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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

ユーイング肉腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-05-18
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Pediatric Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、小児ユーイング肉腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

ユーイング肉腫 末梢性原始神経外胚葉性腫瘍

ユーイング肉腫についての一般的な情報

ユーイング肉腫は、骨または軟部組織に発生する腫瘍の一種です。

ユーイング肉腫は、骨または軟部組織の特定の種類の細胞から発生する腫瘍の一種です。ユーイング肉腫は、脚、腕、足、手、胸部骨盤脊椎頭蓋骨などの骨に認められることがあります。また、体幹、腕、脚、頭頸部、 などの部位の軟部組織に認められることもあります。

ユーイング肉腫は青年と若年成人によく発生します。

ユーイング肉腫は末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、アスキン腫瘍(胸壁のユーイング肉腫)、骨外性ユーイング肉腫(骨以外の組織のユーイング肉腫)、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍と呼ばれることもあります。

ユーイング肉腫の徴候や症状には、腫瘍付近の腫れや痛みなどがあります。

これらに加え、別の徴候症状がユーイング肉腫により引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 痛みや腫れ、通常は、腕、脚、胸部、背中、または骨盤

  • 腕、脚、胸部、または骨盤にできるしこり(柔らかく、熱感を帯びていることもある)。

  • 原因不明の発熱

  • 原因不明の骨折。

ユーイング肉腫の診断と病期分類には、骨と軟部組織を調べる検査法が用いられます。

ユーイング肉腫を診断し、がんの拡がりの程度を調べるには、骨と軟部組織、および周辺領域の画像を作成する検査法が有用です。がん細胞が骨や軟部組織の内部と周囲で拡がっているかどうかを調べるプロセスは、病期分類と呼ばれます。

治療計画を立てるには、がんが最初に発生した部位に認められるか、または体内の他の部位に拡がっているかを把握することが重要です。ユーイング肉腫の発見、診断、病期分類に用いられる検査と手技は、多くの場合、同時に行われます。

ユーイング肉腫の診断と病期分類には、以下の検査法や手技が用いられることがあります:


  • 身体診察と病歴 聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、腫瘍が発生した部位などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

    腹部の磁気共鳴画像法(MRI):小児は図のように台に横たわり、この台がMRIスキャナ内を水平に移動するうちに体内の画像が撮影される。小児の腹部に置かれたパッドは画像をより鮮明にするためのもの。
    
    


    腹部の磁気共鳴画像法(MRI)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がMRIスキャナ内を水平に移動するうちに体内の画像が撮影されます。小児の腹部に置かれたパッドは画像をより鮮明にするためのものです。




  • CTスキャン(CATスキャン):腫瘍が発生した部位や胸部などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    腹部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン):図のように小児は台の上に横たわり、この台がCT装置内を水平に移動するうちに腹部のX線写真が撮影される。
    
    


    腹部のコンピュータ断層撮影(CTスキャン)。小児の患者さんは台の上に横たわり、この台がCTスキャナ内を水平に移動するうちに腹部のX線写真が撮影されます。




  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内にある悪性の腫瘍細胞を発見するための検査法。まず放射性ブドウ糖溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。 PETスキャンとCTスキャンはしばしば同時に行われます。この方法により、がんがあれば、発見される確率が高くなります。

    陽電子放射断層撮影(PET)スキャン:図は、小児が横たわった台が水平に移動し、PETスキャナ内に入っていくところを示している。
    
    


    陽電子放射断層撮影(PET)スキャン。小児が横たわっている台が水平に移動して、PETスキャナに入っていきます。ヘッドレストと白いストラップは患者さんの動きを制止するためのものです。少量の放射性ブドウ糖(グルコース)を小児の静脈内に注射し、スキャナを使用して、体内でブドウ糖が消費されている領域の画像を撮影します。がん細胞は正常な細胞よりもブドウ糖を多く取り込むため、画像では腫瘍がより明るく映し出されます。




  • 骨スキャン :骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まずごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質にはがんが生じている骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。

    骨スキャン:スキャナの下を水平に動く台の上に横たわる患児とスキャナを操作している技師、スキャン中に生成された画像を映し出しているコンピュータのモニターが示されている。
    
    


    骨スキャン。少量の放射性物質を小児の静脈に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質は骨に集まります。小児の乗った台がスキャナの下を水平に移動する間にこの放射性物質が次々と検出され、コンピュータのスクリーン上にその画像が表示されます。




  • 骨髄穿刺と骨髄生検 :腰骨または胸骨に中空の針を挿入して骨髄や骨の小片などを採取する手技。サンプルは両側の腰骨から採取されます。採取された骨髄や骨は、病理医によって顕微鏡で観察され、がんの転移の有無が調べられます。

    骨髄穿刺と骨髄生検:図は、台の上にうつぶせになった小児の右の腰骨に骨髄穿刺針を挿入しているところを示している。拡大図は、皮膚の上から腰骨の骨髄に挿入した骨髄穿刺針を示している。
    
    


    骨髄穿刺と骨髄生検。皮膚の小さな領域に麻酔を施してから、小児の腰骨に骨髄穿刺針を挿入します。そして顕微鏡での検査用に血液、骨、骨髄などのサンプルを採取します。




  • X線検査:X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に胸部や腫瘍が発生した部位などの体内領域の画像が映し出されます。

  • 全血球算定(CBC):血液を採取して以下の項目について調べる検査法:

  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質(乳酸脱水素酵素[LDH]など)の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。

ユーイング肉腫の診断には、生検が実施されます。

生検で組織サンプルが採取され、それを病理医が顕微鏡で観察して、がんの徴候がないか調べます。生検については、治療を行う施設と同じ施設で実施することが推奨されます。


  • 針生検 :針生検では、針を使って組織を採取します。この種の針生検は、検査に十分使用可能な大きさの組織サンプルが採取できる場合に実施されることがあります。

  • 切開生検 :切開生検では、皮膚の切開によって組織サンプルが採取されます。

  • 摘出生検 :しこりの組織全体または正常にみえない組織の領域を採取します。

針を留置する位置や生検の切開場所を決める場合は、通常、その患者さんの治療を担当している専門医(病理医、放射線腫瘍医外科医)が協力して取り組みます。これは、生検によって、後に行われる腫瘍の摘出手術放射線療法などの治療に支障が生じないようにするためです。

がんが近くのリンパ節に拡がっている可能性がある場合は、1ヵ所以上のリンパ節を採取してがんの徴候かないか調べることがあります。

切除された組織には以下のような検査が実施されます:


  • 細胞遺伝学的分析 :顕微鏡で組織サンプルの細胞を調べ、染色体に特定の変化がないかを確認する臨床検査

  • 免疫組織化学検査 抗体を利用して、組織のサンプルに含まれる特定の抗原を調べる臨床検査。この抗体には通常、放射性物質または色素が結合されており、その作用によって顕微鏡で観察したときに組織が明るく見えます。この種の検査法は、様々な種類のがんを判別するのに用いられることがあります。

  • フローサイトメトリー :試料中の細胞の数、試料中の生きている細胞の割合、細胞の特徴(大きさ、形状、表面の腫瘍マーカーの有無など)を計測する臨床検査。まず蛍光色素で細胞を染色し、それを液体に混ぜて細い管に流し、レーザー光などの光を照射します。計測は、蛍光色素の光に対する反応の強さに基づいて行われます。

特定の因子が予後(回復の見込み)に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)に影響を及ぼす因子は、治療の前後で異なります。

予後に影響する治療前の要因には以下のものがあります:


  • リンパ節または遠隔部位への腫瘍の転移の有無。

  • 最初に腫瘍が発生した部位。

  • 診断時における腫瘍の大きさ。

  • LDHの血中濃度が正常値よりも高いかどうか。

  • 腫瘍における特定の遺伝子変異の有無。

  • 患者さんが15歳未満かどうか。

  • 患者さんの性別。

  • ユーイング肉腫の前に、患者さんが別のがんに対する治療を受けているかどうか。

  • 新たに診断された腫瘍か、再発した(再び現れた)腫瘍か。

予後に影響する治療後の要因には以下のものがあります:


  • 手術によって腫瘍を完全に取り除けたかどうか。

  • 腫瘍が化学療法または放射線 療法に反応を示すかどうか。

初回治療後にがんが再発した場合、予後は以下の要因に左右されます:


  • 最初の治療から2年以上経過した後のがんの再発の有無。

  • 腫瘍が再発した部位。

  • 初回治療の種類。

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ユーイング肉腫の病期分類

がんが拡がっているかどうかを調べるために、診断結果と病期分類検査の結果が用いられます。

他の部位へのがんの転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。しかし、ユーイング肉腫では、標準的な病期分類システムがありません。ユーイング肉腫の診断病期分類で実施された検査法や手技で得られた結果は、その腫瘍限局性または転移性に分類する際にも用いられます。

ユーイング肉腫は、最初の発生部位である骨または軟部組織の外部にがんが拡がっているかどうかに応じて分類されます。

ユーイング肉腫は限局性または転移性のいずれかで表現されます。

限局性ユーイング肉腫

がんが最初の発生部位である骨または軟部組織に認められますが、近くのリンパ節など、付近の組織に拡がっている可能性もあります。

転移性ユーイング肉腫

がんが原発部位である骨または軟部組織から体内の他の部位に転移しています。骨のユーイング腫瘍では、最もがんの転移しやすい部位は、別の骨、骨髄です。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、ユーイング肉腫が肺に転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際はユーイング肉腫の細胞です。この疾患は転移性ユーイング肉腫であり、肺がんではありません。

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再発ユーイング肉腫

再発 ユーイング肉腫とは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、がんの発生部位の組織に起こることもあれば、体の他の部位に起こることもあります。

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治療選択肢の概要

ユーイング肉腫のお子さんには様々な治療法が存在します。

ユーイング肉腫のお子さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

ユーイング肉腫のお子さんに対する治療では、小児がんの治療に精通した医療提供者で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は、小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児ユーイング肉腫の治療に精通し、特定の医療分野を専門とした他の医療提供者と協力しながら治療に取り組んでいきます。具体的には以下のような専門医や専門家が挙げられます:


がんの治療のなかには、治療が終わってから何ヵ月または何年もたって副作用が現れるものがあります。

がんの治療の副作用のうち、治療中またはその後に始まり、何ヵ月または何年も続くものは、晩期障害と呼ばれます。がん治療の晩期障害には以下のようなものがあります:


晩期障害には治療や制御することが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期障害に関する要約をご覧ください。)

標準治療として以下の5種類が用いられています:
化学療法

化学療法は、薬物を用いてがん細胞を死滅させたり、その細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、もしくは腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。

全身化学療法は、ユーイング腫瘍の患者さんに対して必ず実施されます。最初の治療として行われることが多く、その場合、およそ6~12ヵ月にわたって続けられます。化学療法は、手術または放射線療法の前に腫瘍を縮小し、体内の他の部位に転移した腫瘍細胞を殺傷するために施行されることがよくあります。

詳しい情報については、軟部肉腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


ユーイング肉腫の治療には、外照射療法が使用されます。

放射線療法は、腫瘍が手術で切除できない場合、または腫瘍の切除手術がお子さんの重要な身体機能や外観に影響を及ぼす場合に使用されます。また、腫瘍を小さくして、手術で切除する必要のある組織の量を減らすためにも用いられます。さらに、手術後に残存した腫瘍や他の部位に転移した腫瘍を治療するために使用されることもあります。

手術

手術は通常、化学療法または放射線療法の実施後に残存したがんを除去するという目的で実施されます。可能であれば、手術によって腫瘍を全て切除します。切除された組織や骨については、患者さんの体の他の部位またはドナーから採取した組織や骨による移植片を用いて埋め合わせることもあります。時には、人工骨などのインプラントを使用することもあります。

医師が手術中に確認できたがんを全て切除した場合でも、残存するがん細胞を死滅させるため、手術後に化学療法または放射線療法を実施することがあります。がんが再発するリスクを減らすために手術後に実施する化学療法または放射線療法を補助療法と呼びます。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。

再発ユーイング肉腫の治療に用いられる標的療法の1つに、モノクローナル抗体 療法があります。転移性ユーイング肉腫の治療法として研究されています。モノクローナル抗体は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作られます。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、がん細胞の増殖を促進する物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。モノクローナル抗体を単独で使用することもありますが、薬物、毒素、または放射性物質をがん細胞に直接送り届けるために使用されることもあります。

新しい種類の標的療法が研究されています。


  • キナーゼ阻害薬療法は、別の種類の標的療法です。キナーゼ阻害薬は、がん細胞が分裂するために必要な蛋白を遮断する薬です。再発ユーイング肉腫の治療薬として研究されています。

  • PARP阻害薬療法は、また別の標的療法です。PARP阻害薬はDNAの修復を阻害し、がん細胞の死を引き起こす作用のある薬物です。再発ユーイング肉腫の治療薬として研究されています。

幹細胞救援を伴う大量化学療法

幹細胞救援を伴う大量化学療法は、ユーイング肉腫を治療する大化学療法を施行した後に、このがん治療によって破壊された血液形成細胞を置換する方法です。まず患者さん自身の血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。幹細胞救援を伴う化学療法は再発ユーイング肉腫の治療に用いられます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法

CAR T細胞療法は、患者さんのT細胞(免疫系細胞の一種)を改変して、がん細胞表面にある特定の蛋白を攻撃させる免疫療法の一種です。患者さんからT細胞を採取し、実験室でその表面に特殊な受容体を付加します。こうして改変した細胞は、キメラ 抗原受容体(CAR)T細胞と呼ばれます。実験室でCAR T細胞を増やし、点滴で患者さんに投与します。投与されたCAR T細胞は患者さんの血液内で増加し、がん細胞を攻撃します。CAR T細胞療法は再発したユーイング肉腫の治療法として研究されています。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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ユーイング肉腫の治療選択肢

限局性ユーイング肉腫

限局性 ユーイング肉腫標準治療には以下のようなものがあります:


これらの治療法やそれを実施する順番は、以下の因子によって決められます:


  • 最初に腫瘍が発生した部位。

  • がん診断時における腫瘍の大きさ。

  • 手術によって腫瘍を完全に取り除けたかどうか。

  • 小児の患者さんの年齢と健康状態。

  • その治療法が患者さんの重要な身体機能や見た目に影響を与えるかどうか。

限局性ユーイング肉腫の治療法として、以下のものが研究されています:


NCI支援のがん臨床試験リストから、限局性ユーイング肉腫/末梢性原始神経外胚葉性腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

転移性ユーイング肉腫

転移性 ユーイング肉腫標準治療には以下のようなものがあります:


これらの治療法やそれを実施する順番は、以下の因子によって決められます:


  • 最初に腫瘍が発生した部位。

  • 腫瘍が転移している部位。

  • 腫瘍の大きさ。

  • その治療法が患者さんの重要な身体機能や見た目に影響を与えるかどうか。

  • 小児患者さんの年齢と健康状態。

転移性ユーイング肉腫の治療法として、以下の療法が研究されています:


NCI支援のがん臨床試験リストから、転移性ユーイング肉腫/末梢性原始神経外胚葉性腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

再発ユーイング肉腫

再発 ユーイング肉腫には標準治療が存在しませんが、以下のような治療選択肢があります:


これらの治療法やそれを実施する順番は、以下の因子によって決められます:


  • 腫瘍が再発した部位。

  • 初回治療の種類。

再発ユーイング肉腫の治療法として、以下のものが研究されています:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発ユーイング肉腫/末梢性原始神経外胚葉性腫瘍の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児ユーイング肉腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board. PDQ Ewing Sarcoma Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/bone/patient/ewing-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389350]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

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お問い合わせ

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