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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

褐色細胞腫と傍神経節腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-05-27
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、褐色細胞腫と傍神経節腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

褐色細胞腫 傍神経節腫

褐色細胞腫と傍神経節腫についての一般的な情報

褐色細胞腫と傍神経節腫は同じ種類の組織から発生するまれな腫瘍です。

傍神経節腫は、副腎内の神経 組織や付近の血管と神経に発生します。副腎に発生した傍神経節腫は褐色細胞腫と呼ばれます。副腎の外部に発生した傍神経節腫は、副腎外傍神経節腫と呼ばれます。本要約では、副腎外傍神経節腫のことを傍神経節腫と呼びます。

褐色細胞腫と傍神経節腫は良性の(がんではない)場合も、悪性(がん)の場合もあります。

褐色細胞腫は副腎髄質(副腎の中心部)で発生するまれな腫瘍です。

褐色細胞腫は副腎で発生します。副腎は体内に2つあり、上腹部後方にある左右の腎臓の上に1つずつ存在しています。副腎はそれぞれ2つの部分から構成されています。そのうち副腎の外層は副腎皮質と呼ばれます。一方、副腎の中心部は副腎髄質と呼ばれます。

褐色細胞腫は副腎髄質にできるまれな腫瘍です。一般的に、褐色細胞腫は片方の副腎に発生しますが、両方の副腎に生じる場合もあります。また、1つの副腎に複数の腫瘍ができることもあります。

副腎は重要なホルモンであるカテコールアミンを産生します。アドレナリンエピネフリン)とノルアドレナリンノルエピネフリン)の2種類のホルモンはいずれもカテコールアミンであり、心拍や血圧血糖の調節や、体がストレスに対処する方法の調整に関与します。褐色細胞腫は必要以上のアドレナリンとノルアドレナリンを血液中に分泌し、疾患の徴候症状を引き起こすことがあります。

傍神経節腫は副腎の外部で発生します。

傍神経節腫は、頸動脈付近や、頭頸部の神経経路沿いなどの部位に発生するまれな腫瘍です。一部の傍神経節腫は、アドレナリンとノルアドレナリンというカテコールアミンを必要以上に産生します。これらのカテコールアミンが過剰に血液中へ放出されると、疾患の徴候や症状が起こります。

頭頸部の傍神経節腫:図は、頭頸部の頸動脈付近に生じた腫瘍を示している。



頭頸部の傍神経節腫。頸動脈付近に形成されることの多い、まれな腫瘍。その他の発生部位には、頭頸部の神経経路や体内の他の神経経路が挙げられます。



特定の遺伝性疾患や遺伝子変異は、褐色細胞腫または傍神経節腫のリスクを高めます。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

以下の遺伝性 症候群遺伝子変異は、褐色細胞腫または傍神経節腫のリスクを高めます:


褐色細胞腫と傍神経節腫の徴候や症状には、高血圧や頭痛などがあります。

一部の腫瘍は余分なアドレナリンやノルアドレナリンを産生せず、徴候や症状を引き起こしません。こうした腫瘍は、頸部にしこりができたときや、別の理由で検査や手技が行われたときに発見されることがあります。褐色細胞腫と傍神経節腫の徴候と症状は、過剰なアドレナリンとノルアドレナリンが血液中に放出される場合に生じます。こうした徴候や症状は褐色細胞腫と傍神経節腫が原因で起こることもあれば、他の病態が原因で起こることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 高血圧

  • 頭痛。

  • 原因不明の多汗。

  • 強く、速く、不規則な心拍。

  • 震え。

  • 極度の蒼白。

最もよくみられる徴候は、高血圧です。その制御はおそらく困難です。重度の高血圧は、不整脈、心臓発作、脳卒中などの重大な健康問題を引き起こし、死亡につながる場合もあります。

褐色細胞腫と傍神経節腫の徴候と症状には、いつでも起こりうるものと特定の出来事によって引き起こされるものがあります。

褐色細胞腫と傍神経節腫の徴候や症状は、次の出来事によって生じることがあります:


  • 激しい身体活動。

  • 身体への負傷、または多くの感情的ストレス。

  • 出産。

  • 麻酔による意識喪失。

  • 腫瘍を切除する手技などの手術

  • チラミンを多く含む食品(赤ワイン、チョコレート、チーズ)の摂取。

褐色細胞腫と傍神経節腫の発見と診断には、血液と尿を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴 聴取:高血圧などの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 24時間尿検査:24時間分の尿を溜めておき、その中に含まれるカテコールアミンの量を測定する検査法。これらのカテコールアミンが分解されて生じる物質も測定します。特定の物質の異常値(正常値よりも高い値や低い値)は、その物質を作り出している臓器や組織における疾患の徴候かもしれません。特定のカテコールアミンの値が正常よりも高い場合は、褐色細胞腫の徴候である可能性があります。

  • 血中カテコールアミン検査:採取した血液を調べて、血液中に放出された特定のカテコールアミンの濃度を測定する検査法。これらのカテコールアミンが分解されて生じる物質も測定します。特定の物質の異常値(正常値よりも高い値や低い値)は、その物質を作り出している臓器や組織における疾患の徴候かもしれません。特定のカテコールアミンの値が正常よりも高い場合は、褐色細胞腫の徴候である可能性があります。

  • CTスキャン(CATスキャン):頸部や胸部、腹部、骨盤などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、頸部、胸部、腹部、骨盤などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

遺伝カウンセリングは褐色細胞腫と傍神経節腫の患者さんに対する治療計画の一部です。

褐色細胞腫と傍神経節腫と診断された全ての患者さんは、遺伝カウンセリングを受け、遺伝性症候群や関連のある他のがんが現れるリスクを明らかにすべきです。

遺伝カウンセラーは次のような患者さんに遺伝子検査を勧めることがあります:


  • 遺伝性の褐色細胞腫または傍神経節腫の症候群に関連する形質の個人歴または家族歴がある。

  • 両方の副腎に腫瘍がみられる。

  • 片方の副腎に複数の腫瘍がみられる。

  • 血液中にカテコールアミンが過剰に放出されることによる徴候や症状がみられるか、悪性の(がん性の)傍神経節腫が生じている。

  • 診断時に40歳未満である。

遺伝子検査は次のような褐色細胞腫の患者さんに勧められることもあります:


  • 診断時に40~50歳である。

  • 片方の副腎に腫瘍がみられる。

  • 遺伝性症候群の個人歴や家族歴がない。

遺伝子検査で特定の遺伝子変異がみつかると、多くの場合、リスクを有するが徴候や症状は現れていない家族も検査を勧められます。

遺伝子検査は50歳を超える患者さんに勧められることはありません。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • 腫瘍が良性か悪性か。

  • 腫瘍が1つの領域にのみ存在しているか、それとも体内の他の部位に拡がっているか。

  • カテコールアミンの値が正常よりも高くなることで生じる徴候や症状がみられるか。

  • 新たに診断された腫瘍か、再発した(再び現れた)腫瘍か。

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褐色細胞腫と傍神経節腫の病期

褐色細胞腫と傍神経節腫の診断がついた後には、腫瘍が他の部位に転移しているかどうかを調べる検査が行われます。

がんの拡がりの程度は通常は病期で表現されます。治療計画を立てるためには、がんの転移の有無を把握しておくことが重要です。以下の検査や手法を用いて、腫瘍が他の部位に転移しているかどうかを判断します:


  • CTスキャン(CATスキャン):頸部や胸部、腹部骨盤などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。腹部と骨盤の画像はカテコールアミンを分泌している腫瘍を検出するために撮影します。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、頸部、胸部、腹部、骨盤などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • MIBGスキャン 褐色細胞腫や傍神経節腫などの神経内分泌腫瘍を検出するための検査法。放射性MIBGと呼ばれる物質をごく少量だけ静脈に注射し、血流に乗せて循環させます。神経内分泌腫瘍細胞は放射性MIBGを取り込むので、スキャナで検出されます。スキャンには1~3日かかる場合があります。甲状腺がMIBGを吸収しすぎないように、検査前または検査中にヨウ素溶液が投与されることもあります。

  • オクトレオチドスキャン :カテコールアミンを分泌する腫瘍など、特定の腫瘍を検出するための放射性核種スキャンの一種。ごく少量の放射性オクトレオチド(特定の腫瘍に結合するホルモン)を静脈に注射し、血流に乗せて循環させます。放射性オクトレオチド(薬剤詳細へ)は腫瘍に結合するので、放射線を検知する特殊なカメラを使って体内での腫瘍の位置を示します。

  • FDG-PETスキャン(フルオロデオキシグルコース-陽電子放射断層撮影):体内の悪性腫瘍細胞を検出するための検査法。放射性ブドウ糖(グルコース)の一種であるFDGを少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、褐色細胞腫が骨に転移した場合、骨にできたがん細胞は、実際は褐色細胞腫の細胞です。この疾患は転移性褐色細胞腫であり、骨がんではありません。

褐色細胞腫と傍神経節腫には、標準的な病期分類システムがありません。
褐色細胞腫と傍神経節腫は、限局性、局所性、転移性という用語で表現されます。
限局性の褐色細胞腫および傍神経節腫

腫瘍は片方または両方の副腎に認められる(褐色細胞腫)か、1つの領域にのみ認められます(傍神経節腫)。

局所性の褐色細胞腫および傍神経節腫

がんリンパ節か、腫瘍が最初に発生した場所付近の組織に拡がっています。

転移性の褐色細胞腫および傍神経節腫

がんは肝臓、骨、遠隔部のリンパ節など、体の他の部位に転移しています。

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再発褐色細胞腫および傍神経節腫

再発 褐色細胞腫または再発傍神経節腫とは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、同じ部位に起こることもあれば、他の部位に起こることもあります。

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治療選択肢の概要

褐色細胞腫と傍神経節腫の患者さんには様々な治療法が存在します。

褐色細胞腫または傍神経節腫の患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。ただし、臨床試験のなかには、まだ治療を開始していない患者さんだけを対象としたものもあります。

徴候や症状のみられる褐色細胞腫または傍神経節腫の患者さんには、薬物療法が行われます。

褐色細胞腫と傍神経節腫と診断されると、薬物療法が開始されます。次のような薬物を使用します:


  • 血圧を正常に保つ薬物。例えば、α-遮断薬という薬物の一種は、細い血管を収縮させるノルアドレナリンの作用を抑えます。血管が拡張および弛緩した状態を保つことで、流を改善して血圧を下げます。

  • 心拍を正常に保つ薬物。例えば、β-遮断薬という薬物の一種は、過剰なノルアドレナリンの作用を抑え、心拍を遅くします。

  • 副腎で作られる余分なホルモンの作用を阻害する薬物。

多くの場合、薬物療法は手術前に1~3週間実施されます。

標準治療として以下の6種類が用いられています:
手術

手術で褐色細胞腫を切除する場合、通常は副腎摘出術(片方または両方の副腎の切除)を行います。この手術の間に、腹部組織リンパ節を調べ、腫瘍が転移していれば、それらの組織も切除します。手術前、最中、手術後に、血圧と心拍を正常に保つ薬物を投与する場合もあります。

腫瘍摘出手術の後、血液中または尿中のカテコールアミン濃度を調べます。カテコールアミンの正常値は、全ての褐色細胞腫細胞が除去されたことを示す徴候です。

両方の副腎を摘出した場合、残りの生涯にわたって、副腎が作るホルモンを補充するホルモン療法を受けるべきです。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


  • 1つは外照射療法で、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。

  • もう1つは内照射療法で、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と、それが限局性か、局所性か、転移性か、あるいは再発したものかによって異なります。褐色細胞腫の治療では、外照射療法と131I-MIBG療法を使用する場合があります。

褐色細胞腫の治療では、放射線を腫瘍細胞に直接到達させる131I-MIBGという物質を使用する場合があります。131I-MIBGは特定の種類の腫瘍細胞に蓄積する放射性物質で、この物質が出す放射線でそれらの細胞を殺傷することができます。131I-MIBGは点滴により投与します。全ての褐色細胞腫が131I-MIBGを取り込むとは限らないため、治療を開始する前に検査を実施して、腫瘍がこの物質を取り込んでいることを確認します。

化学療法

化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、もしくは腹腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と、それが限局性か、局所性か、転移性か、あるいは再発したものかによって異なります。

焼灼(アブレーション)療法

焼灼(アブレーション)は体の一部や組織、または機能を切除もしくは破壊する治療法です。がん細胞の殺傷に利用される焼灼療法には、次のようなものがあります:


  • ラジオ波焼灼術:ラジオ波を使用して異常な細胞を加熱し、破壊する手技。ラジオ波は電極(電流を流す小型の器具)を通じて流されます。ラジオ波焼灼術はがんや他の病態の治療に用いられます。

  • 冷凍アブレーション:組織を凍結させて異常な細胞を破壊する手技。組織の凍結には、液体窒素や液体二酸化炭素を使用します。

塞栓療法

塞栓療法は副腎につながる動脈を塞ぐ治療法です。副腎への血流を阻害して、副腎で増殖しているがん細胞の死滅を促します。

標的療法

標的療法は、正常な細胞には害を与えず、特定のがん細胞だけを識別し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を使用する治療法です。標的療法は転移性褐色細胞腫または再発褐色細胞腫の治療に用いられます。

スニチニブチロシンキナーゼ阻害薬の一種)は転移性褐色細胞腫の新しい治療薬として研究されています。チロシンキナーゼ阻害薬療法は標的療法の一種で、腫瘍の増殖に必要な信号伝達を阻害します。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断を下したり、拡がりの程度を判定したりすることを目的とした検査は、繰り返し行われる場合があります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査と呼ばれることがあります。

症状を引き起こしている褐色細胞腫または傍神経節腫の患者さんには、定期的に血液中または尿中のカテコールアミン濃度の検査が行われます。カテコールアミンの値が正常よりも高い場合は、がんの再発の徴候である可能性があります。

症状が現れていない傍神経節腫の患者さんは、CTMRIMIBG スキャンなどのフォローアップ検査を毎年受けるべきです。

遺伝性褐色細胞腫の患者さんには、定期的に血液中または尿中のカテコールアミン濃度の検査が行われます。遺伝性症候群に関連する他の腫瘍が存在していないかを確認するために、他のスクリーニング検査が実施されます。

検査を受けるべきか、また、その頻度については、担当の医師と話し合ってください。褐色細胞腫または傍神経節腫の患者さんは生涯にわたってフォローアップ検査を受けるべきです。

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褐色細胞腫と傍神経節腫の治療選択肢

限局性の褐色細胞腫および傍神経節腫

限局性良性 褐色細胞腫または傍神経節腫の治療法は、通常、腫瘍を完全に摘出する手術です。腫瘍が副腎にできている場合は、その副腎全体を摘出します。

NCI支援のがん臨床試験リストから、限局性の良性褐色細胞腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

遺伝性褐色細胞腫

多発性内分泌腫瘍(MEN2)またはフォン・ヒッペル-リンダウ症候群(VHL)に関連する遺伝性褐色細胞腫の患者さんでは、多くの場合、両方の副腎腫瘍が発生します。多くの場合、腫瘍は良性です。


  • 片方の副腎に生じた遺伝性褐色細胞腫の治療法は、その副腎を完全に摘出する手術です。この手術では、生涯にわたるステロイド ホルモン補充療法急性 副腎機能障害を回避できる場合があります。

  • 遺伝性褐色細胞腫が両方の副腎に発生した場合や、以前に片方を摘出し、残存した側の副腎に発生した場合の治療では、腫瘍と副腎皮質内の最小限の正常組織を切除する手術が行われることがあります。この手術では、患者さんは生涯にわたるホルモン補充療法と、副腎で作られるホルモンの欠如による健康問題とを回避できる場合があります。

局所性の褐色細胞腫および傍神経節腫

周辺の臓器リンパ節に転移した褐色細胞腫または傍神経節腫の治療は、腫瘍を完全に摘出する手術です。場合により、腎臓肝臓、主要な血管の一部、リンパ節などのがんが転移した周辺臓器も切除します。

NCI支援のがん臨床試験リストから、局所性褐色細胞腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

転移性の褐色細胞腫および傍神経節腫

転移性 褐色細胞腫または傍神経節腫の治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、転移性褐色細胞腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

再発褐色細胞腫および傍神経節腫

再発 褐色細胞腫または傍神経節腫の治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発褐色細胞腫の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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妊娠中の褐色細胞腫

妊娠している女性が褐色細胞腫を患っている場合は、特別なケアが必要です。

妊娠中に診断されることはまれですが、褐色細胞腫は母親と新生児にとって非常に重大な問題になることがあります。褐色細胞腫のリスクが高い女性は、出生前検査を受けるべきです。妊娠中の褐色細胞腫の女性には、この種のケアを専門とする医師のチームによる治療が必要です。

褐色細胞腫の妊婦には、以下の徴候が現れることがあります:


  • 妊娠3ヵ月目までの期間に生じる高血圧

  • 突然生じる高血圧期。

  • 治療が非常に難しい高血圧。

妊娠中の女性に対する褐色細胞腫の診断では、血液中または尿中のカテコールアミン濃度を検査します。検査とその方法については、一般的な情報のセクションを参照してください。MRIでは、胎児放射線に曝されず、妊娠中の女性の体内にある腫瘍を安全にみつけることができます。

褐色細胞腫を患っている妊娠中の女性に対する治療法は、主に手術です。

妊娠中の褐色細胞腫の治療法には以下のようなものがあります:


  • 妊娠中期(妊娠16週から24週まで)の間にがんを完全に切除する手術

  • がんを完全に切除する手術と帝王切開による分娩の同時実施。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、褐色細胞腫と傍神経節腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Pheochromocytoma and Paraganglioma Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/pheochromocytoma/patient/pheochromocytoma-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389499]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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