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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

膵がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2018-05-24
    翻訳更新日 : 2018-07-19


医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、膵がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

膵がんに関する一般情報

本要約では膵外分泌がんの治療に関する情報を提供する。膵がんに関する情報を含む他のPDQ要約には以下のものがある:


発生率および死亡率

米国において、2018年に推定される膵がんの新規症例数および死亡数: [1]


  • 新規症例数:55,440。

  • 死亡数:44,330。

この数十年にわたり膵がんの発生率は著明に増大しており、米国ではがん死の主要原因の第4位となっている。膵がんに関連する死亡率は高いものの、その病因はほとんど明らかにされていない。 [2]

危険因子

膵がん発生の危険因子には以下のものがある: [3] [4]


  • 膵がんの家族歴。

  • 喫煙。

  • 肥満。

  • 慢性膵炎。

解剖学

膵臓の解剖図。

一般に、膵がんは膵臓内の病変が存在する部位によって区別される。膵頭部、膵体部、膵尾部、または膵鉤部の腫瘤では外科的アプローチが異なる。

臨床的特徴

膵がんの症状は、膵臓内の腫瘍部位および浸潤の程度によって異なる。

初期の膵がんでは、注目すべき症状は多く見られない。がんが増殖するにつれて、以下の症状が見られる可能性がある:


  • 黄疸。

  • 薄い色の便または濃い尿。

  • 上腹部または中腹部および背部の疼痛。

  • 理由が分からない体重減少。

  • 食欲不振。

  • 疲労。

診断的評価および病期評価

膵がんは以下の理由から発見と診断が困難である:


  • 初期の膵がんでは、注目すべき徴候や症状が見られない。

  • 膵がんに徴候が見られる場合も、膵炎や潰瘍など、他の多くの疾患の徴候に類似している。

  • 膵臓は腹部の他の臓器によって覆い隠されており、画像検査で明確に視覚化することは困難である。

膵がんを適切に治療するには、がんが切除可能かどうかを評価することがきわめて重要である。

画像法

画像技術を用いることで、膵がんの診断および切除不能な病変を有する患者の特定に役立つ場合がある。用いられる画像検査には以下のものがある: [5]


  • ヘリカルコンピュータ断層撮影スキャン。

  • 磁気共鳴画像法スキャン。

  • 内視鏡超音波検査。

  • 腹腔鏡検査および超音波腹腔鏡検査などの最小侵襲技術により、開腹術を減らすことができる。 [6] [7]

腹膜細胞診

228人の患者のケースシリーズでは、腹膜細胞診陽性を切除不能性の決定に用いた場合、陽性反応適中度が94%、特異度が98%、感度が25%であった。 [8]

腫瘍マーカー

膵がんに特異的な腫瘍マーカーはみられず、血清がん抗原(CA)19-9などのマーカーは特異度が低い。診断時には、膵がん患者のほとんどにCA19-9増大が認められる。根治治療の実施期間内または実施後、CA19-9値増大を認めれば、腫瘍増大が進行しているとみなせる。 [9] [証拠レベル:3iDiii]しかしながら、CA19-9が正常値でも、再発が除外されるわけではない。

予後および生存

予後に影響する主な因子は以下の通りである:


  • 腫瘍が限局性で完全切除が可能かどうか。

  • 腫瘍がリンパ節や他の部位に転移しているかどうか。

膵外分泌がんが根治可能となるのはまれであり、全生存率(OS)は6%を下回っている。 [10]

腫瘍が間違いなく膵臓に限局している場合に治癒率は最も高率となるが、この病期は症例の20%に満たない。限局性膵がんおよび小膵がん(2cm未満)で、リンパ節転移も膵被膜を越える進展も認められない患者には、外科的完全切除により、18~24%の生命表法を用いた5年生存率が得られうる。 [11] [証拠レベル:3iA]

外科的切除は根治的治療の基本戦略であり、限局性小膵腫瘍患者に生存利益が得られる。切除不能、転移性、または再発膵がん患者では、外科的切除により利益が得られる可能性は低い。

膵腫瘍は化学療法および放射線を用いた治療に抵抗性を示す。

いずれの病期の膵がん患者も従来の化学療法、放射線療法、および外科手術に対する反応が悪いため、臨床試験の対象とするのが適切であろう。

緩和療法

従来の治療で症状の緩和が得られることがある。

OSには影響しないものの、QOLを改善しうる症状緩和手段としては以下のものがある: [12] [13]


  • 外科的または放射線学的胆道減圧術。

  • 胃幽門閉塞の解除。

  • 疼痛管理。

  • 膵がんの診断および治療に関連して障害を引き起こす可能性のある精神的事象に対する精神的ケア。 [14]


参考文献
  1. American Cancer Society: Cancer Facts and Figures 2018. Atlanta, Ga: American Cancer Society, 2018. Available online. Last accessed April 27, 2018.[PUBMED Abstract]

  2. Silverman DT, Schiffman M, Everhart J, et al.: Diabetes mellitus, other medical conditions and familial history of cancer as risk factors for pancreatic cancer. Br J Cancer 80 (11): 1830-7, 1999.[PUBMED Abstract]

  3. Tersmette AC, Petersen GM, Offerhaus GJ, et al.: Increased risk of incident pancreatic cancer among first-degree relatives of patients with familial pancreatic cancer. Clin Cancer Res 7 (3): 738-44, 2001.[PUBMED Abstract]

  4. Nöthlings U, Wilkens LR, Murphy SP, et al.: Meat and fat intake as risk factors for pancreatic cancer: the multiethnic cohort study. J Natl Cancer Inst 97 (19): 1458-65, 2005.[PUBMED Abstract]

  5. Riker A, Libutti SK, Bartlett DL: Advances in the early detection, diagnosis, and staging of pancreatic cancer. Surg Oncol 6 (3): 157-69, 1997.[PUBMED Abstract]

  6. John TG, Greig JD, Carter DC, et al.: Carcinoma of the pancreatic head and periampullary region. Tumor staging with laparoscopy and laparoscopic ultrasonography. Ann Surg 221 (2): 156-64, 1995.[PUBMED Abstract]

  7. Minnard EA, Conlon KC, Hoos A, et al.: Laparoscopic ultrasound enhances standard laparoscopy in the staging of pancreatic cancer. Ann Surg 228 (2): 182-7, 1998.[PUBMED Abstract]

  8. Merchant NB, Conlon KC, Saigo P, et al.: Positive peritoneal cytology predicts unresectability of pancreatic adenocarcinoma. J Am Coll Surg 188 (4): 421-6, 1999.[PUBMED Abstract]

  9. Willett CG, Daly WJ, Warshaw AL: CA 19-9 is an index of response to neoadjunctive chemoradiation therapy in pancreatic cancer. Am J Surg 172 (4): 350-2, 1996.[PUBMED Abstract]

  10. Siegel R, Naishadham D, Jemal A: Cancer statistics, 2013. CA Cancer J Clin 63 (1): 11-30, 2013.[PUBMED Abstract]

  11. Yeo CJ, Abrams RA, Grochow LB, et al.: Pancreaticoduodenectomy for pancreatic adenocarcinoma: postoperative adjuvant chemoradiation improves survival. A prospective, single-institution experience. Ann Surg 225 (5): 621-33; discussion 633-6, 1997.[PUBMED Abstract]

  12. Sohn TA, Lillemoe KD, Cameron JL, et al.: Surgical palliation of unresectable periampullary adenocarcinoma in the 1990s. J Am Coll Surg 188 (6): 658-66; discussion 666-9, 1999.[PUBMED Abstract]

  13. Baron TH: Expandable metal stents for the treatment of cancerous obstruction of the gastrointestinal tract. N Engl J Med 344 (22): 1681-7, 2001.[PUBMED Abstract]

  14. Passik SD, Breitbart WS: Depression in patients with pancreatic carcinoma. Diagnostic and treatment issues. Cancer 78 (3 Suppl): 615-26, 1996.[PUBMED Abstract]

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膵がんの細胞分類

膵がんは以下のがん腫を含む:

悪性腫瘍
  • 膵管がん(全例中90%)。

  • 腺房細胞がん。

  • 腺扁平上皮がん。

  • 嚢胞腺がん(漿液型および粘液型)。

  • 巨細胞がん。

  • 粘液性嚢胞新生物あるいは膵管内乳頭粘液性新生物と関連する浸潤性腺がん。

  • 混合型(膵管-内分泌型または腺房-内分泌型)。

  • 粘液がん。

  • 膵芽腫。

  • 乳頭嚢胞新生物(フランツ腫瘍)。この腫瘍は悪性化の可能性が低く、外科手術単独で治癒しうる。 [1] [2]

  • 乳頭粘液がん。

  • 印環細胞がん。

  • 小細胞がん。

  • 分類不能。

  • 未分化がん。

境界悪性腫瘍
  • 異形成を伴う膵管内乳頭粘液性腫瘍。 [3]

  • 異形成を伴う粘液性嚢胞腫瘍。

  • 偽乳頭充実性腫瘍。


参考文献
  1. Sanchez JA, Newman KD, Eichelberger MR, et al.: The papillary-cystic neoplasm of the pancreas. An increasingly recognized clinicopathologic entity. Arch Surg 125 (11): 1502-5, 1990.[PUBMED Abstract]

  2. Warshaw AL, Compton CC, Lewandrowski K, et al.: Cystic tumors of the pancreas. New clinical, radiologic, and pathologic observations in 67 patients. Ann Surg 212 (4): 432-43; discussion 444-5, 1990.[PUBMED Abstract]

  3. Sohn TA, Yeo CJ, Cameron JL, et al.: Intraductal papillary mucinous neoplasms of the pancreas: an increasingly recognized clinicopathologic entity. Ann Surg 234 (3): 313-21; discussion 321-2, 2001.[PUBMED Abstract]

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膵がんの病期情報

膵外分泌がんの病期分類システムには絶えず進展がみられる。最新の治療法が生存率にはほとんど影響を及ぼさないことが明らかにされてきたため、腫瘍が切除可能かどうかの確定以外の病期分類の重要性は不明確である。ただし、腫瘍の定義の共通性を維持するためには、腫瘍の進展度に関する認識が必要となる。

米国がん合同委員会(AJCC)はTNM(腫瘍、リンパ節、転移)分類による病期判定を指定している。 [1]

AJCC病期分類とTNM定義

表1.TNM分類における0期膵外分泌がんの定義a

病期 TNM 定義 イラスト
M = 遠隔転移;N = 所属リンパ節;T = 原発腫瘍。
aAJCCから許諾を得て転載:Exocrine Pancreas.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.337–47.
0 Tis、N0、M0 Tis = 上皮内がん。これには、高悪性度膵上皮内新生物(PanIN-3)、高度の異形成を伴う膵管内乳頭粘液性新生物、高度の異形成を伴う膵管内管状乳頭新生物、および高度の異形成を伴う膵粘液性嚢胞新生物が含まれる。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表2.TNM分類におけるIA期およびIB期膵外分泌がんの定義a

病期 TNM 定義 イラスト
M = 遠隔転移;N = 所属リンパ節;T = 原発腫瘍。
aAJCCから許諾を得て転載:Exocrine Pancreas.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.337–47.
IA T1、N0、M0 T1 = 最大径が2cm以下の腫瘍。
-T1a = 最大径が0.5cm以下の腫瘍。
-T1b = 最大径が0.5cmを超え1cm未満の腫瘍。
-T1c = 最大径が1~2cmの腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
IB T2、N0、M0 T2 = 最大径が2cmを超え4cm以下の腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表3.TNM分類におけるIIA期およびIIB期膵外分泌がんの定義a

病期 TNM 定義 イラスト
M = 遠隔転移;N = 所属リンパ節;T = 原発腫瘍。
aAJCCから許諾を得て転載:Exocrine Pancreas.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.337–47.
IIA T3、N0、M0 T3 = 最大径が4cmを超える腫瘍。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
M0 = 遠隔転移を認めない。
IIB T1、N1、M0 T1 = 最大径が2cm以下の腫瘍。
-T1a = 最大径が0.5cm以下の腫瘍。
-T1b = 最大径が0.5cmを超え1cm未満の腫瘍。
-T1c = 最大径が1~2cmの腫瘍。
N1 = 1~3つの所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T2、N1、M0 T2 = 最大径が2cmを超え4cm以下の腫瘍。
N1 = 1~3つの所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T3、N1、M0 T3 = 最大径が4cmを超える腫瘍。
N1 = 1~3つの所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表4.TNM分類におけるIII期膵外分泌がんの定義a

病期 TNM 定義 イラスト
M = 遠隔転移;N = 所属リンパ節;T = 原発腫瘍。
aAJCCから許諾を得て転載:Exocrine Pancreas.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.337–47.
III T1、N2、M0 T1 = 最大径が2cm以下の腫瘍。
-T1a = 最大径が0.5cm以下の腫瘍。
-T1b = 最大径が0.5cmを超え1cm未満の腫瘍。
-T1c = 最大径が1~2cmの腫瘍。
N2 = 4つ以上の所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T2、N2、M0 T2 = 最大径が2cmを超え4cm以下の腫瘍。
N2 = 4つ以上の所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T3、N2、M0 T3 = 最大径が4cmを超える腫瘍。
N2 = 4つ以上の所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。
T4、すべてのN、M0 T4 = 腫瘍がサイズに関係なく、腹腔動脈、上腸間膜動脈、および/または総肝動脈に浸潤している。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 1~3つの所属リンパ節に転移を認める。
N2 = 4つ以上の所属リンパ節に転移を認める。
M0 = 遠隔転移を認めない。


表5.TNM分類におけるIV期膵外分泌がんの定義a

病期 TNM 定義 イラスト
M = 遠隔転移;N = 所属リンパ節;T = 原発腫瘍。
aAJCCから許諾を得て転載:Exocrine Pancreas.In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp.337–47.
IV すべてのT、すべてのN、M1 TX = 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 = 原発腫瘍を認めない。
Tis = 上皮内がん。これには、高悪性度膵上皮内新生物(PanIN-3)、高度の異形成を伴う膵管内乳頭粘液性新生物、高度の異形成を伴う膵管内管状乳頭新生物、および高度の異形成を伴う膵粘液性嚢胞新生物が含まれる。
T1 = 最大径が2cm以下の腫瘍。
-T1a = 最大径が0.5cm以下の腫瘍。
-T1b = 最大径が0.5cmを超え1cm未満の腫瘍。
-T1c = 最大径が1~2cmの腫瘍。
T2 = 最大径が2cmを超え4cm以下の腫瘍。
T3 = 最大径が4cmを超える腫瘍。
T4 = 腫瘍がサイズに関係なく、腹腔動脈、上腸間膜動脈、および/または総肝動脈に浸潤している。
NX = 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 = 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 = 1~3つの所属リンパ節に転移を認める。
N2 = 4つ以上の所属リンパ節に転移を認める。
M1 = 遠隔転移を認める。



参考文献
  1. Exocrine Pancreas. In: Amin MB, Edge SB, Greene FL, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 8th ed. New York, NY: Springer, 2017, pp. 337–47.[PUBMED Abstract]

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膵がんの治療法選択肢の概要

実施可能である場合には依然として外科的切除術が第一治療法である;ときに外科的切除術により、長期生存がもたらされ、有効な緩和が得られることがある。 [1] [2] [3] [証拠レベル:3iA]

利用可能なランダム化臨床試験のデータの多くは統計的検出力が低く、結果が矛盾しているため、膵がんの管理における術後療法(化学放射線療法を伴うまたは伴わない化学療法)の役割については見解の一致をみていない。 [4] [5] [6] [7] [8]

膵がんの合併症には以下のものがある:


  • 吸収不良:多くの場合、膵外分泌機能不全による吸収不良が栄養失調の一因となっている。膵酵素補充療法に留意することが、この問題を緩和する助けになるであろう。(詳しい情報については、がん医療における栄養に関するPDQ要約を参照のこと。)

  • 疼痛:一部の患者には、腹腔動脈および胸膜腔内神経ブロックを実施すれば、効果が高くかつ持続的な疼痛コントロールが得られる。(詳しい情報については、がん性疼痛に関するPDQ要約を参照のこと。)

いずれの病期の膵外分泌がん患者も生存率は低い。いずれの病期の患者にも臨床試験中の治療が代替療法として適しており、症状緩和目的のアプローチを選択する前に検討すべきである。

膵がんに対して現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

表6.膵がんの治療法選択肢

治療法選択肢
I期およびII期の膵がん 手術
術後化学放射線療法
術後化学療法
III期の膵がん 症状緩和目的の手術
化学放射線療法
化学療法
IV期の膵がん 緩和療法
化学療法
再発膵がん 緩和療法
化学療法



参考文献
  1. Yeo CJ, Cameron JL, Lillemoe KD, et al.: Pancreaticoduodenectomy for cancer of the head of the pancreas. 201 patients. Ann Surg 221 (6): 721-31; discussion 731-3, 1995.[PUBMED Abstract]

  2. Conlon KC, Klimstra DS, Brennan MF: Long-term survival after curative resection for pancreatic ductal adenocarcinoma. Clinicopathologic analysis of 5-year survivors. Ann Surg 223 (3): 273-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  3. Yeo CJ, Abrams RA, Grochow LB, et al.: Pancreaticoduodenectomy for pancreatic adenocarcinoma: postoperative adjuvant chemoradiation improves survival. A prospective, single-institution experience. Ann Surg 225 (5): 621-33; discussion 633-6, 1997.[PUBMED Abstract]

  4. Further evidence of effective adjuvant combined radiation and chemotherapy following curative resection of pancreatic cancer. Gastrointestinal Tumor Study Group. Cancer 59 (12): 2006-10, 1987.[PUBMED Abstract]

  5. Kalser MH, Ellenberg SS: Pancreatic cancer. Adjuvant combined radiation and chemotherapy following curative resection. Arch Surg 120 (8): 899-903, 1985.[PUBMED Abstract]

  6. Klinkenbijl JH, Jeekel J, Sahmoud T, et al.: Adjuvant radiotherapy and 5-fluorouracil after curative resection of cancer of the pancreas and periampullary region: phase III trial of the EORTC gastrointestinal tract cancer cooperative group. Ann Surg 230 (6): 776-82; discussion 782-4, 1999.[PUBMED Abstract]

  7. Neoptolemos JP, Dunn JA, Stocken DD, et al.: Adjuvant chemoradiotherapy and chemotherapy in resectable pancreatic cancer: a randomised controlled trial. Lancet 358 (9293): 1576-85, 2001.[PUBMED Abstract]

  8. Neoptolemos JP, Stocken DD, Friess H, et al.: A randomized trial of chemoradiotherapy and chemotherapy after resection of pancreatic cancer. N Engl J Med 350 (12): 1200-10, 2004.[PUBMED Abstract]

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I期およびII期の膵がんの治療

I期およびII期の膵がんの治療法選択肢

I期およびII期の膵がんの治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術:根治的膵切除術は以下の通り:
    • ウィップル式再建術(膵頭十二指腸切除術)。

    • 十分な断端をとる必要があれば、膵全摘術の施行。

    • 膵体尾部腫瘍には、膵体尾部切除術。 [1] [2]

  2. 術後化学放射線療法:根治的膵切除術とその後に実施する5-フルオロウラシル(5-FU)化学療法および放射線療法。 [3] [4] [5] [6] [7]
  3. 術後化学療法:根治的膵切除術とその後に実施する化学療法。 [8]

手術

完全切除術を施行すれば18~24%の5年生存率が得られるが、局所、遠隔ともに腫瘍再発率が高いため、依然として最終コントロールは不良である。 [9] [10] [11] [証拠レベル:3iA]

外科的局所切除術を実施できる膵がん患者は約20%であり、手術死亡率は約1~16%である。 [12] [13] [14] [15] [16] メディケア請求書データベースの情報を用いた、1992年から1995年に膵頭十二指腸切除術を施行した7,000人を超える患者に関する全国コホート研究では、膵頭十二指腸切除術実施例の少ない病院(膵頭十二指腸切除術が1例未満/年)が多い病院(膵頭十二指腸切除術が6例以上/年)よりも院内死亡率が高いことが明らかにされた(それぞれ16% vs 4%;P < 0.01)。 [12]

術後化学放射線療法

利用可能なランダム化臨床試験のデータの多くは統計的検出力が低く、結果が矛盾しているため、この疾患の管理における術後療法(化学放射線療法を伴うまたは伴わない化学療法)の役割については見解の一致をみていない。 [3] [4] [5] [6] [7]

証拠(術後化学放射線療法):

数件の第III相試験で、術後補助5-FUをベースにした化学放射線療法の全生存(OS)に関する潜在的利益が調査された:

  1. Gastrointestinal Study Group(GITSG):1985年にGITSGにより実施された小規模ランダム化試験では、手術単独と、手術とその後に実施する化学放射線療法とが比較された。 [3] [証拠レベル:1iiA]; [4] [証拠レベル:2A]
    • 研究者らにより、術後の5-FUのボーラス投与および線量40Gyの局所スプリットコース照射の方が切除術単独より、生存期間中央値および長期生存に、わずかではあるが有意な改善を認めることが報告された。

  2. European Organization for the Research and Treatment of Cancer(EORTC):EORTCがこのGITSG試験の結果を再現しようと試みたが、補助化学放射線療法が切除術単独より有意に有益であることを確認するに至らなかった [5] [証拠レベル:1iiA];ただし、この試験では、膵がん患者のほか(予後が良好である可能性のある)十二指腸乳頭部領域がん患者も対象とされていた。
    • 原発膵腫瘍患者のサブセット分析では、生存期間中央値、2年全生存率、および5年全生存率について補助療法(17.1ヵ月、37%、20%)では外科手術単独(12.6ヵ月、23%、10%)に比べて改善傾向にあることが示された(生存期間中央値に対するP = 0.09)。

  3. その後のEuropean Study for Pancreatic Cancer(ESPAC -1)試験で更新された解析では、膵切除術後に厳格なランダム化を受けた患者のみ調査された。患者は4群(観察群、5-FUボーラス投与化学療法群、5-FUボーラス投与化学放射線療法群、または化学放射線療法後の追加化学療法群)の1つに割り付けられた。 [6] [7] [17] [証拠レベル:1iiA]
    • 2×2要因デザインでの報告によれば、追跡期間中央値47ヵ月の時点で、生存期間中央値の有益性は術後5-FU化学療法を受けた患者にのみ観察された。しかしながら、プロトコル不遵守の割合が高く、2×2要因デザインにおける4群のそれぞれに対して個別の分析がなされていないため、これらの結果の解釈は困難であった。

  4. 米国のGastrointestinal Intergroup:米国のGastrointestinal Intergroupにより、術後5-FU注入 + 5-FU注入と同時に実施する放射線、または補助ゲムシタビン + 5-FU注入と同時に実施する放射線のいずれかを受ける群に割り付けられた膵がんを切除された451人の患者を対象とした1件の第III相ランダム化試験(Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)-9704)の結果が報告されている。 [18] [証拠レベル:1iiA]すべての患者および膵頭部腫瘍患者の主要エンドポイントはOSであった。
  5. RTOG-9704試験の5年経過時の更新で、膵頭部腫瘍患者(n = 388)の生存期間中央値と5年OS率はゲムシタビン群で20.5ヵ月と22%であったのに対し、5-FU群では17.1ヵ月と18%であった(ハザード比[HR]、0.84;95%信頼区間[CI]、0.67-1.05;P = 0.12)と報告された。 [19]
    • 単変量解析ではOSにおける差は示されなかった;しかしながら、多変量解析では、ゲムシタビン群の膵頭部腫瘍患者でOSの改善傾向がみられた(P = 0.08)。遠隔での再燃は依然として初期の失敗の主要な部位であった(78%)。

  6. RTOG-9704試験の2回目の解析では、プロトコルで規定された放射線療法の遵守と患者の治療成績との相関が探索された。 [20] [証拠レベル:1iiA]
    • 放射線療法の遵守は、プロトコルに従った患者(n = 216)とプロトコル未満の患者(n = 200)として採点された。大きな逸脱として、照射野のサイズおよび照射野の位置付けの逸脱がみられた。

    • すべての膵臓の部位について、プロトコルに従った患者の生存期間中央値は、プロトコル未満の治療を受けた患者よりも有意に長かった(1.74年 vs 1.46年;P = 0.008)。

    • 多変量解析では、プロトコルに従った治療は治療群による割り付けよりも生存期間中央値と強く相関した(P = 0.014)。ただし、これは探索的解析であり、潜在的な未知の交絡因子の制御は行えない。

エルロチニブを併用するまたは併用しないフルコースのゲムシタビン完了後の化学放射線療法の影響を評価するためのEORTC/U.S. Gastrointestinal IntergroupのRTOG-0848第III相補助試験では、現在患者を登録しているところである。

術後化学療法

歴史的に、複数のランダム化試験で、補助ゲムシタビン単剤療法 [21] または補助5-FU単剤療法 [8] の方が手術単独よりも外科的切除後の6ヵ月OS率が改善することが確立されている。より最近の研究では、外科的切除後の治療成績をさらに改善する可能性のある新たな併用レジメンが調査されている。

証拠(術後化学療法):

  1. ESPAC-4:ESPAC-4(NCT00058201)試験では、膵がんを切除された患者732人を、6サイクルのゲムシタビン単独(4週間ごとの3週間に週1回1,000mg/m2を投与)または経口カペシタビン(1,660mg/m2を21日間投与後7日間の休薬[1サイクル])を併用のいずれかにランダムに割り付けた。 [22] [証拠レベル:1iiA]
  2. Japan Adjuvant Study Group of Pancreatic Cancer(膵癌補助化学療法研究グループ)(JASPAC-01):JASPAC-01研究は日本における第III相多施設非劣性試験であり、385人の患者が6サイクルのゲムシタビン(4週間ごとの3週間に週1回1,000mg/m2を投与)またはテガフール-ギメラシル-オテラシルカリウム(S-1)(4週間の1日2回経口投与に続いて2週間の休薬)のいずれかを受けるようにランダムに割り付けられた。 [23] [証拠レベル:1iiA]
    • 効力の中間解析時に事前に規定された早期中止の基準が満たされ、プロトコルの治療すべてが終了した。早期中間解析時のHR死亡は0.57(95%CI、0.44-0.72;非劣性に対するP < 0.001、優位性に対するP < 0.001)であった。これらの結果、5年OS率はゲムシタビン群で24.4%およびS-1群で44.1%となった。

    • ゲムシタビン群ではグレード3/4の白血球減少、好中球減少、および肝高トランスアミナーゼ血症がより頻繁に観察され、S-1群では口内炎および下痢がより頻繁に経験された。

    • 日本人患者では、S-1による補助化学療法を膵がん切除患者に対する新たな標準治療とすることができる。アジア系以外の患者でこれらの結果の妥当性を確認するには追加の研究が必要である。

    • グレード3/4の消化管毒性、特に下痢が西洋人患者集団でより一般的に報告されているため、S-1の薬物動態および薬力学は東洋人および西洋人の患者集団間で異なる可能性がある。S-1は現在、米国食品医薬品局により米国での使用を承認されていない。


    パフォーマンスステータスが良好な患者については、補助ゲムシタビン/カペシタビンを検討すべきである。しかしながら、高齢の患者またはパフォーマンスステータスが境界域の患者に対しては、補助ゲムシタビンまたは5-FU単剤療法を検討できる。

  3. Charité Onkologie(CONKO)-001:多施設第III相試験、CONKO-001により、膵がんを切除し補助ゲムシタビン6サイクル vs 観察にランダムに割り付けられた患者368人の結果も報告されている。 [21] [証拠レベル:1iiDii]以前の試験とは対照的にこの試験の主要エンドポイントは無病生存(DFS)期間であった。
    • 中央値136ヵ月の追跡が実施され、CONKO-001研究の長期追跡により、ゲムシタビンを支持するOSの有意な改善(生存期間中央値、22.8ヵ月 vs 20.2ヵ月;HR、0.76;95%CI、0.61-0.95、P = 0.01)が示されている。ゲムシタビン群と観察単独群ではそれぞれ、5年生存率が20.7% vs 10.4%、10年生存率が12.2% vs 7.7%となり、観察単独と比較してゲムシタビンにより生存率の改善が得られた。 [24] [証拠レベル:1iiA]

  4. ESPAC-3:ESPAC-3(NCT00058201)試験では、肉眼的完全切除を受けた患者1,088人を、6ヵ月にわたって28日ごとの1~5日目に5-FU(425mg/m2)およびロイコボリン(20mg/m2)を投与する群と、6ヵ月にわたって28日ごとの1日目、8日目、および15日目にゲムシタビン(1,000mg/m2)を投与する群のいずれかにランダムに割り付けた。 [8] [証拠レベル:1iiA]
    • OS期間中央値は、5-FU + ロイコボリンによる治療患者で23.0ヵ月(95%CI、21.1-25.0)、ゲムシタビンによる治療患者で23.6ヵ月(95%CI、21.4-26.4)であった(HR = 0.94;95%CI、0.81-1.08;P = 0.39)。

この疾患に対するより効果的な補助療法を決定するために、追加試験の実施が妥当である。

I期およびII期の膵がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

臨床評価段階にある治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. ゲムシタビンカペシタビン(ESPAC-4)。
  2. ゲムシタビンとエルロチニブ(CONKO-005)。
  3. ゲムシタビンとエルロチニブに、5-FU/カペシタビンをベースとした化学療法を併用または非併用(RTOG-0848)。
  4. 術前化学療法および/または放射線療法。

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Dalton RR, Sarr MG, van Heerden JA, et al.: Carcinoma of the body and tail of the pancreas: is curative resection justified? Surgery 111 (5): 489-94, 1992.[PUBMED Abstract]

  2. Brennan MF, Moccia RD, Klimstra D: Management of adenocarcinoma of the body and tail of the pancreas. Ann Surg 223 (5): 506-11; discussion 511-2, 1996.[PUBMED Abstract]

  3. Further evidence of effective adjuvant combined radiation and chemotherapy following curative resection of pancreatic cancer. Gastrointestinal Tumor Study Group. Cancer 59 (12): 2006-10, 1987.[PUBMED Abstract]

  4. Kalser MH, Ellenberg SS: Pancreatic cancer. Adjuvant combined radiation and chemotherapy following curative resection. Arch Surg 120 (8): 899-903, 1985.[PUBMED Abstract]

  5. Klinkenbijl JH, Jeekel J, Sahmoud T, et al.: Adjuvant radiotherapy and 5-fluorouracil after curative resection of cancer of the pancreas and periampullary region: phase III trial of the EORTC gastrointestinal tract cancer cooperative group. Ann Surg 230 (6): 776-82; discussion 782-4, 1999.[PUBMED Abstract]

  6. Neoptolemos JP, Dunn JA, Stocken DD, et al.: Adjuvant chemoradiotherapy and chemotherapy in resectable pancreatic cancer: a randomised controlled trial. Lancet 358 (9293): 1576-85, 2001.[PUBMED Abstract]

  7. Neoptolemos JP, Stocken DD, Friess H, et al.: A randomized trial of chemoradiotherapy and chemotherapy after resection of pancreatic cancer. N Engl J Med 350 (12): 1200-10, 2004.[PUBMED Abstract]

  8. Neoptolemos JP, Stocken DD, Bassi C, et al.: Adjuvant chemotherapy with fluorouracil plus folinic acid vs gemcitabine following pancreatic cancer resection: a randomized controlled trial. JAMA 304 (10): 1073-81, 2010.[PUBMED Abstract]

  9. Cameron JL, Crist DW, Sitzmann JV, et al.: Factors influencing survival after pancreaticoduodenectomy for pancreatic cancer. Am J Surg 161 (1): 120-4; discussion 124-5, 1991.[PUBMED Abstract]

  10. Yeo CJ, Cameron JL, Lillemoe KD, et al.: Pancreaticoduodenectomy for cancer of the head of the pancreas. 201 patients. Ann Surg 221 (6): 721-31; discussion 731-3, 1995.[PUBMED Abstract]

  11. Yeo CJ, Abrams RA, Grochow LB, et al.: Pancreaticoduodenectomy for pancreatic adenocarcinoma: postoperative adjuvant chemoradiation improves survival. A prospective, single-institution experience. Ann Surg 225 (5): 621-33; discussion 633-6, 1997.[PUBMED Abstract]

  12. Birkmeyer JD, Finlayson SR, Tosteson AN, et al.: Effect of hospital volume on in-hospital mortality with pancreaticoduodenectomy. Surgery 125 (3): 250-6, 1999.[PUBMED Abstract]

  13. Cameron JL, Pitt HA, Yeo CJ, et al.: One hundred and forty-five consecutive pancreaticoduodenectomies without mortality. Ann Surg 217 (5): 430-5; discussion 435-8, 1993.[PUBMED Abstract]

  14. Spanknebel K, Conlon KC: Advances in the surgical management of pancreatic cancer. Cancer J 7 (4): 312-23, 2001 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

  15. Balcom JH 4th, Rattner DW, Warshaw AL, et al.: Ten-year experience with 733 pancreatic resections: changing indications, older patients, and decreasing length of hospitalization. Arch Surg 136 (4): 391-8, 2001.[PUBMED Abstract]

  16. Sohn TA, Yeo CJ, Cameron JL, et al.: Resected adenocarcinoma of the pancreas-616 patients: results, outcomes, and prognostic indicators. J Gastrointest Surg 4 (6): 567-79, 2000 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  17. Choti MA: Adjuvant therapy for pancreatic cancer--the debate continues. N Engl J Med 350 (12): 1249-51, 2004.[PUBMED Abstract]

  18. Regine WF, Winter KA, Abrams RA, et al.: Fluorouracil vs gemcitabine chemotherapy before and after fluorouracil-based chemoradiation following resection of pancreatic adenocarcinoma: a randomized controlled trial. JAMA 299 (9): 1019-26, 2008.[PUBMED Abstract]

  19. Regine WF, Winter KA, Abrams R, et al.: Fluorouracil-based chemoradiation with either gemcitabine or fluorouracil chemotherapy after resection of pancreatic adenocarcinoma: 5-year analysis of the U.S. Intergroup/RTOG 9704 phase III trial. Ann Surg Oncol 18 (5): 1319-26, 2011.[PUBMED Abstract]

  20. Abrams RA, Winter KA, Regine WF, et al.: Failure to adhere to protocol specified radiation therapy guidelines was associated with decreased survival in RTOG 9704--a phase III trial of adjuvant chemotherapy and chemoradiotherapy for patients with resected adenocarcinoma of the pancreas. Int J Radiat Oncol Biol Phys 82 (2): 809-16, 2012.[PUBMED Abstract]

  21. Oettle H, Post S, Neuhaus P, et al.: Adjuvant chemotherapy with gemcitabine vs observation in patients undergoing curative-intent resection of pancreatic cancer: a randomized controlled trial. JAMA 297 (3): 267-77, 2007.[PUBMED Abstract]

  22. Neoptolemos JP, Palmer DH, Ghaneh P, et al.: Comparison of adjuvant gemcitabine and capecitabine with gemcitabine monotherapy in patients with resected pancreatic cancer (ESPAC-4): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 trial. Lancet 389 (10073): 1011-1024, 2017.[PUBMED Abstract]

  23. Uesaka K, Boku N, Fukutomi A, et al.: Adjuvant chemotherapy of S-1 versus gemcitabine for resected pancreatic cancer: a phase 3, open-label, randomised, non-inferiority trial (JASPAC 01). Lancet 388 (10041): 248-57, 2016.[PUBMED Abstract]

  24. Oettle H, Neuhaus P, Hochhaus A, et al.: Adjuvant chemotherapy with gemcitabine and long-term outcomes among patients with resected pancreatic cancer: the CONKO-001 randomized trial. JAMA 310 (14): 1473-81, 2013.[PUBMED Abstract]

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III期の膵がんの治療

III期の膵がんの治療法選択肢

III期およびIV期の膵がんはいずれも治癒可能ではないが、III期(局所進行性)病変の自然史はIV期病変と異なる可能性がある。剖検シリーズで、死亡したIII期病変を有する患者の30%には遠隔転移の証拠が得られなかったことが実証された。 [1] [証拠レベル:1iiA]そのため、III期病変を有する患者に対する化学放射線療法が必要であるかという課題に研究者らは取り組んでいる。

III期の膵がんの治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 症状緩和目的の手術:症状緩和目的の外科胆道および/または胃バイパス術、経皮的放射線学的胆管ステント留置、または内視鏡的胆管ステント留置。 [2] [3]
  2. 化学放射線療法
    • 化学放射線療法後に化学療法。

    • 化学療法後に、転移がみられない患者に対して化学放射線療法。

  3. 化学療法

症状緩和目的の手術

かなりの割合(約3分の1)の膵がん患者がIII期または局所進行性の病変を呈するようになる。III期の膵がん患者は、腫瘍による局所血管の侵害ないし浸潤が認められるため、技術的に切除不能な腫瘍を有する。これらの患者には、内視鏡的、外科的、または放射線学的手段による、胆道閉塞の症状緩和が有益であろう。 [4]

化学放射線療法

局所進行膵がんにおける化学放射線療法の役割については、依然として議論が続いている。表7にIII期膵がんに対する化学放射線療法について検討した第III相ランダム化研究が要約されている。

表7.III期膵がんを対象としたランダム化研究:生存期間中央値

試験 レジメン 化学放射線療法 放射線療法単独 化学療法単独
5-FU = 5-フルオロウラシル;ECOG = Eastern Cooperative Oncology Group;FFCD = Fédération Francophone de Cancérologie Digestive;GEM = ゲムシタビン;GITSG = Gastrointestinal Tumor Study Group;Gy = グレイ(電離放射線の吸収線量の単位);P値 = 確率値;XRT = X線または放射線療法。

2000年より前

GITSG [5] 放射線療法単独 vs 5-FU/60Gy XRT 40週 20週   <.01
ECOG [6] 放射線療法 vs 5-FU、マイトマイシンC/59Gy XRT 8.4ヵ月 7.1ヵ月   .16

2000年以降

FFCD [7] GEM vs GEM、シスプラチン、60Gy XRT 8.6ヵ月   13ヵ月 .03
ECOG [8] GEM vs GEM/50.4Gy XRT 11.1ヵ月   9.2ヵ月 .017


証拠(化学放射線療法):

3件の試験で、集学的治療 vs 放射線療法単独の調査が試みられた。 [5] [6] [7] 試験にはデザインや分析方法にかなりの欠陥が認められた。当初、標準の実践は、最初の2件の研究のデータに基づく化学放射線療法の実施であった;しかしながら、3番目の研究の発表では、標準の実践は転移が認められない場合に化学療法とその後の化学放射線療法に変更された。

  1. LAP07(NCT00634725):LAP07研究は、Groupe Coopérateur Multidiciplinaire en Oncologie(GERCOR)研究の結果に基づいて実施された国際ランダム化第III相研究であった。計449人の患者が2008年から2011年の間に登録され、2段階のランダム化プロセスを介してランダムに割り付けられた。第一段階では、患者はゲムシタビンによる導入療法(n = 223)またはゲムシタビン + エルロチニブ(n = 219) × 4サイクルにランダムに割り付けられた。第二段階で、対照となる腫瘍を有する患者(n = 269)は化学療法(n = 136)または化学放射線療法(n = 133)を受けるように2回目のランダム化を実施された。総線量54Gyを30分割で1日1回照射が、放射線療法実施日に同時カペシタビン、800mg/m2、1日2回の用量とともに処方された。 [9] [証拠レベル:1iiA]
    • 主要エンドポイントは全生存(OS)であった。中間解析後、無益であることを理由に、この研究は早期に中止された。

    • 追跡期間中央値36.7ヵ月で、最初にランダム化した日からのOS期間中央値について、16.5ヵ月(95%信頼区間[CI]、14.5-18.5ヵ月)の化学療法と15.2ヵ月(95%CI、13.9-17.3ヵ月、P = 0.83)の化学放射線療法間で有意差は認められなかった。

    • 最初のランダム化後のOS期間中央値はゲムシタビン群の患者で13.6ヵ月(95%CI、12.3-15.3ヵ月)で、ゲムシタビン + エルロチニブ群の患者では11.9ヵ月(95%CI、10.4-13.5ヵ月、P = 0.09)であった。


    LAP07研究は、ゲムシタビンをベースにした導入化学療法の設定で化学放射線療法の役割について最も強固なプロスペクティブ・ランダム化第III相研究のデータを提示しているが、OSの有益性は実証されていない。しかしながら、この研究は、局所進行がんの設定において広く採用されているFOLFIRINOX(ロイコボリン・カルシウム、5-FU、塩酸イリノテカン、およびオキサリプラチン)化学療法の出現前に開始されていた。ゲムシタビン/パクリタキセルやFOLFIRINOXなど、より活性の高い化学療法レジメンの設定における化学放射線療法の役割については、まだ評価されていない。

  2. Gastrointestinal Tumor Study Group(GITSG)のGITSG-9273試験:2000年より前に実施された数件の第III相試験で、集学的治療 vs 放射線療法単独が評価された。局所進行性または転移性膵がんの患者に対するゲムシタビン使用前に、GITSGの研究者らは局所進行性膵腺がん患者106人を、外照射療法(EBRT)(60Gy)単独群またはEBRT(40Gyまたは60Gyのいずれか) + 5-FUボーラス投与の同時実施群にランダムに割り付けた。 [5] [証拠レベル:1iiA]
    • この研究は、化学放射線療法群でより良好な効力が認められることが示されたため、早期に中止された。1年生存率は、EBRT単独群患者で11%であったのに対し、40Gyの化学放射線療法群の患者で38%、60Gyの化学放射線療法群の患者で36%であった。

    • 追加で88人の患者が集学的治療群に登録された後、60GyのEBRT + 5-FUで生存が向上する傾向がみられたが、40Gyの照射群と比較して増悪までの期間およびOSにおける統計的有意差は認められなかった。 [10]

  3. Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)E-8282試験:ECOGの研究者らは114人の患者を、放射線療法(59.4Gy)単独または同時の5-FU注入(1,000mg/m2/日、2日目~5日目および28日目~31日目に投与) + マイトマイシン(10mg/m2、2日目に投与)との併用にランダムに割り付けた。 [6]
    • この試験では、2群間でOSにおける差は報告されなかった。

  4. Fédération Francophone de Cancérologie Digestive-Société Française de Radiothérapie Oncologie(FFCD-SFRO)試験:放射線療法単独では治療として不十分であることが明らかになったため、研究者らは集学的治療 vs 化学療法単独を評価した。FFCD-SFROの研究者らは、患者119人を化学放射線療法(2Gy分割で60Gyの照射と、5-FUの300mg/m2/日を6週間の1~5日目に持続注入およびシスプラチンの20mg/m2/日を1週目および5週目の1~5日目に持続注入)による導入療法、またはゲムシタビン(1,000mg/m2を7週間で週1回投与)による導入療法にランダムに割り付けた。ゲムシタビンによる維持療法が、病勢進行または毒性を原因とする治療中止によって停止されるまで両群に適用された。 [11] [証拠レベル1iiA]
    • 生存期間中央値は、ゲムシタビン群の方が優れていた(13ヵ月 vs 8.6ヵ月;P = 0.03)。

    • グレード3ないし4の非血液学的毒性(主に消化管毒性)は化学放射線療法群で有意に多く(44% vs 18%;P = 0.004)、導入療法の75%以上を完了した患者は少なかった(42% vs 73%)。

    • それにもかかわらず、予定された治療を75%以上受けた患者を対象としたプロトコルに基づく解析では、生存利益が持続していた。注目すべきことに、化学放射線療法群ではグレード3ないし4の血液学的毒性の発生率が高かったため(71% vs 27%、P = 0.0001)、維持療法のゲムシタビンの用量強度は有意に低かった。

    • この研究の結果として、導入療法の化学放射線療法は支持が低下している。

  5. ECOG:FFCD-SFRO研究の結果は、研究者らが患者74人をゲムシタビン単独群、またはゲムシタビンと放射線療法の併用後にゲムシタビンを継続する群のいずれかにランダムに割り付けたECOGによる研究の結果と対照をなしている。 [8] 注目すべきことに、この研究は登録数が少なかったため、早期に閉鎖された。
    • この主要エンドポイントは生存期間で、化学療法群で9.2ヵ月(95%CI、7.9-11.4ヵ月)および集学的治療群で11.1ヵ月(95%CI、7.6-15.5ヵ月)であった(層別ログランク検定の片側検定でP = 0.017)。

    • グレード4および5の毒性は、化学放射線療法群の方が化学療法群より多かった(41% vs 9%)。

  6. GERCOR:化学放射線療法の毒性が高いこと、およびIII期膵がん患者に高い割合で転移の早期発生がみられることを考慮して、研究者らは化学放射線療法にふさわしい限局性病変を有する患者を選別する戦略を検討している。この戦略で選択された患者では、化学療法の数ヵ月後に限局性または全身性の進行性病変はみられない。 [12] [証拠レベル:3iiiA]
    • プロスペクティブな第II相および第III相GERCOR研究に登録された患者181人を対象としたレトロスペクティブ解析では、ゲムシタビンをベースとした化学療法から3ヵ月後に29%の患者に転移が認められたことが明らかになった。

    • 残りの71%の患者では、化学放射線療法による治療を受けた患者におけるOS期間中央値が追加の化学療法を受けた患者と比較して有意に長かった(15.0ヵ月 vs 11.7ヵ月;P = 0.0009)。

化学療法

化学療法は局所進行膵がん患者に対する一次治療である。ゲムシタビンは長く標準レジメンと考えられているが、新たな化学療法レジメンが最近出現している。

証拠(化学療法):

  1. ゲムシタビン vs 5-FU:ゲムシタビンは膵がん患者に活性を示しており、有用な症状緩和薬剤である。 [13] [14] [15] 膵腺がんの進行患者および転移患者を対象に第一選択肢の治療としてゲムシタビンと5-FUを比較した第III相試験では、ゲムシタビン投与患者に有意な生存率の改善をみたことが報告された(5-FUでは1年生存率が2%であったのに対して、ゲムシタビンでは18%であった;P = 0.003)。 [14] [証拠レベル:1iiA]
  2. ゲムシタビン単独 vs ゲムシタビンとエルロチニブ:カナダ国立がん研究所(NCIカナダ)が実施した第III相試験(CAN-NCIC-PA3[NCT00026338])では、膵がんが進行または転移した患者を対象にゲムシタビン単独とゲムシタビンとエルロチニブ(100mg/日)の併用とが比較された。 [16] [証拠レベル:1iiA]
    • ゲムシタビンとエルロチニブを併用した場合 vs ゲムシタビン単独では、エルロチニブの追加により生存期間がわずかに延長する(ハザード比[HR] = 0.81;95%CI、0.69-0.99;P = 0.038)。

    • エルロチニブ vs プラセボの投与を受けた患者に対する生存期間中央値および1年生存率は、それぞれ6.2ヵ月 vs 5.9ヵ月、および23% vs 17%であった。

  3. 白金アナログまたはフルオロピリミジンのいずれかとの併用 vs ゲムシタビン単剤:多くの第III相研究が白金アナログ(シスプラチンまたはオキサリプラチン)またはフルオロピリミジンのいずれかとの併用レジメン vs ゲムシタビン単剤を評価している。 [17] [18]
    • これらの第III相試験の中で、転移性膵がんの第一選択治療に併用化学療法の使用を支持する統計的に有意な優位性を実証したものはない。

  4. ゲムシタビンとナブパクリタキセル vs ゲムシタビン:1件の多施設国際第III相試験(NCT00844649)には、転移性膵腺がん(カルノフスキーのパフォーマンスステータスが70以上)を有し、転移性疾患に対して以前に化学療法を受けていない患者861人が含められた。 [19] [証拠レベル:1iiA]補助療法でゲムシタビンまたは他の何らかの化学療法を受けたことのある患者は除外された。患者はゲムシタビン(1,000mg/m2)とナブパクリタキセル(体表面積1m2当たり125mg)、週1回を4週間中3週実施、またはゲムシタビン単剤療法(1,000mg/m2、週1回を8週間中7週実施に続いて、週1回を4週間中3週実施)にランダムに割り付けられた。
  5. FOLFIRINOX vs ゲムシタビン:1件の多施設第II相/III相試験には、転移性膵腺がんでEastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータススコアが0または1の患者342人が含められた。 [20] [証拠レベル:1iiA]患者は、FOLFIRINOX(オキサリプラチン[85mg/m2]、イリノテカン[180mg/m2]、ロイコボリン[400mg/m2]、および5-FU[400mg/m2]をボーラスで投与後、2週間ごとに2,400mg/m2を46時間持続注入)またはゲムシタビン(8週間中7週間、週1回、その後は4週間中3週間、週1回1,000mg/m2)を投与される群にランダムに割り付けられた。
    • FOLFIRINOX群のOS期間中央値が11.1ヵ月であったのに対し、ゲムシタビン群では6.8ヵ月であった(HR死亡 = 0.57;95%CI、0.45-0.73;P < 0.001)。

    • 無増悪生存期間中央値は、FOLFIRINOX群で6.4ヵ月およびゲムシタビン群で3.3ヵ月であった(疾患進行のHR = 0.47;95%CI、0.37-0.59;P < 0.001)。

    • FOLFIRINOXはゲムシタビンよりも毒性が高かった;FOLFIRINOX群患者の5.4%に発熱性好中球減少がみられた。6ヵ月経過時に、FOLFIRINOX群患者の31%にQOLの明確な悪化がみられたのに対し、ゲムシタビン群では66%にみられた(HR = 0.47;95%CI、0.30-0.70;P < 0.001)。

    • この試験に基づいて、FOLFIRINOXは進行性膵がん患者に対する標準治療法の選択肢と考えられる。

  6. 5-FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチン(OFFレジメン) vs 最適な支持療法(BSC):ゲムシタビンをベースとしたレジメンで進行した後には、第二選択化学療法が有益な場合がある。CONKO-003の研究者らは、第二選択化学療法を受ける患者をOFFレジメンまたはBSCのいずれかにランダムに割り付けた。 [21] ; [22] [証拠レベル:3iA]OFFレジメンはロイコボリン(200mg/m2)投与後、5-FU(1日目、8日目、15日目、および22日目に2,000mg/m2[24時間持続注入])およびオキサリプラチン(8日目および22日目に85mg/m2)で構成された。3週間の休薬後、43日目に次のサイクルが開始された。試験は登録数が少なかったため早期に終了され、わずか46人の患者がOFFレジメンまたはBSCにランダムに割り付けられた。
    • 第二選択化学療法の生存期間中央値は、OFFレジメン治療群で4.82ヵ月(95%CI、4.29-5.35)およびBSC単独群で2.30ヵ月(95%CI、1.76-2.83)であった(HR = 0.45;95%CI、0.24-0.83)。

    • OS期間中央値は、ゲムシタビン/OFFの順序で9.09ヵ月およびゲムシタビン/BSCで7.90ヵ月であった。

    • 研究が早期に終了したことおよび患者数が非常に少なかったため、P値は誤解を生じやすい。したがって、OFFレジメンによる第二選択化学療法は生存の改善と誤って関連している可能性がある。

III期の膵がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

臨床評価段階にある治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 切除不能な腫瘍が認められる患者には、複数の臨床試験で化学療法または化学放射線療法と併用する新たな薬物が評価されている(RTOG-PA-0020は1例である)。
  2. 術中照射および/または放射線源の埋め込み。 [23] [24]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Iacobuzio-Donahue CA, Fu B, Yachida S, et al.: DPC4 gene status of the primary carcinoma correlates with patterns of failure in patients with pancreatic cancer. J Clin Oncol 27 (11): 1806-13, 2009.[PUBMED Abstract]

  2. van den Bosch RP, van der Schelling GP, Klinkenbijl JH, et al.: Guidelines for the application of surgery and endoprostheses in the palliation of obstructive jaundice in advanced cancer of the pancreas. Ann Surg 219 (1): 18-24, 1994.[PUBMED Abstract]

  3. Baron TH: Expandable metal stents for the treatment of cancerous obstruction of the gastrointestinal tract. N Engl J Med 344 (22): 1681-7, 2001.[PUBMED Abstract]

  4. Sohn TA, Lillemoe KD, Cameron JL, et al.: Surgical palliation of unresectable periampullary adenocarcinoma in the 1990s. J Am Coll Surg 188 (6): 658-66; discussion 666-9, 1999.[PUBMED Abstract]

  5. A multi-institutional comparative trial of radiation therapy alone and in combination with 5-fluorouracil for locally unresectable pancreatic carcinoma. The Gastrointestinal Tumor Study Group. Ann Surg 189 (2): 205-8, 1979.[PUBMED Abstract]

  6. Cohen SJ, Dobelbower R Jr, Lipsitz S, et al.: A randomized phase III study of radiotherapy alone or with 5-fluorouracil and mitomycin-C in patients with locally advanced adenocarcinoma of the pancreas: Eastern Cooperative Oncology Group study E8282. Int J Radiat Oncol Biol Phys 62 (5): 1345-50, 2005.[PUBMED Abstract]

  7. Chauffert B, Mornex F, Bonnetain F, et al.: Phase III trial comparing initial chemoradiotherapy (intermittent cisplatin and infusional 5-FU) followed by gemcitabine vs. gemcitabine alone in patients with locally advanced non metastatic pancreatic cancer: a FFCD-SFRO study. [Abstract] J Clin Oncol 24 (Suppl 18): A-4008, 180s, 2006.[PUBMED Abstract]

  8. Loehrer PJ Sr, Feng Y, Cardenes H, et al.: Gemcitabine alone versus gemcitabine plus radiotherapy in patients with locally advanced pancreatic cancer: an Eastern Cooperative Oncology Group trial. J Clin Oncol 29 (31): 4105-12, 2011.[PUBMED Abstract]

  9. Hammel P, Huguet F, van Laethem JL, et al.: Effect of Chemoradiotherapy vs Chemotherapy on Survival in Patients With Locally Advanced Pancreatic Cancer Controlled After 4 Months of Gemcitabine With or Without Erlotinib: The LAP07 Randomized Clinical Trial. JAMA 315 (17): 1844-53, 2016.[PUBMED Abstract]

  10. Moertel CG, Frytak S, Hahn RG, et al.: Therapy of locally unresectable pancreatic carcinoma: a randomized comparison of high dose (6000 rads) radiation alone, moderate dose radiation (4000 rads + 5-fluorouracil), and high dose radiation + 5-fluorouracil: The Gastrointestinal Tumor Study Group. Cancer 48 (8): 1705-10, 1981.[PUBMED Abstract]

  11. Chauffert B, Mornex F, Bonnetain F, et al.: Phase III trial comparing intensive induction chemoradiotherapy (60 Gy, infusional 5-FU and intermittent cisplatin) followed by maintenance gemcitabine with gemcitabine alone for locally advanced unresectable pancreatic cancer. Definitive results of the 2000-01 FFCD/SFRO study. Ann Oncol 19 (9): 1592-9, 2008.[PUBMED Abstract]

  12. Huguet F, André T, Hammel P, et al.: Impact of chemoradiotherapy after disease control with chemotherapy in locally advanced pancreatic adenocarcinoma in GERCOR phase II and III studies. J Clin Oncol 25 (3): 326-31, 2007.[PUBMED Abstract]

  13. Rothenberg ML, Moore MJ, Cripps MC, et al.: A phase II trial of gemcitabine in patients with 5-FU-refractory pancreas cancer. Ann Oncol 7 (4): 347-53, 1996.[PUBMED Abstract]

  14. Burris HA 3rd, Moore MJ, Andersen J, et al.: Improvements in survival and clinical benefit with gemcitabine as first-line therapy for patients with advanced pancreas cancer: a randomized trial. J Clin Oncol 15 (6): 2403-13, 1997.[PUBMED Abstract]

  15. Storniolo AM, Enas NH, Brown CA, et al.: An investigational new drug treatment program for patients with gemcitabine: results for over 3000 patients with pancreatic carcinoma. Cancer 85 (6): 1261-8, 1999.[PUBMED Abstract]

  16. Moore MJ, Goldstein D, Hamm J, et al.: Erlotinib plus gemcitabine compared with gemcitabine alone in patients with advanced pancreatic cancer: a phase III trial of the National Cancer Institute of Canada Clinical Trials Group. J Clin Oncol 25 (15): 1960-6, 2007.[PUBMED Abstract]

  17. Poplin E, Feng Y, Berlin J, et al.: Phase III, randomized study of gemcitabine and oxaliplatin versus gemcitabine (fixed-dose rate infusion) compared with gemcitabine (30-minute infusion) in patients with pancreatic carcinoma E6201: a trial of the Eastern Cooperative Oncology Group. J Clin Oncol 27 (23): 3778-85, 2009.[PUBMED Abstract]

  18. Colucci G, Labianca R, Di Costanzo F, et al.: Randomized phase III trial of gemcitabine plus cisplatin compared with single-agent gemcitabine as first-line treatment of patients with advanced pancreatic cancer: the GIP-1 study. J Clin Oncol 28 (10): 1645-51, 2010.[PUBMED Abstract]

  19. Von Hoff DD, Ervin T, Arena FP, et al.: Increased survival in pancreatic cancer with nab-paclitaxel plus gemcitabine. N Engl J Med 369 (18): 1691-703, 2013.[PUBMED Abstract]

  20. Conroy T, Desseigne F, Ychou M, et al.: FOLFIRINOX versus gemcitabine for metastatic pancreatic cancer. N Engl J Med 364 (19): 1817-25, 2011.[PUBMED Abstract]

  21. Pelzer U, Kubica K, Stieler J, et al.: A randomized trial in patients with gemcitabine refractory pancreatic cancer. Final results of the CONKO 003 study. [Abstract] J Clin Oncol 26 (Suppl 15): A-4508, 2008.[PUBMED Abstract]

  22. Pelzer U, Schwaner I, Stieler J, et al.: Best supportive care (BSC) versus oxaliplatin, folinic acid and 5-fluorouracil (OFF) plus BSC in patients for second-line advanced pancreatic cancer: a phase III-study from the German CONKO-study group. Eur J Cancer 47 (11): 1676-81, 2011.[PUBMED Abstract]

  23. Tepper JE, Noyes D, Krall JM, et al.: Intraoperative radiation therapy of pancreatic carcinoma: a report of RTOG-8505. Radiation Therapy Oncology Group. Int J Radiat Oncol Biol Phys 21 (5): 1145-9, 1991.[PUBMED Abstract]

  24. Reni M, Panucci MG, Ferreri AJ, et al.: Effect on local control and survival of electron beam intraoperative irradiation for resectable pancreatic adenocarcinoma. Int J Radiat Oncol Biol Phys 50 (3): 651-8, 2001.[PUBMED Abstract]

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IV期の膵がんの治療

IV期の膵がんの治療法選択肢

IV期の膵がんの治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 緩和療法
  2. 化学療法

緩和療法

進行性膵がんに対する緩和療法には以下のものがある:

  1. 疼痛緩和手技(例えば、腹腔ブロックまたは胸膜腔内ブロック)および支持療法。 [1]
  2. 症状緩和目的の外科胆道バイパス術、経皮的放射線学的胆管ステント留置または内視鏡的胆管ステント留置。 [2] [3] [4]

化学療法

症状緩和目的の化学療法レジメンは客観的奏効率が低く、効力が限定的であるため、新たに診断された患者はいずれも臨床試験への登録を検討すべきである。最近では、多剤併用化学療法は単剤のゲムシタビンと比較して生存期間を延長することが示されている。 [5] [6] [7]

証拠(単剤の化学療法):

  1. ゲムシタビン vs 5-フルオロウラシル(5-FU):膵腺がんの進行患者および転移患者を対象に第一選択の治療としてゲムシタビンと5-FUを比較した第III相試験では、ゲムシタビン投与患者に有意な生存率の改善をみたことが報告された(5-FUでは1年生存率が2%であったのに対して、ゲムシタビンでは18%であった;P = 0.003)。 [5] [証拠レベル:1iiA]

証拠(多剤化学療法):

  1. FOLFIRINOX(ロイコボリン・カルシウム、5-FU、塩酸イリノテカン、およびオキサリプラチン) vs ゲムシタビン:1件の多施設第II相/III相試験には、転移性膵腺がんでEastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータススコアが0または1の患者342人が含められた。 [8] [証拠レベル:1iiA]患者は、FOLFIRINOX(オキサリプラチン[85mg/m2]、イリノテカン[180mg/m2]、ロイコボリン[400mg/m2]、および5-FU[400mg/m2]をボーラスで投与後、2週間ごとに2,400mg/m2を46時間持続注入)またはゲムシタビン(8週間中7週間、週1回、その後は4週間中3週間、週1回1,000mg/m2)を投与される群にランダムに割り付けられた。
    • FOLFIRINOX群の全生存(OS)期間中央値が11.1ヵ月であったのに対し、ゲムシタビン群では6.8ヵ月であった(HR死亡 = 0.57;95%CI、0.45-0.73;P < 0.001)。

    • 無増悪生存期間中央値は、FOLFIRINOX群で6.4ヵ月およびゲムシタビン群で3.3ヵ月であった(疾患進行のHR = 0.47;95%CI、0.37-0.59;P < 0.001)。

    • FOLFIRINOXはゲムシタビンよりも毒性が高かった;FOLFIRINOX群患者の5.4%に発熱性好中球減少がみられた。6ヵ月経過時に、FOLFIRINOX群患者の31%にQOLの明確な悪化がみられたのに対し、ゲムシタビン群では66%にみられた(HR = 0.47;95%CI、0.30-0.70;P < 0.001)。

    • この試験に基づいて、FOLFIRINOXは進行性膵がん患者に対する標準治療法の選択肢と考えられる。

  2. ゲムシタビンとナブパクリタキセル vs ゲムシタビン:1件の多施設国際第III相試験(NCT00844649)には、転移性膵腺がん(カルノフスキーのパフォーマンスステータスが70以上)を有し、転移性疾患に対して以前に化学療法を受けていない患者861人が含められた。 [9] [証拠レベル:1iiA]補助療法でゲムシタビンまたは他の何らかの化学療法を受けたことのある患者は除外された。患者はゲムシタビン(1,000mg/m2)とナブパクリタキセル(体表面積1m2当たり125mg)、週1回を4週間中3週実施、またはゲムシタビン単剤療法(1,000mg/m2、週1回を8週間中7週実施に続いて、週1回を4週間中3週実施)にランダムに割り付けられた。
  3. ゲムシタビン単独 vs ゲムシタビンとエルロチニブ:カナダ国立がん研究所(NCIカナダ)が実施した第III相試験(CAN-NCIC-PA3[NCT00026338])では、膵がんが進行または転移した患者を対象にゲムシタビン単独とゲムシタビンとエルロチニブ(100mg/日)の併用とが比較された。 [10] [証拠レベル:1iiA]
    • ゲムシタビン単独にエルロチニブを併用した場合、エルロチニブの追加により生存期間がわずかに延長された(ハザード比[HR]、0.81;95%信頼区間[CI]、0.69-0.99;P = 0.038)。

    • エルロチニブの投与を受けた患者に対する生存期間中央値は6.2ヵ月であったのに対し、プラセボの投与を受けた患者では5.9ヵ月であった。エルロチニブの投与を受けた患者に対する1年生存率は23%であったのに対し、プラセボの投与を受けた患者では17%であった。

証拠(第二選択化学療法):

  1. 5-FU、ロイコボリン、およびオキサリプラチン(OFFレジメン) vs 最適な支持療法(BSC):ゲムシタビンをベースとしたレジメンで進行した後には、第二選択化学療法が有益な場合がある。CONKO-003の研究者らは、第二選択化学療法を受ける患者をOFFレジメンまたはBSCのいずれかにランダムに割り付けた。 [6] ; [7] [証拠レベル:3iA]OFFレジメンはロイコボリン(200mg/m2)投与後、5-FU(1日目、8日目、15日目、および22日目に2,000mg/m2[24時間持続注入])およびオキサリプラチン(8日目および22日目に85mg/m2)で構成された。3週間の休薬後、43日目に次のサイクルが開始された。試験は登録数が少なかったため早期に終了され、わずか46人の患者がOFFレジメンまたはBSCにランダムに割り付けられた。
    • 第二選択化学療法の生存期間中央値は、OFFレジメン治療群で4.82ヵ月(95%CI、4.29-5.35)およびBSC単独群で2.30ヵ月(95%CI、1.76-2.83)であった(HR、0.45;95%CI、0.24-0.83)。

    • OS期間中央値は、ゲムシタビン/OFFの順序で9.09ヵ月およびゲムシタビン/BSCで7.90ヵ月であった。

    • 研究が早期に終了したことおよび患者数が非常に少なかったため、P値は誤解を生じやすい。したがって、OFFレジメンによる第二選択化学療法は生存の改善と誤って関連している可能性がある。

  2. 5-FUおよびフォリン酸を併用するまたは併用しないナノリポソーム型イリノテカンNAPOLI-1試験(NCT01494506)では、以前にゲムシタビンベースの治療法で治療された転移性膵がん患者におけるナノリポソーム型イリノテカンの役割が評価された。 [11] ナノリポソーム型イリノテカンは、イリノテカンおよびその活性代謝物の腫瘍内での濃度を増すようにデザインされたイリノテカンの封入剤である。この研究では、計417人の患者が、ナノリポソーム型イリノテカン単剤療法(3週間ごとに120mg/m2;n = 151)、5-FUおよびフォリン酸(n = 149)、またはナノリポソーム型イリノテカン(2週間ごとに80mg/m2 + 5-FU)およびフォリン酸(n = 117)のいずれかにランダムに割り付けられた。 [11] [証拠レベル:1iiD]
    • OS期間中央値は、5-FUを併用するナノリポソーム型イリノテカンに割り付けられた患者で6.1ヵ月(95%CI、4.8-8.9ヵ月)および5-FUおよびフォリン酸を受けるように割り付けられた患者で4.2ヵ月(95%CI、3.6-4.9ヵ月)であった(P = 0.012)。ナノリポソーム型イリノテカン単剤療法に割り付けられた患者のOS期間中央値が4.9ヵ月(95%CI、4.2-5.6ヵ月)であったのに対し、5-FUおよびフォリン酸に割り付けられた患者で4.2ヵ月(95%CI、3.6-4.9ヵ月)であった(非層別化HR、0.99;P = 0.94)。多変量解析で、ナノリポソーム型イリノテカン + 5-FUおよびフォリン酸はOSの改善に関連した(HR、0.58;95%CI、0.42-0.81)。

    • ナノリポソーム型イリノテカン + 5-FUおよびフォリン酸を受けた患者において最も頻繁に発生したグレード3/4の有害事象は、好中球減少(27%)、下痢(13%)、嘔吐(11%)、および疲労(14%)であった。

    • レジメン間で生存および毒性作用に差がみられたものの、治療群間でQOLに有意差は認められなかった。

    • 非封入イリノテカンよりもむしろナノリポソーム型イリノテカンを使用する有益性は、この研究の対照群のレジメンが5-FU/フォリン酸であったため、確立されていない。また、第一選択治療の状況におけるFOLFIRINOX後にナノリポソーム型イリノテカンを使用する価値は不明確である。

  3. ゲムシタビン化学療法後のFOLFOX(ロイコボリン・カルシウム[フォリン酸]、5-FU、およびオキサリプラチン) vs 5-FU/LV:プロスペクティブ多施設試験であるPANCREOX研究では、第一選択治療のゲムシタビンをベースにした化学療法を以前に受けた進行性膵がん患者108人が、修正FOLFOX-6(mFOLFOX-6)として投与するオキサリプラチンを併用する(n = 54)または併用しない(n = 54)5-FU/LVを受けるようにランダムに割り付けられた。 [12] [証拠レベル:3iA]目標の登録患者数128人であったが、登録が伸び悩んだためこの研究は早期に中止された。
    • 追跡期間中央値8.8ヵ月後、無増悪生存期間中央値は、mFOLFOX-6群で3.1ヵ月および5-FU注入群で2.9ヵ月であった(HR、1.00;95%CI、0.66-1.53、P = 0.989)。

    • 2つの治療群間で全奏効率およびQOLに有意差は認められなかった。

    • グレード3/4の有害事象の全発生率は、mFOLFOX-6群で63%であったのに対し、5-FU/LV群で11%であった。しかしながら、mFOLFOX-6群の患者の方が5-FU/LV群の患者よりも有害事象のために研究を中止した者が多かった(20% vs 2%)。

    • この研究によれば、第一選択治療のゲムシタビンをベースにした化学療法後の進行性膵がん患者において5-FU/LV注入と比較して、mFOLFOX-6レジメンで投与するオキサリプラチンの追加による有益性は示されなかった。これらの結果から、転移性膵がんに対するオキサリプラチンベースのレジメンは第一選択治療の状況において最も有益性が大きくなる可能性が示唆されている。

IV期の膵がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

臨床評価段階にある治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 新しい抗がん剤単独または化学療法との併用を評価する臨床試験。 [13] [14] [15] [16] [17]

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Polati E, Finco G, Gottin L, et al.: Prospective randomized double-blind trial of neurolytic coeliac plexus block in patients with pancreatic cancer. Br J Surg 85 (2): 199-201, 1998.[PUBMED Abstract]

  2. van den Bosch RP, van der Schelling GP, Klinkenbijl JH, et al.: Guidelines for the application of surgery and endoprostheses in the palliation of obstructive jaundice in advanced cancer of the pancreas. Ann Surg 219 (1): 18-24, 1994.[PUBMED Abstract]

  3. Sohn TA, Lillemoe KD, Cameron JL, et al.: Surgical palliation of unresectable periampullary adenocarcinoma in the 1990s. J Am Coll Surg 188 (6): 658-66; discussion 666-9, 1999.[PUBMED Abstract]

  4. Baron TH: Expandable metal stents for the treatment of cancerous obstruction of the gastrointestinal tract. N Engl J Med 344 (22): 1681-7, 2001.[PUBMED Abstract]

  5. Burris HA 3rd, Moore MJ, Andersen J, et al.: Improvements in survival and clinical benefit with gemcitabine as first-line therapy for patients with advanced pancreas cancer: a randomized trial. J Clin Oncol 15 (6): 2403-13, 1997.[PUBMED Abstract]

  6. Pelzer U, Kubica K, Stieler J, et al.: A randomized trial in patients with gemcitabine refractory pancreatic cancer. Final results of the CONKO 003 study. [Abstract] J Clin Oncol 26 (Suppl 15): A-4508, 2008.[PUBMED Abstract]

  7. Pelzer U, Schwaner I, Stieler J, et al.: Best supportive care (BSC) versus oxaliplatin, folinic acid and 5-fluorouracil (OFF) plus BSC in patients for second-line advanced pancreatic cancer: a phase III-study from the German CONKO-study group. Eur J Cancer 47 (11): 1676-81, 2011.[PUBMED Abstract]

  8. Conroy T, Desseigne F, Ychou M, et al.: FOLFIRINOX versus gemcitabine for metastatic pancreatic cancer. N Engl J Med 364 (19): 1817-25, 2011.[PUBMED Abstract]

  9. Von Hoff DD, Ervin T, Arena FP, et al.: Increased survival in pancreatic cancer with nab-paclitaxel plus gemcitabine. N Engl J Med 369 (18): 1691-703, 2013.[PUBMED Abstract]

  10. Moore MJ, Goldstein D, Hamm J, et al.: Erlotinib plus gemcitabine compared with gemcitabine alone in patients with advanced pancreatic cancer: a phase III trial of the National Cancer Institute of Canada Clinical Trials Group. J Clin Oncol 25 (15): 1960-6, 2007.[PUBMED Abstract]

  11. Wang-Gillam A, Li CP, Bodoky G, et al.: Nanoliposomal irinotecan with fluorouracil and folinic acid in metastatic pancreatic cancer after previous gemcitabine-based therapy (NAPOLI-1): a global, randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet 387 (10018): 545-57, 2016.[PUBMED Abstract]

  12. Gill S, Ko YJ, Cripps C, et al.: PANCREOX: A Randomized Phase III Study of Fluorouracil/Leucovorin With or Without Oxaliplatin for Second-Line Advanced Pancreatic Cancer in Patients Who Have Received Gemcitabine-Based Chemotherapy. J Clin Oncol 34 (32): 3914-3920, 2016.[PUBMED Abstract]

  13. Bramhall SR, Rosemurgy A, Brown PD, et al.: Marimastat as first-line therapy for patients with unresectable pancreatic cancer: a randomized trial. J Clin Oncol 19 (15): 3447-55, 2001.[PUBMED Abstract]

  14. Stathopoulos GP, Mavroudis D, Tsavaris N, et al.: Treatment of pancreatic cancer with a combination of docetaxel, gemcitabine and granulocyte colony-stimulating factor: a phase II study of the Greek Cooperative Group for Pancreatic Cancer. Ann Oncol 12 (1): 101-3, 2001.[PUBMED Abstract]

  15. Feliu J, López Alvarez MP, Jaraiz MA, et al.: Phase II trial of gemcitabine and UFT modulated by leucovorin in patients with advanced pancreatic carcinoma. The ONCOPAZ Cooperative Group. Cancer 89 (8): 1706-13, 2000.[PUBMED Abstract]

  16. Rocha Lima CM, Savarese D, Bruckner H, et al.: Irinotecan plus gemcitabine induces both radiographic and CA 19-9 tumor marker responses in patients with previously untreated advanced pancreatic cancer. J Clin Oncol 20 (5): 1182-91, 2002.[PUBMED Abstract]

  17. Smith D, Gallagher N: A phase II/III study comparing intravenous ZD9331 with gemcitabine in patients with pancreatic cancer. Eur J Cancer 39 (10): 1377-83, 2003.[PUBMED Abstract]

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再発膵がんの治療

再発膵がんの治療法選択肢

再発膵がんの治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 緩和療法
  2. 化学療法フルオロウラシル [1] またはゲムシタビン。 [2] [3] [4]

緩和療法

再発膵がんに対する緩和療法には以下のものがある:

  1. 内視鏡的または放射線学的ステント留置法などの症状緩和目的の外科的バイパス手技。 [5] [6]
  2. 症状緩和目的の放射線的手技。
  3. (経皮的)腹腔神経ブロックまたは胸膜腔内神経ブロックによる疼痛緩和。 [7]
  4. この他の症状緩和目的治療単独。

化学療法

化学療法は、ときには客観的抗腫瘍反応が得られることがあるが、有意に奏効する率は低く、生存の優位性がみられないので、評価段階にある治療法を用いるのが妥当である。 [8]

再発膵がんに対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

臨床評価段階にある治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. フッ化ピリミジン、新たな抗がん剤、または生物学的製剤の薬理学的な投与方法を評価する第I相および第II相臨床試験。

最新の臨床試験

NCIが支援しているがん臨床試験で現在患者登録中の試験を検索するには、臨床試験アドバンスト・サーチを使用のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。このサーチでは、試験の場所、治療の種類、薬物名やその他の基準による絞り込みが可能である。臨床試験に関する一般情報も入手することができる。


参考文献
  1. Cullinan SA, Moertel CG, Fleming TR, et al.: A comparison of three chemotherapeutic regimens in the treatment of advanced pancreatic and gastric carcinoma. Fluorouracil vs fluorouracil and doxorubicin vs fluorouracil, doxorubicin, and mitomycin. JAMA 253 (14): 2061-7, 1985.[PUBMED Abstract]

  2. Rothenberg ML, Moore MJ, Cripps MC, et al.: A phase II trial of gemcitabine in patients with 5-FU-refractory pancreas cancer. Ann Oncol 7 (4): 347-53, 1996.[PUBMED Abstract]

  3. Burris HA 3rd, Moore MJ, Andersen J, et al.: Improvements in survival and clinical benefit with gemcitabine as first-line therapy for patients with advanced pancreas cancer: a randomized trial. J Clin Oncol 15 (6): 2403-13, 1997.[PUBMED Abstract]

  4. Storniolo AM, Enas NH, Brown CA, et al.: An investigational new drug treatment program for patients with gemcitabine: results for over 3000 patients with pancreatic carcinoma. Cancer 85 (6): 1261-8, 1999.[PUBMED Abstract]

  5. Sohn TA, Lillemoe KD, Cameron JL, et al.: Surgical palliation of unresectable periampullary adenocarcinoma in the 1990s. J Am Coll Surg 188 (6): 658-66; discussion 666-9, 1999.[PUBMED Abstract]

  6. Baron TH: Expandable metal stents for the treatment of cancerous obstruction of the gastrointestinal tract. N Engl J Med 344 (22): 1681-7, 2001.[PUBMED Abstract]

  7. Polati E, Finco G, Gottin L, et al.: Prospective randomized double-blind trial of neurolytic coeliac plexus block in patients with pancreatic cancer. Br J Surg 85 (2): 199-201, 1998.[PUBMED Abstract]

  8. Royal RE, Wolfe RA, Crane CH: Cancer of the pancreas. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 961-89.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(05/24/2018)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

膵がんの病期情報

病期情報を2017年用に更新(引用、参考文献1としてAmerican Joint Committee on Cancer)。

I期およびII期の膵がんの治療

本文に、術後化学療法を使用した複数のランダム化試験に関する記述が追加され、歴史的に補助ゲムシタビン単剤療法(引用、参考文献21としてOettle et al.)または補助5-フルオロウラシル(5-FU)単剤療法の方が手術単独よりも外科的切除後の6ヵ月全生存(OS)率が改善することを確立している。また以下の記述が追加された;より最近の研究では、外科的切除後の治療成績をさらに改善する可能性のある新たな併用レジメンが調査されている。

本文に、膵がんを切除された患者732人を、6サイクルのゲムシタビン単独または経口カペシタビンを併用のいずれかにランダムに割り付けたEuropean Study Group for Pancreatic Cancer(ESPAC-4)試験を含めて、証拠を提示する複数の術後化学療法試験に関する記述が追加された(引用、参考文献22としてNeoptolemos et al.および証拠レベル:1iiA)。ESPAC-4からの統計データが追加され、ゲムシタビンおよびカペシタビンの補助併用は膵がん切除後の新たな標準治療とすべきであることが確認された。推定5年OS率の改善、治療群間でグレード3/4の毒性作用の全発生率における有意差は認められないこと、および治療群間でQOLに有意な影響は認められないことを示したゲムシタビン/カペシタビンの併用に関するデータが含められた。

本文に、日本における第III相多施設非劣性試験であり、385人の患者を6サイクルのゲムシタビンまたはS-1のいずれかを受けるようにランダムに割り付けたJapan Adjuvant Study Group of Pancreatic Cancer(膵癌補助化学療法研究グループ)(JASPAC-01)に関する記述が追加された(引用、参考文献23としてUesaka et al.および証拠レベル:1iiA)。早期中間解析についてJASPAC-01のデータが追加され、5年OS率はゲムシタビン群で24.4%およびS-1群で44.1%であった;グレード3/4の毒性作用における治療群間の差、S-1の東洋人および西洋人集団への効果の説明も追加された。以下が記述された;S-1は日本において有効な治療であるが、アジア系以外の集団でのさらなる研究および米国では米国食品医薬品局による承認が必要である。

本文に以下の記述が追加された;パフォーマンスステータスが良好な患者については、補助ゲムシタビン/カペシタビンを検討すべきである;しかしながら、高齢の患者またはパフォーマンスステータスが境界域の患者に対しては、補助ゲムシタビンまたは5-FU単剤療法を検討できる。

IV期の膵がんの治療

本文で以下の記述が改訂された;症状緩和目的の化学療法レジメンは客観的奏効率が低く、効力が限定的であるため、新たに診断された患者はいずれも臨床試験への登録を検討すべきである。最近では、多剤併用化学療法は単剤のゲムシタビンと比較して生存期間を延長することが示されている。

本文に、第二選択化学療法の証拠に関する記述が追加され、以前にゲムシタビンベースの治療法で治療された転移性膵がん患者におけるナノリポソーム型イリノテカンの役割を評価したNAPOLI-1試験が含められた。イリノテカンおよびその活性代謝物の腫瘍内での濃度を増すようにデザインされたイリノテカンの封入剤としてナノリポソーム型イリノテカンが記述された。417人の患者がナノリポソーム型イリノテカン単剤療法、5-FUおよびフォリン酸、またはナノリポソーム型イリノテカンおよびフォリン酸のいずれかにランダムに割り付けられた研究からの統計データが追加され(引用、参考文献11としてWang-Gillam et al.および証拠レベル:1iiD)、データにはOS期間中央値について2群の比較(多変量解析で、ナノリポソーム型イリノテカン + 5-FUおよびフォリン酸はOSの改善に関連したことが結論付けられた)、グレード3/4の有害事象、QOLが含められた。非封入イリノテカンよりもむしろナノリポソーム型イリノテカンを使用する有益性は、この研究の対照群のレジメンが5-FU/フォリン酸であったため、明確さが欠如している;また、第一選択治療の状況におけるFOLFIRINOX(ロイコボリン・カルシウム、フルオロウラシル、塩酸イリノテカン、およびオキサリプラチン)後にナノリポソーム型イリノテカンを使用する価値は不明確であると記述されて締めくくられた。

本文に、PANCREOX研究に関する統計データを含めることでゲムシタビン化学療法後のフォリン酸、フルオロウラシルオキサリプラチン(FOLFOX) vs 5-FU/ロイコボリン(LV)の比較に関する記述が追加された;このプロスペクティブ多施設試験では、第一選択治療のゲムシタビンをベースにした化学療法を以前に受けた進行性膵がん患者108人が、修正FOLFOX(mFOLFOX)-6として投与するオキサリプラチンを併用するまたは併用しない5-FU/LVを受けるようにランダムに割り付けられた(引用、参考文献12としてGill et al.および証拠レベル:3iA)。2群に関する統計データには、無増悪生存期間中央値、奏効率およびQOLにおける差の欠如、グレード3/4の有害事象の全発生率、第一選択治療のゲムシタビンをベースにした化学療法後の進行性膵がん患者において5-FU/LV注入と比較して、mFOLFOX-6レジメンで投与するオキサリプラチンの追加による有益性の欠如が含められ、転移性膵がんに対するオキサリプラチンベースのレジメンは第一選択治療の状況において最も有益性が大きくなる可能性が示唆されている。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、膵がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

膵がんの治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


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    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Pancreatic Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: https://www.cancer.gov/types/pancreatic/hp/pancreatic-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389394]

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