医療専門家向け がんにおける家族等介護者:役割、負担、およびサポート(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん患者の介護者に対する課題および有用な介入について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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概要

家族等による介護は、無報酬の個人による個人的な介護の提供、医療の支援、家事を行うこと、外部サービスの手配、定期的な訪問、または対処における支援の提供として広く定義される。[ 1 ][ 2 ]家族等介護者(英語ではinformal caregiverとも呼ばれる)は通常、親族または友人であり、介護を要するがんの個人と同じ所帯で暮らしている場合もあれば、暮らしていない場合もある。

家族等による介護では、重要な実際的および経済的な便益が提供される。本要約では、がん患者の家族等介護者における経験について記述し、介護者の負担(しばしばマイナスの心理的結果に関連する)の危険因子を列挙し、家族等による介護の負担を減らすようにデザインされた証拠に基づく介入を評価する。本要約の目的は、腫瘍科の臨床医に家族等介護者の重要性のより深い理解と、負担を背負う介護者を認識し、有効に介入するために必要な情報の両方を提供することである。

家族等介護者が誰で、彼らが果たす役割は何か?

2016年に、National Alliance for Caregiving(NAC)により、がん患者に介護を提供したと自己特定した介護者111人における回答の分析結果が報告された。[ 3 ]回答者は、調査前の12ヵ月間にわたって成人の親族または友人に対して無報酬の介護を提供した成人の介護者の代表サンプルを確認したはるかに大規模な研究の一部であった。

以下の所見から、がん患者に対する家族等介護者の寸描および彼らが直面する課題が提供されている:

介護はまた関係性も示す。[ 4 ][ 5 ]また、患者と介護者との相関性には腫瘍科の臨床医が認識しておくべき重要な意味合いがあり、それには以下のものがある:

介護の心理的結果

介護の心理的結果には大きな幅がある。心的外傷後の成長/便益の発見といったプラスの結果を報告する介護者もいる。一方で、不安、抑うつ、または心的外傷後ストレス障害(PTSD)を経験する介護者も少数存在する。以下の段落で、注目すべき文献を要約する。

便益の発見:成人がん生存者[ 11 ][ 12 ]または小児がん生存者[ 13 ][ 14 ]のいずれかの介護者を対象にした数件の定性研究(面談または物語形式の質問票)の結果から、介護のプラスの側面について以下のような共通したテーマが明らかにされた:

Benefit Finding Scaleを用いることで、こうした共通したテーマはより定量的に測定される。介護者の個人的成長について、以下の6つの領域が明らかにされており[ 15 ]、生存者の介護者と死別を経験した介護者の両者で一貫している:[ 16 ]

不安および/または抑うつ:数件の大規模調査研究により、不安および抑うつの有病率および潜在的な共変量のより正確な推定値または危険因子が提供されている;これらを以下に要約する。

PTSD:長期に及ぶ介護のマイナスの結果の1つはPTSDである。診断から6ヵ月経過時の頭頸部がん患者の介護者を対象にした1件の予備研究で、約20%がPTSDの基準を満たしたことが実証された。[ 20 ]PTSDに対する危険因子には、以下のものがあった:

また同じ研究者らにより、同様の集団において疾患の認識における差は6ヵ月にわたって動的であったが、患者における健康関連の生活の質(QOL)が低下すると差が大きくなることが実証された。[ 21 ]

介護者のQOLの低下:いくつかの研究者集団により、介護者のQOLの測定値が発表されている。1件の研究で、造血幹細胞移植を受けた患者の介護者はMedical Outcomes Study 36-Item Short-Form Health Survey(SF-36)の身体的および精神的側面で測定されるQOLの低下を経験することが実証された。[ 5 ]

要約すると、介護者はがん患者に対して不可欠なサポートと資源を提供する。しかしながら、家族等介護者の役割は、介護者の資源を超え、最終的にはマイナスの心理的結果を引き起こしうる要求を生み出す。本要約ではこれより、要求が満たされず、身体的および心理的苦痛の増加を経験している少数ではあるが重要な介護者に焦点を当てる。介護者の負担の概念について簡単なレビューを行った後、介護者に対する要求、介護者が尊重している資源、潜在的な調節器、および対処戦略に関する情報を示す。

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介護者の負担

介護者の負担という用語は、介護の要求に対する介護者の自己分析の結果およびそうした要求に取り組むために利用可能な認識している資源を示す。Transactional Model of Stress and Coping(ストレスと対処の相互規定的作用モデル)(下のを参照のこと)は、介護者の要求、資源、負担、および負担の心理的結果の関係を示す有用な枠組みである。[ 1 ]この観点から考えると、負担は介護者に対する要求が、介護者が利用可能な資源を超える場合に認識される。

その過程は、健康への脅威および介護者への何らかの要求の関連性に関する判断である一次評価から始まる。関連していると判断された要求は、利用可能な資源でその要求を低減または克服できるかどうかの可能性を評価するため、二次評価を受ける。要求の困難さが利用可能な資源を上回っている場合に、負担が重いと認識される。対処戦略もまた、認識された負担の心理的結果がマイナスであるかプラスであるかを明らかにする場合がある。

Transactional Model of Stress and Copingを示す図;健康への脅威(個人の目標および価値観を危険にさらす疾患)および前歴(年齢、性別、健康状態、および雇用)の一次評価;介護者の要求(日常生活の諸動作、情報、交通手段、および意思決定)および資源(社会的サポート、医療チーム、介入、および緩和ケア相談)の二次評価;対処(資源が要求よりも大きい場合と要求が資源より大きい場合)および対処戦略(問題焦点型戦略、情動焦点型戦略、および意義焦点型戦略);および介護者の転帰(受け入られる負担と負担のマイナスおよびプラスの心理的結果)が含まれる。

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Transactional Model of Stress and Copingにより、一部の介護者が負担およびマイナスの心理的結果を経験する理由が説明される。臨床医は、要求を低減し、資源を増やし、あるいは選択的な対処を促進する介入を行える。前歴、要求、および資源についての記述は、本要約の本文の例からである。

前掲のTransactional Model of Stress and Copingは妥当性が確認されたわけではなく、本要約の残りの部分を構成する働きをしている。

一次評価:家族等介護者への要求

面談の定性分析:化学療法を受けた患者の家族等介護者48人を対象として複数の方法を組み合わせた研究により、いくつかの注目すべき所見が示された。[ 2 ]第一に、介護者の68%では満たされていない要求が0~1つであった;その一方で、少数の介護者(23%)では、満たされていない要求が5~10個であった。第二に、最も一般的な要求は、化学療法のリスクと潜在的な有益性に関する情報(79%)および在宅での副作用の管理に関する情報(78%)であった。この他の情報関連の要求としては、セルフケア、補完代替医療、地域コミュニティの資源に関する情報が含まれた。

1つの研究者グループにより、治療完了後6ヵ月以内の頭頸部がん患者6人およびその配偶者が面談された。テーマ分析により、副作用に対するより良い準備、回復のより明確な予定表、治療中に患者と配偶者が経験する感情に対処する戦略など、いくつかの満たされていない要求が示された。[ 3 ]

悪液質の症状または徴候がみられるがん患者の家族等介護者を対象にした定性研究の系統的レビューにおいて、介護者の生活の複雑さがさらに強調されている。[ 4 ]以下のテーマが確認された:

調査:介護者の要求をより正確に評価するため、1つの研究者グループにより、Supportive Care Needs Survey-Partners and Caregivers(SCNS-P&C)が開発され、精神測定学的妥当性が実証された。[ 5 ]1件のがん生存者研究に登録された患者の介護者500人以上が解析のための調査に回答した。介護者の平均年齢は60.6歳(範囲、16~85歳)であった。

生存者の診断は以下の通りであった:

解析から、以下の4つの分野の要求が明らかにされた:

腎細胞がん患者の介護者196人を対象に電話による調査をSCNS-P&Cを用いて実施した研究者らにより、介護者の64%で重要な要求が1つ以上満たされていないこと;53%で3つ以上要求が満たされていないこと;および29%で10個以上要求が満たされていないことが実証された。[ 6 ]要求の各分野について、要求が中等度または高度に満たされていないと報告した回答者の割合は以下の通りであった:

別の研究において、188組の患者-介護者により、SCNS-P&Cが記入された。[ 7 ]介護者は女性が大多数を占めた;平均年齢は57.8歳であった。介護者は患者よりも高いレベルの苦痛および不安を報告した。満たされていない要求はないと報告した介護者は少数(14%)で、多くの介護者(44%)が満たされていない要求が10個以上あると報告した。介護者の主要な満たされていない要求は、以下の通りであった:

介護者の要求の強力な予測因子は認められなかった;しかしながら、患者の満たされていない要求と介護者の不安は、介護者における満たされていない要求とわずかに関連していた。

同様に、台湾における166組の肺がん患者-介護者に対してSCNS-P&Cが実施された。[ 8 ]最上位の満たされていない要求は、情報ニーズであった。

介護者の作業:1件の横断研究により、日常生活活動(ADL)において患者を支援すると介護者の負担が増加することが実証された。[ 9 ]この研究には、がんの高齢の成人(年齢が65歳を超える)の介護者100人が登録された。介護者はほとんどが女性で、患者と結婚し、一緒に暮らしていた。雇用状態およびADLにおける支援は多変量解析で負担の増加に対する危険因子であった。同様に、590人の介護者を対象にした調査で、主要な介護者はかなりの作業負荷を引き受けていたことが示された。[ 10 ]結果として、介護者は、雇用および社会的関係の維持が困難となり、財政的な困難を抱えていた。一方で、主要な介護者はその経験を通じて最も大きな個人的成長を経験していた。2件の研究の結果は、その後の系統的レビューによって支持されている。[ 11 ]さらに微妙な違いを示す見解として、認識された負担と心理的結果は何らかの与えられた介護者の作業に対して精通している感覚に関係している可能性がある。[ 12 ]

二次評価:家族等介護者のための資源

以下の一覧は、介護者が複数の研究で重要であると確認した資源を記録したものである:

介護者の負担の潜在的な調節器

介護者の負担増加に関連する因子には以下がある:

女性

女性は負担増加に対する確立された危険因子である。[ 13 ]進行がん患者の自己特定した介護者308人を対象にした1件の調査では、女性介護者の負担増加の潜在的な決定要因を特徴付けるよう模索された。[ 14 ]結果から、希望およびサポートの要求の実現の認識が、男女双方で負担に対する最も重要な予防因子であることが実証された。雇用されているか、または情動焦点型対処を用いた女性は、負担を認識する可能性が高かった。結果から、役割緊張に取り組み、代替の対処戦略を発達させる介入が有用であると示唆されている。

年齢

家族介護者は、しばしば覚悟ができていないと感じていて、知識が不十分で、がん患者を介護するための腫瘍チームの指導をほとんど受けていない。[ 15 ]高齢の介護者は併存疾患を有し、固定収入に頼って暮らしており、利用可能な社会支援ネットワークが縮小している場合があるため、特に弱い立場にある。また、がん患者の高齢の介護者は自身の健康の要求を顧みず、運動する時間が少なく、自身の処方薬物の摂取を忘れ、睡眠が途切れがちで疲労しがちである。そのため、高齢者による介護が不良な身体的健康や抑うつにつながることは一般的であり、死亡の増加につながることもある。[ 16 ][ 17 ]

年齢が低い介護者ほど、一般的に仕事、自身の家庭での責任、および社会生活に関する犠牲が大きい。中年の介護者は典型的に失われた労働時間、仕事の中断、休暇の取得、および生産性の低下について心配する。[ 18 ][ 19 ]

人種および民族性

116件の経験的研究のメタアナリシスにおいて、アジア系米国人介護者は、白人、アフリカ系米国人、およびヒスパニック系の介護者よりも長時間介護を提供し;公的支援サービスの利用水準が低く;他のサブグループよりも財源が少なく、教育水準が低く、抑うつのレベルが高いことが明らかにされた。[ 20 ]これらの知見は、外部からの助けを受けていない介護者は助けを受けている介護者よりも抑うつ状態にあるため、腫瘍チームにとって重要である。

アジア系米国人介護者における満たされていない要求と、サービスの障壁について調べた1件の研究では、介護者は「自尊心が高過ぎて外部からの助けを受けられないと感じている」または「部外者に入って来てもらいたくない」ために外部からの助けを断ったことが明らかにされた;報告された他の障壁としては、「お役所仕事はあまりに複雑である」または「資格を有する介護提供者を見つけられない」が挙げられた。[ 21 ]アジア系米国人によるホスピスの利用に関する1件の研究で、アジア系米国人の間では死または死ぬという話題は縁起が悪いと考えられており、そのため予後およびインフォームドコンセントの話し合いは非常に困難となるため、彼らが疾患について家族での話し合いに乗り気でない結果、ホスピス利用率が低くなっていることが明らかにされた。[ 22 ]がんの診断を患者に秘密にしておくことや疾患進行の話し合いを回避することは、介護者の負担および責任の感覚を大きくすることがある。

同様に、ヒスパニック系およびアフリカ系米国人患者および介護者は、カウンセリングやサポートグループ、在宅ケア、居住型療養施設、ホスピスサービスなど地域の健康資源をあまり利用していない。1つの重要な理由は、家族の強い結びつきによって、マイノリティの介護者は家族外からの助けを求めることを避けているということである。[ 23 ]アフリカ系米国人、白人、およびヒスパニック系の介護者を比較した1件の研究により、ヒスパニック系患者の75%およびアフリカ系米国人患者の60%が主要な介護者の家族と同居していることが明らかにされた。マイノリティの家族は、友人および親族からの非公式な介護に頼っていることが多く、白人の家族よりも大きな社会支援ネットワークをもっていた。しかしながら、高齢の家族のメンバーに介護を提供するというこうした義務感の高さは、白人の介護者によって報告されているよりも長い介護時間、介護についての大きな諦め、高いレベルの介護者の緊張、および家計収入の大きな低下と関連した。[ 23 ][ 24 ]

別の研究では、介護による雇用喪失の報告が分析された。結果から、アフリカ系米国人およびヒスパニック系の介護者の方が、白人の介護者よりも患者の介護のために労働時間を減らす傾向が高かったことが示された。さらに、マイノリティの介護者は愛する人のために公的なナーシングホームサービスを利用したがらなかった。ナーシングホームに親族を入所させるよりもむしろ労働時間を減らす決定は、心理的、社会的、および経済的負担の増加を伴った。[ 25 ]

社会経済的状態

介護に必要な実質的な自己負担費用は、がん患者の家族に経済的負担を生じさせることがある。個人収入および家計収入が低いおよび経済的制約のある家族ではまた、治療の非遵守または収入に基づいてなされる治療関連の決定が危機にさらされる場合もある。[ 26 ]

雇用

家族等による介護は、家族に対して経済的な負担を課すことが知られている。1件の研究により、U.S. Medical Expenditure Panel Survey(MEPS) Experiences with Cancer Survivorship Survey(ECSS)に回答したがん生存者458人およびLIVESTRONG 2012 Survey for People Affected by Cancer(SPAC)に回答したがん生存者4,706人からのデータが解析された。結果から、MEPS ECSSに回答した生存者の25%およびSPACに回答した生存者の29%が、彼らの介護者は有給または無給休暇の取得、および/または労働時間、職務、または雇用状態の変更など、雇用を大きく変更したと報告したことが示された。[ 27 ]進行がん患者の介護者70人の労働生産性は、失われた労働のために23%低下したことが示された。[ 28 ]介護が長時間に及ぶほど生産性の喪失が大きくなり、生産性の喪失は介護者の抑うつおよび不安の割合の高さに関連した。進行がん患者の介護者89人を対象にした1件の研究により、69%が何らかの形で仕事に悪影響があることを報告した;この割合は終末期には77%に増加したことが示された。[ 29 ]

一部の研究により、疾患および人口統計学的特徴から評価した、介護の経済的負担における漸増的増加が示されている。進行乳がん女性の介護者78人を対象にした研究により、生産性の喪失(常習欠勤および仕事での生産性の低下)は、無病状態の女性の介護者よりも進行疾患の女性の介護者で大きかったことが示された。[ 30 ]肺がんおよび大腸がん患者の介護者1,629人を対象にした1件の調査で、経済的負担は肺がん患者および4期疾患患者の介護者で最も重いことが示された。[ 31 ]介護者54人(アフリカ系米国人またはヒスパニック系が35%)を対象にした1件の研究により、マイノリティの介護者は白人の介護者よりも雇用および財政に関する大きな苦痛を報告したことが示された。[ 32 ]前立腺がん男性のパートナーの介護者を対象にした1件の研究により、収入の低い($40,000未満/年)介護者は収入の高い介護者よりも家族等による介護に多くの時間を費やすことが示された。[ 33 ]

Family and Medical Leave Act of 1993(1993年の育児介護休業法:FMLA)は、従業員が自身の重篤な医学的状態または親族の重篤な医学的状態のために、利益または仕事を失うことなく休暇を取る選択肢を従業員に与えるためにデザインされた。[ 34 ]家族のメンバーは法の下で最長12週間の休暇を取る権利が与えられている。

役割緊張

役割緊張は、社会的に決められたある役割(例、従業員)の認識された権利、義務、および行動が別の役割(例、生徒)の権利、義務、および行動と対立する場合に経験される。がん患者の介護者が行う複数の役割は、介護者の身体的および感情的資源を巡って競合することがある。中年の介護者457人を対象にした1件の研究から、介護者が果たす社会的役割が増えるほど、介護者はストレスおよび負の影響を経験する可能性が高くなることが明らかにされた。[ 35 ]しかしながら、雇用された介護者は、職場から提供される一時休暇や雇用主および仕事仲間からの支援により便宜を得ることで、心理的資源を補充できることを認識することが重要である。[ 35 ]したがって、複数の役割が必ずしも緊張を引き起こすわけではない。

ケアの場所

がん治療は、介護者のために支援サービスを提供する機能が異なる複数の物理的な場所で提供される。したがって、ケアの場所は介護者の負担に対する危険因子と考えられる。この主張は、12人の患者と12人の介護者を対象として病院から自宅への移行において直面する難題に関する定性的面談研究の結果から裏付けられている。[ 36 ]研究者らは以下の4つの注目すべきテーマを特定した:

患者と介護者の組を対象にした1件の独立した研究で、自宅への移行では、症状、および予後と疾患進行に関する不確実性に対処する必要があるため、ストレスが非常に高いことが示された。[ 37 ]したがって、ケアの場所の移行を原因とする介護者の負担増加を認識し、可能な場合は、訪問看護により改善すべきである。

再入院など、ケアの場所の予定外の変更もまた、介護者への要求を増加させる。予定外の入院に対する因子について明らかにするために、129組の高齢のがん患者とその家族介護者が調査された。[ 38 ]研究者らにより、介護者の知識-多くの介入の標的とされる-よりもむしろ症状の重症度が、積極的な治療期間中の高齢のがん患者における予定外の入院を予測したことが明らかにされた。こうした結果から、症状に関する介護者の知識を増やすよりも、症状管理の介入によってストレスの高いイベントを減少させうることが示唆されている。

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対処戦略および自己効力感

対処戦略は概念化されたものとして、プラスのまたはマイナスの結果と介護の要求が利用可能な資源を超えているという認識との関連を仲介する。ある研究者グループにより、緩和ケアを受けているがん患者の家族介護者50人に面談および調査が実施された。[ 1 ]その目的は、対処戦略と介護者における不安との関連を示すことであった。介護者には不安がよくみられた(76%)。感情ベースの対処は不安の低下に関連した一方、十分に機能していない対処は不安の増加に関連した。負担の認識もまた不安の増加に関連した。

Transactional Model of Stress and Copingで示されているように、介護者と患者は相互に結びついている。患者の対処スタイルと介護者の適応とのつながりを示す証拠が得られている。下位専門分野の緩和ケア試験からのベースラインデータに関する1件の横断研究により、治癒不能な肺がんまたは大腸がん患者の家族介護者275人における関連が確認された。[ 2 ]研究者らにより、患者が情動的サポート対処を利用するか、または予後について楽観している場合に、介護者はより強い抑うつ症状を経験することが示された。患者の情動的サポート対処は、介護者のより低い不安に関連した。

介護者と患者間のこの相関性はまた、脅威の評価(Transactional Model of Stress and Copingの第一段階)にも関与している。484組を対象にした1件の研究により、患者と介護者の症状の苦痛は自身の、および場合によってはお互いの認知的評価に影響することが実証された。[ 3 ]

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介護者の評価(スクリーニングまたは評価)

介護者の評価は、医療システム内のどの接触ポイントで行ってもよい。理想的には、介護者の包括的評価を以下が起こったときに実施すべきである:[ 1 ]

介護者が評価されるシステムでは、介護者は医療チームの貴重なメンバーとして実施者に認められる。介護者の評価により、身体的健康およびメンタルヘルスの問題の発生リスクが最も高い家族のメンバーを特定することができ、それに伴い追加のサービスを計画することができる。[ 1 ]

介護者の負担を測定するために、Zarit Burden Interview[ 2 ]や他のツール[ 3 ][ 4 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][ 9 ]を含めて、複数のツールが利用できる。介護者の負担の客観的測定は、介護の提供に費やされる時間や介護者が行う作業の実際の数といった変数で構成されている。[ 10 ][証拠レベル:II][ 11 ]客観的測定値は通常、短時間かつ容易に答えがでて、しばしば問題解決および直接介入のための明確な方向性を示す。[ 12 ]介護者の評価は、文化的に適切な方法を取り入れる必要がある。[ 13 ]

介護者の負担の測定には多くのツールがあるが、1件のレビュー[ 14 ]により、がん患者の介護者を対象とする心理測定評価に英語で記述されたツールは8つしかないことが明らかにされた。8つのうち、Caregiver Reaction Assessment(CRA)およびCaregiver Quality of Life Index-Cancer(CQOLC)は、心理測定パフォーマンスが最も優れていた。また、8つのツールについて5つの包括的なテーマにおける16の概念領域が確認された。複数のツールではいくつかの領域で重複が示されたが、すべての領域を測定した単一のツールはなかった。したがって、介護者の負担の評価には、すべての領域の評価を得るために2つ以上のツールを利用することが賢明である。

参考文献
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がん経過の特異的段階における介護者の要求

がんの経験は、スクリーニングから診断および治療を経て、長期の生存または終末期のいずれかへと続くいくつかの比較的明確な段階に沿って発生するものと概念化できる。[ 1 ]こうした段階は、可能性の高い活動、目標、および患者に対して考えられる転帰に差がある。介護者と患者の相互依存を考慮すると、介護者の経験もまた一様ではないと想定するのが妥当のように思われる。

がん経過のさまざまな時点で介護者を比較した諸研究

疾患の経過を通じてまたはさまざまな病期のがん患者の介護者を直接比較した研究は不足している。あるグループにより定性研究が実施され、がん患者の介護者15人について骨髄移植前、移植中、および移植後4ヵ月経過時に面談が行われた。がんの経過を通して面談の代表的な話題はさまざまであったが、介護者の懸念に関して次の2つの一貫したテーマが明らかになった:不確実性および詳しい情報に対する要求。[ 2 ]

別の研究で、緩和ケアの後期であるか、疼痛クリニックに通院しているがん患者(著者らは治癒期と称していた)の介護者を対象にした2件の横断研究の結果が比較された。[ 3 ]著者らは、生活の質(QOL)の尺度としてHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)またはMedical Outcomes Study 36-Item Short Form Health Survey(SF-36)の平均スコアにおける差は認められないことを明らかにした。研究の選択基準および期間が異なるため、結果は慎重に解釈すべきである。さらに、このグループの方法は個別の介護者の経時的な意義のある変化を分かりにくくする可能性がある。

別の解析により、患者における症状の負担はコホート間で違いはなかったが、どちらの集団も脱力および疲労の測定でスコアが高かったことが示された。[ 4 ]介護者は患者に不眠が認められる場合に高い割合の抑うつを報告したが、その関連はコホート間で違いが認められなかった。ただし、研究の方法論によって、確固たる結論を引き出すには制限がある。

生存

入手可能な証拠から、満たされていない要求の割合は時間の経過とともに低下するが、少数ではあるが重要な介護者が生存期間中のがんの経験に関係した要求を経験し続けることが実証されている。

例えば、オーストラリアの1件の縦断研究は、介護者として継続的な要求があることの心理社会的、財政的、および職業的影響を追跡するようにデザインされた。[ 5 ]研究者らにより、がん診断から6ヵ月経過時の介護者547人、12ヵ月経過時の介護者519人、および24ヵ月経過時の介護者443人からのSupportive Care Needs Survey-Partners and Caregivers(SCNS-P&C)への回答が解析された。注目すべきこととして、当初の参加者547人中、12ヵ月経過時の調査を444人が完了し、24ヵ月経過時の調査を372人が完了した。

以下のように、いくつかの所見は強調する価値がある:

終末期

進行がん患者の終末期の経験は、介護者への負担および結果として介護者に起こる死別後の心理的適応に影響を及ぼす。進行期卵巣がん女性の介護者を対象にした1件の縦断研究から、患者の人生の最後の1年間における介護者の経験に貴重な洞察が得られている。[ 6 ]99人の介護者が、2年間にわたって3ヵ月ごとに測定された。介護者は、予想より低い精神的および身体的QOLを報告した。苦痛と満たされていない要求の数の平均は経時的に増加した。社会的支援の認識に変化はなかった。介護者の苦痛は、楽観的なところの少なさ、満たされていない要求の高さ、および患者の死亡までの時間の短さにより予測された。患者のQOLは予測因子ではなかった。患者の人生の最後の6ヵ月間に、不良な予後に関する感情を管理すること、および仕事と介護の要求とのバランスを取ることは、介護者における満たされていない要求の高さに関係した。

ホスピスケアは、患者だけでなく介護者にも不可欠なサポートを提供できる。ある研究者グループにより、積極的な治療を受けている進行がん患者の介護者の負担およびQOLが、ホスピスケアを受けている患者の介護者の負担およびQOLと比較された。[ 7 ]この取り組みの目標は、ホスピスケア段階に特有の要求の特徴を明らかにすることであった。この研究では、精神的または感情的困難による介護の負担の認識および役割の制限の増加に差は認められなかった;しかしながら、ホスピスケアの介護者集団では身体的制限の報告が少なかった。同様に、別のグループにより、ホスピス滞在が長くなるほど、患者のQOLが良好となり、死別後の介護者の適応も良好であったことが報告された。[ 8 ]

ホスピスの利益に対する1つの考えられる説明は、終末期のケアの質の高さや患者の目標を尊重することで介護者が安心するということである。1件の研究で、進行期の肺がんまたは大腸がんにより死亡したメディケア受給者の家族のメンバー1,146人との面談が分析された。[ 9 ]結果から、ホスピスへの登録でより「素晴らしい」ケアの質が得られると家族のメンバーが報告したがことが示された。同様に、集中治療を受けたまたは登録が短かった患者は、好ましい場所で死亡したと報告される頻度が低かった。[ 10 ]

介護者はまた、患者に人工栄養と水分補給(ANH)を提供するかどうかの決定に有効に参加するためのサポートを必要とすることがある。研究者らにより、進行がん患者39人および親族30人を対象にANHに関する見解についてプロスペクティブな横断的調査が実施された。[ 11 ]最愛の人の代わりに決定する場合、ANHを受けないことを選択すると述べた親族はわずか24%であった;48%は水分補給に反対した。患者は親族よりも疼痛、激越、空腹といった不良な身体症状に関心がなかった。患者は家族のメンバーの意見を決定に重要なものとして承認した。(詳しい情報については、人生の最後の数日間に関するPDQ要約の人工的水分補給のセクションを参照のこと。)

参考文献
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介護者の負担を予防、低減、または改善するための介入

家族等介護者の要求を扱うために、多くの種類の介入が検証されている。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]介入では、個々の患者、介護者、または患者-介護者の組の転帰の改善に焦点が当てられている。[ 1 ]研究されている介入の種類および各介入の目標を以下に要約する。

これらの介入の効力は入り混じっている。2~3件のメタアナリシスからの所見で、心理社会的-教育介入が介護者および患者-介護者の転帰にもたらすプラスの効果(小~中等度の効果)が確認されている。[ 5 ][ 6 ][ 7 ]しかしながら、多くの研究で小規模のサンプルサイズおよび短期の評価による制限があり、しばしば研究の焦点(患者 vs 介護者 vs 患者-介護者の組)に応じて結果が異なる。[ 1 ]本要約の次のセクションでは、メタアナリシスの結果をレビューし、続いて2~3件の個別の画期的な研究に関する情報が提供される。

メタアナリシス

1件のメタアナリシスには、1983年から2009年に発表された29件のランダム化臨床試験が含まれた。[ 6 ]この取り組みにより、心理教育的、技術習得/問題解決、治療的カウンセリングの主要な3種類の介入が確認された。著者らは概念的枠組みを用いて、転帰のデータ、ストレスと対処理論の統合、認知行動理論、生活の質(QOL)の枠組みを構成した。全体として、3つの介入はすべて、以下の転帰の改善に有望(軽度~中等度の効果)であることを示した:

フォローアップとして、文献の系統的レビューが実施され、介護者の要求/負担を扱った49件の介入研究が確認された。[ 3 ]このレビューで8つの異なる種類の介入が指摘され、大多数の研究が心理教育的、問題解決、支持療法、および家族/夫婦療法に分類された。著者らは、認知行動療法(CBT)を用いていた研究はわずか3件だったと指摘した。しかしながら、CBTを用いていた3件の研究はすべて、家族等介護者における心理的機能の有意な改善を示した。全体として、著者らは、構造化された、統合的な、および目標指向性のプログラムは最も便益が高くなるようであると示唆した。[ 3 ]

この最初の取り組みは、家族等介護者における心理的機能を改善するためのCBTの有効性に特化して実施された統合およびメタアナリシスとともに拡大された。[ 2 ]著者らにより、CBTの小さな統計効果(Hedge's g = 0.08)が確認された;しかしながら、この有意な効果は、ランダム化比較試験のみをレビューすると消滅した。著者らは、CBTの広範な定義および家族等介護者の定義におけるばらつきによって結果が制限された可能性があると示唆した。[ 2 ]

2件の追加のレビューでは2016年までに発表された文献に焦点が当てられた。[ 8 ][ 9 ]ある研究者グループにより、がん患者の介護者におけるQOL、抑うつ、および不安を改善するため、21の心理社会的介入の系統的レビューが実施された。[ 8 ]この報告や他の報告により、複数の研究で用いられている注目に値する介入の働きが例示されており、以下に要約されている。

個別の研究

本セクションでは、2~3件の個別の画期的な研究に関する情報が提供される。

研究の制限および未解決の問題の概要

入手可能な研究では多くの制限があるため、最適な介入の選択について結論を下すことはできない。顕著な制限として、以下が挙げられる:

制限は将来の研究で、以下のように扱われる:

選択された研究の結果の概要

以下の2つの表では、考えられる介入および有益性の理解に役立つ注目に値する報告が簡潔に記述されている。表1では、介入の種類別に研究が整理され、肯定的な研究と否定的な研究が強調されている。しかしながら、これまでのセクションで概説したように、方法論的な制限から比較は行えず、結論も下せていない。[ 1 ]

表1.家族等によるがん患者の介護に対する介入的アプローチ
介入の種類 肯定的な結果 否定的な結果
IC = 家族等介護者;N/A = 該当せず;QOL = 生活の質。
心理教育 介護を提供するための知識および/または能力の改善[ 16 ][ 17 ][ 18 ][ 19 ][ 20 ][ 21 ][ 22 ] 改善されない気分(不安および苦痛)[ 23 ]
心理的機能(抑うつ、不安、ストレス)の改善および介護者の負担の軽減[ 15 ][ 24 ][ 25 ][ 26 ][ 27 ] 介護者の負担における有意ではない改善[ 28 ]
患者が報告する機能的サポートおよび結婚満足度の改善[ 24 ] 改善されないQOL[ 29 ]
問題解決/能力習得 問題解決の改善[ 30 ][ 31 ][ 32 ][ 33 ][ 34 ][ 35 ] 家族等介護者の抑うつ症状の減少はみられない[ 36 ][ 37 ]
家族等介護者の信頼[ 31 ]、自己効力感[ 35 ][ 36 ][ 38 ]の改善 家族等介護者の対処または援助要請に改善はみられない[ 39 ]
心理的機能の改善(家族等介護者の抑うつ症状[ 32 ]、不安[ 34 ]、苦痛[ 35 ]、および負の影響[ 33 ]の減少)
患者のうつ症状の減少[ 32 ]
健康上のアウトカム(疲労)の改善[ 35 ]
QOLの改善[ 34 ]
支持療法 サポート/知識に関する家族等介護者の認識の改善[ 40 ] 家族等介護者の心理的機能(抑うつ、不安)における有意ではない改善[ 36 ][ 41 ]
改善されない家族等介護者のQOL[ 36 ][ 42 ]
家族/夫婦療法 夫婦の機能/関係の改善[ 43 ][ 44 ] 改善されない状態不安または外傷性ストレスまたは苦痛[ 45 ]
家族等介護者が報告する介護の否定的な評価が少ない[ 10 ][ 46 ]
コミュニケーション技能の改善[ 46 ]
心理的機能(家族等介護者、患者における苦痛、抑うつ、不安)の改善[ 44 ][ 47 ][ 48 ]
QOLの改善[ 11 ][ 49 ]
認知行動療法 心理的機能の改善(苦痛、抑うつ症状の減少)[ 50 ][ 51 ][ 52 ] N/A
がん症状の負担軽減[ 12 ]
自己効力感の改善[ 53 ]
QOLの改善[ 12 ]
対人関係療法 心理的機能の改善(抑うつ、不安の減少)[ 54 ][ 55 ] N/A
QOLの改善[ 55 ][ 56 ]
統合療法、代替療法、および補完療法 マッサージ:家族等介護者における抑うつ、不安、疲労の改善[ 57 ] N/A
筋力トレーニング:メンタルヘルスの改善;統計的有意性に近づいている(0.06)[ 58 ]
心配りに基づいた(mindfulness-based)ストレスの低下:
-介護者の負担軽減、ただし、患者とパートナーに対する心理的苦痛の有意な低下は得られていない[ 59 ]
-患者の心理的機能の有意な改善(ストレス、不安の低下)、および統計的に有意ではないものの、家族等介護者の心理的機能およびQOLの改善[ 60 ]

表2では、ほとんどの取り組みで実施されている心理教育、問題解決、および認知行動療法介入の有効性を支持する一部の調査研究が強調されている。加えて、表2ではこれらの研究のそれぞれで改善されたアウトカム(資源および/または対処)が示されている。

表2.介入およびそれにより生じたアウトカム:選択された取り組み
介入の種類/参考文献 アウトカム:改善された資源および/または対処
QOL = 生活の質。
心理教育 介護/役割の知識 問題解決 自己効力感 心理的機能 症状 QOL
- Ferrell et al., 1995[ 16 ] X          
- Horowitz et al., 1996[ 25 ] X     X    
- DuBenske et al., 2014[ 15 ]       X    
- Northouse et al., 2013[ 11 ]     X     X
- Northouse et al., 2014[ 49 ]     X X   X
– Badr et al., 2015[ 26 ]       X    
問題解決 介護/役割の知識 問題解決 自己効力感 心理的機能 症状 QOL
- Sahler et al., 2002[ 33 ] X X   X    
- Nezu et al., 2003[ 32 ] X X   X    
- Cameron et al., 2004[ 31 ] X X X      
- Bevans et al., 2010[ 30 ] X X        
- Demiris et al., 2012[ 34 ]   X   X   X
- Bevans et al., 2014[ 35 ]   X X X X  
認知行動療法 介護/役割の知識 問題解決 自己効力感 心理的機能 症状 QOL
- Keefe et al., 2005[ 53 ]     X      
- Carter, 2006[ 50 ]       X    
- Cohen et al., 2006[ 51 ]       X    
- Given et al., 2006[ 52 ]       X X  
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がん経過の特異的段階における介護者への介入

下位専門分野の緩和ケア

本要約のこれまでのセクションで十分に示されているように、患者と介護者のメンタルヘルスおよび身体的健康と対処は相互に依存している。(詳しい情報については、本要約の二次評価:家族等介護者のための資源がん経過の特異的段階における介護者の要求、および介護の心理的結果のセクションを参照のこと。)下位専門分野の緩和ケア介入に関する数件の試験において、介護者の転帰が特異的に標的にされ、測定された。

緩和ケア/終末期

1件の系統的レビューで、終末期ケアを受けている患者について実施された14件の研究の結果が強調され、認知行動療法が最も多く(n = 6)実施されたことが示され、さまざまな研究で自己効力感の増加、心理的機能の改善、希望の増加、QOLの改善など、最も肯定的なアウトカムが実証された。[ 7 ]

参考文献
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本要約の変更点(10/23/2019)

本要約はがんにおける家族介護者:役割と課題から改名された。

本要約は包括的に見直され、広範囲にわたって改訂された。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん患者の介護者に対する課題および有用な介入について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Informal Caregivers in Cancer.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/coping/family-friends/family-caregivers-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

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