ご利用について
このPDQがん情報要約では、小児甲状腺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 小児甲状腺がんについての一般的な情報
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甲状腺がんは甲状腺の組織に悪性(がん)細胞が発生する疾患です。
甲状腺は咽頭最下部の気管付近にある腺です。蝶のような形状であり、右葉と左葉があります。峡部という薄い組織によって、2つの葉が接続されています。通常は皮膚の上から感触を得ることはできません。
甲状腺はヨウ素(一部の食品やヨウ素添加塩に含まれるミネラル)を使用して、数種類のホルモンを作っています。甲状腺ホルモンには次のような働きがあります:
甲状腺結節は、腺腫の場合とがん腫の場合があります。
次の2種類の甲状腺結節があります:
甲状腺乳頭がんと甲状腺濾胞がんは、ときに分化型甲状腺がんと呼ばれます。甲状腺髄様がんと甲状腺未分化がんは、ときに低分化または未分化甲状腺がんと呼ばれます。甲状腺未分化がんは小児では非常にまれであるため、この要約では取り上げません。
甲状腺結節は定期健診で発見されることがあり、多くの場合はがんではありません。
定期健診の際にお子さんの甲状腺にしこり(結節)が見つかることや、画像検査や別の病態に対する手術の際に結節がみつかることがあります。甲状腺結節は異常に増殖した甲状腺の細胞です。これらの結節は固形の場合や内部が液体で満たされている場合があります。
甲状腺結節が見つかると、甲状腺と頸部リンパ節の超音波検査が行われます。がんの徴候を調べるために、穿刺吸引生検が行われることがあります。また血液検査が行われ、血液中の甲状腺ホルモンの濃度と抗甲状腺抗体が調べられます。この検査では他の種類の甲状腺疾患がないか確認します。
甲状腺結節は通常、症状がみられないか治療の必要がありません。時折、甲状腺結節が肥大し、ものを飲み込んだり呼吸したりしにくくなって、さらなる検査と治療が必要になることがあります。5分の1の甲状腺結節ががんになります。
放射線に曝されたり特定の遺伝性症候群を患っていたりすると、甲状腺がんのリスクが高くなることがあります。
病気になるリスクを増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば、必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければ、がんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。
小児甲状腺がんのリスク因子には以下のものがあります:
甲状腺髄様がんは、親から子に受け継がれる遺伝子内の変化によって引き起こされることがあります。
細胞内の遺伝子は、親から子へ受け継がれる遺伝情報を保持しています。RET遺伝子の特定の変化は親から子へと受け継がれ(遺伝し)、甲状腺髄様がんの原因になることがあります。
変化が生じた遺伝子を調べるために、遺伝子検査が行われます。最初に患者さんが遺伝子の変化について調べる検査を受けます。患者さんの遺伝子に変化が認められたら、ご家族の方々にも、甲状腺髄様がんのリスクが高いかどうかを確認する検査が行われることがあります。遺伝子にそうした変化が認められた家族の方は、幼い小児であっても、甲状腺摘除術(甲状腺を切除する手術)を受ける場合があります。これにより、甲状腺髄様がんが発生する確率を下げることができます。
甲状腺がんの徴候には、頸部の腫れやしこりなどがあります。
甲状腺腫瘍では徴候や症状がみられないことがあります。これらに加え、別の徴候や症状が甲状腺乳頭がんや甲状腺濾胞がんにより引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。
お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:
- 頸部のしこり。
- 呼吸障害。
- 嚥下障害(物を飲み込む動作の問題)。
- しわがれ声などの声の変化。
これらに加え、別の徴候や症状が甲状腺髄様がんにより引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。
お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:
甲状腺がんの診断と病期分類には、甲状腺、頸部、血液を調べる検査法が用いられます。
がんの診断、病期分類を行うために検査が実施されます。がんの診断後は、がん細胞が周辺領域で拡がっているかどうか、または他の部位に転移しているかどうかを調べる検査が行われます。このプロセスは病期分類と呼ばれます。手術で腫瘍を切除する前にがん細胞の拡がりを明らかにするための検査は、術前病期分類と呼ばれます。がんが拡がっているかどうかを明らかにすることは、最適な治療を計画するうえで重要です。
以下のような検査法や手技が用いられます:
- 身体診察と病歴聴取:頸部、喉頭、リンパ節などのしこり(結節)や腫れ、あるいは他の通常はみられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。
- 甲状腺機能検査:血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)が異常な値になっていないかを調べる検査法。TSHは脳の下垂体から分泌されます。このホルモンには、甲状腺ホルモンの分泌を誘導するとともに、甲状腺濾胞細胞の増殖速度を調節する作用があります。カルシトニン(甲状腺によって作られ、血液中のカルシウムの量を減らすホルモン)というホルモンの血中濃度を調べる場合もあります。
- サイログロブリン検査:血液中のサイログロブリン(甲状腺で作られる蛋白)の量を調べる検査法。甲状腺が正常に機能していれば、サイログロブリンの値は低いかゼロになりますが、甲状腺がんなどの病態では高い値になることがあります。
- RET遺伝子検査:血液または組織のサンプルを調べ、RET遺伝子に変化があるかどうかを確認する臨床検査。この検査は甲状腺髄様がんの可能性がある小児に行われます。
- 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を頸部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する方法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。この検査法では、甲状腺結節の大きさと、腫瘍が固形腫瘍か内部が液体で満たされた嚢胞かを知ることができます。超音波は穿刺吸引生検の際に誘導法としても用いられます。手術の前に、頸部の全体的な超音波検査が行われます。
- 甲状腺シンチグラフィ:少量の放射性物質を飲み込んでもらうか注射します。この放射性物質は甲状腺細胞に取り込まれます。コンピュータに接続した特殊なカメラを用いて、放出されている放射線を検出し、甲状腺の外観と機能、甲状腺外へのがんの拡がりの有無を示す画像を撮影します。小児の血中のTSH値が低い場合は、手術に先立って、甲状腺の画像を撮影するスキャンが行われることがあります。
- CTスキャン(CATスキャン):頸部、胸部、腹部、脳など、体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- ガドリニウムを使用するMRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、頸部や胸部などの精細な連続画像を作成する検査法。まずガドリニウムと呼ばれる物質を静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。
- 穿刺吸引生検:細い針を用いて甲状腺の組織を採取する検査。この検査では、皮膚から甲状腺の内部に針を挿入します。その甲状腺の数ヵ所から組織のサンプルを採取します。切除された組織サンプルは病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。甲状腺がんの種類についての診断は難しくなる場合もあるため、甲状腺がんの診断に熟練した病理医にその生検材料を診てもらうのもよいでしょう。がんの有無が定かでない場合は、外科生検が行われることがあります。
- 外科生検:手術中に甲状腺結節や甲状腺の片側の葉を切除し、切除した組織を病理医が顕微鏡で観察し、がんの徴候の有無を調べる検査。甲状腺がんの種類についての診断は難しくなる場合もあるため、甲状腺がんの診断に熟練した病理医にその生検材料を診てもらうのもよいでしょう。
特定の因子が予後(回復の見込み)に影響を及ぼします。
予後を左右する因子には以下のものがあります:
- 診断時の小児の年齢。
- 甲状腺がんの種類。
- がんの大きさ。
- 診断時にリンパ節やその他の部位に腫瘍が拡がっているかどうか。
- がんが手術で完全に切除されたかどうか。
- 小児の健康状態。
- 小児甲状腺がんの病期
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手術でがんが切除された後、がん細胞が体内に残存しているかどうかを調べる検査を行います。
手術後に検査を実施して、がん細胞が体内に残存しているかどうかを調べ、さらなる治療が必要かどうかを判断します。このプロセスは術後病期分類と呼ばれます。
手術の約12週後に以下のような検査や手技が行われます:
- 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を頸部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する方法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この画像は後で見られるように印刷することもできます。この検査法では、甲状腺結節の大きさと、腫瘍が固形腫瘍か内部が液体で満たされた嚢胞かを知ることができます。超音波は穿刺吸引生検の際に誘導法としても用いられます。手術の前に、頸部の全体的な超音波検査が行われます。
- サイログロブリン検査:血液中のサイログロブリンの量を測定する検査。サイログロブリンは、甲状腺で作られる蛋白です。甲状腺が正常に機能していれば、サイログロブリンの値は低いかゼロになりますが、甲状腺がんなどの病態では高い値になることがあります。
- 全身甲状腺シンチグラフィ:少量の放射性物質を飲み込んでもらうか注射します。この放射性物質は甲状腺の組織や手術後に残存しているがん細胞に集まります。放射性ヨウ素が使用されるのは、甲状腺細胞だけがヨウ素を取り込む性質を持つためです。甲状腺の組織やがん細胞から放たれる放射線を特殊なカメラで検知します。放射性ヨウ素スキャンまたはRAIスキャンとも呼ばれます。
体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。
- 治療選択肢の概要
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甲状腺がんの患者さんには様々な治療法が存在します。
その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。
小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
甲状腺がんの小児の治療では、小児がんの治療に精通した医師で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。
この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児がんの治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児医療専門家と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:
- 小児科医。
- 小児外科医。
- 放射線腫瘍医。
- 病理医。
- 小児専門看護師。
- ソーシャルワーカー。
- リハビリテーション専門家。
- 心理士。
- チャイルドライフスペシャリスト。
標準治療として以下の4種類が用いられています:
放射性ヨウ素療法
甲状腺濾胞がんと甲状腺乳頭がんの治療にはときに放射性ヨウ素(RAI)療法が用いられることがあります。RAI療法は、手術を受けた小児に対し、術後も残存している甲状腺がん細胞を全て殺傷するために実施されるほか、手術で切除できない腫瘍が生じている小児にも行われます。経口で投与されたRAIは、残存している甲状腺組織や他の部位に転移している甲状腺がん細胞に集まります。ヨウ素を取り込む性質があるのは甲状腺組織だけであるため、RAIは他の組織に害を及ぼすことなく、甲状腺組織と甲状腺がん細胞を破壊します。RAIの全用量を投与する前に、少量を投与して、患者さんの腫瘍がヨウ素を取り込むかどうかを調べます。
標的療法
標的療法とは、薬物その他の物質を用いて特定のがん細胞を認識し攻撃する治療法の一種です。標的療法では一般に、化学療法や放射線療法に比べて、正常な細胞に及ぼす害が少なくなります。
チロシンキナーゼ阻害薬療法(TKI)は、腫瘍の増殖に必要となる指令を妨害する標的療法です。ラロトレクチニブとエヌトレクチニブは進行性または再発甲状腺乳頭がんと甲状腺濾胞がんの小児に対する治療に用いられるTKIです。バンデタニブは進行甲状腺髄様がんの小児に対する治療に用いられるTKIです。セルペルカチニブは進行性または転移性甲状腺がんの小児に対する治療に用いられるTKIです。
標的療法は、再発した(再び現れた)小児甲状腺がんの治療法として研究されています。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
小児甲状腺がんの治療は副作用を引き起こすことがあります。
がんの治療中に発生する副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。
がんの治療の副作用のうち、治療後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期合併症(晩期障害)と呼ばれます。小児甲状腺がんに対するがん治療の晩期合併症(晩期障害)には以下のようなものがあります:
晩期合併症(晩期障害)には治療や制御することが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQの小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関する要約をご覧ください。)
患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。
患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。
今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。
患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。
患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。
ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。
臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
- 小児甲状腺乳頭がんと小児甲状腺濾胞がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された小児の甲状腺乳頭がんと甲状腺濾胞がんの治療法には以下のようなものがあります:
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甲状腺の全てまたはほとんど、および場合によっては甲状腺付近のリンパ節を切除する手術。手術後も甲状腺がん細胞が残存している場合には、放射性ヨウ素療法が用いられることがあります。ホルモン補充療法(HRT)を実施して、失われた甲状腺ホルモンを補います。
手術から12週以内に、甲状腺がんが体内に残存しているかどうかを調べる検査を行います。この検査では、サイログロブリン検査と全身甲状腺シンチグラフィなどが行われます。全身甲状腺シンチグラフィを実施し、手術で切除されなかった甲状腺がん細胞が急速に分裂している可能性のある領域を検出します。放射性ヨウ素が使用されるのは、甲状腺細胞だけがヨウ素を取り込む性質を持つためです。極めて少量の放射性ヨウ素を患者さんに飲み込んでもらうと、この物質は血流に乗って移動し、甲状腺の組織と体内に存在する甲状腺がん細胞に集まっていきます。甲状腺がんが体内に残存している場合は、それらの甲状腺がん細胞を破壊するために、放射性ヨウ素を高用量で投与します。がん細胞が残らず破壊されたかどうかを調べるために、治療の4~7日後に全身SPECTスキャン(単一光子放出型コンピュータ断層撮影)を行うことがあります。
- 腫瘍を手術で切除できない小児には、放射性ヨウ素療法単独。ホルモン補充療法(HRT)を実施して、失われた甲状腺ホルモンを補います。
(詳しい情報については、PDQの小児多発性内分泌腫瘍症(MEN)症候群の治療に関する要約をご覧ください。)
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
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甲状腺の全てまたはほとんど、および場合によっては甲状腺付近のリンパ節を切除する手術。手術後も甲状腺がん細胞が残存している場合には、放射性ヨウ素療法が用いられることがあります。ホルモン補充療法(HRT)を実施して、失われた甲状腺ホルモンを補います。
- 小児甲状腺髄様がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断された小児の甲状腺髄様がんの治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 進行性または再発小児甲状腺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
進行性または再発小児甲状腺乳頭がんと小児甲状腺濾胞がんの治療法には以下のようなものがあります:
進行性または再発小児甲状腺髄様がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 患者さんの腫瘍のサンプルを検査し、遺伝子に特定の変化がないかを調べる臨床試験への参加。遺伝子に生じた変化の種類によって、患者さんが受ける標的療法の種類は異なります。
- チロシンキナーゼ阻害薬療法の臨床試験(セルペルカチニブ)への参加
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 甲状腺がんについてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供している甲状腺がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
小児がんに関する情報と一般的ながんに関するその他の資源については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、小児甲状腺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
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患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。 より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Thyroid Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/thyroid/patient/child-thyroid-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.
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