ご利用について
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、腎盂と尿管の移行上皮がんの治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
CONTENTS
- 腎盂と尿管の移行上皮がんに関する一般情報
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発生率および死亡率
腎盂の移行上皮がんは腎臓の腫瘍全体のわずか7%にあたり、また尿管の移行上皮がんは、上部尿路腫瘍の25症例につきわずか1例であり、表在性で腎盂または尿管に限局している場合、90%を超える患者において治癒可能である。腫瘍が深く浸潤しているが腎盂あるいは尿管に限局している患者では10%~15%が治癒可能である。尿路壁外への浸潤や遠隔転移のある腫瘍を有する患者は一般に現在受けることができる治療法で治癒できない。
予後
上部尿路移行上皮がんの診断時の主な予後因子は、尿路壁の内部またはそれを超えた浸潤の深達度である。
ほとんどの表在性腫瘍は高分化傾向があるが、浸潤性腫瘍は低分化型の傾向がある。同時または異時的対側上部尿路がんの発生率は2%~4%であり;上部尿路移行上皮がんの後に続く膀胱がんの発生率は30%~50%である。[ 1 ]上部尿路への腫瘍のひろがりが広汎(腎盂と尿管両方)であれば、その後の膀胱がん発生の可能性は75%に増大する。DNAプロイディは病期や異型度ほど予後に関する重要な情報を追加してはいない。[ 2 ]
診断法
たとえ尿管鏡検査および腎盂鏡検査がうまく行われても、浸潤の深達度の正確な評価は困難である。
治療管理と生存
治癒可能性を最大にするために、膀胱カフをつけた尿管、腎盂、および腎臓の全てを切除することが勧められる。
参考文献- Krogh J, Kvist E, Rye B: Transitional cell carcinoma of the upper urinary tract: prognostic variables and post-operative recurrences. Br J Urol 67 (1): 32-6, 1991.[PUBMED Abstract]
- Corrado F, Ferri C, Mannini D, et al.: Transitional cell carcinoma of the upper urinary tract: evaluation of prognostic factors by histopathology and flow cytometric analysis. J Urol 145 (6): 1159-63, 1991.[PUBMED Abstract]
- 腎盂と尿管の移行上皮がんの細胞分類
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上部尿路上皮腫瘍の大部分は組織学的に移行上皮がんである。尿路の扁平上皮がん(SCC)は腎盂腫瘍の15%に満たず、尿管腫瘍に占める割合はさらに少なく、またしばしば慢性の結石病変および感染と関連がある。
上部尿路の移行上皮がんの異型度(悪性度)は一般的に病期と相関することが分かっている。表在性の腫瘍は通常悪性度IまたはIIであるが、大部分の浸潤性の腫瘍は悪性度IIIおよびIVである。高異型度の患者(悪性度IIIおよびIV)の方が、低異型度の患者(悪性度IおよびII)よりも予後が悪い。
- 腎盂と尿管の移行上皮がんの病期情報
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膀胱がんの病期分類システムと多くの点で共通しているが、腎盂および尿管の特異な構造的特徴は、上部尿路に関係する腫瘍の分類計画においていくつかの相違の原因となっている。臨床的病期分類は種々のX線診断(例えば、経静脈腎盂尿管造影やコンピュータ断層撮影スキャン)そして、最近では内視鏡検査と生検の組み合わせをもとにして行われる。
硬性や軟性尿管鏡検査法の出現により尿管および腎盂を内視鏡で調べることができるようになっている。この方法で術前に上部尿路新生物の病期および異型度をより正確に決められる。さらに、電気焼灼および泌尿器科的内視鏡の手法により、厳密に選択された表在性、低異型度の尿管病変を切除あるいはレーザー凝固することが可能である。[ 1 ]しかしながら、このアプローチは病期や病変の進展の評価が不正確である可能性があるためなお臨床評価中であり、その妥当性および危険性は現在のところ明確にされていない。[ 2 ][ 3 ][ 4 ][ 5 ]
尿管や腎盂の解剖を直接見ることができないため、正確な病期分類には外科的切除標本の病理学的検索が必要である。
AJCCの病期分類とTNM定義
米国がん合同委員会(AJCC)はTNM(腫瘍、リンパ節、転移)分類により腎盂と尿管のがんを定義する病期分類を示した。[ 6 ]
表1.0期のTNM定義a 病期 TNM 定義 T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。 a AJCCから許諾を得て転載:Renal pelvis and ureter.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.749–55. 0a Ta、N0、 M0 Ta = 乳頭状非浸潤がん。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 M0 = 遠隔転移を認めない。 0is Tis、N0、M0 Tis = 上皮内がん。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 M0 = 遠隔転移を認めない。 表2.I期のTNM定義a 病期 TNM 定義 T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。 a AJCCから許諾を得て転載:Renal pelvis and ureter.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.749–55. I T1、N0、M0 T1 = 上皮下結合組織に浸潤する腫瘍。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 M0 = 遠隔転移を認めない。 表3.II期のTNM定義a 病期 TNM 定義 T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。 a AJCCから許諾を得て転載:Renal pelvis and ureter.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.749–55. II T2、N0、M0 T2 = 筋層に浸潤する腫瘍。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 M0 = 遠隔転移を認めない。 表4.III期のTNM定義a 病期 TNM 定義 T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。 a AJCCから許諾を得て転載:Renal pelvis and ureter.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.749–55. III T3、N0、M0 T3 = 腎盂のみについて:筋層を越えて腎盂周囲脂肪組織または腎実質に浸潤する腫瘍。尿管のみについて:筋層を越えて尿管周囲脂肪組織に浸潤する腫瘍。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 M0 = 遠隔転移を認めない。 表5.IV期のTNM定義a 病期 TNM 定義 T = 原発腫瘍;N = 所属リンパ節;M = 遠隔転移。 a AJCCから許諾を得て転載:Renal pelvis and ureter.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.749–55. IV T4、N0、M0 T4 = 隣接臓器、または腎臓を越えて腎周囲脂肪組織に浸潤する腫瘍。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 M0 = 遠隔転移を認めない。 全てのT、N1、M0 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。 T0 = 原発腫瘍を認めない。 Ta = 乳頭状非浸潤がん。 Tis = 上皮内がん。 T1 = 上皮下結合組織に浸潤する腫瘍。 T2 = 筋層に浸潤する腫瘍。 T3 = 腎盂のみについて:筋層を越えて腎盂周囲脂肪組織または腎実質に浸潤する腫瘍。尿管のみについて:筋層を越えて尿管周囲脂肪組織に浸潤する腫瘍。 T4 = 隣接臓器、または腎臓を越えて腎周囲脂肪組織に浸潤する腫瘍。 N1 = 最大径が2cm以下の単一のリンパ節転移。 M0 = 遠隔転移を認めない。 全てのT、N2、M0 すべてのT =本表上述のIV期、すべてのT、N1、M0の記述を参照のこと。 N2 = 最大径が5cmを超える単一のリンパ節転移;または多発性リンパ節転移。 M0 = 遠隔転移を認めない。 全てのT、全てのN、M1 すべてのT =本表上述のIV期、すべてのT、N1、M0の記述を参照のこと。 NX = 所属リンパ節の評価が不可能。 N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。 N1 = 最大径が2cm以下の単一のリンパ節転移。 N2 = 最大径が5cmを超える単一のリンパ節転移;または多発性リンパ節転移。 M1 = 遠隔転移あり。 次のように、患者は限局性、局所性、または転移性病変を有すると示されることもある:
限局性
限局性病変を有する患者は3群に分類される:
局所性
転移性
これらの分類はそれぞれ単中心性または多中心性に下位分類されている。多中心性の方が腫瘍はより拡散性の素因を示し、一般に予後は不良である。
上に示した分類は予後に重要であるが、本病変を有する患者の一般的な治療法である腎尿管摘除手術の場合にしか決定できない。膀胱壁内尿管の摘出が不完全であった患者においては同部位の腫瘍再発率が高いため、腎尿管摘出には尿管全部と同側の尿管口周囲部粘膜(すなわち、膀胱カフ)を含む。
TNM病期分類システムは正確な生存予測が明示されるようになっている。TNM病期分類システムと腫瘍の異型度(悪性度)はともに生存の予測に重要であるが、TNMシステムのほうがすぐれた予後予測因子であろう。1件の報告では上皮下結合組織に限局した腫瘍を有する患者の生存期間中央値が91.1ヵ月であったのに対し、筋層内や筋層を越えて浸潤している腫瘍を有する患者では12.9ヵ月であった。フローサイトメトリー分析により、異数体のヒストグラムを示すかどうかで再発の危険性が高い表在性、低異型度の腫瘍を同定できる。[ 7 ][ 8 ]
参考文献- Grossman HB, Schwartz SL, Konnak JW: Ureteroscopic treatment of urothelial carcinoma of the ureter and renal pelvis. J Urol 148 (2 Pt 1): 275-7, 1992.[PUBMED Abstract]
- Batata M, Grabstald H: Upper urinary tract urothelial tumors. Urol Clin North Am 3 (1): 79-86, 1976.[PUBMED Abstract]
- Cummings KB, Correa RJ, Gibbons RP, et al.: Renal pelvic tumors. J Urol 113 (2): 158-62, 1975.[PUBMED Abstract]
- Nocks BN, Heney NM, Daly JJ, et al.: Transitional cell carcinoma of renal pelvis. Urology 19 (5): 472-7, 1982.[PUBMED Abstract]
- Heney NM, Nocks BN, Daly JJ, et al.: Prognostic factors in carcinoma of the ureter. J Urol 125 (5): 632-6, 1981.[PUBMED Abstract]
- Renal Pelvis and Ureter. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, 749–55.[PUBMED Abstract]
- Huben RP, Mounzer AM, Murphy GP: Tumor grade and stage as prognostic variables in upper tract urothelial tumors. Cancer 62 (9): 2016-20, 1988.[PUBMED Abstract]
- Blute ML, Tsushima K, Farrow GM, et al.: Transitional cell carcinoma of the renal pelvis: nuclear deoxyribonucleic acid ploidy studied by flow cytometry. J Urol 140 (5): 944-9, 1988.[PUBMED Abstract]
- 治療法選択肢の概要
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腎盂新生物が同時に両側に生じることはまれであり、異時的な対側上部尿路腫瘍の発生確率も低く、また、もとの腎盂腫瘍と同側の尿管の遠位における腫瘍再発の危険度が高いため、腎盂の移行上皮がんおよび尿管がんの大部分の患者に対し膀胱カフ切除を伴う腎尿管全摘術を施行するのは合理的である。
全摘以外の治療法を検討する際には上部尿路のどこかに腫瘍再発の危険性があることを考慮しなければならない。腎盂腫瘍が単中心性で、低異型度、表在性でなければ、隣接部位および非隣接部位の両方に腫瘍が進展して浸潤する危険があるため、部分切除は選択肢には考えられない。しかしながら、手術として特定の病変を部分切除することは考えられる。術中評価で腫瘍の進展度が確定され、術中迅速標本の組織診断から低異型度、単中心性で限られた大きさの腫瘍であることが確認されれば、部分切除も可能である。しかしながら、このアプローチは厳密に選択された患者にとどめるべきである。これは単腎または腎機能障害のある患者および腎組織を最大限保存することを必要とする患者などを含む。腫瘍再発の可能性と、いったん腎盂が病変にまきこまれた際の腎盂外への病変進展の可能性は、この治療法を選択肢として患者に示す際に熟考されなければならない重大なリスクである。
尿管の移行上皮がんはその腎臓側に病変のないことが証明できればより容易に部分切除できる。この場合には、たやすく尿管の再構築、および尿管膀胱の連続性の修復ができるかに注意がむけられる。これはがんが尿管末端(膀胱近傍)に位置していれば、最も実行可能である。尿管の部分切除が可能でその腎臓側に病変がなければ、部分切除および尿管膀胱吻合が可能となる。
腫瘍が高異型度または浸潤性である場合は、全体的な結果が非常に不良であるため、腎尿管切除や尿管部分切除の際に系統的な所属リンパ節郭清術を行っても手術の有効性を高めるという知見は得られていない。同様に、リンパ節浸潤は表在性病変ではまれでリンパ節切除による新たな腫瘍切除の可能性は低い。腎尿管切除時のリンパ節郭清から予後に関する情報は得られても、治療効果はほとんど期待できない。
- 限局性腎盂と尿管の移行上皮がん
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標準治療法の選択肢:
- 膀胱カフ切除を伴う腎尿管摘除術。
- 腫瘍が表在性で尿管遠位1/3に限局する場合に限って、尿管部分切除術。
臨床評価段階にある治療法の選択肢:
内視鏡泌尿器科学的治療器具が進歩して上部尿路の移行上皮がんを局所的に処理する新しい選択肢が得られている。経尿道的または経皮的な上部尿路への到達法と電気焼灼や電気切除の器具またはレーザープローブの導入により原発巣の治療あるいは焼灼が可能となった。細胞毒性のある薬剤の注入もなされている。病期決定のために生検を行うことがあるが、この方法の正確性はまだ確定されていない。これらの方法による治療の効果はまだ確立されていない。
- 腫瘍が表在性の場合、電気切除および電気焼灼またはレーザー焼灼法。
- 単腎あるいは腎機能障害がある場合、いずれかの腎実質保存法(部分切除;経尿道鏡的または経皮的内視鏡手術/電気焼灼/レーザー破壊法)。
- 腎盂内あるいは尿管内細胞毒性/免疫療法。表在性の膀胱の移行上皮がんに対して膀胱内細胞毒性剤(チオテパ、マイトマイシン、ドキソルビシン)または免疫/炎症(カルメット・ゲラン結核予防ワクチン[BCG]、インターフェロン)療法による劇的な成功が報告され、これらの薬剤が上部尿路がんの治療に随時使用されている。一般に、これらの治療結果の長期的な追跡は報告されておらず、このアプローチの効力は評価不能であるが、それは主として、臨床結果に影響を与える芳しくない臨床状態(単腎、腎機能不全、手術に対する医学的リスク)を有する患者に経験が限られてきたためである。このアプローチの使用は以下によって制限される。
- レーザー蒸散/凝固療法。上部尿路へ経尿道的または経皮的に到達可能になり表在性の上部尿路移行上皮がんの治療にレーザー療法が施行可能となっている。このアプローチには焼灼される病変の正確な病期と十分な映像化に依存する。このアプローチの結果は現在のところ予備段階であり評価はできない。しかしながら、治療の効力は初期治療時の病期診断の正確さと患者の病変の再発および予想される進行に関するモニタリングの容易さに左右される。
最新の臨床試験
NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、 臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、 こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。
- 局所性腎盂と尿管の移行上皮がん
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進展した局所性病変の治療については、放射線療法や全身化学療法のいずれによっても成功したと十分に立証された報告はない。進展した局所性病変を有する患者には臨床試験を考慮すべきである。
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- 転移性または再発腎盂と尿管の移行上皮がん
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転移性または再発移行上皮がん患者の予後は不良である。再発に対する正しい治療は再発部位、これまでの治療の範囲、および個々の患者の考慮事項に依存する。転移性膀胱がんで有効性が示された化学療法レジメンは他臓器の移行上皮がんにも一般に適応されている。遠隔転移を有する患者の予後は不良で、臨床試験段階の治療法が適宜施行される。
転移性または再発膀胱移行上皮がん患者では、多剤併用化学療法が高い反応割合や時には完全反応をきたしている。[ 1 ][ 2 ]進行膀胱がんにおいてM-VAC(メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシンおよびシスプラチン)療法とシスプラチン単剤療法とを比較するランダム化試験の成績は、反応割合および生存期間中央値でもM-VAC療法が有意に優れていることを示した。この共同研究グループ試験におけるV-MACの全反応割合は39%であった。[ 3 ]
転移移行上皮がんで活性を示しているその他の化学療法薬物を以下に示す:[ 4 ][ 5 ][ 6 ][ 7 ][ 8 ][証拠レベル:3iiiDiv]
シスプラチンによる治療歴がある患者においては、イホスファミド、硝酸ガリウム、およびペメトレキセドの活性は限られていることが示されている。
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参考文献- Sternberg CN, Yagoda A, Scher HI, et al.: Methotrexate, vinblastine, doxorubicin, and cisplatin for advanced transitional cell carcinoma of the urothelium. Efficacy and patterns of response and relapse. Cancer 64 (12): 2448-58, 1989.[PUBMED Abstract]
- Harker WG, Meyers FJ, Freiha FS, et al.: Cisplatin, methotrexate, and vinblastine (CMV): an effective chemotherapy regimen for metastatic transitional cell carcinoma of the urinary tract. A Northern California Oncology Group study. J Clin Oncol 3 (11): 1463-70, 1985.[PUBMED Abstract]
- Loehrer PJ, Einhorn LH, Elson PJ, et al.: A randomized comparison of cisplatin alone or in combination with methotrexate, vinblastine, and doxorubicin in patients with metastatic urothelial carcinoma: a cooperative group study. J Clin Oncol 10 (7): 1066-73, 1992.[PUBMED Abstract]
- Roth BJ: Preliminary experience with paclitaxel in advanced bladder cancer. Semin Oncol 22 (3 Suppl 6): 1-5, 1995.[PUBMED Abstract]
- Witte RS, Elson P, Bono B, et al.: Eastern Cooperative Oncology Group phase II trial of ifosfamide in the treatment of previously treated advanced urothelial carcinoma. J Clin Oncol 15 (2): 589-93, 1997.[PUBMED Abstract]
- Einhorn LH, Roth BJ, Ansari R, et al.: Phase II trial of vinblastine, ifosfamide, and gallium combination chemotherapy in metastatic urothelial carcinoma. J Clin Oncol 12 (11): 2271-6, 1994.[PUBMED Abstract]
- Pollera CF, Ceribelli A, Crecco M, et al.: Weekly gemcitabine in advanced bladder cancer: a preliminary report from a phase I study. Ann Oncol 5 (2): 182-4, 1994.[PUBMED Abstract]
- Sweeney CJ, Roth BJ, Kabbinavar FF, et al.: Phase II study of pemetrexed for second-line treatment of transitional cell cancer of the urothelium. J Clin Oncol 24 (21): 3451-7, 2006.[PUBMED Abstract]
- 本要約の変更点(01/30/2020)
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PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。
転移性または再発腎盂と尿管の移行上皮がん
本セクションは転移性腎盂と尿管の移行上皮がんから改名された。
本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。
- 本PDQ要約について
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本要約の目的
医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、腎盂と尿管の移行上皮がんの治療について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。
査読者および更新情報
本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。
委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:
要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。
本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。
証拠レベル
本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。
本要約の使用許可
PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。
本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:
PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Transitional Cell Cancer of the Renal Pelvis and Ureter Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/kidney/hp/transitional-cell-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389446]
本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。
免責条項
入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。