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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

消化管カルチノイドの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-06-30
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、消化管カルチノイドの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

消化管カルチノイド

消化管カルチノイドについての一般的な情報

消化管カルチノイドは、消化管の内壁に形成されるがんの一種です。

消化管は体の消化器系の一部です。食物の消化に関与し、食物から体が使用する栄養素ビタミンミネラル炭水化物、脂肪、蛋白、水分)を吸収して、老廃物を体外に排出する役割を担っています。消化管は以下の臓器などで構成されています:




消化管カルチノイドが形成される身体部位:消化管の図に、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸を含む)、虫垂、結腸、直腸が示されている。



消化管カルチノイドは消化管の内壁に生じ、特に虫垂、小腸、直腸に多くみられます。



消化管カルチノイドは、特定の種類の神経内分泌 細胞神経細胞ホルモン産生細胞に似た細胞)から発生します。これらの細胞は胸部と腹部の全体に散在していますが、ほとんどは消化管内に認められます。神経内分泌細胞は、消化液や食物を胃からに送る際に使われる筋肉を調整するホルモンを生成します。消化管カルチノイドも、ホルモンを生成し体内に放出することがあります。

消化管カルチノイドはまれな腫瘍で、ほとんどの場合、非常にゆっくり増殖します。大半は、小腸、直腸、虫垂で発生します。ときには複数の腫瘍ができる場合もあります。

消化管カルチノイドや他の種類のカルチノイドに関する詳しい情報については、以下のPDQ要約をご覧ください。


消化管カルチノイドのリスクは、これまでの健康状態(病歴)に影響を受けます。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

消化管カルチノイドのリスク因子には以下のものがあります:


一部の消化管カルチノイドは、初期に徴候または症状を一切示しません。

腫瘍の増殖や腫瘍が作るホルモンにより、徴候症状が生じる場合があります。一部の腫瘍、特に胃や虫垂の腫瘍は、徴候や症状を起こさないこともあります。カルチノイドは他の病態に関する検査中や治療中に発見されることがよくあります。

小腸(十二指腸、空腸、回腸)、結腸、直腸に生じるカルチノイドは、増殖したりホルモンを作ったりすることによって徴候や症状を引き起こすことがあります。ただし、他の病態が原因で同様の徴候や症状が生じてくる場合もあります。以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


    十二指腸

     十二指腸(胃とつながっている小腸の最初の部分)内の消化管カルチノイドは、以下の徴候や症状を起こすことがあります:



    空腸と回腸

     空腸(小腸の中間部)や回腸(結腸につながっている小腸の最後の部分)内の消化管カルチノイドは、以下の徴候や症状を起こすことがあります:


    • 痛。

    • 原因不明の体重減少。

    • ひどい疲労感。

    • 膨満感。

    • 下痢

    • 吐き気

    • 嘔吐。


    結腸

     結腸内の消化管カルチノイドは、以下の徴候や症状を起こすことがあります:


    • 腹痛。

    • 原因不明の体重減少。


    直腸

     直腸内の消化管カルチノイドは、以下の徴候や症状を起こすことがあります:


    • 便への血液の混入。

    • 直腸内の痛み。

    • 便秘


腫瘍が肝臓や体の他の部位に拡がると、カルチノイド症候群が起こる場合があります。

消化管カルチノイドで作られたホルモンは通常、血液中の 酵素によって破壊されます。しかし、腫瘍が肝臓に拡がると、肝酵素は腫瘍が作り出した過剰なホルモンを破壊することができないため、これらのホルモンが大量に体内に残留し、カルチノイド症候群を引き起こします。この症候群は腫瘍細胞が血液中に入った場合にも発生します。カルチノイド症候群の徴候や症状には以下のものがあります:


  • 顔面と頸部に発赤または微熱感。

  • 腹痛。

  • 膨満感。

  • 下痢。

  • 喘鳴などの呼吸障害。

  • 速脈。

こういった徴候や症状が消化管カルチノイドや他の病態によって引き起こされます。これらの徴候や症状がある場合は医師の診察を受けてください。

消化管カルチノイドの発見と診断には、画像検査と血液や尿を調べる検査が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴 聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 血液生化学検査 :採取した血液を調べて、体内の臓器や組織から血液中に放出される特定の物質(ホルモンなど)の濃度を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、疾患の徴候である可能性があります。採取した血液サンプルにカルチノイドによって作られるホルモンが含まれているかどうか調べます。この検査はカルチノイド症候群の診断に役立ちます。

  • 腫瘍マーカー検査 :採取した血液や尿、もしくは組織を調べて、体内の臓器や組織、腫瘍細胞で作られる特定の物質(クロモグラニンAなど)の濃度を測定する検査法。クロモグラニンAは腫瘍マーカーです。この物質の血中濃度が高くなっている状態は、神経内分泌腫瘍に関連があります。

  • 24時間尿検査:24時間溜めておいた尿のサンプルの中に含まれる5-HIAAまたはセロトニン(ホルモン)などの特定の物質の量を測定する検査法。ある物質で異常な値(正常値よりも高い値や低い値)が出るということは、その物質を作り出している臓器や組織における疾患の徴候である可能性があります。この検査はカルチノイド症候群の診断に役立ちます。

  • MIBGスキャン :カルチノイドなどの神経内分泌腫瘍を検出するために用いられる検査法。MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)と呼ばれる放射性物質をごく少量だけ静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。カルチノイドは放射性物質を取り込む性質があるため、放射線を測定する装置で検出できます。

  • CTスキャン(CATスキャン):体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法とも呼ばれます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性の腫瘍細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

  • 内視鏡超音波検査(EUS):通常は口または直腸から内視鏡を体内に挿入して行う検査法。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。内視鏡の末端部にはプローブが付いていて、これを用いて高エネルギーの音波(超音波)を体内の組織や胃、小腸、結腸、直腸などの臓器に反響させ、エコーを作り出します。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この検査法は内視鏡下超音波検査とも呼ばれます。

  • 上部内視鏡検査 :体内の臓器や組織を観察して異常な部分がないかを調べる検査法。内視鏡を口から挿入し、食道を経て胃に到達させます。その内視鏡を胃から小腸に到達させることもあります。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によって疾患の徴候がないか調べられます。

  • 結腸鏡検査 :直腸と結腸の内部に、ポリープ、異常な領域、がんなどがないかを調べる検査法。この検査では大腸内視鏡が直腸から結腸内部へと挿入されます。大腸内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。ポリープや組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

  • カプセル 内視鏡検査 :小腸全体の観察に使用される検査法。患者さんは微小なカメラが組み込まれたカプセルを飲み込みます。カプセルは消化管内を移動しながら画像を撮影し、体表面に取り付けられた受信機に送信します。

  • 生検 :細胞や組織を採取する手技のことで、採取されたサンプルは顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。組織サンプルの採取は、内視鏡検査や結腸鏡検査の最中に行われる場合もあります。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • 腫瘍が消化管のどこにできているか。

  • 腫瘍の大きさ。

  • がんが胃や小腸から肝臓やリンパ節のような他の臓器に拡がっているかどうか。

  • 患者さんにカルチノイド症候群またはカルチノイド心疾患がみられるかどうか。

  • がんを手術で完全に取り除くことができるかどうか。

  • がんが新しく診断されたものかあるいは再発したものか。

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消化管カルチノイドの病期

消化管カルチノイドが診断されると、がん細胞が胃や腸の中だけに拡がっているのか、体の他の部位にまで拡がっているのかを明らかにするための検査を行います。

がんの拡がりの程度を調べていくためのプロセスは病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。消化管カルチノイド診断に使用された検査や手技の結果は、病期分類に用いられることもあります。これらの検査法や手技についての説明は、一般的な情報のセクションをご覧ください。骨の内部に活発に分裂している細胞がん細胞など)が存在していないかを調べるために骨スキャンが実施されることがあります。ごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質には骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、消化管カルチノイドが肝臓に転移した場合、肝臓にできた腫瘍細胞は、実際は消化管カルチノイドの細胞です。この疾患は転移性消化管カルチノイドであり、肝がんではありません。

がんの治療計画は、カルチノイドが見つかった場所や手術で摘出可能な腫瘍かどうかによって異なります。

多くのがんの場合、治療計画を立てるためには、がんの病期を把握することが重要です。しかし、消化管カルチノイドの治療はがんの病期に基づきません。治療法は主に、腫瘍が手術で切除できるかどうかと転移の有無に応じて決定されます。

治療は以下の腫瘍の状態に基づいて行われます:


  • 手術で完全に取り除くことができるかどうか。

  • 体の他の部位に拡がっているかどうか。

  • 治療後に再発した腫瘍かどうか。腫瘍はに再発することもあれば、体の他の部位に再発することもあります。

  • 治療により改善しなかった腫瘍かどうか。

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治療選択肢の概要

消化管カルチノイドの患者さんには様々な治療法が存在します。

消化管カルチノイドの患者さんには様々な治療法があります。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の4種類が用いられています:
手術

通常、消化管カルチノイドの治療では、手術が行われます。次の手術法の1つが用いられます:


  • 内視鏡的 切除術:消化管の内壁の内部に存在する小さな腫瘍を切除する手術。内視鏡を口から挿入し、食道を経てや、ときには十二指腸に到達させます。内視鏡とは、観察用のライトとレンズ、腫瘍組織を切除するための用具を備えた細いチューブ状の装置です。

  • 局所 切除:腫瘍と周囲の少量の正常組織を切除する手術。

  • 切除:がんを含む臓器の一部または全てを摘出する手術。近くのリンパ節を切除することもあります。

  • 凍結手術:専用の装置を用いてカルチノイドの組織を凍結させ破壊する治療法。この種の治療は凍結療法とも呼ばれます。器具を治療部位に導くために超音波を用いることがあります。

  • ラジオ波焼灼術:がん細胞を殺す高エネルギーの電波(マイクロ波と似ている)を放出する小さな電極を擁した特殊な探針を使用。その探針を皮膚から挿入するか、あるいは腹部切開して挿入します。

  • 移植:肝臓全体を摘出し、健康なドナーの肝臓で置き換える手術。

  • 肝動脈 塞栓:肝臓に血液を運ぶ主な血管である肝動脈を塞栓(ブロック)する方法。肝臓への血流を止めることによって、そこで増殖するがん細胞を殺すのを助けます。

放射線療法

放射線療法は高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:


放射性医薬品療法は内照射療法の一種です。ヨウ素131などの放射性物質を結合させた薬物を使用して、腫瘍に放射線を照射します。放射性物質が腫瘍細胞を殺傷します。

体の他の部位に転移した消化管カルチノイドの治療には、外照射療法と内照射療法が用いられます。

化学療法

化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液臓器内、もしくは腹腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。

肝動脈の化学塞栓術は肝臓に転移した消化管カルチノイドを治療するのに使われる一種の局所化学療法です。この方法では、カテーテル(細い管)を介して抗がん剤を肝動脈の中に注入します。その薬剤には動脈を詰まらせる物質が混ぜられていて、これによって腫瘍への血液の供給が遮断されます。その結果、抗がん剤の大半が腫瘍の近くにとどまり、体内の他の部位に送られる抗がん剤の量が少なくなります。動脈を遮断するのに使用する物質の種類に応じて、動脈の閉塞は一時的なものにも永久的なものにもできます。腫瘍には、その増殖に必要となる酸素栄養分が供給されないようになります。一方で肝臓への血液供給は、から血液を運んでくる肝門脈によって維持されます。

化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

ホルモン療法

ソマトスタチンアナログを用いるホルモン療法は、過剰なホルモンの分泌を阻止する治療法です。消化管カルチノイドには、オクトレオチドやランレオチドを皮下または筋肉内に注射する治療法がとられます。オクトレオチド(薬剤詳細へ)やランレオチドは腫瘍増殖の阻止にも若干の効果があるようです。

カルチノイド症候群の治療が必要となることもあります。

カルチノイド症候群の治療法には以下のようなものがあります:


  • 過剰なホルモンの分泌を阻止する、ソマトスタチンアナログを用いたホルモン療法。カルチノイド症候群に対しては、紅潮や下痢を軽減するためにオクトレオチド(薬剤詳細へ)やランレオチドによる治療を行います。オクトレオチド(薬剤詳細へ)やランレオチドは腫瘍増殖を遅らせる場合もあります。

  • 体の免疫系を刺激して働きを改善し、紅潮や下痢を軽減するインターフェロン療法。インターフェロン(薬剤詳細へ)には腫瘍増殖を遅らせる作用もあるようです。

  • 下痢を治療する薬剤の投与。

  • 発疹を治療する薬剤の投与。

  • 呼吸を楽にする薬剤の投与。

  • 医学的手技を実施するための麻酔に先立つ薬剤の投与。

その他、カルチノイド症候群の治療に有用な方法として、紅潮や呼吸障害の原因になるアルコールやナッツ、特定のチーズ、トウガラシなどのカプサイシンを含む食物を避けることが挙げられます。ストレスの大きい状況や特定の種類の運動を避けることも、カルチノイド症候群の治療に有用です。

一部のカルチノイド心疾患の患者さんには、心臓弁の置換手術が行われることがあります。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。数種類の標的療法が消化管カルチノイドの治療法として研究されています。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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消化管カルチノイドの治療選択肢

胃にできたカルチノイド

内の消化管(GI)カルチノイドの治療法には以下のようなものがあります:


  • 小さい腫瘍内視鏡 手術切除術)。

  • 胃の一部か全部を切除する手術(切除術)。大きな腫瘍や胃壁の深い部分まで拡がっている腫瘍、または増殖と拡がりが速い腫瘍の場合は、周辺リンパ節も切除することがあります。

胃に消化管カルチノイドが生じたMEN1症候群の患者さんには、以下の治療法が実施されることもあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、限局性消化管カルチノイド局所性消化管カルチノイドの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

小腸にできたカルチノイド

十二指腸とつながっている小腸の最初の部分)内の消化管カルチノイドに対する最良の治療法は明らかになっていません。治療法には以下のようなものがあります:


空腸(小腸の中間部)や回腸結腸につながっている小腸の最後の部分)内の消化管カルチノイドの治療法には以下のようなものがあります:


  • 腫瘍とともに、壁の後部をつないでいるを切除する手術。付近のリンパ節も切除します。

  • 腫瘍が残存している場合や腫瘍が増殖を続けている場合は、腸と腹壁の後部をつないでいる膜を切除する再手術。

  • ホルモン療法

NCI支援のがん臨床試験リストから、限局性消化管カルチノイド局所性消化管カルチノイドの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

虫垂にできたカルチノイド

虫垂内の消化管カルチノイドの治療法には以下のようなものがあります:


  • 虫垂を切除する手術切除術)。

  • 虫垂とともに、右側の結腸を切除する手術(切除術)。付近のリンパ節も切除します。

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結腸にできたカルチノイド

結腸内の消化管カルチノイドの治療法には以下のようなものがあります:


  • できるだけ多くのがんを摘出することを目的として、結腸の一部と付近のリンパ節を切除する手術切除術)。

NCI支援のがん臨床試験リストから、限局性消化管カルチノイド局所性消化管カルチノイドの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

直腸にできたカルチノイド

直腸内の消化管カルチノイドの治療法には以下のようなものがあります:


  • 1cmより小さい腫瘍内視鏡 手術切除術)。

  • 2cmより大きい腫瘍または直腸壁の筋層まで拡がっている腫瘍の手術(切除術)。これには以下のいずれかが考えられます:
    • 直腸の一部を取り除く手術;または

    • 腹部切開して、肛門、直腸、および一部の結腸を切除する手術。


1~2cmの腫瘍に対する最良の治療法は明らかになっていません。治療法には以下のようなものがあります:


  • 内視鏡手術(切除術)。

  • 直腸の一部を取り除く手術(切除術)。

  • 腹部を切開して、肛門、直腸、および一部の結腸を切除する手術(切除術)。

NCI支援のがん臨床試験リストから、限局性消化管カルチノイド局所性消化管カルチノイドの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

転移性消化管カルチノイド

遠隔転移

遠隔転移している消化管カルチノイドの治療法は、通常、症状を緩和し、生活の質を高めるための緩和療法です。治療法には以下のようなものがあります:


肝転移

肝臓に転移したがんの治療法には以下のようなものがあります:


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再発消化管カルチノイド

再発 消化管カルチノイドの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発消化管カルチノイドの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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消化管カルチノイドについてさらに学ぶために

米国国立がん研究所が提供している消化管カルチノイドに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:


米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:


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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、消化管カルチノイドの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Gastrointestinal Carcinoid Tumors Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/gi-carcinoid-tumors/patient/gi-carcinoid-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389212]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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