ご利用について
このPDQがん情報要約では、小児ホジキンリンパ腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 小児ホジキンリンパ腫についての一般的な情報
-
小児ホジキンリンパ腫は、リンパ系から発生するがんの一種です。
リンパ系は免疫系の一部です。免疫系は感染や疾患から体を保護する役割を担っています。
リンパ系は以下のものから構成されています:
少量のリンパ組織は消化管壁の内表面や気管支、皮膚などの部位にも存在します。
リンパ腫には大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類があります。本要約では、小児ホジキンリンパ腫の治療について書かれたものです。
ホジキンリンパ腫は青年(15~19歳)に特に多くみられます。小児と青年に対する治療は、成人に対する治療と異なります。
小児非ホジキンリンパ腫または成人ホジキンリンパ腫の詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:
小児ホジキンリンパ腫の代表的なものには、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の2種類があります。
エプスタイン-バーウイルスへの感染とホジキンリンパ腫の家族歴は小児ホジキンリンパ腫のリスクを高めます。
疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。これらのリスク因子を1つ以上持つ子がみな小児ホジキンリンパ腫になるわけではありませんし、既知のリスク因子を持たないのに小児ホジキンリンパ腫になる子もいます。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。
小児ホジキンリンパ腫のリスク因子には、以下のようなものがあります:
小児期の早い時期に一般的な感染の経験があると、小児ホジキンリンパ腫のリスクが低下することがあります。
小児ホジキンリンパ腫の徴候には、リンパ節の腫れ、発熱、ひどい寝汗、体重減少などがあります。
ホジキンリンパ腫の徴候と症状は、がんが発生した部位とがんの大きさによって異なります。これらに加え、別の徴候や症状が小児ホジキンリンパ腫により引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:
原因不明の発熱、原因不明の体重減少、ひどい寝汗はB症状と呼ばれています。B症状は、ホジキンリンパ腫の病期を分類し、患者さんの回復の見込みを把握するうえで重要な所見です。
小児ホジキンリンパ腫の診断と病期分類には、リンパ系と体の他の部位を調べる検査法が用いられます。
リンパ系や他の部位の画像を撮影する検査と手技は、小児ホジキンリンパ腫を診断し、がんの拡がりを明らかにするために有用です。がん細胞がリンパ系の外に拡がっているかどうかを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。がんが他の部位に転移しているかどうかを把握することは、治療計画を立てるうえで重要です。
担当医は小児の個人歴と家族歴をたずね、身体診察を行うことに加えて、以下の検査や手技を行うことがあります:
-
全血球算定(CBC):血液を採取して以下の項目について調べる検査法:
- 血液生化学検査:採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質(アルブミンなど)の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。
- C反応性蛋白検査:採取した血液を調べて、血液中のC反応性蛋白の濃度を測定する検査法。C反応性蛋白は肝臓で作られ、炎症に対する反応として血流中に送られます。血液中のC反応性蛋白の濃度が正常より高い場合は、疾患の徴候かもしれません。
- 血沈:血液を採取して、赤血球が試験管の底に沈んでいく速さを計測する検査法。血沈は、体内でどの程度の炎症が起きているかを測定します。血沈が正常よりも高い場合は、リンパ腫の徴候かもしれません。この検査法は、赤血球沈降速度、赤沈、ESRとも呼ばれます。
- CTスキャン(CATスキャン):頸部、胸部、腹部、骨盤など、体内の各領域を様々な角度から撮影して、一連の詳細画像を作成する手法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- PETスキャン(陽電子放射断層撮影法):体内にある悪性の腫瘍細胞を発見するための手法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は正常な細胞よりも活性化してブドウ糖を多く取り込むため、画像では腫瘍がより明るく映し出されます。
- MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、リンパ節などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- PET-CTスキャンまたはPET-MRIスキャン:PETスキャンによる画像とCTスキャンまたはMRIによる画像を組み合わせる手法。これらのスキャンが同時に同じ機器で実行されます。これらのスキャンを併用することで、それぞれを単独で実施するよりも詳細な体内領域の画像が得られます。
- 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。
- 骨髄穿刺と骨髄生検:腰骨または胸骨に中空の針を挿入して、骨髄や骨の小片を採取する手技。採取された骨髄や骨は病理医によって顕微鏡で観察され、異常な細胞がないか調べられます。骨髄穿刺と骨髄生検は進行がんの患者さんやB症状がみられる患者さんに対して行われます。
-
リンパ節生検:1個以上のリンパ節の全体または一部を切除する手技。画像誘導CTや胸腔鏡検査、縦隔鏡検査、腹腔鏡検査の実施中に、リンパ節を採取することもあります。実施される生検には以下のような種類があります:
- 摘出生検:リンパ節の全体を摘出する。
- 切除生検:リンパ節の一部を採取する。
- コア生検:太い針を用いてリンパ節から組織を採取する。
切除されたリンパ節は病理医が顕微鏡で観察し、リード-スタンバーグ細胞と呼ばれるがん細胞の有無を調べます。リード-スタンバーグ細胞は古典的ホジキンリンパ腫でよく認められます。
摘出された組織に対して、以下の検査が実施される場合があります:
-
全血球算定(CBC):血液を採取して以下の項目について調べる検査法:
- 小児ホジキンリンパ腫の病期
-
小児ホジキンリンパ腫の診断がついた後には、がん細胞のリンパ系内部での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。
がんの拡がりを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。ホジキンリンパ腫の診断と病期分類に用いられた検査や手技の結果は、治療に関する決定を下すためにも利用されます。
体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。
小児ホジキンリンパ腫では以下のような病期が用いられます:
病期には、A、B、E、Sの文字が付け加えられる場合があります。
A、B、E、Sの文字により、小児ホジキンリンパ腫の病期に情報が追加されることがあります。
- 治療選択肢の概要
-
小児ホジキンリンパ腫の患者さんには様々な治療法が存在します。
小児ホジキンリンパ腫の患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。
小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
小児ホジキンリンパ腫の患者さんには、小児がんの治療に精通した医療提供者で構成されるチームによって治療計画が立てられるべきです。
この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児ホジキンリンパ腫の治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:
青年と若年成人に対するホジキンリンパ腫の治療は、小児に対する治療と異なる場合があります。一部の青年と若年成人は、成人向けの治療レジメンで治療を受けます。
以下の6種類の治療法が用いられています:
化学療法
化学療法は、1種類以上の薬物を用いてがん細胞を殺傷したり細胞分裂を妨害したりすることによって、がん細胞の増殖を阻止するがん治療法です。複数の化学療法薬を使用するがん治療法は、併用化学療法と呼ばれます。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。
化学療法の実施方法は、リスク群によって異なります。例えば、低リスクホジキンリンパ腫のお子さんでは、治療サイクル数、抗がん剤の種類、抗がん剤の用量がいずれも高リスクリンパ腫のお子さんよりも少なくなります。
詳しい情報については、ホジキンリンパ腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域に放射線を照射する方法です。
特定の方法で放射線療法を実施すると、周辺の健康な組織の損傷を防ぐことができます。そうした種類の外照射療法には以下のようなものがあります:
- 三次元原体照射療法:三次元原体照射療法は、外照射療法の一種で、コンピュータを用いて腫瘍の三次元(3D)画像を作成し、腫瘍の形状に合わせて放射線を照射します。
- 強度変調放射線療法(IMRT):強度変調放射線療法は、三次元(3D)照射療法の一種で、コンピュータを用いて腫瘍の大きさと形状を示す映像を作成します。照射幅の小さな放射線ビームが様々な角度から様々な強度で腫瘍に照射されます。
お子さんのリスク群および化学療法レジメンに基づいて、放射線療法が実施される場合があります。この場合、がんが認められたリンパ節またはその他の領域に対してのみ放射線が照射されます。
標的療法
標的療法とは、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法の一種です。標的療法は一般に、化学療法や放射線療法に比べ、正常な細胞に及ぼす有害性が小さい療法です。標的療法の種類には以下のようなものがあります:
-
プロテアソーム阻害薬療法:この治療法は、がん細胞内でプロテアソームの作用を阻害します。プロテアソームは細胞にとって不要となった蛋白を除去します。プロテアソームの働きが阻害されると、不要な蛋白が細胞内に蓄積し、それによりがん細胞を殺傷できる可能性があります。
ボルテゾミブは、小児の難治性または再発ホジキンリンパ腫の治療に用いられるプロテアソーム阻害薬です。
免疫療法
免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。以下のような免疫療法があります:
-
免疫チェックポイント阻害薬療法:T細胞などの免疫細胞や一部のがん細胞では、その表面にチェックポイント蛋白と呼ばれる免疫反応を抑止する蛋白が存在しています。これらの蛋白を大量に持つがん細胞は、T細胞による攻撃を受けず殺傷されません。免疫チェックポイント阻害薬はこれらの蛋白を阻害し、T細胞ががん細胞を殺傷する働きを促します。免疫チェックポイント阻害薬療法には以下の種類があります:
- CAR T細胞療法:この治療法では、患者さんのT細胞(免疫系細胞の一種)を改変して、がん細胞の表面に存在する特定の蛋白に対する攻撃性をもたせます。患者さんからT細胞を採取し、製造ラボでその表面に特殊な受容体を付加します。こうして改変した細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と呼ばれます。製造ラボでCAR T細胞を増やし、点滴で患者さんに投与します。投与されたCAR T細胞は患者さんの血液内で増加し、がん細胞を攻撃します。CAR T細胞療法は、小児の難治性または再発ホジキンリンパ腫の治療法として研究されています。
手術
小児における限局性の結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫では、腫瘍をできるだけ多く切除する手術を行うことがあります。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
小児ホジキンリンパ腫の治療は副作用や晩期合併症(晩期障害)を引き起こすことがあります。
がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。
がんの治療の副作用のうち、治療後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。こうした晩期合併症(晩期障害)は、健康や発育に悪影響を及ぼすことから、定期的なフォローアップが重要です。
がん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:
ホジキンリンパ腫の女性生存者では、乳がんのリスクが高くなります。このリスクは、治療中に乳房に照射された放射線の線量と使用された化学療法レジメンによって変わります。卵巣に放射線の照射を受けた場合は、乳がんのリスクは低下します。
乳房の放射線療法を受けた女性生存者は、治療から8年経過した時点または25歳になった時点のいずれか遅い方から、年1回の乳腺X線撮影とMRIを開始することが推奨されます。また女性生存者は、思春期初期から毎月乳房自己検査を行い、思春期から25歳になるまで年1回、医療専門家による乳房検査を受けることも推奨されます。医療専門家による乳房検査は、25歳から6ヵ月ごとに頻度を増やして実施されます。
胸部への放射線療法を受けた男性生存者は、心血管疾患のリスクが高くなることがあります。可能であれば、胸部への放射線照射を制限することが推奨されます。
晩期合併症(晩期障害)には、治療や制御することが可能なものもあります。治療によってお子さんに生じる可能性のある晩期合併症(晩期障害)について、担当の医師とよく相談することが重要です。詳しい情報については、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)をご覧ください。
患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。
患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。
今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。
患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。
患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。
ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。
臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
フォローアップ検査が必要となることもあります。
がんの診断や病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。
治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。
化学療法のみを受けた患者さんでは、治療終了から3週間以上経過した時点でPETスキャンを実施する場合があります。最後に放射線療法を受けた患者さんでは、治療終了から8~12週間経過するまで、PETスキャンを実施すべきではありません。
- 小児の低リスク古典的ホジキンリンパ腫の治療
-
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された小児の低リスク古典的ホジキンリンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 小児の中リスク古典的ホジキンリンパ腫の治療
-
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された小児の中リスク古典的ホジキンリンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 小児の高リスク古典的ホジキンリンパ腫の治療
-
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された小児の高リスク古典的ホジキンリンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 小児結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の治療
-
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された小児の結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 小児と青年の原発難治性/再発ホジキンリンパ腫の治療
-
以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
原発難治性または再発小児ホジキンリンパ腫の治療法には以下のようなものがあります:
- 化学療法と、場合によってステロイドまたは標的療法(リツキシマブまたはブレンツキシマブ、ボルテゾミブ)、もしくはこれらの併用療法。
- 免疫療法(ペムブロリズマブまたはニボルマブ)。
- 患者さん自身の幹細胞を用いた幹細胞移植を伴う大量化学療法。モノクローナル抗体療法(ブレンツキシマブ)が投与されることもあります。
- 患者さん自身の幹細胞を使用した幹細胞移植の後に、場合により放射線療法。または、がんが他の治療に反応せず、がんのある領域に対する放射線の照射が以前に行われていない場合に、放射線療法が行われることもあります。
- ドナーの幹細胞を用いた幹細胞移植を伴う大量化学療法。
- 患者さん自身の幹細胞を移植した後に再発した場合には、標的療法(ブレンツキシマブ)。
- CAR T細胞療法の臨床試験への参加。
- 免疫療法(ペムブロリズマブ)の臨床試験への参加。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 小児ホジキンリンパ腫についてさらに学ぶために
-
米国国立がん研究所が提供している小児ホジキンリンパ腫に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
小児がんに関する情報と一般的ながんに関するその他の資源については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
-
PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、小児ホジキンリンパ腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Hodgkin Lymphoma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/lymphoma/patient/child-hodgkin-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389224]
本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。
免責事項
PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。