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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

非小細胞肺がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-07-08
    翻訳更新日 : 2017-02-17

PDQ Adult Treatment Editorial Board

 このPDQがん情報要約では、非小細胞肺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

非小細胞肺がん

非小細胞肺がんについての一般的な情報

非小細胞肺がんは、肺の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。

は、胸部に位置する円錐形をした左右一対の呼吸器官です。肺の果たしている役割の1つは、息を吸い込むときに酸素を体内に取り込むことです。また、息を吐き出すときに二酸化炭素(全身の細胞から出てくる老廃物)を体外に放出するという役割も果たしています。左右の肺はそれぞれいくつかの部分に分かれていて、それらのことを肺と呼びます。左側の肺は2つの肺葉で構成されています。右側の肺は左側の肺よりも若干大きく、3つの肺葉で構成されています。また、肺には気管支と呼ばれる管が1本ずつ入り込んでいますが、これらは気管から伸びています。肺がんはときにこの気管支も侵します。肺の内部は、肺胞と呼ばれる空気の入った微小な袋と、細気管支と呼ばれる小さな管から構成されています。

呼吸器系の解剖図:右肺の上葉、中葉、下葉;左肺の上葉と下葉;気管、気管支、リンパ節、横隔膜を示す。拡大図には細気管支、肺胞、動脈、静脈が示されている。



呼吸器系の解剖図:気管、左右の肺とそれぞれの肺葉、気道を示します。リンパ節と横隔膜も示されています。肺に吸い込まれた酸素は、肺胞の薄い膜を通過して血液中に取り込まれます(拡大図を参照)。



左右の肺の外側と胸の内壁は胸膜と呼ばれる薄いで覆われています。この胸膜は胸膜腔と呼ばれる袋を形成しています。この胸膜腔の中には正常時でも少量の液体が存在していて、この液体のおかげで、呼吸に伴った胸腔内での肺の動きが円滑に保たれています。

肺がんには、大きく分けて非小細胞肺がん小細胞肺がんの2種類があります。

肺がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:


非小細胞肺がんにはいくつかの種類があります。

それぞれの種類の非小細胞肺がんには、種類の異なるがん細胞が認められます。その種類ごとに、がん細胞の増殖の仕方や拡がり方が異なります。それぞれの種類の非小細胞肺がんには、そのがんの中に認められる細胞の種類とそれを顕微鏡で観察したときの外観に応じて、以下のような名前が付けられています:


  • 扁平上皮がん扁平上皮細胞(魚の鱗のような外観をした薄くて扁平な細胞)から発生するがん。類表皮がんとも呼ばれます。

  • 大細胞がん:数種類の大きな細胞から発生するがん。

  • 腺がん:肺胞の内側を覆う組織から発生し粘液などを分泌するがん。

あまり多くはみられないものの、多形性がんやカルチノイド唾液腺がん、分類不能がん腫などの腫瘍も非小細胞肺がんに含まれます。

喫煙は非小細胞肺がんの主要なリスク因子です。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。肺がんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。

肺がんのリスク因子には以下のものがあります:


高齢であることは、ほとんどのがんで主要なリスク因子です。歳をとればとるほど、がんになる確率は高まります。

喫煙だけでなくそれ以外のリスク因子が同時に存在する場合は、肺がんのリスクはさらに高くなります。

非小細胞肺がんの徴候には、息切れや治らない咳などがあります。

肺がんでは、何の徴候症状も現れないことがあります。別の状態に対して実施された胸部X線検査で発見されることもあります。徴候や症状が現れたとしても、肺がんが原因の場合もあれば、別の病態が原因である可能性もあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:


  • 胸部の不快感または痛み。

  • 長時間にわたって治まらない、または悪化する咳。

  • 呼吸障害。

  • 喘鳴(ぜんめい)。

  • (咳によって肺から排出される粘液に血が混じること)。

  • 嗄声(させい:声のしわがれ)。

  • 食欲の減退。

  • 原因不明の体重減少。

  • ひどい疲労感。

  • 嚥下障害。

  • 顔面の腫れや頸部の静脈の腫れ。

非小細胞肺がんの発見、診断、病期分類には、肺を調べる検査法が用いられます。

非小細胞肺がんでは、発見と診断病期分類について、そのための検査や手技を一度に実施することが多くなっています。以下のような検査法や手技が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣(特に喫煙)や過去の職歴、病歴、治療歴も調べます。

  • 臨床検査 組織血液尿その他身体から得られる検査材料を調べる内科的な検査法。こうした検査は疾患の診断、治療計画、治療効果の確認、長期的な病状のモニタリングなどに有用です。

  • 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。

    胸部X線検査:図は患者さんがX線装置に背中を向けて立っている様子を示す。この検査では、X線を利用して胸部の臓器と骨の画像を撮影します。X線は患者さんの体内を通過してからフィルム上に到達します。
    
    


    胸部X線検査。この検査では、X線を利用して胸部の臓器と骨の画像を撮影します。X線は患者さんの体内を通過してからフィルム上に到達します。




  • CTスキャン(CATスキャン):胸部などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • 喀痰細胞診 :痰(咳によって肺から排出される粘液)のサンプルを病理医が顕微鏡で観察することによって、がん細胞の有無を調べる検査法。

  • 穿刺吸引生検(FNA生検):細い針を用いて肺から組織や体液を採取する手技。肺の中で異常組織や体液が存在する場所を特定するには、CTスキャンや超音波診断法などの各種の画像検査法が用いられます。まず皮膚を小さく切開し、そこから生検用の針を腹部の異常な組織や体液の中に挿入します。続いてその針を用いてサンプルを採取し、それを検査室へと送ります。そして採取されたサンプルを病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。なおこの手技の実施後には、肺から胸腔内に空気が漏れ出していないことを確認するために、胸部のX線撮影が行われます。

    肺の穿刺吸引生検:図には、CT(コンピュータ断層撮影)装置の中を水平に移動する台の上に横になった患者さんと肺の断面のX線画像を映したモニターが示されている。この図にはまた、X線画像を参考にして(胸壁から肺の異常組織のある領域へと)生検用の針を挿入する位置を決定している医師の姿も描かれている。右側の小さな図には、生検針が異常組織のある領域に挿入された状態の胸腔および肺の側面像が示されている。
    
    


    肺の穿刺吸引生検。患者さんにはCT(コンピュータ断層撮影)装置の中を水平に移動する台の上に横になってもらい、この装置によって体の内部のX線写真を撮影します。このX線画像は、肺のどこに異常組織が存在するのかを特定するのに役立ちます。続いて生検針を胸壁から肺の異常組織のある領域まで挿入します。この針を通して少量の組織を採取し、これを顕微鏡で観察して、がんの徴候がないかを調べます。




  • 気管支鏡検査 :気管の内部と肺の中の大気道の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法。気管支鏡が鼻または口を通して気管および肺の内部まで挿入されます。気管支鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

    気管支鏡検査:口、気管、気管支を通して肺の内部まで挿入されている気管支鏡;気管と気管支に沿って存在するリンパ節;ならびに片方の肺に発生したがんを示す。左上の図には、台の上に横たわって気管支鏡検査を受けている患者さんの様子が示されている。
    
    


    気管支鏡検査。気管支鏡を口から気管および気管支を通して肺の内部まで挿入して、異常な部分がないかを調べます。気管支鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織を切除するための器具を備えているものもあります。これにより組織のサンプルが採取されることもあり、顕微鏡で疾患の徴候を調べる検査が行われます。




  • 胸腔鏡検査 :胸腔内の臓器を観察して異常な部分がないかを調べる外科的手技。まず隣り合う2本の肋骨の間に切開を施し、ここから胸腔の内部へと胸腔鏡を挿入します。胸腔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。患者さんによっては、食道や肺の一部を切除するのにこの手技が用いられることもあります。目的の組織、臓器、リンパ節などに到達できない場合は、開胸術が実施されることもあります。この手技では、胸部を開くために肋骨の間に大きな切開が施されます。

  • 胸腔穿刺 :胸腔と肺の表面を覆っている膜の間に溜まった液体を針を用いて体外に排出させる手技。採取された液体は病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。

  • 光学・電子顕微鏡 検査:組織サンプル中の細胞を通常の顕微鏡と高性能の顕微鏡の両方で観察して、細胞に特定の変化がみられないかを調べる臨床検査。

  • 免疫組織化学検査 抗体を利用して、組織のサンプルに含まれる特定の抗原を調べる検査。この抗体には通常、放射性物質または色素が結合されており、その作用によって顕微鏡で観察したときに組織が明るく見えます。この種の検査法は、様々な種類のがんを判別するのに用いられます。

特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。

予後回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


非小細胞肺がんでは、現在の治療法で完治する患者さんはごく一部に限られています。

治療法の改善を目的として数多くの臨床試験が実施されていますので、肺がんと診断された場合には、そうした臨床試験への参加を検討すべきです。どの病期の非小細胞肺がんについても、米国のほとんどの地域で臨床試験が実施されています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

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非小細胞肺がんの病期

非小細胞肺がんの診断がついた後には、がん細胞の肺の中での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。

がんの中での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。非小細胞肺がんでは、診断の際に用いられる検査法が病期分類の際にも用いられます。(一般的な情報のセクションをご覧ください。)病期分類の過程で用いられるその他の検査法や手技としては以下のものがあります:


  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、脳などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

  • CTスキャン(CATスキャン):脳や腹部などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器組織をより鮮明に映し出すために、造影剤静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。

  • PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性 腫瘍細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。

    PETスキャン(陽電子放射断層撮影):PET装置の中を水平に移動する台の上に患者さんが横たわっている様子を示す。
    
    


    PETスキャン(陽電子放射断層撮影)。患者さんが横たわった台がPET装置の中を水平に移動していきます。ヘッドレストと白い帯は患者さんの動きを制止するためのものです。放射性のブドウ糖を少量だけ静脈内に注射した後、スキャナを作動させて、ブドウ糖が消費されている領域を示す体内の画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりもブドウ糖を多く取り込むため、この画像では腫瘍がより明るく映し出されます。




  • 放射性核種骨スキャン :骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まずごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質には骨に集まっていく性質があるため、これを特殊な装置(スキャナ)を用いて検出します。

  • 肺機能検査(PFT):肺の機能を確認する検査。肺活量や肺に空気を出し入れする速さを測定します。また、呼吸時の酸素の消費量や二酸化炭素の排気量なども計測します。この検査は呼吸機能検査とも呼ばれます。

  • 内視鏡超音波検査(EUS)内視鏡を体内に挿入して行われる検査法。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。内視鏡の末端部にはプローブが付いていて、これを用いて高エネルギーの音波(超音波)を体内の組織や臓器に反響させ、エコーを作り出します。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。この検査法は内視鏡下超音波検査とも呼ばれます。EUSは、肺やリンパ節またはその他の領域の穿刺吸引生検(FNA生検)の際の誘導法としても用いられます。

    超音波内視鏡下の穿刺吸引生検:超音波プローブと生検針を備えた内視鏡が口から食道内部へと挿入されている様子を示す。図にはまた、食道の周囲に存在するリンパ節と片方の肺に存在するがんも示されている。拡大図には、超音波プローブによってがんの転移したリンパ節の位置が特定され、食道付近のリンパ節の1つから生検針によって組織が採取されている様子が示されている。
    
    


    超音波内視鏡下の穿刺吸引生検。超音波プローブと生検針を備えた内視鏡が口から食道の内部へと挿入されています。プローブから出た音波が体の組織で反響することによってエコーが発生し、この情報を基にして食道付近のリンパ節のソノグラム(コンピュータ画像)が作成されます。このソノグラムは、リンパ節から組織を採取するために生検針を挿入する位置を決定するのに役立ちます。切除された組織は顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。




  • 縦隔鏡検査 :左右の肺の間の領域にある臓器や組織、リンパ節を観察して、異常な部分がないかを調べる外科的処置。まず胸骨の最上部を切開し、そこから縦隔鏡を胸部に挿入します。縦隔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。

    縦隔鏡検査:ライトとレンズの付いた縦隔鏡が 気管の上の切開口から胸部に挿入されている様子を示す。図には右肺と 左肺、気管、リンパ節が示されている。右下の図には、 胸骨の側を切開をする前縦隔切開(チェンバレン手技)の 様子が示されている。
    
    


    縦隔鏡検査。胸骨の最上部に作られた切開口から縦隔鏡を胸部に挿入し、左右の肺の間の領域に異常な部分がないかを調べます。縦隔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織を切除するための器具を備えているものもあります。胸部の右側のリンパ節から組織のサンプルを採取することもあり、そのサンプルは顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。前縦隔切開(チェンバレン手技)では、胸骨の横が切開され、そこから胸部の左側のリンパ節から組織サンプルが採取されます。




  • 前縦隔切開 :縦隔(左右を2つの肺、前後を胸骨と心臓で囲まれる領域)にある臓器や組織を観察して、異常な部分がないかを調べる外科的手技。まず胸骨の隣に切開を施し、ここから胸部へと縦隔鏡を挿入します。縦隔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。これはチェンバレン手技とも呼ばれます。

  • リンパ節生検 :リンパ節の全体または一部を切除する手技。切除された組織は病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。

  • 骨髄穿刺と骨髄生検 :腰骨または胸骨に中空の針を挿入して骨髄血液、骨の小片などを採取する手技。採取された骨髄、血液、骨は病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。

体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。

がんは組織リンパ系血液を介して拡がります:


  • 組織。がんは発生した場所から隣接する領域に拡がります。

  • リンパ系。がんは発生した場所からリンパ系に侵入して拡がります。がんはリンパ管を介して体内の他の部位へ移動します。

  • 血液。がんは発生した場所から血液に侵入して拡がります。がんは血管を介して体内の他の部位へ移動します。

がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。

がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。


  • リンパ系。がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍転移性腫瘍)を形成します。

  • 血液。がんが血液中に侵入し、血管を通って体内の他の部位へ移動して、そこで腫瘍(転移性腫瘍)を形成します。

転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類の腫瘍です。例えば、非小細胞肺がんが脳に転移した場合、脳にできたがん細胞は、実際は肺がんの細胞です。このような疾患は、転移性肺がんであって、脳腫瘍ではありません。

非小細胞肺がんでは以下のような病期が用いられます:
潜伏期

潜伏期では、がん画像検査気管支鏡検査で見つけることはできません。(咳によってから排出される粘液)または気管支洗浄液(肺につながっている気道内から採取した細胞のサンプル)の中にがん細胞が認められます。がんが体の他の部位に拡がっている場合もあります。

0期(上皮内がん)

0期では、気道の表面に異常な 細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれます。

I期


I期の非小細胞肺がんを示した2つの図。左の図は、IA期を示し、右肺にがん(3cm以下)がある様子を表しており;他に、右の主気管支、気管、リンパ節、細気管支、横隔膜も示している。右の図は、IB期を示し、左肺と左の主気管支にがん(3cmを超えるが5cm以下)がある様子を表しており;他に、気管分岐部も示している。拡大図は、がん肺から肺胸膜の最も内側の層まで拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。



I期の非小細胞肺がん。IA期では、肺の内部のみにがんが認められ、大きさは3cm以下です。IB期では、(a)がんの大きさが3cmを超えるが5cm以下、(b)主気管支まで拡がっている、(c)肺胸膜の最も内側の層まで拡がっているなどの特徴がいくつかあります。さらに、肺の一部がつぶれたり、炎症を起こしたりする場合もあります(図には示していません)。



I期では、すでにがんが形成されています。I期は、以下のIA期とIB期に分けられます:


  • IA期腫瘍の中のみに認められ、大きさが3cm以下。

  • IB期:がんはリンパ節に転移しておらず、以下の条件の1つまたは複数が満たされます:
    • 腫瘍の大きさが3cmを超えるが、5cm以下。

    • 気管支までがんが拡がっているが、気管と気管支の連結部からは下方に2cm以上離れている。

    • の外側を覆っているの最も内側の層までがんが拡がっている。

    • 肺の一部がつぶれているか、気管と気管支の連結部に肺炎(肺の炎症)を起こしている。


II期

II期は、IIA期とIIB期に分けられます。IIA期とIIB期は、腫瘍の大きさ、腫瘍が発見された場所、がんリンパ節に転移しているかどうかによって、それぞれ2つの種類に分けられます。


  • IIA期

    IIA期の非小細胞肺がんを示した2つの図。左の図は、右肺にがん(5cm以下)があり、右の主気管支とリンパ節にがんが転移している様子を表しており;他に、気管、細気管支、横隔膜も示している。右の図は、左肺のがん(5cmを超えるが7cm以下)があり、左の主気管支にがんが拡がっている様子を表しており;他に、気管、リンパ節、細気管支、横隔膜も示している。それぞれの拡大図は、がんが肺から肺胸膜の最も内側の層まで拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。
    
    


    IIA期の非小細胞肺がん。がんは原発腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節に転移しており;さらに、(a)がんの大きさが5cm以下、(b)主気管支まで拡がっている、(c)肺胸膜の最も内側の層まで拡がっているなどの特徴がいくつかあります。または、がんはリンパ節に転移していませんが;(d)がんの大きさが5cmを超えているが7cm以下、(e)主気管支まで拡がっている、(f)肺胸膜の最も内側の層まで拡がっているなどの特徴がいくつかあります。さらに、肺の一部がつぶれたり、炎症を起こしたりする場合もあります(図には示していません)。



     (1) 腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節がんが転移しています。がんが転移するリンパ節は、肺の内部または気管支の近くです。さらに、以下の条件の1つまたは複数が満たされます:


    • 腫瘍の大きさが5cm以下。

    • 気管支までがんが拡がっているが、気管と気管支の連結部からは下方に2cm以上離れている。

    • の外側を覆っているの最も内側の層までがんが拡がっている。

    • 肺の一部がつぶれているか、気管と気管支の連結部に肺炎(肺の炎症)を起こしている。

      または、

      (2)がんはリンパ節に転移しておらず、以下の条件の1つまたは複数が満たされます:


    • 腫瘍の大きさが5cmを超えているが、7cm以下。

    • 主気管支までがんが拡がっているが、気管と気管支の連結部からは下方に2cm以上離れている。

    • 肺の外側を覆っている膜の最も内側の層までがんが拡がっている。

    • 肺の一部がつぶれているか、気管と気管支の連結部に肺炎(肺の炎症)を起こしている。


  • IIB期

    IIB期の非小細胞肺がんを示した2つの図。左の図は、右肺にがん(5cmを超えるが7cm以下)があり、右の主気管支とリンパ節にがんが転移している様子を表しており;他に、気管、細気管支、横隔膜も示している。拡大図は、がんが肺から肺胸膜の最も内側の層まで拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。右側の図は、右肺にがん(7cmを超える)があり、左の主気管支にがんが拡がっている様子を表しており;他に、気管、リンパ節、細気管支、横隔膜も示している。上の拡大図は、肺から肺胸膜と胸壁内膜を経て胸壁までがんが拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。下の拡大図は、心臓とともに、肺から心臓の周囲を覆っている膜までがんが拡がった様子を表している。
    
    


    IIB期の非小細胞肺がん。がんが原発腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節に転移しており;さらに、(a)がんの大きさが5cmを超えるが7cm以下、(b)主気管支まで拡がっている、(c)肺胸膜の最も内側の層まで拡がっているなどの特徴がいくつかあります。さらに、肺の一部がつぶれたり、炎症を起こしたりする場合もあります(図には示していません)。または、(d)がんの大きさが7cmを超える;(e)主気管支、(f)横隔膜、(g)胸壁または胸壁胸膜のいずれかにがんが拡がっている;(h)心臓の周囲を覆っている膜にがんが拡がっているなどの特徴がいくつかあります。さらに、肺の同じ葉に別の腫瘍が1つ以上存在している;横隔膜を制御する神経にがんが拡がっている;全ての肺がつぶれているか、炎症を起こしているなどの特徴がいくつかある場合もあります(図には示していません)。



      (1) 腫瘍と同じ側の胸にある近くのリンパ節がんが転移しています。がんが転移するリンパ節は、肺の内部または気管支の近くです。さらに、以下の条件の1つまたは複数が満たされます:


    • 腫瘍の大きさが5cmを超えているが、7cm以下。

    • 気管支までがんが拡がっているが、気管と気管支の連結部からは下方に2cm以上離れている。

    • の外側を覆っているの最も内側の層までがんが拡がっている。

    • 肺の一部がつぶれているか、気管と気管支の連結部に肺炎(肺の炎症)を起こしている。

      または、

     (2)がんはリンパ節に転移しておらず、以下の条件の1つまたは複数が満たされます:


    • 腫瘍の大きさが7cmを超えている。

    • 主気管支(気管と気管支の連結部から2cm未満)、胸壁横隔膜、横隔膜を制御する神経のいずれかにがんが拡がっている。

    • 心臓の周囲を覆っている膜または胸壁の内側を覆う膜にがんが拡がっている。

    • 全ての肺がつぶれているか、肺炎(肺の炎症)を起こしている。

    • 肺の同じに別の腫瘍が1つ以上存在している。


IIIA期

IIIA期は、腫瘍の大きさ、腫瘍が発見された場所、および(もしあれば)どのリンパ節がんが転移しているかによって、3つの種類に分けられます。



IIIA期の非小細胞肺がん(1)。図は、リンパ節、左の主気管支、横隔膜にがんがある様子を表し;同じ肺に別の腫瘍が存在する場合もあり;他に、気管も示している。上の拡大図は、肺から肺胸膜と胸壁内膜を経て胸壁までがんが拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。下の拡大図は、心臓とともに、肺から心臓の周囲を覆っている膜までがんが拡がった様子を表している。



IIIA期の非小細胞肺がん(1)。原発腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。(a)主気管支;(b)肺胸膜、胸壁内膜、または胸壁;(c)横隔膜;(d)心臓の周囲を覆っている膜のいくつかにがんが拡がっている場合があり;(e)肺の同じ葉に別の腫瘍が1つ以上存在している場合もあります。さらに、横隔膜を制御する神経にがんが拡がっている場合があり、肺の一部または全ての肺がつぶれたり、炎症を起こしたりする場合もあります(図には示していません)。



(1)腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。がんが転移するリンパ節は、胸骨の近く、または気管支に入るところです。さらに、以下の条件が満たされます:


  • 腫瘍の大きさは様々である。

  • 肺の一部(気管と気管支の連結部)または全ての肺がつぶれているか、肺炎(肺の炎症)を起こしている場合がある。

  • 肺の同じに別の腫瘍が1つ以上存在している場合がある。

  • 以下のいずれかにがんが拡がっている場合がある:
    • 気管と気管支の連結部以外の主気管支。

    • 胸壁

    • 横隔膜とそれを制御する神経

    • 肺の周囲を覆っている、または胸壁内膜。

    • 心臓の周囲を覆っている膜。


または、



IIIA期の非小細胞肺がん(2)。図は、リンパ節、気管、気管分岐部、左の主気管支、食道、胸骨、横隔膜、心臓につながる大きな血管にがんがある様子を表しており;同じ肺に別の腫瘍が存在する場合もある。上の拡大図は、肺から肺胸膜と胸壁内膜を経て胸壁までがんが拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。下の拡大図は、肺から心臓の周囲を覆っている膜を経て心臓までがんが拡がった様子を表している。



IIIA期の非小細胞肺がん(2)。原発腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。(a)主気管支;(b)肺胸膜、胸壁内膜、または胸壁;(c)横隔膜;(d)心臓とその周囲を覆っている膜;(e)心臓につながる大きな血管;(f)気管;(g)食道;(h)胸骨;(i)気管分岐部のいくつかにがんが拡がっている場合があり;(j)同じ肺のいずれかの葉に別の腫瘍が1つ以上存在している場合もあります。さらに、横隔膜や喉頭を制御する神経にがんが拡がっている場合があり、全ての肺がつぶれたり、炎症を起こしたりする場合もあります(図には示していません)。



(2)腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。がんが転移するリンパ節は、肺の内部または気管支の近くです。さらに、以下の条件が満たされます:


  • 腫瘍の大きさは様々である。

  • 全ての肺がつぶれているか、肺炎(肺の炎症)を起こしている場合がある。

  • がんがある肺のいずれかの葉に別の腫瘍が1つ以上存在している場合がある。

  • 以下のいずれかにがんが拡がっている場合がある:
    • 気管と気管支の連結部以外の主気管支。

    • 胸壁。

    • 横隔膜とそれを制御する神経。

    • 肺の周囲を覆っている膜、または胸壁内膜。

    • 心臓またはその周囲を覆っている膜。

    • 心臓とつながっている大きな血管

    • 気管。

    • 食道

    • 喉頭(発声器)を制御する神経。

    • 胸骨または背骨

    • 気管分岐部(気管と気管支の連結部)。


または、



IIIA期の非小細胞肺がん(3)。図は、心臓、心臓につながる大きな血管、気管、食道、胸骨、気管分岐部にがんがある様子を表しており;他に、横隔膜も示している。拡大図は、肺から心臓の周囲を覆っている膜を経て心臓までがんが拡がっている様子を表している。



IIIA期の非小細胞肺がん(3)。(a)心臓;(b)心臓につながる大きな血管;(c)気管;(d)食道;(e)胸骨;(f)気管分岐部のいくつかにがんが拡がっています。さらに、喉頭を制御する神経にがんが拡がっている場合もあります(図には示していません)。



(3)がんはリンパ節に転移しておらず、腫瘍の大きさは様々です。以下のいずれかにがんが拡がっている:


  • 心臓。

  • 心臓とつながっている大きな血管。

  • 気管。

  • 食道。

  • 喉頭(発声器)を制御する神経。

  • 胸骨または背骨。

  • 気管分岐部(気管と気管支の連結部)。

IIIB期

IIIB期は、腫瘍の大きさ、腫瘍が発見された場所、どのリンパ節がんが転移しているかによって、2つの種類に分けられます。



IIIB期の非小細胞肺がん(1)。図は、原発腫瘍と反対側の胸にある鎖骨上のリンパ節にがんが転移した様子、および気管、気管分岐部、左の主気管支、食道、胸骨、横隔膜、心臓につながる大きな血管にがんが転移した様子を表しており;同じ肺に別の腫瘍が存在する場合もある。上の拡大図は、肺から肺胸膜と胸壁内膜を経て胸壁までがんが拡がった様子を表しており;他に、肋骨も示している。下の拡大図は、肺から心臓の周囲を覆っている膜を経て心臓までがんが拡がった様子を表している。



IIIB期の非小細胞肺がん(1)。鎖骨の上のリンパ節、または原発腫瘍と反対側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。(a)主気管支;(b)肺胸膜、胸壁内膜、または胸壁;(c)横隔膜;(d)心臓またはその周囲を覆っている膜;(e)心臓につながる大きな血管;(f)気管;(g)食道;(h)胸骨;(i)気管分岐部のいくつかにがんが拡がっている場合があり;(j)肺のいずれかの葉に別の腫瘍が1つ以上存在している場合もあります。さらに、肺の一部または全ての肺がつぶれたり、炎症を起こしたりする場合もあり、がんが背骨に拡がっていたり、横隔膜や喉頭を制御する神経に拡がっていたりする場合もあります(図には示していません)。



(1)鎖骨の上のリンパ節、または腫瘍と反対側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。さらに、以下の条件が満たされます:


  • 腫瘍の大きさは様々である。

  • の一部(気管気管支の連結部)または全ての肺がつぶれているか、肺炎(肺の炎症)を起こしている場合がある。

  • がんがある肺のいずれかのに別の腫瘍が1つ以上存在している場合がある。

  • 以下のいずれかにがんが拡がっている場合がある:
    • 主気管支。

    • 胸壁

    • 横隔膜とそれを制御する神経

    • 肺の周囲を覆っている、または胸壁内膜。

    • 心臓またはその周囲を覆っている膜。

    • 心臓とつながっている大きな血管

    • 気管。

    • 食道

    • 喉頭(発声器)を制御する神経。

    • 胸骨または背骨

    • 気管分岐部(気管と気管支の連結部)。


または、



IIIB期の非小細胞肺がん(2)。図は、原発腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移した様子、心臓、心臓につながる大きな血管、気管、食道、胸骨、気管分岐部にがんが転移した様子、同じ肺の異なった葉に別の腫瘍がある様子を表しており;他に、横隔膜も示している。拡大図は、肺から心臓の周囲を覆っている膜を経て心臓までがんが拡がっている様子を表している。



IIIB期の非小細胞肺がん(2)。原発腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移しており、(a)心臓;(b)心臓につながる大きな血管;(c)気管;(d)食道;(e)胸骨のいくつかにがんが拡がっていて;(g)同じ肺の異なった葉に別の腫瘍が存在している場合もあります。さらに、背骨にがんが転移している場合や、喉頭を制御する神経にがんが拡がっている場合もあります(図には示していません)。



(2)腫瘍と同じ側の胸にあるリンパ節にがんが転移しています。がんが転移するリンパ節は、胸骨の近く、または気管支が肺に入るところです。さらに、以下の条件が満たされます:


  • 腫瘍の大きさは様々である。

  • 同じ肺の異なった葉に別の腫瘍が存在している場合がある。

  • 以下のいずれかにがんが拡がっている:
    • 心臓。

    • 心臓とつながっている大きな血管。

    • 気管。

    • 食道。

    • 喉頭(発声器)を制御する神経。

    • 胸骨または背骨。

    • 気管分岐部(気管と気管支の連結部)。


IV期


IV期の非小細胞肺がん:図は、他方の肺、脳、リンパ節、副腎、腎臓、肝臓、骨など、肺がんが転移している可能性がある体の他の部位を表している。拡大図は、がん細胞が肺から血管やリンパ系を介して体の他の部位に移動し、転移がんを形成する様子を示している。



IV期の非小細胞肺がん。がんが他方の肺やリンパ節、肺または心臓の周りにある体液のほか、脳、肝臓、副腎、腎臓、骨といった体の他の部位に転移しています。



IV期では、腫瘍の大きさは様々で、がんリンパ節に転移している場合があります。さらに、以下の条件の1つまたは複数が満たされます:


  • 両方のの1ヵ所以上に腫瘍が存在する。

  • 肺または心臓の周りにある体液にがんが認められる。

  • 脳、肝臓副腎腎臓、または骨など、体の他の部位にがんが転移している。

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再発非小細胞肺がん

再発 非小細胞肺がんとは、治療後に再発した(再び現れた)がんのことをいいます。再発は、脳、、または体の他の部位に発生することがあります。

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治療選択肢の概要

非小細胞肺がんの患者さんには様々な治療法が存在します。

非小細胞肺がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。そのなかには標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

標準治療として以下の9種類が用いられています:
手術

がんの治療には、以下の4種類の手術法が用いられます:


  • 楔状切除術:腫瘍とその周辺の正常組織の一部を切除する手術法。切除する組織の量を若干多めにした場合は、区域切除術と呼ばれます。

    肺の楔状切除術:気管と肺、それに肺葉に発生したがんを示す。肺葉の側には、切除の対象となった、がんに侵された肺の組織とその周辺の少量の正常組織が示されている。
    
    


    肺の楔状切除術。肺葉のがんに侵されている部分の全体とその周辺の正常組織の一部(少量)が切除されます。




  • 葉切除術:肺全体を切除する手術法。

    肺葉切除術:左右の肺の肺葉、気管、気管支、細気管支、リンパ節を示す。肺葉の1つにがんが認められる。切除対象となった肺の側には切除された肺葉が示されている。
    
    


    肺葉切除術。肺葉の1つが切除されます。




  • 肺全摘出術:片方の肺全体を摘出する手術法。

    肺全摘出術:気管、リンパ節、肺、それに片方の肺に発生したがんを示す。切除対象となったがんに侵された肺も示されている。
    
    


    肺全摘出術。片方の肺全体が摘出されます。




  • スリーブ切除術:気管支の一部を切除する手術法。

たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、放射性物質を針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの中に封入し、それをがん組織の内部または周辺に直接留置する方法です。

放射線手術は、腫瘍に直接狙いを定めて放射線を照射することで正常組織への損傷をごく少量に抑える方法です。実際には手術が行われるわけではなく、また、手術を受けられない患者さんに対しても実施が可能です。

放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。また、がんが見つかった部位にも左右されます。気道の腫瘍に対しては、内視鏡を通じて放射線を腫瘍に直接照射します。

化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹部などの体内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。

詳しい情報については、非小細胞肺がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

標的療法

標的療法とは、特定のがん細胞を攻撃する薬物や物質を用いる治療法です。標的療法は一般に、化学療法や放射線療法に比べ、正常な細胞に及ぼす有害性が小さい療法です。非小細胞肺がんの治療に用いられている標的療法には、主にモノクローナル抗体低分子 チロシンキナーゼ阻害薬の2種類があります。

モノクローナル抗体療法は、製造ラボにおいて単一の免疫系細胞から作り出した抗体を使用する治療法です。これらの抗体は、がん細胞の表面上に存在する物質や、正常な血液および組織内のがん細胞の増殖を促す物質を特定することができます。こうした抗体がそれぞれの標的物質に結合することにより、がん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などといった効果が得られます。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。

非小細胞肺がんの治療に使用されているモノクローナル抗体には、ベバシズマブセツキシマブがあります。ベバシズマブ(薬剤詳細へ)は血液や組織内の血管内皮成長因子(VEGF)に結合して、腫瘍が増殖に必要とする新しい血管の成長を妨げる効果があります。セツキシマブ(薬剤詳細へ)はチロシンキナーゼ阻害薬として作用するモノクローナル抗体です。セツキシマブ(薬剤詳細へ)は、がん細胞表面に存在するチロシンキナーゼ蛋白である上皮成長因子受容体(EGFR)に結合し、がん細胞の増殖や分裂を抑止します。

低分子チロシンキナーゼ阻害薬は、がん細胞の内部で作用し、腫瘍の増殖に必要な信号を阻害する標的療法薬です。低分子チロシンキナーゼ阻害薬は補助療法として他の抗がん剤とともに用いられることがあります。

非小細胞肺がんの治療に使用されている低分子チロシンキナーゼ阻害薬には、エルロチニブゲフィチニブがあります。これらの薬は、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬です。

クリゾチニブもまた、非小細胞肺がんの治療に使用される低分子チロシンキナーゼ阻害薬です。未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子に特定の突然変異(変化)を有する非小細胞肺がんの治療に用いられます。ALK遺伝子によって作られる蛋白にはチロシンキナーゼ活性があります。

詳しい情報については、非小細胞肺がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。

レーザー治療

レーザー治療は、レーザー光線(照射幅の狭い強力な光線)を利用してがん細胞を破壊する治療法です。

光線力学療法(PDT)

光線力学療法(PDT)は、薬と特定の波長のレーザー光線を用いてがん細胞を死滅させる治療法です。まず、光が当たることで活性化する薬を静脈内に注射します。この薬は正常細胞よりもがん細胞により多く集まります。その後、光ファイバーチューブを使ってがん細胞にレーザー光線を照射すると、この薬が活性化してがん細胞を殺傷していきます。光線力学療法では、健常組織への損傷がごくわずかで済みます。この治療法は主に、皮膚上や皮膚のすぐ下または内臓の内腔の表面にできた腫瘍の治療に用いられます。腫瘍が気道に存在する場合は、内視鏡を用いて腫瘍に直接PDTを実施します。

凍結手術

凍結手術は、特殊な装置を用いて異常 組織上皮内がんなど)を凍結し破壊する治療法です。この種の治療は凍結療法とも呼ばれます。気道の腫瘍に対しては、内視鏡を用いて凍結手術を実施します。

電気焼灼

電気焼灼は、電流によって加熱されたプローブまたは針を用いて異常組織を破壊する治療法です。気道の腫瘍に対しては、内視鏡を用いて電気焼灼を実施します。

注意深い経過観察

注意深い経過観察とは、徴候症状の出現や変化がみられるまで、治療を一切行わずに患者さんの状態を注意深く監視していくことです。非小細胞肺がんの一部のまれなケースでは、この方法が用いられることがあります。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。

本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。

化学予防

化学予防とは、がんのリスクや再発リスクの低減を目的として、薬やビタミン剤、その他の物質を使用することです。

新しい併用方法

治療法の新しい併用方法が現在臨床試験で検証されています。

患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。

患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。

今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。

患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。

患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。

ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。

臨床試験は米国各地で行われています。詳しくは、治療選択肢のセクションにある現在進行中の治療臨床試験へのリンクを参照してください。そこで検索された情報はNCIの臨床試験一覧のものです。

フォローアップ検査が必要となることもあります。

がんの診断病期判定のために実施される検査のなかには、繰り返し行われるものがあります。治療の奏効の程度を確かめるために繰り返し行われる検査もあります。治療の継続、変更、中止などの決定はこうした検査の結果に基づいて判断されます。

治療が終わってからも度々受けることになる検査もあります。こうした検査の結果から、患者さんの状態の変化やがんの再発(再び現れること)の有無を知ることができます。こうした検査はフォローアップ検査または定期検査と呼ばれることがあります。

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病期ごとの治療選択肢

潜伏期の非小細胞肺がん

潜伏期非小細胞肺がんの治療法は、疾患の病期に応じて異なります。潜伏期の腫瘍は、早期(腫瘍が内にのみ存在している時期)に発見されることが多く、手術による治癒が可能な場合もあります。

NCI支援のがん臨床試験リストから、潜伏期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

0期(上皮内がん)

0期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、0期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

I期の非小細胞肺がん

I期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、I期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

II期の非小細胞肺がん

II期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、II期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IIIA期の非小細胞肺がん

手術によって切除できるIIIA期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • 手術とその後の化学療法

  • 化学療法とその後の手術。

  • 手術とその後の化学療法と放射線療法の併用。

  • 手術とその後の放射線療法。

  • 治療法の新しい併用方法を用いた臨床試験への参加。

手術によって切除できないIIIA期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


  • 同一期間にわたり、別個の治療法として実施される化学療法と放射線療法。

  • 外照射療法の単独実施(併用療法による治療が不可能な患者さんに対し、症状を和らげ生活の質を高める緩和療法として実施)。

  • 患者さんの症状を和らげ生活の質を高める緩和療法として、内照射療法またはレーザー手術

  • 治療法の新しい併用方法を用いた臨床試験への参加。

咳、息切れ、胸痛などの徴候や症状に対する支持療法の詳しい情報については、PDQ心肺症候群に関する要約をご覧ください。

肺尖の非小細胞肺がんは、しばしばパンコースト腫瘍と呼ばれ、の上部に発生し、肋骨や椎骨(脊柱)のような隣接組織に拡がります。パンコースト腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


  • 放射線療法のみ。

  • 放射線療法とその後の手術。

  • 同一期間にわたり、別個の治療法として実施される化学療法と放射線療法、およびその後の手術。

  • 手術のみ。

  • 治療法の新しい併用方法を用いた臨床試験への参加。

胸壁に拡がったIIIA期の非小細胞肺腫瘍のなかには、完全に摘出できるものがあります。胸壁腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:


  • 手術。

  • 手術と放射線療法。

  • 放射線療法のみ。

  • 放射線療法や手術を併用した化学療法。

  • 治療法の新しい併用方法を用いた臨床試験への参加。

NCI支援のがん臨床試験リストから、III期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IIIB期の非小細胞肺がん

IIIB期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


咳、息切れ、胸痛などの徴候や症状に対する支持療法の詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:


NCI支援のがん臨床試験リストから、III期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

IV期の非小細胞肺がん

IV期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


咳、息切れ、胸痛などの徴候や症状に対する支持療法の詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:


NCI支援のがん臨床試験リストから、IV期非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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再発非小細胞肺がんの治療選択肢

再発 非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:


NCI支援のがん臨床試験リストから、再発非小細胞肺がんの患者さんを現在受け入れている臨床試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験の場所、治療のタイプ、薬剤の名前など、他の検索要素を用いて絞り込み検索を行うと、より具体的な結果が得られます。ご自身に適した臨床試験については、担当の医師にご相談ください。NCIのウェブサイトから臨床試験についての一般的な情報をご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、非小細胞肺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Adult Treatment Editorial Board. PDQ Non-Small Cell Lung Cancer Treatment. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Updated <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/types/lung/patient/non-small-cell-lung-treatment-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389355]

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