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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児上衣腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-08-27
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Pediatric Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、小児上衣腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

小児上衣腫 小児脳腫瘍

小児上衣腫についての一般的な情報

小児上衣腫は、脳や脊髄の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

脳は、記憶や学習、感情、感覚(聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚)といったバイタル機能を制御している器官です。脊髄とは、全身の大部分の神経と脳とをつないでいる神経 線維の束のことです。

上衣腫は、脳室と脳内の通路および脊髄を覆う上衣細胞に発生します。上衣細胞は、脳脊髄液(CSF)を産生します。

本要約では、原発性脳腫瘍(最初から脳に発生した腫瘍)の治療法について書かれたものです。転移性脳腫瘍(体の他の部位に発生し、脳に転移した腫瘍)の治療法については、本要約では扱われていません。

脳腫瘍には様々な種類のものがあります。脳腫瘍は小児にも成人にも発生する可能性があります。しかし、小児に対する治療法は、成人に対する治療法と異なります。詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


上衣腫には様々な種類があります。

世界保健機関(WHO)は、上衣腫瘍の主なサブタイプとして、以下の4つに分類しています:


  • 上衣下腫(WHO分類の悪性度I)。

  • 粘液乳頭状上衣腫(WHO分類の悪性度I)。

  • 上衣腫(WHO分類の悪性度II)。

  • 退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III)。

腫瘍の悪性度は、がん細胞顕微鏡で観察したときの異常の程度と、腫瘍が増殖し拡がる速さの程度を表します。低悪性度(悪性度I)のがん細胞は、高悪性度(悪性度IIまたはIII)のがん細胞よりも、正常な細胞に外観がよく似ています。さらに、悪性度IIまたはIIIのがん細胞に比べて、ゆっくりと増殖し拡がります。

脳のどの部分が影響を受けるかは、上衣腫が発生した場所により異なります。

上衣腫は、液体で満たされた脳室と脳内の通路および脊髄のいずれにも発生する可能性があります。ほとんどの上衣腫は、第4脳室に発生し、小脳脳幹に影響を与えます。

脳内部の図で、側脳室、第3脳室、第4脳室、および脳室間の通路(青色の部分は脳脊髄液)を示す。大脳、小脳、脊髄、脳幹(脳橋と髄質)など、脳の他の部分を示しています。



脳内部の解剖図で、側脳室、第3脳室、第4脳室、および脳室間の通路(青色の部分は脳脊髄液)を示しています。大脳、小脳、脊髄、脳幹(脳橋と髄質)など、脳の他の部分を示しています。



上衣腫が発生した場合に影響を受ける可能性のある脳の領域には、以下のものがあります:


  • 大脳:頭の最上部にある、脳の中で最も大きな部分。大脳は、思考、学習、問題解決、会話、感情、読み書き、随意運動などを制御しています。

  • 小脳:(後頭部中央付近にある)脳の後方下部を占める部分。小脳は、運動、平衡感覚、姿勢を制御します。

  • 脳幹:(首の後方の真上にある)脳の最下部の、脳と脊髄がつながる部分。脳幹は、呼吸や心拍数を制御するとともに、見る、聞く、歩く、話す、食べるといった動作に用いられる神経と筋肉の制御を行います。

  • 脊髄:脳幹から下向きに背中の中央を通る柱状の神経組織。脊髄は3層の「」と呼ばれる薄い組織で覆われています。脊髄と膜は、脊柱(背骨)に囲まれています。脊髄の神経は、筋肉を動作させる脳からのメッセージや皮膚からの触覚を脳に伝えるメッセージなど、脳と体の他の部位との間でメッセージを伝達します。

小児の脳腫瘍はそのほとんどが原因不明です。
小児上衣腫の徴候と症状は、お子さんごとに異なります。

徴候症状は、以下の因子に左右されます:


  • 小児の年齢。

  • 腫瘍の位置。

徴候や症状は小児上衣腫により引き起こされることもあれば、他の病態によって引き起こされることもあります。お子さんに以下の症状が1つでも認められた場合は、医師の診察を受けてください:


  • 頻繁な頭痛。

  • 痙攣発作

  • 吐き気や嘔吐

  • 頸部の痛みまたはこわばり。

  • 平衡感覚の喪失や歩行困難。

  • 脚の筋力低下。

  • 目のかすみ。

  • 背部痛。

  • 腸機能の変化。

  • 尿困難。

  • 錯乱またはいらだち。

小児上衣腫の発見には、脳と脊髄を調べる検査法が用いられます。

以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴 聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • 神経学的検査 :脳と脊髄および神経の機能を調べる目的で行われる一連の質問と検査のこと。こうした検査では、精神状態、協調運動、正常歩行能力をチェックし、筋肉や感覚、反射などがどの程度うまく機能しているかを確かめることができます。この検査は神経検査や神経学的診察と呼ばれることもあります。

  • ガドリニウムを用いたMRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、脳や脊髄の内部の精細な連続画像を作成する検査法。まずガドリニウムと呼ばれる物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。ガドリニウムにはがん細胞の周辺に集まる性質があるため、撮影された画像ではがん細胞が明るく映し出されます。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • 腰椎穿刺 脊柱内から脳脊髄液(CSF)を採取する際に用いられる手技。これは脊椎内の2本の骨の間から脊柱内の脊髄を取り囲むCSF内に針を刺して、髄液のサンプルを採取します。このCSFのサンプルを用いて、腫瘍細胞の徴候がないか顕微鏡で確認します。そのサンプルに含まれる蛋白の量を調べることもあります。正常量以上の蛋白や正常量以下の糖は腫瘍の徴候かもしれません。この手技はLPまたは脊椎穿刺とも呼ばれます。

    腰椎穿刺:台の上で背中を曲げた姿勢で横たわっている患者さんと、腰の部分に脊椎穿刺針(長くて細い針)が挿入されている様子を示す。右側の拡大図には、脊柱下部の脳脊髄液(CSF)の中に脊椎穿刺針が挿入されている様子が示されている。
    
    


    腰椎穿刺。まず患者さんに背中を曲げた姿勢で台の上に横たわってもらいます。腰の小さな領域に麻酔を施してから、腰椎穿刺針(長くて細い針)を脊柱の下部に挿入して、脳脊髄液(CSF、青色で示されている)を採取します。採取された液体は、検査のために検査室に送られることもあります。




小児上衣腫は、手術の際に診断され、そのまま摘出されます。

診断検査で脳腫瘍が疑われる場合には、頭蓋骨に開けた穴から針を挿入して脳組織のサンプルを採取するという方法で、生検が行われます。切除された組織は、病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。ここでがん細胞が発見された場合には、そのまま手術が継続され、安全を確保できる範囲内でできるだけ多くの腫瘍が摘出されます。



開頭術の図:頭皮の一部を切り取り、頭蓋骨片を切除し、脳を覆う硬膜を切開して脳を露出させている。頭皮の下の筋層も示されている。



開頭術:頭蓋骨に開口部を設け、頭蓋骨片を切除して脳の一部を露出させる手技。



摘出した組織に対して、以下の検査が行われることがあります:


  • 免疫組織化学検査 抗体を利用して、組織のサンプルに含まれる特定の抗原を調べる臨床検査。この抗体には通常、放射性物質または色素が結合されており、その作用によって顕微鏡で観察したときに組織が明るく見えます。この種の検査法は、脳幹グリオーマやその他の脳腫瘍を判別するのに用いられることがあります。

腫瘍を摘出した後に腫瘍が残存していないか調べるために、MRIがしばしば使用されます。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


  • 中枢神経系(CNS)のどこで腫瘍が発生したか。

  • 遺伝子染色体に特定の変化がみられるかどうか。

  • 手術で腫瘍を切除した後にがん細胞が残存していないかどうか。

  • 上衣腫の種類。

  • 腫瘍が診断された時点での患者さんの年齢。

  • がんが脳や脊髄の他の部位へ拡がっていないかどうか。

  • 新たに診断された腫瘍か、再発した(再び現れた)腫瘍か。

予後は、実施した放射線療法の種類と線量に応じて異なります。

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小児上衣腫の病期

がんの治療計画を立てるために、病期分類システムの代わりに腫瘍の発生場所と患者さんの年齢が用いられます。

病期分類とは、どれほど大きながんなのか、またはがんが転移しているかどうかを調べるために行うプロセスのことです。小児上衣腫には標準的な病期分類システムは存在しません。治療は、がんの部位とお子さんの年齢に基づいて行われます。

小児上衣腫の発見に用いられる検査法や手技から得られた情報は、その治療法を決定する際にも用いられます。

小児上衣腫の発見に用いられた一部の検査が、手術によって腫瘍を摘出した後に再び使用されることがあります。(一般的な情報のセクションをご覧ください。)この検査によって手術後どれくらい腫瘍が残っているか明らかになります。

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再発小児上衣腫

再発小児上衣腫とは、治療後に再発した(再び現れた)腫瘍のことをいいます。小児上衣腫は再発を起こすことが多く、通常はがんの最初の発生部位に再発します。この腫瘍では最初の治療から15年以上も経過した後に再発が起こる場合もあります。

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治療選択肢の概要

上衣腫の患者さんには様々な治療法が存在します。

上衣腫の患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。

小児がんはまれな疾患ですので、臨床試験への参加を検討すべきです。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

小児上衣腫の治療では、小児脳腫瘍の治療に精通した医療提供者で構成されるチームによって治療計画が作成されるべきです。

この疾患の治療は小児腫瘍医(小児がんの治療を専門とする医師)が統括します。小児腫瘍医は、小児脳腫瘍患者の治療に精通した小児科医や特定の医療分野の専門家など、他の小児 医療提供者と協力します。具体的には以下のような専門医や専門家が挙げられます:


小児脳腫瘍および脊髄腫瘍では、徴候や症状ががんの診断前に現れて、数ヵ月または数年間も続くことがあります。

小児脳腫瘍および脊髄 腫瘍による徴候症状は、数ヵ月または数年間も続くことがあります。腫瘍により引き起こされる徴候や症状は、診断の前にみられることもあります。治療中または治療直後には、治療に起因する徴候や症状が現れることもあります。

がんの治療のなかには、治療が終わってから何ヵ月または何年もたって副作用が現れるものがあります。

こうした副作用は晩期障害と呼ばれます。がん治療の晩期障害には以下のようなものがあります:


  • 身体的問題。

  • 気分、感情、思考、学習、記憶における変化。

  • 二次がん(新しい種類のがん)。

晩期障害には治療や制御することが可能なものもあります。がんの治療によってお子さんに生じうる影響について担当医とよく相談することが重要です。(詳しい情報については、PDQ小児がん治療の晩期障害に関する要約をご覧ください)。

標準治療として、以下の4種類が用いられています:
手術

診断検査の結果から脳腫瘍が疑われる場合には、頭蓋骨に開けた穴から針を挿入して脳組織のサンプルを採取するという方法で、生検が行われます。切除された組織は、病理医顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。ここでがん細胞が発見された場合には、そのまま手術が継続され、安全を確保できる範囲内で、できるだけ多くの腫瘍が摘出されます。

開頭術の図:頭皮の一部を切り取り、頭蓋骨片を切除し、脳を覆う硬膜を切開して脳を露出させている。頭皮の下の筋層も示されている。



開頭術:頭蓋骨に開口部を設け、頭蓋骨片を切除して脳の一部を露出させる手技。



腫瘍を摘出した後に腫瘍が残存していないか調べるために、MRIがしばしば実施されます。腫瘍が残存している場合は、残存している腫瘍をできるだけ多く切除する再手術が行われることがあります。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。小児上衣腫は、分割放射線療法で治療されることがあります。この放射線療法では、全照射線量が数回分に均等に分割され、数日に分けて照射されます。

外照射療法は、以下のような様々な方法で行われることがあります:


  • 三次元原体照射療法では、コンピュータを用いて腫瘍の3D画像を作成します。腫瘍の形状に合わせた放射線照射が行われます。

  • 陽子線治療:高エネルギーの外照射療法の一種で、陽子(正の電荷を帯びた小さな粒子)の流れを利用して腫瘍細胞の死滅を図る方法。

  • 定位放射線治療は、頭部が動かないように頭蓋骨にフレームを固定する放射線療法の一種です。高線量の放射線が脳腫瘍に1回直接照射されます。これにより周辺の健康な組織への損傷が抑えられます。定位放射線手術は、定位手術的照射や放射線手術、ラジオサージェリーなどとも呼ばれます。この治療法は、実際に手術を行うものではありません。

3歳未満のお子さんが脳に対して放射線療法を受けた場合、成長と発達に問題を生じるリスクが年長のお子さんより高くなります。三次元原体照射療法と陽子線治療では、3歳未満のお子さんを対象に成長と発達に対する放射線による影響を抑えることができるかどうかを調べる研究が行われています。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、もしくは腔などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、薬はその領域にあるがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類に応じて異なります。

経過観察

経過観察とは、徴候や症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く監視していくことです。症状がみられず、他の疾患の治療中に腫瘍が発見された上衣下腫のお子さんの治療に、経過観察が使用される場合があります。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、お子さんの状態の変化やがんの再発の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

小児上衣腫に対するフォローアップ検査には、治療後1~2年間にわたり3ヵ月ごとに実施する脳と脊髄のMRI(磁気共鳴画像法)があります。2年後、さらに3年間にわたって6ヵ月ごとにMRIを実施することもあります。

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小児上衣腫の治療選択肢

新たに診断された小児上衣腫

新たに上衣腫診断されたお子さんでは、これまで腫瘍に対する治療法はありませんでした。上衣腫のお子さんは、腫瘍が原因で生じる徴候症状を緩和する治療を受ける場合もありました。

上衣下腫

新たに診断された上衣腫(WHO分類の悪性度I)の治療法には以下のようなものがあります:


粘液乳頭状上衣腫

新たに診断された粘液乳頭状上衣腫WHO分類の悪性度I)の治療法には以下のようなものがあります:


小児上衣腫または退形成性上衣腫

新たに診断された小児上衣腫WHO分類の悪性度II)または退形成性上衣腫(WHO分類の悪性度III)の治療法には以下のようなものがあります:


手術後における治療計画は、以下の因子により左右されます:


  • 手術後のがん 細胞の残存の有無。

  • 脳や脊髄の他の部位への拡がりの有無。

  • 患者さんの年齢。

腫瘍が完全に切除され、がん細胞が転移していない場合の治療法には以下のようなものがあります:


  • 放射線療法

  • 放射線療法後に化学療法を行う臨床試験への参加。

  • 腫瘍が完全に切除された患者さん、または化学療法後にがんの徴候がみられない患者さんを対象とした経過観察の臨床試験への参加。

手術後に腫瘍の一部が残存しているものの、がん細胞が転移していない場合の治療法には以下のようなものがあります:


  • 残存している腫瘍をできるだけ多く切除する再手術。

  • 放射線療法。

  • 化学療法とその後の放射線療法。

  • 放射線療法の前後に化学療法を行う臨床試験への参加。

脳や脊髄内にがん細胞が拡がっている場合の治療法には以下のようなものがあります:


  • 脳と脊髄に対する放射線療法。

3歳未満のお子さんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、新たに診断された小児上衣腫の患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイト から臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

再発小児上衣腫

再発小児上衣腫の治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発小児上衣腫の患者さんを現在受け入れている米国内の臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。お子さんに適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、小児上衣腫の治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

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PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board. PDQ Childhood Ependymoma Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/brain/patient/child-ependymoma-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389185]

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