医療専門家向け 小児の支持療法(PDQ®)

ご利用について

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児および青年の治療に関係する支持療法の問題について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

本要約は、編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

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概要

1970年代半ばから今日まで、小児がんの全生存率は83%まで改善され、特定のがんの一部の小児では90%近いまたはそれを上回る長期生存が得られている。全生存率は、がんの種類、がんの病期、年齢、患者の他の特性によって変わる。[ 1 ]こうした治療成績の改善とともに、研究の焦点および患者、親、および医療提供者の期待から、次第に治療中と治療完了後のこれらの小児、および成人した小児がん経験者に対するがんとその治療の負担の軽減が強調されるようになった。

小児に対するがん治療は成人に対する治療とは多くの点で異なる。主な違いには以下のものがある:

これらの差の基礎は、小児は小さな成人ではないこと、および小児という用語でさえも総括的ではないという明確な認識である。治療および支持療法には新生児から若年成人まで広範な年齢グループにわたって異なるアプローチが必要であり、がん生存(疾患の制御)と生存の質(毒性の影響)の両方の治療成績が治療時の小児の年齢で異なる。

同様に、小児がんの治療は必然的に家族という状況で起こることを認識することが重要である。ある成人のがん治療の影響については、しばしばそのがん患者の生活において重要な1人または2人の成人に焦点が当てられる。小児がんにおいては、影響は片親または両親、1人以上の同胞(同胞自身が小児または青年である)、祖父母、おじとおば、教師、友人のほか、その小児のケアまたは生活経験に直接関係する個人を含めて、しばしばより多くの個人に及ぶ。さらに、小児は年齢のみに基づいて法的行為能力がないものとみなされるため、がん治療に関するほとんどの決定は代理人によりなされる。小児自身が治療について決定する代わりに、親または後見人が彼らのためにこれらの決定を行う。関与する多数の人々、他者による未成年者に関する意思決定に関係した法的問題、および小児が関与するインフォームドコンセントおよびアセントに関する倫理的な問題は、小児に対する治療の複雑性にさらなる層を積み重ねている。

この小児の支持療法の要約では、特に小児および青年に関係した問題についてレビューする。証拠および推奨事項は、成人向けの支持療法について提供されている情報とはかなり異なっている場合がある。

詳しい情報については、本要約の後のセクションを参照のこと:

本要約に以下のトピックが加えられる:

がん生存に関する小児に特化した情報については、小児がん治療の晩期合併症(晩期障害)に関するPDQ要約の小児がん生存者における晩期障害の有病率セクションを参照のこと。

参考文献
  1. American Cancer Society: Cancer Facts and Figures 2020. Atlanta, Ga: American Cancer Society, 2020. Available online. Last accessed January 17, 2020.[PUBMED Abstract]
心理的適応

小児がんの治療は小児およびその家族員にとって非常にストレスの多い経験であり、困難で破壊的である。そのため、がん治療を受ける小児はうつ病、不安、および心理的苦痛のその他の指標に対するリスクが有意に高いと想定される。しかしながら、この想定を支持する経験的証拠は弱い。全体として、諸研究はがんの治療を受けた小児および小児がん経験者である小児は重大な心理的適応の問題をほとんど経験しないことを示唆している。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]

小児はがん治療の過程で苦痛を経験しているという証拠がある。苦痛は、典型的に頻繁な入院が必要な治療早期に最も重大になり、時間の経過とともに苦痛は低くなるパターンであると思われる。[ 4 ][ 5 ]新たに白血病と診断された小児の39家族の1つのグループが、健康な小児の49家族のグループと比較された。がんの治療を受けた小児と親は診断直後により高いレベルの苦痛を報告したが、こうした苦痛のレベルは4年にわたる追跡で減少し、健康な比較コホートと比較して心理的苦痛における有意差は認められなかった。[ 4 ]同様の知見は文化の境界を越えて報告されている。[ 6 ]

この集団において心理的苦痛の正確な報告が入手されているかの妥当性については、異議が唱えられている。心理的防衛がうつ病および心理的苦痛の他の症状の報告を隠しているかどうかについての1件の研究では、うつ病と不安の一連の測定を完了したがんの治療を受けた小児107人と健康な対照422人が調査された。[ 7 ][証拠レベル:II]がんの治療を受けた小児は健康な小児よりも抑うつ症状を報告することが有意に少なく、防衛スタイルはうつ病の報告と関係しなかった。がんの小児、喘息の小児、または健康上の重大な問題がない205人の小児と321人の小児の親を対象とした別の研究でも、がんの治療を受けた小児において有意なレベルのうつ病は認められなかった。しかしながら、がんの小児の親は他のグループの小児の親よりも、自分の子供を陽気な性格であると考えていた。[ 8 ][証拠レベル:II]

複数の研究で、以下の測定に関して対照との差が報告されなかった。

1つの研究者グループ[ 10 ]により、教師はがんの小児をより社交的で攻撃性が低いと認識し、仲間は彼らを攻撃性が低く、他の仲間よりも大きな社会的受容を得ていると評価していることが明らかにされた。誰が報告しているかにより相違が生じる:小児の親は小児自身が報告するよりも小児の制限を多く報告するが[ 11 ]、小児は彼らの仲間よりも運動能力に関する満足が低いことを報告する。[ 10 ]

適応における差

診断および治療の種類によって、がんの小児の特定のサブグループにおいて適応に差異が生じるようである。[ 12 ]

固形腫瘍

中枢神経系(CNS)に浸潤していない固形腫瘍に対する治療を受けた小児では心理的苦痛は極小であると考えられており、治療後もこれが維持される。[ 13 ]

急性リンパ芽球性白血病またはリンパ腫

急性リンパ芽球性白血病(ALL)またはリンパ腫に対する治療を受けた小児は、CNS以外の固形腫瘍に対する治療を受けた小児より不良な情緒的機能、認知能力(cognitive skills)、自律性、および家族の相互作用を報告する。[ 13 ]

CNS腫瘍

がんまたは治療がCNSに直接関わる小児では、社会的問題および感情面の問題が起こるリスクがはるかに大きいようである。脳腫瘍の小児は仲間に、病気である、疲れている、学校を休む、および社会的に孤立しているとみられており、仲間に友達として認められる可能性が低い。[ 14 ]

幹細胞移植

造血幹細胞移植(HSCT)を受けた小児は、時間の経過とともに社会的能力と自己概念の両方の低下を経験する可能性が高い。[ 15 ]

民族性

民族性もまたQOLにおいて役割を演じている可能性がある。[ 16 ]

家族因子

家族因子は小児の適応において大きな役割を果たしているようであり、家族の団結力および表現力はより良い治療成績と関連し、家族の衝突は、特により強力な治療を経験している小児ではより不良な治療成績と関連する。[ 15 ]より年齢の低い(就学前の)小児は治療期間中、青年よりも高いレベルで外向的な行動の問題(例、攻撃性、衝動性、または破壊的な行動)を経験する可能性が高いが、親により報告される全般的な健康に関係した生活の質(HRQL)は青年よりもより年齢の低い小児の方が良好である。[ 17 ]年齢もまた、がん治療を受けている小児が経験する対処アプローチと制御レベルの認識におけるメディエータとして働くことがある。あるグループの研究者らにより、がんの小児は年齢に関係なく、健康な小児と比べて回避的対処戦略の有意に多い使用を報告したことが明らかにされたが[ 18 ]、別のグループでは制御の認識と問題焦点型または情動焦点型対処(制御のより高い評価と関係した問題焦点型対処)との関係は年齢が媒介となっていたことが明らかにされた。[ 19 ]この分野で実施されている研究の数は限られており、未だ調査されていない適応-対処の関係に多くの追加的なメディエータが存在すると考えられる。

小児がん経験者研究

小児がん経験者研究(CCSS:Childhood Cancer Survivor Study)は、10,000人を超える小児がん経験者および比較として同胞の対照集団を対象とする現在実施中の大規模な多施設研究である。CCSSでは、現在の機能の報告と診断、治療の種類、およびがんおよびその治療と関連するその他の健康因子とを関連付ける広範な調査方法を用いており、同様の小児がんに対する治療を受けた若年成人の大きなサンプルにおける長期の適応を選択的に観察している。CCSSの1件の報告では、小児期に診断された固形腫瘍の経験者2,778人および同胞2,925人が、標準化された長期追跡質問票を用いて調査された。うつ病、身体化、および不安と関連する症状が、人口統計学的情報、健康に関する情報、および医学的情報とともに報告された。心理的苦痛の症状は小児がん経験者によって、もしあったとしてもほとんど報告されなかったが、固形がん経験者は同胞よりも高いレベルの全般的苦痛を報告した。これらの測定値に関して集団標準からの差は認められなかった。小児がん経験者と同胞の両者について、女性であること、低学歴および低収入、不良な健康状態の知覚、および現在の健康問題の報告はすべて、より高いレベルの心理的苦痛の症状と関連した。[ 20 ][証拠レベル:II]

白血病およびリンパ腫経験者の若年成人に対しても、CCSSにより明確な知見が報告されている。心理的適応に関する追跡質問票が、白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病の若年成人経験者5,736人および成人同胞2,565人に実施された。経験者は同胞よりも高いレベルの抑うつ症状および身体的苦痛を報告したが、どちらのグループのスコアも一般集団に対して臨床的に有意な範囲内に入った。性別および社会経済的状態などの社会人口統計学的因子は、治療状態に関係なく抑うつ症状の報告と関連した。心理的苦痛と関連する唯一の疾患に関係した因子は強力な化学療法であったが、これは身体的愁訴の増加と関連した。[ 2 ][証拠レベル:II]同様の結果が脳腫瘍の経験者で報告された。脳腫瘍経験者は同胞よりも高いレベルの抑うつ性症状を報告したが、どちらのグループの割合も一般集団の割合とほぼ同じであった。[ 3 ][証拠レベル:II]CCSSにより報告された主要な心理社会的アウトカムの要約が利用可能である。[ 21 ][証拠レベル:II]CCSSの他の報告では、飲酒[ 22 ]、HRQLに対する身体的制限の役割[ 23 ][証拠レベル:II]、疲労、および睡眠[ 24 ]が扱われている。

うつ病および自殺

小児がん経験者である若年成人は自殺傾向のリスクが高いことがある。東欧の1件の報告では、Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)およびSuicidal Ideation and Behaviour Questionnaireに対する小児がん経験者228人と対照127人の返答が比較された。小児がん経験者により報告された抑うつ症状の割合は、対照によって報告された割合の3倍であり、13%があるレベルの自殺念慮を示した。[ 25 ]同様に、あるsurvivor clinicで診察を受けた小児がん経験者である226人がShort Form-36(SF-36)、Beck Depression Inventory(BDI)、およびSymptom Checklist-90-Revised(SCL-90-R)およびBeck Scale for Suicide Ideation(BSS)内の自殺の項目に記入した。これらの測定では小児がん経験者にそれまでに自殺未遂の経験があるかどうか、または過去1週間以内に明らかな自殺念慮の経験があるかどうかが評価された;29人の参加者(12.83%)が自殺傾向を報告した。自殺傾向は診断時年齢がより低いこと、診断からの時間がより長いこと、頭蓋照射療法、白血病の診断、疼痛、および身体的外観に関する問題と関連した。疼痛を含めた現在の身体的状態は自殺傾向と関連した。[ 26 ][証拠レベル:II]これらの研究は小規模の比較群を用いた比較的小規模のサンプルを対象としており、追跡として積極的にクリニックを受診する人が多くを占めることで生じる報告バイアスを反映している可能性がある。にもかかわらず、これらの結果は心理的苦痛と関係する他の所見とは一致していない一方で、それらは小児がん経験者である成人の継続的なモニタリングと監視の必要性を示唆している。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の副作用としての自殺の可能性についてかなりの懸念があるため、米国食品医薬品局(FDA)はその使用に関して潜在的なリスクの注意深いモニタリングの重要性を含めた注意を発表するに至っている。[ 27 ]FDAのこの健康に関する勧告(FDA Health Advisory)が公表されるよりも前に、臨床経験および小規模臨床試験の結果から、抗うつ薬は成人がん患者に安全に投与できることが示唆されているが、これを支持する対照臨床試験はない。小児および青年ではSSRIの使用に対するリスク/便益比は、成人ほど好ましくない。大うつ病性障害を有するががんではない小児および青年にSSRIを使用した数件の多施設二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床試験では、フルオキセチン[ 28 ][ 29 ]、パロキセチン[ 30 ]、およびセルトラリン[ 31 ][証拠レベル:I]についてわずかな改善が認められた。これらの改善は、精神医学的症状の悪化、自殺念慮および自殺のそぶりの増加、パロキセチンによる行為問題または敵意の増加[ 30 ]、およびセルトラリンによる自殺および自殺未遂[ 31 ][証拠レベル:I]を含む重篤な有害事象の報告によって相殺された。

これらの臨床試験のいずれもがんに対する治療を受けた小児および青年を含んでいないか、彼らに焦点を当てていない。リスク/便益の問題は、国際的な規制の問題レベルに達している。英国のMedicines and Healthcare Products Regulatory Agencyは、SSRIカテゴリーのほとんどの薬物を小児および青年で使用しないように勧告しており[ 32 ]、FDAもTalk Paperで同様の問題を提起し、引き続き「ブラックボックス」警告を発した。[ 27 ]Journal of the American Medical Associationにおいて発表された主要なメタアナリシスでは、小児と青年の研究[ 33 ][証拠レベル:I](最初のメタアナリシスに含まれなかった7件の研究[ 34 ][証拠レベル:I]を含む)からのデータが、変量効果モデルを用いて再解析された。この再解析では最初のメタアナリシスと一致して自殺念慮/自殺未遂の全体的なリスク増加が認められたが、併合リスク差はより小さく、統計的に有意なものではなかった。[ 33 ]さらに、米国およびオランダのデータを調査した別の研究では、FDA Health Advisoryの発表以降、小児および青年に対するSSRIの処方の低下およびそれと同時にこの患者集団における自殺の割合が高くなっていることが示唆されている。[ 35 ]

以上をまとめると、リスク/便益の方程式は自殺傾向に対する注意深い監視と抗うつ薬の適切な使用を支持している。[ 36 ]British Committee on Safety of Medicinesは、1つのSSRI(フルオキセチン)についてのみリスクと便益が好ましく均衡していると判断したが、便益があると考えられたのは患者10人中およそ1人だけだと考えられる。[ 37 ]この知見と一致するが、小児および青年の研究の年齢層別化解析では、12歳未満の大うつ病の小児について、プラセボを上回る便益を示したのはフルオキセチンだけであった。[ 33 ]

上述のように、これらの研究の小児または青年はいずれもがんに罹患していないため、さまざまな化学療法薬および/またはCNSへの放射線療法に曝露した後のSSRIの使用に関連して有害事象のリスクが追加的に増加するかどうかを検討した報告は利用できない。うつ病に対する最先端の代替となる、有効な行動的および薬理学的治療が、がん治療を受けている小児および青年に使用されるべきである。しかしながら、うつ病のリスクが明らかでSSRIが考慮される場合は、小児精神科医または神経内科医による対診が必須であり、潜在的な有害事象の綿密なモニタリングがきわめて重要である。

心的外傷後ストレス障害および心的外傷後ストレス症状

がん治療の経験は、小児とその家族が経験しなければならない診断の種類、侵襲的で痛みを伴う処置の数、およびしばしば長期に及ぶ入院を考慮すると、重大な心的外傷イベントであると考えられる。この曝露モデルに基づいて、多くの研究で、がん治療を受けた小児は心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を発症するリスクが有意に高いかどうかが調査されている。これらの研究の結果は混在している。[ 38 ]1件の研究の報告によると、治療を受けている小児および青年は心的外傷後ストレスのいくつかの症状を報告した;しかしながら、ほとんどの小児ではこれらの症状はPTSDの診断基準を満たさず、時間の経過とともに症状は軽減した。[ 39 ][証拠レベル:II]

別の研究では、小児がん経験者は治療完了後、心的外傷後ストレス症状およびPTSDに対するリスクが高いことが示唆されている。小児がんに対する治療を受けたことのある18~41歳の成人78人を対象とした1件の研究において、20.5%が治療完了からある期間の経過時にPTSDの診断基準を満たした。侵入的症状(9%)および回避的症状(16.7%)の臨床的に有意なイベントがこのサンプルにおいて報告され、そうした症状は不安および他の心理的苦痛の尺度の報告増加と関連した。[ 40 ][証拠レベル:II]疾患および将来に関してより高いレベルの不確実性を報告する経験者は、心的外傷後ストレス症状を多く報告する可能性が高いようである。[ 41 ][証拠レベル:II][ 42 ]診断から5年以上経過し、がん治療完了から2年以上経過している小児がん経験者である青年および若年成人182人を対象とした1件の研究でも、16%がPTSDの基準を満たしたことが明らかにされた。PTSDとより高いレベルの他の心理的問題との関係も報告された。[ 43 ]小児がん経験者がPTSDの基準を満たす場合、小児がん経験者はうつ病および否定的な感情、生活に対するより低い満足、およびより不良なHRQLの報告のほか、発達課題を達成する上での困難さを経験する可能性がより高い。[ 44 ][証拠レベル:II]

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家族

がんのコミュニティにおいてよく繰り返し言われている考えは、がんは家族病であるということである;この概念はがんに対する治療を受けている小児の親および同胞によって明らかに支持されている。しかしながら、がんの子供または同胞を有することの影響は、家族員全員にとっても、また治療の過程のすべての時点においても一様ではなく、調査報告は各家族員の経験のばらつきを反映している。

小児がんの診断は親にとって実質的な苦痛の期間の始まりを意味しており、親はショック、情動的苦痛、子供に実施される必要な処置への対処の困難さ、熟考、および制御できていない感覚に付随する高いレベルの情報検索を報告する。[ 1 ][ 2 ][ 3 ]1件の研究により、がん治療を受けている小児の母親119人および父親52人のサンプルにおいて、1人の参加者を除く全員が侵入的想起、生理的覚醒、および回避などの外傷性ストレス症状を報告したことが明らかにされた。[ 4 ]治療を受けている小児の親(n = 175)を、治療を完了した小児の親(n = 238)と比較したところ、外傷性ストレス症状(侵入、覚醒)は治療後の親による報告もあるものの、治療後の親より急性期治療中の親によって頻繁に報告された。人口統計学的因子は、機能障害をもたらす重大なストレスを親が経験する程の役割を演じている可能性がある。母親は父親よりも高いレベルのストレスを報告する場合が多く、学校教育年数が少なく、社会経済的状態が低い親はいかなる時点においても外傷性ストレスを経験する可能性が高かった。[ 5 ]

がん治療を受けている小児の家族における親のストレスパターンは、他の疾患の治療を受けている小児の家族における親のストレスパターンとは異なる。がんまたは糖尿病の治療を受けた小児または健康な小児の親675人を対象とした1件の大規模研究において、がんの小児の親は、糖尿病の小児の親よりも有意に高いレベルの苦痛-不安、身体的および心理的苦痛、うつ病、および孤独感の特定の分野で示される-を報告した。がん患者の親における苦痛のレベルは、不確実性、制御喪失、自尊心、疾病に関連した恐怖、および睡眠障害の測定において、糖尿病患者の親における苦痛のレベルと一致した。がんの小児の親における苦痛のレベルは、診断から長期間経過すると強度が減少した。[ 6 ]

がんの小児の親は苦痛の増加に対処すると同時に、小児に対して強く、楽観的で有り続けたいと願っていることを報告している。[ 7 ]1件の研究により、がんの小児の家族および健康な小児の家族間で家族の苦痛および心理的機能の複数の測定における差は認められないことが明らかにされた。[ 8 ]

いくつかの因子は親の長期適応を予測するようである。以下のような両親は、より良好な短期および長期適応を経験する:[ 9 ][ 10 ][ 11 ]

親のより不良な適応と関連する因子には以下が挙げられる:[ 12 ][ 13 ]

人種[ 14 ]および親の性別[ 15 ]は、これらの因子が親の機能に与える影響の強さに影響を及ぼしうる。まれに、疼痛、有害な副作用、制御喪失または情報あるいは治療成績の理解不能、および医療専門家との衝突に対処する際のストレスにより、親が小児のがん治療から脱落することがある。[ 16 ]

ほとんどの研究により、時間の経過とともに母親の感情的苦痛およびストレスの認識は低下することが示されているが、がんの子供の世話をする負担の認識は、親としての監督、養育、および反応性など前向きな性格と同様に一定であることが示唆されている。[ 14 ]この様式は診断時に提供される高いレベルの社会的支援と関係している可能性があり、支援の量は次第に減少するががん治療のすべての段階を通して一定の支援の質が認識される。[ 15 ]一般的に、親は回復力に富むと考えられるが[ 12 ][証拠レベル:II]、親の孤独および持続的な疑いは小児に治療の晩期障害が認められる場合には、治療段階をはるかに過ぎていても持続する可能性がある。[ 17 ][証拠レベル:II]2~3件の研究により、小児がんの長期生存者をもつ親のかなりの数(30%~36%)が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断の閾値未満であるが、それでもこうした親にとっては重大な問題である長期ストレスに関係した激しい症状を経験しうることが明らかにされている。[ 18 ][ 19 ][証拠レベル:II]症状は、家族の20%において少なくとも1人の親がPTSDの診断基準を満たしたほど重度であった。[ 19 ]

同胞

小児がんの診断および治療に対処するという挑戦はまた、同胞の対処および適応にも意味をもつ。治療中、がんの小児の同胞は、以下のようなことを報告することがある:

がんの小児の同胞はまた同情心が厚くなり、家族がこの経験を通じてお互いにより親密になっていると認識していることを報告する。[ 22 ]

家族のリスクは、以下の条件によって増加する:

同種造血幹細胞移植を受ける小児の同胞に関して、造血幹細胞のドナーとなる同胞では不安およびより低い自尊心のリスクがより高くなる一方で、ドナーにならない同胞には学業上の問題が生じるリスクがより高い。[ 24 ]同胞のグループ[ 25 ]またはサマーキャンプ体験[ 26 ]などの社会的支援プログラムは、がん治療を受けている小児の同胞において報告される不安の減少および自尊心の向上をもたらすようである。

参考文献
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  5. Norberg AL, Lindblad F, Boman KK: Parental traumatic stress during and after paediatric cancer treatment. Acta Oncol 44 (4): 382-8, 2005.[PUBMED Abstract]
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  20. Hamama R, Ronen T, Feigin R: Self-control, anxiety, and loneliness in siblings of children with cancer. Soc Work Health Care 31 (1): 63-83, 2000.[PUBMED Abstract]
  21. Alderfer MA, Labay LE, Kazak AE: Brief report: does posttraumatic stress apply to siblings of childhood cancer survivors? J Pediatr Psychol 28 (4): 281-6, 2003.[PUBMED Abstract]
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  23. MacLeod KD, Whitsett SF, Mash EJ, et al.: Pediatric sibling donors of successful and unsuccessful hematopoietic stem cell transplants (HSCT): a qualitative study of their psychosocial experience. J Pediatr Psychol 28 (4): 223-30, 2003.[PUBMED Abstract]
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  26. Murray JS: Self-concept of siblings of children with cancer. Issues Compr Pediatr Nurs 24 (2): 85-94, 2001 Apr-Jun.[PUBMED Abstract]
終末期

がんに対する治療を受けた小児における長期無病生存の有意な改善にもかかわらず[ 1 ]、がんは米国において小児の疾患に関係した死因の第1位である。[ 2 ]最新の治療が失敗した半数以上の小児では、疾患再燃および再発に対する臨床試験(第I相および第II相)および非血縁造血幹細胞移植を用いた治療が一般的である。[ 3 ]小児に対するこの戦略は、患者に重要なQOLとともに長期寛解を提供する上でときに有効な場合がある。[ 4 ]こうした理由から、米国をはじめとする世界中でがんの治療を受けている多くの小児が、積極的ながん治療を受けながら入院中に死亡する。[ 5 ]臨床的実践および経験はこの分野で推進力となる;残念ながら、実践の指針となる経験的研究は非常に少数しか発表されていない。

終末期問題の考察

小児の死亡に対して計画を立案することは、親、他の家族員、および医療チームのメンバーにとってしばしば非常に苦痛を感じる話題である。小児は死亡してはいけないはずである。意思決定の過程および終末期の小児に提供される医療のより良い理解ができるようにかなり強調されているが[ 6 ]、多くの親は死亡まで積極的ながん治療を継続することを選択する。

子供をがんで亡くした親141人が、現実的な成功の見込みがない治療から子供が利益を得たか、または治療に苦しんだかどうかが質問された。38%の親が、現実的な成功の可能性がないと認識した後でも、子供はがんに向けられた治療を継続して受けたことを示した。このうち61%は子供が何らかの苦しみを経験したと報告し、57%は治療の継続にほとんどまたは全く利益が得られなかったことを報告した。これらの経験にもかかわらず、57%は終末期の標準化学療法を奨めると報告し、33%は実験的(第I相および第II相)治療を奨めると報告した。子供が終末期に苦しんだと感じた親は、追加的な化学療法を奨める可能性はより低かった。しかしながら、個人的には標準化学療法の使用を支持しなかった親でさえも、(91%が)医師は標準化学療法を選択肢の1つとして提案すべきであると考えていた。[ 7 ]

終末期のケアの質に関する親と医師の観点が常に一致するわけではない。がんで死亡した小児の親は関係の問題に主に焦点を当てて報告し、医師のケアについて腫瘍医が以下のような場合により高く評価した:[ 8 ]

腫瘍医は、親による苦痛のより低い評価およびより少ない入院日数など生物学的測定に基づいてケアを評価していた。

終末期ケアの支援

がん治療を受けている小児のための緩和ケアおよび終末期ケアを支援する情報資源はしばしば、かなり限られている。小児腫瘍学グループのメンバー施設の調査により(81%の回答率)、家族が利用できる小児緩和ケアチームを有していたのはわずか58%であったと明らかにされたが[ 9 ]、以下の関係するサービスが利用可能であった:

補完代替医療サービスは、施設の39%および施設がサービスを提供している地域社会の95%で利用できた。他の家族員、特に同胞に対する支援は、これらのプログラムにしばしば含まれていない。[ 5 ]

ホスピスケア

ホスピスケアへの紹介は、積極的な化学療法を依然として受けている患者は受け入れないというホスピスの方針によって、しばしば限られている。小児腫瘍学グループの小児腫瘍医1,200人が、ホスピスへの紹介の実施について調査された(67%の回答率)。ホスピスへの紹介は、入院ホスピスプログラムへのアクセスが不足しているため限られていた。しかしながら、小児腫瘍医は、依然として化学療法を受けている小児をホスピスプログラムで受け入れれば紹介がより多くなり、小児もまた病院内よりも自宅で死を迎える可能性が高くなると指摘した。[ 10 ]

補完代替療法

補完代替療法への一般の人々の幅広い関心にもかかわらず、この治療の利用を提案される小児はほとんどいない。カナダにおける小児腫瘍学グループ施設の研究により、補完代替療法は治療を行っている施設の18%でしか提案されなかったが、これらは地域社会の94%で利用可能であることが明らかにされた。直接の紹介は6%の家族にのみ提供され、補完代替療法使用のためのガイドラインを策定していた施設はわずか20%であった。[ 11 ]この問題を扱うため、小児腫瘍学グループにおける従来の治療と補完代替療法との統合を調査する研究が進行中である。[ 12 ]

個人的な話し合い

がんに対する治療を受けている小児に対する構造化された緩和ケアおよび終末期ケアが相対的に少ないにもかかわらず、それでもなお緩和ケアおよび終末期ケアについての個人的な話し合いは腫瘍医と親の間で行われている。子供ががんで死亡した親140人の研究により、一次医療の腫瘍医が選択肢について話し、在宅での健康支援が利用可能である場合、88%の親が彼らが望む子供の終末期ケアの提供方法を計画し、97%がその計画を成し遂げたことが明らかにされた。計画した親では、自宅での子供の死亡が多く(72% vs 計画しなかった親の8%);入院が少なく(54% vs 98%);親はより心の準備ができており(37% vs 12%)、その過程に不快を感じず(84% vs 40%);病院で死亡した小児については、集中治療室での死亡がより少なく(92% vs 33%)、挿管されることも少なかった(21% vs 48%)。[ 13 ]

終末期ケアを改善するための戦略

終末期の小児のケアは複雑である。小児緩和ケアの包括的な概要では、検討する必要がある以下のような一般的な問題点に焦点が当てられている:[ 14 ]

他の問題

がんの成人および小児に対する終末期ケアは多くの側面で重複している。同時に、小児では特に発達の問題、家族の問題、およびさらには法的問題が特有であり、注意深く検討する必要がある。ケアの中止または差し控えに関する州の法律はさまざまであり、終末期ケアは小児が生物学的両親または法定後見人の保護監督の下にあるかどうか、または州の被後見人であるかどうかによる影響を受ける。一部の州は、ケアを受けている小児に対するDNRの決定を許可していない。医療チームは、州法、入院費用保険、および地域社会における倫理基準を認識し、この情報を終末期ケアに組み込む責任を負っている。最終的に、問題は小児および家族にとってQOLを最適にするように利用可能な介入および支援を個別の家族、小児、および医師の関心事と釣り合わせることである。[ 15 ](詳しい情報については、人生の最後の数日間に関するPDQ要約を参照のこと。)

参考文献
  1. Linabery AM, Ross JA: Childhood and adolescent cancer survival in the US by race and ethnicity for the diagnostic period 1975-1999. Cancer 113 (9): 2575-96, 2008.[PUBMED Abstract]
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  7. Mack JW, Joffe S, Hilden JM, et al.: Parents' views of cancer-directed therapy for children with no realistic chance for cure. J Clin Oncol 26 (29): 4759-64, 2008.[PUBMED Abstract]
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  10. Fowler K, Poehling K, Billheimer D, et al.: Hospice referral practices for children with cancer: a survey of pediatric oncologists. J Clin Oncol 24 (7): 1099-104, 2006.[PUBMED Abstract]
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  15. Friedman DL, Hilden JM, Powaski K: Issues and challenges in palliative care for children with cancer. Curr Pain Headache Rep 9 (4): 249-55, 2005.[PUBMED Abstract]
本要約の変更点(01/28/2020)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

概要

参考文献1として、American Cancer Society 2020を追加。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児および青年の治療に関係する支持療法の問題について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

証拠レベル

本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

本要約の使用許可

PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Pediatric Supportive Care.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/childhood-cancers/pediatric-care-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389208]

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