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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

膣がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-07-30
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、膣がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

膣がん

膣がんについての一般的な情報

膣がんは、膣の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

は、子宮頸部子宮の開口部)と体外とをつなぐ管状の臓器です。出産時には、この膣を通って新生児が体外へ出て行きます(そのため産道とも呼ばれます)。

女性生殖系の解剖図:図は、子宮、子宮筋層(子宮の外側の筋層)、子宮内膜(子宮内腔を覆う膜)、卵巣、卵管、子宮頸部、膣を示している。



女性生殖系の解剖図。女性生殖系の臓器には、子宮、卵巣、卵管、子宮頸部、膣などが含まれます。子宮には、子宮筋層と呼ばれる筋肉の外層と子宮内膜と呼ばれる内膜があります。



膣がんはあまり多くみられる疾患ではありません。膣がんでは、次の2種類が代表的です:


  • 扁平上皮がん扁平上皮細胞(膣の内壁を覆っている薄く扁平な細胞)から発生するがん。膣の扁平上皮がんは、拡がるのが遅くて膣の近辺にとどまっているのが通常ですが、肝臓、骨に転移することもあります。これは膣がんのなかで最も多くみられる種類のものです。

  • 腺がん(分泌)細胞から発生するがん。膣の表面にある腺細胞は粘液などの液体を分泌しています。腺がんでは、扁平上皮がんと比べて、肺やリンパ節への転移の可能性が高くなります。腺がんのまれな一種は、出生前のジエチルスチルベストロール(DES)への曝露に関連があります。DESへの曝露に関連していない腺がんは、閉経後の女性に最もよくみられます。

女性の膣がんのリスクに影響を及ぼしうる因子には、年齢と、胎児期のDES(ジエチルスチルベストロール)という薬物への曝露があります。

疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。膣がんのリスク因子には以下のものがあります:


  • 60歳以上であること。

  • 母親の子宮の中でDESに曝されていたこと。1950年代には、このDESというが流産(まだ胎児が生存できない早い時期に分娩が起こってしまうこと)の予防薬として一部の妊婦さんに処方されていました。胎児期にこのDESに曝されていた女性では、膣がんのリスクが高くなります。さらに、そのような女性の一部では、明細胞腺がんと呼ばれるまれな膣がんが発生します。

  • ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していること。

  • 子宮頸部に異常な細胞が発見された個人歴があること、あるいは子宮頸がんの病歴があること。

  • 子宮に異常な細胞が発見された個人歴があること、あるいは子宮がんの病歴があること。

  • 子宮に影響を及ぼす病態のために、子宮摘出術を受けた個人歴があること。

膣がんの徴候や症状には、痛みと異常膣出血などがあります。

膣がんでは多くの場合、早期の徴候症状がみられません。ルーチンの内診パパニコロウ試験で膣がんが発見されることがあります。徴候や症状が現れたとしても、膣がんが原因の場合もあれば、別の病態が原因である場合もあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


膣がんの発見と診断には、膣を含む骨盤内の臓器を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 内診:膣、子宮頸部、子宮、卵管卵巣直腸を調べる診察法。さらに、膣鏡を膣内に挿入して、医師や看護師が膣や子宮頸部にがんの徴候がないかも調べます。通常はここで、子宮頸部のパパニコロウ試験が行われます。医師または看護師が、手袋をはめて潤滑剤を塗った片方の手の指を1~2本膣内に挿入し、もう片方の手を下腹部に置いて、子宮と卵巣の大きさ、形、位置などを手と指の感触で調べます。さらに、医師または看護師は、手袋をはめて潤滑剤を塗った指を直腸内にも挿入し、しこりや異常な部分がないかを指の感触で調べていきます。

    内診:図は、内診時の女性生殖器を側面から見た解剖図を示す。子宮、左卵管、左卵巣、子宮頸部、膣、膀胱、直腸が示されている。医師または看護師が手袋をはめて、片手の2本の指を膣内に挿入し、もう一方の手で上から下腹部を押している様子が示されている。左上の図では、ドレープで覆われた女性が診察台の上で足を足置きに乗せて両脚を開いている。
    
    


    内診。医師または看護師が、手袋をはめて潤滑剤を塗った片手の指を1~2本膣内に挿入し、もう一方の手で上から下腹部を押しています。この診察は、子宮と卵巣の大きさ、形状、位置を触って調べるために行われます。膣、子宮頸部、卵管、直腸も調べられます。




  • パパニコロウ試験:子宮頸部の表面と膣の表面から細胞を採取する検査法。まず脱脂綿、ブラシ、木べらなどで子宮頸部と膣の細胞を優しくこすり取ります。そして採取された細胞を顕微鏡で観察して、異常がないかを調べます。この検査法はパパニコロウ塗抹検査とも呼ばれます。

    パパニコロウ試験:パパニコロウ試験中の女性生殖器を側面から見た解剖図。膣鏡による膣口の拡張を示している。ブラシを膣の開口部に挿入し、子宮の底部に位置する子宮頸部に触れている様子が示されている。直腸も示されている。拡大図は、子宮頸部中央にブラシが接触しているところを示している。左の小さい図では、ドレープで覆われた女性が診察台の上で足を足置きに乗せて両脚を開いている。
    
    


    パパニコロウ試験。膣口に膣鏡を挿入し、拡張します。次にブラシを膣に挿入し、子宮頸部から細胞を採取します。それらの細胞を顕微鏡で観察して、疾患の徴候がないか調べます。




  • 膣鏡検査 膣鏡(ライトの付いた拡大鏡)を用いて膣と子宮頸部の内部を観察して異常な部分がないかを調べる検査法。キューレット(スプーン状の器具)またはブラシを用いて組織のサンプルを採取することもあり、採取したサンプルを顕微鏡で観察して疾患の徴候がないか調べます。

  • 生検 :膣と子宮頸部から細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。パパニコロウ試験によって膣内の異常細胞の存在が判明した場合は、膣鏡検査の実施中に生検を行うことがあります。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期(膣内にとどまっているか、外の領域まで拡がっているか)。

  • 腫瘍の大きさ。

  • 腫瘍細胞の悪性度(顕微鏡で見たときに外観がどのくらい正常な細胞と異なるか)。

  • 膣内でのがんの位置。

  • 診断時の徴候や症状の有無。

  • 患者さんの年齢と健康状態。

  • 新たに診断されたがんか、再発した(再び現れた)がんか。

早期の段階で膣がんを発見できれば、多くの場合は治癒も望めます。

治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期と大きさ。

  • 治療による損傷を受けた他の臓器の付近にがんが存在しているかどうか。

  • 腫瘍が扁平上皮細胞で構成されているか、または腺がんか。

  • 子宮が残っているか、あるいは子宮摘出術を受けた後か。

  • 過去に骨盤への放射線療法を受けたことがあるかどうか。

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膣がんの病期

膣がんの診断がついた後には、がん細胞の膣内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。病期分類の過程では、以下のような検査法が用いられます:


  • 胸部X線 検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。

  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍 細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成します。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 膀胱鏡検査 膀胱尿道の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法。この検査では、膀胱鏡が尿道から膀胱内へと挿入されます。膀胱鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

    膀胱鏡検査;膀胱、子宮、直腸を含めた骨盤下部の側面図を示している。他に、膣と肛門も示している。膀胱鏡(観察用の光源とレンズを備えた細いチューブ状の器具)の柔軟性のある管を尿道から膀胱の中へ通しているところを示す。液体で膀胱を満たします。左上の図は、女性が診察台に横になり、膝を曲げて足を開いているところを示す。女性はドレープで覆われている。医師はコンピュータのモニターで膀胱内壁の画像を調べます。
    
    


    膀胱鏡検査。膀胱鏡(観察用の光源とレンズを備えた細いチューブ状の器具)を尿道から膀胱の中へ挿入します。液体で膀胱を満たします。医師はコンピュータのモニターで膀胱内壁の画像を調べます。




  • 尿管鏡検査 尿管の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法。この検査では、尿管鏡が膀胱から尿管内部へと挿入されます。尿管鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。尿管鏡検査と膀胱鏡検査が一度に実施される場合もあります。

    尿管鏡検査;左右の腎臓、尿管、膀胱、尿道を含めた骨盤下部の正面図を示している。尿管鏡(観察用の光源とレンズを備えた細いチューブ状の器具)の柔軟性のある管を尿道から膀胱と尿管の中へ通しているところを示す。左上の図は、女性が診察台に横になり、膝を曲げて足を開いているところを示す。女性はドレープで覆われている。医師はコンピュータのモニターで尿管内部の画像を調べます。
    
    


    尿管鏡検査。尿管鏡(観察用の光源とレンズを備えた細いチューブ状の器具)を尿道から尿管の中へ挿入します。医師はコンピュータのモニターで尿管内部の画像を調べます。




  • 直腸鏡検査 直腸の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法。この検査では、直腸鏡が直腸内へと挿入されます。直腸鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

  • 生検 :がんの子宮頸部への拡がりを確認するために生検が行われることがあります。組織のサンプルを子宮頸部から切り取って、それを顕微鏡を用いて観察します。採取する組織が少量で済む生検であれば、通常は外来でも実施できます。一方、円錐生検(子宮頸部と子宮管から大きな円錐形の組織の塊を採取する)の場合は、入院で実施されます。外陰部にがんが拡がっている場合には、外陰部の生検も実施されます。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、膣がんに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は膣がんの細胞です。この疾患は転移性膣がんであり、肺がんではありません。

膣上皮内腫瘍(VAIN)では、異常な細胞が膣内部の表面組織に認められます。

これらの異常な細胞はがんではありません。膣上皮内腫瘍(VAIN)は、膣内壁を覆う組織に異常細胞が拡がっている深さに基づいて、次のように分類されます:


  • VAIN 1:異常細胞が、膣内壁を覆う組織の表面から3分の1までに認められる。

  • VAIN 2:異常細胞が、膣内壁を覆う組織の表面から3分の2までに認められる。

  • VAIN 3:異常細胞が、膣内壁を覆う組織の表面から3分の2を越えて拡がっている。異常細胞が内壁を覆う組織の全層に認められる場合は、上皮内がんと呼ばれます。

VAINはがん化して、膣壁に拡がることがあります。また、VAINは0期と呼ばれることもあります。

膣がんでは、以下のような病期が用いられます:
I期

I期では、がんのみに認められます。

II期

II期では、がん壁を越えて膣の周辺組織まで拡がっています。 骨盤壁には拡がっていません。

III期

III期では、がん骨盤壁に拡がっています。

IV期

IV期は、IVA期とIVB期に分けられます。


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再発膣がん

再発 膣がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、に生じることもあれば、体の他の部位に発生することもあります。

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治療選択肢の概要

膣がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

膣がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の3種類が用いられています:
手術

手術は膣がんに最も多く用いられている治療法です。以下のような手術法が用いられます:


  • レーザー手術レーザー光線(細くて強力な光)をメスのように用いて、出血を起こさずに組織を切ったり、表面にできた病巣腫瘍など)を切除したりする手術法。

  • 広範囲局所切除術:がんと周囲の正常組織の一部を切除する手術法。

  • 膣切除術の全体または一部を切除する手術法。

  • 子宮全摘出術子宮頸部を含めて子宮全体を摘出する手術法。なかでも、膣を介して子宮と子宮頸部を摘出する場合は膣式子宮摘出術と呼ばれます。腹部を大きく切開してそこから子宮と子宮頸部を摘出する場合は、式子宮全摘出術と呼ばれます。さらに、腹部を小さく切開してそこから腹腔鏡を用いて子宮と子宮頸部を摘出する場合は、腹腔鏡下子宮全摘術と呼ばれます。

    子宮摘出術:図は、卵巣、子宮、膣、卵管、子宮頸部などの女性生殖器の解剖図を示す。点線で示された部分は、子宮全摘出術、卵管卵巣摘除術を伴う子宮全摘出術、および広汎性子宮全摘術で切除される臓器と組織を示している。小さな図は、腹部で実施される2つの切開方法の位置を示す:下部横切開は恥骨のすぐ上で行い、縦切開は臍(へそ)と恥骨部分の間を切開する。
    
    


    子宮摘出術。子宮を単独でまたは他の臓器や組織と共に手術により切除します。子宮全摘出術では、子宮と子宮頸部が摘出されます。卵管卵巣摘除術を伴う子宮全摘出術では、(a)子宮と一方(片側)の卵巣および卵管が切除されるか、または(b)子宮と両方(両側)の卵巣および卵管が切除されます。広汎性子宮全摘術では、子宮、子宮頸部、両方の卵巣、両方の卵管、および周辺の組織が摘出されます。これらの手技は、下部横切開または縦切開を使用して実施されます。




  • リンパ節郭清リンパ節を摘出し、組織のサンプルに対して顕微鏡でがんの徴候を検査する外科的手技。この手技はリンパ節切除術とも呼ばれます。膣の上部にがんが存在している場合は、骨盤リンパ節の切除が行われることがあります。膣の下部にがんが存在している場合は、鼠径部のリンパ節の切除が行われることがあります。

  • 骨盤内臓器摘出術:下部結腸直腸膀胱、子宮頸部、膣、卵巣を摘出する手術法。付近のリンパ節も切除します。これと同時に、尿便を体外に取り付けたバッグまで送り出すための開口部(ストーマ)が人工的に造られます。

手術後には、膣を修復または再建するために皮膚移植が行われることもあります。皮膚移植とは、体のある場所から他の部位へと皮膚を移しかえる手術のことです。普段は隠れている部分(お尻や太ももなど)の皮膚が切り取られ、手術が行われた部分の修復または再建に用いられます。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域のがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

膣の扁平上皮がんに対する外用の化学療法は、クリーム剤やローション剤を膣に塗る形式で行われます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

放射線増感剤

放射線増感剤とは、放射線療法に対する腫瘍細胞の反応性を高める薬のことです。放射線療法に放射線増感剤を併用すれば、より多くの腫瘍細胞を死滅させることが可能です。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断や病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

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病期ごとの治療選択肢

膣上皮内腫瘍(VAIN)

膣上皮内腫瘍(VAIN)1の治療では、通常は注意深い経過観察が行われます。

VAIN 2とVAIN 3の治療法には以下のようなものがあります:


I期の膣がん

I期 扁平上皮がんの治療法には以下のようなものがあります:


I期の 腺がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、I期膣がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

II期の膣がん

II期の膣がんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、II期膣がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

III期の膣がん

III期の膣がんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。治療法には以下のようなものがあります:


  • 外照射療法内照射療法が行われる場合もあります。

  • 手術(まれ)と、その後の外照射療法。内照射療法が行われる場合もあります。

NCI支援のがん臨床試験リストから、III期膣がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IVA期の膣がん

IVA期の膣がんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、IVA期膣がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IVB期の膣がん

IVB期の膣がんでは、扁平上皮がん腺がんで共通の治療が行われます。治療法には以下のようなものがあります:


IVB期の膣がん患者さんの余命を延長する効果が証明されている抗がん剤はありませんが、子宮頸がんに使用されるレジメンでの治療が多く行われています。(子宮頸がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。)

NCI支援のがん臨床試験リストから、IVB期膣がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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再発膣がんの治療選択肢

再発 膣がんの治療法には以下のようなものがあります:


再発膣がんの患者さんの余命を延長する効果が証明されている抗がん剤はありませんが、子宮頸がんに使用されるレジメンでの治療が多く行われています。(子宮頸がんの治療に関するPDQの要約をご覧ください。)

NCI支援のがん臨床試験リストから、再発膣がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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膣がんについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している膣がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:


米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:


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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、膣がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Vaginal Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/vaginal/patient/vaginal-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389348]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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