
がん 予防とは、がんにかかる可能性を低くするためにとる行動です。がん予防を行えば、集団または人口におけるがんの新規症例の数が減少します。うまくいけば、それにより、がんによる死亡者の数を減らすことができます。
新たながんの発生を予防するため、科学者はリスク因子と防御因子に注目します。がん発生の可能性を高めるものは全てがんのリスク因子と呼ばれ、がん発生の可能性を低減させるものは全てがんの防御因子と呼ばれます。
がんのリスク因子には回避できるものもありますが、回避できないものも数多くあります。例えば、喫煙の習慣と特定の遺伝子をもっていることは、どちらもある種のがんのリスク因子ですが、避けることができるのは喫煙だけです。普段から運動や健康的な食事を心がけることは、いくつかの種類のがんに対する防御因子となります。リスク因子を避けて防御因子を増やすことはリスクの低減につながりますが、それでがんに罹らなくなるということではありません。
現在、以下のような様々ながんの予防法が研究されています:
口腔がんのスクリーニング、診断、および治療に関する情報については以下のPDQの要約をご覧ください:
口腔がんは主に、以下の3つの領域のいずれかに発生します:
口腔がんの大半は、口唇、口腔、および中咽頭の表面を覆っている扁平上皮細胞(薄く扁平な形をした細胞)から発生します。扁平上皮細胞から発生したがんは扁平上皮がんと呼ばれます。扁平上皮がんは、白板症(異常な細胞から成る白い斑点)や紅板症(異常な細胞から成る赤い斑点)などの粘膜(口腔や咽頭の内側を覆っている膜)上の病変から発生する場合があります。
口腔がんは女性よりも男性に多くみられます。口腔がんの患者さんのほとんどは男性です。しかしながら、米国では、ここ20年の間に舌がんと診断される女性の数が大幅に増加してきています。
米国などの欧米諸国では、口腔がんの発生部位として最も多い部位は舌と口腔底となっています。一方、噛みタバコやビンロウジを噛む習慣が一般的な地域では、臼後三角や頬粘膜からの口腔がんの発生がより多くみられます。
喫煙や過体重、運動不足などのがんのリスク因子を避けることは、特定のがんの予防につながる可能性があります。禁煙、健康的な食事、運動などの防御因子を高めることも、がん予防に役立ちます。がんのリスクを低減させる方法については、担当の医師か他の医療専門家にご相談ください。
以下のリスク因子には口腔がんのリスクを高める可能性があります:紙巻きタバコやパイプ、葉巻、噛みタバコ(無煙タバコ)など、どのような使用方法であれ、タバコの使用には口腔がんとの関係が示されています。口腔がんのリスクは、1日当たりの喫煙本数に応じて増加していきます。タバコの使用が原因の口腔がんは、口腔底から発生する場合が最も多いですが、口腔の他の部分や中咽頭、口唇などに発生することもあります。
タバコの使用とアルコールの摂取(飲酒)の両方の習慣がある人では、タバコの使用と飲酒どちらかだけの人よりも、口腔がんの発生リスクがさらに高くなります。
タバコ使用の習慣のある口腔がんの患者さんでは、口腔内やその周辺の領域(鼻、咽頭、声帯、食道、気管など)に二次がんが発生することがあります。
臨床試験の結果から、喫煙を止めた人では5年間で口腔がんのリスクが半分(50%)に減少することが分かっています。さらに、禁煙開始から10年後には、口腔がんのリスクはタバコを一度も使用したことのない人と同等にまで減少します。
飲酒飲酒は口腔がんの主要なリスク因子のひとつです。
口腔がんのリスクは、1日当たりのアルコール摂取量に応じて増加していきます。飲酒はまた、白板症(異常な 細胞から成る白い斑点)と紅板症(異常な細胞から成る赤い斑点)のリスク因子でもあります。そして粘膜上にできた白板症や紅板症の病変は、がんに変化することがあります。
アルコールの摂取(飲酒)とタバコの使用の両方の習慣がある人では、飲酒とタバコの使用のどちらかだけの人よりも、口腔がんの発生リスクがさらに高くなります。
臨床試験の結果から、飲酒を止めた人では口腔がんのリスクが減少することが分かっています。
日光への暴露普段よく日光を浴びる人では、口唇がんのリスクが高くなることがあり、その場合はほとんどが下唇に発生します。日光を避けたり日焼け止め入りのリップクリームや口紅を塗ったりすることによって口唇がんのリスクを低減できるかどうかは分かっていません。
HPV感染症特定の種類のヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することは、口腔がんのリスクを高める可能性があります。
マリファナの使用マリファナの使用は、口腔がんのリスクを高める可能性があります。また高リスクのHPV感染症のある人がマリファナを使用した場合には、さらに口腔がんのリスクが高まる可能性があります。
以下の防御因子には口腔がんのリスクを下げる可能性があります:果実と線維を豊富に含む野菜を多く摂取することは、口腔がんの発生リスクを低減させる可能性があります。
化学予防化学予防とは、がんの増殖を予防あるいは遅延させることを目的として、薬やビタミン剤などの物質を使用することです。
現在、口腔がんのリスクの高い患者さん(口腔に前がん病変のある患者さんや口腔がんの既往歴のある患者さんなど)を対象とした化学予防の研究が実施されています。NCIのCancer Clinical Trials Registryから、口唇がんおよび口腔がんと中咽頭がんを対象とした化学予防臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。
がんの予防法の研究では、がん予防臨床試験が実施されます。特定のがんの発生リスクを低下させる方法を研究するには、がん予防臨床試験が実施されます。がん予防臨床試験には、がんにかかってはいないものの、がんのリスクが高い人々を対象として行われるものもあります。また、すでにがんにかかっていて、同種のがんのさらなる発生を予防しようとしている人々や、別の種類のがんが発生する可能性を小さくしようとしている人々を対象とした予防試験もあります。その他にも、がんのリスク因子をもっていることが判明していない健康なボランティアを対象とした試験もあります。
一部のがん予防臨床試験では、何らかの行動によってがんを予防できるかどうかを検証することが目的となります。具体的には、果実や野菜を食べる、運動をする、喫煙をやめる、特定の薬、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品などを摂取する、などが挙げられます。
現在、口腔がんの新たな予防法が臨床試験で検証されています。臨床試験は米国各地で行われています。臨床試験の情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページの臨床試験のセクションでご覧いただけます。NCIのPDQ Cancer Clinical Trials Registryから、現在患者さんを受け入れている口唇および口腔がんの予防試験と中咽頭がんの予防試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。
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