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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

中咽頭がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-05-20
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、中咽頭がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

中咽頭がん

中咽頭がんについての一般的な情報

中咽頭がんは、中咽頭の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

中咽頭は、口の奥に位置する咽頭(喉)の中間部です。ここには以下のものが存在しています:


  • 舌の後部3分の1。

  • 軟口蓋

  • 喉の側壁と後壁。

  • 扁桃

    中咽頭の各部:図は、軟口蓋、喉の側壁と後壁、扁桃、舌の後部3分の1を示している。
    
    


    中咽頭の各部。中咽頭には、軟口蓋、喉の側壁と後壁、扁桃、舌の後部3分の1が含まれます。




咽頭は全長約13cm(約5インチ)の中空の管で、鼻の後方から気管のど笛)と食道(咽頭からまで続く管)の開始部まで続きます。空気や食べ物が気管や食道に送られる際には、この咽頭の中を通過していきます。

咽頭の解剖図:図は上咽頭、中咽頭、下咽頭を示す。鼻腔、口腔、食道、気管、喉頭も示している。



咽頭(喉)の解剖図。咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つの部分から成ります。



中咽頭がん頭頸部がんの一種です。ときには、複数のがんが中咽頭にでき、同時に口腔や鼻、喉、喉頭(声帯)、気管、食道のどこかにも生じることがあります。

中咽頭がんの大半は扁平上皮がんです。扁平上皮細胞とは、中咽頭の表面を覆っている薄く扁平な形をした細胞のことです。

喫煙やヒトパピローマウイルスへの感染は、中咽頭がんのリスクを高める可能性があります。

疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

主な中咽頭がんのリスク因子には以下のものがあります:


他の中咽頭がんのリスク因子には以下のものがあります:


  • 果物や野菜の少ない習慣。

  • マテ茶(南米で一般的な興奮作用のある飲み物)の飲用。

  • タバコ入りキンマ(アジアの一部地域でよくみられる興奮作用のある植物)を噛む習慣。

詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


中咽頭がんの徴候や症状には、頸部のしこりやのどの痛みなどがあります。

これらに加え、別の徴候症状が中咽頭がんにより引き起こされることがありますが、その他の病態によって生じることもあります。以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 治まらない咽頭痛。

  • 嚥下障害。

  • 口を大きく開けられない。

  • 舌を動かしにくい。

  • 原因不明の体重減少。

  • 耳の痛み。

  • 口腔の奥、のど、頸部にできるしこり。

  • 声の変化。


中咽頭がんの早期には、徴候や症状がみられないこともあります。

中咽頭がんの発見、診断および病期分類には、口腔内と咽頭を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:頸部のリンパ節の腫れなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。医師または歯科医師は、口腔内と頸部の徹底した診察を行い、さらに長い柄の付いた小さな鏡を用いて咽頭内を観察して、異常な部分がないかを調べます。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • PET-CTスキャン 陽電子放射断層撮影(PETスキャン)とコンピュータ断層撮影(CTスキャン)から得られた画像を組み合わせた検査法。PETスキャンとCTスキャンを同時に同じ機器で実行します。これらのスキャンを併用することで、それぞれを単独で実施するよりも詳細な体内領域の画像が得られます。PET-CTスキャンは、がんなどの疾患の診断、治療計画、治療効果の判定に利用することが可能です。
    • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりします。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

    • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍細胞を検出するための検査法。まず、放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。


  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 生検 :細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。通常は穿刺吸引生検で、細い針を用いて組織のサンプルを採取します。

     細胞や組織のサンプルを採取するために、以下の方法が用いられます:


    • 内視鏡検査 :体内の臓器や組織を観察して異常な部分がないかを調べる検査法。内視鏡皮膚上の切開口か体の開口部(口や鼻など)から挿入します。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。異常な組織やリンパ節のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によって疾患の徴候がないか調べられます。鼻、喉、舌の後部、食道、胃、喉頭、気管、大気道を確認します。各種の内視鏡検査は、調べる部位に応じて名付けられています。例えば、咽頭鏡検査は咽頭を調べる検査です。

    • 喉頭鏡検査 :鏡や喉頭鏡を用いて喉頭の内部を調べる検査法。 喉頭鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。

    • ブラシを用いた口腔検査:医師や歯科医が小型のブラシでがんが疑われる部位の細胞を採取します。それらの細胞を顕微鏡で観察して、疾患の徴候がないか調べます。

     がんが見つかったら、がん細胞に関する以下の検査が行われることがあります:


    • HPV検査 :組織のサンプルを調べて、特定の型のHPVに感染していないかどうかを確認する臨床検査。この検査を行うのは、HPVウイルスが中咽頭がんを引き起こすことがあるからです。


特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期

  • がんに侵されたリンパ節の数と大きさ。

  • 患者さんが中咽頭へのHPV感染を起こしているかどうか。

  • 患者さんに10パックイヤー以上の喫煙歴があるかどうか。

HPV感染に関連する中咽頭腫瘍は、HPV感染に関連しない腫瘍よりも予後が良好で、再発の可能性も低い疾患です。

治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • がんの病期。

  • 患者さんが正常に話したり、ものを飲み込んだりする能力をできるだけ保つこと。

  • 患者さんの健康状態。

中咽頭がんの患者さんでは、頭頸部にできる他のがんのリスクも高くなっています。このリスクは、患者さんが治療後も喫煙や飲酒を続けていると増大します。

詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


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中咽頭がんの病期

中咽頭がんの診断がついた後には、がん細胞の中咽頭内での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がん中咽頭内での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。中咽頭がんでは、診断の際に用いられた検査結果の一部が病期分類の際にも用いられることがしばしばあります。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、中咽頭がんがに転移した場合、肺にできたがん細胞は、実際は中咽頭がんの細胞です。この疾患は転移性中咽頭がんであり、肺がんではありません。

中咽頭がんでは以下のような病期が用いられます:
0期(上皮内がん)

0期では、中咽頭の最も内側の層に異常な 細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。



腫瘍の大きさを日常の身近な物と比べた図:様々な腫瘍の大きさと豆、ピーナッツ、クルミ、ライムとを比較している。



豆、ピーナッツ、クルミ、ライムによって腫瘍の大きさを示しています。



I期

I期では、がんが形成され、その大きさが2cm以下で、中咽頭にのみ認められます。

II期

II期では、がんの大きさが2cmを超えるものの4cmは超えず、中咽頭にのみ認められます。

III期

III期では、がんについて以下の条件が満たされます:


  • 4 cm以内のがんで、腫瘍と同じ側にある頸部リンパ節の1つ(大きさは3cm以下)に転移している。または

  • 大きさが4cmより大きいか、もしくは喉頭蓋(嚥下中の気管を覆うふたとなる組織)に転移している。腫瘍と同じ側の頸部リンパ節の1つ(大きさは3cm以下)にがんが転移している場合がある。

IV期

IV期は、IVA期、IVB期、IVC期に分けられます:


  • IVA期のがんは以下の条件を満たします:
    • 喉頭、口蓋前部、下顎、または舌を動かしたりものを噛んだりするときに使う筋肉に転移している。さらに、腫瘍と同じ側の頸部リンパ節の1つ(大きさは3cm以下)にがんが転移している場合がある。または、

    • 腫瘍と同じ側の頸部リンパ節の1つ(大きさは3cmを超えるが6cmは超えない)に転移が認められるか、もしくは対側を含めた頸部の複数のリンパ節(それぞれの大きさは6cm以下)に転移が認められ、さらに以下のいずれかを満たす:
      • 中咽頭にできた腫瘍の大きさは様々で、喉頭蓋(嚥下中の気管を覆うふたとなる組織)に拡がっている場合がある。または

      • 喉頭、口蓋前部、下顎、または舌を動かしたりものを噛んだりするときに使う筋肉に転移している。



  • IVB期の腫瘍は以下の条件を満たします:
    • 頸動脈を取り囲んでいるか、または顎を開く筋肉、顎を動かす筋肉が付着している骨、上咽頭、または頭蓋底に転移している。がんは1つ以上のリンパ節(大きさは様々)に転移している場合がある。または

    • 腫瘍の大きさは様々で、6cmを超える1つ以上のリンパ節に転移している。


  • IVC期では、腫瘍の大きさは様々で、中咽頭を越えてや骨、肝臓などの部位に転移しています。

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再発中咽頭がん

再発 中咽頭がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、中咽頭に起こることもあれば、他の部位に起こることもあります。

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治療選択肢の概要

中咽頭がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

中咽頭がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

中咽頭がんの治療では、頭頸部がんの治療に精通した医師で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は腫瘍内科医(がんの治療を専門とする医師)が統括します。中咽頭は呼吸、節食、発声といった動作に必要な器官であることから、患者さんがこのがんの副作用やがん治療の副作用に適応していくために、特別な支援が必要となってくる場合があります。腫瘍内科医は、頭頸部がんの治療について特別な訓練を受けた他の医療専門家に患者さんを紹介することもあります。具体的には以下のような専門医や専門家が挙げられます:


標準治療として以下の4種類が用いられています:
手術

中咽頭がんでは、全ての病期を通じて手術(外科的な方法でがんを取り除く治療法)が一般的な治療法です。がんとがん周辺の正常組織が切除されます。たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

中咽頭がんの治療法として、経口腔ロボット手術などの新しい手術法が研究されています。経口腔ロボット手術は、口や喉の到達しにくい部位にできたがんを切除できる可能性があります。ロボットに取り付けられたカメラで三次元(3D)画像を撮影し、外科医はそれを見ることができます。外科医はコンピューターでロボットアームの末端の超小型ツールを操作し、がんを切除します。この手技は内視鏡を用いて行われることもあります。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。

頭頸部の体外照射療法:図は、高エネルギー放射線をがんに照射する装置の下で、台に患者が横たわっているところを示している。拡大図は、施術中に患者の頭頸部が動かないように固定するメッシュマスクを示している。マスクには小さい印が記された複数の白いテープが付いている。この印は、毎回の施術前に放射線装置を同じ位置に合わせるためのものである。



頭頸部の体外照射療法。高エネルギー放射線をがんに照射する装置を使用します。この装置は患者の周囲を回転し、様々な角度から放射線を照射することで、病巣の形状に精細に沿った照射を行います。メッシュマスクを使用して、施術中に患者の頭頸部が動かないように固定します。マスク上に小さい印が付けられています。この印は、毎回の施術前に放射線装置を同じ位置に合わせるためのものです。



放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。中咽頭がんの治療には外照射療法が用いられます。以下のように、いくつかの種類の外照射療法があります:


  • 強度変調放射線療法(IMRT):IMRTは三次元(3D)放射線療法の一種で、コンピュータを使用して腫瘍の大きさと形状を示す映像を作成し、それを利用する方法です。照射幅の小さな放射線ビームが様々な角度から様々な強度で腫瘍に照射されます。この放射線療法では、腫瘍付近の正常組織への損傷を少量に抑えることができます。

  • 定位放射線手術 :1回で高線量の放射線を腫瘍に直接照射する放射線療法の一種。これにより、周辺の健常な組織への損傷が抑えられます。定位放射線手術は、定位手術的照射や放射線手術、ラジオサージェリーなどとも呼ばれます。この手技は手術の一種ではありません。

中咽頭がんでは、1日の放射線量を2回に分けて照射することで、治療に対する腫瘍の反応がよくなります。これは多分割放射線療法と呼ばれる方法です。

放射線療法は、治療の開始前に患者さんが喫煙をやめることができれば、いっそう効果的です。

甲状腺または下垂体に対する放射線療法は、甲状腺機能低下症甲状腺ホルモンの分泌量が低下した病態)のリスクを増大させます。そのため治療の開始前と終了後に甲状腺の機能を検査するべきです。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、もしくは腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。中咽頭がんの治療では全身化学療法が行われます。

詳しい情報については、頭頸部がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。(中咽頭がんは頭頸部がんの一種です。)

標的療法

標的療法とは、特定のがん細胞を攻撃する薬物や物質を用いる治療法です。標的療法は一般に、化学療法や放射線療法に比べ、正常な細胞に及ぼす有害性が小さい療法です。モノクローナル抗体療法は標的療法の一種で、中咽頭がんの治療法として用いられています。

モノクローナル抗体療法は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作り出した抗体を使用するがん治療法です。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、正常な血液および組織内のがん細胞の増殖を促す物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。

セツキシマブはモノクローナル抗体の一種で、がん細胞表面の蛋白に結合し、細胞の増殖と分裂を抑止する働きがあります。

中咽頭がんの治療法として、他のモノクローナル抗体療法が研究されています。

詳しい情報については、頭頸部がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。(中咽頭がんは頭頸部がんの一種です。)

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

治療後も頭頸部の入念な診察を行い、がんの再発を知らせる徴候の有無を調べることが重要です。こうした診察は、最初の1年間は6~12週ごと、2年目は3ヵ月ごと、3年目は3~4ヵ月ごと、それ以降は6ヵ月ごとに行われます。

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病期ごとの治療選択肢

I期およびII期中咽頭がん

I期およびII期中咽頭がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、I期中咽頭がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

III期中咽頭がん

III期中咽頭がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • 手術と、その後の放射線療法。がんの再発リスクが高い患者さんには、放射線療法と同時に化学療法が併用される場合もあります。

  • 化学療法を受けられない患者さんには、放射線療法単独。

  • 放射線療法と標的療法の同時併用。

  • 化学療法と放射線療法の同時併用。

  • 化学療法の実施後に手術か放射線療法を行う臨床試験への参加。

  • 手術とその後に放射線療法と標的療法を行う臨床試験への参加。

  • 経口腔ロボット手術とその後に放射線療法を行い、場合により化学療法も併用する臨床試験への参加。

NCI支援のがん臨床試験リストから、III期中咽頭がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期(非転移)中咽頭がん

体の他の部位に転移していないIV期中咽頭がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • 手術と、その後の放射線療法がんの再発リスクが高い患者さんには、放射線療法と同時に化学療法が併用される場合もあります。

  • 放射線療法と化学療法の同時併用。

  • 放射線療法と標的療法の同時併用。

  • 化学療法と、その後の放射線療法とさらなる化学療法の同時併用。

  • 化学療法を受けられない患者さんには、放射線療法単独。

  • 化学療法の実施後に手術を行う臨床試験への参加。

  • 経口腔ロボット手術の臨床試験への参加。

NCI支援のがん臨床試験リストから、IV期中咽頭がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期(転移)および再発中咽頭がん

体の他の部位に転移したか、再発した(再び現れた)IV期中咽頭がんの治療法には以下のようなものがあります:


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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、中咽頭がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Oropharyngeal Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/head-and-neck/patient/oropharyngeal-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389310]

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免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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