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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

皮膚がんのスクリーニング(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2017-06-21
    翻訳更新日 : 2018-03-27

 このPDQがん情報要約では、皮膚がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

スクリーニングとは

スクリーニングとは、症状が現れてくる前にがんを発見しようとする試みのことです。実際にがんの早発見に役立つ場合もあります。異常 組織やがんも、早期に発見されれば治療が容易になる場合があります。症状が現れる頃には、がんが増殖し拡がり始めていることもあります。

どのような人が特定の種類のがんになりやすいのかということをより深く解明しようと、科学者たちは挑み続けています。さらに、がんの原因となりうる生活習慣や環境についても研究が重ねられています。こうして得られた情報は、がんのスクリーニング対象者の条件やスクリーニング検査の種類、それにその検査を受ける頻度について、医師が患者さんに助言をしていく際に役立てられています。

担当の医師からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんの存在を疑ってそうしているわけではないということを覚えておくことが重要です。スクリーニング検査はがんの症状が現れる前に実施されるものなのです。

スクリーニング検査の結果が異常であれば、がんの存在を確認するために、さらなる検査が必要になる場合もあります。こうした検査は診断検査と呼ばれます。

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皮膚がんについての一般的な情報

皮膚がんは、皮膚の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

皮膚は体のなかで最も大きな臓器です。その機能の1つは、熱や日光、外傷、感染などから体を保護することです。皮膚は体温の調節にも関わっていて、水分や脂肪、ビタミンDなどの保持という役割も果たしています。皮膚はいくつかの層から構成されていますが、大きく分けると表皮(上層または外側の層)と真皮(下層または内側の層)という2つの層があります。皮膚がんはこのうちの表皮から発生するものですが、この表皮は以下の3種類の細胞から構成されています:


  • 扁平上皮細胞:表皮の最も外側の層を構成する薄く扁平な細胞。扁平上皮細胞に発生するがんは、扁平上皮がんと呼ばれます。

  • 基底細胞:扁平上皮細胞の下に存在する円形の細胞。基底細胞に発生するがんは、基底細胞がんと呼ばれます。

  • メラニン形成細胞:表皮の内側の層に存在する、メラニン(皮膚の色の素となる色素)を作っている細胞。皮膚が日光に曝されると、メラニン形成細胞で作られる色素の量が増え、これが日焼けや皮膚の黒ずみの原因となります。メラニン形成細胞に発生するがんは、黒色腫と呼ばれます。



皮膚の解剖図:図は表皮、真皮、皮下組織から成る層を示し、そこには毛幹、毛包、油腺、リンパ管、神経、脂肪組織、静脈、動脈、汗腺が含まれている。



表皮、真皮、皮下組織を示す皮膚の解剖図。



米国では、がんの中で非黒色腫皮膚がんが最も多くみられます。

基底細胞がんと扁平上皮がんは、非黒色腫皮膚がんとも呼ばれ、皮膚がんの中では最も多くみられます。基底細胞がんと扁平上皮がんのほとんどは、治癒が期待できます。

黒色腫は、隣接する組織や体の他の部位に転移する傾向が高く、治癒しにくい可能性があります。黒色腫は、腫瘍が真皮(皮膚の内層)に拡がる前に発見されれば治癒しやすくなります。黒色腫を早期発見して、すぐに治療を行った場合は、死に至る可能性が低くなります。



メラニン形成細胞を含む皮膚の解剖図:図は正常な皮膚の解剖図であり、表皮、真皮、毛包、汗腺、毛幹、静脈、動脈、脂肪組織、神経、リンパ管、油腺、皮下組織が含まれる。抜き出し図には、扁平上皮細胞および基底細胞で構成される表皮と、その下方にある血管を含んだ真皮の拡大図が示されている。細胞の内部にメラニンが示されている。メラニン形成細胞は表皮底部の基底細胞層にある。



表皮、真皮、皮下組織を示す皮膚の解剖図。メラニン形成細胞は表皮底部の基底細胞層にあります。



米国では、非黒色腫皮膚がんの症例数がここ数年増加してきているようです。黒色腫の症例数は、過去30年間にわたって増えてきています。このような増加の一因は、人々の間で皮膚がんの認識が高まったことによるものと考えられます。つまり、皮膚の検査や生検を受けて、皮膚がんと診断される傾向が高くなっています。

ここ20年の間に黒色腫による死亡数は、50歳未満の白人男女ではやや減少しています。この間に、黒色腫による死亡数は、50歳以上の白人男性ではやや増加し、50歳以上の白人女性ではほぼ横ばいです。

米国内で診断される小児の黒色腫の症例数は少ないが、時間が経つにつれて増えてきています。黒色腫による小児の死亡数は、ほぼ横ばいです。

皮膚がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


紫外線に曝されると、皮膚がんのリスクが高まる可能性があります。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクが高いと思う人は、そのことについて担当の医師と話し合ってください。

紫外線に曝されることや、紫外線に敏感な肌であることは、皮膚がんのリスク因子です。紫外線は、太陽からもたらされるエネルギーの一部を占める目に見えない光線の名前です。太陽灯や日焼けマシーンも紫外線を放射します。

非黒色腫皮膚がんと黒色腫で、リスク因子は同じではありません。


    非黒色腫皮膚がんのリスク因子には以下のものがあります:
    • 自然の日光や人工の太陽光(日焼けマシーンの光など)に長時間曝されること。

    • 色白で、以下の特徴を含む場合:
      • しみができたり炎症が起きたりしやすい、日焼けしない、あるいは日焼けしにくいといった白い肌。

      • 青や緑などの淡い色の眼。

      • 赤毛または金髪。


    • 日光角化症があること。

    • 過去に放射線療法を受けたことがあること。

    • 免疫系の機能が弱っていること。

    • ヒ素に曝されていたこと。


    黒色腫皮膚がんのリスク因子には以下のものがあります:
    • 色白で、以下の特徴を含む場合:
      • しみができたり炎症が起きたりしやすい、日焼けしない、あるいは日焼けしにくいといった白い肌。

      • 青や緑などの淡い色の眼。

      • 赤毛または金髪。


    • 自然の日光や人工の太陽光(日焼けマシーンの光など)に長時間曝されること。

    • 特に小児期や10代に日焼けによって多数の水疱を伴った炎症を起こしたことがあること。

    • 大きなほくろが数ヵ所ある、または小さなほくろがたくさんあること。

    • 異常なほくろができる病気(異型母斑 症候群)の家族歴があること。

    • 黒色腫の家族歴または個人歴があること。

    • 白人であること。


色白であることは黒色腫と非黒色腫皮膚がんのリスク因子ですが、どんな皮膚の色の人も皮膚がんになる可能性があります。

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皮膚がんのスクリーニング

様々な種類のがんを発見するために複数の検査法が用いられます。

スクリーニング検査の中には、がんの早期発見に有効で、なおかつそのがんによる死亡の可能性を低減できるということが明らかとなっているために、実施されているものもあります。一方で、一部の人々の間でがんを発見できたことから実施されている検査法もありますが、こうした検査法にがんによる死亡リスクを低下させる効果があるのかどうかについては、臨床試験での証明が得られていません。

最もリスクが少なく最も有益なスクリーニング検査を発見しようと、科学者たちは研究を続けています。また、がんスクリーニングの臨床試験を行う目的には、早期発見(症状が現れる前にがんを発見すること)によってがんによる死亡リスクが低減できるかどうかを明らかにすることも含まれています。がんの種類によっては、早のうちに発見して、治療することで、回復の見込みが高まる場合もあります。

がんのスクリーニング方法を研究するための臨床試験が米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

皮膚診察による皮膚がんのスクリーニングで、皮膚がんによって死亡する可能性が低下することは実証されていません。

皮膚診察では、医師または看護師が皮膚を調べて、色や大きさ、形状、質感などに異常のあるほくろや母斑、色素斑などがないか確かめます。皮膚診察での皮膚がんのスクリーニングが、皮膚がんによる死亡数を減少させることは実証されていません。

また、皮膚がんにかかったことのある人の場合は、医師による皮膚の診察を定期的に受けることが重要です。皮膚を自分で調べていて、心配な異変が見つかったら、医師に報告してください。

皮膚の一部に異常が認められると、通常は生検が行われます。医師が局所 切除という方法で、疑わしい組織をできるだけ多く採取します。その後、採取した組織を病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。皮膚組織の異常増殖では、良性(がんではない)か悪性(がん)かの判定が困難となる場合があるため、採取された生検サンプルを別の病理医に診てもらうのもよいでしょう。

皮膚に発生する黒色腫は、ほとんどが肉眼でも確認できます。通常、黒色腫は皮膚の最上位層(表皮)の下で長い時間をかけて増殖しますが、それより下の皮膚の層(真皮)へは増殖しません。このため、皮膚がんは早期に発見することができます。黒色腫は拡がる前に発見すれば治癒しやすくなります。

この他にもいくつかのスクリーニング検査が臨床試験で研究されています。

スクリーニングの臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトから入手することができます。

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皮膚がんのスクリーニングのリスク

スクリーニング検査にはリスクが伴います。

スクリーニング検査に関する判断は難しくなる場合があります。全てのスクリーニング検査が役に立つわけではなく、ほとんどはリスクを伴います。スクリーニング検査を受けようとする場合は、その前に検査について担当の医師とよく話し合っておくのがよいでしょう。検査に伴うリスクを把握し、さらにがん死亡のリスク低減という効果が実際に証明されているのかを知っておくことが重要です。

皮膚がんのスクリーニング検査には、以下のリスクがあります:
皮膚がんが発見されても、常に健康改善や延命につながるわけではないこと。

進行 皮膚がんは、スクリーニングで見つかっても健康改善や延命につながらない場合があります。

がんの中には、何の症状も引き起こさず命を脅かす心配がないものも存在しますが、スクリーニング検査で見つかれば、そのようながんにも治療が行われることがあります。がんの治療には重篤な副作用が伴う場合もあります。

偽陰性の検査結果が出る可能性があること。

実際にはがんが存在しているにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が正常とみなされる場合があります。偽陰性の検査結果(実際にはがんが存在しているのに、がんではないと判定された検査結果)を受けた人では、たとえ症状が現れていても、診察を受けるのが遅くなる場合があります。

偽陽性の検査結果が出る可能性があること。

実際にはがんが存在していないにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が異常となる場合もあります。偽陽性の検査結果(実際にはがんは存在しないのに、がんであると判定された検査結果)は不安の原因となることがあり、その後にさらに多くの検査(生検など)を実施するのが普通で、そうした検査にもリスクがあります。

生検によって傷跡が残る場合があること。

皮膚の生検を実施する場合、医師は残る傷跡をできる限り小さくしようと試みますが、それでも瘢痕化や感染のリスクは残ります。

ご自身に関する皮膚がんのリスクやスクリーニング検査の必要性については、担当の医師にご相談ください。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、皮膚がんのスクリーニングに関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Screening and Prevention Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Screening and Prevention Editorial Board.PDQ Skin Cancer Screening.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/skin/patient/skin-screening-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389182]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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