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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

アンチネオプラストン(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-03-19
    翻訳更新日 : 2017-02-17

概要


  • アンチネオプラストンは、尿および血液に一般的に含まれている化合物です。医学研究で使う場合には、アンチネオプラストンは実験室で化学物質から作られます(詳しくは質問1を参照してください)。

  • アンチネオプラストン療法は、アンチネオプラストンをがんの治療に使える可能性があると1976年に提案したS.R.ブルジンスキー博士が開発しました(詳しくは質問2を参照してください)。

  • アンチネオプラストンの有効性を示すランダム化 対照試験は、査読済み科学雑誌に発表されていません(詳しくは質問6を参照してください)。

  • ブルジンスキー博士のクリニックで、アンチネオプラストンががんに与える影響を研究する非ランダム化臨床試験が現在行われています(詳しくは質問6を参照してください)。

  • アンチネオプラストンはこれまでに、軽度の副作用および神経系の重大な問題を引き起こしています(詳しくは質問7を参照してください)。

  • アンチネオプラストンは、何らかの疾患に対する予防薬または治療薬として米国食品医薬品局に承認されていません(詳しくは質問8を参照してください)。

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アンチネオプラストンに関する質問と回答

1.

アンチネオプラストンとはどのようなものですか。

 

  アンチネオプラストン尿および血液に一般的に含まれている化合物群です。大部分がアミノ酸蛋白を構成する単位)とペプチド(2つ以上のアミノ酸からなる化合物)で構成されています。医学研究で使う場合、アンチネオプラストンは元々は人の尿から取り出していましたが、現在は実験室で化学物質から作られます。

2.

アンチネオプラストンはどのような経緯で発見され、がんの補完代替治療として使われるようになったのですか。

 

 Antineoplaston therapy was developed by Dr. S. R. Burzynski.アンチネオプラストン療法は、S.R.ブルジンスキー博士が開発しました。博士は、細胞の成長のしかたを制御するプロセスが体の中にあるはずであり、細胞が際限なく分裂し続け、成長して腫瘍になる時は、このプロセスが働かなくなっているという考えを提示しました。博士は、ある天然物質が異常な細胞を正常な成長の過程に戻すと主張し、その物質を「アンチネオプラストン」と名付けました。ペプチドは体の中で指令を運ぶ役割を担うと考えられているため、博士はがん患者の血液に含まれていると思われるペプチドを探し始めました。ブルジンスキー博士はがん患者の血液と健康な人の血液とを比較して、がん患者ではある化学物質群の量が少ないことを発見しました。そして、同じ化学物質を尿中にも発見し、これらの化学物質のうちの一部は、ある種のがん細胞の分裂を止めるのに使用できる可能性を示唆しました。

 ブルジンスキー博士は健康な人の尿から、いくつかの異なる種類のアンチネオプラストンを分離して取り出しました。博士はこれらのアンチネオプラストンの影響を確認するために、正常な細胞と異常な細胞を使って検証を行い、ある種のアンチネオプラストンは他のものよりも多くの種類の異常な細胞に、より大きな影響を及ぼすことを見い出しました。博士は、この種類のものをアンチネオプラストンAと呼びました。その後、アンチネオプラストンA1、A2、A3、A4、A5を開発して検証しました。そして、腫瘍細胞への影響が最も大きいのはA2であることを発見し、A2に含まれる有効成分をA10と命名しました。続いて、他のアンチネオプラストンが発見されました。1976年、ブルジンスキー博士は、アンチネオプラストンをがん治療に使用できる可能性があると提唱し、自身のクリニックでの臨床試験で、患者を治療し始めました(詳しくは質問6を参照してください)。1980年代以降、ブルジンスキー博士はアンチネオプラストンを尿や血液から抽出するのをやめ、自身の実験室で化学物質から作っています。

3.

アンチネオプラストンががんの治療に役立つという主張の背景にはどのような理論があるのですか。

 

 ブルジンスキー博士によると、体内でアンチネオプラストンが不足すると、異常な成長を始めた細胞が修正されず、腫瘍ができて増殖します。博士の主張では、アンチネオプラストン療法は、健康な細胞には影響を与えずに、細胞の異常な成長を是正して正常に成長させたり、細胞を自然な死に至らせたりするために必要な物質を体に供給します。

4.

アンチネオプラストンはどのように投与されますか。

 

 アンチネオプラストンはこれまでに色々な方法で投与されています。現在、アンチネオプラストンはたいてい、経口投与されるか注射により投与されます。

5.

アンチネオプラストンを使用した前臨床研究(基礎研究や動物での研究)は実施されていますか。

 

 研究室での研究や動物を使った試験は、ある薬物、処置、治療法などがヒトにおいて役に立つ可能性があるかどうかを明らかにするために行われます。こうした前臨床研究は、ヒトを対象とした試験が開始される前に実施されます。

 ブルジンスキー博士は、アンチネオプラストンがヒトのがん細胞にどのように影響するかを確認するために基礎研究を行いました。そして、アンチネオプラストンAはヒトのがん細胞を死滅させたが、動物の腫瘍細胞には影響しなかったと報告しました。他の種類のアンチネオプラストンについては動物での試験は行われていません。

  日本人科学者が、ヒトの肝がん細胞を使っていくつかの種類のアンチネオプラストンを検証しました。細胞の増殖を遅らせたり細胞を死滅させたりするには、高用量が必要でした。

 2014年に日本で行われた1件の研究では、アンチネオプラストンAS2-1がヒトの結腸がん細胞で調べられました。がん細胞で効果を得るには高濃度のAS2-1が必要でした。この細胞研究で確認されたAS2-1の濃度は、AS2-1の投与を受けたがん患者さんにみられる濃度の4倍であるため、これらの発見は臨床研究に有用でない可能性があります。

 いくつかの種類の合成アンチネオプラストンが様々な種類の細胞を使って検証され、尿から取り出した天然のものよりも効果が高いと報告されました。

 (前臨床研究の結果に関する詳しい情報については、PDQアンチネオプラストンに関する専門家向けの要約をご覧ください。)

6.

アンチネオプラストンの臨床試験(ヒトに対する調査研究)は実施されていますか。

 

 これまでに、がんの治療薬としてのアンチネオプラストンの第III相 ランダム化 対照試験は実施されていません。

  ブルジンスキー博士のクリニックでは多数のがん患者がアンチネオプラストンを用いた治療を受け、研究が行われています。このクリニック以外で実施された試験や症例研究は少数です。研究されたがんとしては、乳がん膀胱がん子宮頸がん前立腺がん、肝がん、肺がん白血病リンパ腫脳腫瘍などがあります。

 発表された情報としては、第I相臨床試験第II相臨床試験の結果や症例報告などがあります。臨床試験での研究が行われたアンチネオプラストンは以下の通りです:


  • アンチネオプラストンA

  • アンチネオプラストンA10

  • アンチネオプラストンAS2-1

  • アンチネオプラストンAS2-5

  • アンチネオプラストンA2

  • アンチネオプラストンA3

  • アンチネオプラストンA5

  アンチネオプラストンの安全性

 第I相臨床試験は、新しい治療法をヒトを対象として検証する最初の段階です。こうした試験では研究者が、どれくらいの用量が安全か、どのように投与すべきか(経口、注射など)、どれくらいの頻度で投与すべきかなどを検証して確認します。

 アンチネオプラストンの第I相臨床試験では、副作用は通常は軽度で、長く続きませんでした。

 最も重度の有害な副作用は、第II相臨床試験で起こりました。がんの第II相臨床試験では、ある治療法が特定の種類のがんに対抗してどのように働くか、体にどのように影響するかを研究します。脳腫瘍の患者さんを対象としたアンチネオプラストンA10とAS2-1の第II相臨床試験では、眠気、錯乱痙攣発作、脳周辺の腫れなど、重度の神経系の副作用が報告されました

 (詳しくは質問7を参照してください)。

  アンチネオプラストンが脳腫瘍、前立腺がん、肝がんに与える影響

 いくつかの特定の種類のがんに対するアンチネオプラストンの影響について、研究報告が行われています:


  • ブルジンスキー博士のクリニックとMayo Clinicで、アンチネオプラストンA10とAS2-1が脳腫瘍に与える影響の研究が行われました。日本で行われた脳腫瘍の試験では、どの種類のアンチネオプラストンが使われたのかは報告されていません。

  • アンチネオプラストンAS2-1が前立腺がんに与える影響が、ブルジンスキー博士のクリニックで研究されました。

  • アンチネオプラストンA10が肝がんに与える影響についての記述が、日本からの症例報告にあります。

 これらの研究からは様々な結果が報告されており、がんの寛解(がんの徴候と症状が減ったり消失したりすること)も複数例みられました。他の研究者による調査では、ブルジンスキー博士とそのチームが報告したのと同じ結果が得られていません。報告された研究で対象となっていた患者さんのなかには、アンチネオプラストン療法のほかに標準治療を受けていた人もいました。そのような患者さんでは、反応や副作用がアンチネオプラストン療法によって起こったのか、他の治療法によって起こったのか、その両方なのかが分かりません。もう1つ別の報告(日本での研究)がありますが、ブルジンスキー博士の報告と同じ結果ではありません。

 (臨床試験の結果に関する詳しい情報については、PDQのアンチネオプラストンに関する専門家向けの要約をご覧ください。)

  ランダム化 対照試験からは、最も高いレベルの証拠が得られます。この試験では、試験に参加したいという人々を2つ以上のグループにランダムに(偶然によって)振り分け、異なる治療法を比較します。1つのグループ(対照群と呼ばれる)は、研究中の新しい治療を受けません。対照群と新しい治療を受けるグループを比較して、新しい治療に効果があるかどうかを確かめます。アンチネオプラストンの有効性を示すランダム化対照試験は、査読済み科学雑誌に発表されていません。

 1991年に米国国立がん研究所(NCI)はブルジンスキー博士の手がけた症例の一部について再検討し、がんセンターでアンチネオプラストンの臨床試験を実施することにしました。1995年8月の時点で試験に参加した患者さんはわずか9人にすぎず、この臨床試験は終了する前に中止されました。 米国食品医薬品局(FDA)は、ブルジンスキー博士に自分のクリニックでアンチネオプラストン療法の臨床試験を実施する許可を与えました。現在、ブルジンスキー博士のクリニックでは非ランダム化臨床試験が進められ、アンチネオプラストンががんに与える影響の研究が続いています。

 現在、臨床試験で使われているアンチネオプラストンはA10、AS2-5、AS2-1、A2、A3、A5です。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

7.

アンチネオプラストンの副作用やリスクは報告されていますか。

 

 アンチネオプラストンの副作用としては、短期間の軽度の副作用のほか、重篤な神経系の問題が報告されています。

 軽い副作用としては以下のものがあります:


  • 貧血赤血球の数が正常値を下回った状態)。

  • 高血圧

  • めまい。

  • ガス。

  • 発熱と悪寒。

  • ひどい疲労感。

  • 頭痛。

  • 血液中のカルシウム濃度の異常。

  • 乾燥した、またはかゆみのある皮膚の発疹。

  • 吐き気嘔吐

  • しびれ。

  • 不整脈。

  • 体の組織水分が過剰になって起こる腫れ。

  • 小さい関節で起こる腫れ、痛み、こわばり。

 重篤な神経系の副作用としては以下のものがあります:


  • 過剰な眠気。

  • 錯乱。

  • 痙攣発作。

  • 脳周辺の腫れ。

8.

米国食品医薬品局(FDA)は、米国でアンチネオプラストンをがんの治療薬として使用することを承認していますか。

 

 アンチネオプラストンは、何らかの疾患に対する予防薬または治療薬としてFDAに承認されていません。米国では、ブルジンスキー博士のクリニックで行われている臨床試験でしかアンチネオプラストン療法を受けることはできません。

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現在実施中の臨床試験

NCIのがん臨床試験リストから、現在患者さんの登録を行っているアンチネオプラストン療法に関するがんCAMの臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。

臨床試験に関する一般的な情報は、NCIのウェブサイトから利用可能です。

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本要約の変更点(03/19/2015)

PDQ がん情報要約は定期的に見直され、新しい情報が利用可能になり次第更新されます。本セクションでは、上記の日付における本要約の最新変更点を記述しています。

医療専門家向けの版に対する変更に合わせて、本要約も変更されました。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、がん患者さんに対する治療でのアンチネオプラストンの使用に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Cancer Complementary and Alternative Medicine Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

National Cancer Institute: PDQ® Antineoplastons. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Date last modified <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/cam/patient/antineoplastons-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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補完代替医療(CAM)についての一般的な情報

補完代替医療(CAM)は、統合的医療とも呼ばれ、ヒーリングに関する原理やアプローチ、治療法などを幅広く意味します。従来の治療に加えて実施する場合は補完療法と呼ばれ、また、従来の治療の代わりに実施する場合は、よく代替療法と呼ばれます(従来の治療とは医学界で広く受け入れられ、かつ主流となっている治療を意味します)。どのように用いられるかによって、補完療法とみなされる場合と、代替療法とみなされる場合があります。補完代替療法は、病気の予防やストレスの軽減、副作用や症状の予防と軽減、そして疾患の管理や治癒を目的として用いられます。

がんの従来の治療とは異なり、補完代替療法は保険が適用されないことが多くあります。患者さんは加入保険会社に、補完代替医療が保険の適用対象となっているかどうかを確認することをお奨めします。

補完代替医療の中には、標準治療を妨げたり、従来の治療と併用した場合に有害となりうるものがあるため、補完代替療法を検討されているがん患者さんはどんな治療法でも必ず、担当医や看護師、薬剤師と相談して意思決定を行ってください。

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補完代替医療(CAM)のアプローチの評価

補完代替医療の治療についても、従来の治療の評価と同様、厳格な科学的評価を行うことが重要です。米国国立がん研究所および米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は医療施設において、がんに対するCAM療法の評価を行うための臨床試験(調査研究)を数多く主催しています。

一般的に、がんの治療における従来のアプローチは、多数の患者さんを対象とした臨床試験の実施など、厳格な科学的プロセスを経て、安全性や有効性が検討されています。それに比べ、補完代替医療の安全性や有効性についてはあまり知られていません。厳格な評価を経たCAM療法はごくわずかです。はじめは純粋に代替アプローチとみなされていた少数のCAM療法が、治癒を求めるものではなく、患者さんをより楽にし回復を早める手助けとなる補完医療として、がんの治療で用いられつつあります。1つの例が鍼療法です。1997年11月に開催された米国国立衛生研究所(NIH)の専門家委員会によると、鍼療法は化学療法に関連した吐き気や嘔吐、そして手術に関連した疼痛の管理に有効であることがわかりました。対照的に、レートリルの使用などのいくつかのアプローチは、検討の結果、無効であるか、または有害となりうることがわかりました。

1991年に始まったNCIのBest Case Series Programは、臨床で用いられているCAMアプローチの評価を行うプログラムの1つです。このプログラムはNCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)の監視下で進められています。がん代替医療を行う医療専門家は、患者さんのカルテや関連資料をOCCAMに提出します。OCCAMではそれらの資料を厳密に精査し、NCI主導の研究を正当化するであろう治療アプローチについては、フォローアップ研究の戦略を立てています。

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補完代替医療(CAM)について医療提供者に質問すべきこと

補完代替療法を受けることを考えている場合、患者さんは主治医などの医療提供者に次の質問を行ってください。


  • どのような副作用が予想されますか。

  • この治療に伴うリスクは何ですか。

  • 既知の有益性はそれらのリスクに勝っていますか。

  • この治療からどのようなメリットが期待できますか。

  • この治療は従来の治療の妨げになりますか。

  • この治療は臨床試験の一部として実施されますか。

  • もしそうなら、誰がその試験を主催しますか。

  • この治療には健康保険が適用されますか。

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補完代替医療(CAM)についてさらに知るには

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)

米国国立衛生研究所(NIH)の国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、補完代替医療の研究および評価を促進し、医療専門家や一般の方を対象に様々なアプローチについての情報を提供しています。


    NCCIH Clearinghouse
    Post Office Box 7923 Gaithersburg, MD 20898–7923
    電話:+1-888-644-6226(フリーダイヤル) 301-519-3153(海外からの場合)
    テレタイプライター付の電話(耳が聞こえないか聴覚に障害のある方用):+1-866-464-3615
    Fax:+1-866-464-3616
    E-mai:info@nccih.nih.gov
    ウェブサイト:https://nccih.nih.gov/

CAM on PubMed

NCCAMおよびNIH国立医学図書館(NLM)は共同でCAM on PubMedを開発し、CAMに関連するジャーナルの記載内容を無料かつ簡単に検索できる機能を提供しています。NLMの図書目録データベースのサブセットとして、CAM on PubMedには様々な科学ジャーナルのCAMに関連する論文から、230,000を超える文献や抄録が登録されています。このデータベースはさらに、1,800を超えるジャーナルにリンクしており、ユーザーが論文全文を参照できるようになっています(論文全文を参照するには、購読料などの費用が発生する場合があります)。CAM on PubMedはNCCIHのウェブサイトから利用可能です。NLMのPubMed図書目録データベースからもCAM on PubMedにアクセスできます(「Limits」タブ → 「Complementary Medicine」を選択してください)。

がん補完代替医療オフィス

NCIのがん補完代替医療オフィス(OCCAM)は、補完代替医療(CAM)の分野におけるNCIの活動をコーディネートしています。OCCAMはCAMのがん研究をサポートし、がんに関連するCAMについての情報を、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトを通して医療提供者や一般の方に提供しています。

米国国立がん研究所(NCI)のがん情報サービス

米国にお住まいの方は、NCIがん情報サービスフリーダイヤル+1-800-4-CANCER(+1-800-422-6237)に電話をすることができます(月曜日から金曜日の午前8時から午後8時まで)。訓練を受けたがん情報スペシャリストが質問にお答えします。

食品医薬品局

食品医薬品局(FDA)は、薬物や医療機器を規制し、それらの安全性と有効性を確保しています。


    食品医薬品局
    5600 Fishers Lane
    Rockville, MD 20857
    電話:+1-888-463-6332 (フリーダイヤル)
    ウェブサイト:http://www.fda.gov/

連邦取引委員会

連邦取引委員会(FTC)は消費者保護法を施行しています。FTCから入手可能な出版物は以下の通りです:


  • Who Cares: Sources of Information About Health Care Products and Services

  • Fraudulent Health Claims: Don't Be Fooled


    消費者センター
    連邦取引委員会
    CRC-240
    Washington, DC 20580
    電話:+1-877-FTC-HELP(+1-877-382-4357)(フリーダイヤル)
    テレタイプライター付の電話の場合(耳が聞こえないか聴覚に障害のある方用):202-326-2502
    ウェブサイト:http://www.ftc.gov/
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