医療専門家向け 肛門がんの予防(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、肛門がんの予防について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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概要

注:肛門がんの治療については、別のPDQ要約を参照できる。

リスクのある個人

ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染は、最も強力な肛門がんの危険因子であり、肛門の扁平上皮がんとその前駆病変の病因として認識されている。[ 1 ]HPV感染を示す、またはHPVの伝播や定着を促す行動または医学的状態は、リスクの増加に関連がある;これらの行動や状態には、HPV関連のがんの病歴、男性間の性交などの高リスクの性的習慣、アナルセックスの受け入れ側であることや性生活のパートナーが多数いること、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染、慢性的な免疫抑制状態などがある。[ 2 ]紙巻きタバコの喫煙も危険因子である。[ 3 ]

肛門がんのリスク増加に関連する因子

肛門HPV感染

固い証拠によると、HPV感染は肛門の扁平上皮がんの原因である。

影響の大きさ:肛門扁平上皮がんの約90%は、HPV感染が検出可能な個人に生じている。[ 4 ]そのうちの90%以上の症例で、HPV 16型(HPV-16)および/またはHPV-18が検出される。[ 4 ]肛門がんの85%には扁平上皮性の組織像が認められる。[ 2 ]

HPV感染につながる、またはHPVの伝播や定着を促す行動または医学的状態

固い証拠によると、HPV感染を示す、またはHPVの伝播や定着を促す行動もしくは医学的状態は、肛門がんのリスクを増大させるか、またはリスク増大に関連する。

影響の大きさ:リスクは行動や医学的状態により異なる。

喫煙

固い証拠によると、喫煙は肛門がんのリスクを増大させる。

影響の大きさ:喫煙経験者ではリスクが約2~3倍になる;現喫煙者のリスクはさらに大きい。[ 3 ][ 11 ][ 13 ]

肛門がんのリスク低下に関連する介入

HPVワクチン接種

固い証拠によると、ワクチン接種前の1年間に男性と性交を行った16~26歳の男性にHPVワクチン接種を実施すると、肛門がんの前駆病変である肛門上皮内腫瘍(AIN)は減少する。

影響の大きさ:HPV-6、-11、-16、-18に関係するAINに対するワクチン有効性は、50%~75%である。[ 14 ]有効性は、ワクチン接種時にこれら4種類のHPV株について陰性の個人で最も高くなりうる。

肛門がんリスクを低下させるかどうかについて証拠が不十分な介入

コンドームの使用

HPVの伝播についての1件の研究で、最近コンドームを使用せずにアナルセックスを行ったMSM(男性と性交を行う男性)では、常にコンドームを使用しているそうした男性に比べ、発がん性のHPVに感染する傾向がより多くみられた。しかし、その関連は統計的に有意ではなかった。

影響の大きさ:約2倍、ただし統計的有意性はない(オッズ比、1.81;95%信頼区間、0.58-5.68)。[ 15 ]

参考文献
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証拠の記述

発生率、死亡率、生存率

米国

Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)によると、2012年から2016年の米国における肛門がんの年齢調整年間発生率は1年当たり10万人につき1.9例であり、死亡率は1年当たり10万人につき0.3例であった。発生率は男性より女性の方がわずかに高かったが(それぞれ、10万人年当たり 2.2 vs 1.6)、死亡率は同程度だった。[ 1 ]米国では2020年に新たに8,590人が肛門がんと診断され、この疾患により1,350人が死亡すると推定される。[ 2 ]発生率は2007年から2016年の間に年々増加しており(平均増加率、2.2%)、死亡率も同期間で年々増加している(平均増加率、3.1%)。すべての発生率と死亡率の増加はゼロとは有意に異なっていた。[ 3 ]5年生存率は、1975年以来ほぼ一定であり、2009年から2015年までのデータに基づくと68.3%である。[ 1 ]

全世界

2008年に全世界で診断された肛門がんの新規症例数は27,000例と推定される。[ 4 ]全世界を対象とした発生率、死亡率、生存に関する統計は、現在いずれも利用できない。

組織像

米国における肛門がんの約85%には、扁平上皮性の組織像または特定の組織型変異が認められる。[ 5 ]その他の肛門がんは、ほとんどすべてが腺がんである。[ 6 ]ヒトパピローマウイルス(HPV)は扁平上皮がんにのみ関与し、[ 7 ]前駆病変の特定によって浸潤性扁平上皮疾患は減少すると予想されるため、HPVワクチンの接種、HPVスクリーニング、肛門がん前駆病変の有無についてのスクリーニングにより、今後数年でおそらく肛門がんの組織学的分布は変化すると考えられる。

前駆病変

肛門の扁平上皮がんには、グレード2または3の肛門上皮内腫瘍(AIN)、すなわち高度AINが先行して起こる。グレード1のAINは肛門がんの前駆病変とはみなされないが、高度AINに進行する可能性がある。[ 8 ]軽度および高度AINに対応する細胞学的用語は、軽度扁平上皮内病変(LSIL)と高度扁平上皮内病変(HSIL)である。[ 8 ]

ある研究では、8年間でAIN症例の11%が浸潤がんに進行したという報告がなされたが、[ 9 ]別の研究結果は進行の頻度がこれよりもかなり低いことを示唆している。研究者らがAINの有病率と肛門がん発生率のデータを使用して、仮説に基づき高度AINから肛門がんへの年間進行率を推定したところ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性でありかつ男性と性交している男性(MSM)では600例中約1例の割合であり、HIV陰性のMSMでは4,000例中1例であった。[ 10 ]研究者らはメタアナリシスの手法を用いて世界中の多数の研究から得られたデータを集約し、HIV陽性MSMにおけるLSILの有病率を27.5%(95%信頼区間[CI]、21.9%-33.2%)、HSILの有病率を6.7%(95%CI、4.4%-9.0%)と推定した。HIV陰性MSMの間では、LSILの有病率が6.6%(95%CI、1.1%-12.1%)、HSILの有病率が2.7%(95%CI、0.0%-5.1%)であった。[ 10 ]

危険因子

肛門がんリスクの増加に関連する因子

肛門HPV感染

HPV感染は肛門がんの最も強い危険因子である。肛門がんの約90%は、HPV感染が検出可能な個人に生じている。[ 11 ]発がん性のHPVへの感染は病因として認識されており、肛門の扁平上皮がんとその前駆病変の発生の必要条件である。[ 12 ]2009年に実施された約1,000例の浸潤性扁平上皮病変についてのメタアナリシスでは、約3分の2にHPV-16が存在し、約5%にHPV-18が存在していた。[ 8 ]肛門がんの85%には扁平上皮がんの組織像または組織型変異が認められるため、[ 5 ]発がん性のHPVへの感染を阻止することで肛門がんの大半が撲滅されると考えられる。

一般的に健康な個人では、HPVは短期間で除去される。発がん性のHPVの持続は、免疫系が易感染の個人で起こりやすい;したがって、これらの個人では扁平上皮肛門がんのリスクが大幅に高くなる。HPVの伝播を促す行動もリスクを増大させる。[ 5 ]このような状態や行動が、独立して(つまりHPV感染がない状態で)扁平上皮肛門がんのリスクに影響を与えることは多く見積もってもほとんどないと考えられるが、この仮説に十分に対応したデータは非常に限られている。

肛門腺がんと他の非扁平上皮性の組織学的亜型の症例は数が十分でないため、HPVがこれらの病変の発生に及ぼす影響の有無やその実態については不明である。

HPV感染を示す、またはHPVの伝播や定着を促す可能性のある行動もしくは医学的状態

子宮頸がん、膣がん、外陰がんの病歴

子宮頸がん、膣がん、外陰がんはHPVに関連するがんである。[ 4 ]子宮頸がん、膣がん、外陰がんの生存者を対象とした長期にわたるレジストリーベースでのモニタリングで、これらの患者の肛門がんリスクが示されたが、関係の影響は多様であった。[ 13 ][ 14 ][ 15 ][ 16 ]浸潤性子宮頸がんの生存者の肛門がんの標準化発生比(SIR)は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、米国の子宮頸がん生存者10万人以上からなるコホートでは3.1(95%CI、1.9-4.9)であり[ 13 ]、1973年から2007年のSEER登録データでは6.2(95%CI、4.1-8.7)であった(100万人超年当たり)。[ 15 ]後者のコホートでは、子宮頸部上皮内がんの女性のSIRは16.4であった(95%CI、13.7-19.2)。Swedish Family-Cancer Databaseの1958年から1996年のデータを対象に実施された1件の分析では、子宮頸部上皮内(in situ)がんの女性のSIRは3.8(95%CI、2.9-4.7)であり、浸潤性子宮頸がんの女性のSIRは3.9(95%CI、2.3-6.0)であった。[ 15 ]上述の多国間コホートでは、[ 13 ]子宮頸部上皮内がんと浸潤性子宮頸がんに関する肛門がんのSIRは、それぞれ7.6(95%CI、2.4-15.6)と1.8(95%CI、0.2-5.3)であった;また、外陰部上皮内がんと浸潤性外陰がんに関する肛門がんのSIRは、それぞれ22.2(95%CI、16.7-28.4)と17.4(95%CI、16.7-28.4)であった。

中咽頭がん[ 17 ]と陰茎がん[ 18 ]もHPVに関連するがんであり、これらの患者も肛門がんのリスクが高いと想定される。1973年から2007年の間の(100万人超年当たりでの)[ 14 ]中咽頭がん患者における肛門がんの観察値-予想値の比は2倍である(1とは有意に異なっている)と推定された。また、これと同じデータソースで陰茎がんに続発した肛門がんの推定も実施され、予想値は0.36であったが、実際に発生した症例は認められなかった。

HIV感染/後天性免疫不全症候群(AIDS)

HIV感染と肛門がんは強く関連している。1件のメタアナリシスで、HIVに感染した個人では肛門がんが一般集団の30倍に増加することが示された(SIR、28.8;95%CI、21.6-38.3)。[ 19 ]1995年から2009年のデータを用いたデンマークの全国規模のコホート研究で、さらに強い関連が観察された(発生率比、77.9;95%CI、36.2-167.7)。[ 20 ]HIV感染と肛門がんとのこの関連性は、HPVに関する状態、高リスクの行動、免疫低下の程度など、肛門がんに関連する他の因子による交絡や修飾を受ける。例えば、HIV感染と肛門がんリスクとの関連による影響の大きさは、性的嗜好によって異なる。1件の研究[ 21 ]では、HIV陰性の男性との比較において、HIV陽性MSMのSIRと発生率がともに最も高いことが観察された(SIR、80.3;95%CI、42.7-151.1);HIV陽性MSMでの発生率は、10万人年当たり131であった。HIV陽性で男性との性交を行っていない男性のSIRはそれよりも低いが、無視できない確率であった(SIR、26.7;95%CI、11.5-61.7;発生率、10万人年当たり46)。同じ研究において、HIV陽性の女性8,842人のうち30人が肛門がんの診断を受けていた(発生率、10万人年当たり2)が、HIV陰性の女性11,653人では肛門がんと診断された人は1人もいなかった;したがって、SIRは算定不能であり、発生率はゼロである。肛門がんの男性について、デンマークの研究で観察された一般集団の男性と比較したHIV陽性男性の死亡率比は3.2(95%CI、1.1-9.2)であった。[ 20 ]

肛門HPV感染はHIV陽性の個人でよくみられる。複数の研究は、HPV有病率についてHIV陽性のMSMで85%~95%、HIV陽性の女性で76%~90%、HIV陽性の男性異性愛者で60%であることを示唆している。[ 21 ]

あるコホートに含まれるAIDSの男性約7,000人で肛門がんが28例発生し、そのオッズ比(OR)から、高リスクの行動の拡がりに伴う比較的小さなリスク上昇(約2倍)が示唆された。ただし、性的習慣に関連するORで統計的に有意なものは、研究開始時から3回目の研究来院時までに、7人以上の相手との無防備なアナルセックスを受け入れ側として行っていた場合のORのみであった(OR、4.0;95%CI、1.1-14.6)。[ 22 ]50万人近くのAIDS患者を含むコホートでは、静脈薬物使用が肛門がんに関連していた(男性では、SIR、11.7;95%CI、4.2-25.5、女性ではSIR、38.0;95%CI、10.3-97.3)。[ 23 ]また全く喫煙しない場合に比べ、現在喫煙者では、HIV陽性患者の肛門がんリスクが増大することも観察された(OR、2.6;95%CI、1.3-5.3)。[ 24 ]

肛門がんのリスクとHIV陽性患者およびAIDS患者の免疫抑制の重症度との間には、正の関連が認められる。[ 21 ]併用抗レトロウイルス療法(cART)が1996年に利用可能となった当時、これらの患者における肛門がんの発生は減少すると期待されていた。HIVに関連する他のがんでは減少が認められたが、この動きは肛門がんではみられなかった。cART治療の実施時期は肛門がんのリスクに影響すること、および肛門がんに対する有効性を得るには、従来の臨床実践よりもHPV感染過程の早い段階で患者にcARTを実施する必要があることが提唱されている。[ 25 ]ある研究は、肛門がん診断の12ヵ月前の免疫抑制レベルよりも、肛門がん診断の6~7年前の免疫抑制レベルの方が、肛門がん発生オッズに強く関連している可能性があることを示唆した。

研究者らは、肛門がん診断の6~7年前のCD4+数に対するORについて以下のように報告している。[ 24 ]

診断12ヵ月前のCD4+数に対するORは以下の通り:

類似のパターンが、CD8+細胞数とCD4+/CD8+比にもみられる。

高リスクの性的習慣

肛門がんリスクの増大をもたらす性的習慣には、アナルセックスの受け入れ側になること、多数の性生活のパートナーを持つこと、男性間での性交がある。[ 26 ]これらの習慣は、発がん性のHPVに対する肛門の曝露を増加させることが知られているか、またはそうであると考えられている。HPVおよびHIVへの感染は高リスクの性的習慣に強く相関しているため、性行為の独立した影響を評価するデータはほとんど存在しない。HIV/AIDSの時代が到来する前は、肛門がんの疫学に注意が払われることはめったになかった;単にAIDSの出現と肛門がんの増加とが同時期に起きたことで、性的習慣が危険因子の候補として調査されるようになったのである。

根本的な理由は何であれ、MSMは他の男女と比較して肛門がんの発生率が最も高い集団である。上述のように、HIV陽性MSMにおける肛門がん発生率は最も高い(10万人年当たり約50)が、[ 10 ]HIV陰性MSMにおける発生率も一般集団の男性に比べて有意に高い;その発生率は10万人年当たり5と推定されている。[ 10 ]複数のケースコントロール研究では、アナルセックスの受け入れ側になっている女性のリスクに中程度の増加(約2倍)が認められた[ 27 ][ 28 ];しかし、1件の研究では、30歳より前に最初のアナルセックスを行った女性にのみ、この関連が認められた(OR、3.4;95%CI、1.7-6.6)。[ 27 ]同じ研究で、生涯における性生活パートナーの増加に伴い、男女両方について調整されたORが増大していた。パートナーが10人以上であることに関連したORは、女性で4.5(95%CI、2.7-7.4)、男性で2.5(95%CI、1.1-5.5)であった。男女両方におけるリスク増大は、肛門疣贅および他の特定の性感染症の病歴とともに観察された。[ 27 ]

HIV感染以外の慢性的な免疫抑制状態

一般に慢性的な免疫抑制はHPV感染を除去する能力に影響を及ぼすために、肛門がんのリスクを増大させると考えられている。[ 26 ]臓器移植レシピエントには臓器の拒絶反応を防止するために免疫抑制剤が使用されるため、肛門がんのリスクが増大する。3件の大規模な移植コホート研究で観察された肛門がんのSIRは、それぞれ2.8(95%CI、1.5-4.6)、[ 19 ]5.8(95%CI、4.7-7.2)、[ 29 ]10.3(95%CI、2.8-26.6)[ 19 ]であった。自己免疫疾患は、その病態または治療、あるいはその両方によって、肛門がんのリスクを増大させると仮定されるが、肛門がんが希少であり、多くの自己免疫疾患も比較的まれであることから、知見には対立がみられ、データも限られている。ほぼ30年の経験を含むDenmark National Patient Registryのコホート研究では、クローン病(SIR、3.1;95%CI、1.2-6.4)と乾癬(SIR、3.1;95%CI、1.8-5.1)で統計的に有意な3倍のリスク増大が観察され、結節性多発動脈炎(SIR、8.8;95%CI、1.5-29.0)では9倍、ヴェーゲナー肉芽腫症(SIR、12.4;95%CI、2.1-40.8)では12倍のリスク増大が認められた。[ 30 ]

喫煙

喫煙は肛門がんの主要な危険因子として特定されている。1987年に男性58人と女性90人を対象とした1件のケースコントロール研究で、性生活のパートナーの数による調整後に、現在喫煙者の男性で9倍(相対リスク[RR]、9.4;95%CI、2.3-38.5)、女性で8倍(RR、7.7;95%CI、3.5-17.2)のリスク増大が観察された。[ 31 ]前喫煙者のRRは統計的に有意ではなく、2倍に満たなかった。患者306人を対象とした別のケースコントロール研究は、HPVに関する状態と性生活のパートナーの数についての調整により、1987年の研究でみられた有意な関連性が弱められたものの除外はされなかったことから、現在の喫煙が肛門がんの独立した危険因子である可能性を示唆した;この研究では、ORが男性で3.9(95%CI、1.9-8.0)、女性で3.8(95%CI、2.3-6.2)であった。[ 28 ]肛門がんがまれであるため、年当たりの本数や禁煙してからの期間といった喫煙歴の他の側面により肛門がんのリスクが変化するかどうかを、研究で厳密に検討することはできていない。特に禁煙後の期間については、現在喫煙者では強いリスクが認められるが前喫煙者ではリスクが認められていないため、高い関心が持たれる。

肛門がんのリスク低下に関連する介入

HPVワクチン接種

HPVは扁平上皮肛門がんの発生の原因となる条件であるため、発がん性のHPVに対するワクチン接種を曝露前に実施することは、肛門がんのリスクを低下させる可能性がある。2004年から2008年にかけて実施された多国間試験では、4,065人の男児および男性が、4価HPVワクチン(HPV-6、-11、-16、-18)を3回接種するレジメンかプラセボ注射を3回実施するレジメンのいずれかにランダムに割り付けられた。患者4,065人のうち、602人は登録前の1年間に男性のパートナーと性交したことを報告した。異性愛の参加者の年齢は16~23歳で、それまでの生涯において6人以上の女性パートナーがいた参加者はいなかった;男性パートナーとの性交を報告した参加者の年齢は16~26歳で、それまでの生涯において6人以上の男性または女性パートナーがいた参加者はいなかった。持続的感染の定義は、6ヵ月間隔の来院で採取した肛門生殖器の拭き取り検体または生検標本から、連続して2回以上、同じ型のHPVが検出されることであった。ベースラインでのHPVに関する状態にかかわらず参加者を対象としたITT(intent-to-treat)解析では、HPV-6、-11、-16、-18への持続的感染に対する有効性は48%(95%CI、36.0%-57.6%)であった。これら4種類のHPVについてベースライン時に陰性であった参加者では(介入群1,397人と対照群1,408人に対するper protocol解析で)、HPV-6、-11、-16、-18への持続的感染に対するワクチン有効性は90%(95%CI、69.2%-98.1%)であった。[ 32 ]

男性と性交を行ったことがある602人の被験者では、HPV-6、-11、-16、-18への持続的感染に対するワクチンの効力はITT解析で59%であり(95%CI、43.0%-71.4%)、per protocol解析で95%(95%CI、80.4%-99.4%)であった。HPV-6、-11、-16、-18に関連するAINに対するワクチン有効性は、ITT解析で50%(95%CI、25.7%-67.2%)、per protocol解析で77.5%(95%CI、39.6%-93.9%)(介入群275人と対照群276人)であった。HPV-6、-11、-16、-18に関連する高度AINに対する有効性は、ITT解析で54.2%(95%CI、18.0%-75.3%)、per protocol解析で74.9%(95%CI、8.8%-95.4%)(介入群194人と対照群208人)であった。[ 33 ]

肛門感染に対する2価(HPV-16、-18)ワクチンの有効性が、子宮頸がん予防のランダム化比較試験を考慮して評価された。登録時年齢が18~25歳のコスタリカ人女性6,300人を対象に実施された試験で、2価ワクチンの3回接種の有効性が対照ワクチンと比較された。ワクチン接種の4年後に、大半の女性に対して肛門から採取した検体の提供が打診された。検体を提供した介入群2,103人と対照群2,107人で、ワクチン有効性(つまり、検体からHPV-16および-18が非検出の場合)は62%であった(95%CI、47.1%-73.1%)。肛門から採取した検体を提供し、3回の接種を受け、ワクチン接種前に子宮頸部のHPV-16または-18感染の証拠がなく血清陰性であった介入群1,003人と対照群986人では、ワクチン有効性が84%であった(66.7%-92.8%)。[ 34 ]

これらのデータは、発がん性の株に対するワクチン接種は、肛門がんの減少につながることを強く示唆している。さらに曝露前のワクチン接種が最も有効であることも示唆している。

肛門がんリスクを低下させるかどうかについて証拠が不十分な介入

コンドームの使用

HPVは、微小な擦過傷から伝播するほか、特定の体液の交換などのより明白な曝露によって伝播することがあるため、[ 12 ]性器の挿入時にコンドームを使用するだけでは他の性的接触による伝播を防ぐことができない。しかしながら、コンドームの使用は伝播のリスクをいくぶん低下させ、そのために肛門がんのリスクも低下させると予想される。こうした仮説を検討したデータはほとんどなく、存在してもごくわずかな影響を示唆するにとどまる。注目すべきことに、コンドーム使用が子宮頸がんリスクを低減させる効果は現在でも不確かであり、議論が分かれている。[ 35 ]

258人のHIV陰性MSMを含むイタリアのコホートでは、アナルセックスでコンドームを不規則に使用した場合または不使用の場合の受け入れ側における高リスクHPV株への感染に関するORは、コンドームを一貫して使用した場合に対して、1.7(95%CI、0.52-6.3)であった。[ 36 ]176人のMSMを含むブラジルのコホートでは、発がん性を有するHPVへの感染のORは、アナルセックスに常にコンドームを使用する男性と比較した場合に、時々コンドームを使用する男性で1.8(95%CI、0.77-4.35)であり、コンドームを使用しない男性でも1.8(95%CI、0.58-5.68)であった。[ 37 ]

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本要約の変更点(03/11/2020)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

証拠の記述

新規症例数および死亡数の推定値に関する統計を2020年度用に更新(引用、参考文献2としてAmerican Cancer Society、および参考文献3としてHowlader et al.)。

本要約はPDQ Screening and Prevention Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、肛門がんの予防について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Screening and Prevention Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Screening and Prevention Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board.PDQ Anal Cancer Prevention.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/anal/hp/anal-prevention-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389511]

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

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これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

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