ご利用について
このPDQがん情報要約では、がん患者さんに対する治療でのエイジアック/フローエッセンスの使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 概要
- エイジアックとフローエッセンスについての質問と回答
- 1.エイジアックおよびフローエッセンスとはどのようなものですか。
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エイジアックとフローエッセンスは、抗がん治療薬として用いられている配合されたハーブティーです。それらは糖尿病、AIDS、および消化器の病気など、他の健康状態を治療するためにも用いられています。
エイジアックは4種類のハーブを含んでいると報告されています:
フローエッセンスには、エイジアックと同じ4種類のハーブに加え、以下に挙げる4種類のハーブが含まれていると報告されています:
これらのブレンドは、ロットが異なると含まれる成分や量が異なる場合があり、常に同じ効果が得られるとは限りません。
エイジアックとフローエッセンスは、健康強壮剤やハーブの栄養補助食品として世界各国で販売されています。ある会社がフローエッセンスを販売し、いくつかの会社がエイジアックというブレンドを製造および販売しています。本要約では、商標となった(ブランド名がついた)ブレンドにのみ言及しています。
- 2.エイジアックとフローエッセンスが、がんに対する補完または代替治療法として発見され利用されてきた経緯はどのようなものですか。
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1920年代に、カナダのある看護師が最初にがんの治療薬としてエイジアックの普及を始めました。現在では、がんを治療または治癒させると主張しない限り、エイジアックとフローエッセンスをハーブサプリメントとして販売することが可能です。
- 3.エイジアックとフローエッセンスががん治療に有効であるという主張の背景にはどのような理論があるのですか。
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エイジアックとフローエッセンスの支持者は、それらに含まれるハーブが適正な量で配合されていれば、このブレンドは免疫系を強化し、抗炎症性作用(腫脹、発赤、疼痛を減少させる)を及ぼすほか、抗がん活性を示すと主張しています。エイジアックとフローエッセンスの処方に含まれる個々のハーブにはこれらの作用があることが示されていますが、これらのハーブの一部はがんの増殖を促すということも明らかになっています。一部のエイジアックの支持者は、従来療法(化学療法や放射線療法など)をエイジアックと同時に使用すると、エイジアックの有効性が損なわれるため、併用しないことを推奨しています。
適正な処方のエイジアックやフローエッセンスががんや他の病態の患者さんに対して有効であることや、従来療法がエイジアックの効果を損なうことを示す証拠は、査読済み科学雑誌に一切報告されていません。理論に関する詳しい情報については、PDQのエイジアック/フローエッセンスに関する医療専門家向けの要約をご覧ください。
- 4.エイジアックとフローエッセンスはどのように用いられますか。
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エイジアックとフローエッセンスはハーブティーとして経口的に(口から)摂取します。ハーブティーの製造会社によると、エイジアックの適切な用量は利用者がそれを摂取する理由によって異なります。製造会社はエイジアックを12週間連続して摂取することを推奨しています。フローエッセンスの製造会社は、成人の場合、個人の必要に応じてフローエッセンスティーを一日に30~360ミリリットル(1~12液量オンス)摂取するよう指定しており、継続的に摂取する場合もあります。
エイジアックとフローエッセンスの製造会社は、製品が他の療法にも使用可能であるとしています。しかし、一部のエイジアック支持者は、エイジアック以外の抗がん治療は免疫系機能を妨害し、エイジアックの有効な作用を妨げる可能性があるため、エイジアックを摂取する場合、患者さんは他の抗がん治療(化学療法や放射線療法など)を避けるよう推奨しています。
- 5.エイジアックまたはフローエッセンスを使用した前臨床研究(基礎研究や動物での研究)は実施されていますか。
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研究室での研究や動物を使った試験は、ある薬物、処置、治療法などがヒトにおいて役に立つ可能性があるかどうかを明らかにするために行われます。動物腫瘍モデルは、がんがどのように進行するかを調べ、新しい治療法を試験するために用いられます。こうした前臨床研究は、ヒトを対象とした試験が開始される前に実施されます。 次のようなエイジアックの基礎研究および動物での研究が報告されています:
フローエッセンスについての研究は次のように異なる結果を示しています:
いくつかの基礎研究や動物での研究は、エイジアックとフローエッセンスの製造に使用される種々のハーブに含まれる一部の化学物質の効果を報告しています。これらの試験報告によると、特定の化学物質は次のような効果を持つ可能性があります:
エイジアックやフローエッセンスの製品を使用することで、こうした効果を得るために十分な量の化学物質をヒトが摂取できるかどうかは明らかになっていません。
- 6.エイジアックやフローエッセンスの臨床試験(ヒトに対する調査研究)は実施されていますか。
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フローエッセンスの臨床試験(ヒトに対する調査研究)の結果は報告されていません。また、エイジアックの臨床試験の報告は査読済み科学雑誌に掲載されていません。ただし、エイジアックを摂取したがん患者さんに関しては、1件の不完全な臨床試験に関する簡単な記載と、複数の報告についてのレビューが1件発表されています。
- 7.エイジアックやフローエッセンスの副作用またはリスクは報告されていますか。
唯一報告されているエイジアックの副作用は、吐き気と嘔吐です。フローエッセンスの製造会社によると、副作用には排便回数の促進、頻尿、腺の腫れ、皮膚のしみ、インフルエンザ様症状、軽い頭痛などがあります。
- 8.FDAは、米国でエイジアックやフローエッセンスをがん治療薬として使用することを承認していますか。
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米国食品医薬品局(FDA)は、がんやその他の疾患の治療用としてエイジアックまたはフローエッセンスを承認していません。
企業は健康強壮剤やハーブサプリメントとしてエイジアックやフローエッセンスを販売していますが、FDAはこれらを薬物ではなく食品として規定しています。栄養補助食品は食事に追加されることを想定した製品です。これらは薬物ではなく、病気の治療や予防、または治癒を目的としたものではありません。製造者は、製品が安全であること、および正確かつ誤解を招かないラベル表示を記載することに責任を負います。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する販売前承認を行いません。
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、がん患者さんに対する治療でのエイジアック/フローエッセンスの使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Board.PDQ Essiac/Flor Essence.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/patient/essiac-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389455]
本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。
免責事項
PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。
- 補完代替医療(CAM)についての一般的な情報
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補完代替医療(CAM)は、統合的医療とも呼ばれ、ヒーリングに関する原理やアプローチ、治療法などを幅広く意味します。従来の治療に加えて実施する場合は補完療法と呼ばれ、また、従来の治療の代わりに実施する場合は、よく代替療法と呼ばれます(従来の治療とは医学界で広く受け入れられ、かつ主流となっている治療を意味します)。どのように用いられるかによって、補完療法とみなされる場合と、代替療法とみなされる場合があります。補完代替療法は、病気の予防やストレスの軽減、副作用や症状の予防と軽減、そして疾患の管理や治癒を目的として用いられます。
がんの従来の治療とは異なり、補完代替療法は保険が適用されないことが多くあります。患者さんは加入保険会社に、補完代替医療が保険の適用対象となっているかどうかを確認することをお奨めします。
補完代替療法を検討されているがん患者さんは、どんな治療法でも必ず、担当医や看護師、薬剤師と相談して意思決定を行ってください。補完代替療法の中には、標準治療を妨げるものや、従来の治療と併用した場合に有害となるものがあります。
- 補完代替医療(CAM)の治療法の評価
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CAM療法は、従来の治療に対する検証と同じように、科学的な方法で検証することが重要です。米国国立がん研究所および米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は医療施設において、がんに対するCAM療法の検証を行うための臨床試験(調査研究)を数多く主催しています。
一般的に、がんの治療における従来のアプローチは、多数の患者さんを対象とした臨床試験の実施など、科学的プロセスを経て、安全性や有効性が検討されています。それに比べ、補完代替医療の安全性や有効性についてはあまり知られていません。ほとんどのCAM療法は厳密な科学的方法で検証されていません。純粋に代替アプローチとみなされていた少数のCAM療法は、治癒を目指すものではなく、患者さんをより楽にし回復を早めるための補完医療として、がんの治療で用いられつつあります。1つの例が鍼療法です。1997年11月に開催された米国国立衛生研究所(NIH)の専門家委員会によると、鍼療法は化学療法に関連した吐き気や嘔吐、そして手術に関連した疼痛の管理を助けることがわかりました。一方で、レートリルの使用などのいくつかのアプローチは、検討の結果、効果がないか、または有害となりうることがわかりました。
1991年に始まったNCIのBest Case Series Programは、臨床で用いられているCAMアプローチの評価を行うプログラムの1つです。このプログラムはNCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)の監視下で進められています。がん代替医療を行う医療専門家は、患者さんのカルテや関連資料をOCCAMに提出します。OCCAMはこれらの資料を慎重に検討し、さらに調査を行う価値があるかどうかを判断します。
- 補完代替医療(CAM)について医療提供者に質問すべきこと
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補完代替療法を受けることを考えている場合、患者さんは主治医などの医療提供者に次の質問を行ってください。
- 補完代替医療(CAM)についてさらに知るには
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米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)
米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、補完代替医療の研究および評価を促進し、医療専門家や一般の方を対象に様々なアプローチについての情報を提供しています。
CAM on PubMed
NCCIHおよびNIH国立医学図書館(NLM)は共同でCAM on PubMedを開発し、CAMに関連するジャーナルの記載内容を無料かつ簡単に検索できる機能を提供しています。NLMの図書目録データベースのサブセットとして、CAM on PubMedには様々な科学ジャーナルのCAMに関連する論文から、230,000を超える文献や抄録が登録されています。このデータベースはさらに、1,800を超えるジャーナルにリンクしており、ユーザーが論文全文を参照できるようになっています(論文全文を参照するには、購読料などの費用が発生する場合があります)。
がん補完代替医療オフィス
NCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)は、補完代替医療(CAM)の分野におけるNCIの活動をコーディネートしています。OCCAMはCAMのがん研究をサポートし、がんに関連するCAMについての情報を、NCIのウェブサイトを通して医療提供者や一般の方に提供しています。
米国国立がん研究所(NCI)のがん情報サービス
米国にお住まいの方は、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)にフリーダイヤル+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)で電話をすることができます(月曜日から金曜日の午前9時から午後9時まで)。訓練を受けたがん情報スペシャリストが質問にお答えします。
食品医薬品局
食品医薬品局(FDA)は、薬物や医療機器を規制し、それらの安全性と有効性を確保しています。
連邦取引委員会
連邦取引委員会(FTC)は消費者保護法を施行しています。FTCから入手可能な出版物は以下の通りです: