患者さん向け 慢性骨髄増殖性腫瘍の治療(PDQ®)

ご利用について

このPDQがん情報要約では、慢性骨髄増殖性腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

CONTENTS 全て開く全て閉じる

慢性骨髄増殖性腫瘍についての一般的な情報

骨髄増殖性腫瘍とは、骨髄において赤血球、白血球、または血小板が過剰に作られるようになる疾患群のことです。

正常な状態の骨髄では、いずれは成熟した血液細胞に成長する血液幹細胞(未熟な細胞)が作られます。

骨の解剖図:海面骨、赤色骨髄、黄色骨髄を示す図。骨の断面図は、緻密骨および骨髄中の血管を示す。また、赤血球、白血球、血小板、および血液幹細胞も示している。

画像を拡大する

骨の解剖図。骨は、緻密骨、海面骨、骨髄で構成されています。緻密骨は、骨の外層を形成しています。海面骨は、ほとんどが骨の末端にみられ、赤色骨髄を含んでいます。骨髄は、ほとんどの骨の中心に存在し、多くの血管が走っています。骨髄には、赤色骨髄と黄色骨髄の2種類があります。赤色骨髄には、白血球、赤血球、血小板になる能力を持つ血液幹細胞が含まれています。黄色骨髄は、大部分が脂肪でできています。

この血液幹細胞はまず骨髄幹細胞リンパ系幹細胞に成長します。リンパ系幹細胞は白血球になります。骨髄系幹細胞は以下の3種類の成熟血液細胞のいずれかになります:

血液細胞の成長:血液幹細胞が段階を経て赤血球、血小板、または白血球に成長する様子を示す。図には、骨髄系幹細胞が赤血球、血小板、骨髄芽球に成長し、さらに骨髄芽球が白血球に成長する様子が示されている。図にはさらに、リンパ幹細胞がリンパ芽球に成長し、これがさらに数種類の白血球のいずれかに成長する様子も示されている。

画像を拡大する

血液細胞の成長。血液幹細胞はいくつかの段階を経て赤血球、血小板、または白血球になります。

骨髄増殖性腫瘍では、過剰な数の血液幹細胞が1種類または複数の種類の血液細胞になります。この腫瘍は通常、過剰な血液細胞の数が増加するにつれて、ゆっくりと悪化していきます。

慢性骨髄増殖性腫瘍には6つの種類があります。

骨髄増殖性腫瘍の種類は、赤血球、白血球、血小板のうち、どの血液細胞が過剰に作られているかに基づいて分類されています。2種類以上の血液細胞が過剰に作られるようになる場合もありますが、1種類の血液細胞が他の種類よりも大きな影響を受けるのが通常です。慢性骨髄増殖性腫瘍には、以下の6種類があります:

以上の種類については本要約で説明されています。慢性骨髄増殖性腫瘍は、異常な白血球が過剰に作られる疾患である急性白血病に進展する場合があります。

慢性骨髄増殖性腫瘍を診断するために、血液と骨髄を調べる検査が行われます。

以下のような検査法や手技が用いられます:

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病は、骨髄白血球が過剰に作られるようになる疾患です。この疾患の診断病期分類、治療法に関する情報については、PDQ慢性骨髄性白血病の治療に関する要約をご覧ください。

真性赤血球増加症

真性赤血球増加症は、骨髄において赤血球が過剰に作られるようになる疾患です。

真性赤血球増加症では、過剰な赤血球のために血液は粘稠な状態となります。白血球の数や血小板の数も増加する場合があります。こうした過剰な血液細胞脾臓に蓄積されると、脾臓の腫大が引き起こされます。血液中の赤血球や白血球、血小板の増加によって、出血に関係する問題が発生したり、血管内に血栓(凝血塊)が生じたりする可能性もあります。これにより、脳卒中や心臓発作のリスクが高まる場合があります。65歳を過ぎた患者さんまたは血栓の既往がある患者さんでは、脳卒中や心臓発作のリスクが高くなります。また、患者さんが急性骨髄性白血病または原発性骨髄線維症を発症するリスクも高まります。

真性赤血球増加症の症状には、頭痛や左側の肋骨の奥の膨満感があります。

真性赤血球増加症では、しばしば初期の徴候症状が現れないことがあります。通常の血液検査の際に発見されることもあります。血液細胞の増加に伴い、徴候や症状が現れることがあります。ただし、他の病態が原因で、同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:

真性赤血球増加症の診断には、特殊な血液検査が用いられます。

真性赤血球増加症の診断には、全血球算定検査、骨髄穿刺と骨髄生検細胞遺伝学的分析に加えて、血清エリスロポエチン検査が行われます。この検査では、血液のサンプルを調べて、エリスロポエチン(新たな赤血球の生産を促進するホルモン)の濃度を測定します。真性赤血球増加症では、体内で赤血球細胞をそれ以上作る必要がないので、エリスロポエチンの濃度が正常より低くなることがあります。

原発性骨髄線維症

原発性骨髄線維症は、骨髄の内部に異常な血液細胞や線維が蓄積する疾患です。

骨髄は、血液細胞赤血球白血球血小板)を作る造血組織とその造血組織を支える網目状の線維から構成されています。原発性骨髄線維症(慢性特発性骨髄線維症とも呼ばれる)では、多数の血液幹細胞が正しく成熟できない血液細胞(芽球)になります。さらに骨髄内部の網目状の線維が(瘢痕組織のように)肥厚し、このことによって造血組織における血液細胞の産生能力が低下します。そのため、造血組織における血液細胞の生産量が次第に減少していきます。このような骨髄内における血液細胞の生産量の減少を補うために、肝臓脾臓でも血液細胞の生産が開始されます。

原発性骨髄線維症の症状に、左側の肋骨の奥の痛みとひどい疲労感があります。

原発性骨髄線維症では、しばしば初期の徴候症状が現れないことがあります。通常の血液検査の際に発見されることもあります。原発性骨髄線維症では以下のような徴候や症状がみられますが、これらは他の病態によって引き起こされることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:

原発性骨髄線維症の予後(回復の見込み)と治療法の選択は、いくつかの特定の要因に左右されます。

予後を左右する因子には以下のものがあります:

本態性血小板血症

本態性血小板血症は、骨髄において血小板が過剰に作られるようになる疾患です。

本態性血小板血症では、血液骨髄で作られる血小板の数が異常に増加します。

本態性血小板血症の患者さんでは、徴候や症状が何もみられない場合があります。

本態性血小板血症では、しばしば初期の徴候症状が現れないことがあります。通常の血液検査の際に発見されることもあります。本態性血小板血症では以下のような徴候や症状がみられますが、これらは他の病態によって引き起こされることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:

血小板は粘稠な物質です。血小板が過剰に存在すると、そうした血小板が凝集することによって、血液の循環に問題が生じる可能性があります。血管内に血栓(凝血塊)が形成されたり、さらに、出血の頻度が増加したりする可能性もあります。また、脳卒中や心臓発作など、重篤な健康上の問題を引き起こす可能性があります。

本態性血小板血症の予後(回復の見込み)と治療法の選択は、いくつかの特定の要因に左右されます。

予後と治療選択肢を左右する因子には以下のものがあります:

慢性好中球性白血病

慢性好中球性白血病は、過剰な数の血液幹細胞好中球という種類の白血球になる疾患です。好中球とは、死んだ細胞や外来性の物質(細菌など)を取り囲んで破壊することによって感染防御を担う血液細胞のことです。過剰に増加した好中球が原因となって脾臓肝臓が大きくなる場合があります。慢性好中球性白血病では、症状が変わらないままの場合もあれば、急速に急性白血病へと進行する場合もあります。

慢性好酸球性白血病

慢性好酸球性白血病は、骨髄において白血球(好酸球)が過剰に作られるようになる疾患です。

好酸球白血球の一種で、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)に反応したり、特定の寄生虫による感染に対する防御を担ったりしています。慢性好酸球性白血病では、血液骨髄、その他の組織に過剰な数の好酸球が認められます。慢性好酸球性白血病では、長年にわたって同じ症状のまま経過する場合もあれば、急速に急性白血病へと進行する場合もあります。

慢性好酸球性白血病の徴候や症状に、発熱とひどい疲労感が挙げられます。

慢性好酸球性白血病では、初期の徴候症状が現れないこともあります。通常の血液検査の際に発見されることもあります。慢性好酸球性白血病では以下のような徴候や症状がみられますが、これらは他の病態によって引き起こされることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:

慢性骨髄増殖性腫瘍の病期

慢性骨髄増殖性腫瘍には、標準的な病期分類システムはありません。

がんが体の他の部位に転移しているかどうかを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。慢性骨髄増殖性腫瘍には、標準的な病期分類システムはありません。治療計画を立てるためには、骨髄増殖性腫瘍の種類を把握しておくことが重要です。

治療選択肢の概要

慢性骨髄増殖性腫瘍の患者さんには様々な治療法が存在します。

慢性骨髄増殖性腫瘍の患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の11種類が用いられています:

注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、徴候症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く監視していくことです。

瀉血

瀉血とは、静脈から血液を抜き取る手技のことです。全血球算定(CBC)や血液生化学検査などの検査用に血液サンプルを採取することもあります。瀉血は治療法として用いられることもあり、過剰な赤血球を除去する目的で、患者さんから血液を抜き取ります。このように、瀉血は慢性骨髄増殖性腫瘍に対する治療法の1つとして用いられています。

血小板アフェレーシス

血小板アフェレーシスは、特殊な装置を使用して血液から血小板を除去する治療法です。患者さんから血液を採取し、血液細胞の分離装置に通すことによって血小板を除去します。その後、残った血液を患者さんの体内に戻します。

輸血療法

輸血療法輸血)は、疾患やがん治療によって破壊された血液細胞を補充するために赤血球、白血球、血小板などを投与する治療法です。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。

詳しい情報については、骨髄増殖性腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域(脾臓など)に放射線を照射する方法です。

その他の薬物療法

プレドニゾンダナゾールは、原発性骨髄線維症の患者さんの貧血に対する治療に用いられる薬剤です。

アナグレリド療法は、血液中の血小板が過剰になった患者さんの血栓形成のリスクを軽減する目的で用いられます。低用量アスピリンが、血栓形成のリスクを軽減する目的で用いられることもあります。

サリドマイドレナリドミドポマリドミドは、腫瘍細胞が存在する領域への血管の成長を予防する薬です。

エリスロポエチン増殖因子は、骨髄を刺激して赤血球の生産を促すために用いられます。

詳しい情報については、骨髄増殖性腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

手術

脾臓が腫大している場合には、脾摘出術(脾臓を摘出する手術)を行うことがあります。

免疫療法

免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物学的療法の一種です。

標的療法

標的療法とは、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。標的療法では一般に、化学療法や放射線療法に比べて、正常な細胞に及ぼす害が少なくなります。

詳しい情報については、骨髄増殖性腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

臨床試験で他の種類の標的療法に対する検証が行われています。

幹細胞移植を伴う大量化学療法

がん細胞を殺傷するために高用量化学療法が実施されます。造血細胞を含む正常な細胞もがん治療により破壊されます。幹細胞移植は、造血細胞を置き換える治療法です。まず患者さん自身またはドナーから採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

幹細胞移植;(図1):図は患者またはドナーから幹細胞を採取しているところである。腕の静脈から採血し、幹細胞を採取する装置を通過させる。残りの血液は反対の腕の静脈に戻す。(図2):図は医療提供者が患者に対し造血細胞を殺傷する治療を施しているところである。胸部のカテーテルから化学療法薬が投与されている。(図3):図は患者の胸部に挿入されたカテーテルから幹細胞を注入しているところである。

画像を拡大する

幹細胞移植。(ステップ1):ドナーの腕の静脈から血液を採取します。患者さん自身がドナーになる場合も、他人がその役割を果たす場合もあります。血液は幹細胞を採取する装置内を流れます。その後、血液は反対側の腕の静脈からドナーの体内に戻されます。(ステップ2):患者さんは造血細胞を殺傷する化学療法を受けています。放射線療法が実施される場合もあります(図には示されていません)。(ステップ3):患者さんは胸部の血管に留置されたカテーテルから幹細胞の注入を受けています。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

慢性骨髄増殖性腫瘍の治療は副作用を引き起こすことがあります。

がんの治療によって引き起こされる副作用に関する詳しい情報については、副作用(英語)のページをご覧ください。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査の中には、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

慢性骨髄性白血病の治療

PDQ慢性骨髄性白血病の治療に関する要約をご覧ください。

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

真性赤血球増加症の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

真性赤血球増加症に対する治療の目的は、過剰な血液細胞の数を減少させることにあります。真性赤血球増加症の治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

原発性骨髄線維症の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

徴候症状のない原発性骨髄線維症の患者さんに対する治療は、注意深い経過観察となるのが通常です。

原発性骨髄線維症の患者さんには貧血の徴候や症状が起こる場合があります。通常、貧血に対しては、症状を和らげ生活の質を高めるために、赤血球輸血が行われます。加えて、以下による貧血治療も行われます:

他の徴候や症状がみられる原発性骨髄線維症の患者さんに対する治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

本態性血小板血症の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

徴候症状がなく血小板数が許容範囲内にある60歳未満の患者さんに対する本態性血小板血症の治療は、注意深い経過観察となるのが通常です。それ以外の患者さんに対する治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

慢性好中球性白血病の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

慢性好中球性白血病の治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

慢性好酸球性白血病の治療

以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。

慢性好酸球性白血病の治療法には以下のようなものがあります:

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

慢性骨髄増殖性腫瘍についてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している慢性骨髄増殖性腫瘍に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:

米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、慢性骨髄増殖性腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Chronic Myeloproliferative Neoplasms Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/myeloproliferative/patient/chronic-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389435]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。