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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

がん医療における霊性(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-07-12
    翻訳更新日 : 2016-09-23

PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん医療における宗教的および霊的対処について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

霊的関心

概要

米国の調査は一貫して、宗教および霊性が一般集団における大部分の個人にとって重要であるという考えを支持している。成人の90%が神への信仰を表明し、調査された個人の70%あまりは宗教を生活における最も重要な影響の1つと認識していた。 [1] しかし、たとえそれが死後の魂の存続や奇跡の信仰などの広く共有されている信仰であっても、その内容は性別、教育、民族性により異なっている。 [2]

患者と家族の介護者 [3] [4] は両者とも重度の身体疾患に対処する一助として霊性および宗教に依存し、医療スタッフに対し特定の霊的、宗教的な要求および関心への受容ないし対応を求めるのが一般的であることが、調査から示されている。こうした要求は多岐にわたるが、文化的、宗教的伝統によりさまざまな形をとる。 [5] [6] [7]

入院患者の調査では、患者の77%が医師は患者の霊的要求を考慮すべきであると報告し、37%が医師は宗教的信仰にもっと頻繁に対応するよう望んでいることが明らかになった。 [8] ニューヨーク市の外来がん患者を対象にした大規模調査により、わずかに過半数の患者が、医師が患者の宗教的信仰および霊的要求について質問することは適切であると考えたが、実際に質問されたと報告したのは1%のみであった。霊的要求が満たされなかったと報告した患者は、ケアの質を低く格付けし(P < 0.01)、ケアに関する満足度がより低かったと報告した(P < 0.01)。 [7] 前立腺がんの既往のある14人のアフリカ系米国人男性のパイロット研究から、ほとんどが担当医と霊性または宗教的信条について議論していた;彼らは医師と聖職者が互いにコンタクトをとることを望んでいた。 [9]

カトリック教の大司教管区による支援を受けている病院で終末期医療を受けている進行がんの入院患者57人のうち61%が病院付き牧師による面談時に霊的苦痛を報告した。霊的苦痛の強度は抑うつの自己報告と相関したが、身体的苦痛または認識している疾患の重症度とは相関しなかった。 [10] ニューイングランドおよびテキサスの進行がん患者(N = 230)を対象とした別の研究 [11] で、霊的要求が評価された。ほぼ半数(47%)が霊的要求は宗教的社会によって満たされていないと報告し、72%がこうした要求は医療システムではサポートされないと報告した。こうしたサポートが存在する場合、QOLの改善と正の相関を示した。さらに、ホスピス利用の増進、および積極的な終末期治療の低減に及ぼす影響は、霊的問題に医療チームが取り組む方が、牧師のカウンセリングによる影響よりも大きかった。 [12]

本要約は以下の論題についてレビューする:


  • 医療現場の中で、宗教および霊性がいかに実用的に概念化できるか。

  • 患者および家族介護者の両者にとって、疾患の経過全体および終末期の一般的な疾患や特にがんへの適応における宗教的および霊的因子の重要性に対する経験的証拠。 [3]

  • 臨床環境において有用であろう評価アプローチの範囲。

  • 管理および介入のためのさまざまなモデル。

  • 臨床ケアのための資源。

重症患者の宗教的または霊的信仰に注意を向けることは、入院医療の範囲において長年の伝統として行われてきた。そういった問題への対処は、病院付き牧師または患者自身の宗教指導者の領域とみなされている。この状況において、系統的な評価は通常、患者の宗教的好みの同定に限られている;明らかな霊的苦痛の管理に対する責任は、患者を牧師に紹介することに焦点が当てられている。 [13] [14] [15] 医療提供者自身がそうした関心に対処することもあるが、一般に彼らはそうすることについて非常に両価的で [16] 、医師の役割を調べた系統的な調査はかなり少ない。しかしながら、これらの問題は医学的教育において次第に取り組まれつつある。 [17] 霊性におけるすべての医療専門家の役割を認識するため、1件のがんセンターの集学的グループによって4段階のモデルが開発され、これにより、4段階の技能水準に基づき医療専門家が自身の知識、技能および行為に応じた霊的ケアを提供することが可能となった。 [18]

がんなどの重篤な疾患への適応における宗教的および霊的対処の役割に対して関心および認識が高まっている。 [19] [20] [21] [22] [23] 宗教的および霊的関心を総合的QOLの一部として評価・対処する新しい方法が開発および試用段階にある。霊的対処については、がんなどの重篤疾患に対処するための資源を患者自身が利用できるようにする手段として、最も有力なものの1つであるとの可能性を支持するデータが限定的ながら存在する;しかしながら、患者や家族の介護者が宗教的問題や霊的問題に関して専門の医療提供者と議論することを嫌煙する場合もある。 [24] [25] [26] 重篤患者における霊的幸福の増加は、死についての不安の軽減と関連しうるが [27] 、宗教的関与が強くなると、終末期に過激な医療を欲求する可能性もまた高くなることがある。 [28] 患者にとっての宗教および霊性の重要性を考えると、外来患者のケアを含めた医療にそうした要求の系統的評価を組み込むことはきわめて重要である。より良い評価ツールの開発は、宗教的および霊的対処のどういった側面が特定の患者の疾患への適応に重要であるかの判断をより容易にするであろう。

等しく重要なことは、患者に関する宗教および霊性にいつ、どのように対応するか、そして異なる医学的環境においてそうするための最善の手段の検討である。 [29] [30] [31] 霊的関心に取り組むことはしばしば、終末期の問題と考えられるが、そうした関心は診断後いつでも起こりうる。 [24] 診断時にたとえ簡潔であっても、これらの関心の重要性を認めて、それらに対処することは、治療コース全体にわたってより良い適応を促進し、疾患の後期においてより豊かな対話のための状況を生み出すであろう。4人の腫瘍医の1人による経過観察を受診した患者118人を対象とした1件の研究により、がんの対処に関係した霊的関心についての半構造化した質問は患者と腫瘍医に十分に受け入れられ、ケアと幸福の肯定的な認識につながることが示唆されている。 [32]

特に明記していない場合、本要約には成人に関する証拠と治療について記載している。小児に関する証拠と治療は、成人の場合とかなり異なる可能性がある。小児の治療に関する情報が入手できる場合は、小児に関する情報であることを明記した上でその内容を要約する。


参考文献
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  5. Taleghani F, Yekta ZP, Nasrabadi AN: Coping with breast cancer in newly diagnosed Iranian women. J Adv Nurs 54 (3): 265-72; discussion 272-3, 2006.[PUBMED Abstract]

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  12. Balboni TA, Paulk ME, Balboni MJ, et al.: Provision of spiritual care to patients with advanced cancer: associations with medical care and quality of life near death. J Clin Oncol 28 (3): 445-52, 2010.[PUBMED Abstract]

  13. Zabora J, Blanchard CG, Smith ED, et al.: Prevalence of psychological distress among cancer patients across the disease continuum. Journal of Psychosocial Oncology 15 (2): 73-87, 1997.[PUBMED Abstract]

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  15. Handzo G: Where do chaplains fit in the world of cancer care? J Health Care Chaplain 4 (1-2): 29-44, 1992.[PUBMED Abstract]

  16. Kristeller JL, Zumbrun CS, Schilling RF: 'I would if I could': how oncologists and oncology nurses address spiritual distress in cancer patients. Psychooncology 8 (5): 451-8, 1999 Sep-Oct.[PUBMED Abstract]

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  20. Koenig HG: Spirituality in Patient Care: Why, How, When, and What. Philadelphia, Pa: Templeton Foundation Press, 2002.[PUBMED Abstract]

  21. Koenig HG, McCullough ME, Larson DB: Handbook of Religion and Health. New York, NY: Oxford University Press, 2001.[PUBMED Abstract]

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  23. Yanez B, Edmondson D, Stanton AL, et al.: Facets of spirituality as predictors of adjustment to cancer: relative contributions of having faith and finding meaning. J Consult Clin Psychol 77 (4): 730-41, 2009.[PUBMED Abstract]

  24. Murray SA, Kendall M, Boyd K, et al.: Exploring the spiritual needs of people dying of lung cancer or heart failure: a prospective qualitative interview study of patients and their carers. Palliat Med 18 (1): 39-45, 2004.[PUBMED Abstract]

  25. McCullough ME, Hoyt WT, Larson DB, et al.: Religious involvement and mortality: a meta-analytic review. Health Psychol 19 (3): 211-22, 2000.[PUBMED Abstract]

  26. Jenkins RA, Pargament KI: Religion and spirituality as resources for coping with cancer. Journal of Psychosocial Oncology 13 (1/2): 51-74, 1995.[PUBMED Abstract]

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  28. Phelps AC, Maciejewski PK, Nilsson M, et al.: Religious coping and use of intensive life-prolonging care near death in patients with advanced cancer. JAMA 301 (11): 1140-7, 2009.[PUBMED Abstract]

  29. Post SG, Puchalski CM, Larson DB: Physicians and patient spirituality: professional boundaries, competency, and ethics. Ann Intern Med 132 (7): 578-83, 2000.[PUBMED Abstract]

  30. Sloan RP, Bagiella E, VandeCreek L, et al.: Should physicians prescribe religious activities? N Engl J Med 342 (25): 1913-6, 2000.[PUBMED Abstract]

  31. Dagi TF: Prayer, piety and professional propriety: limits on religious expression in hospitals. J Clin Ethics 6 (3): 274-9, 1995 Fall.[PUBMED Abstract]

  32. Kristeller JL, Rhodes M, Cripe LD, et al.: Oncologist Assisted Spiritual Intervention Study (OASIS): patient acceptability and initial evidence of effects. Int J Psychiatry Med 35 (4): 329-47, 2005.[PUBMED Abstract]

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定義

特定の宗教的信仰および実践は、霊的および宗教的経験に対する普遍的能力という概念とは区別すべきである。この区別は個人ベースでは顕著でないか、または重要ではないであろうが、がんに対処する際に評価のさまざまな側面、および異なる信仰、実践および経験の役割を理解するためには概念的に重要である。

この意味において計るべき最も有用な一般的区別は、宗教と霊性の区別である。どちらの用語の定義についても一般的な見解の一致はないが、この区別の有用性については一般的な見解の一致がみられる。多くのレビューが、定義の問題について取り組んでいる。 [1] [2] [3]


  • 宗教は、既存の宗教または宗派と関連する信仰および実践の特異的集合とみなすことができる。

  • 霊性は一般に、宗教的実践への参加や、安らぎやつながりの一般的な感覚の認識の是非には関係なく、物事の経験的側面を包含するものとして認識されている。霊性という概念はすべての文化に見られ、しばしば宗教またはその他の経路を介した究極の意義への探求を包含するものとして考えられている。 [4]

医療においては、霊的または宗教的幸福への関心はときに補完代替医学(CAM)の一側面と捉えられてきたが、このような認識は患者と比べて医療提供者により特徴的なものかもしれない。ある研究では [5] 、CAMサービスの必要性が霊的または宗教的問題への支援にあると答えたものは、患者では実質ゼロであったのに対して医療提供者では約20%であった。

宗教は高度に文化に依存する;霊性は普遍的なヒトの能力と考えられており、通常-必ずではないが-宗教的実践と関連し、宗教的実践において表現される。大部分の個人は自身を霊的かつ宗教的であると考えている。自身を宗教的ではあるが霊的ではないと考える人もいる;一部の無神論者(神の存在を信じない人々)や不可知論者(神が存在することは証明できないと信じる人々)など、自身を霊的であるが宗教的でないと考える人もいる。ニューヨーク市の典型的な外来がん患者369人のサンプル(33%のマイノリティ)において、自身を不可知論者または無神論者と認識しているのはわずか6%であったのに対し、毎週礼拝に参加していたのはわずか29%であった;66%は自身を霊的であるが宗教的ではないと表現した。 [6]

霊的および宗教的経験の種類による個人の特徴付けを目的としたある研究では [7] 、クラスター分析的手法によって以下の3つのグループが同定された:


  1. 宗教的信念、霊的幸福、および生命の意味を高く評価する宗教的な個人。
  2. 霊的幸福を高く評価するが宗教的信念は重要視しない実存主義の個人。
  3. 宗教性、霊性、または生命の意味という感覚に対してほとんど評価しない非霊的な個人。

3番目のグループの個人は疾患について非常に悩み、より不良な適応を経験していた。霊性または宗教的関与の基礎にある次元の数または種類については、現在のところ合意は得られていない。

宗教、霊性、および健康の間の関係について研究と臨床文献の両方の観点から考えて、これらの概念が研究者および著者によってどのように定義され、使用されているかを考慮することが重要である。宗教と健康の関係を示す疫学的文献の多くは、以下のような宗教的関与の定義に基づいている:


  • 宗教グループへの所属。

  • 礼拝の参加頻度。

神への信仰、祈りの頻度、宗教的文書の読書などといった、特定の信仰または宗教的実践を評価することは、これよりいくぶん複雑である。個人がそういった実践ないし神への信仰に従事するのに、必ずしも教会礼拝への参加が必要なわけではない。また用語の使い方にも一定の含意が含まれる。例えば、religiosityという用語には、特定の宗教的実践または信仰への熱情、そしておそらくは必要以上の投資を暗に意味してきた歴史がある。宗教性(religiousness)という用語は、宗教的実践の次元を示すより中立的な手段であろう。

霊性および霊的幸福となると、定義はさらに困難となる。一方では霊性を深遠な神秘的体験に限定する定義もあるが、健康および心理的幸福への影響を考慮したものでは、以下のような理解の容易な感情に焦点を当てた定義がより有用となる:


  • 内面の安らぎ。

  • 実存主義的意味。

  • 自然の中を歩いているときに抱く畏れ。

ここでは考察のために、意味のある霊的経験には、一般的で捉えやすいものから非凡で変化させる傾向のあるものまで連続性があると仮定する。経験の型および強度は両方とも変化しうる。患者に対応する人々によって同定されている霊性の他の側面には以下のものがある:


  • 意義と安らぎの感覚。

  • 信仰の感覚。

  • 他の人あるいは神とのつながりの感覚。

これらの経験の乏しさはより不良な対処と関連しうる。 [3] (詳しい情報については、本要約の適応、QOL、および健康指標に対する宗教および霊性の関係適応、QOL、および健康指標に対する宗教および霊性の関係のセクションを参照のこと)。

急性の霊的苦痛の定義は別個に考慮する必要がある。霊的苦痛は、がんが神による罰を反映しているという信念の結果から生じているか、または「どうして自分なのか」という疑問への没頭に付随していることがある。がん患者もまた、信仰の喪失に苦しむことがある。 [8] 多くの個人が診断後のある時期にそうした考えを有するが、ごく少数の個人はこれらの考えに悩まされるか、または宗教的および霊的苦痛の一般的な測定(Religious Coping Scaleの消極的な宗教的対処[RCOPE-Negative]など)でハイスコアとなる。 [8] 高レベルの霊的苦悩は、健康面および心理社会的転帰を不良にする要因となりうる。 [9] [10] これらの次元を測定するためのツールについては、霊的関心のスクリーニングおよび評価霊的関心のスクリーニングおよび評価のセクションで記述されている。


参考文献
  1. Halstead MT, Mickley JR: Attempting to fathom the unfathomable: descriptive views of spirituality. Semin Oncol Nurs 13 (4): 225-30, 1997.[PUBMED Abstract]

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  6. Astrow AB, Wexler A, Texeira K, et al.: Is failure to meet spiritual needs associated with cancer patients' perceptions of quality of care and their satisfaction with care? J Clin Oncol 25 (36): 5753-7, 2007.[PUBMED Abstract]

  7. Riley BB, Perna R, Tate DG, et al.: Types of spiritual well-being among persons with chronic illness: their relation to various forms of quality of life. Arch Phys Med Rehabil 79 (3): 258-64, 1998.[PUBMED Abstract]

  8. Pargament KI: The Psychology of Religion and Coping: Theory, Research, Practice. New York, NY: Guilford Press, 1997.[PUBMED Abstract]

  9. Pargament KI, Koenig HG, Tarakeshwar N, et al.: Religious struggle as a predictor of mortality among medically ill elderly patients: a 2-year longitudinal study. Arch Intern Med 161 (15): 1881-5, 2001 Aug 13-27.[PUBMED Abstract]

  10. Hills J, Paice JA, Cameron JR, et al.: Spirituality and distress in palliative care consultation. J Palliat Med 8 (4): 782-8, 2005.[PUBMED Abstract]

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適応、QOL、および健康指標に対する宗教および霊性の関係

宗教および霊性は、がん患者における適応の手段および症状の管理と明らかに関連していることが示されている。宗教的および霊的対処は、より軽度の患者の不快感のほか、がん患者 [1] [2] [3] [4] および家族の介護者 [5] における敵意、不安、および社会的孤立の減少と関連している。希望、楽観、悲嘆からの解放、生活満足度など強い宗教的信仰の特定の特性もまた、がんと診断された個人における適応の改善と関連している。 [6] [7]

宗教的対処の種類はQOLに影響しうる。進行がん患者170人を対象とした1件の多施設横断研究において、積極的な宗教的対処方法(慈悲深い宗教的評価など)をより多く使用する場合は、より良い全体的なQOLおよびMcGill QOL質問票(McGill Quality of Life Questionnaire)の実存的および支持領域でのより高いスコアと関連していた。対照的に、消極的な宗教的対処方法(神に対する憤りなど)をより多く使用する場合は、より不良な全体的なQOLおよび実存的および心理的領域でのより低いスコアと関係していた。 [8] [9] 過去5年以内に診断された95人のがん患者の研究から、霊性は、認知される生命の脅威に関係なく低い苦悩および高いQOLと関連し、その主要な寄与因子は宗教的幸福ではなく実存的幸福ということが明らかになった。 [10]

霊的幸福、特に意義と安らぎの感覚 [11] は、高レベルの疼痛や疲労を苦とせずに人生を楽しみ続けるがん患者の能力と有意に関連する。霊的幸福と抑うつには逆向きの関係が認められる。 [12] [13] 内的意義および安らぎの感覚の強さもまた抑うつの程度の低さとの関連が示されてきた一方で、宗教性の程度と抑うつとは無関係であった。 [14]

この関係はがんの設定において特異的に実証されている。ホスピスのがん患者85人を対象とした横断研究において、不安および抑うつ(Hospital Anxiety and Depression Scaleにより測定)と総体的な霊的幸福(Spiritual Well-Being Scaleにより測定)との間に負の相関がみられた(P < 0.0001)。また、実存的幸福のスコアと不安および抑うつのスコアの間にも負の相関がみられたが、宗教的幸福のスコアではみられなかった(P < 0.001)。 [15] このパターンは、貧困層の前立腺がん生存者の大規模研究においても認められ、民族間および転移状態間で一致していた。 [16]

乳がん患者を対象とした1件の大規模研究(N = 418)において、高水準の意義と安らぎが12ヵ月間にわたって抑うつ程度の低下と関連していた一方、宗教性が高く、特に意義/安らぎの感覚が低い場合には抑うつ程度の増加が予測された。 [17] [証拠レベル:II]性別を問わずさまざまながんの生存者を対象とした2件目の研究(N = 165)でも、同様のパターンがみられた。どちらの研究においても、宗教性の水準が高いほど、がんに関連した成長が大きかった。 [17] [証拠レベル:II]ある簡易サンプルにおいて、低所得層の前立腺がん男性222人が、霊性および健康に関連したQOLについて調査された。Functional Assessment of Chronic Illness Therapy-Spiritual Well-Beingの安らぎ/意義および信仰に関するサブスケールによって測定される霊性のスコアが低いと、霊性のスコアが高い場合よりも身体的および精神的健康が有意に不良であった。 [18]

米国の生存者および介護者361組を対象とした1件の大規模国内調査(介護者には配偶者と成人した子供が含まれる)では、生存者および介護者の両方にとってFACIT-Spの安らぎ因子が精神的健康に強く関連していたが、身体的健康には無視できる程度にしか関連していないか、全く関連していなかった。信仰因子(宗教性)は身体的または精神的幸福に関連していなかった。この調査の対象となった生存者の52%は女性であった。 [19] これらの知見は、人々の宗教的関与と各人の霊的幸福の感覚を区別する上でFACIT-Spが意義を持つこと、および霊的幸福の感覚は心理的適応に最も関連しているようであることを支持している。

家族の女性介護者(N = 252;89%が白人)を対象とした別の大規模国内調査研究により、FACIT-Spによって測定されるより高いレベルの霊性ははるかに低い心理的苦痛(Pearlin Stress Scaleによって測定される)と関連していたことが確認された。より高いレベルの霊性を有する参加者では、介護によるストレスが増大する場合でも実際に幸福な状態が改善していた一方で、より低いレベルの霊性を有する参加者は反対のパターンを示し、霊的幸福の強いストレス緩衝効果が示唆された。この知見により、家族の介護者のほか患者の対処能力を評価する際に、低い霊的幸福を同定する必要性が強調されている。 [5]

ある研究者 [20] は、霊的資源を利用したがん生存者たちが、がんのトラウマに対処する能力において大きな個人的成長を報告したことを明らかにした。このことは教育水準が高くほとんどが既婚またはパートナーと同居中の早期乳がん白人女性100人(同研究のためにインターネットで募集)を対象とした調査研究においても示されたが、この調査では霊的側面での苦闘の高まりは情動的適応の不良とは関係していたが、がんに関するQOLの他の側面とは関係性は示されなかった。 [21] 乳がんの女性を対象にパス解析技術を用いた研究では、診断前および手術後6ヵ月時点の両方での神に対する否定的なイメージは情動的苦痛およびより低い社会的幸福の最も強い予測因子であったことが明らかにされた。 [22] しかしながら、経時的解析では、ベースラインの神に対する肯定的または否定的態度が6ヵ月または12ヵ月経過時に持続的に影響しているかどうかを明らかにできなかった。これらの所見に対して考えられる1つの説明は、こうした態度は不確定な期間(例、診断前)はいくぶん不安定であるということである。 [22]

祈りへの従事はしばしば、適応の手段として引き合いに出される [23] が、定性研究 [24] は、面接を受けたがん患者の約3分の1について、有効に祈りを捧げる方法についての懸念または祈りの有効性について生じる問題もまた内面の衝突および軽度の苦痛を引き起こすことを明らかにした。緩和ケア病棟の入院患者123人により報告された霊的な癒しと祈りの利用についての研究では、26.8%が治癒目的での霊的な癒しと祈りの使用を報告し、35%が生存の改善のため、36.6%が症状の改善のために使用したことを報告している(注:これらの割合には重複が含まれる)。FACIT-Spに基づく信仰レベルの高さは、補完代替医療の手法全般を使用する機会の多さと将来的な使用に対する関心の高さに関連していたが、意義/安らぎのレベルはそれらに関連していなかった。この研究では、補完療法の一般的な使用についても調査を行った。 [25] がん患者によって祈りがどのように利用され、臨床家は祈りをどのように概念化できるかについての有用な議論が出版されている。 [26]

乳がん生存者161人の定性的研究において民族性および霊性が調査された。 [27] ほとんどの参加者(83%)が個別面談で、霊性の側面について話した。より高い比率のアフリカ系米国人、ラテン系の人、およびキリスト教徒と確認された人が、他のグループと比べて神によって慰められていると感じていた。以下の7つのテーマが同定された:


  • 「安心させる存在としての神」。

  • 「いぶかるような信仰」。

  • 「神への怒り」。

  • 「自身の霊的変換および他者への態度/自身の死の認識」。

  • 「信仰の質的変化」。

  • 「受容」。

  • 「自分だけで行う祈り」。

積極的な宗教的関与および霊性は、あるメタアナリシスで示されているように健康的な行動および社会的支持といったその他の変数について研究者による調整後でも、より良い健康およびより長い寿命と関連しているようである。 [28] この研究のほとんどががん患者に特異的ではないが、(予想される予後が1年未満の)進行がん患者230人を対象とした1件の研究では、宗教性および霊的支持とのさまざまな関連が調査された。 [29] 研究参加者のほとんど(88%)が宗教を非常に重要(68%)またはある程度重要(20%)と考えていた;白人よりもアフリカ系米国人およびヒスパニック系米国人の方が、宗教が非常に重要であると報告した。宗教的社会または医療システムによる霊的支持は患者のより良いQOLと関連していた。年齢は宗教性と関連していなかった。研究への参加の募集時に、自己報告式の苦痛の増加は宗教性の増加と関連し、診断前(47%)よりも診断後(61%)に、個人的な宗教的または霊的活動をより多くの患者が実施していた。霊的支持については、38%の患者が、霊的要求は宗教的社会によって・大いにまたは完全に・支持されていると報告した一方で、47%の患者が宗教的社会からの支持は・少ししかまたは全く・受けていないと報告した。最後に宗教性は、・延命のために講じられるすべての措置を望む・という終末期治療の希望とも関連していた。

別の研究 [30] は、霊性の重要性をより高く報告した転移乳がん女性においてヘルパーおよび細胞毒性T細胞数がより高かったことを明らかにした。別の研究者 [31] は、宗教儀式への参加がより良好な免疫システム機能と関連することを明らかにした。別の研究 [32] [33] は、宗教的苦痛が健康状態にマイナスに影響することを示唆している。しかしながら、これらの関連は弱く一貫性のないものとして批評されている。 [34]

がん患者に関する複数のランダム化試験がグループによる支持介入が生存に有益であることを示唆している。 [35] [36] しかしながら、これらの研究は注意して解釈しなければならない。第一に、治療は一般的な精神療法の問題や心理社会的支持に焦点が当てられていた。これらの状況では霊性に関連する問題が明らかに生じたが、それらはこのグループの焦点ではなかった。第二に、これらの効果を再現することは困難である。 [37]


参考文献
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霊的関心のスクリーニングおよび評価

患者の霊的関心を起こすことは、以下のアプローチによって達成できる: [1] [2]


  • 患者が霊的関心を持ち出すまで待つ。

  • 患者に紙と鉛筆による評価を完了するように求める。

  • 議論に対し医師がオープンであることを示すことにより、霊的調査または評価を医師が行うようにする。

これらのアプローチはさまざまな潜在的価値と限界を有する。患者によっては霊的問題を持ち出すことに抵抗を示し、医療提供者側がこの話題を切り出すまで待つ方を望むと述べるものもある。標準化された評価ツールはさまざまで、一般には研究用に設計されたものであり、医療提供者によって適切に再検討および利用される必要がある。医師は、そういった問題の対処に特化した訓練を受けていない限り、患者に霊的関心を提起することを不快に感じることがある。 [3] しかしながら、次第に多くのモデルが医師の使用および訓練のために利用可能になりつつある。 [4]

宗教的および霊的評価の実施に有用な評価ツールは数多く存在する。表1表1では、評価ツールの選択を要約している。評価ツールを選択する前に、以下のいくつかの因子を考慮すべきである:


  • 評価の焦点(宗教的実践または霊的幸福/苦痛)。

  • 評価の目的(例えば、苦痛に対するスクリーニングとケアの一部としてのすべての患者の評価)。

  • 評価の様式(面接または質問票)。

  • 評価の実行性(スタッフおよび患者への負担)。

評価と介入の間の境界線はあいまいであり、宗教的または霊的対処といった領域に関して単に質問することは、さらなる探究とこの経験の重要性確認の糸口として患者によって経験されることがある。証拠は、そうした質問がごく少数の患者の集団によってのみ押しつけがましいものおよび悩ませるものとして経験されるということを示唆している。重要な評価アプローチは以下に簡単にレビューされている;関連する特徴は表1表1にまとめられている。

標準化された評価方法

数種の紙と鉛筆手法のうちの1つを、宗教的および霊的要求を評価するために患者に与えることができる。これらの方法は自己管理されるという利点を有する;しかしながら、それらは大部分が研究用の手法としてデザインされたもので、臨床評価目的でのそれらの役割は十分に理解されていない。これらの方法は、探究の領域を広げる際に、そして、宗教との関わりまたは霊的幸福(または霊的苦痛)の基礎レベルを確認するのに有用であろう。ほとんどの手法は神への信仰を前提としているため、無神論者または不可知論者でありながら霊的指向性のあるものには不適切に思われる。すべての方法はさまざまな程度の精神測定学的開発を経ており、大部分が宗教または霊性、健康指標、および疾患への適応の関係に関する研究において用いられている。


  • Duke宗教指数(DRI)

    。DRI(またはDUREL) [5] [証拠レベル:II] [6] は簡潔であり(5つの項目)、がん患者において調査される合理的な精神測定学的特性 [5] を有する。それは、霊性よりも宗教的関与の指標として最適に用いられ、心理的幸福と低度または中等度の相関を示す。

  • 信仰一覧表システム(SBI-15R)

    。The SBI-15R [7] [証拠レベル:II]は、綿密な精神測定学的開発を経ており、以下の2つの領域を測定する:
    1. 宗教的および霊的な信仰および実践の存在と重要性。
    2. 宗教的/霊的社会からの支持の価値。

    問題は十分に言葉で表され、さらなる議論と探究のための、よい手始めとなりうる。


  • 宗教的対処の簡潔な測定(RCOPE)

    。Brief RCOPE [8] [証拠レベル:II]は、2つの次元をもつ:積極的な宗教的対処と消極的な宗教的対処であり、それぞれ5つの項目がある。2番目の因子は、霊的適応の非常に重要な側面、すなわち衝突、自責、または神への怒りがどの程度個人に存在しているかについて、一意的に同定するようである。より長い尺度は追加的な次元を有しており、宗教的/霊的関心のより包括的な評価に適しているであろう。精神測定学的開発は高度である。消極的な宗教的対処の高スコアは、一般的にはみられないもの、疾患への不適応を特に強く予測するものである。 [9]

  • 慢性疾患治療の機能評価-霊的幸福(FACIT-Sp)

    。 [10] FACIT-Spは、広く使用されているがん治療の機能評価(FACT)QOLに関する一連の質問の一部である。 [11] それは、民族学的に多様ながん集団に基づいて開発されており、12の項目と2つの因子(信仰、および意義と安らぎ)を含み、良好ないしきわめて優れた精神測定学的特性を有する;内的意義および内的安らぎは2つの別個の因子として同定されることを示唆する証拠があるが、そうした識別は幸福の他の指標との関連を実質的に改善しないようである。 [12] この尺度の1つの特徴は、項目の表現が神への信仰を想定していないことである。そのため、それは無神論者または不可知論者によって無理なく完了可能であるが、従来の宗教性の次元(信仰因子)および霊的次元(意義と安らぎ因子)の両方を引き出す。

    意義と安らぎの因子については、この尺度で高スコアとなる個人が疲労や疼痛を苦にせずおおむね生活を楽しんでいると報告する割合がはるかに高く、死期が近くなった時点でも早い死の到来を望む割合が低く [13] [証拠レベル:II]、さらに良好な疾患特異的および心理社会的適応を報告し [14] [15] [16] 、無力感/絶望感を報告する程度がはるかに低い [16] という点で、心理的適応と特に強い関連性を有することが示されている。こうした関連は適応の他の指標とは無関係であることが示されており、標準的なQOLの評価にこの次元の査定を追加する価値が支持されている。 [10] [16] 進行がん患者のあるサンプルにおいてFACIT-Spでの総スコアは時間の経過(27週間)とともに、霊的幸福を示す10ポイントの線形アナログスケール(linear analogue scale)と強く相関した。線形スケール(Spiritual Well-Being Linear Analogue Self-Assessment [SWB LASA])では、「自身の全般的な霊的幸福をどのように表しますか」と表現され、格付けの範囲は0(最悪)~10(最良)までであった。 [17]


  • 霊的変換スケール(STS)

    。 [18] STSは、がん診断後の霊的な関わりにおける変化の40項目の測定法である。STSには以下の2つのサブスケールがある:
    1. 霊的成長(Spiritual Growth:SG):SG因子は積極的な宗教的対処(RCOPE-Positive)(r = 0.71)および心的外傷後の成長一覧表(r = 0.68)と強く相関している。
    2. 霊的低下(Spiritual Decline:SD):SD因子は消極的な宗教的対処(RCOPE-Negative)(r = 0.56)およびCenter for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)(r = 0.40)と相関した。

    複数の解析により、STSはうつ病、適応の他の測定法(Positive and Negative Affect Schedule [PANAS])、およびDaily Spiritual Experience Scaleに関する追加的な分散を説明することが示されている。 [18] 新たな診断よりもむしろ再発を認める個人がそうであるのと同様に、より進行した病期のがん(III期またはIV期)の個人は、SGでより高いスコアとなった。SDのスコアがより高い個人は、高校を卒業していないことが多かった。このスケールの独特な強みは、診断されてからの霊性の変化に特異的なことである;項目の表現もまた宗教的というよりは霊的なものと認識する個人には一般的に適切であるという点である。このスケールの限界は、現在のところほとんどが忠実なキリスト教徒を対象に開発されており、サンプルにマイノリティがほとんど含まれていない点である。


面接ツール

以下は、半構造化面接のツールであり、宗教的信仰および霊的経験または問題の、医師または他の医療提供者による探究を容易にするようにデザインされている。ツールは霊的経歴のアプローチ(spiritual history approach)を取り入れており、患者を対話に参加させる、関心をもちそうな領域をみつけ、および牧師または支持グループへの紹介といったさらなる資源の提供の必要性を示すという利点を有する。しかしながら、これらのアプローチは、宗教性のあるいは霊的幸福または苦痛の経験的尺度または指標として系統的に研究されていない。


  • 霊的経歴(SPIRITual History)

    。 [19] SPIRITは、このツールによって探究される以下の6つの領域に対する頭字語である:
    1. S、霊的信仰システム(spiritual belief system)。
    2. P、個人的霊性(personal spirituality)。
    3. I、霊的社会との一体化(integration with a spiritual community)。
    4. R、儀式化された実践および制限(ritualized practices and restrictions)。
    5. I、医療に対する含意(implications for medical care)。
    6. T、終末期のイベント計画(terminal events planning)。

    6つの領域は22の項目をカバーしており、これらの項目はわずか10分か15分で調査されるか、数回のアポイントにわたる一般的な面接に組み込むことができる。このツールの強さは、重篤な疾患を管理すること、および患者の宗教的信仰が患者の医療決定にどのように影響するかについての理解を得ることに関連する質問の数である。


  • 信仰、重要性/影響、社会、および取り組み(FICA)霊的経歴

    。 [1] [20] FICAは、信仰(Faith)、重要性/影響(Importance/Influence)、社会(Community)、および取り組み(Address)に対する頭字語であり、各領域を探究するための一連の質問を備えている(例えば、あなたの信仰は何ですか、それはどの程度重要ですか、あなたは宗教社会の一部ですか、医療提供者である私が、あなたのケアにおいてこれらの問題にどのように取り組むことを希望しますか)。プライマリケアの設定における使用のための霊的経歴ツールとして開発されたが、それはすべての患者集団に適しているであろう。アプローチの相対的な単純さは、多くの医学校による採用につながっている。

表1.がん患者における宗教および霊性の評価

ツール 開発者 目的/焦点/下位スケール(数) がん患者への特異度 精神測定学的開発レベル 長さ/その他の特徴/注釈
信仰一覧表システム(SBI-15R) [7] Holland et al. 2つの因子:信仰/経験(10);宗教社会の支持(5) 特異的 高度 4項目が神への信仰を想定している
DRI/DUREL [5] Sherman et al. 宗教的関与(5) 特異的 中等度  
FACIT-Sp [10] [15] Brady et al.;Peterman 2つの因子:意義安らぎ(8)、信仰(4) 特異的 高度。限定的なクロス確認データ。 FACT-G QOLに関する一連の一部 [11]
Brief RCOPE [8] Pargament et al. 2つの因子:積極的対処; 消極的対処/苦痛 非特異的 非常に高度  
Fetzer多次元スケール [21] Fetzer 複数の下位スケール 非特異的 高度。開発段階にある  
FICA:霊的経歴 [1] Puchalski et al. 簡潔な霊的経歴 非特異的 低度 MDの面接評価
SPIRIT [19] Maugans ガイド付きの質問を用いる詳細な面接 非特異的 低度 MDの面接評価
霊的変換スケール(STS) [18] Cole et al. 2つの因子:霊的成長および霊的低下 特異的 中等度 40項目。がん診断後、霊的経験の変化の評価は独特である。



参考文献
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介入の形式

患者の霊的関心への対応には、さまざまな形式の介入や支援が考慮される。具体的には以下のようなものがある:


  • 通常の医療の範囲内での、医師またはその他の医療提供者による探究。

  • 患者自身の聖職者からの支援を求めることの推奨。

  • 病院付き牧師への正式な紹介。

  • 宗教的または信仰に基づくセラピストへの紹介。

  • 霊的問題に対応してくれることが知られている支持グループへの紹介。

ある2つの調査研究 [1] [2] によって、患者が霊的問題への対応を望む程度を医師は一貫して過小に見積もっていることが明らかにされた。あるイスラエルの研究では、仮想上の10分の受診時間のうち、患者はその18%をそのような問題への対応に使いたいとの希望を表明したのに対し、患者の主治医はそのような目的に使うべき時間は12%と見積もっていた。 [2] この研究ではさらに、医療提供者は霊的関心事の対応に関する患者の希望が補完代替医療(CAM)的治療法への幅広い興味と関係していると認識していた一方で、患者はCAMに関する問題と霊的/宗教的関心事は全く別個のものと考えていたことも明らかになった。

医師

医師と終末期医療専門医からなる専門調査委員会 [3] によって、患者の霊的関心に応じたいと望む医師のために、以下のようないくつかのガイドラインが提案された:


  • 患者の考えを尊重し、患者の指揮に従う。

  • 患者の関心に注意深く耳を傾け、それを認めることで関係を築くが、神学的議論または特殊な宗教儀式への従事は避ける。

  • 自身の宗教的信仰および実践に関係して自身の完全性を維持する。

  • ケアおよび医学的決定に対する共通した目標を確認する。

  • 牧師への紹介または患者自身の聖職者との連絡を勧めるなど、患者支援のためのその他の資源を動員する。

医師または他の医療専門家による宗教的または霊的関心についての質問は、患者にとって貴重で歓迎される支えとなりうる。がん患者のほとんどは、診断や予後に関係なくそうした関心についての会話を喜んで受け入れるようである。1件の外来がん患者を対象にした大規模調査により、20~35%が以下の願望を表明した: [4] [証拠レベル:II]


  • 宗教的および霊的資源への願望。

  • 人生の意味を発見する会話を通じた助け。

  • 希望を見つける助け。

  • 死や死にゆく過程についての会話。

  • 心の安らぎを見出すこと。

初回診断と治療の問題について患者と話し合い、検討した後(診断からおよそ1ヵ月、またはそれ以上経過してから)、そうした質問を開始するのが適切である。進行がん患者を対象とした大規模な多施設縦断研究 [5] [証拠レベル:II]によると、医療スタッフが霊的関心に取り組んだかどうかでは相当なばらつきが認められ、この施設の3ヵ所で少なくとも何らかのサポートを報告したのは約50%であり、対照的に、他の4ヵ所の施設で何らかのサポートを報告したのは15%未満であった。

医療チームから受けるサポートにより、以下のことが予想された:


  • 生活の質が良好になること。

  • 終末期にホスピスケアを受ける確率が高くなること。

  • 宗教的対処のレベルが高い患者では積極的なケアが少なくなること。

1件の試験 [6] [証拠レベル:II]では、115人のさまざまな診断を受けた患者標本(積極的治療を受けていたのは54%)を対象に、霊的および宗教的関心事に関する5分間の半構造化面接が評価された。医師4人の個人的な宗教的背景はキリスト教徒が2人、ヒンズー教徒1人、シーク教徒1人であった;患者側は81%がキリスト教徒であった。上述上述の経歴志向的な面接法とは異なり、この問診法は、医師を患者の個人的関心事の同定および対応を促進するための重要な動力源と捉えるような、患者中心の簡便なカウンセリングアプローチによって報告された(内容については、下記の表2表2を参照のこと)。3週間後、介入群ではより大きな抑うつの軽減とQOLの改善を示し、さらに医師との関係をより良好と評価した。QOLへの効果については、その他の変数の変化について統計学的調整を行った後でも依然として認められた。さらに大きな改善が、霊的幸福(ベースライン時にFunctional Assessment of Chronic Illness Therapy- Spiritual Well-Being [FACIT-Sp]によって測定された)で低いスコアを示した患者において認められた。受容性は高く、医師は診察の85%で介入の提供が「心地よかった」と自己評価した。さらに患者の76%が、この問診を「ある程度」有用から「非常に」有用と特徴付けた。患者による評価に関して、医師が患者に対するこの問診の有用性を過小評価する可能性は、過大評価する可能性の2倍であった。

表2の声明は、医療提供者と患者間で会話を開始するのに用いられることがある。

表2.成人がん患者における霊的/宗教的関心事の探索a

医療提供者の質問 患者への質問
a出典:Kristeller et al. [6]
中立的な質問方法で問題を導入する。 「重い病気に対応しようとする場合には、対処を容易にするために宗教的信条や霊的信条に頼ろうとする人は多いのですよ。このことは私にとっても、あなたがこの事をどう感じているかを知るのに役立つのです。」
患者の最初の反応に応じて質問を調整しながら、問診を続ける。 肯定的-積極的信仰の反応:「あなたが病気になってから最も役立つと感じた信条は何でしたか?」
中立的-受容的反応:「あなたは自分を楽にするために、ご自身の信仰や霊的信条にどれくらい頼れますか?」
霊的苦悩の反応(例、怒りまたは罪悪感の表出):「そのように感じられる人も多いんですよ…その気持ちを受け入れられるようになるには何が役立つでしょうね?」
防衛的/拒絶的反応:「この話題を取り上げたのがご不快なようですね。私が本当に知りたいのはあなたがどのように問題に対処しているかなのですが…話していただけませんか?」
望ましい場合は探索を続ける。 「わかりますよ。(…について)もう少し話していただけませんか?」
意義と安らぎの発見方法について質問する。 「意義や安らぎといった感覚を見出すのに何か特別な方法をお持ちではないですか?」
資源について質問する。 「この心配事についてお話しできるお相手はいらっしゃいますか?」
適当かつ可能な場合は支援を申し出る。 「お話し相手を紹介できると思うのですが。/お勧めできる支援団体があるのですが。/待合室にいい読み物がありますよ。」
問診を終了に導く。 「今日はお話しくださりありがとうございました。よければまたお願いできませんか?」


共通した関心は、患者とともに祈りを捧げることを申し出るかどうかである。1件の研究 [7] では、調査を受けた患者の半数以上が医師にも一緒に祈りを捧げてほしいと答えたが、大部分はこうした好みを表さなかった。がん患者のある定性的研究 [8] は、医師が宗教について議論するにはあまりに忙しい、興味がない、または禁止されてさえいるのではないかと患者が心配していることを明らかにした。同時に、彼らは概して、医師が霊的および宗教的問題の価値を認めるように望んでいた。医師は「祈りを捧げると楽になりますか?」と尋ねることで祈りの問題を提起できるという示唆がなされた。

患者70人と腫瘍医206人、腫瘍専門看護師115人を対象とした研究で、すべての参加者に対し面談を行い、進行がんの状況で患者と医療専門家が祈ることの妥当性について意見を求めた。その結果、進行がん患者の71%、腫瘍専門看護師の83%、医師の65%が、患者から祈りを捧げてほしいという要望を受けたときに医師が患者とともに祈ることは場合により適切であると回答した。同様に患者の64%、看護師の76%、医師の59%は、宗教的/霊的な医療従事者が患者のために祈ることは適切だと考えていることを報告した。 [9]

最も重要なガイドラインは、患者の好みに対して敏感であり続けることである;そのため、患者が一般にどのように対処しているかを探究する状況において患者に信仰または霊的関心について尋ねることは、これらの問題を探究する場合に実行可能な主要アプローチである。

病院付き牧師

患者に支援を提供する伝統的な手段は、一般に病院付き牧師の奉仕による。 [10] [11] 病院付き牧師は、霊的および宗教的問題に取り組む際に重要な役割を演じることができる;牧師は、患者に対してそうした問題が生じた場合に広範な問題に対処し、患者が有しうる多様な信仰および関心に敏感であるようにトレーニングされている。 [12] 牧師は一般に、大きな医療センターにおいて利用可能であるが、より小さい病院では安定して利用できないことがある。牧師は、現在大部分のケアがなされる外来患者の設定ではめったに利用できない(特にがん治療経過の初期において、これらの問題が最初に起こりうる場合)。進行がん患者を対象とした大規模な多施設縦断研究 [5] [証拠レベル:II]によると、ホスピスケア訪問を受けていると報告した患者はわずか46%であった。これらの訪問は、終末期ケア(ホスピスまたは積極的手段のいずれか)を受けることとは無関係であったが、死亡に至るまでの良好な生活の質と関連していた。

外来患者の設定における別の伝統的アプローチは、霊的/宗教的資源を待合室で利用できるようにすることである。これは相対的に行いやすく、多くのそのような資源が存在する;しかしながら、患者のすべての信仰背景をカバーする幅広い情報が非常に望ましい(追加情報追加情報のセクションを参照のこと)。

支持グループ

支持グループは、患者が霊的関心を探究できる設定を提供するであろう。霊的関心が患者にとって重要である場合、医療提供者は地域で利用できるグループがこれらの問題に取り組んでいるか確認する必要があるであろう。霊的関心の支援について支持グループの特異的な効果に関する出版されたデータは比較的少ないが、これは一部には、適応のこの側面が系統的に評価されていないからである。あるランダム化試験 [13] [証拠レベル:I]が、乳がんの女性に対する標準グループの支持プログラムと精神-肉体-霊グループの効果を比較した。どちらのグループも霊的幸福における改善を示したが、霊的一体化の領域においては精神-肉体-霊グループに対して、より鑑別的効果が評価できるほどに認められた。

オンラインの支援グループに参加していた低所得層の乳がん女性97人の研究では、さまざまな心理社会的結果と宗教表現(信仰祈り神聖なもの、あるいは精神などの宗教用語の使用により示される)との関係が調査された。結果から、他の人へのオンラインでの書き込みでより深い宗教性を伝えた女性は否定的感情のレベルが低く、健康に関して認識している自己効力のレベルが高く、機能上の健康感が高いことが示された。 [14] アフリカ系米国人の女性乳がん患者を対象とした月1回の霊性に関する支援グループプログラムを用いた1件の探索的研究では、最初から生活内での宗教性および霊性への関わりが強い標本ほど満足度が高くなることが示唆された。 [15] [証拠レベル:III]

ある著者 [16] は、大きなグループの形式を使用し、グループでの探究、瞑想、祈り、およびその他の霊性に指向した実践を併用しながら基本的な対処の問題および霊的関心と癒しに取り組む補助的心理療法の十分に開発されたモデルを提示している。この種の介入に登録された患者22人の注意深く実施された比較的長期にわたる定性的研究 [17] において、研究者は、提示された問題に対してより心理的に従事した患者がより長期間生存する傾向があったことを明らかにした。他のアプローチは存在するが、依然として系統的に評価する必要があり [18] [19] 、宗教的および霊的問題に明示的に取り組んでいないか、または霊的幸福に対する介入の効果を評価できていない。 [20]

その他

その他の治療法もまた、霊的成長および心的外傷後の便益の発見に役立つ。例えば、さまざまな診断を受けた外来がん患者を対象に心配りに基づいた(mindfulness-based)ストレスの低下プログラム(n = 60)と癒しのアートプログラム(n = 44)を比較する非ランダム化比較において、両プログラムは参加者のポジティブな成長を有意に促進させたが、霊性、ストレス、抑うつ、および怒りの改善は心配りに基づいたストレスの低下プログラムを受けた群で有意に大きかった。 [21] [証拠レベル:II]


参考文献
  1. Kristeller JL, Zumbrun CS, Schilling RF: 'I would if I could': how oncologists and oncology nurses address spiritual distress in cancer patients. Psychooncology 8 (5): 451-8, 1999 Sep-Oct.[PUBMED Abstract]

  2. Ben-Arye E, Bar-Sela G, Frenkel M, et al.: Is a biopsychosocial-spiritual approach relevant to cancer treatment? A study of patients and oncology staff members on issues of complementary medicine and spirituality. Support Care Cancer 14 (2): 147-52, 2006.[PUBMED Abstract]

  3. Lo B, Ruston D, Kates LW, et al.: Discussing religious and spiritual issues at the end of life: a practical guide for physicians. JAMA 287 (6): 749-54, 2002.[PUBMED Abstract]

  4. Astrow AB, Wexler A, Texeira K, et al.: Is failure to meet spiritual needs associated with cancer patients' perceptions of quality of care and their satisfaction with care? J Clin Oncol 25 (36): 5753-7, 2007.[PUBMED Abstract]

  5. Balboni TA, Paulk ME, Balboni MJ, et al.: Provision of spiritual care to patients with advanced cancer: associations with medical care and quality of life near death. J Clin Oncol 28 (3): 445-52, 2010.[PUBMED Abstract]

  6. Kristeller JL, Rhodes M, Cripe LD, et al.: Oncologist Assisted Spiritual Intervention Study (OASIS): patient acceptability and initial evidence of effects. Int J Psychiatry Med 35 (4): 329-47, 2005.[PUBMED Abstract]

  7. King DE, Bushwick B: Beliefs and attitudes of hospital inpatients about faith healing and prayer. J Fam Pract 39 (4): 349-52, 1994.[PUBMED Abstract]

  8. Hebert RS, Jenckes MW, Ford DE, et al.: Patient perspectives on spirituality and the patient-physician relationship. J Gen Intern Med 16 (10): 685-92, 2001.[PUBMED Abstract]

  9. Balboni MJ, Babar A, Dillinger J, et al.: "It depends": viewpoints of patients, physicians, and nurses on patient-practitioner prayer in the setting of advanced cancer. J Pain Symptom Manage 41 (5): 836-47, 2011.[PUBMED Abstract]

  10. Fitchett G, Meyer PM, Burton LA: Spiritual care in the hospital: who requests it? Who needs it? J Pastoral Care 54 (2): 173-86, 2000 Summer.[PUBMED Abstract]

  11. Handzo G: Where do chaplains fit in the world of cancer care? J Health Care Chaplain 4 (1-2): 29-44, 1992.[PUBMED Abstract]

  12. Association of Professional Chaplains, Association for Clinical Pastoral Education, Canadian Association for Pastoral Practice and Education, et al.: A White Paper. Professional chaplaincy: its role and importance in healthcare. J Pastoral Care 55 (1): 81-97, 2001 Spring.[PUBMED Abstract]

  13. Targ EF, Levine EG: The efficacy of a mind-body-spirit group for women with breast cancer: a randomized controlled trial. Gen Hosp Psychiatry 24 (4): 238-48, 2002 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

  14. Shaw B, Han JY, Kim E, et al.: Effects of prayer and religious expression within computer support groups on women with breast cancer. Psychooncology 16 (7): 676-87, 2007.[PUBMED Abstract]

  15. Antle B, Collins WL: The impact of a spirituality-based support group on self-efficacy and well-being of African American breast cancer survivors: a mixed methods design. Social Work and Christianity 36 (3): 286-300, 2009.[PUBMED Abstract]

  16. Cunningham AJ: Group psychological therapy: an integral part of care for cancer patients. Integrative Cancer Therapies 1(1): 67-75, 2002.[PUBMED Abstract]

  17. Cunningham AJ, Edmonds CV, Phillips C, et al.: A prospective, longitudinal study of the relationship of psychological work to duration of survival in patients with metastatic cancer. Psychooncology 9 (4): 323-39, 2000 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

  18. Breitbart W: Spirituality and meaning in supportive care: spirituality- and meaning-centered group psychotherapy interventions in advanced cancer. Support Care Cancer 10 (4): 272-80, 2002.[PUBMED Abstract]

  19. Cole B, Pargament K: Re-creating your life: a spiritual/psychotherapeutic intervention for people diagnosed with cancer. Psychooncology 8 (5): 395-407, 1999 Sep-Oct.[PUBMED Abstract]

  20. Spiegel D, Bloom JR, Kraemer H, et al.: Psychological support for cancer patients. Lancet 2 (8677): 1447, 1989.[PUBMED Abstract]

  21. Garland SN, Carlson LE, Cook S, et al.: A non-randomized comparison of mindfulness-based stress reduction and healing arts programs for facilitating post-traumatic growth and spirituality in cancer outpatients. Support Care Cancer 15 (8): 949-61, 2007.[PUBMED Abstract]

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医療提供者における個人的意識の高まり

霊性、宗教、死、そして死への過程は、多くの医療提供者が経験することであるが、それらはタブーであり語られることはない。疾患の意義および死の可能性は、しばしば対処が困難である。で述べられた評価の資源は、支持的な方法で霊的関心、死、および死の過程の話題を患者に紹介する際に有用なことがある。さらに、他の医療提供者による臨床的な記事に目を通すことが、非常に役立つことがある。こうした例の1つは、学際的緩和ケアチームのメンバーにおける霊性を調査するために自己民族誌的アプローチ(autoethnographic approach)を用いる定性的研究である。この作業で得られる知見は、チームのメンバーが共有する共通の目標、価値、および所属性から生まれた集合的霊性をもたらした。参加者の考えから、他の医療専門家は患者ケアの洞察が得られた。 [1]


参考文献
  1. Sinclair S, Raffin S, Pereira J, et al.: Collective soul: the spirituality of an interdisciplinary palliative care team. Palliat Support Care 4 (1): 13-24, 2006.[PUBMED Abstract]

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考慮すべき問題

かなりの数の逸話的記事が、祈り、瞑想、心象、またはその他の宗教的活動は治療効果をもつことを示唆しているが、経験的証拠はきわめて限られており、全く一貫していない。 [1] 現在の証拠に基づくと、すべてのがん患者が疾患の身体的効果を癒し、制限する資源としてそうした情報を求めるよう勧めるべきであるかどうかは疑問である。しかしながら、支持および霊的幸福の心理的価値が十分に実証されてきており、霊的苦痛が健康にマイナスに影響を及ぼしうるという証拠が強まりつつある。したがって、患者とともにこれらの問題を探究するか、またはそうした資源の利用を奨める場合には、医療提供者は、自己認識、適切な霊的または宗教的指導者との信仰の問題の明確化、または内面の安らぎまたは意識の感覚の追求という点でこれらの情報を組み立てる必要がある。


参考文献
  1. Sloan RP, Bagiella E: Claims about religious involvement and health outcomes. Ann Behav Med 24 (1): 14-21, 2002 Winter.[PUBMED Abstract]

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その他の資源

ウェブサイト:
  • www.spiritualityandhealth.ufl.edu: University of Florida Center for Spirituality and Health. 宗教的伝統、霊性、および健康間の連絡に焦点を当てたコース、研究プロジェクト、プログラムを実施する。

  • smhs.gwu.edu/gwish:The George Washington Institute for Spirituality & Health (GWish)。宗教、霊性、および医学の領域における医学的教育に焦点を当てる。

  • www.massgeneral.org/bhi: Benson-Henry Institute for Mind Body Medicine (BHI) at Massachusetts General Hospital.外来患者には医療サービスを、医療専門家にはトレーニングを、国内および国際的な医療システムには企業および学校をベースとしたプログラム、女性向けの健康サービス、および提携を提供する。

  • www.spiritualityandhealth.duke.edu: Duke University Center for Spirituality, Theology and Health.霊性、神学、および健康に関して学際的な研究、給費、教育を実施する。

これらの文献引用は、情報提供が目的にすぎない。こうした文献引用により、上記のウェブサイトの内容がPDQがん支持療法編集委員会または米国国立がん研究所(National Cancer Institute)によって支持されているものとみなすべきではない。

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最新の臨床試験

参加者を現在受け入れている霊的関心および霊的治療についての支持療法と緩和ケアの試験は、NCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

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本要約の変更点(07/12/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

本要約には編集上の変更がなされた。

本要約はPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約について本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、がん医療における宗教的および霊的対処について包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

がん医療における霊性に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Supportive and Palliative Care Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Supportive and Palliative Care Editorial Board.PDQ Spirituality in Cancer Care.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/about-cancer/coping/day-to-day/faith-and-spirituality/spirituality-hp-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389436]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    これらの要約内の情報は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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