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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

胃がんのスクリーニング(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2013-08-22
    翻訳更新日 : 2017-02-17

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。実際にがんの早発見に役立つ場合もあります。異常 組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合があります。症状が現れる頃には、がんが増殖し拡がり始めていることもあります。

ある種類のがんにかかりやすいのはどのような人々なのか、ということをより深く理解しようと科学者たちは挑み続けています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんの存在を疑ってそうしているわけではないということを覚えておくことが重要です。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

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胃がんについての一般的な情報

胃がんは、胃の内側を覆う組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

は上腹部にあるアルファベットのJに似た形をした臓器です。食物中の栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂質、蛋白、および水分)の消化吸収と老廃物の体外への排出を担う消化器系の一部です。咽頭(喉)を通過した食べ物は、食道と呼ばれる筋肉でできた中空の管を通って胃へと運ばれます。胃で一部消化された食べ物は、さらに小腸から大腸へと送られていきます。

消化器系の解剖図:食道、肝臓、胃、大腸、小腸を示す。



胃と食道は上部消化器系の一部です。



胃の壁は、粘膜層(最も内側の層)、筋層(中間の層)、漿膜層(外側の層)という3層の組織から構成されています。胃がんは、このうち粘膜層の細胞から発生して、増殖するにつれてより外側の層へと拡がっていきます。

胃がんに関する情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


米国では、胃がんはそれほど多くはありません。

米国では、アジア、欧州、中南米の多くの国々と比べ、胃がんは多くありません。世界のこれらの地域では、胃がんが重大な死亡原因です。

米国では、1930年から胃がんの新規症例数が徐々に減少しています。その理由は不明ですが、食料の保存状態の改善や食事習慣の変化(塩分摂取量の減少など)が関係している可能性があります。

高齢であることと、特定の慢性疾患であることは、胃がんのリスクを増大させます。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。胃がんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。胃がんのリスク因子には以下のものがあります:


胃がんが多くみられる国が出身地の人は、胃がんのリスクが高くなります。

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胃がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査のなかには、がんの早期発見に有効で、なおかつそのがんによる死亡の可能性を低減できるということが明らかとなっているために、実施されているものもあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査法もありますが、こうした検査法にがんによる死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては、臨床試験での証明が得られていません。

最もリスクが少なく最も有益な方法を発見すべく、科学者によりスクリーニング検査の研究が行われています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんによる死亡リスクが低減できるかどうかを明らかにすることも含まれています。一部のがんでは、早のうちに発見し治療することで、回復の見込みが高まる可能性があります。

がんのスクリーニング方法を研究するための臨床試験が米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

胃がんのスクリーニング検査には、標準的なものや決まって行われるものはありません。

胃がんを早期に発見するスクリーニング検査法として、いくつかの種類が研究されています。これらのスクリーニング検査法には以下のものがあります:


  • バリウムがゆX線間接撮影検査:食道の一連のX線撮影。まずバリウム(銀白色の金属 化合物)を溶かした液体を患者さんに飲み込んでもらいます(飲み込むとバリウムが食道や胃に付着します)。X線画像の写真を撮影します。撮影した写真は臓器が見えやすいように処理した後にフィルムにされます。これによって、患者さんへの放射線曝露を少なくして、臓器の動きを観察することができます。

    胃がん検査用食道造影;バリウム溶液が食道を通って胃に流入する様子を示す。
    
    


    胃がん検査用食道造影。飲み込まれたバリウム溶液は食道を通って胃の中へと流れ込みます。それからX線撮影を行って、異常な部分がないかを調べます。




  • 上部内視鏡検査:食道、胃、および十二指腸小腸の最初の部分)の内部を観察して異常な領域がないかを調べる検査法。内視鏡を口から挿入し、を経て、食道に到達させます。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織を採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

    上部内視鏡検査:内視鏡が口と食道から胃の中に挿入されている様子を示す。右の図には、台の上で上部内視鏡検査を受けている患者さんの様子が示されている。
    
    


    上部内視鏡検査。ライトの付いた細い管を口から挿入して、食道と胃、それに小腸の上部を観察して、異常な部分がないかを調べます。




  • 血清 ペプシノーゲン検査:血液中のペプシノーゲンの量を測定する検査法。ペプシノーゲン値が低いことは、慢性 胃萎縮の徴候で、胃がんの原因となる可能性があります。

多数の人々を対象に、これらの検査を用いた胃がんのスクリーニングを行っても胃がんで死亡するリスクが低下しなかったことが研究で示されました。

米国において胃がんのリスクが明らかに高い人々を対象にスクリーニングを実施する価値があるかどうかについて確認するには、さらに研究が必要です。科学者たちは、特定のリスク因子がある人は胃がんスクリーニングにより利益が得られる可能性があると考えています。このような因子には以下のものがあります:


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胃がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要です。

胃がんのスクリーニングのリスクとしては以下のものがあります:
胃がんが発見されても健康状態の改善や余命の延長につながらない場合もあります。

進行 胃がんであった場合は、スクリーニングによっても健康状態の改善や余命の延長につながらないこともあります。

がんのなかには、何の症状も引き起こさず命を脅かす心配がないものも存在しますが、スクリーニング検査で見つかれば、そのようながんにも治療が行われることがあります。このようながんに対する治療に無治療の場合よりも余命を長くする効果があるのかどうかは不明ですし、その治療によって逆に重篤な副作用がもたらされる可能性もあります。

偽陰性の検査結果が出る可能性もあります。

実際には胃がんが存在しているのにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が正常と出る場合もあります。偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに存在しないと判定された検査結果)を受けた人では、たとえ症状が現れていても、医師の診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る可能性もあります。

実際にはがんが存在していないにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が異常となる場合もあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに存在すると判定された検査結果)は不安の原因となることもあり、さらに、その後も検査が引き続き実施されていくのが通常で、そうした検査によるリスクも生じてきます。

スクリーニング検査そのものによる副作用が生じる可能性もあります。

上部内視鏡検査では、まれではありますが、以下のような重篤な副作用が生じる場合があります:


  • 食道またはの穿孔(小さな孔が開くこと)。

  • 心臓の異常。

  • 呼吸障害。

  • 食べ物、液体、胃などを肺へ吸入したことによる 感染症。

  • 病院での治療を必要とするほどの重度の出血。

  • 処置中に投与された薬物による副作用。

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本要約の変更点(08/22/2013)

PDQ がん情報要約は定期的に見直され、新しい情報が利用可能になり次第更新されます。本セクションでは、上記の日付における本要約の最新変更点を記述しています。

本要約には編集上の変更が行われました。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、胃がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

National Cancer Institute: PDQ® Stomach (Gastric) Cancer Screening. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Date last modified <MM/DD/YYYY>. Available at: http://cancer.gov/cancertopics/pdq/screening/gastric/Patient. Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのCoping with Cancer: Financial, Insurance, and Legal Informationページで入手可能です。

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Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのContact Formから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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本要約に関するご質問やご意見は、ウェブサイトのContact FormよりCancer.govにお送りください。ご質問等は英語でお書きください。英語以外ではお答えできません。

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