ご利用について
このPDQがん情報要約では、疼痛の原因と治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- がんの疼痛に関する一般的な情報
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がんやがん治療、診断検査は、疼痛(痛み)を引き起こすことがあります。
疼痛は、がん患者さんに最もよくみられる症状の1つです。疼痛はがんやがん治療によって、あるいはいくつかの要因が組み合わさって起こります。腫瘍、手術、静脈内化学療法、放射線療法、標的療法、ビスフォスフォネート薬などの支持療法、診断手技は、疼痛(痛み)を引き起こすことがあります。
若年の患者さんは、年長の患者さんよりもがんの痛みと疼痛のフレアが生じやすいようです。進行がんの患者さんは疼痛も強く、また、多くのがん生存者の方は、がん治療の終了後も継続して痛みを経験します。
本要約は、成人のがんの疼痛を管理する方法について書かれたものです。
検査や手技の間またはその前後に疼痛を管理することができます。
検査や処置は痛みを伴うことがあります。そのため、処置を開始する前に疼痛管理を始めることが有用です。患者さんを落ち着かせたり、眠らせたりする働きのある薬物を使用することがあります。イメージ法やリラクゼーション法などの療法も、治療に伴う疼痛や不安の制御に役立ちます。さらに、処置の間に何が行われるかを事前に把握し、家族や友人にそばにいてもらうことで、患者さんの不安感は軽減するでしょう。
各種のがん治療法が特有の疼痛を引き起こすことがあります。
患者さんは、受ける治療によって異なる種類の疼痛を感じることがあります:
末梢神経障害は化学療法により引き起こされることのある疼痛の一種です。
末梢神経障害は手や足の痛み、しびれ、刺痛を引き起こすことのある神経障害です。化学療法を受けている患者さんは、化学療法誘発性の末梢神経障害(CIPN)を起こすことがあります。患者さんによっては、化学療法が終了した後もCIPNが続きます。
CIPNの治療に用いられる薬物や天然物の研究では、一貫した結果が得られていません。デュロキセチンはCIPNの治療薬として研究されています。
CIPNに鍼療法を適用した複数の研究の結果が報告されています。これらの研究についてのより詳細な情報は、鍼灸に関する要約の化学療法誘発性末梢神経障害のセクションをご覧ください。
がんの疼痛は、治療終了後でも生活の質と活動能力に影響を及ぼすことがあります。
がん治療の終了後にも重度の疼痛または持続する疼痛があると、不安や抑うつのリスクが高まります。抑うつの感情や不安ががんの疼痛を増幅し、痛みの制御がより難しくなることもあります。疼痛のために働けなくなる患者さんもいます。
疼痛管理によって、生活の質が改善する可能性があります。
疼痛は、ほとんどのがん患者さんにおいてコントロールできます。がんによる疼痛が必ずしも完全になくなるとは限りませんが、大部分の患者さんが抱える疼痛は、いくつかの方法で和らげることが可能です。疼痛管理を行うと、がん治療の間や終了後の生活の質を改善することができます。
- がんの疼痛の評価
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医療チームは最良の治療法を決定するために患者さんの疼痛について質問します。
重要なのは、疼痛の原因を早期に特定し、迅速に治療を行うことです。医療チームは、次のような機会に頻繁に患者さんの疼痛の程度を測定します:
- がん治療の開始後。
- 種類を問わず、疼痛治療を開始した後。
- 新たな疼痛が発生したとき。
患者さんの状態を把握するために、医療チームは痛みについて次のように尋ねます:
- いつ痛みが始まりましたか。
- 痛みはどのくらいの間、続きますか。
- どこが痛みますか。自分の身体や人体図を用いて、正確な疼痛の部位を患者さんに指し示してもらいます。
- 痛みの強さはどのくらいですか。痛みの強さを1~10で表すように求められます(10が最も強い)。
- 痛みが起こる部位や時間は変化しますか。
- 痛みが和らぐ、または悪化するきっかけは何ですか。
- 日中または夜間の特定の時間帯に痛みが悪化することはありますか。
- 突出痛(薬物で痛みを管理しているにもかかわらず急速に生じる強い痛み)はありますか。
- 睡眠障害、疲労、抑うつ、不安などはありますか。
- 痛みのせいで、食事や入浴、移動するなどの日常活動に支障が出ていますか。
さらに医療チームは患者さんの既往歴を確認し、次のような情報を把握します:
医療チームに提供された情報は、患者さんの疼痛を和らげる方法を決定するために用いられます。治療法には薬物療法とそれ以外の治療法があります。ときに患者さんは、疼痛管理や緩和ケアの専門家に紹介されることがあります。担当の医療チームは患者さんとともに、治療の有益性がリスクを上回るかどうかを見極めます。加えて、疼痛治療によってどの程度の緩和が見込めるかを判断し、患者さんに説明します。疼痛管理の開始後は、医師が患者さんにどのくらい治療が効いているかを尋ね、必要に応じて変更を行います。
患者さんが言葉の問題や認知障害などを抱えている場合には、ご家族や介護者に回答してもらうこともあります。
- 薬物によるがんの疼痛管理
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医師は、疼痛が軽度、中等度、重度のいずれであるかを考慮して薬物を処方します。
医師は患者さんの疼痛を軽減するための薬物を処方します。これらの薬物は、体内での濃度を一定に保つためにスケジュールに従って使用する必要があり、それが疼痛の再発予防につながります。薬物は口から服用したり、点滴または注射などの方法で投与したりします。
定められた投与時刻の合間に発生した疼痛に対し、適宜使用できるように、追加分の用量が処方されることもあります。医師は患者さんの必要に応じて薬物の投与量を調整します。
0~10の尺度で痛みの程度を表し、使用する鎮痛薬を決定します。この尺度では次のように痛みを表現します:
- 0は無痛。
- 1~3は軽度の疼痛。
- 4~6は中等度の疼痛。
- 7~10は重度の疼痛。
数値で痛みを表現することが難しい患者さん向けに、楽しい顔と悲しい顔のイラストで痛みの強さを表す尺度もあります。これらの尺度は記憶や思考の障害をもつ成人の患者さんに有用であるほか、幼児の患者さんも利用することができます。
アセトアミノフェンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、軽度の疼痛の軽減に用いられます。
アセトアミノフェンとNSAIDは軽度の疼痛の軽減に役立ちます。中等度から重度の疼痛に対し、オピオイド薬と併用される場合もあります。
この種類の鎮痛剤には以下のようなものがあります:
NSAIDの副作用には胃、腎臓、心臓、血液の問題などがあります。患者さんがアセトアミノフェンまたはNSAIDを使用している場合は、副作用の有無を入念に観察する必要があり、高齢の患者さんでは特に注意します。詳しい情報については、高齢患者さんのがんの疼痛治療をご覧ください。
オピオイド薬は中等度から重度の疼痛の軽減に使用されます。
オピオイド薬は中等度から重度の疼痛の軽減に非常に効果的です。がんの疼痛を抱える患者さんでは、長期間の使用のためにオピオイド薬で疼痛が軽減されなくなる場合があります。これは耐性と呼ばれる状態です。患者さんの体が以前と同じ用量のオピオイド薬に反応しなくなった場合は、より多くの用量を投与するか、別のオピオイド薬を使用する必要があるかもしれません。特定のオピオイド薬への耐性は、その薬に対する身体依存を意味します。これは嗜癖(心理的依存)とは異なる状態です。
1999年以降、米国ではオピオイドの処方箋の数が増加し、薬物の過量投与による死亡件数も増えています。ほとんどの患者さんはがんの疼痛を管理するために処方されたオピオイド薬を安全に使用していますが、オピオイドに依存してしまう患者さんもいます。担当医は慎重にオピオイドを処方し注意深く監視を続けるので、患者さんは疼痛の治療を安全に受けることができます。
オピオイド薬には、次のようにいくつもの種類があります:
医師は薬物を処方し、疼痛を最も効果的に制御するための用法を指示します。そのうえで、患者さんと介護にあたるご家族が安全に使用、保管、処分する方法を知っておくことも大切です。
がんの疼痛を抱える患者さんのほとんどは、定期的にオピオイド薬の投与を受けます。
定期的なオピオイド薬の使用は、疼痛を軽減し、悪化を防ぐために役立ちます。その投与間隔は、使用するオピオイドの種類によって異なります。最小の副作用で疼痛をコントロールできる量が、最適なオピオイド薬の投与量です。オピオイド薬への耐性が生じた場合は(現行の用量でオピオイド薬が効かなくなったときは)、オピオイド薬の用量を増やすか別のオピオイド薬に切り替える必要があります。
オピオイド薬の投与方法は様々です。
オピオイド薬は以下の方法で投与されます:
- 口:患者さんの胃と腸が正常であれば、通常は薬剤を口から服用します。経口のオピオイド薬は使用しやすく、一般に低コストです。経口オピオイド薬は、舌の下(舌下投与)や頬の内側(口腔投与)に置き、吸収させる場合もあります。
- 直腸:口からオピオイド薬を服用できない場合は、直腸に座薬を入れて投与する方法があります。
- 皮膚用パッチ:オピオイドのパッチ剤を皮膚に貼ります(経皮投与)。
- 鼻腔スプレー:オピオイド薬は鼻腔スプレーの剤形で用いる場合もあります。
- 静脈内(IV)ライン:他の簡単で安価な方法が使用できない場合や有効でない場合、または患者さんが望まない場合にのみ、オピオイド薬を静脈から投与します。患者さんが管理する鎮痛法(PCA)用のポンプは、IVラインを介して疼痛を管理する方法の1つです。PCAポンプを使用すると、患者さんが自分で薬物の量を調節することができます。PCAポンプには細い管がつながっており、コンピュータ制御されたポンプのボタンを押すと、事前に設定された用量でオピオイド薬が投与されます。いったん疼痛の管理を行ってから、患者さんがPCAポンプで使用した用量に基づいて、医師が通常のオピオイドの用量を決定する場合もあります。
- 皮下注射:皮膚のすぐ下に位置する組織の脂肪層に、オピオイド薬を注入します。
- 髄腔内注射:髄腔内投与では、脊髄を取り囲む液体内にオピオイド薬を注入します。この方法は、管理が困難な疼痛を抱える患者さんに対して、局所麻酔との併用で施行される場合があります。
オピオイドには、典型的な副作用がいくつかあります。
医師はオピオイド治療を始める前に患者さんと副作用について話し合い、その後も患者さんに副作用が生じていないかを監視します。典型的な副作用には、次のものがあります:
吐き気と眠気はオピオイド治療の開始時に非常に多くみられるものの、通常は2~3日以内に改善します。
オピオイド薬には胃腸の筋肉の収縮や動きを低下させる作用があるため、便の硬化を引き起こします。便を柔らかくして便秘を予防するために、十分な量の水分を摂取すること、食物繊維を豊富に含む食事をとること、日常的に運動することに加えて、下剤を使用することが重要です。腸閉塞や下痢などの問題がなければ、オピオイド薬の使用中に起きかねない便秘などの消化器の問題を予防するための治療計画が患者さんに示されます。
他のオピオイド治療の副作用には、以下のものがあります:
オピオイドを使用すると、以下のリスク因子をもっている患者さんの神経系が損傷を受けやすくなります:
副作用がつらい場合や悪化した場合は、担当の医師にご相談ください。担当医はそうした副作用を軽減するために、オピオイド薬の用量を減らしたり、別の種類のオピオイド薬に切り替えたり、投与方法を変更したりします。これらの副作用に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
疼痛を治療するために、他の薬物が追加されることがあります。
鎮痛目的で、オピオイド薬と同時に他の薬物が使用されることがあります。これらはオピオイド薬の効果を増大させ、症状を治療し、特定の種類の疼痛を軽減するための薬物です。以下の種類の薬物が用いられます:
- 抗うつ薬。
- 抗痙攣薬。
- 局所麻酔。
- コルチコステロイド薬。
- ビスフォスフォネート薬とデノスマブ。
これらの薬に対する反応は患者さんごとに大きく異なります。副作用が現れることも多く、その場合は医師に報告するべきです。
ビスフォスフォネート薬(パミドロン酸、ゾレドロン酸とイバンドロネート)は、がんが骨に拡がっている場合に使用されることのある薬物です。これらは静脈内注入で投与し、疼痛を軽減して骨折のリスクを減らすために他の治療と併用します。しかし、ビスフォスフォネート薬は重大な副作用を引き起こすことがあります。筋肉や骨に強い痛みがある場合は、医師に相談してください。ビスフォスフォネート薬療法が中止される場合もあります。
ビスフォスフォネート薬の使用についてはさらに、ビスフォスフォネート関連骨壊死(BON)のリスクとの関連性も示されています。詳しい情報については、化学療法と頭頸部放射線療法の口腔合併症に関する要約をご覧ください。
骨に転移したがんに用いられる別の薬物にデノスマブがあります。この薬物は皮下注射で投与し、疼痛を予防、軽減する作用があります。
- がんの疼痛に対する他の治療法
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がんの疼痛はほとんどが薬物で制御できますが、患者さんによっては薬物の副作用が多く出すぎる場合や、特定の部位の痛みを別の方法で治療しなければならない場合があります。疼痛を効果的に緩和する方法を見つけるために、担当医にご自身の状況を伝えてください。他に以下のような治療法があります:
神経ブロック
神経ブロックは、神経の内部または周囲に局所麻酔薬などの薬物を注射して、疼痛をブロックする方法です。神経ブロックは、他の方法でコントロールできない疼痛の管理に役立ちます。神経ブロックは、疼痛の発生部位を特定したり、長期間の治療に対する疼痛の反応を予測したりするために行われるほか、特定の処置後に生じる疼痛を予防するためにも用いられます。
脊髄切断術
脊髄切断術は脊髄内の特定の神経を切断して疼痛を軽減する手術手技で、施行されることは多くありません。この手技は痛みと温感や冷感をブロックします。この手技は、終末期の患者さんが他の方法では緩和できない重度の疼痛を抱えている場合に選択されることがあります。
緩和ケア
一部の患者さんは緩和ケアサービスの支援を受けます。緩和ケア提供者は支持療法提供者とも呼ばれます。こうした提供者は医師、看護師、メンタルヘルスの専門家、ソーシャルワーカー、チャプレン、薬剤師、栄養士などから成るチームでケアを行います。緩和ケアには次のような目標があります:
詳しい情報については、進行がんにおける終末期ケアへの移行計画に関する要約をご覧ください。
放射線療法
放射線療法は、皮膚の病変や腫瘍がある患者さん、または骨に転移したがんの患者さんが抱える疼痛の軽減に用いられます。これは症状緩和目的の放射線療法と呼ばれます。放射線は局所療法として、腫瘍や体の広い範囲に直接照射されます。放射線療法は、疼痛を引き起こす腫瘍を縮小させて、薬物や他の治療法の効果を高めます。放射線療法によって、骨痛のある患者さんがあまり痛みを感じず自由に動けるようになる可能性があります。
以下の種類の放射線療法が用いられます:
外照射療法
外照射療法は、機械を用いて身体の外部から高エネルギーのX線や他の種類の放射線をがんのある体の領域に照射します。外照射療法は骨に転移したがんの疼痛を軽減します。放射線療法は単回で照射される場合や、期間内で数回に分割して照射される場合があります。放射線を単回照射するか分割照射するかの決定は、実施する治療の簡便性と費用によって異なります。初回の放射線療法で痛みがほとんどまたは全く軽減されない患者の中には、放射線療法の繰り返しが有用な場合があります。
骨に転移したがんの症状緩和を目的とした放射線療法を受けた後に疼痛のフレア(治療を受けた部位の痛みが一時的に強くなること)が生じることがありますが、この副作用は一時的なものです。
- 高齢患者さんのがんの疼痛治療
高齢者のがんの疼痛治療は、いくつかの要因によって影響を受けます。
いくつかの問題は65歳以上の患者さんに多くみられる傾向があります。こうした患者さんの介護者は、以下のような問題に留意すべきです:
高齢の患者さんには数種類の薬物が処方されることがあります。
高齢患者さんは、複数の慢性疾患を抱え、様々な病態に対する数種類の薬物を使用していることがあります。これにより、薬物相互作用のリスクが増大することがあります。複数の薬物を一緒に使用することで、体内の作用が変化し、患者さんの慢性疾患に影響を及ぼす可能性もあります。
少ない用量から開始します。
高齢の患者さんが鎮痛薬を使用する場合は、痛覚閾値、疼痛の表現、身体機能や精神機能への作用に関する個人差に対応できるよう、低用量から開始し、時間をかけて調節します。高齢の患者さんでは、若年の患者さんに比べて少ない用量で、大きな鎮痛効果が長く持続する可能性があります。
高齢患者さんには薬物の副作用が多くみられる傾向があります。
オピオイド薬やNSAIDを使用する高齢患者さんは、副作用に対する入念な観察を受ける必要があります。詳細については、オピオイドの一般的な副作用をご覧ください。特定のNSAIDの副作用を避けるために、他の薬物を使用することもあります:
- アセトアミノフェン。
- プロトンポンプ阻害薬(NSAIDと併用)。
- 外用NSAID。
- COX-2選択的NSAID(胃と腸にあまり問題を引き起こさないNSAID)。
- がんの疼痛についてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供しているがんの疼痛に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、疼痛の原因と治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Cancer Pain.Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/pain/pain-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389322]
本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。
免責事項
PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。