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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

ほてりおよび寝汗(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-03-16
    翻訳更新日 : 2019-03-11

 このPDQがん情報要約では、ほてりと寝汗に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

 PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

概要

ほてりと寝汗は、がんまたはがん治療の副作用として生じることがあります。

発汗は、皮膚から熱を放散させて体温を下げる機構です。がん患者さんは、発熱腫瘍、がん治療などによって発汗することがあります。

ほてりによって、過度に発汗する場合もあります。ほてりは自然な閉経期に起こるほか、乳がんまたは前立腺がんの治療を受けた患者さんにみられます。

睡眠中の発汗を伴うほてりは、多くの場合、寝汗またはほてりと呼ばれます。

ほてりと寝汗は、多くのがん患者さんの生活の質に影響を及ぼします。

ほてりと寝汗の管理に寄与する治療計画は、患者さんの病態とケアの目標に基づいて決定されます。一部の患者さんでは、症状の軽減と生活の質の改善が、最も重要な目標です。

本要約では、がん患者さんのほてりと寝汗の原因と治療法について説明しています。

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がん患者さんのほてりと寝汗の原因

がん患者さんのほてりと寝汗は、腫瘍やがん治療、その他の病態によって引き起こされることがあります。

発汗は発熱などの病態とともに生じ、気候が暖かい時期や運動中、あるいは閉経期ほてりがみられる人の場合は病気でなくても起こります。発汗には、皮膚からの蒸発により熱を放散して体温を調節する働きがあります。

ほてりと寝汗は、がん患者さんやがん生存者の方によくみられます。女性に多くみられますが、男性にも起こります。

乳がんまたは前立腺がんの治療を受けた患者さんの多くは、ほてりを経験します。

女性の閉経は自然に起こる場合や、手術または化学的な原因により起こる場合があります。がんの女性にみられる化学的な閉経は、特定の化学療法放射線療法、アンドロゲン(男性ホルモンの一種)を使用するホルモン療法によって発生します。

がんの男性にみられる「男性更年期」は、精巣摘出術(片側または両側の精巣を摘出する手術)やゴナドトロピン放出ホルモンまたはエストロゲンを使用するホルモン療法によって発生します。

乳がん前立腺がんの治療は、閉経を引き起こしたり、重度のほてりなど閉経と同様の影響をもたらしたりすることがあります。

特定の種類の薬物は寝汗の原因になります。

以下の薬物は寝汗を引き起こす可能性があります:


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がん患者さんのほてりと寝汗に対する薬物治療

発汗は原因を治療することで制御します。

発熱によって生じる発汗は、発熱の原因を治療して制御します。腫瘍による発汗は、通常は腫瘍の治療によって制御します。

ほてりはエストロゲン補充療法で制御する場合があります。

自然閉経や治療に伴う閉経時のほてりは、エストロゲン補充療法で制御できます。しかし、エストロゲン補充を受けられない女性(乳がんの女性、または過去に乳がんを経験した女性など)も数多く存在します。エストロゲンとプロゲスチンを併用するホルモン補充療法では、乳がんの発生や再発のリスクが高まる可能性があります。

前立腺がんの治療を受けている男性のほてりの治療薬には、エストロゲン、プロゲスチン、抗うつ薬抗痙攣薬などがあります。特定のホルモン(エストロゲンなど)は一部のがんを増殖させる可能性があります。

患者さんによっては、他の薬物が有用です。

乳がんの個人歴を持つ女性のほてりに対するエストロゲン以外の治療の研究では、多くの薬物はエストロゲン補充に匹敵する効果を示さないか、副作用が生じると報告されています。メゲストロール(プロゲステロンに似た薬物)、特定の抗うつ薬、抗痙攣薬、クロニジン高血圧の治療に用いられる薬物)は、ほてりの制御に用いられる非エストロゲン薬です。抗うつ薬の中には、タモキシフェンなど他の薬の作用を変化させうるものがあります。薬物療法によって、以下の副作用が起こる可能性があります:


  • ほてりの治療に短期間使用される抗うつ薬は、吐き気、眠気、ドライマウス、食欲の変化を引き起こすことがあります。

  • ほてりの治療に使用される抗痙攣薬は、眠気、めまい、集中力の欠如を引き起こすことがあります。

  • クロニジンは、ドライマウス、眠気、便秘不眠を引き起こすことがあります。

薬物療法に対する患者さんの反応は様々です。患者さんを担当する医療提供者は、患者さんの使用している医薬品栄養補助食品生薬を全て把握しておくことが重要です。

夜間のほてりや寝汗を緩和し、同時に睡眠を改善できる可能性がある薬剤が、臨床試験で研究されています。

1つの薬剤によって症状が改善されないときは、他の薬剤に切り替えることが有用な場合があります。

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がん患者さんのほてりと寝汗に対する薬物を使用しない治療

患者さんのストレスや不安への対処を支援する治療法が、ほてりの管理に役立つことがあります。

患者さんがストレス不安、否定的な感情に対処する方法を変化させる治療法は、ほてりの管理に役立つことがあります。こうした方法は心理的 介入と呼ばれます。心理的介入により、症状をコントロールしているという感覚が患者さんにもたらされ、症状を管理するための対処技術が養われます。平穏に過ごし、ストレスを管理すると、ほてりの誘因になりうるセロトニンというホルモンのレベルが低下することがあります。

心理的介入は、薬物治療と併用したときに、ほてりや関連する問題に効果を発揮する場合もあります。

催眠によって、ほてりが軽減されることがあります。

催眠は、人の注意が亢進し、集中が深くなり、暗示にかかりやすくなっているトランス様の状態です。催眠状態の人は、特定の思考、感情、感覚に対して、注意を逸らすことなく、明確に集中できます。

催眠はほてりの新しい治療法であり、有効であることが証明されています。催眠では、治療専門家が患者さんを十分にリラックスさせ、冷感に対して集中できるように働きかけます。これにより、緊張が緩和され、体温が調整されるほか、心拍と呼吸数が落ち着くことがあります。

緩和的な処置が、がんに関連する寝汗の軽減に役立つことがあります。

緩和的な処置が、がんに関連する寝汗の治療に用いられることがあります。ほてりに先立って体温が上昇するため、以下の方法で体温を調節すると、症状の制御に役立つ場合があります:


  • ゆったりとした綿製の衣服を着用する。

  • 送風機を使用したり窓を開けたりすることで、空気の流れを保つ。

  • リラクゼーション法を実践し、ゆっくり深く呼吸をする。

生薬と栄養補助食品は慎重に使用するようにします。

ほてりの緩和に関するビタミンEの研究では、ビタミンEの効果はプラセボ(何の効果も及ぼさない丸薬)よりもわずかに高い程度であることが示されています。大豆ブラック・コホッシュについての多くの研究では、ほてりの軽減に関してプラセボ以上に有効ではないことが示されています。大豆にはエストロゲン様の物質が含まれていますが、乳がんの増殖や再発のリスクに対する大豆の影響については明らかにされていません。ほてりの治療に亜麻子粉を使用する研究では、相反する結果が示されています。

他にも、ほてりの治療効果を主張している植物由来または天然の製品がいくつか存在しています。ドンクアイオオアザミアカツメクサ甘草抽出物チェストツリーベリーなどがその一例です。しかし、これらの製品がどのように作用するか、または乳がんのリスクに影響を及ぼすかどうかはほとんど判明していないため、女性はこれらの製品の使用について注意すべきです。

ほてりの治療法として鍼灸が研究されています。

鍼療法パイロットスタディのほか、実際に鍼灸を行った場合と擬似療法(無効な治療)を比較したランダム化臨床試験がほてりの患者を対象に実施されましたが、一貫した結果は得られていません。多くの研究を包括的に検討したレビューでは、鍼灸は乳がんの患者さんのほてりにほとんど、または全く効果がなかったことが示されました。(詳しい情報については、鍼灸に関するPDQの医療専門家向けの要約の血管運動神経症状のセクションをご覧ください。)

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現在実施中の臨床試験

NCIの臨床試験検索から、現在患者さんを受け入れているNCI支援のがん臨床試験を探すことができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。がんの種類、患者さんの年齢、試験が実施される場所から、臨床試験を検索できます。臨床試験についての一般的な情報もご覧いただけます。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、ほてりと寝汗に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Hot Flashes and Night Sweats.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/hot-flashes-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389162]

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

免責事項

PDQ要約の情報は、保険払い戻しに関する決定を行うために使用されるべきではありません。保険の適用範囲についての詳細な情報は、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手可能です。

お問い合わせ

Cancer.govウェブサイトを通じてのお問い合わせやサポートの依頼に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載しています。ウェブサイトのE-mail Usから、Cancer.govに対して質問を送信することもできます。

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