されており、全体のTP53変異の頻度は9.5%であった。[ 75 ]別の研究では、全エクソーム配列決定法を受けた骨肉腫症例59人中7人(12%)でTP53における生殖細胞変異が観察された。[ 73 ]他のグループからは、骨肉腫患者におけるTP53生殖細胞変異の割合はより低かった(3~7%)ことが報告されている。[ 76 ][ 77 ]

表1.骨肉腫の素因となる遺伝性疾患a
症候群 記述 位置 遺伝子 機能
AML = 急性骨髄性白血病;IL-1 = インターロイキン-1;MDS = 骨髄異形成症候群;RANKL = 核因子κβ活性化受容体リガンド;TNF = 腫瘍壊死因子。
a出典:Kansara et al.[ 78 ]
ブルーム症候群 [ 79 ] まれな遺伝性疾患で、低身長と太陽に過敏な皮膚変化が特徴である。しばしば細長い顔、小さい下顎、大きな鼻、および立ち耳を呈する。 15q26.1 BLMRecQL3 DNAヘリカーゼ
ダイアモンド-ブラックファン貧血[ 80 ] 遺伝性赤芽球癆。患者はMDSおよびAMLのリスクがある。異常な顔面の特徴(鞍鼻、遠心顔)などの骨格異常に関連する。   リボソーム蛋白 リボソーム生成[ 80 ][ 81 ]
リー-フラウメニ症候群[ 82 ] TP53遺伝子における遺伝性変異。罹患した家系員は、骨腫瘍、乳がん、白血病、脳腫瘍、および肉腫のリスクが高い。 17p13.1 P53 DNA損傷応答
パジェット病[ 83 ] 骨形成および骨リモデリングの異常を伴う過剰な骨破壊で、その結果もろく変形した骨により痛みを生じる。 18q21-qa22 LOH18CR1 IL-1/TNFシグナル伝達;RANKLシグナル伝達経路
5q31
5q35-qter
網膜芽細胞腫 [ 84 ] 網膜の悪性腫瘍。2歳までに患者の約66%が診断され、3歳までに患者の95%が診断される。胚細胞に遺伝性変異を有する患者は、二次腫瘍のリスクがかなり高い。 13q14.2 RB1 細胞周期チェックポイント
Rothmund-Thomson症候群(先天性多形皮膚萎縮症とも呼ばれる)[ 85 ][ 86 ] 常染色体劣性疾患。皮膚所見(萎縮、末梢血管拡張、色素沈着)、まばらな毛髪、白内障、低身長、骨格異常に関連している。比較的若年での骨肉腫の発生率が高い。 8q24.3 RTSRecQL4 DNAヘリカーゼ
ウェルナー症候群[ 87 ] 患者はしばしば低身長で20代初めであり、白髪や皮膚の硬化など、老化の徴候が見られる。白内障、皮膚潰瘍、アテローム性動脈硬化症といった他の老化問題は後に現れる。 8p12-p11.2 WRNRecQL2 DNAヘリカーゼ;エキソヌクレアーゼ活性

これらの遺伝的症候群に関する詳しい情報については、以下のPDQ要約を参照のこと:

初期治療に対する反応の評価

ダイナミック(動的)磁気共鳴画像法またはポジトロン放射断層撮影スキャンのような画像診断法は、反応を評価するための非侵襲的方法として研究中である。[ 88 ][ 89 ][ 90 ][ 91 ][ 92 ][ 93 ][ 94 ][ 95 ][ 96 ]

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骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の細胞分類

骨肉腫は、腫瘍細胞が骨または類骨組織を直接形成していることを特徴とする悪性腫瘍である。世界保健機関(WHO)による骨腫瘍の組織学的分類[ 1 ]は、骨肉腫を骨内(髄質)骨肉腫と表在性(周辺)骨肉腫[ 2 ][ 3 ]に分け、それぞれのグループに多くの亜型を認めている。

骨内(髄質)骨肉腫

表在性(周辺)骨肉腫

傍骨性骨肉腫および骨膜性骨肉腫

傍骨性骨肉腫は骨表面から発生する病変と定義され、画像検査で高分化の外見を示し、低悪性度の組織学的特徴を有する。[ 13 ]傍骨性骨肉腫に対する最も一般的な部位は大腿骨後面下部である。傍骨性骨肉腫は従来の高悪性度骨肉腫よりも高齢の患者に高頻度に発生し、20~30歳の患者で最も一般的にみられる。傍骨性骨肉腫は原発腫瘍の広範な切除のみによる治療が奏効する。[ 6 ][ 14 ]

骨膜性骨肉腫は、典型的に下にある骨皮質の外因性びらんを伴う軟部組織の広範な腫瘤として発生する。[ 9 ]病理学的には中度の分化度を示す。119人の患者を対象にしたシリーズにおいて、17人に転移が報告された。[ 9 ]広範な切除が必須である。1件の単一施設のレトロスペクティブ・レビューにより、骨膜性骨肉腫患者29人が確認された。[ 8 ]5年無病生存率は83%であった。著者らは、補助化学療法の有益性に関して明確な声明を発表できなかった。別の単一施設のレトロスペクティブ・レビューにより、骨膜性骨肉腫患者33人が確認された。[ 10 ]10年全生存率(OS)は84%であった。10年OS率は、手術単独で治療された患者で83%および手術と化学療法で治療された患者で86%であった。European Musculoskeletal Oncology Societyにより、骨膜性骨肉腫患者119人がレトロスペクティブに解析された。[ 9 ]OS率は5年経過時に89%および10年経過時に83%であった。81人の患者が化学療法を受けた;このうち50人の患者が根治的な外科的切除前に化学療法を受けた。化学療法を受けた患者と化学療法を受けなかった患者間で治療成績に差は認められなかった。

傍骨性骨肉腫および骨膜性骨肉腫という用語は、文献でしばしば見られ、広く用いられている。これらは患者および医師には紛らわしい。骨肉腫を位置と組織学的悪性度で分けた方が有用であろう。高悪性度骨肉腫は、ときに従来の骨肉腫と呼ばれ、典型的には中心性に発生し外側に向かって増殖し、周囲の皮質や軟部組織を破壊するが、骨表面部に高悪性度骨肉腫が見られる症例も明確に存在する。[ 11 ]同様に、髄質腔内に発生する低悪性度骨肉腫の報告もある。

骨外性骨肉腫

骨外性骨肉腫とは、骨格系に直接接着しない悪性の間葉性新生物の1つである。以前は、骨外性骨肉腫に対する治療は軟部組織肉腫のガイドラインに従って行われていたが[ 15 ]、German-Austrian-Swissの骨肉腫共同研究グループのレトロスペクティブ分析により、手術および従来の骨肉腫療法で治療された骨外性骨肉腫に対する治療成績が良好であることが確認された。[ 16 ]

骨悪性線維性組織球腫

骨悪性線維性組織球腫(MFH)は、通常は非浸潤性で小さく、手術単独できわめて良好な治療成績と関連する低悪性度腫瘍である血管腫様線維性組織球腫とは区別されるべきである。[ 17 ]1件の研究では、MFHおよび骨肉腫について同程度のイベントフリー生存率が示唆されている。[ 18 ]

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骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の病期分類および部位の情報

骨格系悪性腫瘍にはEnnekingの病期分類システムが歴史的に用いられていた。[ 1 ]この病期分類システムでは、原発腫瘍の侵攻性をコンパートメント内またはコンパートメント外の記述子により推測していた。米国がん合同委員会による悪性骨腫瘍のためのTNM(腫瘍、リンパ節、転移)病期分類システムは、小児骨肉腫に広く用いられておらず、患者は予後的病期グループに基づいて層別化されていない。

骨肉腫は、治療目的で以下の1つとして記述される:

限局性骨肉腫

限局性腫瘍は、原発巣である骨に限局している。原発腫瘍を含む骨内に局所的なスキップ病変を有する患者は、そのスキップ病変が予定された外科的切除に含まれる場合は限局性骨肉腫と考えられる。[ 2 ]腫瘍の約半分が大腿骨に発生する;このうち80%は大腿骨遠位端内に生じる。その他の原発部位を頻度の高い順に挙げると、近位脛骨、近位上腕骨、骨盤、顎骨、腓骨、肋骨となる。[ 3 ]頭頸部の骨肉腫は、四肢骨の骨肉腫より低悪性度の可能性が高く[ 4 ]、より年齢の高い患者に発生する可能性が高い。

転移性骨肉腫

約20%の患者には、診断時に転移性腫瘍を示す放射線学的証拠が肺、別の骨、またはその他の遠隔部に認められ、そのうち85~90%は肺に認められる。肺の次によくみられる転移部位は、原発巣である骨とは別の骨である。[ 5 ]他の骨への転移は孤立性のことも多発性のこともある。多病巣性骨肉腫症候群は、明らかな原発腫瘍を認めない骨肉腫の複数の病巣が現れることを示し、しばしば左右対称な骨幹端の病変を呈する。[ 3 ]

病期評価

骨肉腫が確認された患者に対する治療前の病期分類検査には、スキップ転移を評価するための患肢全体の一平面画像を含む原発部位の単純X線に加えて、以下を含めるべきである:[ 6 ]

フッ素18-フルデオキシグルコースを使用するポジトロン放射断層撮影(PET)は任意の病期分類法である。

骨肉腫患者206人を対象にした1件のレトロスペクティブ・レビューにより、骨転移の発見に関して骨スキャン、PETスキャン、およびPET-CTスキャンが比較された。[ 7 ]PET-CTは骨スキャンよりも感度が高く正確であり、両方の画像検査の併用によって、骨肉腫における骨転移の診断について最も高い感度が達成された。

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骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に対する治療法選択肢の概要

治療が成功するためには一般に、効果的な全身化学療法と臨床的に検出可能な病変すべての完全切除を併用する必要がある。荷重がかかる骨に腫瘍を有する患者には、患肢温存手術の妨げとなる病的骨折を防止するため、保護的な荷重負荷が推奨される。

骨肉腫が明らかになった患者または骨肉腫が疑われる患者は、骨肉腫の外科的治療に詳しい整形外科腫瘍医による初期評価を必ず受ける必要がある。生検が不適切に行われた場合、患肢温存手術に悪影響を及ぼしうるため、画像検査を含むこのような評価は初回生検前に実施すべきである。

ランダム化臨床試験により、臨床的に非転移性の腫瘍患者における再燃予防に術前補助化学療法と補助化学療法がともに有効であることが明らかにされている。[ 1 ][ 2 ][証拠レベル:1iiA]Pediatric Oncology Groupにより実施された研究では、患者が直ちに切断術を実施する群と術前補助療法の後に切断術を実施する群にランダムに割り付けられた。患者の大部分がランダム化を拒否したため、この研究は規定の被験者数に達することなく終了とされた。治療を受けた少数の患者の間でも、術前化学療法と術後化学療法との間で患者の転帰に差は認められなかった。[ 3 ]

骨肉腫の治療はまた、以下のように組織学的悪性度にも依存する:

骨内高分化骨肉腫および傍骨性骨肉腫は最も良好な予後と関連しており、原発腫瘍の広範な切除のみによる治療が奏効することから、両者を認識することが重要である。[ 4 ][ 5 ]骨膜性骨肉腫の場合、一般的に良好な予後を示し[ 6 ]、組織学的悪性度に従って治療が行われる。[ 5 ][ 7 ]

骨悪性線維性組織球腫(MFH)は、骨肉腫の治療プロトコルに従って治療される。[ 8 ]

表2では、限局性、転移性、再発骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に対する治療法の選択肢について記述している。

表2.骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫(MFH)に対する治療法の選択肢
治療群 治療法の選択肢
限局性骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫 原発腫瘍の外科的切除
化学療法
手術が実施不可能であるか、または外科的切除縁が不十分な場合、放射線療法
診断時に転移性病変を認める骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫: 化学療法
  肺のみの転移 術前化学療法に続いて腫瘍を切除するための手術
  骨のみの転移または骨と肺への転移 術前化学療法に続いて原発腫瘍およびすべての転移性腫瘍(通常は肺)を切除するための手術、その後の術後多剤併用化学療法
原発腫瘍を切除するための手術に続いて、化学療法、その後、転移巣(通常は肺)の外科的切除
再発骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫: すべての部位の転移性腫瘍を切除するための手術
化学療法
標的療法
  肺のみの再発 腫瘍を切除するための手術
  骨転移のみの再発 腫瘍を切除するための手術
幹細胞移植を併用するまたは併用しない153Sm-EDTMP
  骨肉腫の2回目の再発 腫瘍を切除するための手術
153Sm-EDTMP = サマリウムSm153-エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸。

小児がん治療に関する特別な考慮事項

小児および青年におけるがんはまれである(ただし、小児がんの全発生率は1975年以降徐々に増加している)。[ 9 ]小児および青年のがん患者は、小児期および青年期に発生するがんの治療経験を有する専門家から構成される集学的チームのある医療機関に紹介されるべきである。この集学的チームアプローチとは、最善の生存期間とQOLが得られるような治療、支持療法およびリハビリテーションを小児が必ず受けられるようにするため、以下の医療専門家およびその他の専門家の技術を集結するものである:

(小児および青年のがんの支持療法に関する具体的な情報については、PDQの支持療法および緩和ケアの要約を参照のこと。)

小児がん施設とそれらが小児がん患者の治療において担う役割に関するガイドラインが米国小児科学会によって示されている。[ 10 ]このような小児がん施設では、小児および青年に発症するほとんどの種類のがんに関する臨床試験が行われており、大半の患者およびその家族に参加する機会が与えられている。小児および青年のがんに関する臨床試験は一般に、現在標準とされている治療法と、それより効果的であると思われる治療法とを比較するようデザインされる。小児がんの治癒を目指した治療法の進歩の大部分は、このような臨床試験によって達成されたものである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所のウェブサイトから入手することができる。

小児および青年がん生存者には、治療から数ヵ月または数年経過後もがん療法の副作用が持続または発現することがあるため、綿密なモニタリングが必要である。(小児および青年がん生存者における晩期合併症(晩期障害)の発生率、種類、およびモニタリングに関する具体的な情報については、PDQの小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)の要約を参照のこと。)

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限局性骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療

手術および化学療法を受ける限局性骨肉腫患者の5年全生存率(OS)は62~65%である。[ 1 ]限局性骨肉腫患者にとって完全な外科的切除はきわめて重要である;しかしながら、手術単独で治療された患者の80%以上が転移性腫瘍を発生させる。[ 2 ]ランダム化臨床試験により、切除可能な限局性原発性骨肉腫患者の再燃または再発予防に補助化学療法が有効であることが明らかにされている。[ 2 ][ 3 ][証拠レベル:1iiA]

骨悪性線維性組織球腫(MFH)はより高齢の成人においてより一般的にみられる。骨悪性線維性組織球腫の患者は、骨肉腫の治療プロトコルに従って治療され、切除可能なMFH患者の治療成績は、骨肉腫患者の治療成績とほぼ同じである。[ 4 ]骨肉腫患者同様、腫瘍壊死が良好な患者(腫瘍壊死率が90%以上)では、腫瘍壊死が不良な患者(腫瘍壊死率が90%未満)よりも長期の生存が得られる。[ 5 ]MFH患者の多くは、広範な局所切除を達成するために術前化学療法が必要であろう。[ 6 ]

限局性骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に対する治療法の選択肢

限局性骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 原発腫瘍の外科的切除
  2. 化学療法(原発腫瘍の根治的な外科的切除前または後に開始される)。
  3. 手術が実施不可能であるか、または外科的切除縁が不十分な場合、放射線療法

原発腫瘍の外科的切除

限局性骨肉腫の患者には、十分な切除縁での原発腫瘍の外科的切除が治癒を目指した戦略の必須の要素である。原発腫瘍の完全切除を行うためにどのような術式が要求されるかは、症例ごとに評価すべき数多くの因子に左右される。[ 7 ]

一般に、四肢に発生した骨肉腫患者の80%以上は患肢温存手技による治療が可能であり、切断術を行う必要はない。[ 8 ]患肢温存手技は、術前の病期分類により、広範切除縁が得られることが示された場合にのみ計画される。1件の研究において、患肢温存手術を受けた患者の組織学的反応が不良で切除縁が腫瘍と近接していた場合、局所再発率が高かった。[ 9 ]

患肢温存手術後の再建術は多くの選択肢で達成でき、これには金属性内部人工骨、同種移植片、血管柄付き自家骨移植法、回転形成術などが含まれる。腫瘍が長骨骨端に及んでいない患者には、追加の選択肢として骨延長骨移動術(osteogenesis distraction bone transport)が利用できる。[ 10 ]この手技により、機能的に正常な肢を回復する安定した再建がもたらされる。

至適外科再建術の選択には、以下のように多くの因子が関係する:[ 11 ][証拠レベル:1iiA]

複雑な再建術により、全身化学療法の再開が遅れるか妨げられると、患肢温存術によって治癒の可能性が危険にさらされることがある。レトロスペクティブ分析により、根治的手術後の化学療法再開の遅延(21日以上)は腫瘍再発および死亡リスクの増加と関連することが示されている。

一部の患者には切断術が依然として、原発腫瘍の管理のための最適な選択肢となっている。診断時または術前化学療法中に病的骨折が見られても、広範切除縁が得られるならば、患肢温存手術を排除することはない。[ 12 ]手術標本の病理検査により切除縁が不十分であることが明らかにされ、なおかつ特に術前化学療法後の組織学的壊死が不良であった場合には、直ちに切断術を考えるべきである。[ 13 ]

German Cooperative OsteoSarcoma Studyでは、限局性および転移性の骨肉腫で、臨床的に検出できたすべての病変の外科的切除を受けた患者1,802人を対象にしたレトロスペクティブ分析が実施された。[ 14 ][証拠レベル:3iiA]局所再発がみられた場合(n = 76)は、骨肉腫による死亡リスクが高かった。局所再発リスクの増加に関連する因子としては、臨床試験への不参加、原発部位が骨盤であること、患肢温存手術、骨膜を越えて軟部組織への浸潤が認められること、初回化学療法への病理学的反応が不良であること、予定された化学療法を完了できないこと、および生検を受けた施設と根治的手術を受けた施設が異なることが挙げられた。

切断術を受ける患者の方が患肢温存手技を受ける患者よりも局所再発率が低い。[ 15 ]切断術を最初に受けた患者と患肢温存手技を受けた患者との間には、OSに差はみられない。脛骨または腓骨に原発腫瘍がある患者と比べた場合、大腿骨に腫瘍のある患者の方が、局所再発率が高い。回転形成術および患肢温存手技が、機能的な結果と生存率に対する効果について評価されている。患肢温存腫瘍切除術は大部分の小児施設で局所制御のために現在実践されているが、患者の生活の質に関して下肢の患肢救助が実際に切断術よりも優れていることを示すデータはほとんどない。[ 16 ]

化学療法

術前化学療法

ほとんどすべての患者が初期治療として静脈内術前化学療法を受ける。しかしながら、標準化学療法レジメンは決定されていない。現在の化学療法のプロトコルは次の薬物の組み合わせを含む:大量メトトレキサート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、シスプラチン、イホスファミド、エトポシド、およびカルボプラチン。[ 17 ][ 18 ][ 19 ][ 20 ][ 21 ][ 22 ][ 23 ][ 24 ][ 25 ]

証拠(術前化学療法):

  1. 骨肉腫の治療プロトコルを対象としたメタアナリシスでは、3種類の活性のある化学療法薬を含むレジメンの方が2種類の活性のある薬剤を含むレジメンより優れていると結論された。[ 26 ]
  2. イタリアの1件の研究では比較的少ないコースの大量メトトレキサートを含むレジメンが用いられ、多いコースの大量メトトレキサートを含むレジメンを用いた初期の研究よりも低いイベントフリー生存(EFS)率が観察された。[ 27 ][証拠レベル:2A]
  3. 小児腫瘍学グループ(COG)は、限局性骨肉腫と新たに診断された小児および若年成人を対象としたプロスペクティブ・ランダム化試験を実施した。患者は全員シスプラチン、ドキソルビシンおよび大量メトトレキサートを投与された。患者の半数はイホスファミド投与群にランダムに割り付けられた。2度目のランダム化で半数の患者が、根治的な外科的切除後にリポソームに封入した生物学的化合物ムラミルトリペプチド-ホスファチジルエタノールアミン(L-MTP-PE)を投与される群に割り付けられた。[ 28 ][証拠レベル:1iiA]
  4. COGにより、限局性骨肉腫と新たに診断された患者においてパイロット研究シリーズが実施された。[ 30 ][証拠レベル:2A]
    1. パイロット研究1では、3剤の初期治療後の壊死の程度が低かった患者がその後の治療で600mg/m2というより高い累積用量のドキソルビシンを投与された。
    2. パイロット研究2では、患者は全員シスプラチン、ドキソルビシン、大量メトトレキサート、およびイホスファミドによる4剤の初期化学療法を受けた。壊死の程度が低かった患者がその後の化学療法で、600mg/m2というより高い累積用量のドキソルビシンを受けた。
    3. パイロット研究3では、患者は全員パイロット研究2と同じ4剤の初期化学療法を受けた。壊死の程度が低かった患者がその後の治療でより高い用量のイホスファミドの投与にエトポシドが加えられた。

術後化学療法

歴史的に、一部の臨床試験では腫瘍壊死の程度を用いて術後化学療法が決定されてきた。一般的に、腫瘍壊死率が90%を超える場合、術前化学療法レジメンが継続された。腫瘍壊死率が90%未満の場合、グループによっては術前療法で以前に用いられなかった薬物が組み込まれた。

初回化学療法後の壊死組織の量が少ない患者の予後は、壊死組織の量が多い患者より不良である。それでもその予後は手術のみを受け、補助化学療法を受けなかった患者よりかなり良好である。以下の証拠に基づけば、壊死組織量の少ない患者は化学療法に反応しなかったのであり、これらの患者に対しては補助化学療法を控えるべきであると結論することは適切ではない。治療の初期段階に明確な疾患増悪が認められない限り、根治的手術後の化学療法には治療の初期段階に使用された薬剤を含めるべきである。

証拠(術後化学療法):

  1. 初期の経験で、ドイツの骨肉腫共同研究グループは壊死組織量の少ない患者の化学療法レジメンを初回治療後に変更する試験を行った。[ 31 ]手術の前に使用された薬剤が中止され、他の薬剤に変更された。
  2. 限られた施設でのパイロット試験で、壊死組織量の少ない患者に対して治療の初期段階で使用された薬剤を中止する戦略が検証された;術後療法はメルファランと自家幹細胞による再構築の併用で構成された。[ 32 ]
  3. シスプラチンの追加。
  4. インターフェロンの追加または大量療法。

有効であると考えられていない他の化学療法アプローチ

イタリアのSarcoma Groupおよびスカンジナビア諸国のSarcoma Groupにより、臨床的に発見可能な転移性病変が認められる骨肉腫患者において臨床試験が実施された。[ 38 ]大量エトポシドおよびカルボプラチンによる地固めに続いて自家幹細胞による再構築を行ったが、治療成績の改善は得られなかったようであり、研究者らは骨肉腫の治療としてこの戦略を推奨していない。

細胞系列および異種移植片を用いた基礎実験から、ビスホスホネート系薬物に骨肉腫に対する活性があることが示唆されている。[ 39 ]1件の単一施設での臨床試験で、新規に骨肉腫の診断を受けた患者に対し、パミドロン酸を多剤併用化学療法と同時に安全に投与できることが実証された。[ 39 ]フランスの小児および成人の肉腫共同研究グループが骨肉腫の治療についてのレトロスペクティブ試験を実施した。全患者が多剤併用化学療法を受け、患者はゾレドロネートの投与または非投与にランダムに割り付けられた。ゾレドロネートを追加してもEFSは改善されなかった。

放射線療法

外科的完全切除が実施不可能、または外科的切除断端が不十分な場合は、放射線療法により局所制御率が改善する可能性がある。[ 41 ][ 42 ][ 43 ][証拠レベル:3iiA]放射線療法は、切除断端が陽性であるか、不確定な頭頸部の骨肉腫患者において検討すべきである。[ 44 ][証拠レベル:3iiA]標準アプローチは初回外科的切除であると受け入れられているが、十分に選択された患者の少数グループを対象にしたレトロスペクティブ分析では、一部の患者において局所制御のための外照射療法により、長期のEFSが報告された。[ 45 ][証拠レベル:3iiiA]

単一施設の研究者らが、骨肉腫で局所制御のために放射線療法で治療された小児および若年成人28人について報告した。[ 46 ]16人の患者が一次治療コース中に放射線療法を受け、12人の患者が再発後の修復療法の一部として放射線療法を受けた。一次治療中に放射線療法を受けた患者における5年経過時の累積局所制御失敗率は25%であった;再発疾患の患者での5年経過時の累積局所制御失敗率は44%であった。腫瘍の局所進行は切除後の補助放射線療法で治療された患者13人中3人(23%)で観察された一方、局所制御の方法として根治的放射線療法しか受けなかった6人の患者では3人(50%)が局所進行を経験した。

頭頸部の骨肉腫

頭頸部の骨肉腫は四肢の骨肉腫よりも年齢の高い集団に起こる。[ 44 ][ 47 ][ 48 ][ 49 ][ 50 ]小児における頭頸部の骨肉腫は四肢の骨肉腫よりも低悪性度または中悪性度である可能性が高い。[ 51 ][ 52 ]報告されているすべてのシリーズで外科的完全切除の必要性が強調されている。[ 44 ][ 47 ][ 48 ][ 49 ][ 50 ][ 51 ][ 52 ][証拠レベル:3iiiA]頭頸部の骨肉腫は四肢の骨肉腫よりも、手術単独で治癒する確率が高い。外科的切除断端が陽性の場合、補助放射線療法により生存が改善する傾向がある。[ 44 ][ 49 ][証拠レベル:3iiiA]

頭頸部の骨肉腫における化学療法の有益性を評価しているランダム化試験はないが、数件のシリーズで有益性が示唆されている。[ 47 ][ 53 ]化学療法は高悪性度の頭頸部の骨肉腫を有するより年齢の低い患者で考慮すべきである。[ 51 ][ 54 ]

頭頸部の骨肉腫は四肢の骨肉腫よりも局所再発リスクが高く、遠隔転移リスクは低い。[ 47 ][ 49 ][ 50 ][ 55 ]

最新の臨床試験

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診断時に転移性病変を認める骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療

骨肉腫を有する患者の約20~25%は、臨床的に検出可能な転移性病変を呈する。初発時に転移性病変を認める患者では、概略で20%が継続的に無病状態を維持し、概略で30%が診断から5年間生存する。[ 1 ]

肺は最初の転移性病変の最もよくみられる部位である。[ 2 ]肺に限局した転移がみられる患者は、他の部位への転移または肺とともに他の部位への転移がみられる患者よりも良好な治療成績を有する。[ 1 ][ 3 ]

診断時に転移性病変を認める骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に対する治療法の選択肢

診断時に転移性病変を認める骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 化学療法。

用いられる化学療法薬剤には、大量メトトレキサート、ドキソルビシン、シスプラチン、大量イホスファミド、エトポシド、および一部の報告で、カルボプラチンまたはシクロホスファミドがある。

証拠(化学療法):

  1. エトポシドと併用する大量イホスファミド(17.5g/コース)により、転移性骨肉腫を新たに診断された患者に完全奏効(10%)または部分奏効(49%)がもたらされた。[ 4 ]
  2. しかしながら、限局性骨肉腫と同様に、転移性骨肉腫患者においてイホスファミドまたはエトポシドの追加がイベントフリー生存(EFS)または全生存(OS)の改善に貢献するという証拠は存在せず、この設定でのこれらの薬剤の追加については医師の裁量に委ねられる。
  3. シスプラチン、大量メトトレキサート、ドキソルビシンを含む標準化学療法レジメンへのムラミルトリペプチドまたはイホスファミドのいずれかの追加が転移性骨肉腫患者(n = 91)において要因デザインを用いて評価された。[ 5 ]

初発時に転移を認める骨悪性線維性組織球腫に対する治療法の選択肢は、転移を有する骨肉腫に対する治療と同じである。切除不能または転移性のMFH患者の転帰は非常に不良である。[ 6 ]

肺のみの転移に対する治療法の選択肢

肺に転移性病変を認める患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 術前化学療法に続いて腫瘍を切除するための手術。

転移性疾患の唯一の部位として肺への転移病変を有する患者は、可能であれば肺病変を切除すべきである。一般的に、切除は術前化学療法の実施後に行われる。患者の約10%では、術前化学療法後にすべての肺病変が消失する。[ 3 ]肺への転移病変の完全切除は、術前化学療法後に残存肺結節を有する患者の高い割合で達成できる。残存している肺への転移病変を完全切除できなければ、基本的に治癒率はゼロである。

原発性骨肉腫と肺に限局した転移がみられ、手術で完全寛解を達成する患者に対する5年EFSは約20~25%である。多発性の転移結節は転移結節が1つまたは2つの場合より予後不良であり、両側性の肺病変は一側性よりも予後不良である。[ 1 ]末梢肺病変を有する患者は、中枢病変を有する患者よりも予後が良好な可能性がある。[ 7 ]一方の肺に限局する結節が3つ未満の患者では、約40~50%の5年EFS率が達成される。[ 1 ]

骨のみの転移または骨と肺への転移に対する治療法の選択肢

肺の次によくみられる転移部位は、原発巣から遠隔の別の骨である。原発腫瘍から遠隔の別の骨に転移を有する患者ではEFSおよびOSは約10%である。[ 1 ]四肢に原発腫瘍を発症し、同時に他の骨への転移が認められた患者に関するイタリアでの経験では、5年後無病状態を継続的に維持できた患者は46人中わずか3人のみであった。[ 8 ]関節を通過するスキップ病変(transarticular skip lesions)を有する患者は予後不良である。[ 9 ]

多病巣性骨肉腫は明確に描写される原発性病変および限局性の骨転移を呈する骨肉腫とは異なる。多病巣性骨肉腫は古典的に、左右対称な骨幹端の病変を呈するので、どちらが原発巣であるかを判断するのが困難なことがある。発症時に多発性骨転移を認める患者は、きわめて予後不良である。同時性多病巣性骨肉腫患者では現在のところ治癒の報告はないが、全身化学療法および積極的な外科的切除によって、有意な生存期間の延長が得られうる。[ 10 ][ 11 ]

骨のみの転移または骨と肺への転移を有する患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 術前化学療法に続いて原発腫瘍およびすべての転移性腫瘍(通常は肺)を切除するための手術、その後の術後多剤併用化学療法。
  2. 原発腫瘍を切除するための手術に続いて、化学療法、その後、転移巣(通常は肺)の外科的切除。

術前化学療法に続き原発巣の切除および顕在する転移病巣(通常は肺)の全切除、そしてその後に術後多剤併用化学療法という通常行われる治療コースを採用することができない場合は、代替治療アプローチを用いてもよい。この代替治療アプローチは、原発腫瘍の手術に始まり、化学療法、その後、転移巣(通常は肺)の外科的切除と続く。この代替アプローチは、難治性疼痛、病的骨折、または化学療法の開始によって敗血症のリスクが生じうるような制御できず感染を起こした腫瘍が認められる患者に適切であろう。

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
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再発骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療

再燃の約50%は治療終了の18ヵ月以内に起こり、5年を超えてから起こる再発はわずか5%である。[ 1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ]

再発骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫(MFH)に対する予後因子には以下のものがある:

再発骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に対する治療法の選択肢

再発骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. すべての部位の転移性腫瘍を切除するための手術。
  2. 化学療法。
  3. 標的療法。
  4. 放射線療法。

再発骨肉腫患者を治療するための全身化学療法の役割は十分に定義されていない。その後の全身治療法の選択は、再発部位、患者が以前に受けた一次治療、個々の患者の考慮事項など、多くの因子に左右される。

COGにより、7件の第II相試験の再発骨肉腫患者の転帰が報告されたが、いずれの試験も治療の有益性を示していないと評価された。[ 15 ]病変が測定可能な骨肉腫患者96人に対するイベントフリー生存(EFS)率は4ヵ月経過時に12%(95%信頼区間[CI]、6%-19%)であった。以前の治療レジメンの数または患者の年齢、性別、民族性に応じた試験間のEFSにおける有意差は認められなかった。研究デザインが異なる1件の追加の第II相試験が報告された。この試験では、肺への転移を来した骨肉腫患者が肺のすべての結節の外科的切除を受け、その後吸入による補助的な顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)で治療された。この研究に登録された評価可能な42人の患者に対する12ヵ月EFS率は20%(95%CI、10%-34%)であった。

再発骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫を治療するため、以下の化学療法および標的療法薬が研究されている:

大量化学療法を用いる末梢血幹細胞移植により、治療成績が改善されることはないようである。

末梢血幹細胞移植併用の大量サマリウム153-エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(153Sm-EDTMP)治療により、骨転移を有する患者にかなりの疼痛症状緩和が得られる。[ 29 ][ 30 ][ 31 ][ 32 ]153Sm-EDTMPの毒性は主に血液学的毒性作用である。[ 33 ][証拠レベル:3iiDiii]

1件の単一施設のレトロスペクティブ・レビューにより、高用量の放射線療法(2Gy/分割)が再発骨肉腫患者の緩和に有用な形態であることが報告された。[ 34 ][証拠レベル:3iiiDiv]症状が認められる転移性および/または局所再発原発疾患を有する20人の患者に32コースの緩和放射線療法が行われた。32コースのうち24コース(75%)は症状の改善に関連していた。より高い線量の放射線療法は、長期の症状反応に相関している。

肺のみの再発に対する治療法の選択肢

肺再発は反復切除することにより、長期の疾患制御が得られ、一部の患者では治癒の可能性もある。[ 14 ][ 35 ]切除不能の転移性腫瘍を認める患者の生存率は5%未満である。[ 7 ][ 36 ]肺へのすべての転移が外科的に完全切除された患者に対する5年EFS率は20~45%である。[ 4 ][ 13 ][ 14 ][ 37 ][証拠レベル:3iiiA]

良好な治療成績と関連する因子としては、肺結節数が少ないこと、一側性肺転移であること、原発腫瘍切除から転移までの期間が長いこと、および腫瘍部位が肺の末梢であることが挙げられる。[ 4 ][ 6 ][ 7 ][ 38 ][ 39 ]診断後1年以上経過してから孤立性の肺病変が1つ認められた患者の約50%で、転移部切除後に長期生存が得られた。化学療法では優位性は得られなかったようである。[ 40 ][証拠レベル:3iiiA]

肺のみで再発した骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 腫瘍を切除するための手術。

骨肉腫の管理には、すべての肉眼的腫瘍の外科的切除が必要である。骨肉腫患者における肺結節を切除するために、胸腔鏡検査および虚脱肺の触診を併用する開胸術など、いくつかの選択肢が利用可能である。結節が1つの肺にのみ確認された患者の場合、胸腔鏡検査を主張する外科医;片側開胸術を主張する外科医;および両側開胸術を主張する外科医がいる。両側開胸術は、正中胸骨切開またはクラムシェルアプローチによる1回の手術手技、または段階的な両側開胸術により実施できる。

骨肉腫における肺転移の治療に対する外科的アプローチについては、推奨事項が対立している。

証拠(骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の肺のみの再発に対する外科的アプローチ):

  1. St. Jude Children's Research Hospitalでは、初発時にコンピュータ断層撮影(CT)スキャンで1つの肺にのみ肺結節が確認された患者81人について報告された。[ 41 ]片側開胸術が実施され、対側の半胸は調べられなかった。開胸術時に、患者81人中44人に孤立性結節が確認された;患者81人中15人に2つの結節が確認された;患者81人中16人に3~5つの結節が確認された;および患者81人中6人に6つ以上の結節が確認された。切除不能と考えられた別の患者はこの分析に含まれなかった。
  2. Memorial Sloan Kettering Cancer Centerが骨肉腫に対する初期治療後の転移性肺疾患の再発について報告している。14人の患者では、CTスキャンで1つの肺にのみ肺結節が確認された;9人の患者は最初の診断から2年未満で確認され(早期転移)、5人の患者は最初の診断から2年以上経過後に確認された(遅発性転移)。[ 38 ]早期転移患者9人中7人は段階的な対側開胸術を受け、7人中6人ではCTスキャンの所見が陰性であったにもかかわらず結節が対側肺から切除された。

骨のみの転移による再発に対する治療法の選択肢

骨のみで再発した骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 腫瘍を切除するための手術。
  2. 幹細胞移植を併用するまたは併用しない153Sm-EDTMP。

骨転移が複数ある骨肉腫患者は予後不良である。1件の大規模シリーズにおける5年EFS率は11%であった。[ 43 ]骨に単発性の再燃を遅れて発症する患者の5年EFS率は約30%である。[ 43 ][ 44 ][ 45 ][ 46 ]

複数の切除不能な骨病変を有する患者に対する幹細胞移植を併用するまたは併用しない153Sm-EDTMPは、疾患の安定および/または疼痛緩和をもたらしうる。[ 33 ]

局所再発に対する治療法の選択肢

局所再発を来した患者の再燃後の転帰は、きわめて不良である。[ 47 ][ 48 ][ 49 ]単一施設からの2件のレトロスペクティブ・シリーズにより、関連する全身転移を伴わない局所再発後の生存率は10~40%であると報告された。[ 50 ][ 51 ][ 52 ][ 53 ]Italian Sarcoma Groupからのレトロスペクティブ・レビューにより、局所再発を来した62人の患者(年齢中央値、21歳)が確認された。[ 54 ]追跡期間中央値43ヵ月(範囲、5~235ヵ月)で、局所再燃後の5年生存率は37%で、無局所再発期間の長かった患者(24ヵ月以下で31% vs 24ヵ月以上で61.5%;P = 0.03)、遠隔転移のない患者(遠隔転移なしで56% vs 遠隔転移ありで11.5%;P = 0.0001)、および外科的切除により第二完全寛解(CR2)を達成した患者(CR2未達成で0% vs CR2達成で58.5%;P = 0.0001)で有意に良好であった。年齢による局所再燃後の生存率における差は認められず、化学療法の実施による有益性も認められなかった。

局所再発を有し、以前のまたは同時の全身転移がみられる患者の生存は不良である。[ 52 ]

化学療法に対する原発腫瘍の病理学的反応が不良な患者および切除縁が不十分な患者の方が局所再燃率が高かった。[ 47 ][ 51 ]

骨肉腫の2回目の再発に対する治療法の選択肢

2回目の再発を来した骨肉腫または骨悪性線維性組織球腫患者に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 腫瘍を切除するための手術。

German-Austrian-Swissの骨肉腫共同研究グループでは、骨肉腫の2回目の再発を来した患者249人について報告している。これらの症例での主な治療は再発病変の再切除術であった。これらの患者のうち、197人が死亡し、37人はCRの状態で生存していた(うち24人の患者は3度目の完全奏効、13人の患者は4度目またはそれ以上の回数の完全奏効)。外科的寛解には至らなかった15人は生存していたが、これらの患者に対する追跡はきわめて短期間であった。[ 55 ]

Spanish Group for Research on Sarcomaにより、再燃または難治性骨肉腫でゲムシタビンおよびシロリムスにより治療された患者を対象にした第II相試験の結果が報告された。[ 56 ][証拠レベル:3iiDiv]4ヵ月経過時の無増悪生存率は44%であった;評価可能な患者33人の放射線学的中央診断後に、2人で部分奏効および14人で病勢の安定(48.5%)が報告された。

COGにより、7件の第II相試験の再発骨肉腫患者の転帰が報告されたが、いずれの試験も治療の有益性を示していないと評価された。[ 15 ]病変が測定可能な骨肉腫患者96人に対するEFS率は4ヵ月経過時に12%(95%CI、6%-19%)であった。以前の治療レジメンの数または患者の年齢、性別、民族性に応じた試験間のEFSにおける有意差は認められなかった。研究デザインが異なる1件の追加の第II相試験が報告された。この試験では、肺への転移を来した骨肉腫患者が肺のすべての結節の外科的切除を受け、その後吸入による補助的なGM-CSFで治療された。この研究に登録された評価可能な42人の患者に対する12ヵ月EFS率は20%(95%CI、10%-34%)であった。

臨床評価段階にある治療法の選択肢

米国国立がん研究所(NCI)が支援している臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトに掲載されている。他の組織がスポンサーの臨床試験に関する情報については、ClinicalTrials.govウェブサイトを参照のこと。

以下は、現在実施されている全米および/または施設の臨床試験の例である:

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。

参考文献
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本要約の変更点(03/25/2020)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫に関する一般情報

本文に以下の記述が追加された;骨肉腫の小児患者における全生存(OS)およびイベントフリー生存(EFS)について、病的骨折がみられた患者とみられなかった患者間で有意差は認められなかった。成人では、病的骨折がみられた患者における5年OS率が46%であったのに対し、病的骨折がみられなかった患者では69%であった。成人における5年EFS率は、病的骨折がみられた患者で36%であったのに対し、病的骨折がみられなかった患者では56%であった。多変量解析で、病的骨折の存在はコホート全体または小児患者においてOSまたはEFSに対する統計的に有意な因子ではなかった。成人患者における病的骨折はOSに対する独立した予後因子のままであった。

再発骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療

本文に、転移性再発骨肉腫の治療におけるレゴラフェニブの役割が評価された2件のプロスペクティブ・ランダム化二重盲検試験に関する記述が追加された。フランスの試験において、レゴラフェニブ群の患者26人中17人では8週間経過時に疾患増悪が認められなかったのに対し、プラセボ群では12人中0人であった(引用、参考文献27としてDuffaud et al.);Sarcoma Alliance for Research Collaboration(SARC)グループにおける無増悪生存期間中央値は、レゴラフェニブ群の方がプラセボ群よりも有意に改善された(引用、参考文献28としてDavis et al.)。

本要約はPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Osteosarcoma and Malignant Fibrous Histiocytoma of Bone Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/bone/hp/osteosarcoma-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389179]

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

免責条項

入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。