ご利用について
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、そう痒症の病態生理および治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
CONTENTS
- 概要
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そう痒症は、通常ひっかきたくなる不快な感覚であり、強度、重症度、および対処困難性によって主観的に定量化される。かゆみと痛みは同種のものと言われることがあるが、それは両方の感覚が皮膚から侵害受容性小口径神経C線維を介して中枢神経系(CNS)に伝達されると考えられているためである。[ 1 ]そう痒の知覚は、疼痛の知覚に非常に似ており、心理学的因子および中枢神経系因子によって大きく異なるため、同じそう痒原から知覚されるそう痒でも主観的な個人差が大きい原因となっている。そう痒症は、主観的な性質のものであるために正確な定義に欠けており、最近になって適したマウスモデルが展開されただけで、これまで十分には研究されていなかった。
この考察の目的に鑑み、原発性皮膚症がない状態でのそう痒症に焦点を置いており、これはがん治療を受ける患者で直面することが多い。しかしながら、それでも患者がひっかくことが(指の爪、孫の手、または間に合わせの道具のいずれかにより)できる範囲で、慢性単純性苔癬、結節性痒疹、線状擦過傷、線状点状出血、または表在性びらんの形で重大な二次的皮膚変化がみられることがある。
全身性の基礎疾患に罹患した患者の約10~25%で症状の1つとしてそう痒症が現れると推定されている。[ 3 ]単一施設のレトロスペクティブ・レビューでは、そう痒症の治療を受けようとする患者は、結果としてがんと診断される可能性が、そう痒症のない患者よりも高かった(オッズ比[OR]、5.76;95%信頼区間、5.53-6.00)。 悪性腫瘍のORはアフリカ系米国人患者よりも白人患者の方が高かった。[ 4 ]全身性そう痒症の原因となる可能性のある非皮膚性疾患には以下のものがある:[ 3 ]
そう痒症を呈する疾患の種類が多岐にわたるにもかかわらず、十分な病歴聴取、全身評価、および適切な血液検査を用いた系統的な鑑別評価により、妥当で限定された病因の一群が特定される。それにより、基礎にある原因の是正(可能であれば)および現在利用可能な治療薬によるそう痒症の治療を行うことができる。
特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。
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- 病因論/病態生理学
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原発性皮膚炎がみられる場合は、病歴および身体所見により鑑別を狭めていくことができ、その中にはアトピー性皮膚炎、乾癬、疥癬、アレルギー性接触皮膚炎、または原発性皮膚リンパ腫などの徴候がある。このようなシナリオで、病歴および身体診察のみでは病因が簡単に明らかにならない場合、皮膚炎部位の生検がきわめて有用なことがある。対照的に、原発性皮膚炎がほとんどまたは全く特定できない場合に対しては、表1に鑑別診断のリストを示す。各疾患で利用可能であれば、そう痒症の発生率を示している。
表1.原発性皮膚炎がほとんどまたは全くみられないそう痒症の鑑別 病状 そう痒症発生率(%) HMG-CoA = 3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル–コエンザイムA;IgE = 免疫グロブリンE。 腫瘍性 – ホジキン病 30 [ 1 ] – 非ホジキンリンパ腫 15 [ 2 ] – 白血病 5 [ 3 ] – カルチノイド症候群 – パラプロテイン血症 鉄欠乏性貧血 真性赤血球増加症 ≤50 [ 4 ] 高IgE症候群 寄生性蠕虫感染 薬物性好酸球増加症 慢性腎機能不全 57 [ 5 ] 肝疾患 – 原発性胆汁性肝硬変 69 [ 6 ] – ウイルス性肝炎感染 15 [ 7 ] – 胆汁うっ滞性疾患 – 自己免疫性肝炎 甲状腺機能障害 – 橋本甲状腺炎 – 甲状腺機能低下症 – 甲状腺機能亢進症 薬物性 – オピオイド(コデイン、モルヒネ、ブトルファノール) – ヒドロキシエチルデンプン – 抗マラリヤ薬(クロロキン、ヒドロキシクロロキン、キナクリン) – 8-メトキシプソラレン – ベータ遮断薬 – ホルモン(エストロゲン、テストステロン、プロゲスチン、蛋白同化ステロイド薬) – フェノチアジン – アスピリン – HMG-CoA還元酵素阻害薬 糖尿病 HIV感染 帯状疱疹後神経痛 ≤60 [ 8 ] 妊娠 18 [ 3 ] 乾燥症 心因性(身体化、不安、うつ病、神経症) 脳卒中後遺症 多発性硬化症 この鑑別から明らかなように、可能性が高い順にソートするには確固とした病歴および身体診察が不可欠である。臨床的印象を裏付けるためには、臨床検査および画像検査を限られた回数だけ行って、多くの可能性の中から選択または除外することも可能である。(詳しい情報については、本要約の評価のセクションを参照のこと。)
疼痛およびそう痒の分子的機序および神経生理学的機序には共通点が多いため、そう痒症で想定されている機序は疼痛の研究から推論されている。[ 9 ]そう痒感覚および疼痛感覚は両者とも、表皮真皮境界部での自由神経終末ネットワークの活性化に起因している。この活性化は内部または外部の温熱的、機械的、化学的、または電気的刺激によって生じる。皮膚神経刺激は、以下を含むいくつかの物質によって活性化または媒介される:
非解剖学的因子(心理的ストレス、耐容性、ならびにその他の感覚および/または注意散逸の存在および強度など)によって、身体のさまざまな部位のそう痒感度が決定されると考えられている。
そう痒のインパルスは、疼痛のインパルスと同じ神経経路を通って伝達される。すなわち末梢神経から脊髄の後角へと伝達し、前交連で脊髄と交差し、脊髄視床路を上行し、対側性視床の層状核へと伝達する経路である。さらに、三次ニューロンの視床皮質路が、視床の上行性網様体賦活系による統合を経て、このインパルスを大脳皮質のいくつかの感覚領野に中継すると考えられている。そう痒感覚を増強させる要因には、表皮および真皮の乾燥、組織の酸素欠乏、毛細血管の開大、いらいらする刺激、心理学的反応などがある。[ 9 ][ 11 ][ 12 ][ 13 ]
そう痒を知覚すると、ひっかきという運動性反応が起きる。ひっかきは皮質視床中枢で調節されている脊髄反射である。そう痒は、ひっかきにより15~25分間緩和されることがある。そう痒がひっかきにより緩和されている間の機序は不明である。ひっかきが知覚インパルスを発生させ、これが脊髄の中継領域の回路を中断させるのではないかという仮説がある。ひっかきは実際にそう痒の感覚を増強させ、特有なかゆみと掻破のサイクルを発生させる。振動、熱、低温、および紫外線などの他の物理的刺激はそう痒を緩和するが、蛋白分解酵素の放出を増大させ、かゆみと掻破のサイクルを誘発する可能性がある。
そう痒点のある皮膚分節の付近へのピン刺入刺激は、そう痒感覚を消失させる。[ 12 ]強いひっかきにより疼痛がそう痒に入れ替わることが知られており、患者にとっては、そう痒よりも疼痛の方が耐容できる感覚であることもある。そう痒の緩和には、求心的な刺激(ゲート理論)の脊髄性調節および中枢の機序が役割を演じていると考えられる。[ 12 ]
基礎疾患と結びついているそう痒の発生機序の仮説には、さまざまなものがある。胆道、肝、腎、および悪性の疾患は、血中毒性物質によってそう痒症を発症させると考えられている。リンパ腫および白血病によるそう痒症は、末梢好塩基球から放出されるヒスタミンおよび白血球から放出されるロイコペプチダーゼによって誘発されることがある。ホジキンリンパ腫におけるキニノゲンの血中濃度の上昇、固形腫瘍におけるヒスタミンまたはブラジキニンの遊離、カルチノイドにおけるセロトニンの放出は、いずれもそう痒症と関係することがある。[ 11 ][ 14 ]
悪性腫瘍の治療で、細胞毒性化学療法、放射線療法、および/または生物学的反応修飾薬の投与を受ける患者は、そう痒症を経験する可能性が高い。この同じ集団は、栄養関連による乾燥症(皮膚乾燥)から、放射線性落屑、化学療法誘発性および生物学的製剤誘発性の副作用、抗生物質反応、ならびにその他の薬物感受性に至るまで、そう痒症に関連する他の病因の多くにさらされる可能性がきわめて高い。これらの治療の多くが細胞回転の低下につながるため、皮膚は、菲薄化、萎縮、および脱水状態になる可能性がある。長期の乾燥症を来すこともあり、一連の細胞毒性療法後に、汗腺、皮脂腺、およびアポクリン腺の機能回復の遅れを伴う。
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- 評価
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そう痒症は一種の症状であり、診断名でも疾患名でもない。全身性そう痒症は、上述したように医学的重要性が高いため(詳細情報については、本要約の病因論/病態生理学のセクションを参照)、特に日常動作または睡眠が妨げられ、かつ/または対処困難であれば、検査すべきである。そう痒症の評価には、正確で徹底的な病歴聴取および身体診察を取り入れなければならない。[ 1 ]
病歴で聴取するデータには以下を含める:
身体診察では以下の評価から得たデータを提供する:
第一選択の検査として以下を含めるべきである:
系統的レビューおよび身体診察により導かれる第二選択の臨床検査として以下を含めてもよい:
参考文献- Weisshaar E, Fleischer AB Jr, Bernhard JD, et al.: Pruritus and dysesthesia. In: Bolognia JL, Jorizzo JL, Schaffer JV: Dermatology. 3rd ed. [Philadelphia, Pa]: Elsevier Saunders, 2012, pp 111-25.[PUBMED Abstract]
- 介入
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注:このセクションの本文中にある引用番号の後ろに、証拠レベルを付記しているものがある。治療戦略の報告結果に関する証拠の強さを読者が判断しやすくするために、PDQ編集委員会は、公式順位分類を採用している。(詳しい情報については、証拠レベルに関するPDQ要約を参照のこと。)
そう痒症の基礎にある原因が特定されている場合、可能であれば、原発疾患の治療または基礎にある異常の是正が初回治療となる。例えば、鉄欠乏性貧血の設定では鉄補給、また甲状腺機能低下症に対しては甲状腺ホルモン補充を最初に実施すべきである。しかしながら、症状が完全に軽減されるわけではないと想定される場合でも、以下に概説した穏やかな皮膚手技が適応となり、症状に対しては、有用な補助療法を検討すべきである。
そう痒症への介入は、次の4つのグループに分類できる:
- 誘発因子の予防および除去。
- 局所療法。
- 全身療法。
- 理学療法。
誘発因子の予防および除去
患者および介護者は、できる範囲でケアの計画および提供に参加しなければならない。教育は症状管理の重要な側面である。スキンケアのレジメンは、環境からの保護、適切な洗浄の実施、および体内外からの保湿を組み合わせたものである。[ 1 ][証拠レベル:IV]プログラムの厳格さおよび使用する技術は、原因およびそう痒症による不快ストレスの程度によってさまざまなものになる。
健康的な皮膚を維持するためには、適切な栄養が必須である。至適食事には、蛋白質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルおよび水分のバランスが必要である。1日の水分摂取量を3,000mL以上とすることがガイドラインとして提案されているが、これを満たせない人もいる。[ 2 ][ 3 ]
回避する必要のある増悪因子を以下に示す:
促進すべき緩和要素を以下に示す:
温熱は皮膚血管の血流を増加させ、そう痒を増悪させる。温熱により湿度も低下し、相対湿度が40%を下回ると皮膚の水分が失われる。冷涼で湿度の高い環境では、逆の現象が生じる。過度な入浴では皮膚乾燥が増悪し、高温の入浴では血管が拡張するため、体液喪失が亢進する。血管拡張により血流が増加するため、そう痒が増強する。ぬるま湯の入浴は抗そう痒効果があり、これは毛細血管収縮によるものと考えられる。
皮膚の清浄の目的は、汚れを除去し、体臭を予防することであるが、実際の衛生習慣は皮膚のタイプ、生活習慣および文化の影響を受けている。入浴は1日30分以内にするか、隔日に制限すべきである。
石鹸の多くはアルカリ基を含む脂肪酸塩であるため、皮膚脂質の過度の脱脂および皮膚pHの変化につながり、それによって皮膚が刺激を受ける。高齢者または乾燥肌の人は、石鹸の使用をアポクリン腺のある部位に制限すべきである。その他の皮膚表面の洗浄には淡水で十分なはずである。低刺激性の石鹸は石鹸成分または洗浄剤の含有量が少なくなっている。石鹸は脱脂剤であり、これも皮膚を刺激する可能性がある。脂肪分の多い石鹸は皮膚表面に油膜を付着させるが、このために他の石鹸よりも乾燥しにくいという証拠はなく、他の石鹸よりも高価になる場合がある。
入浴後の洗剤の残留物、または衣服およびリネン類の洗濯で使用された洗剤の残留物は、衣類の柔軟剤および静電気防止剤と同じく、そう痒症を増悪させうる。衣服の洗剤の残留物は、すすぎの水に酢を加えることで中和できる(水1クォート[0.9463リットル]に対してティースプーン1杯)。ベビー用品として市販されているマイルド洗濯石鹸が改善策となる場合もある。
軽量でゆったりした綿の衣服および綿のベッドシーツの使用が推奨される。厚みのあるベッドカバーを外せば、体熱が下がるため、そう痒が軽減する可能性がある。ウールおよび一部の合成繊維は、そう痒を引き起こすことがある。気晴らし、音楽療法、リラックスおよびイメージ療法が、症状の緩和に役立ちうる。[ 4 ]
局所療法
OTC製品
コーンスターチ、タルカムパウダー、香料入りパウダー、風呂用気泡剤を含む一部の外用薬は、皮膚を刺激してそう痒症を引き起こす可能性がある。コーンスターチは、放射線療法に関係する乾燥性落屑に伴うそう痒症に対して受け入れ可能な介入とされている;しかしながら、湿潤皮膚表面、毛髪のある部位、皮脂腺、皮膚のひだ(間擦疹部位)、または膣および直腸のような粘膜面に近い部位に塗布すべきではない。[ 5 ][ 6 ]これは、コーンスターチに水分が加わるとグルコースが形成され、真菌の生育に最適な培地が生じるためである。[ 6 ]
金属イオンを含む薬物(すなわち、制汗剤にはタルカムおよびアルミニウムが使用されている)は、遠隔照射療法を受けている期間の皮膚反応を増強させるため、放射線療法の期間中は避けるべきである。特に間擦疹部位に対して必要で、他に手段がなければ、タルカムをベースとした薬剤の方がコーンスターチをベースとした薬剤より望ましい。この他に市販のローションおよびクリームに含まれる一般的な成分で、皮膚反応を増強させうるものに、アルコール、局所抗生物質、および局所麻酔薬がある。
そう痒症が主に乾燥皮膚によると思われる場合は、皮膚の水分保持を改善させるような介入が可能である。皮膚の主な水分供給の源は組織内の脈管系である。脂質ではなく水により表皮の柔軟性が調節されていることから、エモリエントを使用する根拠が得られる。[ 7 ]エモリエントは、皮膚表面に密封および半密封の膜を形成することにより蒸発を抑えて、膜下の表皮層における湿気の生成を促進する(このため、モイスチャライザーと呼ばれる)。[ 8 ][証拠レベル:IV]
皮膚反応を増強する可能性のある成分が多くあることから、スキンケア製品の成分に関する知識が不可欠である。エモリエントの主な成分は、以下の3つである:
以上の製品に添加されるその他の増粘剤、乳白剤、保存料、香料、および着色料などの成分がアレルギー性皮膚反応を引き起こすことがある。
製品の選択および推奨は、個々の患者に特有なニーズを考慮に入れて行わなければならず、使用者の皮膚、期待される効果、製剤の稠度および質感、費用および患者の認容性などの個人差を取り入れるべきである。[ 1 ][証拠レベル:IV]エモリエントクリームまたは柔軟ローションは、最低1日2、3回および入浴後に使用する必要がある。局所麻酔薬(0.5%~5%リドカイン)を含むゲルは、一部の狭い領域で使用可能であり(ゲルが主にアルコールをベースとした溶媒からなるという警告を伴う)、必要であれば2時間おきの頻度で使用できる。[ 10 ][証拠レベル:IV]
メントール、カンフル、プラモキシン、またはカプサイシンを含むOTC製品は、そう痒が最もひどい特定部位に使用可能である。これらの成分は、患部を沈静化させたり、冷やしたり、またはそう痒感を抑えたりするため、そう痒の知覚閾値が上昇する。カプサイシンをベースとした治療は、神経障害由来のそう痒症に有用な可能性が非常に高い。[ 11 ]
ひっかきにより重大な皮膚損傷が生じた場合、または膿痂疹化の所見がみられる場合は、アトピー性皮膚炎の患者に対して実施されるように、漂白剤を薄めた入浴の使用が有用な可能性がある。入浴の最初に、無処理無臭の次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)の半カップを浴槽半分の水に加えて入浴する。スポンジで体を拭く必要がある場合、この希釈倍率は1ガロン(約4リットル)の水あたり約5mLの漂白剤に等しい。
処方製品
局所用ステロイドはそう痒を軽減するが、皮膚の血流を阻害し、皮膚を菲薄化させるために損傷を受けやすくなる。[ 12 ][証拠レベル:IV]そのため、局所用ステロイドは原発性皮膚炎または炎症性病因に関係するそう痒を伴う皮膚に限定して使用すべきである。医師によっては、希釈ステロイド含有の保湿剤を自ら調合しており、Vanicream基材(フルオシノニド0.05% 60g、メントール480mg、およびVanicream QSAD 240g)にメントール0.5%およびフルオシノニド0.0125%を混合することにより、この目的を果たす場合もある。局所用ステロイドの治療では、放射線照射野内の皮膚表面に塗布してはならないが、治療コースが完了した後に放射線療法誘発性の皮膚炎に対して使用され成功を収めている例がある。
より重度の乾燥症または角皮症では、保湿剤が適応となる場合がある。保湿剤は、水に対して密封または半密封のバリアを形成するだけでなく、過剰な角化層を化学的に剥離させると同時に、真皮の水分を表皮区画に引き入れる。選択にはサリチル酸6%クリーム、乳酸アンモニウム12%クリーム、または尿素10~50%入りのクリームもしくは軟膏がある。[ 13 ][証拠レベル:IV]保湿剤は皮膚の柔軟性を著しく改善し、ひび割れを抑えることができるが、開放性びらんでは刺すような感覚を引き起こすことがあるため、ひび割れの中に入らないように注意しなければならない。
全身療法
そう痒症の管理に有益な全身薬物療法には、基礎疾患または症状の管理を目的としたものなどがある。抗生物質は感染による症状を軽減することが可能である。経口抗ヒスタミン薬では、ヒスタミン関連のそう痒症における症状の緩和が得られる場合がある;しかしながら、神経障害に由来するそう痒症には有用でないと考えられる。抗ヒスタミン薬の鎮静作用がかゆみ止め効果に加わると考えられる;そのため、就寝時に高用量の抗ヒスタミン薬を使用すると、この鎮静作用も得られることによってかゆみ止め効果の望ましい相乗効果が得られる可能性がある。ある抗ヒスタミン薬が無効であっても、他の薬効クラスからの薬剤により緩和が得られる場合がある(表2を参照のこと)。
第二世代の抗ヒスタミン薬には第一世代の抗ヒスタミン薬を上回る利点がいくつかある。[ 14 ]非ヒスタミン受容体に対する活性低下により有害事象が減少する。第二世代の抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体からの解離が緩徐であるため、1日1回の投与で済む。第一世代の抗ヒスタミン薬と比較すると、第二世代の抗ヒスタミン薬は中枢神経系へ移行することが少ないため、鎮静作用が少ない。これらの利点を考慮して、一部の慢性蕁麻疹様疾患患者に対して、米国食品医薬品局により承認されたものより高い用量のレボセチリジンおよびdesloratadineの使用が提案されている。[ 15 ]しかしながら、セチリジンでは相反する研究結果が得られている。[ 16 ][ 17 ]
表2.そう痒の軽減に使用される抗ヒスタミン薬a 薬物カテゴリー 薬剤 用量 コメント 参考文献 SR = 徐放。 aLexicomp Onlineから抜粋した表。[ 18 ] 第一世代 ジフェンヒドラミン 25~100mg 6時間ごと [ 19 ][証拠レベル:IV] ヒドロキシジン 25~50mg 6~8時間ごと 突然の中止は錯乱を引き起こすことがある。 [ 20 ];[ 21 ][証拠レベル:I] シプロヘプタジン 4mg 6~8時間ごと [ 20 ][証拠レベル:IV] クロルフェニラミン 4mg 4~6時間ごと [ 22 ][証拠レベル:IV] 第二世代 セチリジン 5~10mg 1日1回 20~40mg/日で検討した場合は相反する結果。 [ 16 ][証拠レベル:I]; [ 17 ][証拠レベル:II] レボセチリジン 2.5~5mg 1日1回 最大20mg 1日1回までの増量は安全;より良好な症状コントロールが得られる可能性がある。 [ 15 ][ 23 ][証拠レベル:I] ロラタジン 10 mg 1日1回 [ 24 ][証拠レベル:I] desloratadine 5 mg 1日1回 最大20mg 1日1回までの増量は安全;より良好な症状コントロールが得られる可能性がある。 [ 23 ] フェキソフェナジン 60mg 12時間ごと、または180mg 1日1回(SR剤) [ 25 ][証拠レベル:I] そう痒の軽減にいくつかの代替薬が使用できる(表3を参照のこと)。抗うつ薬は強い抗ヒスタミン作用および抗そう痒作用を示す可能性がある。[ 22 ][証拠レベル:IV]ドキセピン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、およびトリミプラミンなどの三環系抗うつ薬には、付加的な抗ヒスタミン作用があり、蕁麻疹のような皮膚疾患では付加的な利益となる。しかしながら、選択的セロトニン再取り込み阻害薬および選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬は副作用プロファイルが概してより有利なため、心因性そう痒症の管理において第一選択薬になっている。[ 26 ][証拠レベル:II]
アスピリンは、一部の真性多血症患者でそう痒を軽減すると考えられるが、そう痒が増す場合もある。血小板減少性のがん患者ではアスピリンの使用に対して注意が必要である。シメチジンは、ホジキンリンパ腫および真性多血症によるそう痒症に対して、単独投与またはアスピリンとの併用により一定の効果が得られている。[ 27 ][証拠レベル:III]
治療抵抗性の症例で、特にヘルペス後神経痛などの神経性そう痒症に対して検討できる新規薬剤としては、ガバペンチン、プレガバリン、およびボツリヌス毒素注射がある。[ 28 ][ 29 ]アプレピタントはそう痒症の治療で使用され効果を上げているが、これはサブスタンスPにより活性化されるニューロキニン-1受容体(NKR-1)の阻止によるものである。[ 30 ][証拠レベル:III]
表3.そう痒の軽減に使用される代替薬a 薬物カテゴリー 薬剤 用量 コメント 参考文献 ESRD = 末期腎臓病;GABA = γアミノブチル酸;IV = 静脈内;tid = 1日3回。 aLexicomp Onlineから抜粋した表。[ 18 ] 三環系抗うつ薬 アミトリプチリン 25~150mg 1日1回 10mg 1日3回、または就寝時25mgで開始。 [ 29 ][証拠レベル:IV] ドキセピン 10~25mg 8時間ごと [ 31 ][証拠レベル:IV] 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 フルボキサミン 50~100mg 1日1回 [ 32 ][証拠レベル:II] ミルタザピン 就寝時7.5~15mg 15mgを超えても価値はない。 [ 29 ][証拠レベル:IV] パロキセチン 20 mg 1日1回 [ 33 ][証拠レベル:I] セルトラリン 75~100mg 1日1回 [ 34 ][証拠レベル:I] GABAアナログ ガバペンチン 100~300mg 1日1回、効果が表れるまで漸増 腎機能障害では用量を調節しなければならない。 [ 35 ][証拠レベル:I] プレガバリン 75 mg 1日1回 腎機能障害では用量を調節しなければならない。 [ 36 ][証拠レベル:I] 金属イオン封鎖薬 Ursodiol (ウルソデオキシコール酸) 1日あたり10~15mg/kg体重 胆汁うっ滞によるそう痒症に対して。 [ 37 ][証拠レベル:IV] コレスチラミン 4~16g 1日1回 胆汁うっ滞によるそう痒症に対して。 [ 37 ][証拠レベル:IV] オピオイド拮抗薬 ナロキソン 0.2µg/kg体重/分でIV投与 胆汁うっ滞性そう痒症で有効;ESRDでのそう痒症では相反する結果。ミュー受容体に拮抗することにより疼痛を引き起こすことがある。 [ 38 ][証拠レベル:I];[ 39 ] ナルトレキソン 25~100mg 1日1回 胆汁うっ滞性そう痒症、アトピー性湿疹で有効;ESRDでのそう痒では相反する結果。ミュー受容体に拮抗することにより疼痛を引き起こすことがある。 [ 39 ];[ 40 ][ 41 ][証拠レベル:I] ブトルファノール 1~4mg 4~6時間ごと鼻腔内投与 [ 42 ][証拠レベル:II] nalbuphine 2.5~5mg IV投与 オピオイド誘発性そう痒症に対して。 [ 43 ][証拠レベル:IV] その他の薬物 アプレピタント 80mg 1日1回 [ 30 ][証拠レベル:III] アスピリン 500mg 8~24時間ごと 真性多血症に対してのみ使用。有効および無効のデータ。 [ 31 ][証拠レベル:I] ボツリヌス毒素 16~25単位をデルマトーム内に注射 [ 29 ][証拠レベル:IV] カプサイシン0.025% 1日5回塗布を1週間、その後1日3回 神経性そう痒症に対して。 [ 44 ][証拠レベル:I] シメチジン 200mg 6時間ごと 真性多血症に対してのみ使用。 [ 31 ][証拠レベル:IV] シクロスポリン 1日あたり3~4.5mg/kg体重 腎毒性について綿密なモニタリングが必要。 [ 45 ][証拠レベル:I] ピメクロリムス 1%クリーム 1日2回塗布 [ 46 ][証拠レベル:I] 金属イオン封鎖薬は、腸内の起痒物質と結合してこれを除去し、胆汁酸塩濃度を低下させるため、腎疾患または肝疾患によるそう痒症を緩和するのに有効である。選択には、ウルソデオキシコール酸およびコレスチラミンがある;しかしながら、コレスチラミンは必ずしも有効とは限らず、胃に副作用を及ぼす。[ 47 ]そう痒症とオピオイド受容体アゴニズムとの関係により、尿毒症でリファンピシンを用いる内因性オピオイド異化亢進が有益な可能性がある。[ 48 ]ナロキソン、ナルトレキソン、nalmefene、ブトルファノール、およびnalbuphineなどのオピオイド拮抗薬も特に尿毒症性そう痒症の患者に対してある程度有益な可能性がある。[ 26 ][ 40 ][証拠レベル:III]
理学療法
そう痒症を緩和するため、ひっかくことの代用をつくることは、患者のかゆみと掻破のサイクルを中断させるのに有用である。ひっかく代わりにエモリエントを塗布することが皮膚損傷の低減に有用な場合がある。そう痒部位に冷却した洗面タオルまたは氷を適用するのは有効である。そう痒部位およびそう痒部位と対側の部位への強圧、および針圧点は神経経路を遮断する。摩擦、圧迫、および振動によってそう痒が緩和される場合もある。[ 49 ][証拠レベル:IV];[ 4 ]
そう痒症の管理に、経皮的電気神経刺激(TENS)および鍼治療を使用した症例報告がある。[ 50 ]紫外線療法は尿毒症によるそう痒症の治療に使用されているが、効果は限定されている。[ 50 ]
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- 本要約の変更点(02/25/2020)
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PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。
概要
本文にそう痒症がみられる患者におけるそう痒とがんの関係についての単一施設のレトロスペクティブ・レビューに関する記述が追加された(引用、参考文献4としてLarson et al.)。
本文が、 全身性そう痒症の原因となる可能性のある非皮膚性疾患の例として、肝臓、胆嚢、胆道、皮膚のがんを含むように改訂された。
本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。
- 本PDQ要約について
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本要約の目的
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、そう痒症の病態生理および治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
査読者および更新情報
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:
要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。
本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。
証拠レベル
本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Board は、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。
本要約の使用許可
PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約として特定することはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: [本要約からの抜粋を含める].”のような一文を記述してもよい。
本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:
PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Pruritus.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/skin-nail-changes/pruritus-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389231]
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