ご利用について
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん関連心的外傷後ストレスおよび関連症状の診断基準および治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
CONTENTS
- 概要
-
長年の間、研究者たちは、がん生存者における回避性行動、侵入的想起、および覚醒亢進などのストレスまたは心的外傷関連症状を報告している。[ 1 ][ 2 ][ 3 ][ 4 ]これらの症状は、戦闘、個人的な暴行(例えば、レイプ)、自然災害をはじめとする生命への脅威など心的外傷イベントを経験している個人にみられる症状に似ている。がん生存者が経験するこれらの症状は、精神障害の診断と統計マニュアル、第5版(DSM-5)における「心的外傷およびストレス因関連障害群」カテゴリーに該当する。このカテゴリーには、急性ストレス障害、適応障害、および心的外傷後ストレス障害(PTSD)が含まれる。[ 5 ]
心的外傷後ストレス(PTS)が黒色腫、ホジキンリンパ腫、乳がん、および複数種類のがんの混合など、さまざまながんで研究されていることが、複数のレビューで注目されている。[ 6 ]現在までの研究のほとんどはDSM-5の出版前に実施されているため、DSM、第4版(DSM-IV)の基準を用いている。本要約では、DSM-IVの基準を用いて実施された研究を主に参照している。
完全なPTSDの症候群(すなわち、DSMの診断基準をすべて満たす)について患者を評価したのか、またはPTSD関連症状の一部のみ(例えば、Impact of Event Scaleを用いて測定する侵入的想起)について評価したのかについては、研究によって異なる。したがって、発生率もさまざまである。PTSDの完全な症候群(DSMの診断基準をすべて満たす)の発生率は、早期疾患を最近診断された患者における3~4%から治療後に評価された患者における35%までの範囲に及ぶ。PTSD様症状(診断基準のすべては満たしていない)の発生率が測定される場合、その割合はより高く、早期がん患者における20%から再発がん患者における80%の範囲に及ぶ。
どの患者がPTSおよびPTSDの発生リスクが高いかを示唆する因子は広範囲に研究されていない;しかしながら、早期乳がん女性の1件の研究[ 7 ]により、以下の特徴を有する患者ではPTSD様症状と関連することが明らかにされた:
骨髄移植で治療された男女の別の研究[ 8 ]により、不十分な社会的支援および回避的対処の使用はより多くのPTSD様症状と明らかに相関することが分かった。PTSDおよびASDについて乳がん患者を評価したドイツの1件の研究[ 9 ]により、生涯PTSDを認める患者(8.7%)はがん関連ASDまたはPTSDを経験する可能性がはるかに高い(オッズ比、14.1)と結論付けられた。
がんの状況におけるPTS症状のために開発された特異的療法はないが、他のPTSD患者に用いられる治療法は、がん患者とがん生存者の苦痛を軽減するのに有用である可能性がある。
特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。
参考文献- Kornblith AB, Anderson J, Cella DF, et al.: Quality of life assessment of Hodgkin's disease survivors: a model for cooperative clinical trials. Oncology (Huntingt) 4 (5): 93-101; discussion 104, 1990.[PUBMED Abstract]
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- Gurevich M, Devins GM, Rodin GM: Stress response syndromes and cancer: conceptual and assessment issues. Psychosomatics 43 (4): 259-81, 2002 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]
- Cordova MJ, Andrykowski MA, Kenady DE, et al.: Frequency and correlates of posttraumatic-stress-disorder-like symptoms after treatment for breast cancer. J Consult Clin Psychol 63 (6): 981-6, 1995.[PUBMED Abstract]
- Jacobsen PB, Sadler IJ, Booth-Jones M, et al.: Predictors of posttraumatic stress disorder symptomatology following bone marrow transplantation for cancer. J Consult Clin Psychol 70 (1): 235-40, 2002.[PUBMED Abstract]
- Mehnert A, Koch U: Prevalence of acute and post-traumatic stress disorder and comorbid mental disorders in breast cancer patients during primary cancer care: a prospective study. Psychooncology 16 (3): 181-8, 2007.[PUBMED Abstract]
- 有病率
-
文献のレビュー[ 1 ]は、心的外傷後ストレス(PTS)が黒色腫、ホジキンリンパ腫、乳がん、および複数種類のがんの混合など、さまざまながんで研究されていることに注目している。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の完全な症候群(精神障害の診断と統計マニュアル[DSM]の診断基準をすべて満たす)の発生率は、早期疾患を最近診断された患者における3~4%から治療後に評価された患者における35%までの範囲に及ぶ。PTSD様症状(診断基準のすべては満たしていない)の発生率が測定される場合、その割合はより高く、早期がん患者における20%から再発がん患者における80%の範囲に及ぶ。
がん生存者におけるPTSの最も初期の研究(DSM、第4版[DSM-IV]より前の研究)では、治療を受けていたか、受けているがん患者、成人および小児がん生存者、および/または患者の家族も対象に、この障害の有病率および特性に焦点が当てられた。白血病[ 2 ]、乳がん、および頭頸部がん[ 3 ]を含むさまざまながん種が研究された。初期の研究の多くはホジキン病の生存者を扱ったが、これはおそらく診断年齢の低さおよび生存のより高い割合によって、研究のために利用できる集団がより大きかったためである。[ 4 ]これらの生存者は、治療後何年も経過しているにもかかわらず、侵入的想起および回避行動の有病率が特に高いことが明らかにされた。[ 5 ][ 6 ][ 7 ]これらの研究のほとんどでは、すべての診断基準を満たしている完全な精神障害よりむしろPTSD様症状が調査された。
DSM-IV診断基準を使用したがん患者の最初の研究では、全員が診断後3年以上経過しており既にがん治療を受けていない27人の患者(ほとんどは乳がん)が調査された。この研究では、現在のPTSDの有病率は4%、生涯の有病率は22%であると明らかにされた。[ 8 ]生涯有病率の基準を満たした人は、一般的な精神的苦痛のレベルが高いことが認められ、したがってPTSDの病歴がある個人では持続性情動困難を経験する重大なリスクがあることが示唆された。
DSM適用の構造化臨床面接(SCID)を用いた研究[ 9 ]により、成人がん患者におけるPTSDの有病率は3~10%であることが明らかになった。これらの研究のほとんどは、治療後数ヵ月から数年経過して評価された早期乳がん女性を調査している。同様に、がん総合施設で治療を受けているすべての病期の乳がん患者115人を対象とした1件のプロスペクティブ研究では、4%がPTSDの診断基準をすべて満たし;41%がPTSDの亜症候診断基準を満たした(強い不安、無力感、または恐怖をがん診断後に経験)。この亜症候診断基準はPTSDのあまりよい指標ではないが(12%)、同時に、大うつ病、包括的な不安障害、および既往の大うつ病に関する有益な判断基準であり、苦痛の増加に対するマーカーとしてはさらに役立つであろう。[ 10 ]
骨髄移植を受けた患者の少数の研究では、わずかに高い有病率が報告されており、その範囲は5%[ 11 ]から、12~19%[ 12 ]、さらには35%[ 13 ]までに及ぶ。有病率の範囲は、評価の時期(移植からの経過時間が長いとより高い割合となる)および使用される評価方法により影響を受けるようである。より低い割合を報告した研究では一般的に自己申告式の質問票[ 14 ]が使用されたのに対して、より高い割合を報告した研究[ 13 ]は、SCIDを用いて診断から複数の時期で症状を評価していた(すなわち、生涯有病率)。DSM、第5版(DSM-5)への変更には、DSM-IVで基準Aに追加されていた「強い不安、恐怖、または無力感」の主観的反応の削除が含まれた。[ 15 ]
こうしたツールの差を示すものとして、ドイツの研究では、乳がん患者(n = 127)が手術直後および最初の評価から6ヵ月後のPTSDについて評価された。[ 16 ]評価には、Impact of Event Scale-Revised(IES-R:イベントの影響を測定するスケール-改訂版)およびPTSD Checklist-Civilian(PCL-C:PTSDチェックリスト-一般人バージョン)などの急性ストレス障害(ASD)およびPTSDに対するスクリーニングツールが含められた。最初の評価では、SCIDを用いた半構造化面接も含められた。SCIDによれば、参加者の2.4%が軽度から中等度のがん関連PTSDの基準を満たし、2.4%がASDと診断された。しかしながら、IES-RおよびPCL-Cスクリーニングツールでは、最初の評価時に参加者の18.5%にPTSDが確認され、2回目の評価では参加者の11.2~16.3%にPTSDが確認された。この研究の著者らは、SCIDと異なり、IES-RおよびPCL-Cスクリーニングツールは、広汎性の情動的苦痛および適応障害を測定し、正確なPTSD症状を測定していないと提唱した。
PCL-Cなど症状に基づく測定と実際のSCIDに基づく診断との主な差の1つは、症状によって引き起こされる機能障害である。症状はよくみられるが、そうした症状によって障害を抱えるのは症状のある人の非常に少数のみである。
参考文献- Gurevich M, Devins GM, Rodin GM: Stress response syndromes and cancer: conceptual and assessment issues. Psychosomatics 43 (4): 259-81, 2002 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]
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- 危険因子、予防因子、および仮説的機序
-
さまざまな社会人口統計学的変数、疾患関連変数、心理社会的変数、および心理学的変数ががん関連心的外傷後ストレス(PTS)との関係を明らかにするために調査されている。現在のところ、どのような人ががんの診断または治療後にPTSを発現するリスクが高いかに関する明確なイメージは明らかになっていない。
社会人口統計学的変数
PTSの発症を予測する患者背景はほとんどないことが示されている。成人生存者では、高レベルの精神的苦痛が、ストレス症状[ 1 ][ 2 ][ 3 ]とも完全な症候群の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断とも相関している。[ 1 ]さらに、小児がん生存者の両親では、特性不安により心的外傷後症状を予測できることが分かった。[ 4 ]がん生存者であり生涯PTSDの診断を受けた女性には、心的外傷の曝露歴がある傾向がある。[ 1 ][ 5 ]診断時の年齢、性別および教育レベルなど人口統計学的特徴はストレス症状の予測因子として信頼できるものではない。[ 1 ][ 6 ][ 7 ]
疾患関連変数
骨髄移植を受けた患者におけるPTSDのより高い発生率と関連している疾患関連変数には、より進行した疾患およびより長期の入院期間がある。[ 8 ]しかしながら、他の研究では診断および治療からの期間、疾患の重症度、または受けたがん治療の種類間の関連は示されていない。[ 1 ][ 9 ][ 10 ]病期と心的外傷後症状間の関係は十分に研究されていない。ほとんどの研究は関連を明らかにしていない;しかしながら、研究は一般的に限られた範囲の病期を対象にするか、初期がんを研究している。[ 11 ]
診断および治療からの時間は、骨肉腫生存者[ 2 ]およびホジキンリンパ腫生存者[ 7 ][ 12 ]の心的外傷後症状と相関し、心的外傷後症状を予測することが示されている。特に、診断および治療から長期間経過している個人では、症状は少ない傾向にあった。しかしながら、新たに再発した患者[ 13 ]、乳がん生存者[ 1 ]、または小児がん生存者[ 14 ]の研究ではこの効果は認められなかった。小児がん生存者では、治療後の経過時間ではなく治療期間によりストレス症状が予測されることが示されている。[ 14 ](詳しい情報については、小児の支持療法に関するPDQ要約を参照のこと。)
疼痛や他の身体症状の存在は、侵入的想起のレベルと相関することが示されている。[ 2 ]また、がんの再発により患者のストレス症状の可能性が増大することも示されている。[ 13 ]
心理社会的変数および心理学的変数
初期乳がん[ 17 ]と転移性乳がん[ 18 ]の両方で明らかにされているように、過去の心的外傷イベントの経験は、PTS症状と関連する重要な心理社会的危険因子であるようだ。[ 5 ][ 15 ][ 16 ]過去の心的外傷は最近のストレスのかかる生命に関するイベントと組み合わさって、明らかにPTS症状と関係した。[ 19 ]
病前精神病理[ 20 ][ 21 ]、高レベルの一般的な精神的苦痛[ 22 ]、さらに機能障害性対処および帰属化[ 15 ][ 23 ][ 24 ]などその他の心理社会的危険因子が、戦争復員兵、ホロコースト生存者、および他の災害被害者におけるPTSDのリスクと結び付けられている。さらに、罹患しやすい遺伝因子[ 25 ]および他の生物学的因子(例えば、反応過剰のホルモン系および海馬容積の低下)[ 26 ][ 27 ][ 28 ]とPTSDのリスクとを結び付ける研究者もいる。社会的因子の中では、社会的支援の点から評価されることの多い社会復帰の環境の質が、戦闘[ 20 ]および熱傷[ 29 ]に曝露した後のPTSDのリスクを左右することが示されている。生命および身体保全への脅威の影響が成人および家族の例で実証されている[ 1 ][ 4 ][ 12 ]が、小児では示されていない。[ 14 ]
PTSDのより高い発生率と関係している心理学的変数には、PTSDの病歴(がん以前の診断)[ 5 ][ 30 ]、回避的対処の使用増加、および低い水準の社会的支援がある。[ 31 ]
予防因子
早期乳がん患者[ 17 ][ 19 ]および骨髄移植患者[ 31 ]において、社会的支援が受けられることを知るほどストレス反応症状が減少する。
健康に関係した正確な情報を適時得られることもまた、ストレス反応症状の予防を提供しうる。急性ストレス障害の診断基準を満たした女性は、自身のがん診断の連絡に関して明らかな不満を報告した[ 32 ];同様に、自身のがんの病期を知らない女性は、自身の疾患の病期をよく知っている女性よりも高いストレス反応症状を報告した。[ 33 ]もう1つの予防因子は、情報の妥当性が患者と医療スタッフの関係の質に反映している程度に、そうした関係の質である可能性がある。がん女性において患者と医療スタッフの関係に問題があることは、ストレス反応症状の予測因子であることが報告されている。[ 34 ]
仮説的機序
PTSDは、強い苦痛を与えるイベントにより促進される;しかしながら、この因子だけではこの障害を説明するのに不十分である。心的外傷ストレス要因への曝露により、誰でもすべての症候群(または症状のサブセット)を発現するわけではなく、またはこの診断に適格になるとは限らない。この個人差を説明し誰が脆弱か予測することが試みられており、心理学的因子(すなわち、学習理論)、生物学的因子(特にホルモンの)、および社会的因子(すなわち社会的支援)に焦点が当てられている。ベトナム戦争の復員兵に関する初期の研究では、心的外傷関連病理を説明するため2因子学習理論が提案された。[ 35 ][ 36 ]同じ理論ががん患者におけるPTSDの発症にも適用されている。[ 37 ][ 38 ][ 39 ]
PTSD症状は古典的条件付けと道具的学習の両者の機能として発現する。古典的条件付けはもとの心的外傷イベントに関連するさまざまな刺激が引き起こす恐怖反応を説明する。以前に嫌悪刺激(例えば、化学療法または痛みを伴う処置)と対になった中性刺激(例えば、におい、音、視像)は、心的外傷イベントが既に終了していても、この刺激があるだけで不安、覚醒および恐怖を引き起こすようになる。より高次の条件付けおよび刺激般化は、さらなる刺激に対する症状の悪化および進展を説明する。PTSD症状は、一度発症すると道具的学習により持続するが、それはすなわち、刺激の回避により不快な感覚および想起を防ぐことができるため回避応答が強化されるのである。
疫学的研究による推定では、がんを含む心的外傷イベントを経験している人の平均25~33%がPTSDまたは亜症候性PTSDを発現することが示唆されている。[ 26 ][ 40 ]この障害は学習過程に起因すると考えられるが、なぜある人はPTSDを来し、他の人は来さないかを説明する多くの因子が示唆されている。
参考文献- Alter CL, Pelcovitz D, Axelrod A, et al.: Identification of PTSD in cancer survivors. Psychosomatics 37 (2): 137-43, 1996 Mar-Apr.[PUBMED Abstract]
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- がんの状況における心的外傷後ストレスおよび心的外傷後ストレス障害の評価
-
心的外傷後ストレス障害(PTSD)および急性ストレス障害(ASD)の診断基準
PTSDおよびASDに対する基準は、アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual for Mental Disorders)の最新版である第5版(DSM-5)において大幅に変更された。DSM、第4版(DSM-IV)からDSM-5への診断基準の変更は以下の通りである:[ 1 ]
基準A(PTSDおよびASD診断に必要な基準)では、以下のように明確に述べている:「生命を脅かしうる疾患または消耗的な医学的状態は必ずしも心的外傷イベントとは考えられない。心的外傷イベントとみなされる医療事件には、突然の大惨事が関与する。」したがって、がんの経験が基準Aを満たすためには、がんおよび/またはがん治療の状況において、急性かつ極度の有害事象を伴う必要がある。がんの診断、がん治療の副作用、および予後に関する苦痛、心配、または否定的な考えなどのイベントが、自動的に心的外傷となるわけではない。さらに、がん患者は、特異的な外傷関連症状(症状の多くが再体験される症状および侵入的記憶に焦点が当てられるか、関係している)を経験する場合にのみASDまたはPTSDと診断可能である。再発の恐怖および予後に関する不安は、PTSDまたはASDの症状とはみなされない。
PTSDの診断に対する4つの核となる症状群は以下の通りである:
これらの症状が1ヵ月以上続き、社会的、職業的、またはその他の重要な活動の場で、臨床的に著明な苦痛または障害の原因となっている必要がある。
がんの状況における心的外傷後ストレス(PTS)およびPTSD
がん患者を適時にかつ慎重に評価することは、がん関連PTSの症状を同定し、機能に及ぼす症状の有害な影響に注目し、最も苦痛の大きい症状を対象とする介入を計画するために不可欠である。評価によって、DSMをすべて満たすPTSD症候群(必要な診断基準をすべて満たす)と、PTS関連症状のみとを区別することもまた非常に重要である。
がんの状況におけるPTS評価の最も困難な側面は、患者を評価する時点を正確に決定することである。がんは急性のイベントでも単一のイベントでもなく、反復する心的外傷であることに加え期間が確定しないことを特徴とする経験であるため、診断は厄介である。このように、患者は診断、治療、治療完了、ことによると再発に至るいずれの時点でもPTSの症状を示す可能性がある。[ 2 ]ホロコースト生存者など被害歴からPTSDまたはその症状がみられる患者は、治療の間に遭遇するわずかな数の刺激(例、MRIまたはCTスキャン機器の中に入るなどの臨床的処置)により症状が引き起こされることがある。このような患者はがんおよびがん治療への適応が困難であるが、この総体的症状は状況により大きく変動すると考えられる。この特異的PTS症状の比較的多数ががん経験の期間を通して、またそれ以降も増減する。[ 3 ]
DSMの定義では、PTSD症状は通常心的外傷を受けてから3ヵ月以内に始まるものとしているが、数ヵ月または数年遅延して症状が現れる可能性も示している。[ 1 ]これらの知見はがん生存者とその家族を長期にわたって監視する必要性を支持している。
少なくとも1つの研究では、心的外傷イベントを経験している個人は、PTSDの診断基準を完全には満たしていない初期症状が現れることを明らかにした。[ 4 ]にもかかわらず、これらの初期症状の出現は、後の全PTSD症状群の発現を予測することが明らかにされた。これらの結果は、がんの心的外傷へ曝露した個人の反復的かつ長期追跡が必要であることのさらなる裏付けとなっている。(詳しい情報については、がんへの適応:不安と苦痛に関するPDQ要約を参照のこと。)
PTSの適切な診断をさらに難しくするのは、他の精神障害の症状とPTS症状との重複に加え、正常な適応を行う経時的な側面である。例えば、易怒性、集中力の低下、過覚醒、過剰な不安および睡眠障害は全般性不安障害の症状でもある。このほか覚醒および回避の症状はPTSD、恐怖症およびパニック障害に共通しており、興味喪失、未来が短縮した感覚、他人の回避および睡眠障害はPTSDとうつ病性障害のいずれも示唆するであろう。生命を脅かす疾患の診断と治療に対する正常な反応にも、以下のような反応がある:
したがって、臨床医も研究者も、いくつかの診断からPTSDを考慮する場合は特にPTSD様症状の原因、期間、および重症度に合わせなければならない。例えば、乳がん女性の1件の研究では、41%が「強い不安、無力感、または恐怖」を経験したと報告した;しかしながら、さらに包括的な診断的面接でPTSDの完全な基準を満たしたのはわずか4%であった。評価は一般的な心理的苦痛とPTSDの症状を識別できる必要がある。[ 5 ]
また、PTSDの正確な診断には、信頼できる妥当な手段の使用が必要である。多くの研究では、DSM-III-R-非患者版適用の構造化臨床面接(SCID-NP)のPTSDモジュールが使用されている。[ 6 ]これは時間集約的で、十分な訓練を受けた精神保健専門家がいない状況では実行できない可能性がある医師運営の構造化臨床面接である。しかしながら、1件の研究[ 7 ]では、費用対効果の高いスクリーニングツール、PTSDチェックリスト-一般人バージョン(PCL-C)の利用が調査された。[ 8 ]乳がんと診断されがん治療後6~72ヵ月経過して評価された女性82人のこの研究において、PCL-Cを使用した結果、感度は0.60、特異度は0.99であった。PCL-Cに対して使用できるその他のカットオフ値が、特異的がん治療状況で利用可能な臨床資源に基づいて検討された。ほとんどの研究では、侵入的想起を自己報告するImpact of Event Scale(イベントの影響を測定するスケール)が使用されている[ 9 ];しかしながら、このツールはPTS症状の評価には役立つが、PTSDの評価方法としてデザインされていない点に注意することが重要である。
共存症
PTSD診断を試みる場合、この障害の多くは精神病理の併存が特徴であることに気づくことが重要である。PTSD患者のサンプルでは、薬物乱用、気分障害および他の不安障害が一貫して認められる。[ 3 ][ 10 ][ 11 ][ 12 ]PTSDの戦争復員兵は、大うつ病(32~72%)、アルコール依存症(65%)、薬物依存症(40%)、対人恐怖症(50%)および強迫性障害(10%)など相当の精神病理の併存を示したことが報告されている。[ 13 ]また、その他の心的外傷被害者に障害の併発が高い確率でみられたことが示されている。例えば、PTSDの災害生存者の40~42%は大うつ病の診断に適格であり、20~42%は併発性全般性不安障害の基準を満たした。[ 13 ][ 14 ]がん患者またはがん生存者では未だ研究されていないが、ベトナム戦争復員兵や他の心的外傷被害者における精神障害の併発の存在は、がん専門医ががん患者のPTSD関連症候群を同定し治療するために気を配るべきであることを示すものである。
PTSとがんの概念的適合
がん患者とがん生存者にPTS診断を適用するには概念的および現実的問題が生じる可能性がある。究極の心的外傷ストレス要因の基本概念は、実際の死や死の恐怖、あるいは重篤な損傷を含む直接的個人的経験をはじめ、1つのイベントとして多様に記述されている。[ 15 ]このイベントは長期的かつ連続的ともなりうるが、単一の期限付きのイベント(例えば、レイプ、自然災害)であることの方が多い。その意味では、がんの診断を経験している人にとっての心的外傷の正確な本質は不明である。心的外傷は、がん経験のうちの、実際の診断か、治療過程の側面か、再発に関して与えられた情報か、否定的な検査結果か、または別の側面であろうか?がん体験を構成する多くの危機の中から、あるストレス要因を同定するのは、他の心的外傷の場合よりはるかに困難である。自家骨髄移植を受けた乳がん患者の1件の研究では、より多くのPTSD様症状が初回診断時に報告された。[ 16 ]
概念的適合に関するもう1つの懸念は、心的外傷の再体験と関係している。早期乳がん女性の研究では、研究者によって、がん経験における心的外傷を負わせる側面は、がんの診断を受けることおよびリンパ節郭清の検査結果を待つことであると明らかにされた。[ 17 ]著者らは、これらの「情報心的外傷」は未来に向けられており、未来に関する侵入的不安-過去のイベントの侵入的想起ではなく-を引き起こす傾向があると主張して、がんがPTSD外傷の概念モデルに適合するかどうかを問題にした。心的外傷の再体験は、しばしば心的外傷イベントに関する望まれない侵入的想起によって測定される。転帰が不確実な現在および進行中の健康への脅威に対する認知過程は、単一の過去のイベントに関する望まれない侵入的想起とは明らかに異なる可能性がある。一部の研究者は、すべての侵入的想起が否定的であるか心的外傷の再体験を示すわけではなく、むしろ適切な助けを求めるに至る潜在的な症状に対する適切な覚醒および注意である可能性があると主張している。[ 5 ][ 18 ]
逆に、乳がんの最もストレスのかかる経験を描いた個人向けの心象文書に対する乳がん患者の生理的反応を評価した他に例をみない研究により、生理的反応の上昇はその他の(がんと関連していない)心的外傷を経験したPTSD患者における反応の上昇と同等であったことが明らかにされた。この知見は、がん患者において同程度の覚醒亢進症状を示しているため、がん患者とPTSD外傷モデルの良好な適合を示唆している。また、3群の広範なPTSD症状(再体験、心的外傷を想起させるものの回避、および過覚醒)の存在を確認するためにデザインされた要因分析的研究では、研究者は乳がん生存者のサンプルにおいてDSM-IV症状群が一時的に支持されることを明らかにした。[ 19 ]
乳がん診断後18ヵ月経過時にSCIDを介して面談された乳がんの女性生存者74人を対象にした研究において、次の3つのグループが同定された:PTSDの診断基準をすべて満たすグループ(n = 12)、PTSDの診断基準をすべてではないものの部分的に満たす別のグループ(すなわち、PTSDの亜症候診断、n = 5)、およびPTSDを認めないグループ(n = 47)。さらなる解析でグループの差異が調査された。PTSDの亜症候診断グループおよびPTSDを認めないグループと比較したPTSDの診断基準をすべて満たすグループに影響する注目すべき因子は、以下の通りである:[ 20 ]
PTSDの概念モデルは生命を脅かす大きな心的外傷に対する不安反応として、がん患者の生命の経験にどのように適合するかという重要な問題を検討するには、さらに研究を継続する必要がある。レビューは、がん経験の概念化に対する心的外傷モデルの継続使用に関して賛成論[ 21 ]と反対論[ 18 ]の両方を唱えている。他のレビューは代替の概念モデルを提案している。[ 5 ][ 22 ]
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- 治療
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心的外傷後ストレス障害(PTSD)の慢性で、ときに破壊的な精神的および対人的後遺症はこの症候群の患者に、適時かつ効果的な治療を必要とする。[ 1 ][ 2 ]PTSDと関連した回避的反応により、しばしば患者は医師に助けを求めることを遅らせるか、助けを求めることを避ける。がんの状況におけるPTSDのために開発された特異的療法はないが、他のPTSD患者に用いられる治療法は、がん患者とがん生存者の苦痛を軽減するのに役立つ可能性がある。[ 3 ][ 4 ]
臨床医のほとんどは、集学的アプローチを用いて、各患者の必要性に応じる要素を選択し、うつ状態または薬物乱用などの併存精神障害を考慮することを推奨している。がん患者が適応しやすくするための危機介入アプローチでは複数の治療法が検討されることが多い。
この危機介入モデルには心的外傷後ストレス症状の治療に役立つ可能性がある幅広い種類の療法がある。このモデルの目標は、症状を軽減し患者を通常レベルの機能まで回復させることである。このモデルでは、治療者はしばしば患者に対して積極的かつ指示的態度をとり、現実の問題を解決し、個別の対処技術を教え、安全かつ支持的環境を整えることに主眼を置いている。[ 5 ][証拠レベル:II]
認知-行動療法は特に危機介入時に有用であることが分かっている。これらの方法には、以下のものがある:[ 6 ]
単一の症例研究において、骨髄移植後3年経過してPTSDが認められる男性がん患者に対する10セッションの認知-行動的介入が有効であることが明らかにされた。この研究では、認知対処戦略、弛緩方法、再発予防、一般化技術の併用が用いられた;6ヵ月の追跡で、便益が維持されることが明らかにされた。[ 7 ][証拠レベル:III]また、性生活の行動に重点を置く療法も、患者の回避が性生活の頻度の低下および性的状況の回避に発現した場合は有用であろう。
また、サポートグループは心的外傷後症状を経験している人に有益と思われる。グループ状況下では、このような患者は感情的支持を得ることができ、類似の経験および症状のある患者に出会うことにより自分の経験および症状を確認でき、さまざまな対処法および管理法を学ぶことができる。
特に苦痛または重度の症状がある患者には、精神薬理学はさらなる治療手段を提供する。いくつかの種類の薬物が、PTSD患者の治療に用いられている。[ 8 ][ 9 ](PTSDに対する薬理学的治療については、以下の表を参照のこと。)例えば:
がん以外の患者におけるPTSDの薬理学的治療に対する証拠基盤a、b 薬物 用量(mg/日) 標的症状 証拠基盤 RCT = ランダム化比較試験、SSRI = 選択的セロトニン再取り込み阻害薬。 a出典:Berger et al.[ 10 ]およびAsnis et al.[ 11 ] bすべての研究ががん以外の患者のみで実施された。PTSDの薬理学的治療に関して、がん患者を対象に実施された研究は報告されていない。 cPTSD症候群は以下の通りである:症候B、再体験;症候C、回避/麻痺;症候D、過覚醒。 dPTSDに対して検討される初回治療。 ePTSDを治療するためFDAの承認を受けている。 f主にSSRIの増強またはセロトニンの作用を強化する非SSRIとして使用される。 SSRId セルトラリンe 50–200 すべての症候群 数件のRCT パロキセチンe 20–50 すべての症候群 数件のRCT フルオキセチン 20–60 すべての症候群 数件のRCT フルボキサミン 50–300 すべての症候群 オープンラベル シタロプラム 20–60 すべての症候群 オープンラベル エスシタロプラム 10–20 すべての症候群 オープンラベル セロトニンの作用を強化する非SSRI ベンラファキシン 37.5–225 すべての症候群 オープンラベル デュロキセチン 30–120 すべての症候群 オープンラベル トラゾドン 50–300 不眠、おそらく他の症候群 オープンラベル ミルタザピン 15–45 不眠、おそらく他の症候群 オープンラベル 他の抗うつ薬 イミプラミン 50–225 おそらくすべての症候群 1件のRCT 増強療法としてのみ使用される他の薬物f 非定型抗精神病薬 リスペリドン 1–6 症候BおよびD、おそらく症候C 数件のRCT オランザピン 5–20 おそらくすべての症候群 1件のRCT クエチアピン 25–300 おそらくすべての症候群 オープンラベル 抗痙攣薬 ラモトリジン 50–400 症候BおよびC 1件のRCT アドレナリン阻害薬 プラゾシン 2–6 すべての症候群(主な標的症状:悪夢) 数件のRCT 参考文献- Davidson JR, Foa EB: Diagnostic issues in posttraumatic stress disorder: considerations for the DSM-IV. J Abnorm Psychol 100 (3): 346-55, 1991.[PUBMED Abstract]
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- 最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
- 本要約の変更点(10/30/2019)
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PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。
概要
本セクションは広範囲にわたって改訂された。
有病率
適宜、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)に更新された。
本文に以下の記述が追加された;DSM-5への変更には、DSM-IVで基準Aに追加されていた「強い不安、恐怖、または無力感」の主観的反応の削除が含まれた(引用、参考文献15としてAmerican Psychiatric Association)。
がんの状況における心的外傷後ストレスおよび心的外傷後ストレス障害の評価
適宜、DSMに更新された。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)および急性ストレス障害(ASD)の診断基準のサブセクションは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断基準から改名され、広範囲にわたって改訂された。
参考文献1としてAmerican Psychiatric Associationが更新された。
本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。
- 本PDQ要約について
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本要約の目的
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん関連心的外傷後ストレスおよび関連症状の診断基準および治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
査読者および更新情報
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:
要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。
本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。
証拠レベル
本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。The PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。
本要約の使用許可
PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。
本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:
PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Cancer-Related Post-traumatic Stress.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/coping/survivorship/new-normal/ptsd-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389172]
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