ご利用について
このPDQがん情報要約では、成人悪性中皮腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 悪性中皮腫についての一般的な情報
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悪性中皮腫は、胸部または腹部の臓器を覆っている薄い層状の組織に発生するがんの一種です。
悪性中皮腫は以下の場所に発生する可能性があります:
悪性中皮腫は心臓や精巣に発生することもありますが、まれです。
悪性中皮腫は、胸膜(胸腔の内側と肺の外側を覆っている組織)や腹膜(腹部の内側と大半の腹部臓器の外側を覆っている組織)など、胸部や腹部の内側を覆っている組織に発生します。悪性中皮腫は心膜(心臓を包んでいる組織)や精巣に発生することもありますが、これはまれです。 悪性中皮腫のリスクを高める要因として、アスベストへの曝露があります。
悪性中皮腫は、臓器を覆っている細胞の挙動、特に成長して新しい細胞に分裂する過程での挙動が変化することによって発生します。多くの場合、細胞の変化を引き起こした正確な原因は不明です。がんの発生の詳細について、がんとは何か(英語)をご覧ください。
リスク因子とは、疾患が発生する可能性を増大させるあらゆる要因のことです。悪性中皮腫の患者さんの大半は、建築産業や繊維産業で使用されてきたアスベスト(石綿)を吸い込んだり(吸入)飲み込んだりする場所で働いていたか、そのような場所に居住していたことがあります。しかし、アスベストに曝された後も、実際に悪性中皮腫を発症するまでには通常、長い期間がかかります。アスベストが存在する環境で働いている人と暮らしていることも、悪性中皮腫のリスク因子です。これらのリスク因子をもっている全ての小児が悪性中皮腫を発症するわけではありません。また、リスク因子が認められない人が発症することもあります。
ご自分にリスクがあるかもしれないと思われる場合は、担当の医師に相談してください。
悪性中皮腫の徴候と症状には、息切れや肋骨の奥の痛みがあります。
このがんの患者さんは、胸部や腹部に液体が溜まることがあります。徴候や症状は、この液体の貯留や悪性中皮腫が原因で起こることもあれば、別の病態が原因で起こることもあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:
悪性中皮腫の診断には、胸腔と腹腔の内部を調べる検査法が用いられます。
胸部の悪性中皮腫は肺がんとの鑑別が難しいことがあります。悪性中皮腫を示唆する症状がみられる場合、それらの原因ががんなのか、それとも別の問題なのかを医師が確認する必要があります。医師は症状がいつから始まり、どのくらいの頻度で起きているかを質問します。医師はまた、病歴と家族歴をたずね、身体診察を行います。それらの結果に応じて、ほかの検査を勧めることもあります。それらの検査の結果は、中皮腫と診断された場合に担当医と治療計画を立てるのに役立ちます。
中皮腫の診断には、以下のような検査法や手技が用いられます:
悪性中皮腫の診断がついた後には、がん細胞の他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。
がんが胸膜外または腹膜外に拡がっているかどうかを調べるためのプロセスは、病期診断と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるには、がんが拡がっているかどうかを把握しておくことが重要です。
病期診断の過程では、以下のような検査法や手技が用いられます:
- CTスキャンは、X線装置に接続したコンピュータを用いて胸部や腹部などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法です。様々な角度から画像が撮影され、それらを用いて組織と臓器の3次元画像が作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影とも呼ばれます。詳細については、CTスキャンとがん(英語)をご覧ください。
- PET(陽電子放射断層撮影)スキャンは、少量の放射性グルコースを静脈に注射して行う検査法です。PETスキャナが体の周りを回転して、グルコースが取り込まれた体内領域の精細なコンピュータ画像が作成されます。がん細胞は正常な細胞よりグルコースを多く取り込むことが多いため、得られた画像を用いて、体内にあるがん細胞を探すことができます。
- MRI(磁気共鳴画像)検査は、磁気、電波、コンピュータを用いて体内の精細な連続画像を作成する検査法です。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
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内視鏡超音波検査(EUS)は、内視鏡を体内に挿入して行う検査法です。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。内視鏡の末端部にプローブが付いていて、これを用いて周波数の高い音波(超音波)を体内の組織や臓器に反響させて、エコーを作り出します。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この検査法は超音波内視鏡検査とも呼ばれます。内視鏡超音波検査は、肺やリンパ節、その他の領域に対する穿刺吸引細胞診(FNA)での誘導法としても用いられます。
内視鏡的超音波ガイド下穿刺吸引細胞診。超音波プローブと生検針を備えた内視鏡が口から食道の中に挿入されます。プローブから出た音波が体の組織で反響することによってエコーが発生し、その情報を基にして食道付近のリンパ節のソノグラム(コンピュータ画像)が作成されます。このソノグラムは、リンパ節から組織を採取するために生検針を挿入する位置を決定するのに役立ちます。切除された組織は顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。 - 腹腔鏡検査は、腹部の臓器を観察して、疾患の徴候がないか調べる外科的な検査法です。まず腹壁の数カ所を小さく切開し、その切開口の1つから腹腔鏡(ライトの付いた細い管)を挿入します。さらに別の器具を同じ切開口か別の切開口から挿入して、顕微鏡でがんの徴候を調べるための組織サンプルを採取するなどの手技を行うこともあります。
- リンパ節生検は、リンパ節の全体または一部を切除する手技です。切除されたリンパ節組織は病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。
- 縦隔鏡検査は、両肺の間にある臓器、組織、リンパ節などを観察し、異常な部分がないかどうかを調べる外科的な検査です。まず胸骨の最上部を切開して、そこから縦隔鏡を胸部に挿入します。縦隔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。
セカンドオピニオンを求める人もいます。
がんの診断を確定して治療計画を立てるにあたって、患者さんはセカンドオピニオンを求めることができます。セカンドオピニオンを求めるときは、最初の担当医に医学的検査の結果と報告書を提供してもらい、それらを別の医師に見せる必要があります。2人目の医師は、病理報告書、スライド、検査画像を確認します。そして、最初の医師の見解に同意するか、治療アプローチの変更や別のアプローチを提案したり、患者さんのがんについて新たな情報を提供したりします。
医師を選んでセカンドオピニオンを受けるプロセスの詳細については、がん治療の医療機関を探す(英語)をご覧ください。セカンドオピニオンを提供できる医師や病院の情報については、NCIのCancer Information Serviceまで、チャット、電子メール、電話(英語とスペイン語に対応)でお問い合わせください。受診時に聞いておくとよい質問については、がんについて主治医に尋ねるべき質問(英語)をご覧ください。
- 悪性中皮腫の病期
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がんの病期とは、体内でのがんの拡がりの程度を表す指標です。
がんの病期とは、腫瘍の大きさ、転移の有無、最初に発生した部位からどれほど離れて転移しているかなど、体内でのがんの拡がりの程度を表す指標です。治療計画を立てるためには、中皮腫の病期を把握しておくことが重要です。
がんの進展範囲を記述するための枠組みである病期分類システムがいくつかあります。悪性中皮腫の病期分類には通常、TNM分類が用いられます。病理報告では、この病期分類システムに従って、がんの進展範囲が記述されます。TNM分類の結果に基づいて病期(I期、II期、III期、IV期のいずれか)が判定されます。診断についての医師との面会時に、がんがどの病期なのかの説明を受けることもあります。
中皮腫の病期診断を目的とした検査をご覧ください。がんの病期分類(英語)もご覧ください。
肺の悪性中皮腫では、以下のような病期が用いられます:
II期の悪性中皮腫
II期では、がんは胸部片側の胸壁の内側を覆っている胸膜に認められます。胸部の同じ側で、がんが次の1つ以上に認められることもあります:
がんは腫瘍と同じ側で胸部の中央沿いにあるリンパ節に転移しています。
または
がんは胸壁の内側を覆っている組織に認められ、同じ側の肺、両肺間の臓器、胸部片側の横隔膜上部のそれぞれを覆っている薄い層状の組織にも認められます。胸部の同じ側で、がんが次の1つまたは両方に拡がっていることもあります:
- 横隔膜
- 肺組織
がんは腫瘍と同じ側で胸部の中央沿いにあるリンパ節に転移しています。
III期の悪性中皮腫
III期は、以下のようにIIIA期とIIIB期に分けられます。
- IIIA期では、がんは胸壁の内側を覆っている組織に認められ、同じ側の肺、両肺間の臓器、胸部片側の横隔膜上部のそれぞれを覆っている薄い層状の組織にも認められます。胸部の同じ側で、がんが次の1つ以上に拡がっています:
- 肋骨と胸壁の内側を覆っている胸膜との間にある組織
- 両肺間の領域の脂肪
- 胸壁の軟部組織
- 心嚢(心臓を覆っている袋)
がんは腫瘍と同じ側で胸部の中央沿いにあるリンパ節に転移しています。
- IIIB期では、がんは胸壁の内側を覆っている組織に認められ、同じ側の肺、両肺間の臓器、胸部片側の横隔膜上部のそれぞれを覆っている薄い層状の組織にも認められることがあります。胸部の同じ側で、がんが次の1つ以上に拡がっていることもあります:
- 横隔膜
- 肺組織
- 肋骨と胸壁の内側を覆っている胸膜との間にある組織
- 両肺間の領域の脂肪
- 胸壁の軟部組織
- 心嚢(心臓を覆っている袋)
がんは胸部の片側の鎖骨上方のリンパ節に転移しているか、胸部の腫瘍と反対側で胸部の中央沿いにあるリンパ節に転移しています。
または
がんは胸壁の内側を覆っている組織に認められ、同じ側の肺、両肺間の臓器、胸部片側の横隔膜上部のそれぞれを覆っている薄い層状の組織にも認められます。さらに、がんは以下の部位の1つ以上に拡がっています:
がんがリンパ節に転移している場合もあります。
悪性中皮腫は治療後に再発することがあります。
再発悪性中皮腫とは、治療後に再発した場合のことです。中皮腫がんの再発は、胸部で起こることもあれば、肝臓や肺またはその両方など他の部位で起こることもあります。がんが再発した部位を明らかにするために検査を行います。再発中皮腫に対する治療法は再発部位によって異なります。
詳しい情報については、再発がん:がんが再び発生する場合(英語)をご覧ください。対処や医療チームとの話し合いに役立つ情報ががんが再発したとき(英語)という冊子に記載されています。
- 治療選択肢の概要
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悪性中皮腫に対する治療法には様々なものがあります。
悪性中皮腫の患者さんは様々な治療を受けることができます。患者さんとがん治療チームが協力して治療計画を決定しますが、その計画には複数の治療法が含まれる場合もあります。がんの病期や全体的な健康状態、患者さんの希望など、数多くの要因が検討されます。治療計画では、がんについての情報、治療の目標、治療選択肢、起こりうる副作用、予想される治療期間などが検討対象に含まれます。
治療に先立ってがん治療チームとその後の見通しについて話し合うことが役立ちます。患者さんは、治療を開始するまでに何をしておく必要があるか、治療中はどのように感じるか、どのような支援が必要になるかを知りたいと思うでしょう。詳細については、治療について主治医に尋ねるべき質問(英語)をご覧ください。
以下のような治療法が用いられます:
手術
胸部の悪性中皮腫には以下の外科的治療法が用いられることがあります:
- 広範囲局所切除術は、がん全体と周囲の正常組織の一部を切除する手術法です。切除される正常組織の量は、切除される腫瘍の深さまたは大きさに依存します。
- 胸膜切除術と肺剥皮術は、肺の表面を覆っている組織と胸壁の表面を覆っている組織の一部と、肺の外表面の一部を切除する手術法です。
- 胸膜肺全摘出術は、片方の肺全体、胸壁の表面を覆っている組織、横隔膜、および心嚢(心臓を包む袋状の組織)の表面組織を切除する手術法です。
- 胸膜癒着術は、化学薬品や薬物を用いて2枚の胸膜(肺を覆っている胸膜と胸壁を覆っている胸膜)を互いに癒着させることによってその間の空間を埋める外科的手技です。まず、この空間に溜まっている体液をカテーテルを用いて体外に排出させ、次にこの空間の中に化学薬品か薬剤を注入していきます。このようにして胸膜間を癒着させることにより、胸腔内での体液の貯留を予防できます。
手術時に視認できるがんを全て切除した場合も、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法や放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを減らすために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんのある領域に放射線を照射する方法です。症状を和らげて生活の質(QOL)を高める緩和ケアとして用いられることもあります。
化学療法
化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。多剤併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。
全身化学療法は、化学療法薬を経口で投与するか、静脈内または筋肉内に注射する治療法です。この方法で投与すると、薬剤を血流に入れて、全身のがん細胞に到達させることができます。
局所化学療法は、臓器または体腔(胸腔や腹腔など)の中に化学療法薬を直接投与する治療法です。この方法で投与すると、薬剤は主にその領域にあるがん細胞に作用します。腹腔内温熱化学療法(HIPEC)は、悪性中皮腫の治療に用いられる局所化学療法の一種です。
- HIPECは、腹膜(腹部の内側と大半の腹部臓器の外側を覆っている組織)に拡がった中皮腫の治療に用いられることがあります。外科医が確認できるがんを全て切除した後、抗がん剤を含む溶液を温めて、ポンプで腹腔の中から外へ循環させることで、残存したがん細胞を死滅させます。抗がん剤を温めることで、より多くのがん細胞が死滅する可能性があります。
化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。
化学療法の効果、投与方法、よく発生する副作用などについては、化学療法によるがん治療(英語)と化学療法:がんの患者さんへの支援(英語)をご覧ください。
詳しい情報については、悪性中皮腫に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
免疫療法
免疫療法は免疫系ががんと闘うのを助けます。特定の免疫療法薬に対する反応を予測する助けとするために、バイオマーカー検査が勧められることがあります。詳細についてはがん治療におけるバイオマーカー検査(英語)をご覧ください。
進行悪性中皮腫の治療に用いられる免疫療法薬には以下のものがあります:
- イピリムマブ
- ニボルマブ
その他の免疫療法薬としては例えばデュルバルマブがあり、悪性中皮腫の治療薬として研究されています。
詳細については、免疫療法によるがん治療(英語)をご覧ください。
分子標的療法
分子標的療法では、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質が用いられます。ベバシズマブは分子標的療法薬で、悪性中皮腫の治療に用いられます。
その他の分子標的療法薬としては例えばラムシルマブがあり、悪性中皮腫の治療薬として研究されています。
詳細については、分子標的療法によるがん治療(英語)をご覧ください。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。中皮腫の患者さんのための臨床試験には色々な種類があります。例えば、治療の臨床試験では、新しい治療法や既存の治療法を用いた新しい治療法の検証が行われます。支持療法と緩和ケアの臨床試験では、生活の質を改善する方法が検討され、特にがんとその治療による副作用がみられる患者さんに焦点が置かれます。
NCIの臨床試験検索から、現在参加者を受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。この検索では、がんの種類、年齢、および試験が実施されている場所に基づいて試験を絞り込むことができます。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
臨床試験の詳細については、患者さんと介護者のための臨床試験情報(英語)をご覧ください。
- 限局性悪性中皮腫(I期)の治療
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I期の悪性中皮腫が胸膜の1カ所に存在する場合、治療としては、がんとその周辺の組織を手術で取り除く方法があります。
I期の悪性中皮腫が体腔内にある場合の治療法には以下のようなものがあります:
これらの治療法の詳細については、治療選択肢の概要をご覧ください。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 進行悪性中皮腫(II期、III期、およびIV期)の治療
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II期、III期、IV期の悪性中皮腫が胸部に存在する場合は、以下のいずれかの治療が行われます:
II期、III期、IV期の悪性中皮腫が腹膜に存在する場合は、以下のいずれかの治療が行われます:
- 腫瘍を切除する手術と、その後の腹腔内温熱化学療法
- 化学療法
これらの治療法の詳細については、治療選択肢の概要をご覧ください。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 再発悪性中皮腫の治療
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悪性中皮腫が再発した場合の治療戦略には、しばしば最初の治療では用いられなかった選択肢が含まれます。これまでに全身療法を受けたことがない場合は、以下の治療法が考えられます:
全身療法を受けたことがある場合は、以下の治療を単独または併用で行うことがあります:
- 化学療法
- 免疫療法
局所再発がんの特定のケースでは、胸壁の病変部を切除する手術が1つの選択肢となることがあります。
これらの治療法の詳細については、治療選択肢の概要をご覧ください。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施されている場所に基づいて、臨床試験を検索することができます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 悪性中皮腫についてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供している悪性中皮腫に関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資料については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、成人悪性中皮腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Malignant Mesothelioma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/mesothelioma/patient/mesothelioma-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389166]
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免責事項
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お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。