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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

リンパ浮腫(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2015-05-29
    翻訳更新日 : 2017-02-17

リンパ浮腫についての一般的な情報

リンパ浮腫は、リンパ系に損傷や閉塞がある場合に、軟部組織に体液が貯留した状態です。

リンパ浮腫は、リンパ系に損傷や閉塞がある場合に発生します。体液軟部組織に貯留し腫れが生じます。リンパ浮腫はよくみられる症状で、がんおよびその治療が原因となって起こります。リンパ浮腫は通常、腕や脚に発生しますが、体の他の部位にも見られます。リンパ浮腫は長期にわたって身体的、心理的、社会的な問題をもたらすことがあります。

リンパ系はリンパ管、組織、臓器からなるネットワークで、体内のあらゆる場所にリンパ液を運びます。

リンパ浮腫に直接関与するリンパ系には以下のものがあります:


  • リンパ液:透明な液体で、感染腫瘍の増殖を防御する働きのあるリンパ球(白血球)を含みます。リンパ液には、血液の液体成分で血液細胞を運搬する役目を担う血漿も含まれます。

  • リンパ管:全身に張り巡らされた細い管で、リンパ液が体内を流れ血流に戻るのを助けます。

  • リンパ節:リンパ液のろ過を行う豆のような形をした小さな構造物で、感染や疾患に対する防御を担う白血球の貯蔵場所にもなっています。リンパ節は全身に張り巡らされたリンパ管に沿って分布しています。わきの下や骨盤、頸部、腹部鼠径部などでは、リンパ節が集団を形成しています。

脾臓胸腺扁桃骨髄もリンパ系の一部ですが、リンパ浮腫には直接関与していません。

リンパ系:リンパ管と、リンパ節、扁桃、胸腺、脾臓、骨髄を含むリンパ器官を示す。上の拡大図には、リンパ節とそれにつながるリンパ管の内部構造が示されており、さらにリンパ節内外へのリンパ液(透明な液体)の流れが矢印で示されている。もう一方の拡大図には、骨髄と血液細胞が示されている。



リンパ系の解剖図:リンパ管とリンパ節、扁桃、胸腺、脾臓、骨髄を含むリンパ器官を示しています。リンパ液(透明の液体)とリンパ球はリンパ管を介してリンパ節まで移動し、リンパ球はそこで有害物質を破壊します。リンパ液は心臓の近くの大きな静脈から血流に流れ込みます。



リンパ浮腫はリンパ液が正常に体を流れないときに発生します。

リンパ系が正常に機能しているときは、リンパ液は体内を流れ、血流に戻ります。


  • 体液や血漿が毛細血管(最小の血管)から漏れ出して体組織に流れ、これにより細胞は栄養分酸素を取りこむことができます。

  • この体液の一部は血流に戻ります。残りは細いリンパ管を通ってリンパ系に入ります。細いリンパ管にリンパ液が集まり、心臓に向かって流れていきます。リンパ液は次第に太くなる複数のリンパ管の中をゆっくりと流れていき、リンパ節を通過する際にろ過されて老廃物が取り除かれます。

  • リンパ液はさらにリンパ系を流れて頸部付近に集まり、2つの大きなであるリンパ本幹のいずれかに流れ込みます:
    • 右側のリンパ本幹には、右腕と頭部および胸部の右側からのリンパ液が集まります。

    • 左側のリンパ本幹には、両脚、左腕、頭部および胸部の左側からのリンパ液が集まります。


  • リンパ液はこれらのリンパ本幹から鎖骨の下にある静脈に排出され、心臓に運ばれて、そこで血流に戻ります。

リンパ系の一部が損傷したり閉塞したりすると、周囲の組織から体液を排出できなくなります。体液が組織に貯留して腫れが生じます。

リンパ浮腫には2種類あります。

リンパ浮腫は原発性か続発性のいずれかに分けられます:


  • 原発性リンパ浮腫は、リンパ系の発達異常で起こります。症状は、出生時に現れることもあれば晩年に現れることもあります。

  • 続発性リンパ浮腫は、リンパ系の損傷で起こります。リンパ系の損傷や閉塞は、感染、外傷、がん、リンパ節切除、患部への放射線照射、あるいは放射線療法外科手術により生じた瘢痕組織が原因となる場合があります。

本要約は、がんまたはがん治療によって生じた成人の続発性リンパ浮腫について書かれたものです。

リンパ浮腫の徴候として考えられるものには腕または脚の腫れがあります。

ただし、他の病態が原因で同様の症状が生じてくる場合もあります。以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:


  • 腕または脚(指、足指をふくむ)の腫れ。

  • 腕または脚が膨れたり重くなったように感じる。

  • 皮膚が窮屈になったように感じる。

  • 腕または脚関節の運動障害。

  • 皮膚の肥厚(水疱またはいぼのような皮膚変化を伴う場合も伴わない場合もある)。

  • 衣服、靴、ブレスレット、時計、指輪の装着が窮屈になったように感じる。

  • 脚または足指のかゆみ。

  • 脚の熱感。

  • 睡眠障害。

  • 脱毛。

リンパ浮腫は日常の活動、労働や趣味を楽しむ能力に影響を及ぼすこともあります。

これらの症状はゆっくりと時間をかけて発生しますが、腕や脚に感染や外傷がある場合には、より急速に生じることもあります。

がんやその治療はリンパ浮腫のリスク因子です。

リンパ浮腫は、全てのがんの発生後、またはリンパ節を通るリンパ液の流れに影響するリンパ節切除などのがん治療の後に発生する可能性があります。また、治療開始後数日で起こる場合も、何年もしてから起こる場合もあります。リンパ浮腫のほとんどが手術後3年以内に起こります。リンパ浮腫のリスク因子には以下のものがあります:


  • わきの下、鼠径部、骨盤、頸部にあるリンパ節の切除や放射線照射。影響を受けたリンパ節の数に伴ってリンパ浮腫のリスクが高くなります。センチネルリンパ節(腫瘍からのリンパ液の流れを最初に受けるリンパ節)だけの切除ではリスクは少なくて済みます。

  • 過体重または肥満

  • 手術後の皮膚における治癒の遅れ。

  • 左側のリンパ本幹や、頸部、胸部、わきの下、骨盤、腹部のリンパ節およびリンパ管に影響する、またはそれらを圧迫する腫瘍。

  • 鎖骨下のリンパ本幹における手術または放射線療法によって生じる瘢痕組織。

リンパ浮腫は、乳房の全体または一部の切除や腋窩(わきの下)リンパ節の切除を受けた乳がんの患者さんに多く見られます。脚のリンパ浮腫は、子宮がん前立腺がんリンパ腫黒色腫の手術後に起こる可能性があります。外陰がんまたは卵巣がんで起こることもあります。

リンパ浮腫の診断には、リンパ系を調べる検査法が用いられます。

感染や血栓など腫れの原因が他にないか確認することが重要です。リンパ浮腫の診断には以下の検査や手法が用いられます:


  • 身体診察と病歴聴取:しこりなどの通常みられない疾患の徴候に注意しながら、総体的に身体を調べる診察法。患者さんの健康習慣、過去の病歴、治療歴なども調べます。

  • リンパシンチグラフィ:リンパ系を検査して疾患を見つける検査法。リンパ管を流れ、リンパ節に集積する放射性物質をごく少量だけ体内に注入します。スキャナまたはプローブを使用して、この物質の動きを追跡します。リンパシンチグラフィはセンチネルリンパ節(腫瘍からのリンパ液を最初に受けるリンパ節)を見つけたり、リンパ浮腫などの特定の疾患や病態診断したりするために用いられます。

  • MRI(磁気共鳴画像法):磁気、電波、コンピュータを用いて、体内領域の精細な連続画像を作成する検査法。この検査法は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれます。

通常は、腫れた腕や脚を検査し、もう一方の腕や脚と比較します。治療がどのぐらい奏効しているかをみるために、長期にわたって検査が繰り返し行われます。

リンパ浮腫を診断して表現するために、悪性度分類法も用いられます。悪性度1、2、3、4は、腕や脚の患部の大きさと、徴候や症状の重症度がどの程度かを基に判定します。

リンパ浮腫は病期を用いて表現されることがあります。

  • I期:腕や脚が腫れて重く感じます。腫れた部位を指で押すと、痕(くぼみ)が残ります。この段階のリンパ浮腫は治療なしで自然に治ることもあります。

  • II期:腕や脚が腫れて海綿のように感じます。組織の線維化と呼ばれる状態が進行し、腕や脚が硬く感じることがあります。腫れた部位を指で押しても、くぼみは残りません。

  • III期:最も進行した病期です。腕や脚の腫れはかなり大きくなります。III期のリンパ浮腫は乳がんの患者さんにはほとんど見られません。III期はリンパうっ滞性象皮症とも呼ばれます。

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リンパ浮腫の管理

患者さんはいくつかの処置を行うことでリンパ浮腫を予防し、悪化を防ぐことができます。

予防処置をとれば、リンパ浮腫の進行を抑えることができます。医療提供者は、家庭でのリンパ浮腫の予防法や管理法を患者さんに指導します。リンパ浮腫が発生した場合にも、これらの方法で悪化を防止できます。

予防手段には以下のものがあります:
リンパ浮腫の症状に気づいたら、すぐに医療提供者に報告するべきです。

リンパ浮腫によって起こりうる症状については一般的な情報一般的な情報のセクションをご覧ください。これらの症状が起こったときには直ちに医師の診察を受けてください。治療を早く始めると、症状の改善の見込みが高くなります。リンパ浮腫は治療しないと、元の状態に戻らない症状を引き起こすことがあります。

感染を防ぐため皮膚や爪を清潔にケアします。

細菌は、切り傷、掻き傷、虫刺されなどの皮膚の損傷から体内に侵入します。リンパ浮腫によって体組織体液が貯留するため、細菌は容易に増殖し、感染を引き起こします。発赤、痛み、腫れ、熱感、発熱、皮膚の表面下にみられる赤斑などの感染の徴候に注意が必要です。これらの症状が起こったときには直ちに医師の診察を受けてください。次のように、皮膚や爪を十分にケアすることで感染を防止できます:


  • 保湿のためクリームやローションを使用します。

  • 皮膚の傷口や損傷部には抗菌性軟膏を使用します。

  • リンパ浮腫のみられる腕や脚には、どのような種類のものでも針を刺すことを避けます。血液検査も避けなければなりません。

  • 裁縫には指貫を使用します。

  • リンパ浮腫のある手や足で、浴槽の湯や料理の温度を確かめないようにします。患部のある腕または脚では、接触、温度、痛みなど知覚能力が低下している可能性があり、熱すぎて熱傷を負う場合があります。

  • 園芸用手袋や調理用手袋を着用します。

  • 屋外では日焼け止めを使用し、靴を履くようにします。

  • 足指の爪は横にまっすぐ切りましょう。嵌入爪や感染を予防するために、必要であれば足専門医の診察を受けてください。

  • 足を清潔にして乾燥した状態に保ち、綿の靴下を履くようにします。

体液の流れを妨げないようにします。

特に、リンパ浮腫の患部やリンパ浮腫の起こる可能性のある部位で体液が滞らないようにすることが重要です。


  • 座っている時に脚を組まないようにします。

  • 30分ごとに座る姿勢を変えるようにします。

  • 装飾品はきつくないものだけを身につけ、きついベルトやゴムのついていないゆったりした衣服のみを着用するようにします。

  • ハンドバッグは患部のない方の腕を使って持ちます。

  • 患部のある方の腕には血圧測定用のカフを使用しないでください。

  • きつく締めつける部分のある伸縮性の包帯やストッキングは使用しないでください。

患部に血液が滞らないようにします。

  • 可能なときは、リンパ浮腫のみられる腕または脚を心臓の高さよりも上方に保っておきます。

  • 腕や脚を速く回したり、垂らしたりすることは避けてください。これらの動作を行うと、腕や脚の低い部分に血液や体液が貯留してしまいます。

  • 腕や脚をあたため過ぎないようにします。

リンパ浮腫の患者さんでは、慎重に運動量を調節すれば、安全に運動を行えることが研究によって示されています。

リンパ浮腫のリスクがある患者さんでも、運動によってリンパ浮腫が生じる可能性が高まることはありません。昔、このような患者さんは、患部のある腕や脚を動かさないように指導されていました。今では、ゆっくりとした運動で慎重に運動量を調節すれば、安全に運動が行え、リンパ浮腫が生じないようにするためにも有用な可能性があることが研究によって示されています。乳がん生存者では、上半身の運動によってリンパ浮腫が生じるリスクが高まることはないことも研究によって示されています。(詳しい情報については、リンパ浮腫の治療法の下の運動運動のセクションをご覧ください。)

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リンパ浮腫の治療法

治療の目的は、リンパ浮腫が原因となって起こる腫れとその他の障害を管理することです。

リンパ系の損傷は修復することができません。治療によってリンパ浮腫が原因となって起こる腫れを管理し、他の障害が発生したり悪化したりするのを防ぎます。理学(非薬物療法標準治療となります。理学的方法のいくつかを組み合わせて行う場合もあります。これらの治療の目的は、患者さんが日常生活活動を続ける助けとなり、痛みを和らげ、患部のある腕や脚を動かしたり使ったりできる能力を高めることにあります。リンパ浮腫の長期治療には薬剤を用いないのが通常です。

リンパ浮腫の治療法には以下のようなものがあります:
圧迫帯

圧迫帯は布製で、腕または脚の様々な部分に加える圧力を調節して体液が移動するのを助け、貯留しないようにします。患者さんによっては、ピッタリ適合するようにオーダーメイドの圧迫帯が必要な場合もあります。運動時に圧迫帯を巻くと、患部のある腕や脚がさらに腫れるのを防ぐのに役立つ場合があります。高度が高いところではリンパ浮腫が悪化する恐れがあるため、飛行機旅行中に圧迫帯を着用することは重要です。このような圧迫帯は、弾性スリーブ、リンパ浮腫スリーブ、あるいはストッキングとも呼ばれています。

運動

軽い運動と有酸素運動(心臓とをより激しく働かせる運動)はいずれも、リンパ液を患部のある腕や脚から移動させるリンパ管の働きを助け、腫れを軽減させます。


  • 運動を始める前に、認定を受けたリンパ浮腫療法士に相談してください。

     リンパ浮腫がある患者さんまたはリンパ浮腫のリスクがある患者さんは、運動を始める前に必ず認定を受けたリンパ浮腫療法士に相談してください。(米国において認定を受けたリンパ浮腫療法士の一覧は、Lymphology Association of North Americaのホームページをご覧ください。)


  • リンパ浮腫が生じたら、圧迫帯を巻くようにします。

     リンパ浮腫がある患者さんは、患部のある腕や脚、あるいは身体の一部を使う運動をするときは、必ずピッタリ合った圧迫帯を巻いてください。

     リンパ浮腫かどうか、はっきり分からない女性の場合、圧迫帯を巻かない上半身の運動でも、運動を全くしないよりは有用な可能性があります。リンパ浮腫がみられない患者さんは、運動時に圧迫帯を巻く必要はありません。


  • 乳がんの生存者は、必ず軽い上半身運動から始めて、ゆっくり強くしていってください。

      乳がん生存者を対象とした研究がいくつか行われており、リンパ浮腫の女性またはリンパ浮腫のリスクがある女性が上半身の運動を行っても安全なことが示されています。徐々に重さを増やすウェイトリフティングにより、リンパ浮腫が悪化しないようにできる場合があります。運動は必ず非常に軽いレベルから始めて、時間をかけて徐々に増やし、リンパ浮腫療法士による監視も必要です。運動を1週間以上中断した場合は、必ず軽いレベルから再開し、徐々に強くするようにしてください。

     1週間以上経ってから症状(腕や脚の腫れまたは疼きなど)が変化した場合や悪化した場合は、リンパ浮腫療法士に相談してください。ある程度時間が経ってから軽いレベルで運動を再開し、徐々に強くしていく方が、運動を全く止めてしまうより腕や脚の患部にとっては良いようです。


脚にリンパ浮腫があるがん生存者で、ウェイトリフティングが安全かどうか判断するには、さらに研究が必要です。

包帯法

リンパ液が腫れた腕や脚から排出された後、圧迫包帯を使用してその部分に再び体液が貯留するのを防ぐことができます。包帯にはリンパ管がリンパ液を移動させる働きを高める効果もあります。他の治療法でリンパ浮腫の改善が得られなかった場合でも、包帯法が有用となる場合があります。

スキンケア

スキンケアの目的は、感染の予防と皮膚を乾燥とひび割れから守ることです。スキンケアのポイントについてはリンパ浮腫の管理リンパ浮腫の管理のセクションをご覧ください。

併用療法

複合理学療法は、訓練を受けた療法士によって行われるマッサージ、包帯法、運動、スキンケアからなるプログラムです。プログラムでは、最初に療法士が短時間で多くの治療を行い、リンパ浮腫による腕や脚の腫れの大部分を軽減します。その後、患者さんが自宅でこのプログラムを続け、腫れを減らしていきます。複合療法は複合うっ血緩和療法とも呼ばれます。

圧迫装置

圧迫装置とは、腕や脚に巻くスリーブに接続された圧迫ポンプで、間欠的に圧力をかけるものです。このスリーブは、一定の周期で膨張と収縮を繰り返します。このポンプ動作によって、リンパ管内と静脈内での体液の移動が促進され、腕や脚に体液が貯留しなくなります。加圧ポンプは複合療法に組み入れると有効です。外部の高い圧力によって皮膚表面付近のリンパ管が損傷する可能性があるため、加圧ポンプは必ず訓練を受けた医療専門家の監督下で使用するべきです。

体重減少

過体重の患者さんでは、体重を減らすことで、乳がんに伴うリンパ浮腫が改善する場合があります。

レーザー治療

レーザー治療は、乳房切除術後のリンパ浮腫による腫れや皮膚の硬化を軽減するのに有用な場合があります。携帯型の電池式器具を用いて、リンパ浮腫が生じている箇所に低レベルのレーザーを当てます。

薬物療法

リンパ浮腫では通常、薬物による治療は行われません。感染の治療および予防のために抗生物質が使用されることがあります。利尿薬抗凝固薬(血液希釈剤)などの他の種類の薬物は一般に有用ではなく、むしろリンパ浮腫を悪化させる恐れがあります。

手術

がんが原因で生じるリンパ浮腫は、手術で治療することはめったにありません。

マッサージ療法

リンパ浮腫に対するマッサージ療法(用手療法)は、必ず最初にリンパ浮腫を治療する訓練を専門に受けた人に行ってもらってください。この種のマッサージでは、体の軟部組織を優しくこすったり、叩いたり、撫でたりします。非常に軽く触れるだけなので、ほとんどブラシのような感触です。マッサージはリンパ管を機能させ、腫れのみられる患部からリンパ液を移動させるのに役立ちます。このようなマッサージ治療を患者さん自身ができるように、教えてもらうことができます。

マッサージ治療は、正しく行えば、医学的な問題が生じることはありません。以下の箇所では、マッサージを行ってはなりません:


リンパ浮腫が重症で治療を行っても効果が見られない場合には、他の問題が原因かもしれません。

リンパ浮腫には重症で治療を行っても効果が見られないものや、手術後数年経過して発生するものもあります。原因不明の場合には、医師は最初のがんやその治療以外に、別の腫瘍などの原因がないかどうか、解明を試みます。

リンパ管肉腫はまれな疾患ですが、リンパ管に急激に増殖するがんです。乳がんの患者さんの一部において、乳房切除術から平均で10年後に発生する場合があります。リンパ管肉腫は皮膚上に紫色の病変として現れ、平坦ないし隆起した形状をとります。リンパ管肉腫の有無はCTスキャンまたはMRIで調べます。リンパ管肉腫の治癒は困難となるのが通常です。

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現在実施中の臨床試験

NCIのがん臨床試験リストから、現在患者さんを受け入れている米国内のリンパ浮腫についての支持療法と緩和ケアの試験を調べることができます(なお、このサイトは日本語検索に対応しておりません。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができます。

臨床試験に関する一般情報は、NCIのウェブサイトからも入手することができます。

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本要約の変更点(05/29/2015)

PDQ がん情報要約は定期的に見直され、新しい情報が利用可能になり次第更新されます。本セクションでは、上記の日付における本要約の最新変更点を記述しています。

本要約には編集上の変更が行われました。

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本PDQ要約について

PDQについて

PDQ(Physician Data Query:医師データ照会)は、米国国立がん研究所が提供する総括的ながん情報データベースです。PDQデータベースには、がんの予防や発見、遺伝学的情報、治療、支持療法、補完代替医療に関する最新かつ公表済みの情報を要約して収載しています。ほとんどの要約について、2つのバージョンが利用可能です。専門家向けの要約には、詳細な情報が専門用語で記載されています。患者さん向けの要約は、理解しやすい平易な表現を用いて書かれています。いずれの場合も、がんに関する正確かつ最新の情報を提供しています。また、ほとんどの要約はスペイン語版も利用可能です。

PDQはNCIが提供する1つのサービスです。NCIは、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部であり、NIHは連邦政府における生物医学研究の中心機関です。PDQ要約は独立した医学文献のレビューに基づいて作成されたものであり、NCIまたはNIHの方針声明ではありません。

本要約の目的

このPDQがん情報要約では、リンパ浮腫の原因と治療に関する最新の情報を記載しています。患者さんとそのご家族および介護者に情報を提供し、支援することを目的としています。医療に関する決定を行うための正式なガイドラインや推奨を示すものではありません。

査読者および更新情報

PDQがん情報要約は、編集委員会が作成し、最新の情報に基づいて更新しています。編集委員会はがんの治療やがんに関する他の専門知識を有する専門家によって構成されています。要約は定期的に見直され、新しい情報があれば更新されます。各要約の日付("最終更新日")は、直近の更新日を表しています。

患者さん向けの本要約に記載された情報は、専門家向けバージョンより抜粋したものです。専門家向けバージョンは、PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが定期的に見直しを行い、必要に応じて更新しています。

臨床試験に関する情報

臨床試験とは、例えば、ある治療法が他の治療法より優れているかどうかなど、科学的疑問への答えを得るために実施される研究のことです。臨床試験は、過去の研究結果やこれまでに実験室で得られた情報に基づき実施されます。各試験では、がんの患者さんを助けるための新しくかつより良い方法を見つけ出すために、具体的な科学的疑問に答えを出していきます。治療臨床試験では、新しい治療法の影響やその効き目に関する情報を収集します。新しい治療法がすでに使用されている治療法よりも優れていることが臨床試験で示された場合、その新しい治療法が「標準」となる可能性があります。患者さんは臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。臨床試験の中にはまだ治療を始めていない患者さんのみを対象としているものもあります。

PDQには臨床試験のリストが掲載されており、NCIのウェブサイトから臨床試験を検索することができます。また、PDQには、臨床試験に参加している多数のがん専門医のリストも掲載されています。より詳細な情報については、Cancer Information Service(+1-800-4-CANCER [+1-800-422-6237])にお問い合わせください。

本要約の使用許可について

PDQは登録商標です。PDQ文書の内容は本文として自由に使用することができますが、要約全体を示し、かつ定期的に更新を行わなければ、NCIのPDQがん情報要約としては認められません。しかしながら、“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks in the following way:【ここに本要約からの抜粋を記載する】.”のような一文を書くことは許可されます。

本PDQ要約を引用する最善の方法は以下の通りです:

National Cancer Institute: PDQ® Lymphedema. Bethesda, MD: National Cancer Institute. Date last modified <MM/DD/YYYY>. Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/treatment/side-effects/lymphedema/lymphedema-pdq. Accessed <MM/DD/YYYY>.

本要約内の画像は、著者やイラストレーター、出版社より、PDQ要約内での使用に限定して、使用許可を得ています。PDQ要約から、その要約全体を使用せず画像のみを使用したい場合には、画像の所有者から許可を得なければなりません。その許可はNCIより与えることはできません。本要約内の画像の使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともに、Visuals Onlineで入手可能です。Visuals Onlineには、2,000以上の科学関連の画像が収載されています。

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