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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

口腔がんと中咽頭がんの予防(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-02-19
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Screening and Prevention Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、口腔がんと中咽頭がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

口唇がんと口腔がん がんの予防

予防とは

がん 予防とは、がんにかかる可能性を低くするためにとる行動です。がんを予防することで、集団または人口におけるがんの新規症例の数が減少します。うまくいけば、それにより、がんによる死亡者の数を減らすことができます。

新たながんの発生を予防するため、科学者リスク因子防御因子に注目します。がん発生の可能性を高めるものは全てがんのリスク因子と呼ばれ、がん発生の可能性を低減させるものは全てがんの防御因子と呼ばれます。

がんのリスク因子には回避できるものもありますが、回避できないものも数多くあります。例えば、喫煙の習慣と特定の遺伝子変異の遺伝は、いずれもいくつかの種類のがんにおけるリスク因子ですが、避けることができるのは喫煙だけです。普段から運動や健康的な食事を心がけることは、いくつかの種類のがんに対する防御因子となります。リスク因子を避けて防御因子を増やすことはリスクの低減につながりますが、それでがんに罹らなくなるということではありません。

現在、以下のような様々ながんの予防法が研究されています:


  • 生活習慣や食習慣の改善。

  • がんの原因となることが分かっている因子の回避。

  • 前がん性の 状態の治療やがん発生の阻止を目的としたの使用。

口腔がんスクリーニング診断、および治療に関する情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


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口腔がんと中咽頭がんについての一般的な情報

口腔がんおよび中咽頭がんは、口腔または咽頭悪性(がん)細胞ができる疾患です。口腔がんと中咽頭がんの大半は、口腔および中咽頭の表面を覆っている扁平上皮細胞(薄く扁平な形をした細胞)から発生します。扁平上皮細胞から発生したがん扁平上皮がんと呼ばれます。

口腔がんは主に、口腔の以下の組織に発生します:


  • 舌の前方3分の2の部分。

  • 歯肉

  • 頬粘膜(頬の内側を覆っている組織)。

  • 舌の下の口腔の底の部分。

  • 硬口蓋(口腔の天井のうち前方の骨でできた部分)。

  • 臼後三角親知らずの後方の小さな領域)。



口腔の解剖図:図は口唇、硬口蓋、軟口蓋、臼後三角、舌の前側3分の2、歯肉、頬粘膜、口腔底を示している。歯、口蓋垂、扁桃も示している。



口腔の解剖図。口腔には、口唇、硬口蓋(口の天井前方の骨のある部分)、軟口蓋(口の天井後方の筋肉部分)、臼後三角(智歯(親知らず)後方の領域)、舌の前方3分の2、歯肉(歯ぐき)、頬粘膜(頬と口唇の内側を覆う組織)、舌の下側にある口の底部が含まれます。



中咽頭がんは、以下の中咽頭の組織に発生します:


  • 口腔の後方に位置する咽頭(喉)の中間部。

  • 舌の後方3分の1の部分。

  • 軟口蓋(口腔の天井のうち後方の軟らかい部分)。

  • の側壁および後壁。

  • 扁桃



咽頭の解剖図:図は上咽頭、中咽頭、下咽頭を示す。鼻腔、口腔、食道、気管、喉頭も示している。



咽頭(喉)の解剖図。咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つの部分から成ります。



病変は口腔と中咽頭の粘膜に生じることがあります。こうした病変には以下のものがあります:


  • 白板症異常な細胞から成る白い斑点)。

  • 紅板症(異常な細胞から成る赤い斑点)。

  • 紅色肥厚症(異常な赤い増殖)。

これらの病変はがんになることがありますが、頻繁ではありません。

口腔がんまたは中咽頭がんになり、それにより死亡する男性の数は、女性の2倍を超えています。

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口腔がんと中咽頭がんの予防

リスク因子を回避することと防御因子を増やすことは、がんの予防につながります。

がんリスク因子を避けることは、特定のがんの予防につながる可能性があります。リスク因子には、喫煙、過体重、運動不足などがあります。禁煙、健康的な食事、運動などの防御因子を高めることも、がん予防に役立ちます。がんのリスクを低減させる方法については、担当の医師か他の医療専門家にご相談ください。

口腔がん中咽頭がんは異なる2つの病気ですが、いくつかのリスク因子が共通しています。

口腔がんと中咽頭がんのリスク因子には、以下のものがあります:
タバコの使用

タバコの使用は口腔がんと中咽頭がんの主な原因です。現在喫煙者がこれらのがんになるリスクは、タバコを一度も使用したことのない人の5~10倍です。

紙巻きタバコパイプ葉巻無煙タバコかぎタバコ噛みタバコ)などの種類を問わず、タバコの使用は口腔がんや中咽頭がんの原因になります。紙巻きタバコの喫煙者では、1日当たりの喫煙本数が多いほど、口腔がんと中咽頭がんのリスクも高くなります。

飲酒

アルコールの使用も口腔がんと中咽頭がんの重要なリスク因子です。

口腔がんと中咽頭がんのリスクは、1日当たりのアルコール摂取量に応じて増加していきます。アルコールを飲まない人と比べて、1日に3、4杯のアルコール飲料を飲む人では口腔がんと中咽頭がんのリスクが約2倍になり、5杯以上飲む人では5倍以上になります。

タバコの使用と飲酒

アルコールの摂取(飲酒)とタバコ使用の両方の習慣がある人では、口腔がんと中咽頭がんの発生リスクが酒とタバコのどちらかだけを嗜む人の2~3倍に高まります。日に2箱以上の紙巻きタバコを吸い、4杯より多くアルコール飲料を飲む人では、酒もタバコも嗜まない人に比べて、口腔がんと中咽頭がんのリスクが約35倍になります。

キンマまたはグトゥカーの使用

キンマやグトゥカー(タバコ入りキンマ)を噛むと、口腔がんと中咽頭がんのリスクが高くなることが証明されています。キンマには発がん性物質のビンロウジが含まれています。キンマまたはグトゥカーを噛んで使用している期間と頻度に応じて、口腔がんと中咽頭がんのリスクが高くなります。キンマ単体で使用するより、グトゥカーを使用している場合の方が、口腔がんと中咽頭がんのリスクは増大します。キンマやグトゥカーを噛む習慣は、中国やインドなど、南アジアと東南アジアの多くの国で一般的です。

頭頸部がんの個人歴

頭頸部がんの個人歴があると、口腔がんと中咽頭がんのリスクが高まります。

中咽頭がんのリスク因子には、以下のものがあります:
HPV感染症

特定の種類のHPV(特にHPV16型)に感染すると、中咽頭がんのリスクが増大します。HPV感染症は、主として性的接触により伝染します。

HPV 16型に口腔感染している人の中咽頭がんリスクは、そうした感染を起こしていない人の約15倍です。

口腔がんと中咽頭がんの防御因子には、以下のものがあります:
禁煙

複数の研究で、紙巻きタバコを禁煙すると、口腔がんと中咽頭がんのリスクが5年以内に半減することが示されています。さらに、禁煙から20年以内に、タバコを一度も使用したことのない人と同じレベルまで口腔がんと中咽頭がんのリスクが低下します。

特定のリスク因子を避けることで口腔がんと中咽頭がんのリスクが低下するかどうかははっきりしていません。

飲酒をやめることで、口腔がんと中咽頭がんのリスクが低下するかどうかは実証されていません。

HPVワクチン接種を受けると、口腔HPV感染のリスクは大幅に軽減されます。年齢を問わずHPVワクチン接種を受けることにより、HPV感染が原因で生じる中咽頭がんのリスクが低下するかどうかは、まだ分かっていません。

がんの予防法の研究では、がん予防臨床試験が実施されます。

特定のがんのリスクを低下させる方法を研究するために、がん予防 臨床試験が実施されます。がん予防臨床試験には、がんにかかってはいないものの、がんのリスクが高い人々を対象として行われるものもあります。また、すでにがんにかかっていて、同種のがんのさらなる発生を予防しようとしている人々や、別の種類のがんが発生する可能性を小さくしようとしている人々を対象とした予防試験もあります。その他にも、がんのリスク因子をもっていることが判明していない健康なボランティアを対象とした試験もあります。

一部のがん予防の臨床試験の目的は、何らかの行動によってがんを予防できるかどうかを検証することです。具体的には、果実や野菜を食べる、運動をする、喫煙をやめる、特定のビタミンミネラル栄養補助食品などを摂取する、などの行動です。

現在、口腔がんと中咽頭がんの新たな予防法が臨床試験で検証されています。

臨床試験は米国各地で行われています。臨床試験の情報は、NCIのウェブサイトの臨床試験のセクションでご覧いただけます。NCIのがん臨床試験リストから、現在患者さんを受け入れている口腔がんの予防試験中咽頭がんの予防試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、口腔がんと中咽頭がんの予防に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board. PDQ Oral Cavity and Oropharyngeal Cancer Prevention. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/head-and-neck/patient/oral-prevention-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389257]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

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