ページの先頭へ

最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

成人急性骨髄性白血病の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-09-17
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、急性骨髄性白血病の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

成人急性骨髄性白血病

成人急性骨髄性白血病についての一般的な情報

成人急性骨髄性白血病(AML)は、がんの一種で、骨髄において異常な骨髄芽球(白血球の一種)、赤血球、または血小板が作られるようになる疾患です。

成人急性骨髄性白血病(AML)は、血液骨髄がんの一種です。通常この種のがんは、治療が行われなければ急速に悪化します。成人では最もよくみられる種類の急性白血病です。AMLはまた、急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、急性非リンパ性白血病などとも呼ばれます。



骨の解剖図:海面骨、赤色骨髄、黄色骨髄を示す図。骨の断面図は、緻密骨および骨髄中の血管を示す。また、赤血球、白血球、血小板、および血液幹細胞も示している。



骨の解剖図。骨は、緻密骨、海面骨、骨髄で構成されています。緻密骨は、骨の外層を形成しています。海面骨は、ほとんどが骨の末端にみられ、赤色骨髄を含んでいます。骨髄は、ほとんどの骨の中心に存在し、多くの血管が走っています。骨髄には、赤色骨髄と黄色骨髄の2種類があります。赤色骨髄には、白血球、赤血球、血小板になる能力を持つ血液幹細胞が含まれています。黄色骨髄は、大部分が脂肪でできています。



白血病は、赤血球、白血球、血小板に影響を及ぼす可能性があります。

正常な状態の骨髄では、いずれは成熟した血液細胞になる血液幹細胞(未熟な細胞)が作られます。この血液幹細胞はまず骨髄幹細胞リンパ系幹細胞に成長します。リンパ系幹細胞は白血球になります。

骨髄系幹細胞は以下の3種類の成熟血液細胞のいずれかになります:




血液細胞の成長:血液幹細胞が段階を経て赤血球、血小板、または白血球に成長する様子を示す。図には、骨髄系幹細胞が赤血球、血小板、骨髄芽球に成長し、さらに骨髄芽球が白血球に成長する様子が示されている。リンパ幹細胞がリンパ芽球に成長し、これがさらに数種類の白血球のいずれかに成長する様子も示されている。



血液細胞の成長。血液幹細胞はいくつかの段階を経て赤血球、血小板、または白血球になります。



AMLでは通常、骨髄系幹細胞が骨髄芽球と呼ばれる種類の未熟な白血球になります。しかし、AMLの骨髄芽球は異常であるため、正常な白血球には成長できません。AMLではときに、過剰な数の幹細胞が異常な赤血球や血小板になることもあります。このような異常な白血球、赤血球、血小板は、白血病細胞や白血病芽球とも呼ばれます。白血病細胞は骨髄や血液に蓄積することがあり、その場合には正常な白血球や赤血球、血小板のためのスペースが少なくなってしまいます。このような状態に陥ると、感染症や貧血が起きたり、出血が起きやすくなったりします。白血病細胞はさらに、中枢神経系(脳と脊髄)、皮膚、歯ぐきなどの血液以外の部位に拡がっていく可能性もあります。

本要約は、成人AMLについて書かれたものです。他の種類の白血病に関する情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


AMLには様々な亜型が存在します。

ほとんどのAMLの亜型は、診断時におけるがん細胞の成熟の程度と、正常な細胞との違いの程度に基づいて分類されたものです。

急性前骨髄球性白血病(APL)は、2つの遺伝子の一部が結合して生じるAMLの亜型の1つです。通常APLは、中年の成人に発生します。APLの徴候としては、出血と凝血塊(血のかたまり)の形成の両方がみられる場合があります。

成人AMLのリスクに影響を及ぼす要因には、喫煙、過去の化学療法、放射線への曝露があります。

疾患が発生する危険性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。リスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。AMLのリスク因子としては以下のものが考えられます:


成人AMLの徴候や症状には、発熱や疲労感のほか、あざや出血が生じやすくなるなどがあります。

AMLの初期の徴候や症状は、インフルエンザなどの一般的な疾患によるものと類似している場合があります。以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 発熱

  • 息切れ。

  • あざや出血が生じやすい。

  • 点状出血(皮下の出血によって生じる平坦で小さな斑点)。

  • 衰弱または疲労感。

  • 体重減少または食欲不振。

成人急性骨髄性白血病(AML)の発見と診断には、血液と骨髄を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 全血球算定(CBC):血液を採取して以下の項目について調べる検査法:
    • 赤血球、白血球、血小板の数。

    • 赤血球内のヘモグロビン(酸素を運搬する蛋白)の量。

    • 血液サンプル中の赤血球が占める割合。



    全血球算定(CBC):左側の図には、注射器と注射針によって肘の静脈から血液が採取されている様子が示されており;右の図には、試験管中の血液が血漿、白血球、血小板、赤血球のそれぞれの層に分離された様子が示されている。
    
    


    全血球算定(CBC)。静脈内に針を挿入して注射器の中に血液を吸い込むことによって、血液を採取します。採取された血液は検査室に送られ、そこで赤血球と白血球と血小板の数が調べられます。CBCは様々な病態の診断やモニタリングのための検査法として用いられています。




  • 末梢血塗抹検査:血液のサンプルを観察して、芽球細胞の有無、白血球の数と種類、血小板の数、血液細胞の形状の変化などを調べる検査法。

  • 骨髄穿刺および骨髄生検 :腰骨または胸骨に中空の針を挿入して骨髄、血液、骨の小片などを採取する手技。採取された骨髄、血液、骨は病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。

    骨髄穿刺と骨髄生検:図は、台の上にうつ伏せになった患者さんの腰骨に骨髄穿刺針が挿入されている様子を示す。拡大図は、皮膚の上から腰骨の骨髄に挿入した骨髄穿刺針を示している。
    
    


    骨髄穿刺と骨髄生検。皮膚の小さな領域に麻酔を施してから、患者さんの腰骨に骨髄穿刺針を挿入します。そして顕微鏡での検査用に血液、骨、骨髄などのサンプルを採取します。




  • 細胞遺伝学的分析 :血液または骨髄のサンプル中の細胞を顕微鏡で観察して、染色体に特定の変化がないかを調べる臨床検査。染色体に特定の変化がないかを調べるために、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などの別の検査が実施されることもあります。

  • 免疫表現型検査 :細胞表面上の抗原マーカーの種類に基づいて細胞の種類を特定する検査法。この検査法は、がん細胞と正常な免疫系細胞を比較することによってAMLの亜型を診断するのに用いられます。例えば、組織サンプル中に特定の変化がないかを調べるために、化学物質(色素)を用いた細胞化学検査により、組織サンプル中の細胞を調べることがあります。化学物質を添加すると、ある種類の白血病細胞の色は変化しますが、別の種類の白血病細胞の色は変化しません。

  • 逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(RT–PCR)検査:特殊な化学物質を用いて、組織サンプル中の細胞内に含まれる遺伝子の構造や機能について特定の変化がないかを調べる臨床検査。この検査は、急性前骨髄球性白血病(APL)を含む特定の種類のAMLの診断に用いられます。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • 患者さんの年齢。

  • AMLの亜型。

  • 他のがんに対する化学療法による治療歴の有無。

  • 骨髄異形成症候群などの血液疾患の病歴の有無。

  • 中枢神経系へのがんの拡がりの有無。

  • すでに治療されたがんかどうか、すなわち、再発したがんかどうか。

急性白血病の治療は直ちに行うことが重要です。

 | 

成人急性骨髄性白血病の病期

成人急性骨髄性白血病(AML)の診断がついた後には、他の部位へのがんの拡がりの有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がんの拡がりの程度は通常は病期で表現されます。しかし、成人急性骨髄性白血病(AML)の場合は、病期ではなく、AMLの亜型血液および骨髄以外の部位への白血病の拡がりの有無が、治療計画を立てる上で用いられます。白血病の拡がりの有無を調べるには以下の検査法や手技が用いられます:


  • 腰椎穿刺 脊柱内から脳脊髄液(CSF)のサンプルを採取する際に用いられる手技。脊椎内の2本の骨の間から脊柱内に針を刺し、脊髄周囲を流れるCSFに到達させ、CSFを採取します。CSFのサンプルを採取して、白血病細胞が脳や脊髄に転移している徴候がないか顕微鏡で確認します。この手技はLPまたは脊椎穿刺とも呼ばれます。

    腰椎穿刺:台の上で背中を曲げた姿勢で横たわっている患者さんと、腰の部分に脊椎穿刺針(長くて細い針)が挿入されている様子を示す。右側の拡大図には、脊柱下部の脳脊髄液(CSF)の中に脊椎穿刺針が挿入されている様子が示されている。
    
    


    腰椎穿刺。まず患者さんに背中を曲げた姿勢で台の上に横たわってもらいます。腰の小さな領域に麻酔を施してから、腰椎穿刺針(長くて細い針)を脊柱の下部に挿入して、脳脊髄液(CSF、青色で示されている)を採取します。採取された液体は、検査のために検査室に送られることもあります。




  • CTスキャン(CATスキャン)腹部を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像は、X線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

成人急性骨髄性白血病(AML)には、標準的な病期分類システムがありません。

この疾患は未治療、寛解期、再発期のいずれかに分類されます。

未治療のAML

未治療の成人AMLとは、新たに診断されたAMLのことです。発熱、出血、痛みなどの徴候や症状の緩和を目的とした治療以外はまだ一切行われていない状態で、さらに以下の項目に当てはまる場合です:


  • 全血球算定の結果が異常である。

  • 骨髄中の細胞の20%以上が芽球(白血病細胞)である。

  • 白血病の徴候や症状が認められる。

寛解期のAML

寛解期の成人AMLとは、すでに治療が行われていて、さらに以下の項目に当てはまるものです:


  • 全血球算定の結果が正常である。

  • 骨髄中の細胞の5%未満が芽球(白血病細胞)である。

  • 脳や脊髄のほか、体のどの部位にも、白血病の徴候や症状が認められない。

再発成人AML

再発 AMLとは、治療の完了後に再発した(再び現れた)がんのことです。AMLの再発は、血液または骨髄に起こる可能性があります。

 | 

治療選択肢の概要

成人急性骨髄性白血病の患者さんには様々な治療法が存在します。

成人急性骨髄性白血病(AML)の患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

通常、AMLの治療には2つの段階があります。

成人AMLの治療は以下の段階に分けられます:


  • 寛解導入療法:治療の第1段階。その目的は、血液中および骨髄中の白血病 細胞を死滅させることにあります。これにより白血病は寛解状態に入ります。

  • 寛解後療法:治療の第2段階。白血病が寛解期に入ると、この治療が開始されます。寛解後療法の目的は、その時点では沈静化していても再び増殖を開始(再燃)する可能性のある残存した白血病細胞を死滅させることにあります。この段階は寛解維持療法とも呼ばれます。

標準治療として以下の4種類が用いられています:
化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内(髄腔内化学療法)や臓器内、もしくは腹腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬がその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。脳や脊髄への拡がりが確認または推測される成人AMLに対する治療には、髄腔内化学療法が用いられることがあります。併用化学療法は複数の抗がん剤を使用する治療法です。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの亜型と中枢神経系(脳と脊髄)への拡がりの有無に応じて異なります。

髄腔内化学療法:脳および脊髄内部の脳脊髄液(CSF)とオンマイヤーレザバー(手術によって頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内へと薬剤を流し込むことができる)を示す。図の上の方には、注射器と針を用いてオンマイヤーレザバーに抗がん剤を注入している様子が示されている。図の下の方には、注射器と針を用いて脊柱の下部から脳脊髄液中に直接抗がん剤を注入している様子が示されている。



髄腔内化学療法。脳脊髄液(CSF、青色で示されている)で満たされた空洞である脊髄腔の中に抗がん剤が注入されます。2種類の方法があります。1つめはこの図の上の方に示されているもので、オンマイヤーレザバー(手術によって頭皮の下に設置されるドーム状の容器で、細い管を通して脳内へと薬剤を投与することができる)に薬剤を注入するという方法です。もう1つは図の下の方に示されているもので、腰の小さな領域に麻酔を施してから、脊柱の下部より直接CSF内に薬剤を注入するという方法です。



詳しい情報については、急性骨髄性白血病に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

幹細胞移植

幹細胞移植は、化学療法を実現する手段で、異常な細胞を殺傷し、このようながん治療によって破壊された造血細胞を外部から補充します。まず患者さん自身またはドナーから採取した血液や骨髄から幹細胞(成熟前の血液細胞)を取り出して、それを凍結保存しておきます。そして化学療法の終了後に、保存していた幹細胞を解凍して、これを点滴によって患者さんの体内に戻します。こうして再注入された幹細胞が血液細胞に成長することにより、血液の機能が回復していきます。



幹細胞移植;(図1):図は患者またはドナーから幹細胞を採取しているところである。腕の静脈から採血し、幹細胞を採取する装置を通過させる。残りの血液は反対の腕の静脈に戻す。(図2):図は医療提供者が患者に対し造血細胞を殺傷する治療を施しているところである。胸部のカテーテルから化学療法薬が投与されている。(図3):図は患者の胸部に挿入されたカテーテルから幹細胞を注入しているところである。



幹細胞移植。(ステップ1):ドナーの腕の静脈から血液を採取します。患者さん自身がドナーになる場合も、他人がその役割を果たす場合もあります。血液は幹細胞を採取する装置内を流れます。その後、血液は反対側の腕の静脈からドナーの体内に戻されます。(ステップ2):患者さんは造血細胞を殺傷する化学療法を受けています。放射線療法が実施される場合もあります(図には示されていません)。(ステップ3):患者さんは胸部の血管に留置されたカテーテルから幹細胞の注入を受けています。



その他の薬物療法

三酸化ヒ素全トランス型レチノイン酸(ATRA)は、抗がん剤の一種で、白血病細胞を死滅させたり、白血病細胞の分裂を妨害したり、白血病細胞の白血球への成熟を促進したりする作用をもっています。これらの薬物は、急性前骨髄球性白血病と呼ばれるAMLの亜型に対する治療に使用されます。

詳しい情報については、急性骨髄性白血病に対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

標的療法

標的療法とは、正常な細胞には害を及ぼすことなく特定のがん細胞だけを認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。モノクローナル抗体療法とは、成人AML治療の分野で研究されている標的療法の一種です。

モノクローナル抗体療法は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作り出した抗体を使用する治療法です。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、がん細胞の増殖を促進する物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

 | 

成人急性骨髄性白血病の治療選択肢

未治療の成人急性骨髄性白血病

寛解導入期の未治療の成人急性骨髄性白血病(AML)に対する標準治療は、AMLの亜型によって異なり、具体的には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、未治療の成人急性骨髄性白血病の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

寛解期の成人急性骨髄性白血病

寛解期の成人AMLに対する治療は、AMLの亜型によって異なり、具体的には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、寛解期の成人急性骨髄性白血病の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

再発成人急性骨髄性白血病

再発成人AMLには標準治療は存在しません。治療法はAMLの亜型によって異なり、具体的には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発成人急性骨髄性白血病の患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

 | 

本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、急性骨髄性白血病の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Adult Acute Myeloid Leukemia Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/adult-aml-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389377]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

 |