ご利用について
このPDQがん情報要約では、がん患者さんの食事や栄養補助食品とがん治療の相互作用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 一般的な情報
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米国ではがんを患っている成人の3人に1人以上が、何らかの補完代替医療(CAM)を利用しています。CAM製品には、栄養補助食品、ハーブ製品、特殊なお茶などがあります。抗がん剤とCAMを併用すると、有害な結果を引き起こすことがあります。
栄養補助食品やハーブ、またはその他のCAMを抗がん剤と併用すると、体内での抗がん剤の働き方を変えてしまうという危険性があります。それらのCAMは、抗がん剤が吸収され、全身に運ばれ、体外に排泄される過程を変化させて、予期しない作用を起こさせる可能性があります。
特定の酵素や因子は、体内での薬物の働きを助けます。チトクロムP450スーパーファミリーの酵素は多くの抗がん剤の代謝において主要な役割を担います。輸送蛋白であるP糖蛋白は、体内での抗がん剤の働きに関与する、また別の因子です。栄養補助食品がチトクロムP450酵素やP糖蛋白に影響を及ぼすと、抗がん剤が本来の効き目を発揮できず、患者さんがその薬剤の完全な利益を受けられなくなります。
栄養補助食品と抗がん剤に関する研究は限られていますが、有害な作用や反応が起きることを示す証拠があります。本要約では、食品や栄養補助食品と抗がん剤を併用したときにもたらされる可能性のある影響をいくつか取り上げます。
- 抗酸化物質
抗酸化物質に関する質問と回答
- 1.抗酸化物質とは何ですか。
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抗酸化物質は食品や栄養補助食品に含まれる天然または人工の物質で、フリーラジカル(通常の代謝時に酸化によって作られる不安定な分子)による損傷から、細胞を保護する作用があります。フリーラジカルはがん、心臓病、脳卒中、その他の加齢疾患に関与している可能性があります。
食品に含まれる一般的な抗酸化物質には、以下のようなものがあります:
- 2.抗酸化物質の投与または摂取方法はどのようなものですか。
抗酸化物質は果物や野菜、栄養補助食品に含まれていて、経口で摂取します。
- 3.これまでに抗酸化物質と薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
抗酸化物質を使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象とした抗酸化物質と薬物相互作用についての研究は行われていますか。
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ある研究では、閉経後女性の乳がん生存者を対象として、診断前後での抗酸化物質を含む栄養補助食品の使用状況を調査しました。この研究の結果、化学療法と放射線療法の施行中に抗酸化物質を含む栄養補助食品を使用していた人では、死亡リスクが上昇し、がんのない状態で過ごせる確率が低かったことが明らかになりました。別の研究では、化学療法の前後に抗酸化物質を含む栄養補助食品を使用した乳がんの患者さんにおいて、類似の結果が認められました。
ビタミンEの栄養補助食品を摂取した頭頸部がんの患者さんを対象とした複数の臨床試験で、その栄養補助食品に含まれるα-トコフェロールと呼ばれる化合物の働きが検討されました。研究者らは、α-トコフェロールに化学療法と放射線療法の有害作用を減らす働きがあるかどうかを調べました。一部の臨床試験では、α-トコフェロールが放射線療法による体の損傷を減らす可能性があると報告されましたが、他の臨床試験ではがんが再発する危険性が高くなることが示されています。
- 5.抗酸化物質について副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
化学療法や放射線療法による治療を受けながら、抗酸化物質を含む栄養補助食品を摂取すると、がんのない状態で過ごせる確率が低下する可能性があります。一部の患者さんは、抗酸化物質を含む栄養補助食品が抗がん剤による損傷から健康な細胞を保護したり、そうした損傷を修復したりする作用があると考えて、それらの栄養補助食品を使用しています。がんの標準治療を受けている患者さんが補完療法として、抗酸化物質を含む栄養補助食品を安全かつ有効に使用できるかどうかについては、十分な根拠が得られていません。
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国で抗酸化物質をがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、抗酸化物質をがんやその他の病態の治療薬として使用することを承認していません。
米国では、抗酸化物質は食品または栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、抗酸化物質の栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
- ハーブ
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高麗人参に関する質問と回答
- 1.高麗人参とは何ですか。
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高麗人参はある植物の根の部分で、アジアの伝統医療で栄養補助食品として使用されてきました。高麗人参には以下のような健康上の利益があるとされています:
- 2.高麗人参の投与または摂取方法はどのようなものですか。
高麗人参は経口で摂取する栄養補助食品です。
- 3.これまでに高麗人参と薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
高麗人参を使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象とした高麗人参と薬物相互作用についての研究は行われていますか。
ある症例報告によると、抗がん剤による治療中にエナジードリンクに含まれる高麗人参を摂取した若年男性が肝障害の診断を受けました。エナジードリンクに含まれる高麗人参やその他の成分が肝障害の原因になったのかどうかを明らかにするには、さらなる研究が必要です。
- 5.高麗人参について副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
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最もよく報告される副作用は、睡眠不足です。高麗人参を含む栄養補助食品の摂取による他の副作用には以下のようなものがあります:
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国で高麗人参をがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、高麗人参をがんやその他の病態の治療薬として使用することを承認していません。
米国では、高麗人参は栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、高麗人参の栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
コガネバナ/オウゴニンに関する質問と回答
- 1.コガネバナ(Scutellaria baicalensis)とは何ですか。
コガネバナ(Scutellaria biacalensis)は中国伝統医学で、下痢、肝炎、感染、炎症などの病態の治療に用いられる植物です。コガネバナはオウゴニン、コガネヤナギ、Huang Qinとも呼ばれます。
- 2.コガネバナの投与または摂取方法はどのようなものですか。
コガネバナは経口で摂取する栄養補助食品です。
- 3.これまでにコガネバナと薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
コガネバナを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象としたコガネバナと薬物相互作用についての研究は行われていますか。
コガネバナの安全性や有効性を裏づけるがんの患者さんを対象とした臨床試験やその他の研究は、査読済み科学雑誌では発表されていません。
- 5.コガネバナについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
がんの患者さんを対象とした臨床試験やその他の研究が行われていないため、コガネバナの摂取に伴う副作用や危険性に関する情報は利用できません。複数の研究により、コガネバナが一部の薬物の抗がん作用を変化させる可能性が示されています。
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でコガネバナをがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、コガネバナをがんやその他の病態の治療薬として使用することを承認していません。
米国では、コガネバナは栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、コガネバナの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
セイヨウオトギリソウに関する質問と回答
- 1.セイヨウオトギリソウとは何ですか。
セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum、セントジョンズワート)は、睡眠の問題、肺および腎臓の問題、創傷の治癒に使用されてきた花の咲く植物です。今日では、うつ病に使用されることがよくあります。
- 2.セイヨウオトギリソウの投与または摂取方法はどのようなものですか。
セイヨウオトギリソウは栄養補助食品として利用できます。セイヨウオトギリソウの花は錠剤、茶、カプセル、エキスの形で摂取することができます。
- 3.これまでにセイヨウオトギリソウと薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
セイヨウオトギリソウを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象としたセイヨウオトギリソウと薬物相互作用についての研究は行われていますか。
複数の研究で、抗がん剤を投与されている期間にセイヨウオトギリソウを摂取した患者さんは、血液中の抗がん剤の濃度が低かったことが明らかになりました。セイヨウオトギリソウを摂取していると、抗がん剤の効果が弱くなる可能性があります。
- 5.セイヨウオトギリソウについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
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セイヨウオトギリソウは、体内で他の薬剤が吸収される過程と相互作用します。このような相互作用は、以下のような副作用を引き起こすことがあります:
セイヨウオトギリソウは抗うつ薬と相互作用を起こして、セロトニンという脳内に存在する化学物質が安全ではないレベルで分泌される事態を引き起こすおそれがあります。セロトニンが一定のレベルまで増加すると、危険な状態になる可能性があります。
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でセイヨウオトギリソウをがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、セイヨウオトギリソウをがんやその他の病態の治療薬として使用することを承認していません。
米国ではセイヨウオトギリソウは栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、セイヨウオトギリソウの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
ライコウトウ(雷公藤)に関する質問と回答
- 1.ライコウトウとは何ですか。
ライコウトウ(雷公藤)は中国伝統医学で炎症への対処と免疫反応の抑制に使用されるハーブで、Tripterygium wilfordii Hook f(TwHf)とも呼ばれます。ライコウトウに含まれるトリプトライドとセラストロールという2種類の成分について、抗がん作用を検討する研究が行われています。
- 2.ライコウトウの投与または摂取方法はどのようなものですか。
ライコウトウは経口で摂取することができる栄養補助食品です。皮膚に塗布されることもあります。
- 3.これまでにライコウトウと薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
ライコウトウを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象としたライコウトウと薬物相互作用についての研究は行われていますか。
ライコウトウの安全性や有効性を裏づけるがんの患者さんを対象とした臨床試験やその他の研究は、査読済み科学雑誌では発表されていません。
- 5.ライコウトウについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
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ライコウトウは、以下のような副作用を引き起こすことがあります:
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でライコウトウをがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、ライコウトウをがんやその他の病態の治療薬として使用することを承認していません。
米国では、ライコウトウは栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、ライコウトウの栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
- 食品
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グレープフルーツに関する質問と回答
- 1.グレープフルーツとは何ですか。
グレープフルーツは柑橘類の果物です。グレープフルーツやダイダイ、ザボン、ライムといったグレープフルーツに近い種類の果物は、抗がん剤と相互作用を起こすことが知られています。果実の種には、有害作用を引き起こす可能性のあるフラノクマリンが含まれています。
- 2.グレープフルーツの投与または摂取方法はどのようなものですか。
グレープフルーツはそのまま食べたり、栄養補助食品(種から抽出したエキス)として摂取したりします。グレープフルーツジュースとして飲む場合もあります。
- 3.これまでにグレープフルーツと薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
グレープフルーツを使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象としたグレープフルーツと薬物相互作用についての研究は行われていますか。
1件の小規模ランダム化試験で、グレープフルーツジュースを飲んだ人は飲まなかった人に比べて、エトポシドという抗がん剤が血流中に入る量が少なかったことが示されました。しかし、抗がん剤のイマチニブ、スニチニブ、ニロチニブについて検討した研究では、グレープフルーツジュースを飲むことで、それらの抗がん剤が血流中に入る量が増加しました。
- 5.グレープフルーツについて副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
グレープフルーツは、様々な健康問題の治療に使用される多くの薬剤との間で相互作用を起こす可能性があります。グレープフルーツジュースとグレープフルーツの種子に含まれるフラノクマリンは、一部の抗がん剤との相互作用が報告されています。
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国でグレープフルーツをがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、グレープフルーツをがんやその他の病態の治療薬として使用することを承認していません。
米国では、グレープフルーツは食品または栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、グレープフルーツ種子抽出物の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
緑茶に関する質問と回答
- 1.緑茶とは何ですか。
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緑茶はチャノキ(Camellia sinensis)という植物から作られます。緑茶はコレステロールを低下させるために、あるいは体重減量や精神の覚醒状態、消化器症状の改善を目的として使用されています。
研究されている緑茶の健康上の利益は、ポリフェノールと呼ばれる化合物に由来すると考えられています。ポリフェノールは植物由来化学物質のグループの1つで、その中にはカテキン(損傷から細胞を保護する働きのある抗酸化物質)も含まれています。緑茶に含まれるポリフェノールのほとんどがカテキンです。
- 2.緑茶の投与または摂取方法はどのようなものですか。
- 3.これまでに緑茶と薬物相互作用についての基礎研究や動物試験は行われていますか。
緑茶を使用した基礎研究と動物試験の詳細については、がん治療と食品および栄養補助食品の相互作用に関する医療専門家向けの要約で、Laboratory/Animal/Preclinical Studies(基礎研究/動物試験/前臨床研究)のセクションを参照してください。
- 4.がんの患者さんを対象とした緑茶と薬物相互作用についての研究は行われていますか。
ヒトを対象とした臨床研究は少数に限られています。1件の症例研究で、抗がん剤の使用中に緑茶を飲んだ転移性腎細胞がんの患者さんについて、症状管理の悪化が報告されています。それらの症状は患者さんが緑茶を飲むのを止めると改善されました。
- 5.緑茶について副作用や何らかの危険性は報告されていますか。
大量の緑茶(毎日8杯を超える量)を飲むと、危険性が生じたり副作用が起きたりする場合があります。まれに、錠剤の緑茶抽出物は肝臓の損傷を引き起こすことがあります。緑茶は他の薬剤と相互作用を起こすことがあります。抗がん剤と併用した場合の緑茶の安全性や有効性は、研究で明らかになっていません。
- 6.米国食品医薬品局(FDA)は、米国で緑茶をがんの治療薬として使用することを承認していますか。
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FDAは、緑茶をがんの治療薬として使用することを承認していません。
FDAのDivision of Drug Oncology Products(抗腫瘍薬製品担当部門)では、臨床試験に参加している患者さんに緑茶抽出物を食事と一緒に経口で摂取するよう勧告し、治療中には肝機能検査を検討することを勧めています。
米国では、緑茶は食品または栄養補助食品として入手することができます。FDAは栄養補助食品の安全性と有効性に関する承認を行いません。栄養補助食品の製造者には、安全な栄養補助食品を製造し、正確なラベル表示を記載して、消費者の誤解を招かないようにする責任があります。栄養補助食品の製法はFDAにより規制されていないため、緑茶の栄養補助食品の製造ロットや銘柄によって内容が異なる可能性があります。
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、がん患者さんの食事や栄養補助食品とがん治療の相互作用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Board.PDQ Cancer Therapy Interactions With Foods and Dietary Supplements.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/patient/dietary-interactions-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.
本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。
免責事項
PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。
- 補完代替医療(CAM)についての一般的な情報
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補完代替医療(CAM)は、統合的医療とも呼ばれ、ヒーリングに関する原理やアプローチ、治療法などを幅広く意味します。従来の治療に加えて実施する場合は補完療法と呼ばれ、また、従来の治療の代わりに実施する場合は、よく代替療法と呼ばれます(従来の治療とは医学界で広く受け入れられ、かつ主流となっている治療を意味します)。どのように用いられるかによって、補完療法とみなされる場合と、代替療法とみなされる場合があります。補完代替療法は、病気の予防やストレスの軽減、副作用や症状の予防と軽減、そして疾患の管理や治癒を目的として用いられます。
がんの従来の治療とは異なり、補完代替療法は保険が適用されないことが多くあります。患者さんは加入保険会社に、補完代替医療が保険の適用対象となっているかどうかを確認することをお奨めします。
補完代替療法を検討されているがん患者さんは、どんな治療法でも必ず、担当医や看護師、薬剤師と相談して意思決定を行ってください。補完代替療法の中には、標準治療を妨げるものや、従来の治療と併用した場合に有害となるものがあります。
- 補完代替医療(CAM)の治療法の評価
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CAM療法は、従来の治療に対する検証と同じように、科学的な方法で検証することが重要です。米国国立がん研究所および米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は医療施設において、がんに対するCAM療法の検証を行うための臨床試験(調査研究)を数多く主催しています。
一般的に、がんの治療における従来のアプローチは、多数の患者さんを対象とした臨床試験の実施など、科学的プロセスを経て、安全性や有効性が検討されています。それに比べ、補完代替医療の安全性や有効性についてはあまり知られていません。ほとんどのCAM療法は厳密な科学的方法で検証されていません。純粋に代替アプローチとみなされていた少数のCAM療法は、治癒を目指すものではなく、患者さんをより楽にし回復を早めるための補完医療として、がんの治療で用いられつつあります。1つの例が鍼療法です。1997年11月に開催された米国国立衛生研究所(NIH)の専門家委員会によると、鍼療法は化学療法に関連した吐き気や嘔吐、そして手術に関連した疼痛の管理を助けることがわかりました。一方で、レートリルの使用などのいくつかのアプローチは、検討の結果、効果がないか、または有害となりうることがわかりました。
1991年に始まったNCIのBest Case Series Programは、臨床で用いられているCAMアプローチの評価を行うプログラムの1つです。このプログラムはNCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)の監視下で進められています。がん代替医療を行う医療専門家は、患者さんのカルテや関連資料をOCCAMに提出します。OCCAMはこれらの資料を慎重に検討し、さらに調査を行う価値があるかどうかを判断します。
- 補完代替医療(CAM)について医療提供者に質問すべきこと
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補完代替療法を受けることを考えている場合、患者さんは主治医などの医療提供者に次の質問を行ってください。
- 補完代替医療(CAM)についてさらに知るには
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米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)
米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、補完代替医療の研究および評価を促進し、医療専門家や一般の方を対象に様々なアプローチについての情報を提供しています。
CAM on PubMed
NCCIHおよびNIH国立医学図書館(NLM)は共同でCAM on PubMedを開発し、CAMに関連するジャーナルの記載内容を無料かつ簡単に検索できる機能を提供しています。NLMの図書目録データベースのサブセットとして、CAM on PubMedには様々な科学ジャーナルのCAMに関連する論文から、230,000を超える文献や抄録が登録されています。このデータベースはさらに、1,800を超えるジャーナルにリンクしており、ユーザーが論文全文を参照できるようになっています(論文全文を参照するには、購読料などの費用が発生する場合があります)。
がん補完代替医療オフィス
NCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)は、補完代替医療(CAM)の分野におけるNCIの活動をコーディネートしています。OCCAMはCAMのがん研究をサポートし、がんに関連するCAMについての情報を、NCIのウェブサイトを通して医療提供者や一般の方に提供しています。
米国国立がん研究所(NCI)のがん情報サービス
米国にお住まいの方は、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)にフリーダイヤル+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)で電話をすることができます(月曜日から金曜日の午前9時から午後9時まで)。訓練を受けたがん情報スペシャリストが質問にお答えします。
食品医薬品局
食品医薬品局(FDA)は、薬物や医療機器を規制し、それらの安全性と有効性を確保しています。
連邦取引委員会
連邦取引委員会(FTC)は消費者保護法を施行しています。FTCから入手可能な出版物は以下の通りです: