ご利用について
このPDQがん情報要約では、非小細胞肺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
CONTENTS
- 非小細胞肺がんについての一般的な情報
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非小細胞肺がんは、肺の組織の中に悪性(がん)細胞ができる疾患です。
肺は、胸部に位置する円錐形をした左右一対の呼吸器官です。肺の果たしている役割の1つは、息を吸い込むときに酸素を体内に取り込むことです。また、息を吐き出すときに二酸化炭素(全身の細胞から出てくる老廃物)を体外に放出するという役割も果たしています。左右の肺はそれぞれいくつかの部分に分かれていて、それらのことを肺葉と呼びます。左側の肺は2つの肺葉で構成されています。右側の肺は左側の肺よりも若干大きく、3つの肺葉で構成されています。また、肺には気管支と呼ばれる管が1本ずつ入り込んでいますが、これらは気管から伸びています。肺がんはときにこの気管支も侵します。肺の内部は、肺胞と呼ばれる空気の入った微小な袋と、細気管支と呼ばれる小さな管から構成されています。
左右の肺の外側と胸腔の内壁は胸膜と呼ばれる薄い膜で覆われています。この胸膜は胸膜腔と呼ばれる袋を形成しています。この胸膜腔の中には正常時でも少量の液体が存在していて、この液体のおかげで、呼吸に伴った胸腔内での肺の動きが円滑に保たれています。
肺がんには、大きく分けて非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類があります。
肺がんに関する詳しい情報については以下のPDQの要約をご覧ください:
非小細胞肺がんにはいくつかの種類があります。
それぞれの種類の非小細胞肺がんには、種類の異なるがん細胞が認められます。その種類ごとに、がん細胞の増殖の仕方や拡がり方が異なります。それぞれの種類の非小細胞肺がんには、そのがんの中に認められる細胞の種類とそれを顕微鏡で観察したときの外観に応じて、以下のような名前が付けられています:
あまり多くはみられないものの、腺扁平上皮がん、肉腫様がん、唾液腺がん、カルチノイド、分類不能がん腫などの腫瘍も非小細胞肺がんに含まれます。
喫煙は非小細胞肺がんの主要なリスク因子です。
疾患が発生する可能性を増大させるものは全てリスク因子と呼ばれます。リスク因子を持っていれば必ずがんになるというわけではありませんし、リスク因子を持っていなければがんにならないというわけでもありません。肺がんのリスクについて不安がある場合は、担当の医師にご相談ください。
肺がんのリスク因子には以下のものがあります:
高齢であることは、ほとんどのがんで主要なリスク因子です。歳をとればとるほど、がんになる確率は高まります。
喫煙だけでなくそれ以外のリスク因子が同時に存在する場合は、肺がんのリスクはさらに高くなります。
非小細胞肺がんの徴候には、息切れや治らない咳などがあります。
肺がんでは、何の徴候も症状も現れないことがあります。別の状態に対して実施された胸部X線検査で発見されることもあります。徴候や症状が現れたとしても、肺がんが原因の場合もあれば、別の病態が原因である可能性もあります。以下の問題がみられる場合は担当の医師にご相談ください:
非小細胞肺がんを診断し病期を分類するために、肺を調べる検査が行われます。
非小細胞肺がんでは、発見と診断と病期分類について、そのための検査や手技を一度に実施することが多くなっています。以下のような検査法や手技が用いられます:
- 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣(特に喫煙)や過去の職歴、病歴、治療歴も調べます。
- 臨床検査:組織や血液、尿などの身体から得られる検査材料を調べる内科的な検査法。こうした検査は疾患の診断、治療計画、治療効果の確認、長期的な病状のモニタリングなどに有用です。
- 胸部X線検査:胸部の臓器と骨のX線検査。X線は放射線の一種で、これを人の体を通してフィルム上に照射すると、そのフィルム上に体内領域の画像が映し出されます。
- CTスキャン(CATスキャン):胸部などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- 喀痰細胞診:痰(咳によって肺から排出される粘液)のサンプルを病理医が顕微鏡で観察することによって、がん細胞の有無を調べる検査法。
- 胸腔穿刺:胸腔と肺の表面を覆っている膜の間に溜まった液体を針を用いて体外に排出させる手技。採取された液体は病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。
肺がんが疑われる場合は、生検が行われます。
通常は以下のような生検手技が用いられます:
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穿刺吸引生検(FNA生検):細い針を用いて肺から組織や体液を採取する手技。肺の中で異常組織や体液が存在する場所を特定するには、CTスキャンや超音波診断法などの各種の画像検査法が用いられます。まず皮膚を小さく切開し、そこから生検用の針を腹部の異常な組織や体液の中に挿入します。続いてその針を用いてサンプルを採取し、それを検査室へと送ります。そして採取されたサンプルを病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。なおこの手技の実施後には、肺から胸腔内に空気が漏れ出していないことを確認するために、胸部のX線撮影が行われます。
内視鏡超音波検査(EUS)は超音波検査の一種で、肺やリンパ節またはその他の領域に対するFNA生検の際の誘導法として用いられます。EUSは内視鏡を体内に挿入して行われます。内視鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。内視鏡の末端部にはプローブが付いていて、これを用いて高エネルギーの音波(超音波)を体内の組織や臓器に反響させ、エコーを作り出します。このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。
- 気管支鏡検査:気管の内部と肺の中の大気道の内部を観察して、異常な部分がないかを調べる検査法。気管支鏡が鼻または口を通して気管および肺の内部まで挿入されます。気管支鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。
- 胸腔鏡検査:胸腔内の臓器を観察して異常な部分がないかを調べる外科的手技。まず隣り合う2本の肋骨の間に切開を施し、ここから胸腔の内部へと胸腔鏡を挿入します。胸腔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。患者さんによっては、食道や肺の一部を切除するのにこの手技が用いられることもあります。目的の組織、臓器、リンパ節などに到達できない場合は、開胸術が実施されることもあります。この手技では、胸部を開くために肋骨の間に大きな切開が施されます。
- 縦隔鏡検査:両肺の間にある臓器や組織、リンパ節を観察して、異常な部分がないかを調べる外科的処置。まず胸骨の最上部を切開し、そこから縦隔鏡を胸部に挿入します。縦隔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。
- 前縦隔切開:縦隔(左右を2つの肺、前後を胸骨と心臓で囲まれる領域)にある臓器や組織を観察して、異常な部分がないかを調べる外科的手技。まず胸骨の隣に切開を施し、ここから胸部へと縦隔鏡を挿入します。縦隔鏡とは、観察用のライトとレンズを備えた細いチューブ状の器具のことです。リンパ節などの組織のサンプルを採取するための器具が付いているものもあり、それで切除された組織は、顕微鏡での観察によってがんの徴候がないか調べられます。これはチェンバレン手技とも呼ばれます。
- リンパ節生検:リンパ節の全体または一部を切除する手技。採取されたリンパ節は病理医が顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べます。
組織のサンプルの臨床検査では、以下のうち1つ以上が実施されることがあります:
特定の要因が予後(回復の見込み)や治療法の選択肢に影響を及ぼします。
予後と治療選択肢を左右する因子には以下のものがあります:
- がんの病期(腫瘍の大きさ、がんに侵されているのは肺のみか、あるいは他の部位にも転移しているのか)。
- 肺がんの種類。
- 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子や未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子など、特定の遺伝子の変異(変化)を伴うがんかどうか。
- 咳や呼吸困難などの徴候や症状の有無。
- 患者さんの健康状態。
非小細胞肺がんでは、現在の治療法で完治する患者さんはごく一部に限られています。
治療法の改善を目的として数多くの臨床試験が実施されていますので、肺がんと診断された場合には、そうした臨床試験への参加を検討すべきです。どの病期の非小細胞肺がんについても、米国のほとんどの地域で臨床試験が実施されています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
- 非小細胞肺がんの病期
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非小細胞肺がんの診断がついた後には、がん細胞の肺の中での拡がりや他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。
がんの肺の中での拡がりや他の部位への転移の有無を調べていくプロセスは、病期分類と呼ばれます。この過程で集められた情報を基にして病期が判定されます。治療計画を立てるためには病期を把握しておくことが重要です。非小細胞肺がんでは、診断の際に用いられる検査法が病期分類の際にも用いられます。(一般的な情報のセクションをご覧ください。)
病期分類の過程で用いられるその他の検査法や手技としては以下のものがあります:
- MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、脳などの体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。
- CTスキャン(CATスキャン):脳や腹部、リンパ節などの体内の領域を様々な角度から撮影して、精細な連続画像を作成する検査法。この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さんに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
- PETスキャン(陽電子放射断層撮影):体内の悪性腫瘍細胞を検出するための検査法。まず放射性のあるブドウ糖の溶液を少量だけ静脈内に注射します。その後、周囲を回転しながら体の内部を調べていくPETスキャナという装置を用いて、ブドウ糖が消費されている体内の領域を示す画像を作成していきます。悪性腫瘍細胞は、正常な細胞よりも活発でブドウ糖をより多く取り込む性質があるため、画像ではより明るく映し出されます。
- 骨スキャン:骨の内部に活発に分裂している細胞(がん細胞など)が存在していないかを調べる検査法。まずごく少量の放射性物質を静脈内に注入し、血流に乗せて全身に巡らせます。この放射性物質にはがんが生じている骨に集まっていく性質があるため、これをスキャナを用いて検出します。
- 肺機能検査(PFT):肺の機能を確認する検査。肺活量や肺に空気を出し入れする速さを測定します。また、呼吸時の酸素の消費量や二酸化炭素の排気量なども計測します。この検査は呼吸機能検査とも呼ばれます。
- 骨髄穿刺と骨髄生検:腰骨または胸骨に中空の針を挿入して骨髄、血液、骨の小片などを採取する手技。採取された骨髄、血液、骨は病理医によって顕微鏡で観察され、がんの徴候がないか調べられます。
体内でのがんの拡がり方は3種類に分けられます。
がんは発生した場所から体内の他の部位に拡がることがあります。
がんが体内の他の部位に拡がることを転移と呼びます。がん細胞は発生した場所(原発腫瘍)から分離し、リンパ系や血液を介して移動します。
転移性腫瘍は、原発腫瘍と同じ種類のがんです。例えば、非小細胞肺がんが脳に転移した場合、脳にできたがん細胞は、実際は肺がんの細胞です。このような疾患は、転移性肺がんであって、脳腫瘍ではありません。
非小細胞肺がんでは以下のような病期が用いられます:
潜伏期
潜伏期では、がんを画像検査や気管支鏡検査で見つけることはできません。痰または気管支洗浄液(肺につながっている気道内から採取した細胞のサンプル)の中にがん細胞が認められます。がんが体の他の部位に拡がっている場合もあります。
0期
0期では、気道の表面に異常な細胞が認められます。こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。0期は上皮内腺がん(AIS)または扁平上皮がん(SCIS)とも呼ばれます。
II期
II期は、IIA期とIIB期に分けられます。
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IIA期:
腫瘍の大きさが4cmを超えていますが、5cm以下です。がんはリンパ節に転移しておらず、さらに以下の条件の1つ以上を満たすことがあります:
-
IIB期:
腫瘍は5cm以下で、原発腫瘍と同じ側にある胸部リンパ節にがんが転移しています。肺内や気管支周辺のリンパ節にがんの転移がみられます。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
- がんは発生元の肺の主気管支に拡がっているが、気管分岐部には達していない。
- 肺の外側を覆っている膜の最も内側の層までがんが拡がっている。
- 肺の一部または肺全体がつぶれている、もしくは肺炎を起こしている。
または、
がんはリンパ節に転移しておらず、さらに以下の条件の1つ以上を満たします:
III期
III期は、IIIA期、IIIB期、IIIC期に分けられます。
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IIIA期:
腫瘍は5cm以下で、原発腫瘍と同じ側にある胸部リンパ節にがんが転移しています。気管や大動脈の周囲、または気管が気管支に分かれる部分のリンパ節に、がんの転移がみられます。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
または、
原発腫瘍と同じ側の胸部リンパ節にがんが転移しています。肺内や気管支周辺のリンパ節にがんの転移がみられます。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
または、
原発腫瘍と同じ側の胸部リンパ節にがんが転移していることがあります。肺内や気管支周辺のリンパ節にがんの転移がみられます。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
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IIIB期:
腫瘍は5cm以下で、原発腫瘍と同じ側の鎖骨より上に位置する胸部リンパ節か、原発腫瘍の反対側に位置するいずれかの胸部リンパ節にがんが転移しています。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
- がんは発生元の肺の主気管支に拡がっているが、気管分岐部には達していない。
- 肺の外側を覆っている膜の最も内側の層までがんが拡がっている。
- 肺の一部または肺全体がつぶれている、もしくは肺炎を起こしている。
または、
腫瘍の大きさを問わず、原発腫瘍と同じ側の胸部リンパ節にがんが転移しています。気管や大動脈の周囲、または気管が気管支に分かれる部分のリンパ節に、がんの転移がみられます。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
- 原発腫瘍と同じまたは異なる肺葉に別の腫瘍が1つ以上存在する。
- 以下のいずれかにがんが拡がっている:
- 胸壁の内側を覆う膜。
- 胸壁。
- 横隔膜を制御する神経。
- 心臓を包む袋の外層組織。
- 気管。
- 気管分岐部。
- 食道。
- 胸骨または背骨。
- 横隔膜。
- 心臓。
- 心臓とつながっている大きな血管(大動脈または大静脈)。
- 喉頭を制御する神経。
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IIIC期:
腫瘍の大きさを問わず、原発腫瘍と同じ側の鎖骨より上に位置する胸部リンパ節か、原発腫瘍の反対側に位置するいずれかの胸部リンパ節にがんが転移しています。さらに、以下の条件の1つ以上を満たします:
- 原発腫瘍と同じまたは異なる肺葉に別の腫瘍が1つ以上存在する。
- 以下のいずれかにがんが拡がっている:
- 胸壁の内側を覆う膜。
- 胸壁。
- 横隔膜を制御する神経。
- 心臓を包む袋の外層組織。
- 気管。
- 気管分岐部。
- 食道。
- 胸骨または背骨。
- 横隔膜。
- 心臓。
- 心臓とつながっている大きな血管(大動脈または大静脈)。
- 喉頭を制御する神経。
非小細胞肺がんは治療後に再発する(再び現れる)ことがあります。
再発は、脳、肺、または体の他の部位に発生することがあります。
- 治療選択肢の概要
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非小細胞肺がんの患者さんには様々な治療法が存在します。
非小細胞肺がんの患者さんは様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験において検証中のものもあります。治療法の臨床試験とは、既存の治療法を改良したり、がんの患者さんのための新しい治療法について情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。複数の臨床試験で現在の標準治療より新しい治療法のほうが良好であることが明らかになった場合は、その新しい治療法が標準治療となります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
標準治療として以下の10種類が用いられています:
手術
手術の際に確認できる全てのがんを切除した後に、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させることを目的として、術後に化学療法や放射線療法が実施される場合があります。このようにがんの再発リスクを低減させるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用して、がん細胞の死滅や増殖阻止を図る治療法です。放射線療法には2種類のものがあります:
定位放射線療法は、外照射療法の一種です。毎回の治療で放射線を同じ位置に照射できるよう、専用の装置を用いて患者さんの姿勢を固定します。数日にわたり、1日1回、放射線照射装置で腫瘍に対して直接、通常より高い線量の放射線を照射します。毎回、患者さんに同じ姿勢をとってもらうことで、周辺の正常な組織に対する損傷を抑えます。この手法は、定位体外照射療法や定位放射線治療とも呼ばれます。
定位放射線手術は外照射療法の一種で、脳に転移した肺がんの治療に用いられます。放射線療法中に頭部が動かないよう、頭蓋骨に硬いフレームを取り付けます。装置は脳の腫瘍に直接当たるように、高線量の放射線を1回照射します。この治療法は実際に手術を行うものではありません。定位手術的照射、ラジオサージェリー、放射線手術とも呼ばれます。
気道の腫瘍に対しては、内視鏡を通じて放射線を腫瘍に直接照射します。
放射線療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。また、がんが見つかった部位にも左右されます。非小細胞肺がんの治療には外照射療法と内照射療法が用いられます。
化学療法
化学療法は、薬を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによって、がんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脳脊髄液内や臓器内、あるいは腹腔などの体腔内に薬剤を直接注入する化学療法では、その領域にあるがん細胞に薬が集中的に作用します(局所化学療法)。
化学療法の実施方法は、治療対象となるがんの種類と病期に応じて異なります。
詳しい情報については、非小細胞肺がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
標的療法
標的療法とは、特定のがん細胞を認識し攻撃する性質をもった薬物やその他の物質を用いる治療法です。標的療法では一般に、化学療法や放射線療法に比べて、正常な細胞に及ぼす害が少なくなります。進行または転移、もしくは再発がみられる非小細胞肺がんの治療に用いられている標的療法薬には、モノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害薬、哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬の3種類があります。
モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は製造ラボで作られ、がんなどの様々な疾患に対する治療に用いられる免疫系蛋白です。がん治療薬として、これらの抗体は、がん細胞や他の細胞上に存在してがん細胞の増殖に関与する特定の標的に結合する性質をもちます。これにより、抗体はがん細胞の死滅、増殖の阻止、転移の抑止などの効果を発揮できるようになります。モノクローナル抗体は点滴によって投与されます。単独で使用されることもありますが、薬や毒素、放射性物質などをがん細胞に直接送り届けるという用途でも用いられます。
数種類のモノクローナル抗体療法があります:
- 血管内皮成長因子(VEGF)阻害薬療法:がん細胞はVEGFという物質を作りますが、この物質には、新しい血管を発生させ(血管新生)、がんの増殖を助ける働きがあります。VEGF阻害薬は、このVEGFの働きを阻害し、新しい血管の形成を抑止します。これによって、増殖に新しい血管を必要とするがん細胞を殺傷できる場合があります。ベバシズマブとラムシルマブはVEGF阻害薬であり、血管新生阻害薬でもあります。
- 上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬療法:EGFRは、がん細胞など特定の細胞の表面に存在する蛋白です。上皮成長因子が細胞表面のEGFRに結合し、細胞の成長と分裂を引き起こします。EGFR阻害薬はこの受容体をブロックし、上皮成長因子とがん細胞の結合を阻止します。これにより、がん細胞の成長と分裂を抑止します。セツキシマブとネシツムマブはEGFR阻害薬です。
チロシンキナーゼ阻害薬
チロシンキナーゼ阻害薬は、細胞膜を通過してがん細胞の内部で作用し、がん細胞の成長と分裂に必要な信号を阻害する低分子薬です。一部のチロシンキナーゼ阻害薬には、血管新生を阻害する効果もあります。
数種類のチロシンキナーゼ阻害薬があります:
- 上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬:EGFRは、がん細胞など特定の細胞の表面や内部に存在する蛋白です。上皮成長因子が細胞内のEGFRに結合し、細胞のチロシンキナーゼ領域に信号を送ると、それに応じて細胞が成長と分裂を行います。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬はこれらの信号を抑止して、がん細胞の成長と分裂を阻止します。エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブは、いずれもEGFRチロシンキナーゼ阻害薬です。これらの薬剤の一部は、EGFR遺伝子にも変異(変化)が生じている場合に効果が高まります。
- 特定の遺伝子変異がある細胞に影響を及ぼすキナーゼ阻害薬:
- ダブラフェニブは、BRAF遺伝子による蛋白の産生を抑止するために用いられます。
- トラメチニブは、MEK遺伝子による蛋白の産生を抑止するために用いられます。
- クリゾチニブとエヌトレクチニブは、ALK遺伝子とROS1遺伝子による蛋白の産生を抑止するために用いられます。
- また、セリチニブ、アレクチニブ、ブリグチニブ、ロルラチニブは、ALK遺伝子による蛋白の産生を抑止するために用いられます。
- ラロトレクチニブとエヌトレクチニブは、NTRK1、NTRK2、NTRK3遺伝子の融合による蛋白の産生を抑止するために用いられます。
- セルペルカチニブは、RET融合遺伝子または変異したRET遺伝子による蛋白の産生を抑止するために用いられます。
哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬
mTOR阻害薬はmTORという蛋白を阻害することで、がん細胞の増殖を抑止し、腫瘍の増殖に必要な新しい血管の成長を予防する作用があります。エベロリムスはmTOR阻害薬の一種です。
詳しい情報については、非小細胞肺がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
免疫療法
免疫療法は、患者さんの免疫系を利用して、がんと戦う治療法です。 体内で生産された物質や製造ラボで合成された物質を用いることによって、体が本来もっているがんに対する抵抗力を高めたり、誘導したり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物学的療法の一種です。
免疫チェックポイント阻害薬療法は、進行した非小細胞肺がんの患者さんの一部に対する治療に用いられる免疫療法の一種です。
免疫チェックポイント阻害薬療法には以下のような種類があります:
詳しい情報については、非小細胞肺がんに対する使用が承認されている薬剤(英語)をご覧ください。
光線力学療法(PDT)
光線力学療法(PDT)は、薬と特定の波長のレーザー光線を用いてがん細胞を死滅させる治療法です。まず、光が当たることで活性化する薬を静脈内に注射します。この薬は正常細胞よりもがん細胞により多く集まります。その後、光ファイバーチューブを使ってがん細胞にレーザー光線を照射すると、この薬が活性化してがん細胞を殺傷していきます。光線力学療法では、健常組織への損傷がごくわずかで済みます。この治療法は主に、皮膚上や皮膚のすぐ下または内臓の内腔の表面にできた腫瘍の治療に用いられます。腫瘍が気道に存在する場合は、内視鏡を用いて腫瘍に直接PDTを実施します。
電気焼灼
電気焼灼は、電流によって加熱されたプローブまたは針を用いて異常組織を破壊する治療法です。気道の腫瘍に対しては、内視鏡を用いて電気焼灼を実施します。
この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。
本項では、臨床試験で研究されている治療について説明しています。現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。臨床試験に関する情報は、NCIのウェブサイトから入手することができます。
放射線増感剤
放射線増感剤は、放射線療法で腫瘍細胞を殺傷しやすくする物質です。化学療法と放射線増感剤を用いた放射線療法との併用は、非小細胞肺がんの治療法として研究されています。
新しい併用方法
治療法の新しい併用方法が現在臨床試験で検証されています。
患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。
患者さんによっては、臨床試験に参加することが治療に関する最良の選択肢となる場合もあります。臨床試験はがんの研究プロセスの一部を構成するものです。臨床試験は、新しいがんの治療法が安全かつ有効であるかどうか、あるいは標準治療よりも優れているかどうかを確かめることを目的に実施されます。
今日のがんの標準治療の多くは以前に行われた臨床試験に基づくものです。臨床試験に参加する患者さんは、標準治療を受けることになる場合もあれば、新しい治療法を初めて受けることになる場合もあります。
患者さんが臨床試験に参加することは、将来のがんの治療法を改善することにもつながります。たとえ臨床試験が効果的な新しい治療法の発見につながらなくても、重要な問題に対する解答が得られる場合も多く、研究を前進させることにつながるのです。
患者さんはがん治療の開始前や開始後にでも臨床試験に参加することができます。
ただし一部には、まだ治療を受けたことのない患者さんだけを対象とする臨床試験もあります。一方、別の治療では状態が改善されなかった患者さんに向けた治療法を検証する試験もあります。がんの再発を阻止したり、がん治療の副作用を軽減したりするための新しい方法を検証する臨床試験もあります。
臨床試験は米国各地で行われています。NCIが支援する臨床試験に関する情報は、NCIの臨床試験検索ウェブページで探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。他の組織によって支援されている臨床試験は、ClinicalTrials.govウェブサイトで探すことができます。
- 潜伏期の非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
潜伏期非小細胞肺がんの治療法は、疾患の病期に応じて異なります。潜伏期の腫瘍は、早期(腫瘍が肺内にのみ存在している時期)に発見されることが多く、手術による治癒が可能な場合もあります。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 0期(上皮内がん)の治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
0期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- I期非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
IA期とIB期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- II期非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
IIA期とIIB期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- IIIA期非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
手術によって切除できるIIIA期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
手術によって切除できないIIIA期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
咳、息切れ、胸痛などの徴候や症状に対する支持療法の詳しい情報については、PDQの心肺症候群に関する要約をご覧ください。
肺尖の非小細胞肺がんは、しばしばパンコースト腫瘍と呼ばれ、肺の上部で発生し、胸壁、大血管、脊椎などの隣接組織に拡がることがあります。パンコースト腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:
- 手術。
- 化学療法と放射線療法の後の手術。
- 放射線療法のみ。
- 治療法の新しい併用方法を用いた臨床試験への参加。
胸壁に拡がったIIIA期の非小細胞肺腫瘍の中には、完全に摘出できるものがあります。胸壁腫瘍の治療法には以下のようなものがあります:
- 手術。
- 手術と放射線療法。
- 放射線療法のみ。
- 放射線療法や手術を併用した化学療法。
- 治療法の新しい併用方法を用いた臨床試験への参加。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- IIIB期またはIIIC期非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
IIIB期とIIIC期の非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 化学療法とその後の外照射療法。
- 同一期間にわたり、別個の治療法として実施される化学療法と放射線療法。
- 同一期間にわたり、別個の治療法として実施される化学療法と放射線療法(放射線量は時間とともに増加)。
- 同一期間にわたり、別個の治療法として実施される化学療法と放射線療法。これらの治療の前または後に化学療法が単独で行われます。
- 化学療法と放射線療法、その後のデュルバルマブなどの免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法。
- 化学療法を受けられない患者さんの場合は、外照射療法のみ。
- 症状を和らげ生活の質を高める緩和療法としての外照射療法。
- 症状を和らげ生活の質を高めるレーザー治療や内照射療法。
- 外照射療法の新しい治療スケジュールと新しい治療法を用いた臨床試験への参加。
- 化学療法と放射線増感剤を用いた放射線療法を行う臨床試験への参加。
- 化学療法と放射線療法を併用する標的療法を行う臨床試験への参加。
咳、息切れ、胸痛などの徴候や症状に対する支持療法の詳しい情報については、以下のPDQの要約をご覧ください:
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 新たに診断されたIV期非小細胞肺がん、または再燃あるいは再発した非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
新たに診断されたIV期非小細胞肺がん、または再燃あるいは再発した非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 併用化学療法。
- 併用化学療法とともに、ベバシズマブやセツキシマブ、ネシツムマブなどのモノクローナル抗体による標的療法。
- 併用化学療法と、がんの進行を予防するためにその後行われる維持療法としてのさらなる化学療法。
- オシメルチニブ、ダコミチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬による標的療法。
- アレクチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリグチニブ、ロルラチニブなどのALK阻害薬による標的療法。
- ダブラフェニブまたはトラメチニブなどのBRAF阻害薬またはMEK阻害薬による標的療法。
- ALK遺伝子とROS1遺伝子による蛋白の産生を抑止するためのクリゾチニブとエヌトレクチニブによる標的療法。
- ラロトレクチニブまたはエヌトレクチニブなどのNTRK阻害薬による標的療法。
- セルペルカチニブなどのRET阻害薬による標的療法。
- ペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法と、場合により化学療法。
- エベロリムスなどのmTOR阻害薬による標的療法。
- 気道を塞いでいる腫瘍には、レーザー治療または内照射療法、あるいはその両方。
- 症状を和らげ生活の質を高める緩和療法としての外照射療法。
- 二次原発腫瘍を切除する手術。
- 脳に転移したがんを切除する手術と、その後の脳全体に対する放射線療法。
- 脳に転移して手術で治療できない腫瘍には、定位手術的照射。
- 新しい薬剤と併用治療の臨床試験への参加。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 進行性IV期非小細胞肺がん、または再燃あるいは再発した非小細胞肺がんの治療
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以下の治療法に関する情報については、治療選択肢の概要のセクションをご覧ください。
進行性IV期非小細胞肺がん、または再燃あるいは再発した非小細胞肺がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 化学療法。
- エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、オシメルチニブなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬による標的療法。
- クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリグチニブなどのALK阻害薬による標的療法。
- ダブラフェニブまたはトラメチニブなどのBRAF阻害薬またはMEK阻害薬による標的療法。
- ALK遺伝子とROS1遺伝子による蛋白の産生を抑止するためのクリゾチニブとエヌトレクチニブによる標的療法。
- ラロトレクチニブまたはエヌトレクチニブなどのNTRK阻害薬による標的療法。
- セルペルカチニブなどのRET阻害薬による標的療法。
- ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法。
- エベロリムスなどのmTOR阻害薬による標的療法。
- 新しい薬剤と併用治療の臨床試験への参加。
NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。
- 非小細胞肺がんについてさらに学ぶために
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米国国立がん研究所が提供している非小細胞肺がんに関する詳しい情報については、以下をご覧ください:
米国国立がん研究所が提供している一般的ながん情報とその他の資源については、以下をご覧ください:
- 本PDQ要約について
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PDQについて
PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。
PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。
本要約の目的
このPDQがん情報要約では、非小細胞肺がんの治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。
査読者および更新情報
PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("原文更新日")は、直近の更新日を表しています。
患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Adult Treatment Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。
臨床試験に関する情報
臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。
NCIのウェブサイトで臨床試験を検索することができます。より詳細な情報については、NCIのコンタクトセンターであるCancer Information Service(CIS)(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。
本要約の使用許可について
PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。
本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:
PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Non-Small Cell Lung Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/lung/patient/non-small-cell-lung-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389355]
本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、3,000以上の科学関連の画像が収載されています。
免責事項
PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。
お問い合わせ
Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。