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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-07-07
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Pediatric Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

ウィルムス腫瘍 小児腎細胞がん 腎ラブドイド腫瘍 腎明細胞肉腫 先天性中胚葉性腎腫 腎線維形成性小円形細胞腫瘍 嚢胞性部分的分化型腎芽細胞腫 多房性嚢胞性腎腫 原発性腎滑膜肉腫 腎未熟型肉腫 腎芽腫症

ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍についての一般的な情報

小児腎腫瘍は、腎臓の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

腎臓は、腰の高さで背骨の両側に位置する左右一対の臓器です。腎臓の内部では、微細な細管によって血液をろ過してきれいにします。また、老廃物を除去して尿を生成します。尿は左右の腎臓を出たのち、尿管と呼ばれる長い管を通って膀胱に送られます。膀胱は尿道から排泄するときまで、尿を溜めておくための臓器です。

女性の泌尿器系の解剖図:左右の腎臓、尿管、尿道、尿が溜まっている膀胱の正面図を示す。左の腎臓内部には腎盂が示されている。拡大図は、尿細管と尿を示している。脊椎、副腎、子宮も示されている。



女性の泌尿器系の解剖図。腎臓、副腎、尿管、膀胱、尿道を示しています。尿は尿細管で作られ、それぞれの腎臓の腎盂に集められます。尿は腎臓から尿管を通って膀胱に流れます。尿は膀胱に溜められた後、尿道を通って体外へ排出されます。



小児腎腫瘍には多くの種類があります。
ウィルムス腫瘍

ウィルムス腫瘍では、1つまたは複数の腫瘍が片側または両側の腎臓に発生します。ウィルムス腫瘍は、肝臓、骨、脳、付近のリンパ節などに転移することがあります。ほとんどの小児腎がんはウィルムス腫瘍ですが、15~19歳の青年では、腎細胞がんが最も一般的です。

腎細胞がん(RCC)

腎細胞がんは、小児や15歳未満の青年ではまれな腫瘍です。15~19歳の青年に、はるかに多くみられます。小児と青年では、大型の腎細胞がんや転移がんと診断される可能性が高まります。腎細胞がんは、肺、肝臓、リンパ節に転移することがあります。腎細胞がんはRCCと呼ばれることもあります。

腎ラブドイド腫瘍

ラブドイド腫瘍は腎がんの一種で、ほとんどが乳児と幼児に発生します。診断時にはしばしば進行しています。腎ラブドイド腫瘍は、急速に増殖して拡がり、肺や脳に転移することがよくあります。

特定の遺伝子に変異が認められる小児は、定期的に腎臓にラブドイド腫瘍が生じていないか、また脳に転移していないかを調べます:


  • 1歳未満のお子さんは、腹部超音波検査を2~3ヵ月ごとに、また脳の超音波検査を毎月受けます。

  • 1~4歳のお子さんは、腹部の超音波検査、および脳と脊椎MRI検査を3ヵ月ごとに受けます。

腎明細胞肉腫

腎明細胞肉腫は腎腫瘍の一種で、肺、骨、脳、軟部組織に転移することがあります。治療後の再発(再び発生すること)は、脳に多くみられます。

先天性中胚葉性腎腫

先天性中胚葉性腎腫は腎腫瘍の一種で、普通は生後1年以内に診断されます。通常は治癒が得られます。

腎臓のユーイング肉腫(神経上皮性腫瘍)

腎臓のユーイング肉腫神経上皮性腫瘍)はまれで、通常は若年成人に発生します。これらの腫瘍は増殖が速く、体内の他の部位にすばやく拡がります。

腎臓の線維形成性小円形細胞腫瘍

腎臓の線維形成性小円形細胞腫瘍は、まれな軟部肉腫です。詳しい情報については、PDQ小児軟部肉腫の治療に関する要約をご覧ください。

嚢胞性部分的分化型腎芽細胞腫

嚢胞性部分的分化型腎芽細胞腫は、極めてまれな種類のウィルムス腫瘍で、嚢胞から構成されます。

多房性嚢胞性腎腫

多房性嚢胞性腎腫は、嚢胞で構成する良性腫瘍です。これらの腫瘍は片側または両側の腎臓に発生します。この種類の腫瘍がみられるお子さんは、同時に胸膜肺芽腫を患っていることがあるため、肺に嚢胞または固形腫瘍がないか調べる画像検査が行われます。多房嚢腫性腎腫瘍は遺伝性 疾患の可能性があるため、遺伝カウンセリング遺伝子検査が選択肢になることもあります。詳しい情報については、PDQの小児にはまれながんの治療に関する要約をご覧ください。

原発性腎滑膜肉腫

原発性腎滑膜肉腫はまれな腎臓の腫瘍で、ほとんどの場合、若年成人に発生します。これらの腫瘍は増殖が速く、急速に拡がります。

腎未熟型肉腫

腎未熟型肉腫はまれな腫瘍で、小児または15歳未満の青年に最もよくみられます。腎未熟型肉腫は頻繁に肺、肝臓、骨に転移します。検査結果と小児の年齢によっては、画像検査で肺の嚢胞や固形腫瘍の有無を調べます。未熟型肉腫は遺伝性疾患の可能性があるため、遺伝カウンセリングや遺伝子検査の検討が行われることもあります。

腎芽腫症はがんではありませんが、ウィルムス腫瘍になる可能性があります。

ときに、胎児の腎臓が形成された後、異常な腎細胞群が片側または両側の腎臓に残存することがあります。腎芽腫症(びまん性過形成辺葉腎芽腫症)では、これらの異常な細胞群が腎臓内のあちこちで増殖したり、腎臓の周囲に厚い層を形成したりすることがあります。片側の腎臓に生じたウィルムス腫瘍を切除した後、その腎臓にこうした異常な細胞群がみられる場合、そのお子さんはもう一方の腎臓にウィルムス腫瘍が発生するリスクが高い状態です。そのため治療を受けてから少なくとも7年間は、3ヵ月に1回以上の頻度で、まめに経過観察の検査を受けることが重要です。

特定の遺伝性症候群や他の病態がある場合は、ウィルムス腫瘍のリスクが高くなる可能性があります。

病気になるリスクを増大させるものは、全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。お子さんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

ウィルムス腫瘍は、成長や発達に悪影響を及ぼす遺伝性 症候群の一部として発生することがあります。遺伝性症候群とは、遺伝子に起こった特定の変化が原因となって同時に発生する一連の徴候症状、または病態のことです。特定の病態によっても、お子さんのウィルムス腫瘍の発生リスクは増大することがあります。以下をはじめとするいくつかの遺伝性症候群や病態は、ウィルムス腫瘍との関連性が判明しています:


複数の検査がウィルムス腫瘍のスクリーニングに用いられます。

ウィルムス腫瘍のリスクが高い小児には、スクリーニング検査が行われます。これらの検査は、がんを早期に発見し、がんで死亡する可能性を下げるのに役立ちます。

一般にウィルムス腫瘍のリスクが高いお子さんは、少なくとも8歳になるまで、3ヵ月ごとにウィルムス腫瘍のスクリーニングを受けるべきです。スクリーニングでは通常、腹部の超音波検査を行います。小型のウィルムス腫瘍を早期に発見し切除できることがあります。

ベックウィズ-ヴィーデマン症候群または片側肥大の小児では、これらの遺伝性症候群に関連する肝臓や副腎の腫瘍がないか、スクリーニングを実施することもあります。お子さんが4歳になるまでは、血液中のα-フェトプロテイン(AFP)濃度を調べる検査や腹部の超音波検査を実施します。4歳以降は、腎臓の超音波検査を実施します。

無虹彩症で遺伝子に特定の変異がみられるお子さんは、8歳になるまで3ヵ月ごとにウィルムス腫瘍のスクリーニングを受けます。スクリーニングには腹部超音波検査が用いられます。

両側の腎臓にウィルムス腫瘍ができるお子さんもおられます。このようなことは、最初にウィルムス腫瘍と診断されたときにしばしば見られますが、片側の腎臓にできたウィルムス腫瘍の治療に成功した後に、もう一方の腎臓にウィルムス腫瘍ができるお子さんもおられます。二次がんがもう一方の腎臓に発生する可能性は、1歳になる前に最初のウィルムス腫瘍が診断された場合や、腎臓に細胞が残っている場合に極めて高くなります。もう一方の腎臓に再びウィルムス腫瘍が発生するリスクが高いお子さんは、2~6年間は3ヵ月ごとにウィルムス腫瘍ができていないかスクリーニングを受けてください。スクリーニングでは腹部超音波検査を使用することがあります。

特定の病態を患っていると、腎細胞がんのリスクが高くなることがあります。

腎細胞がんは以下の病態と関係している場合があります:


  • フォン・ヒッペル-リンダウ病血管の異常増殖を引き起こす遺伝性の疾患)。フォン・ヒッペル-リンダウ病の小児では、8~11歳から腹部の超音波検査またはMRI(磁気共鳴画像法)検査を毎年行って、腎細胞がんがないか調べるべきです。

  • 結節性硬化症(腎臓にできる非がん性の脂肪を含んだ嚢胞を特徴とする遺伝性の疾患)。

  • 家族性腎細胞がん(腎がんを引き起こす遺伝子変異が親から子供へ引き継がれた場合に発生する遺伝性疾患)。

  • 腎髄質がん(増殖して拡がるのが速い、まれな腎がん)。

  • 遺伝性平滑筋腫症(腎がん、皮膚がん、子宮がんになるリスクが高い遺伝性疾患)。

  • 二次がん神経芽腫の治療後、数年経ってから腎細胞がんが生じる場合があります)。

ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の治療では、遺伝カウンセリングが行われることもあります。

遺伝カウンセリング(遺伝性疾患と遺伝子検査が必要かどうかについて、訓練を積んだ専門家と話し合うこと)は、お子さんが以下のいずれかの症候群や病態を患っている場合に必要となることがあります:


ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の徴候や症状には、腹部のしこりや血尿などがあります。

これらに加え、別の徴候や症状が腎腫瘍により引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


肺や肝臓に転移したウィルムス腫瘍は、以下の徴候や症状を引き起こすことがあります:


  • 咳。

  • 血液の混じった

  • 呼吸障害。

  • 腹痛。

ウィルムス腫瘍やその他の小児腎腫瘍の発見と診断には、腎臓と血液を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴 聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 全血球算定(CBC):血液を採取して以下の項目について調べる検査法:

  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。この検査は、肝臓や腎臓の機能を調べるために行います。

  • 腎機能検査 :採取した血液または尿を調べて、腎臓から血中または尿中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。ある物質で正常値よりも高いもしくは低い値が出るということは、腎臓が正常に機能していないことの徴候である可能性があります。

  • 尿検査 :尿の色と尿に含まれる成分(糖分、蛋白、血液、細菌など)を調べる検査法。

  • 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。腎腫瘍の診断では腹部の超音波検査が実施されます。

    腹部超音波検査:診察台の上に横たわり腹部超音波検査を受けている小児の様子が示されている。技師は、小児の腹部表面に振動子(音波を発生させ、体内の組織で反射させる装置)をあてている。コンピュータの画面にはソノグラム(画像)が描画されている。
    
    


    腹部超音波検査。コンピュータに接続された超音波振動子を腹部の皮膚に押しあてます。振動子から出た音波は体内の臓器および組織で反射してエコーを生じ、そのエコーからソノグラム(コンピュータ画像)が作成されます。




  • CTスキャン(CATスキャン):胸部、腹部、骨盤などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    腹部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン):図のように小児は台の上に横たわり、この台がCT装置内を水平に移動するうちに腹部のX線写真が撮影される。
    
    


    腹部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに腹部のX線写真が撮影されます。




  • ガドリニウムを使用するMRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、腹部などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。まずガドリニウムと呼ばれる物質を静脈内に注射します。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

    腹部の磁気共鳴画像法(MRI):小児は図のように台に横たわり、この台がMRIスキャナ内を水平に移動するうちに体内の画像が撮影される。小児の腹部に置かれたパッドは画像をより鮮明にするためのもの。
    
    


    腹部の磁気共鳴画像法(MRI)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がMRIスキャナ内を水平に移動するうちに体内の画像が撮影されます。小児の腹部に置かれたパッドは画像をより鮮明にするためのものです。




  • 腹部のX線検査:X線とは放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。

  • PET-CTスキャン 陽電子放射断層撮影(PET)スキャンによる画像とコンピュータ断層撮影(CT)スキャンによる画像を組み合わせる手法。PETスキャンとCTスキャンが同じ機械で同時に行われます。この2つのスキャン画像を組み合わせて、それぞれ単独の検査を実施した場合より鮮明な画像を作り出します。PETスキャンは体内の悪性腫瘍細胞を検出するための検査法です。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 生検 :細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。生検の実施は、以下に挙げる状況のいくつかに基づいて決定します:
    • 腫瘍の大きさ。

    • がんの病期

    • がんが片側の腎臓のみにあるか、両側の腎臓にあるか。

    • 画像検査で、がんであることがはっきりしているかどうか。

    • 手術によって腫瘍を取り除くことができるかどうか。

    • 患者さんが臨床試験に参加しているかどうか。

    生検は、治療の前、腫瘍を小さくする化学療法の後、腫瘍を切除する手術の後に実施される場合があります。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

ウィルムス腫瘍の予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • 顕微鏡で見たときに、腫瘍細胞の外観が正常な腎臓細胞とどの程度異なるか。

  • がんの病期。

  • 腫瘍の種類と大きさ。

  • 患者さんの年齢。

  • 手術によって腫瘍を完全に取り除くことができるかどうか。

  • 染色体や遺伝子に特定の変化がみられるかどうか。

  • 新たに診断されたがんか、再発した(再び現れた)がんか。

腎細胞がんの予後は以下の要因に左右されます:


  • がんの病期。

腎ラブドイド腫瘍の予後は以下の要因に左右されます:


  • がんが診断されたときの患児の年齢。

  • がんの病期。

  • がんが脳に転移しているかどうか。

腎明細胞肉腫の予後は以下の要因に左右されます:


  • がんが診断されたときの患児の年齢。

  • がんの病期。

成人におけるウィルムス腫瘍はまれです。

成人におけるウィルムス腫瘍は、小児より治癒が困難です。

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ウィルムス腫瘍の病期

ウィルムス腫瘍の病期分類は、画像検査の結果を考慮しつつ手術時に行われます。

がん腎臓外の他の部位まで拡がっているかどうかを調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。医師はこの疾患の病期を判定するために、診断検査と病期検査の結果を参考にします。

他の部位への転移の有無を確かめるための検査には以下のものがあります:


  • リンパ節 生検 腹部のリンパ節を切除し、採取した組織顕微鏡で観察して、がんの徴候を調べる外科的手技。この手技は、リンパ節切除術またはリンパ節郭清術とも呼ばれます。

  • 肝機能検査 :採取した血液を調べて、肝臓から血液中に放出される特定の物質の濃度を測定する検査法。ある物質で正常値よりも高い値が出るということは、肝臓が正常に機能していないことを示す徴候である可能性があります。

  • 胸部と骨のX線検査:X線とは放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に胸部などの体内領域の画像が映し出されます。

  • CTスキャン(CATスキャン):腹部、骨盤、胸部、脳といった体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • PET-CTスキャン 陽電子放射断層撮影(PET)スキャンによる画像とコンピュータ断層撮影(CT)スキャンによる画像を組み合わせる手法。PETスキャンとCTスキャンが同じ機械で同時に行われます。この2つのスキャン画像を組み合わせて、それぞれ単独の検査を実施した場合より鮮明な画像を作り出します。PETスキャンは体内の悪性 腫瘍 細胞を検出するための検査法です。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、腹部骨盤、脳などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 骨スキャン :骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まずごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質はがんが生じている骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。

    骨スキャン:スキャナの下を水平に動く台の上に横たわる患児とスキャナを操作している技師、スキャン中に生成された画像を映し出しているコンピュータのモニターが示されている。
    
    


    骨スキャン。少量の放射性物質を小児の静脈に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質は骨に集まります。小児の乗った台がスキャナの下を水平に移動する間にこの放射性物質が次々と検出され、コンピュータのスクリーン上にその画像が表示されます。




  • 超音波検査:高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。ウィルムス腫瘍の病期分類では、心臓の主な血管について、超音波検査が実施されます。

  • 膀胱鏡検査 膀胱尿道の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法。この検査では、膀胱鏡が尿道から膀胱内へと挿入されます。膀胱鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

  • 尿管鏡検査 : 尿管鏡を用いて腎臓と尿管の内部を観察し、異常な領域がないかを調べる手技。尿管鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。尿管鏡は尿道から膀胱、尿管、腎盂(腎臓の一部分で、尿を集め、保持し、排出する所)へと挿入されます。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、ウィルムス腫瘍がに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際はウィルムス腫瘍の細胞です。この疾患は転移性ウィルムス腫瘍であり、肺がんではありません。

ウィルムス腫瘍は、病期に加えてその組織型によっても分類されます。

腫瘍組織型(顕微鏡で観察したときのがん細胞の外見)は、ウィルムス腫瘍の予後や治療法に影響を及ぼす要因です。組織型には予後良好型と退形成型(予後不良型)があります。組織型が予後良好型の腫瘍は、退形成型の腫瘍と比べて予後が良く、化学療法に対する反応が良好です。一方の退形成型の腫瘍は、細胞分裂が急速で、顕微鏡で見ると発生元となった種類の細胞とは似つかない外観をしています。また、退形成型の腫瘍では、同じ病期の他のウィルムス腫瘍よりも化学療法による治療が困難です。

ウィルムス腫瘍では、予後良好型と退形成型のどちらに対しても、以下のような病期が用いられます:
I期

I期では、手術腫瘍が完全に切除されていて、なおかつ以下の条件の全てが満たされます:


  • がん腎臓にのみ存在し、腎尿管につながっている腎臓の一部)の血管またはリンパ節に拡がっていない。

  • 腎臓の外層が破れていなかった。

  • 腫瘍の被膜が破綻していなかった。

  • 腫瘍を切除する前に、生検を実施していない。

  • 腫瘍が切除された領域の端の部分にがん細胞が認められなかった。

II期

II期では、手術腫瘍が完全に切除されていて、なおかつ腫瘍が切除された領域の端の部分にはがん 細胞は認められません。がんはリンパ節に拡がっていません。さらに、腫瘍が切除される前の段階で、次の条件のどちらかが満たされます:


  • がんが腎に拡がっている(尿管につながっている腎臓の一部)。

  • がんが腎洞など、腎臓の外側に位置して尿を作る部位の血管に拡がっている。

III期

III期では、手術後もがん腹部に残存していて、なおかつ以下の条件の1つが満たされます:


  • がんが腹部または骨盤(両側の股関節の間の領域)内のリンパ節に転移している。

  • がんが腹膜 の内側とほとんどの腹部臓器の表面を覆っている組織の層)の表面まで、または腹膜の表面を越えて拡がっている。

  • 腫瘍を切除する前に、生検を実施した。

  • 腫瘍を切除する手術の実施前または実施中に腫瘍の被膜が破綻した。

  • 腫瘍の切除の際に切除片が複数になった。

  • 腫瘍が切除された領域の端にがん細胞が認められる。

  • 体内の重要な臓器や組織が損傷を受ける可能性があるので、腫瘍全体を切除できなかった。

IV期

IV期では、がん血液を介して肝臓、骨、脳などの臓器、もしくは腹部外または骨盤外のリンパ節まで転移しています。

V期

V期とは、この疾患が最初に診断された時点でがん 細胞が両側の腎臓に認められる場合のことです。

他の小児腎腫瘍の治療は腫瘍の型に応じて異なります。
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再発したウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍

再発がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。

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治療選択肢の概要

ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の患者さんには様々な治療法が存在します。

ウィルムス腫瘍とその他の小児 腫瘍の患者さんは、様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治験とは、がんの患者さんを対象に、既存の治療法の改良に役立てたり、新しい治療法に関する情報を得たりするための調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

ウィルムス腫瘍やその他の小児腎腫瘍のお子さんは、必ず小児がんの治療に精通した医療提供者で構成されるチームに治療計画を立ててもらってください。

お子さんの治療は、小児がんの治療を専門とする医師である小児腫瘍医が統括します。小児腫瘍医は、小児ウィルムス腫瘍や他の小児腎腫瘍の治療に精通し、特定の医療分野を専門とする他の小児 医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門家が挙げられます:


がんの治療のなかには、治療が終わってから何ヵ月または何年もたって副作用が現れるものがあります。

がん治療による副作用のうち、治療中または治療の後に初めて認められ、何ヵ月ないし何年も続くものは、晩期障害と呼ばれます。がん治療の晩期障害には以下のようなものがあります:


  • 心臓障害や妊娠中の問題など、身体的な問題。

  • 気分、感情、思考、学習、記憶における変化。

  • 二次がん(新しい種類のがん)。

晩期障害には治療や制御することが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期障害に関する要約をご覧ください)。

用量化学療法や低線量の放射線療法で治療の晩期障害が軽減されるかどうかを明らかにするために、現在も臨床試験が行われています。

標準治療として以下の5種類が用いられています:
手術

ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍は、腎摘出術(腎臓全体を摘出する手術)によって治療されるのが通常です。付近のリンパ節が併せて切除される場合もあります。両側の腎臓にがんが存在し腎臓が正常に機能していない場合は、腎移植(腎臓を切除し、ドナーから提供された腎臓で置き換える手術)が行われることもあります。

両側の腎臓に腫瘍がある場合は、腎部分切除術(腎臓内のがんと少量の正常組織を切除する手術)が行われることがあります。腎部分切除術は、腎臓の機能をできるだけ多く残すための手術です。腎部分切除術は腎温存手術とも呼ばれます。

化学療法を手術の前に行って腫瘍を小さくすることで、切除が必要な腎臓の組織を少なくし、手術後に生じる問題を少なくしようとする場合があります。これは、術前補助化学療法と呼ばれます。

医師が手術の際に確認できるがんを全て切除した場合でも、残っているがん細胞を全て死滅させるために、手術の後に化学療法または放射線療法を受ける患者さんもおられます。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。場合によっては、セカンドルック手術を行って、化学療法や放射線療法の実施後にがんが残っていないかを確かめることもあります。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


放射線療法の種類は、治療対象となるがんの種類と病期に加え、腫瘍を切除する手術の前に生検を実施したかどうかで異なります。ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の治療には、外照射療法が用いられます。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の治療には、全身化学療法が用いられます。

ときには、腫瘍が重要な臓器や血管の近くに位置していたり、大きすぎたり、両側の腎臓ががんに侵されていたり、がんが肺に転移し呼吸障害が生じていたりして、腫瘍が手術で切除できないこともあります。こうした場合には、化学療法を実施して、健康な組織をできるだけ多く残せるように、手術に先立って腫瘍を小さくする場合があります。放射線療法は手術後に行われます。

詳しい情報については、ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

生物学的療法

生物学的療法は、患者さんの免疫系を利用してがんを撃退する治療法です。体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物療法や免疫療法とも呼ばれます。

インターフェロンインターロイキン-2(IL-2)は、小児腎細胞がんの治療に用いられる生物学的療法です。インターフェロン(薬剤詳細へ)はがん細胞の分裂に影響を及ぼし、腫瘍の増殖を緩やかにすることができます。IL-2はリンパ球白血球の一種)をはじめとする多くの免疫細胞の増殖と活性を高めます。リンパ球はがん細胞を攻撃し殺傷する働きがあります。

幹細胞移植を伴う大量化学療法

幹細胞移植を伴う大量化学療法は、高用量の化学療法を実現する手段で、このようながん治療によって破壊された造細胞を外部から補充します。患者さん自身またはドナーの血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を採取し、凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。

幹細胞移植を伴う大量化学療法は、再発ウィルムス腫瘍の治療に用いられることがあります。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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ウィルムス腫瘍の治療選択肢

I期のウィルムス腫瘍

組織型が予後良好型のI期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


退形成型のI期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


  • リンパ節切除を伴う腎摘出術の後に、併用化学療法と体の側腹部(体の側部の肋骨と腰骨の間)への放射線療法

NCI支援のがん臨床試験リストから、I期ウィルムス腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

II期のウィルムス腫瘍

組織型が予後良好型のII期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


退形成型のII期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、II期ウィルムス腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

III期のウィルムス腫瘍

組織型が予後良好型のIII期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


退形成型のIII期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


  • リンパ節切除を伴う腎摘出術の後に、腹部への放射線療法と併用化学療法。

  • 併用化学療法の後に、リンパ節切除を伴う腎摘出術を実施し、その後、腹部への放射線療法。

  • リンパ節切除を伴う腎摘出術の後に、腹部への放射線療法と併用化学療法。

NCI支援のがん臨床試験リストから、III期ウィルムス腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期のウィルムス腫瘍

組織型が予後良好型のIV期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


退形成型のIV期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


  • 併用化学療法の後に、リンパ節切除を伴う腎摘出術を実施し、その後、腹部への放射線療法。がんが体の他の部位に転移している患者さんでは、それらの部位に対する放射線療法も行います。

  • リンパ節切除を伴う腎摘出術の後に、腹部への放射線療法と併用化学療法。がんが体の他の部位に転移している患者さんでは、それらの部位に対する放射線療法も行います。

NCI支援のがん臨床試験リストから、IV期ウィルムス腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

V期ウィルムス腫瘍と両側性ウィルムス腫瘍を発症するリスクが高い患者さん

患者さんごとに異なる場合がありますが、V期ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


腎臓に障害があるために腎移植が必要な場合は、治療が終了して、がんの徴候症候が見られなくなってから1~2年経過するまでは、移植を延期します。

NCI支援のがん臨床試験リストから、V期ウィルムス腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

成人におけるウィルムス腫瘍

ウィルムス腫瘍の成人に対する標準治療はありません。小児に成人用の治療法を適用することもあるので、小児科の 外科医腫瘍医がチームを組んで治療計画を立てることが頻繁にあります。

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その他の小児腎腫瘍の治療選択肢

腎細胞がん(RCC)

腎細胞がんの一般的な治療には、以下のものがあります:


(詳しい情報については、PDQ腎細胞がんの治療に関する要約をご覧ください。)

NCI支援のがん臨床試験リストから、腎細胞がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

腎ラブドイド腫瘍

ラブドイド腫瘍には標準治療はありません。治療は臨床試験の中で行われるのが一般的です。

NCI支援のがん臨床試験リストから、腎ラブドイド腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

腎明細胞肉腫

腎明細胞肉腫の治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、腎明細胞肉腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

先天性中胚葉性腎腫

先天性中胚葉性腎腫に対する一般的な治療には、以下のものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、先天性中胚葉性腎腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

腎臓のユーイング肉腫(神経上皮性腫瘍)

腎臓ユーイング肉腫神経上皮性 腫瘍)には標準治療がありません。治療法には以下のようなものがあります:


この腫瘍には、ユーイング腫瘍や原始神経外胚葉性腫瘍の治療と同じ治療法も用いられます。詳しい情報については、PDQユーイング肉腫の治療に関する要約をご覧ください。

NCI支援のがん臨床試験リストから、ユーイング肉腫/末梢性原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

腎臓の線維形成性小円形細胞腫瘍

腎臓線維形成性小円形細胞腫瘍には標準治療はありません。治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、小児線維形成性小円形細胞腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

嚢胞性部分的分化型腎芽細胞腫

嚢胞性部分的分化型腎芽細胞腫の治療法には以下のようなものがあります:


多房性嚢胞性腎腫

一般的な多房性嚢胞性腎腫の治療には、以下のものがあります:


原発性腎滑膜肉腫

原発性腎滑膜肉腫の一般的な治療法には、以下のものがあります:


腎未熟型肉腫

未熟型肉腫には標準治療がありません。治療は通常、退形成型ウィルムス腫瘍の場合と同じです。

腎芽腫症(びまん性過形成辺葉腎芽腫症)

腎芽腫症の治療は、以下の要因によって異なります:


腎芽腫症の治療法には以下のようなものがあります:


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再発小児腎腫瘍の治療

再発 ウィルムス腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


再発腎明細胞肉腫の治療法には以下のようなものがあります:


  • 併用化学療法、腫瘍を切除する手術(可能な場合)、放射線療法のいずれかまたは複数。

ラブドイド腫瘍、腎臓の神経上皮性 腫瘍、および腎細胞がんが再発した場合の治療は、一般に臨床試験で行われます。

NCI支援のがん臨床試験リストから、再発したウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、ウィルムス腫瘍とその他の小児腎腫瘍の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board. PDQ Wilms Tumor and Other Childhood Kidney Tumors Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/kidney/patient/wilms-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389390]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

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Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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