ページの先頭へ

最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

大麻(カンナビス)とカンナビノイド(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-05-27
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、がん患者さんに対する治療での大麻やカンナビノイドの使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

ナビキシモルス マリファナ

概要


  • カンナビス (大麻草)は世界各地に分布している植物でマリファナとも呼ばれ、カンナビノイドという化合物を含む樹脂を分泌します。一部のカンナビノイドは精神活性(脳に作用し気分や意識の変容をもたらす性質)を有しています(質問1を参照してください)。

  • 医療目的での大麻の使用は、古代より行われています(質問3を参照してください)。

  • 米国では連邦法により、承認を受けた研究目的以外での大麻の所持が違法とされています。しかし、いくつかの州や準州、およびコロンビア特別区では医療マリファナを合法と定めており、そうした地区は次第に増加しています(質問1を参照してください)。

  • 米国では、大麻は使用に特別な許可が必要な規制薬物です(質問1質問3を参照してください)。

  • カンナビノイド大麻に含まれる活性を持った化学物質で、中枢神経系免疫系を含む全身に薬物様の効果を引き起こします(質問2を参照してください)。

  • 大麻に含まれるカンナビノイドのうち、主な有効成分はデルタ-9-THCです。また、他の有効なカンナビノイドにカンナビジオール(CBD)がありますが、この物質はデルタ-9-THCのように「ハイ」な(高揚)状態を引き起こさず、痛みを軽減し、炎症を抑え、不安を軽減する作用があると考えられています(質問2を参照してください)。

  • カンナビノイドの投与方法は、服用や吸入、あるいは舌の下への噴霧です(質問5を参照してください)。

  • 大麻とカンナビノイドは、研究室や診療所で痛み、吐き気嘔吐不安食欲不振などの軽減について研究されています(質問6質問7を参照してください)。

  • 大麻とカンナビノイドは、がん症状やがん治療副作用に対する治療に有益である可能性があります。小児の吐き気などの症状に大麻を用いる治療法が注目を集めていますが、これに関する研究は少数しかありません(質問7を参照してください)。

  • 2種類のカンナビノイド(ドロナビノールナビロン)は、化学療法に関連する吐き気と嘔吐の予防用または治療用として米国食品医薬品局(FDA)に認可されています(質問7質問10を参照してください)。

  • 大麻は、実験室において、がん細胞を殺傷することが示されています(質問6を参照してください)。

  • 現時点では、がんに関連する症状やがん治療の副作用に対する治療法として、患者さんが大麻を吸入または摂取することを推奨する十分な証拠は得られていません(質問7を参照してください)。

  • FDAは、大麻をがん治療薬として承認していません(質問9を参照してください)。

 | 

大麻についての質問と回答

1.

大麻(カンナビス)とは何ですか。

 

  カンナビス (大麻草)はマリファナとも呼ばれる中央アジア原産の植物で、現在では世界各地に分布しています。大麻草はカンナビノイドと呼ばれる化合物を含む樹脂を分泌する植物です。一部のカンナビノイドは精神活性(脳に作用し気分や意識の変容をもたらす性質)を有しています。米国では、大麻規制薬物としてSchedule I(スケジュールI)の薬物(乱用の危険性が高く、現在医療用として認められていない薬物)に分類されています。

  がんにおける医療用大麻を研究対象とした臨床試験は少数しかありません。米国で大麻を用いた研究を行うには、研究者が治験薬(IND)申請書を食品医薬品局(FDA)に提出し、麻薬取締局(DEA)からスケジュールI薬物の利用許可を受けて、国立薬物乱用研究所(NIDA)の承認を得る必要があります。

 米国では連邦法により、承認を受けた研究目的以外での大麻(マリファナ)の所持が違法とされています。しかし、いくつかの州、準州、コロンビア特別区では医療マリファナを合法と定めており、そうした州は次第に増加しています。(質問4を参照してください)。

2.

カンナビノイドとは何ですか。

 

  カンナビノイド大麻に含まれる活性化学物質で、中枢神経系免疫系を含む全身に薬物様の効果を引き起こします。この物質はフィトカンナビノイドと呼ばれることもあります。大麻に含まれるカンナビノイドのうち、主な有効成分はデルタ-9-THCです。また、他の有効なカンナビノイドにカンナビジオール(CBD)がありますが、この物質はデルタ-9-THCのように「ハイ」な(高揚)状態を引き起こさず、痛みを軽減し、炎症を抑える作用があると考えられています。

 カンナビノイドはがんやがん治療の副作用に対する治療に有用となる可能性があります。

 カンナビノイドの作用は、他にも次のようなものがあります:


3.

医療目的での大麻の使用にはどのような歴史がありますか。

 

  医療を目的とした大麻使用は、3,000年以上前に始まりました。19世紀に西洋医学で使用されるようになり、痛みや炎症、痙攣ひきつけを軽減するとされていました。

 1937年、米国財務省はマリファナ課税法(Marijuana Tax Act)の下で大麻の課税を開始し、医療用の場合は1オンス(28.35g)につき1ドル、医療用以外の場合は1オンスにつき100ドルの税金を課しました。米国医師会(AMA)はこの法律による大麻の規制に反対し、医療での便益を明らかにするための研究が制限されることを懸念しました。1942年、大麻はその安全性に対する懸念が継続的に示されていたため、米国薬局方から削除されました。1951年にはボッグス法(Boggs Act)が議会を通過し、この法律によって大麻は初めて麻薬に指定されました。

 1970年に制定された規制物質法(Controlled Substances Act)により、マリファナはスケジュールI(Schedule I)の薬物に分類されました。他のスケジュールI薬物には、ヘロイン、LSD、メスカリン、メタカロン、γ-ヒドロキシ酪酸(GHB)などがあります。

  大麻に医療用途はないと考えられていましたが、1978年、米国政府は治験薬(IND)特例使用プログラムを開始し、そのなかで状況に応じて患者さんに大麻の配布を行いました。このプログラムは1992年の新規患者さんへの適用を最後に終了しました。

 これまでに、脳や体の他の部位におけるカンナビノイドの作用に関する研究が重ねられてきました。脳細胞や他の部位の神経細胞に、カンナビノイド受容体(カンナビノイドと結合する分子)が発見されました。免疫系の細胞上にカンナビノイド受容体が存在するという事実は、カンナビノイドが免疫機能に何らかの役割を果たす可能性があることを示唆しています。

 ナビキシモルス(Sativex)はカンナビス抽出物で、デルタ-9-THCとカンナビジオール(CBD)を含有します。カナダでは、進行がんまたは多発性硬化症の患者さんに生じる疼痛を軽減するためにナビキシモルスを使用することが承認(条件付き承認)されています。

4.

非合法の物質である大麻を、米国の一部のがん患者さんはどうやって使用していますか。

 

 連邦法では大麻の使用が禁止されていますが、下の地図に挙げた州や準州では、医療用大麻の使用が許可されています。その他に、カンナビジオール(CBD)など大麻の有効成分を1種類だけ合法としている州もありますが、こうした州は地図で表されていません。医療マリファナに対する法は週ごとに異なります。

米国では、連邦法により大麻(マリファナ)の使用、販売、所持が違法とされています。



地図は大麻の医療使用が承認されている米国内の州と準州を示しています。



5.

大麻はどのように使用しますか。

 

  大麻は服用するか、吸引して使用することができます。口から(焼き菓子に混ぜて、またはハーブティーとして)摂取すると、大麻の主要な精神活性成分(デルタ-9-THC)が肝臓で処理され、精神活性を持つ別の化学物質が作られます。

 喫煙や吸引によって大麻を摂取すると、速やかにカンナビノイドが血流に入ります。口から摂取した場合に比べ、精神活性を持つ別の化学物質が作られる量は少なくなります。

 複数の臨床試験で、カンナビス(大麻草)の抽出物から作られた一定量のカンナビノイドを含有する薬物が研究されており、こうした試験の数は増加しています。この薬物は舌下に噴霧して投与します。

6.

大麻またはカンナビノイドを用いた前臨床研究(基礎研究または動物での研究)は実施されていますか。

 

 カンナビノイドの前臨床試験では、以下の作用についての研究が行われました:

  抗腫瘍活性


  • マウスとラットを使用した複数の研究で、カンナビノイドには細胞死を引き起こし、細胞の増殖を抑制し、腫瘍の増殖に必要な血管の成長を阻害することで、腫瘍の増殖を抑える可能性があることが示されました。また、いくつかの基礎研究動物試験で、カンナビノイドが正常な細胞を保護しつつ、がん細胞を殺傷する可能性があることが示されました。

  • マウスを対象としたある研究では、カンナビノイドに結腸の炎症に対する保護作用があり、結腸がんのリスクを低下させ、治療に利用できる可能性があることが示されました。

  • 肝細胞がん(肝がん)細胞内でのデルタ-9-THCに関する基礎研究は、この物質ががん細胞に損傷を与える、またはがん細胞を殺傷することを明らかにしました。また、この研究では、肝がんのマウスモデルにおけるデルタ-9-THCの働きについても調べられ、この物質に抗腫瘍効果があることが示されました。これらの効果は、非小細胞肺がん細胞や乳がん細胞にも存在することのある、特定の分子にデルタ-9-THCが作用して生じることが示されました。

  • エストロゲン受容体陽性およびエストロゲン受容体陰性の乳がん細胞に対するカンナビジオール(CBD)の基礎研究では、カンナビジオールががん細胞死を引き起こす一方で、正常な乳房細胞にはほとんど影響を及ぼさないことが示されました。転移性乳がんのマウスモデルによる複数の研究では、カンナビノイドが腫瘍の増殖、数、拡がりを抑えうることが示されました。

  • ヒトのグリオーマ細胞に対するカンナビジオール(CBD)の基礎研究では、化学療法と併用すると、CBDは化学療法の効果を高め、正常な細胞に害を及ぼさずにより多くのがん細胞を殺傷できる可能性が示されました。がんのマウスモデルを用いたいくつかの研究では、CBDとデルタ-9-THCの併用によって、テモゾロミドなどの化学療法の効果が上がることが示されました。

  食欲の刺激


  • 多数の動物試験で、デルタ-9-THCと他のカンナビノイドが食欲を刺激し、食物摂取を促進しうることが示されています。

  痛みの緩和


  • 脳や脊髄内、または全身の神経末端に存在するカンナビノイド受容体(カンナビノイドと結合する分子)が痛みを緩和する働きについての研究が行われました。

  • 痛みの緩和に有用となりうるカンナビノイドの抗炎症作用について、研究が行われました。

  • 複数の動物試験により、カンナビノイドが一部の化学療法により生じる神経障害(疼痛、しびれ、刺痛、腫れ、筋力低下)を防ぐことが明らかになっています。

  吐き気と嘔吐


  • 脳細胞に存在するカンナビノイド受容体は、吐き気嘔吐の制御に関与している可能性があります。いくつかの動物試験では、デルタ-9-THCと他のカンナビノイドがカンナビノイド受容体を活性化し、特定の化学療法による嘔吐を防止することが示されています。

  不安と睡眠


  • 気分や不安の調整に関係する脳や他の部位の神経系に、カンナビノイド受容体の存在が認められています。

  • カンナビジオール(CBD)の抗不安作用は複数の動物モデルで実証されています。

7.

がん患者さんによる大麻やカンナビノイドの使用に関する臨床試験(ヒトに対する調査研究)は実施されていますか。

 

 ヒトを対象としたがん治療薬としての大麻の臨床試験は、米国国立衛生研究所により管理されているCAM on PubMedデータベースには存在しません。

  大麻とカンナビノイドは、次のようながんやがん治療の副作用を管理する方法に関する臨床試験で研究されています:

  がん


  吐き気と嘔吐


  • 経口デルタ-9-THC:米国では、承認済みの2種類のカンナビノイド薬、ドロナビノールナビロンを利用することができます。ドロナビノールとナビロンはともに、標準治療反応しない患者さんに生じた、化学療法に関連する吐き気と嘔吐の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に承認されています。多数の臨床試験で、ドロナビノールとナビロンは同様に有効であることや、FDAに承認された他のいくつかの薬物よりも吐き気と嘔吐を軽減する効果が強いことが示されました。化学療法に関連する吐き気の治療に用いられる新しい薬物を、がん患者さんを対象に、大麻またはカンナビノイドと直接比較する試験は実施されていません。

  • 吸入大麻:10件の小規模試験で、化学療法に関連する吐き気と嘔吐の治療薬として吸入大麻が検討されました。各種の試験方法と化学療法薬が使用され、結果も様々でした。これらの知見を解釈するのに十分な情報は得られませんでした。

  • デルタ-9-THCとカンナビジオール(CBD)の口腔スプレー:ナビキシモルスというカンナビス抽出物の口腔スプレーは、スペインで行われた小規模のランダム化 プラセボ対照 二重盲検臨床試験で、化学療法に関連する吐き気と嘔吐を治療する効果が示されました。

  • 小児の吐き気などの症状大麻やカンナビノイドを用いる治療法が注目を集めていますが、これに関する研究は少数しかありません。米国小児科学会は、脳の発達に関する懸念があるとして、大麻とカンナビノイドの使用を是認していません。

  食欲の刺激


  • 経口デルタ-9-THC:1件の臨床試験で、食欲不振に陥っている進行がんの患者さんを対象にデルタ-9-THC(ドロナビノール)と標準的薬物(メゲストロール)の比較が行われました。その結果、デルタ-9-THCは進行がんの患者さんの食欲増進や体重増加に関して、標準治療に匹敵する効果を持たないことが示されました。しかし、体重減少がみられるHIV/AIDSの患者さんを対象とした臨床試験では、プラセボ群の患者さんに比べ、デルタ-9-THCを投与された患者さんに食欲の増進と体重減少の抑止が認められました。

  • 吸入大麻:食欲不振がみられるがん患者さんを対象とした、吸入大麻の効果についての研究は発表されていません。大麻を吸入した健康な人を対象とした研究では、それらの人はより多くのカロリー、特に高脂肪の甘いスナック菓子を摂取していたことが示されています。

  痛みの緩和


  • カンナビノイドとオピオイドの併用:慢性疼痛の患者さん21人を対象とした小規模研究では、気化させた大麻モルヒネを併用すると、モルヒネを単独で使用した場合よりも高い鎮痛効果が得られましたが、気化させた大麻オキシコドンを併用した場合は、有意に優れた鎮痛効果が得られませんでした。これらの発見は、さらなる研究で追試するべきです。

  • 経口デルタ-9-THC:経口デルタ-9-THCに関する2件の小規模臨床試験では、この物質によりがんの痛みが軽減されました。1件目の研究では、患者さんの痛みを緩和する優れた効果が認められたほか、吐き気と嘔吐を軽減し、食欲を増進させる効果もみられました。2件目の研究では、デルタ-9-THCを、コデインと同様の鎮痛効果が得られる用量で投与できることが示されました。ナビロンの観察研究では、ナビロンを投与した場合、何も対処しなかった場合に比べて、吐き気、不安苦悩を伴うがんの痛みが緩和されました。FDAは、ドロナビノールとナビロンを痛みを管理する薬物として承認していません。

  • カンナビスのハーブから抽出した薬物:カンナビスのハーブから得られ、一定量のカンナビノイドを含んでいる抽出物に関する試験では、この抽出物を舌下に噴霧して投与すると、強いオピオイド単体では軽減されなかった進行がんの痛みに有効でした。低用量のカンナビノイドスプレーを患者さんに投与すると、プラセボを投与した場合に比べ、明らかに痛みがよく抑えられ、不眠が少なくなることが示されました。その結果、一部の患者さんは、がんに関連する痛みを管理し続けるうえで、高用量のスプレーや他の高用量の鎮痛薬を必要としなかったことが明らかになりました。

  不安と睡眠


  • 吸入大麻:1件の小規模ケースシリーズでは、大麻を吸入した患者さんに気分の向上、幸福感の上昇、不安の低減がみられました。

8.

大麻とカンナビノイドによる副作用またはリスクは報告されていますか。

 

 カンナビノイドの有害な副作用には、次のようなものがあります:


  大麻の煙にはタバコの煙と同じ物質が多く含まれているため、大麻の煙の吸入がに及ぼす影響が懸念されています。がんを患っていない男女5,000人以上を対象とした20年以上にわたる研究では、喫煙は一部の肺機能の喪失に関係していましたが、大麻の一時的な使用や低頻度での使用は肺機能の喪失に関連していませんでした。

 長期間にわたる大麻の使用は、内分泌系生殖系に有害な影響を及ぼす可能性があるため、大麻利用者における精巣胚細胞腫瘍(TGCT)の発生率が調査されました。大麻使用とTGCTのリスク増大との間に関連があるかどうかを明らかにするには、長期間にわたって患者さんを追跡する大規模研究と、TGCTのカンナビノイド受容体についての基礎研究が必要です。

 1件のレビューで、カリフォルニア男性健康研究(California Men's Health Study)に参加した男性84,000人以上を対象に、大麻使用者と非使用者の膀胱がん発生率が検討されました。16年にわたる追跡調査を行い、年齢、人種または民族集団、肥満指数(BMI)に基づく調整を加えた結果、大麻使用を報告しなかった男性に比べ、大麻使用者の膀胱がん発生率は45%低かったことが明らかになりました。

  大麻とカンナビノイドはいずれも習慣性があると考えられています。

 カンナビノイドの使用を中止することで起こる症状には、次のようなものがあります:


  • いらだち。

  • 睡眠障害

  • 落ち着きがなくなる。

  • ほてり。

  • 吐き気や痙攣(まれに起こる)。

 これらの症状はアヘン剤の使用中止に伴う症状より軽度で、通常は数日で少なくなります。

9.

米国食品医薬品局は、米国で大麻またはカンナビノイドをがん治療法として使用することを承認していますか。

 

  米国食品医薬品局は、がんの治療薬として大麻またはカンナビノイドを使用することを承認していません。

10.

米国食品医薬品局は、大麻またはカンナビノイドをがん関連の症状やがん治療の副作用の治療に使用することを承認していますか。

 

 米国食品医薬品局(FDA)は、大麻をがん関連の症状やがん治療の副作用の治療に使用することを承認していません。

  2種類のカンナビノイド(ドロナビノールとナビロン)は、標準治療に反応しない患者さんに現れた、化学療法に関連する吐き気と嘔吐の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に承認されています。

 | 

現在実施中の臨床試験

NCI支援のがん臨床試験リストから、現在患者さんの登録を行っているマリファナナビロンドロナビノールナビキシモルスのがんCAM臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。

米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

 | 

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、がん患者さんに対する治療での大麻やカンナビノイドの使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Integrative, Alternative, and Complementary Therapies Editorial Board. PDQ Cannabis and Cannabinoids. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/patient/cannabis-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

 | 

補完代替医療(CAM)についての一般的な情報

補完代替医療(CAM)は、統合的医療とも呼ばれ、ヒーリングに関する原理やアプローチ、治療法などを幅広く意味します。従来の治療に加えて実施する場合は補完療法と呼ばれ、また、従来の治療の代わりに実施する場合は、よく代替療法と呼ばれます(従来の治療とは医学界で広く受け入れられ、かつ主流となっている治療を意味します)。どのように用いられるかによって、補完療法とみなされる場合と、代替療法とみなされる場合があります。補完代替療法は、病気の予防やストレスの軽減、副作用や症状の予防と軽減、そして疾患の管理や治癒を目的として用いられます。

がんの従来の治療とは異なり、補完代替療法は保険が適用されないことが多くあります。患者さんは加入保険会社に、補完代替医療が保険の適用対象となっているかどうかを確認することをお奨めします。

補完代替医療の中には、標準治療を妨げたり、従来の治療と併用した場合に有害となりうるものがあるため、補完代替療法を検討されているがん患者さんはどんな治療法でも必ず、担当医や看護師、薬剤師と相談して意思決定を行ってください。

 | 

補完代替医療(CAM)のアプローチの評価

補完代替医療の治療についても、従来の治療の評価と同様、厳格な科学的評価を行うことが重要です。米国国立がん研究所および米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は医療施設において、がんに対するCAM療法の評価を行うための臨床試験(調査研究)を数多く主催しています。

一般的に、がんの治療における従来のアプローチは、多数の患者さんを対象とした臨床試験の実施など、厳格な科学的プロセスを経て、安全性や有効性が検討されています。それに比べ、補完代替医療の安全性や有効性についてはあまり知られていません。厳格な評価を経たCAM療法はごくわずかです。はじめは純粋に代替アプローチとみなされていた少数のCAM療法が、治癒を求めるものではなく、患者さんをより楽にし回復を早める手助けとなる補完医療として、がんの治療で用いられつつあります。1つの例が鍼療法です。1997年11月に開催された米国国立衛生研究所(NIH)の専門家委員会の会合によると、鍼療法は化学療法に関連した吐き気や嘔吐、そして手術に関連した疼痛の管理に有効であることがわかりました。対照的に、レートリルの使用などのいくつかのアプローチは、検討の結果、無効であるか、または有害となりうることがわかりました。

1991年に始まったNCIのBest Case Series Programは、臨床で用いられているCAMアプローチの評価を行うプログラムの1つです。このプログラムはNCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)の監視下で進められています。がん代替医療を行う医療専門家は、患者さんのカルテや関連資料をOCCAMに提出します。OCCAMではそれらの資料を厳密に精査し、NCI主導の研究を正当化するであろう治療アプローチについては、フォローアップ研究の戦略を立てています。

 | 

補完代替医療(CAM)について医療提供者に質問すべきこと

補完代替療法を受けることを考えている場合、患者さんは主治医などの医療提供者に次の質問を行ってください。


  • どのような副作用が予想されますか。

  • この治療に伴うリスクは何ですか。

  • 既知の有益性はそれらのリスクに勝っていますか。

  • この治療からどのようなメリットが期待できますか。

  • この治療は従来の治療の妨げになりますか。

  • この治療は臨床試験の一部として実施されますか。

  • もしそうなら、誰がその試験を主催しますか。

  • この治療には健康保険が適用されますか。

 | 

補完代替医療(CAM)についてさらに知るには

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)

米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、補完代替医療の研究および評価を促進し、医療専門家や一般の方を対象に様々なアプローチについての情報を提供しています。


    NCCIH Clearinghouse
    Post Office Box 7923 Gaithersburg, MD 20898–7923
    電話:+1-888-644-6226 (フリーダイヤル)
    テレタイプライター付の電話(耳が聞こえないか聴覚に障害のある方用):+1-866-464-3615
    E-mail:info@nccih.nih.gov
    ウェブサイト:https://nccih.nih.gov

CAM on PubMed

NCCIHおよびNIH国立医学図書館(NLM)は共同でCAM on PubMedを開発し、CAMに関連するジャーナルの記載内容を無料かつ簡単に検索できる機能を提供しています。NLMの図書目録データベースのサブセットとして、CAM on PubMedには様々な科学ジャーナルのCAMに関連する論文から、230,000を超える文献や抄録が登録されています。このデータベースはさらに、1,800を超えるジャーナルにリンクしており、ユーザーが論文全文を参照できるようになっています(論文全文を参照するには、購読料などの費用が発生する場合があります)。

がん補完代替医療オフィス

NCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)は、補完代替医療(CAM)の分野におけるNCIの活動をコーディネートしています。OCCAMはCAMのがん研究をサポートし、がんに関連するCAMについての情報を、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトを通して医療提供者や一般の方に提供しています。

米国国立がん研究所(NCI)のがん情報サービス

米国にお住まいの方は、NCIがん情報サービスフリーダイヤル+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)に電話をすることができます(月曜日から金曜日の午前8時から午後8時まで)。訓練を受けたがん情報スペシャリストが質問にお答えします。

食品医薬品局

食品医薬品局(FDA)は、薬物や医療機器を規制し、それらの安全性と有効性を確保しています。


    食品医薬品局
    10903 New Hampshire Avenue
    Silver Spring, MD 20993
    電話:+1-888-463-6332 (フリーダイヤル)
    ウェブサイト:http://www.fda.gov

連邦取引委員会

連邦取引委員会(FTC)は消費者保護法を施行しています。FTCから入手可能な出版物は以下の通りです:


  • Who Cares: Sources of Information About Health Care Products and Services

  • Fraudulent Health Claims: Don't Be Fooled


    消費者センター
    連邦取引委員会
    600 Pennsylvania Avenue, NW
    Washington, DC 20580
    電話:+1-877-FTC-HELP(+1-877-382-4357)(フリーダイヤル)
    テレタイプライター付の電話(耳が聞こえないか聴覚に障害のある方用):202-326-2502
    ウェブサイト:http://www.ftc.gov
 |