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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

小児軟部肉腫の治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-12-06
    翻訳更新日 : 2017-02-22

Childhood Soft Tissue Sarcoma (PDQ®): Treatment PDQ Pediatric Treatment Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児軟部肉腫の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

小児軟部肉腫 小児胞巣状軟部肉腫 小児血管肉腫 小児線維形成性小円形細胞腫瘍 小児線維肉腫 小児平滑筋肉腫 小児脂肪肉腫 小児神経線維肉腫 小児滑膜肉腫 軟部明細胞肉腫 隆起性皮膚線維肉腫 デスモイド型線維腫症 外胚葉性間葉腫 類上皮血管内皮腫 類上皮肉腫 骨外性間葉性軟骨肉腫 骨外性粘液型軟骨肉腫 骨外性骨肉腫 乳児型線維肉腫 乳児筋線維腫症 炎症性筋線維芽細胞性腫瘍 低悪性度線維粘液性肉腫 悪性末梢神経鞘腫瘍 悪性トリトン腫瘍 筋周皮腫 粘液線維肉腫 PEComa 叢状線維組織球腫瘍 硬化性類上皮線維肉腫

小児軟部肉腫に関する一般情報

小児および青年におけるがんはまれであるが、小児がんの全発生率は、1975年以降徐々に増加している。 [1] 小児および青年のがん患者は、小児期および青年期に発生するがんの治療経験を有する専門家から構成される集学的チームのある医療機関に紹介されるべきである。この集学的チームのアプローチとは、至適な生存期間および生活の質を得られるような治療、支持療法およびリハビリテーションを小児が確実に受けられるようにするため、以下の医療専門家らの技能を集結させたものである。


  • プライマリケア医。

  • 小児外科専門医。

  • 小児放射線腫瘍医。

  • 小児内科腫瘍医/血液専門医。

  • リハビリテーション専門家。

  • 小児専門看護師。

  • ソーシャルワーカー。

  • チャイルドライフ専門員。

  • 心理士。

(小児および青年のがんの支持療法に関する具体的な情報については、PDQの支持療法と緩和ケアの要約を参照のこと。)

米国小児科学会は、小児がん施設とそれらが小児がん患者の治療において担う役割に関するガイドラインを概説している。 [2] このような小児がん施設では、小児および青年に発症するほとんどの種類のがんに関する臨床試験が行われており、大半の患者/家族に参加する機会が与えられている。これらの患児が最適な臨床転帰を確実に得られるようにするため、外科的専門知識および放射線療法の専門技能を有する小児がん施設で集学的に評価することがきわめて重要である。かなりの割合の患者で放射線療法を併用するまたは併用しない手術で治癒が得られるが、化学療法を追加することで一部のがん患者に利益がもたらされる可能性がある;したがって、臨床試験への登録が勧められる。小児および青年のがんに関する臨床試験は一般に、現在標準とされている治療法と、それより効果的であると思われる治療法とを比較するようデザインされている。小児がんの治癒を目指した治療法の進歩の大部分は、このような臨床試験によって達成されたものである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

小児および青年のがん患者の生存において、劇的な改善が達成されている。1975年から2010年の間に、小児がんの死亡率は50%以上低下した。 [1] 小児および青年のがん生存者では、治療から数ヵ月または数年経過後もがん療法の副作用が持続または発現することがあるため、綿密なモニタリングが必要である。(小児および青年のがん生存者における晩期障害の発生率、種類、およびモニタリングに関する具体的な情報については、小児がん治療の晩期障害に関するPDQ要約を参照のこと。)

横紋筋の腫瘍である横紋筋肉腫は0~14歳の小児に最もよくみられる軟部肉腫であり、この年齢群にみられる腫瘍の50%を占める。 [3] (詳しい情報については、小児横紋筋肉腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)小児科では、残りの軟部肉腫は一般に非横紋筋肉腫性軟部肉腫と呼ばれ、全小児腫瘍の約3%を占める。 [4] この混成の腫瘍群には以下の新生物が含まれる: [5]


  • 結合組織(例、デスモイド型線維腫症)。

  • 末梢神経系(例、悪性末梢神経鞘腫瘍)。

  • 平滑筋(例、平滑筋肉腫)。

  • 脈管組織(血管およびリンパ管、例、血管肉腫)。(小児脈管腫瘍に関する詳しい情報については、小児脈管腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

年齢別および組織型別の軟部肉腫の分布。

小児軟部肉腫は、原始間葉組織由来の悪性腫瘍からなる混成群であり、全小児腫瘍の7%を占める。 [6]

1975年から2012年のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)の情報を基にした組織型および年齢ごとの軟部肉腫の分布を表1に記載している。年齢ごとの組織学的亜型の分布は、図2にも示されている。

表1.0~19歳の小児における軟部肉腫の年齢分布(SEER 1975~2012年)a

5歳未満 5~9歳 10~14歳 15~19歳 20歳未満のSTSの総症例数に対する割合(%)
pPNET = 末梢性原始神経外胚葉性腫瘍;SEER = Surveillance Epidemiology and End Results;STS = 軟部肉腫。
aSEERデータはhttp://seer.cancer.govで閲覧可能である。
b皮膚線維肉腫はこれらの症例の75%を占める。

すべての軟部肉腫およびその他の骨外性肉腫

923

631

946

1,267

横紋筋肉腫

551

348

312

270

線維肉腫、末梢神経、およびその他の線維の新生物

116

50

88

141

  線維芽細胞性および筋線維芽細胞性腫瘍 97 24 31 62   6
  神経鞘腫瘍 19 26 56 77   5
  その他の線維の新生物 0 0 1 2   0.1

カポジ肉腫

2

1

1

9

その他の特定の軟部肉腫

194

190

424

708

  軟部組織のユーイング腫瘍およびアスキン腫瘍 27 30 62 92   6
  軟部組織のpPNET 21 18 36 46   3.2
  腎外性ラブドイド腫瘍 61 3 7 3   2
  脂肪肉腫 3 5 22 57   2.3
  線維組織球腫瘍 b 34 54 108 188   10
  平滑筋肉腫 9 14 15 36   2
  滑膜肉腫 10 34 111 175   9
  血管腫瘍 11 7 8 25   1.4
  軟部組織の骨性および軟骨性新生物 1 6 13 10   0.8
  胞巣状軟部肉腫 4 3 16 29   1.4
  その他の軟部肉腫 13 16 36 47   3

未特定の軟部肉腫

60

40

111

139



非横紋筋肉腫性軟部肉腫は、青年および成人に多くみられ [5] 、これより若年の患者における疾患の治療および自然経過に関する情報のほとんどは、成人を対象とした研究に基づいている。病期、組織学的亜型、腫瘍の部位に応じた年齢ごとのこれらの腫瘍の分布が、それぞれ図1、2、および3に示されている。 [7] 図1.病期に応じた年齢ごとの非横紋筋肉腫性軟部肉腫の分布。 図2.組織学的亜型に応じた年齢ごとの非横紋筋肉腫性軟部肉腫の分布。 図3.腫瘍の部位に応じた年齢ごとの非横紋筋肉腫性軟部肉腫の分布。

危険因子

いくつかの遺伝的および環境的な因子が、非横紋筋肉腫性軟部肉腫の発症に関係していることが指摘されており、その中には以下のものがある:


  • 遺伝的因子:


      リー-フラウメニ症候群:

      リー-フラウメニ症候群(通常はp53腫瘍抑制遺伝子の遺伝性のがん関連変異が原因)の患者は、軟部腫瘍(主に非横紋筋肉腫性軟部肉腫)、骨肉腫、乳がん、脳腫瘍、および急性白血病を発症するリスクが高い。 [8] [9]

      神経線維腫症1型:

      神経線維腫症1型患者の約4%が悪性末梢神経鞘腫瘍を発症するが、これは通常は長い潜伏期を経て現れる;一部の患者は多発性病変を生じる。 [10] [11] [12]

      家族性腺腫性ポリポーシス:

      家族性腺腫性ポリポーシスの患者は、デスモイド型線維腫症を発症するリスクが高い。 [13]

      ウェルナー症候群:

      ウェルナー症候群は、自発性の染色体不安定性を特徴とし、がん感受性の増加および早期老化を来す。ウェルナー症候群の患者には軟部肉腫が過度に多くみられることが報告されている。 [14]

      網膜芽細胞腫(RB1)遺伝子:

      網膜芽細胞腫遺伝子に生殖細胞変異があると、軟部肉腫、特に平滑筋肉腫を発症するリスクが高くなるという関連性が指摘されている。 [15]

  • 環境的因子:


      放射線療法:

      一部の非横紋筋肉腫性軟部肉腫(特に悪性線維性組織球腫)が過去に照射を受けた部位に発生することがある。 [4] [16]

      AIDS患者におけるエプスタイン-バーウイルス感染:

      AIDS患者では、一部の非横紋筋肉腫性軟部肉腫(例、平滑筋肉腫)がエプスタイン-バーウイルス感染と関連することが指摘されている。 [4] [17]

臨床症状

非横紋筋肉腫性軟部肉腫は身体のあらゆる部位に生じうるが、体幹および四肢に最も好発する。 [18] [19] [20] このような腫瘍は、最初に無症候性の充実性腫瘤として出現することもあれば、隣接する解剖学的組織への局所浸潤のために、症候性であることもある。まれではあるが、これらの腫瘍は脳組織に原発することがあり、組織型に応じて治療される。 [21]

全身症状(例えば、発熱、体重減少、および寝汗)はまれである。血管周皮腫の症例では低血糖と低リン血症性くる病が報告されているのに対して、肺線維肉腫患者では高血糖が報告されている。 [22]

診断的評価および病期評価

疑わしい病変が特定された場合、完全な検査の後に十分な生検を実施することがきわめて重要である。何らかの介入を開始する前に、以下の検査を用いて病変を画像化することが最も望ましい。


  • 単純X線写真。骨転移を除外し、骨外性骨肉腫または滑膜肉腫などの軟部腫瘍で見られることがある石灰化を発見するには、単純X線写真が利用できる。

  • 胸部コンピュータ断層撮影(CT)。胸部CTは転移の有無の評価に不可欠である。

  • 腹部CTまたは磁気共鳴画像法(MRI)。脂肪肉腫などの腹腔内腫瘍の画像化には、腹部CTまたはMRIを用いることができる。

  • 四肢のMRI。MRIは四肢の病変について不可欠である。

  • ポジトロン放射断層撮影(PET)スキャンおよび骨スキャン。横紋筋肉腫の小児では、リンパ節、骨、骨髄、および軟部組織疾患の同定において、PET-CTの方が従来の画像検査法より成績が良好であった。1件の画像検査法比較研究の著者は、Tc99mによる骨スキャンは、病期分類検査として除かれうることを示唆している。 [23] 小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫におけるこの検査法の使用は広く研究されていない。しかし、非横紋筋肉腫性軟部肉腫患者9人を対象とした小規模研究から、PET-CTは、遠隔転移病変の同定において、いずれかの検査法単独より正確かつ費用対効果が高いことが示唆されている。 [24]

一部の腫瘍の画像所見の特徴からこの診断が強く示唆される場合がある。例えば、小児低悪性度線維粘液性肉腫および胞巣状軟部肉腫の画像所見の特徴が報告されており、これらのまれな新生物の診断に有用となりうる。 [25]

生検戦略

非横紋筋肉腫性軟部腫瘍は、病理学的にかなり容易に横紋筋肉腫またはユーイング肉腫から鑑別されるが、小児の非横紋筋肉腫性軟部肉腫の種類の分類はしばしば困難となる。非横紋筋肉腫性軟部肉腫の診断には、コア針生検、切開生検、または切除生検を用いることができる。可能な場合は、根治的切除を行う予定の外科医が生検の決定に関与する必要がある。切開生検または針生検の位置が不適切だと、初回切除の施行に悪影響が生じる場合がある。

生検方法の選択に関して考慮すべき事項には以下のものがある:


  • 穿刺生検は、この不均質な腫瘍グループにおいて腫瘍の正確な組織学的診断と悪性度の決定が困難なため、通常は推奨されない。

  • 従来の組織学的検査、免疫化学的検査のほか、光学および電子顕微鏡による観察、細胞遺伝学的検査、蛍光in situハイブリダイゼーション、分子病理学的検査などを可能とするには、十分な量の腫瘍組織を採取するコア針生検または小切開生検がきわめて重要となる。 [26] [27] 深在性の腫瘍に対するコア針生検は、その後の切除および/または放射線に影響する血腫の形成につながることがある;これらの症例では、切開生検が好ましい手技である。

  • 針生検法では適切な組織サンプルの採取を確実に行う必要がある。組織について複数コアの採取が必要となる場合がある。

  • 模範的な生検を確実に実施するには、超音波、CTキャン、またはMRIを用いた画像ガイダンスが必要となる場合がある。 [28]

  • 切開生検では、その後の広範囲局所切除術を損なわないようにする必要がある。

  • 病変の切除生検は、小さい表在性病変(大きさが3cm未満)にのみ適切であり、推奨されない。 [29] [30] 切除生検を考慮する場合は、その後に手術または放射線療法を行う可能性が高いことから、病変領域を明らかにするためにその領域のMRIが推奨される。

  • 四肢の横切開(transverse extremity incisions)は、皮膚喪失を少なくするため、および放射線照射野の対象とすべき組織の横断容積を増やす必要が生じるため、避けられる。他の広範な外科的手技も確定診断前には避けられる。このような理由から、必須の検査が実施でき、かつ将来の治療法の選択肢を制限することなく十分な腫瘍組織が採取できるように、切開生検または複数回のコア針生検が強く推奨される。

予定外の切除

非横紋筋肉腫性軟部肉腫を予定外に切除した小児では、多くの患児で再切除した標本中に腫瘍が認められるため、しばしば一次再切除が推奨される。 [31] [32] 青年および成人を対象にした単一施設の解析で、軟部肉腫の予定外の切除を受けた患者が病期をマッチさせた対照と比較された。このレトロスペクティブ解析では、軟部肉腫の予定外の初回切除により、局所再発、転移、および死亡のリスクが増加したが、この増加は高悪性度の腫瘍で最も大きかった。 [33] [証拠レベル:3iiA]

染色体異常

多くの非横紋筋肉腫性軟部肉腫は染色体異常により特徴付けられる。そうした染色体転座の中には、2つの離れた遺伝子の融合を引き起こすものがある。この結果生じた融合転写産物は、ポリメラーゼ連鎖反応を基にした方法を用いることによって容易に検出できるため、転座を有する腫瘍の診断が容易となる。非横紋筋肉腫性軟部肉腫で最も頻繁にみられる染色体異常の一部を表2に示す。

表2.非横紋筋肉腫性軟部肉腫に高頻度にみられる染色体異常a

組織型 染色体異常 関係する遺伝子
a出典:Sandberg [34] 、Slater et al. [35] 、Mertens et al. [36] 、およびRomeo [37] 。
胞巣状軟部肉腫 t(x;17)(p11.2;q25) ASPL/TFE3 [38] [39] [40]
血管腫様線維性組織球腫 t(12;16)(q13;p11)、t(2;22)(q33;q12)、t(12;22)(q13;q12) FUS/ATF1EWSR1/CREB1 [41] 、EWS/ATF1
明細胞肉腫 t(12;22)(q13;q12)、t(2;22)(q33;q12) ATF1/EWSEWSR1/CREB1
先天性(乳児性)線維肉腫/中胚葉性腎腫 t(12;15)(p13;q25) ETV-NTRK3
隆起性皮膚線維肉腫 t(17;22)(q22;q13) COL1A1/PDGFB
デスモイド線維腫症 8または20トリソミー、5q21欠失 CTNNB1またはAPCの突然変異
線維形成性小円形細胞腫瘍 t(11;22)(p13;q12) EWS/WT1 [42] [43]
類上皮血管内皮腫 t(1;3)(p36;q25) [44] WWTR1/CAMTA1
類上皮肉腫 SMARCB1不活性化 SMARCB1
骨外性粘液型軟骨肉腫 t(9;22)(q22;q12)、t(9;17)(q22;q11)、t(9;15)(q22;q21)、t(3;9)(q11;q22) EWSR1/NR4A3TAF2N/NR4A3TCF12/NR4A3TGF/NR4A3
血管周皮腫 t(12;19)(q13;q13.3)およびt(13;22)(q22;q13.3)  
乳児型線維肉腫 t(12;15)(p13;q25) ETV6/NTRK3
炎症性筋線維芽細胞性腫瘍 t(1;2)(q23;q23)、t(2;19)(q23;q13)、t(2;17)(q23;q23)、t(2;2)(p23;q13)、t(2;11)(p23;p15) [45] TPM3/ALKTPM4/ALKCLTC/ALKRANBP2/ALKCARS/ALKRAS
低悪性度線維粘液性肉腫 t(7;16)(q33;p11)、t(11;16)(p11;p11) FUS/CREB3L2FUS/CREB3L1
悪性末梢神経鞘腫瘍 17q11.2、10p、11q、17q、22qの欠失または再構成 NF1
間葉性軟骨肉腫 Del(8)(q13.3q21.1) HEY1/NCOA2
筋上皮腫 t(19;22)(q13;q12)、t(1;22)(q23;q12)、t(6;22)(p21;q12) EWSR/ZNF44EWSR/PBX1EWSR/POU5F1
粘液型脂肪肉腫/円形細胞脂肪肉腫 t(12;16)(q13;p11)、t(12;22)(q13;q12) FUS/DD1T3EWSR/DD1T3
ラブドイド腫瘍 SMARCB1不活性化 SMARCB1
単発性線維性腫瘍 Inv(12)(q13q13) NAB2/STAT6
滑膜肉腫 t(x;18)(p11.2;q11.2) SYT/SSX
腱鞘巨細胞腫 t(1;2)(p13;q35) COL6A3/CSF1


予後

非横紋筋肉腫性軟部肉腫の予後は以下の因子に応じて大きく異なる: [46] [47] [48]


  • 腫瘍悪性度。(詳しい情報については、本要約の腫瘍悪性度判定の予後的意義のセクションを参照のこと。)

  • 腫瘍の浸潤性。

  • 腫瘍の大きさ。

  • 原発腫瘍の部位。

  • 転移の有無。

  • 腫瘍の切除可能性。

  • 放射線療法の使用。

一部の小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫は比較的良好な転帰と関連している。例えば、乳児および5歳未満の小児にみられる乳児型線維肉腫は、患児のかなりの数が手術のみで治癒が得られ、また化学療法に対する腫瘍の感受性が高いことから、予後が優れている。 [4]

年長の小児および青年の軟部肉腫は、成人の軟部肉腫とほぼ同じ挙動を示すことが多い。 [4] [26] 小児腫瘍学グループの大規模プロスペクティブ多国籍研究(ARST0332[NCT00346164])では新たに診断された30歳未満の患者が登録された。患者はリスクグループに基づく治療に割り付けられた(図4を参照のこと)。 [49] [証拠レベル:2A]

図4.小児腫瘍学グループのARST0332試験でのリスク層別化および治療割り付け。Credit: Sheri L. Spunt, M.D., M.B.A.

  1. 治療群A(肉眼的に切除された低悪性度腫瘍および広範に切除された5cm以下の高悪性度腫瘍):手術単独。
  2. 治療群B(辺縁部で切除された5cm以下の高悪性度腫瘍):55.8Gyの放射線療法。
  3. 治療群C(肉眼的に切除された5cm超の腫瘍 ± 転移):イホスファミド/ドキソルビシンによる化学療法および55.8Gyの放射線療法。
  4. 治療群D(切除されなかった5cm超の腫瘍 ± 転移):術前のイホスファミド/ドキソルビシンによる化学療法および45Gyの放射線療法、続いて手術と切除断端に基づく追加照射。

登録された551人の患者について追跡期間中央値で2.6年時に、予備解析でその後の3年生存率が以下のように推定された: [49]


  • 治療群A:91%のイベントフリー生存率(EFS);99%の全生存率(OS)。

  • 治療群B:79%のEFS;100%のOS。

  • 治療群C:68%のEFS;81%のOS。

  • 治療群D:52%のEFS;66%のOS。

切除不能な限局性非横紋筋肉腫性軟部肉腫の小児患者は転帰不良である。集学的治療を受けた患者で、無病生存を維持するのは約3分の1のみである。 [46] [50] ; [51] [52] [証拠レベル:3iiiA]

米国および欧州の小児センターからのプール解析では、腫瘍摘除術が完全であったと考えられる患者の方が、不完全であった患者より転帰が優れていた。放射線療法を受けた患者の方が受けなかった患者より転帰が優れていた。 [51] [証拠レベル:3iiiA]

無病生存を最大化する一方で長期的な関連合併症を最小化する必要があるため、治療を開始する前に、このような予後因子を利用してそれぞれの患者に対する理想的な治療を綿密かつ個別に決定する必要がある。 [19] [53] [54] [55] [56] [57]

関連する要約

他の種類の肉腫に関する情報については、以下のPDQ要約を参照のこと。



参考文献
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小児軟部肉腫の病理組織学的分類

軟部肉腫の世界保健機関(WHO)分類

WHOでは、軟部肉腫分類として以下の細胞型を記載している: [1] [2]

  1. 脂肪細胞腫瘍
    1. 中悪性度(局所侵攻性)。
    2. 悪性。
  2. 骨・軟骨部腫瘍
  3. 線維芽細胞性/筋線維芽細胞性腫瘍
    1. 中悪性度(局所侵攻性)。
      • デスモイド型線維腫症(以前はデスモイド腫瘍または侵襲性線維腫症と呼ばれていた)。

      • 巨細胞型線維芽腫。

      • 脂肪線維腫症。

      • 手掌/足底線維腫症。

    2. 中悪性度(転移はまれ)。
    3. 悪性。
  4. 骨格筋腫瘍
  5. 平滑筋腫瘍
  6. いわゆる線維組織球性腫瘍(中悪性度、転移はまれ)。
  7. 末梢神経の腫瘍
  8. 周皮細胞(血管周囲)腫瘍。
    1. 悪性グロムス腫瘍およびその異型。
    2. 筋周皮腫
      • 血管平滑筋腫。

      • 筋線維腫。
          乳児性筋線維腫(以前は血管周皮腫[乳児性]と呼ばれていた)。
          筋線維腫症。
          乳児筋線維腫症

  9. 分化不明の腫瘍
  10. 未分化/未分類肉腫
    • 未分化類上皮肉腫。

    • 未分化多形肉腫

    • 未分化円形細胞肉腫。

    • 未分化肉腫;肉腫、NOS。 [6]

    • 未分化紡錘細胞肉腫。

  11. 脈管腫瘍

参考文献
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小児軟部肉腫の病期分類および悪性度判定システム

臨床的病期診断は、臨床転帰を予測し、小児軟部肉腫にとって最も効果的な治療法を決定するのに重要な役割を果たしている。現時点では、広く普及している病期分類システムで、あらゆる小児肉腫に適用できるものは存在しない。成人に用いられる米国がん合同委員会(AJCC)の病期分類システムは、小児を対象とした研究では検証されていない。小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫について標準化された病期分類システムは存在しないが、その病期分類には現在2つのシステムが用いられている。 [1]


  • 外科病理学的病期分類システム:

    Intergroup Rhabdomyosarcoma Studyで使用されている外科病理学的病期分類システム(下記参照)は、初回手術後の残存腫瘍量または拡がり、および転移の有無に基づくものである。この病期分類システムは初期の小児試験で使用された。 [2]

  • TNM病期分類システム:

    TNM病期分類システムはAJCC(米国)および国際対がん連合(International Union Against Cancer)(世界的)間の共同作業である。腫瘍の範囲(T)、リンパ節転移の程度(N)、転移の有無(M)に基づいて病期を判定する。このマニュアル第7版の軟部肉腫の病期分類については表3~6を参照のこと。 [3] 最新の小児腫瘍学グループ試験では軟部肉腫についてAJCCがん病期分類マニュアル第6版が用いられている(中央病理診断による)。 [1] 1988年から2007年のSurveillance Epidemiology and End Results(SEER)プログラムのデータについて非横紋筋肉腫性軟部肉腫の小児のレビューが行われ、941人の患児が確認された。 [4] COGのリスク層別化はこのコホートにおいて妥当性が確認された。

Intergroup Rhabdomyosarcoma Studyの病期分類システム

非転移性疾患


  • 第I群:

    限局性腫瘍で、完全に切除され、組織学的に切除断端陰性のもの。

  • 第II群:

    肉眼的には切除された腫瘍で、切除断端に顕微鏡的な残存腫瘍および/または所属リンパ節への拡がりが認められるもの。
      IIA:肉眼的には切除された腫瘍で、顕微鏡的には残存病変が認められるもの。
      IIB:リンパ節に転移した領域病変で、完全に切除され顕微鏡的に病変が認められないもの。(患者に対して)最も近位(腫瘍に対して最も遠位)の所属リンパ節が陰性でなければならない。
      IIC:リンパ節に転移した領域病変で、肉眼的には切除されたが、原発部位に顕微鏡的な残存病変が明らかに認められる、および/または郭清した所属リンパ節の最も遠位に組織学的な転移が認められるもの。

  • 第III群:

    限局性腫瘍で、切除が不完全または生検のみで、肉眼的に残存腫瘍が認められるもの。

転移性疾患


  • 第IV群:

    限局性腫瘍または領域内腫瘍で、診断時に遠隔転移が認められるもの。この中には、体液(胸膜、腹膜)および/または脳脊髄液(まれ)における悪性細胞の存在も含まれる。

再発/進行性疾患


  • 初回治療の実施後に再発する軟部肉腫、または放射線療法後、化学療法後、もしくは初回手術の実施後に再発する軟部肉腫。

TNM病期分類システム

AJCCの第7版は、腫瘍の大きさ、リンパ節の状態、組織学的悪性度、および転移の4つの基準による病期診断を指定している。 [3]

表3.原発腫瘍(T)a

aAJCCから許諾を得て転載:Soft tissue sarcoma.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 291-8.
b表在性腫瘍は、筋膜へ浸潤することなく浅筋膜上層にのみ局在する;深在性腫瘍は、浅筋膜下層にのみ局在する場合、筋膜へ浸潤あるいは筋膜を通り抜けて浸潤して浅筋膜から筋膜まで存在する場合、または浅筋膜と筋膜下層の両方に存在する場合のいずれかとなる。
TX 原発腫瘍の評価が不可能。
T0 原発腫瘍を認めない。
T1 腫瘍の最大径が5cm以下。b
T1a 表在性腫瘍。
T1b 深在性腫瘍。
T2 腫瘍の最大径が5cm超過。b
T2a 表在性腫瘍。
T2b 深在性腫瘍。


表4.所属リンパ節(N)a

aAJCCから許諾を得て転載:Soft tissue sarcoma.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 291-8.
bM0腫瘍における陽性リンパ節の存在(N1)はIII期とみなす。
NX 所属リンパ節の評価が不可能。
N0 所属リンパ節に転移を認めない。
N1b 所属リンパ節に転移を認める。


表5.遠隔転移(M)a

aAJCCから許諾を得て転載:Soft tissue sarcoma.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 291-8.
M0 遠隔転移を認めない。
M1 遠隔転移を認める。


表6.解剖学的病期/予後グループa

病期 T N M 悪性度
aAJCCから許諾を得て転載:Soft tissue sarcoma.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 291-8.
IA T1a N0 M0 G1、GX
T1b N0 M0 G1、GX
IB T2a N0 M0 G1、GX
T2b N0 M0 G1、GX
IIA T1a N0 M0 G2、G3
T1b N0 M0 G2、G3
IIB T2a N0 M0 G2
T2b N0 M0 G2
III T2a, T2b N0 M0 G3
すべてのT N1 M0 すべてのG
IV すべてのT すべてのN M1 すべてのG


軟部肉腫の腫瘍病理悪性度判定システム

ほとんどの症例では、軟部肉腫の正確な病理組織学的分類だけでは、臨床的挙動に関する最適な情報を得ることはできない。このため、悪性度判定過程では、以下のものを含め、いくつかの組織学的パラメータの評価が行われる:


  • 細胞性の程度。

  • 細胞多形性。

  • 分裂能。

  • 壊死の程度。

  • 浸潤性増殖。

この過程は、組織学的所見と臨床転帰との間の相関性を改善するために行うものである。 [5] 小児における軟部肉腫の悪性度判定は、4歳未満の小児において予後が良好な乳児型線維肉腫および血管周皮腫、また切除が不完全であれば局所再発の可能性があるが、通常は転移しない血管腫様線維性組織球腫および隆起性皮膚線維肉腫など、良好な予後を示す特定の腫瘍があるため誤りやすい。

このような腫瘍はまれであることから、小児集団で悪性度判定システムの妥当性を検証することは困難である。1986年3月に、Pediatric Oncology Group(POG)が横紋筋肉腫以外の小児軟部肉腫を対象としたプロスペクティブ研究を実施し、POG悪性度判定システムを考案した。横紋筋肉腫以外の限局性軟部肉腫患者を対象とした転帰解析から、腫瘍が悪性度3の患者は、悪性度1または悪性度2の患者より有意に不良な経過をたどることが明らかになった。この知見は、このシステムにより非横紋筋肉腫性軟部肉腫の臨床的挙動を正確に予測しうることを示唆している。 [5] [6] [7]

POGおよびFrench Federation of Comprehensive Cancer Centers(Fédéation Nationale des Centres de Lutte Contre Le Cancer [FNCLCC])のSarcoma Groupによって策定された悪性度判定システムを以下に示している。これらの悪性度判定システムは、COG-ARST0332研究で中央病理検査担当者によって比較されている。この研究は中止され、結果は未発表である。

POG悪性度判定システム

POG悪性度判定システムを以下に示す。 [5] これは歴史的価値をもつ旧世代の悪性度判定システムであり、現在では治療には使われていない。

悪性度I

悪性度Iの病変は、組織型、細胞組織学的特徴が高分化型、および/または患者の年齢を基にしている。


  • 血管腫様線維性組織球腫。

  • 隆起性皮膚線維肉腫。

  • 脂肪肉腫-粘液型または高分化型。

  • 粘液型軟骨肉腫。

  • 高分化型悪性末梢神経鞘腫瘍。

  • 高分化型または乳児型(4歳以下)線維肉腫。

  • 高分化型または乳児型(4歳以下)血管周皮腫。

悪性度II

悪性度IIの病変は、組織学的診断により悪性度IまたはIIIに含まれない軟部肉腫である(有糸分裂像が10高倍率視野当たり5未満、または壊死が15%未満):


  • 表面積の15%以下が壊死を示す(一次判定基準)。

  • 有糸分裂像の数が10高倍率視野(40倍対物レンズ)当たり5未満(一次判定基準)。

  • 核異型が著明ではない(二次判定基準)。

  • 腫瘍は細胞密度が著明ではない(二次判定基準)。

悪性度III

悪性度IIIの病変は、悪性度IIの病変に類似しており、組織学的診断(有糸分裂像が10高倍率視野当たり4を超える、または壊死が15%を超える)および悪性度I以外の腫瘍であるという理由で臨床的に侵攻性であることが知られている以下の特定腫瘍を含む:


  • 胞巣状軟部肉腫。

  • 骨外性骨原性肉腫。

  • 悪性トリトン腫瘍。

  • 間葉性軟骨肉腫。

  • 多形型または円形細胞脂肪肉腫。

  • 悪性度Iに含まれず、壊死が15%を超える、および/または有糸分裂像が10高倍率視野(40倍対物レンズ)当たり5以下であるその他のすべての肉腫。著明な異型性および細胞密度が予測に役立つことは少ないが、このカテゴリーの腫瘍に分類する手がかりにはなりうる。

FNCLCC悪性度判定システム

FNCLCC組織学的悪性度判定システムは、軟部肉腫の成人用に開発された。この悪性度判定システムの目的は、どの患者が転移を来し、その後の術後化学療法が有益となるかを予測することである。 [8] [9] この悪性度判定システムを表7および表8に示す。

表7.FNCLCC組織学的悪性度判定システム

FNCLCC = Fédération Nationale des Centres de Lutte Contre Le Cancer;HPF = 高倍率視野。

腫瘍分化度

 
スコア1 正常な成人の間葉組織に酷似している肉腫(例えば、高分化型脂肪肉腫)
スコア2 組織型が確定している腫瘍(例えば、粘液型脂肪肉腫)
スコア3 胎児型および未分化型肉腫、組織型が疑わしい肉腫、滑膜肉腫
 

有糸分裂像の数

 
スコア1 有糸分裂像が10HPF当たり0~9
スコア2 有糸分裂像が10HPF当たり10~19
スコア3 有糸分裂像が10HPF当たり20以上
 

腫瘍壊死

 
スコア0 壊死なし
スコア1 腫瘍壊死が50%未満
スコア2 腫瘍壊死が50%以上


表8.総スコアにより判定した組織学的悪性度

総スコア 組織学的悪性度
2–3 悪性度I
4–5 悪性度II
6–8 悪性度III


腫瘍悪性度判定の予後的意義

前述の2つの悪性度判定システムは、小児および成人の非横紋筋肉腫性軟部肉腫において予後的価値があることが証明されている。 [10] [11] [12] [13] [14] 3件のプロスペクティブ臨床試験に登録された非横紋筋肉腫性軟部肉腫の小児および青年から採取した130の腫瘍を調べた研究では、POG指定の悪性度とFNCLCC指定の悪性度との間に相関性が認められた。しかしながら、すべての症例で悪性度指定が相関していたわけではなかった;腫瘍の悪性度指定が一致しなかった患者44人(POGで悪性度3、FNCLCCで悪性度1または2)は、一致した悪性度3、および悪性度1および2の間の転帰を示した。有糸分裂指数が10以上という指標が、重要な予後因子として浮上した。 [15] 最近完了したCOG-ARST0332試験では、データを解析し、POGとFNCLCCの病理学的悪性度判定システムを比較することで、いずれのシステムが臨床転帰とより良好な相関性を示すかを判定した。

成人非横紋筋肉腫性軟部肉腫の多数例のシリーズのレビューでは、四肢の表在性肉腫は深在性腫瘍より良好な予後を示した。このため、悪性度および大きさのほかに、腫瘍の浸潤深度を考慮すべきである。 [16]

成人および小児のいくつかのシリーズは、大きな腫瘍または浸潤性腫瘍の患者は、小さな非浸潤性腫瘍の患者より、明らかに予後不良であることを示している。小児および青年の軟部肉腫に関するレトロスペクティブ研究の結果は、軟部肉腫の成人患者に適用している5cmというカットオフ値が小児、特に乳幼児には適さないことを示唆している。この研究では、腫瘍直径と体表面積の間に相関関係があることが確認された。 [17] このような関連性については、その観察所見の治療上の意義を判断するために今後も研究を重ねる必要がある。


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  17. Ferrari A, Miceli R, Meazza C, et al.: Soft tissue sarcomas of childhood and adolescence: the prognostic role of tumor size in relation to patient body size. J Clin Oncol 27 (3): 371-6, 2009.[PUBMED Abstract]

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小児軟部肉腫に対する治療法選択肢の概要

小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫はまれなことから、この種の腫瘍を来したすべての小児、青年、および若年成人については、腫瘍専門医(小児または内科)、病理医、外科医、および放射線腫瘍医からなる集学的チームによる治療の連係を考慮すべきである。さらに、この種の腫瘍の自然経過および治療に対する反応をさらに明らかにするために、まれな腫瘍に罹患している小児については、国または施設の治療プロトコルへの登録を考慮すべきである。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。

手術

適切な生検および病理学的診断の後、原発腫瘍を可能な限り断端陰性で局所切除することを目指し、その施行前または施行後に化学療法および/または放射線療法を行う。この決定には、軟部肉腫の切除に関し専門の技術・経験を有する外科医が加わることが強く望まれる。

手術実施時期の決定に際しては、手術の実施可能性と合併症の査定が必要となる。初回手術で切除組織の病理学的な断端陰性が得られなかった場合、またはがんの存在を知らずに初回手術が行われた場合は、断端陰性が得られるように、だが不必要に広範囲とすることなく、病変領域の再切除を施行する。 [1] [2] [3] [4] この手術方針は、たとえ初回手術後の磁気共鳴画像法(MRI)で腫瘤が検出されない場合であっても変わらない。 [5] ; [6] [証拠レベル:3iiA]

診断時の所属リンパ節転移はまれであり、類上皮肉腫および明細胞肉腫の患者に最も多くみられる。 [7] [8] さまざまな施設のシリーズで、軟部肉腫の患児における病期分類検査としてのセンチネルリンパ節生検の実施可能性および有効性が実証されている。 [9] [10] [11] [12] [13] [14]

放射線療法

放射線療法の検討は、手術単独または手術と化学療法の併用により、重要臓器を喪失したり、重大な機能的、審美的、または心理的な障害を生じたりすることなく局所制御を得られる可能性に基づいて行う。これは、患者因子(例、年齢および性別)ならびに腫瘍因子(例、病理組織学、部位、大きさ、悪性度)により異なる。放射線療法の検討には、外科的切除断端の状態、および骨または筋肉の発育障害、臓器損傷、または二次悪性腫瘍などの放射線誘発性合併症の予想も含める。放射線療法は術前でも術後でも実施可能で、照射野の大きさや線量も同様に、患者因子と腫瘍因子および腫瘍の手術可能性を基にして決定する。

一般的に、外科的切除断端が不十分な患者および腫瘍が大きく悪性度も高い患者には、放射線療法が適応となる。 [15] [16] 腫瘍切除断端が1cm未満の高悪性度腫瘍では、これが特に重要となる。 [17] [18] ; [19] [証拠レベル:3iiDiv]手術と放射線療法を併用した場合、原発腫瘍の局所制御の達成が可能な患者は80%を超える。 [20] [21]

術前放射線療法に伴って、優れた局所制御率が得られている。 [22] [23] このアプローチは、術後に腫瘍床を治療する必要がないため、より少ない腫瘍量を治療するという利点がある;また、手術による脈管系の破壊および瘢痕化からもたらされる相対的な低酸素症がみられないため、照射線量がいくぶん少ないという利点もある。成人では、術前放射線療法に伴って、主に下肢腫瘍における創傷合併症の発生率が高くなっているが、この発生率は疑わしい。 [24] 逆に、術前放射線療法では、術後アプローチよりもおそらく治療腫瘍量が少なく線量が低いため、線維症が少なくなる可能性がある。 [25]

特定の状況下においては、密封小線源治療や術中照射を適用できる場合もある。 [21] [26] [27] ; [28] [証拠レベル:3iiiDii]

後腹膜肉腫は、腸が放射線感受性により損傷しやすいことから、術後放射線療法があまり望ましくないという点で独特である。 [29] [30] 放射線の照射線量にかかわらず、術後癒着および腸の不動により損傷リスクが高まることがある。これは、腫瘍により腸がしばしば照射野外に移動し、曝露される腸があっても可動性が高いため、特定の腸区画に対する曝露量が低減される術前アプローチとは対照的である。

放射線の照射容積および線量は、前述の患者因子、腫瘍因子、および外科的因子とともに、以下の事項によって変化させる:


  • 患児の年齢および成長可能性。

  • 重要臓器、骨端軟骨板、リンパ管(比較的放射線耐性のある神経血管束以外)の回避可能性。

  • 機能的/審美的転帰。

放射線の線量は、一般に術前で45~50Gyであり、切除断端が顕微鏡的または肉眼的に陽性の場合は10~20Gyの術後追加照射、または切除が完全ではないと予想される場合に計画される密封小線源治療の検討も含める。しかしながら、術後追加照射の効力を証明するデータは不足している。 [31] 術後照射の線量は55~60Gyで、まれに、切除不能な肉眼的残存病変が存在する状況ではこれより高い線量が照射される。

放射線の照射マージンは、一般に縦方向で2~4cmで、軸方向で筋膜面を包含する。 [32] [33]

化学療法

術後化学療法の役割については、以下の研究に明らかなように、依然として見解が分かれている: [34]


  • 軟部肉腫の成人患者を対象としたすべてのランダム化試験から得られたデータのメタアナリシスは、5cmを超える高悪性度の腫瘍の患者に対して術後化学療法を行った方が無再発生存率が高まると結論している。 [35]

  • 欧州の1件の試験において、軟部肉腫を完全切除された成人患者が経過観察またはイホスファミドドキソルビシンによる術後化学療法にランダムに割り付けられた。術後化学療法はイベントフリー生存(EFS)または全生存(OS)の改善とは関連しなかった。この試験を小児患者に外挿することは困難であるが、その理由はこの試験では、1)さまざまな組織型が含まれていた;2)イホスファミドが比較的低用量であった;3)化学療法に割り付けられた患者は化学療法終了まで根治的放射線療法を延期された;4)この試験では患者の腫瘍のほぼ半数が中悪性度であったためである。著者らは、考察のセクションにおいて、研究の対象患者を欧州のメタアナリシスのものなどの以前に発表されたシリーズと併合し、結果から術後化学療法の有益性が示唆されると結論付けた。 [36] [証拠レベル:1iiA]

  • 小児を対象とした最大規模のプロスペクティブ試験では、ビンクリスチンダクチノマイシンシクロホスファミド、およびドキソルビシンによる術後化学療法についていかなる有益性も実証されなかった。 [20]

  • ドキソルビシンおよびイホスファミドはリスクに基づくCOG ARST0332(NCT00346164)試験で使用された。これはランダム化研究ではなかったが、2.6年後の結果は、高リスク(5cmを超える大きさおよび高悪性度)で、肉眼的切除を受けた非転移性腫瘍で、放射線療法およびドキソルビシンイホスファミドによる術後化学療法を受けた患者は3年EFSが68%およびOSが81%であったことを示している。術前化学療法および放射線療法による治療を受けた転移病変患者では、推定3年無失敗生存率は52%、OSは66%であった。 [37] [証拠レベル:3iiiA]

標的療法

血管新生抑制薬および哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害薬の使用が成人軟部肉腫の治療において研究されているが、小児科では研究されていない。化学療法後に奏効または病勢安定を得た成人患者711人がランダムに割り付けられた試験で、リダフォロリムスの投与は、プラセボとの比較で、無増悪生存(PFS)期間の3週間の改善と関連していた。 [38] 化学療法後に増悪を来した転移性軟部肉腫の成人患者371人をランダムに割り付けた別の試験はパゾパニブをプラセボと比較した。パゾパニブ群のPFS中央値が4.6ヵ月であったのに対し、プラセボ群では1.6ヵ月であった。OSは両群で異ならなかった。 [39]

小児軟部肉腫の治療についての注意点

軟部腫瘍を有する小児および青年に対する治療戦略の多くは、成人患者に対するものと同様であるが、重要な差がある。例えば、小児患者におけるこの種の腫瘍の生物学的特徴は、成人におけるそれとは劇的に異なる場合がある。さらに小児患者では、患肢温存療法の試行がより困難となる。また放射線療法による罹病率が、成人で観察されるよりもはるかに高い場合があり、特に乳児と幼児で顕著である。 [40]

集学的治療により軟部肉腫の成人および小児患者の治療成績は過去20年間で劇的に改善されたが、小児例については(特に小児の余命が成人のそれより長いことを考慮した場合)この治療法による長期的副作用に対する懸念が高まってきている。このことから、腫瘍を最大限に制御し、長期的な合併症を最小限にするために、非横紋筋肉腫性軟部肉腫に罹患している小児および青年の治療は個別化する必要がある。このような患者は、起こりうる合併症を正確に評価するためのプロスペクティブ研究に登録すべきである。 [41]


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新規診断小児軟部肉腫の治療

脂肪細胞腫瘍

脂肪肉腫

脂肪肉腫は20歳未満の患者における軟部肉腫の3%を占める(表1を参照のこと)。

脂肪肉腫は、小児集団ではまれである。成人型肉腫の患児182人を対象としたレビューでは、脂肪肉腫と診断されたのはわずか14人であった。 [1] あるレトロスペクティブ研究で、1960年から2011年に22歳未満の患者34人が特定された。 [2] 男性と女性の患者数はほぼ等しく、年齢中央値は18歳であった。国際的な臨床病理学的レビューで、小児脂肪肉腫82症例の特徴が報告された。年齢中央値は15.5歳で、女性の罹患数が多かった。 [3] 両報告で大多数の患者が粘液型脂肪肉腫であった。

病理組織学的分類

脂肪肉腫の世界保健機関(WHO)分類は以下の通りである:

  1. 中悪性度(転移はまれ)。
    • 異型脂肪様腫瘍/高分化型脂肪肉腫。脱分化を来さない限り、これらの腫瘍は転移しない。

  2. 悪性。
    • 脂肪肉腫、他に特定されない(NOS)。

    • 粘液型脂肪肉腫。純粋な粘液型脂肪腫は転座t(12;16)(q13;p11)を特徴とし、転移が生じうるものの、円形細胞成分が認められなければ通常は転帰は非常に良好である。 [4]

    • 脱分化型脂肪肉腫。

    • 多形型脂肪肉腫。

臨床像

小児および青年の年齢層における脂肪肉腫の大多数が低悪性度であり、皮下に位置している。リンパ節への転移はまれで、大多数の転移部位は肺である。末梢に発生した腫瘍は、低悪性度で粘液型となる傾向が高い。中枢に発生した腫瘍は、高悪性度で多形型、さらに転移がみられるか、転移を伴って再発する傾向が高い。

予後

14人の患者を対象としたレトロスペクティブ研究では、5年生存率は78%であり、腫瘍の悪性度、組織学的サブタイプ、および原発部位が生存率と相関していた。 [2]

治療

脂肪肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。腫瘍が完全に切除されていない場合または局所再発した場合は、2回目の手術を施行してもよい。 [5] [6] [7]
  2. 化学療法およびその後の手術。
  3. 放射線療法およびその後の手術、または手術およびその後の放射線療法(成人での研究に基づく証拠)。 [8] [9]

脂肪肉腫に対して最も重要な治療法は手術である。粘液性脂肪肉腫の外科的切除後におけるイベントフリー生存(EFS)率および全生存(OS)率は、約90%である。局所再発が確認されているが、腫瘍の二次切除により制御されている。高悪性度または中枢の腫瘍は、有意に高い死亡リスクと関連している。レトロスペクティブ・レビューで、中枢腫瘍の5年生存率は42%であった。国際的レビューによると、多形性粘液性脂肪肉腫の患者10人中7人がこの疾患で死亡した。 [3] 初回手術が不完全な場合は、再切除を実施して、広い切除断端を得るべきである。

特に中枢の腫瘍で完全切除を容易にするために、手術の前に化学療法を用いて脂肪肉腫のサイズを小さくした報告がある。 [10] [11] 脂肪肉腫に対する術後化学療法の役割は明確に定義されていない。完全切除された粘液型脂肪肉腫に対しては、いかなる術後療法の必要性もないと考えられている。術後化学療法を使用しても、多形型脂肪肉腫の場合の生存率は依然として不良である。 [12] 進行粘液型脂肪肉腫の成人患者において、トラベクテジンが有望な反応をもたらしている。 [13] ある研究において、再発脂肪肉腫および平滑筋肉腫の成人患者がトラベクテジンまたはダカルバジンによる治療にランダムに割り付けられた。トラベクテジンによる治療を受けた患者では疾患増悪の45%の低減が得られた。 [14] [証拠レベル:1iiDiii]小児患者においてトラベクテジンの使用を支持するデータは存在しない。

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、粘液型脂肪肉腫を除く、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。脂肪肉腫患者はこの試験に適格とされる。

骨・軟骨部腫瘍

骨・軟骨部腫瘍として、以下の腫瘍サブタイプがある:


骨外性間葉性軟骨肉腫

骨性および軟骨性新生物は20歳未満の軟部肉腫患者の0.8%を占める(表1を参照のこと)。

病理組織学および分子的特徴

間葉性軟骨肉腫は小円形細胞および硝子軟骨を特徴とするまれな腫瘍であり、若年成人に生じることが多く、頭頸部領域に好発する。

間葉性軟骨肉腫は一貫性のある染色体再構成と関連付けられている。間葉性軟骨肉腫症例についてのレトロスペクティブ解析で、検査された15件の標本中10件にHEY1-NCOA2融合が確認された。 [15] この遺伝子融合は核型分析により発見可能な染色体変化と関連していなかった。一例として、ある症例の間葉性軟骨肉腫で転座t(1;5)(q42;q32)が同定され、新たなIRF2BP-CDX1融合遺伝子と関連していることが示されている。 [16]

予後

欧州の施設のレトロスペクティブな調査により、間葉性軟骨肉腫の小児および成人患者113人が同定された。良好な転帰と関連する因子には以下のものがあった: [17] [証拠レベル:3iiiA]


  • 初発時に転移病変が認められないこと。

  • 切除断端陰性。

  • 当初に限局性病変であった患者に対する切除後の術後化学療法の施行。

治療

骨外性間葉性軟骨肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。腫瘍が完全に切除されない場合は放射線療法も施行することができる。
  2. 放射線療法とその後の手術または手術とその後の放射線療法。 [8] [9]
  3. 化学療法とその後の手術および追加の化学療法。放射線療法を施行することもできる。

German Cooperative Soft Tissue Sarcoma Study Group(軟部組織病変を有する11人)およびGerman-Austrian-Swiss Cooperative Osteosarcoma Study Group(原発骨病変を有する4人)によるプロトコルから、26歳未満の患者15人を対象としたレビューによると、局所制御のためには、完全な外科的切除、または不完全切除後の放射線療法が必要であることが示唆される。 [18] [証拠レベル:3iiA]

単一施設での1件のレトロスペクティブ・レビューで間葉性軟骨肉腫の小児患者12人が同定された。 [19] これらの患児において、腫瘍内のNCOA2再構成の存在が報告されている。治癒を得るためには外科的切除が必要であることも確認された。11人の患児が限局性病変を、1人が肺結節を呈した。全患児が化学療法を受けた - 6人は外科的切除の前後に、6人は切除後にのみ受けた。全患児が放射線療法(線量中央値、59.4Gy)を併用したまたは併用しない術後化学療法(イホスファミド/ドキソルビシンが最も多かった)を受けた。追跡期間中央値4.8年で、5年無病生存率(DFS)は68.2%(95%CI、39.8-96.6)およびOSは88.9%(95%CI、66.9-100)であった。

骨外性骨肉腫

骨性および軟骨性新生物は20歳未満の患者における軟部肉腫の0.8%を占める(表1を参照のこと)。

小児および青年の年齢層における骨外性骨肉腫はきわめてまれである。2003年のレビューで医学文献から特定された報告は10例のみであった。 [20]

予後

骨外性骨肉腫は、局所再発および肺転移のリスクの高さと関連している。 [21]

治療

骨外性骨肉腫に対す治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術およびその後の化学療法。

(詳しい情報については、骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。骨外性間葉性軟骨肉腫および骨外性骨肉腫患者はこの試験に適格とされる。

線維芽細胞性/筋線維芽細胞性腫瘍

線維芽細胞性/筋線維芽細胞性腫瘍として、以下の腫瘍サブタイプがある:

  1. 線維芽細胞性/筋線維芽細胞性腫瘍。
    1. 中悪性度(局所侵攻性)。
      • デスモイド型線維腫症(以前はデスモイド腫瘍または侵襲性線維腫症と呼ばれていた)。

      • 巨細胞型線維芽腫。

      • 脂肪線維腫症。

      • 手掌/足底線維腫症。

    2. 中悪性度(転移はまれ)。
    3. 悪性。

デスモイド型線維腫症

デスモイド型線維腫症は以前はデスモイド腫瘍または侵襲性線維腫症と呼ばれていた。

危険因子

少数のデスモイド型線維腫症が、(腸管ポリープおよび結腸がんの高い発生率を伴う)大腸腺腫性ポリポーシスAPC)遺伝子における突然変異に関連して発生することがある。デスモイド型線維腫症と診断された10歳以上の患者519人を対象にした研究では、39人(7.5%、過小評価の可能性がある)が家族性大腸腺腫症(FAP)を有することが判明した。 [22] FAPおよびデスモイド型線維腫症を有する患者は、FAPを伴わないデスモイド型線維腫症の患者と比べて若年で、男性の頻度が高く、腹壁腫瘍または腸間膜腫瘍が多くみられた。

結腸がんの家族歴、網膜色素上皮の先天性過形成が認められる [23] [24] 、またはデスモイド型線維腫症が腹部または腹壁に位置している場合 [22] は遺伝カウンセラーに紹介すべきである。現在のところ、デスモイド型線維腫症の小児における遺伝子検査について一般的な推奨事項はない。腫瘍の病理学および分子的特徴はスクリーニングの指針を提供するに過ぎない。もし腫瘍にCTNNB1体細胞突然変異がみられる場合、この状況でのAPC遺伝子の突然変異は記載されていないため、スクリーニングは必要ない。もしCTNNB1変異が同定されないなら、APC突然変異を調べるスクリーニングが必要となりうる。 [25] [26] (詳しい情報については、大腸がんの遺伝学に関するPDQ要約の家族性大腸腺腫症(FAP)のセクションを参照のこと。)

予後

デスモイド型線維腫症は転移の可能性がきわめて低い。この腫瘍は局所的に浸潤するため、正常構造の温存の必要性から外科的制御が困難となることがある。

この腫瘍は局所再発する可能性が高い。デスモイド型線維腫症は自然経過が非常に多様であり、詳細に記録された自然退縮の症例もみられる。 [27] デスモイド型線維腫症の80%超にβ-カテニン遺伝子のエクソン3における突然変異がみられ、45Fの突然変異では再発リスクが高いという関連性が指摘されている。 [28] 再度の外科的切除により、ときに再発病変を制御下に置くことが可能となる場合もある。 [29]

治療

デスモイド型線維腫症の自然経過は非常に多様であるため、その治療のための介入の有益性評価はきわめて困難となっている。現在では、大規模な複数の成人患者シリーズと比較的小規模な複数の小児患者シリーズから、腫瘍の長期の安定、さらには全身療法なしでの腫瘍退縮すらも報告されている。 [29] [30] ; [31] [証拠レベル:3iiiDi]

デスモイド型線維腫症に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 重要臓器に対し危険をもたらさない切除が不完全であったまたは再発した腫瘍に対しては、経過観察、その後可能であれば手術。 [32] [33]
  3. 切除不能腫瘍または再発腫瘍に対しては化学療法。
  4. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)または抗エストロゲン療法などの他の薬物療法。
  5. 切除の不完全な腫瘍に対する、または再発とその後の機能的または審美的障害を引き起こしうる手術を回避するための、放射線療法およびその後の手術または手術およびその後の放射線療法。
  6. 切除不能腫瘍に対する放射線療法単独。

第一選択の治療は切除断端陰性を目標とする外科的切除である。しかしながら、St. Jude Children's Research Hospital(SJCRH)でデスモイド型線維腫症の手術を受けた小児を対象としたレトロスペクティブ・レビューでは、外科的切除断端と再発リスク間には相関性がないことが報告されている。 [34]

診断が明らかになっており、外科的な完全切除が不可能で、死亡または合併症の可能性が有意に高い腫瘍の場合、以下の術前戦略が考えられる: [35] [36]


  • 経過観察。

  • 化学療法。

  • エストロゲン療法。

  • NSAIDによる治療。

  • 外照射療法。

デスモイド型線維腫症の挙動はしばしば非侵襲的である。主に腹腔外の原発線維腫症の成人患者を対象としたある研究では、非外科的アプローチ(内科的および経過観察)の3年EFSは手術と比較して同程度であった。 [33] 腹壁の侵襲性線維腫症の青年および成人患者を対象としたその後の研究で、102人が観察と待機アプローチによる治療を受け、うち65人は3年後にさらなる治療を必要としなかった。患者の約3分の1では腫瘍が退縮していた。 [32]

化学療法レジメンには以下のものがある:


  • ビンブラスチンおよびメトトレキサートを用いた併用化学療法により、切除不能または再発性のデスモイド型線維腫症患者の約3分の1で客観的奏効が得られている。 [35]

  • 主に、FAPおよび切除不能なデスモイド型線維腫症を来しており、ホルモン療法が無効であった成人患者を対象としたシリーズによると、ドキソルビシン + ダカルバジン後のメロキシカム(NSAID)は、安全に投与可能で奏効が得られることが示された。 [37]

  • ペグ化リポソーム封入ドキソルビシンも使用されており、ある程度の奏効が認められている。 [38]

  • チロシンキナーゼ阻害薬:デスモイド型線維腫症の成人患者を対象とした小規模レトロスペクティブ研究から、マルチキナーゼ阻害薬のソラフェニブに対する客観的奏効が示されている。 [39] [証拠レベル:3iiiDiv]イマチニブについての以前の諸研究はこの用法を裏付けていない。 [40] [41]

  • デスモイド腫瘍の発生にはNOTCH経路が関係していると考えられている。 [42] デスモイド型線維腫症の成人患者においてγセクレターゼ阻害薬のPF-03084014に対する部分奏効が認められている。 [43] [証拠レベル:3iiiDiv]

  • ヒドロキシウレアも少数の患者で他の治療法の後の治療に使用され、奏効しているが、さらなるデータが必要である。 [44] [45] [46]

他の薬物療法には以下のものがある:


  • デスモイド型線維腫症に対してスリンダクのようなNSAIDが単一症例群で用いられている;確認された奏効は通常、病勢の安定化であった。 [47]

  • 通常はタモキシフェンを用いた抗エストロゲン療法にスリンダクを加えることでも病勢の安定化が得られている。 [48] タモキシフェンとスリンダクの併用に関する1件のプロスペクティブ試験では副作用はほとんど報告されなかったが、女児では無症状の卵巣嚢胞が一般的である。この併用について奏効率および無増悪生存率(PFS)で測定したところ、活性は相対的にほとんど示されなかった。 [49] [証拠レベル:2Diii]

疾患進行に対して機能的または審美的障害を引き起こしうる追加手術が必要と考えられる場合、および合併症の面で放射線が認容可能とみなされる場合に術後放射線療法が検討される。

切除不能なデスモイド型線維腫症に対して、または切除不完全な腫瘍に対する術後療法として放射線療法が用いられている。放射線療法による長期的合併症として、特に後発性新生物が考えられるため、この治療法の使用は若年集団において魅力が乏しくなっている。 [50]

部分的に切除した病変および再発病変のうち、生命維持に必要な器官に重大な危険をもたらさないものは、他に代わる治療がなければ、綿密に監視する。 [29] [34] [51] [52] [53] [54] しかしながら、可能な場合は常に、完全切除を選択すべきである。

隆起性皮膚線維肉腫

皮膚線維肉腫はまれな腫瘍であるが、報告された症例の多くは小児で発生したものである。 [55] [56] [57]

分子的特徴

この腫瘍では、COL1A1遺伝子とPDGF-beta遺伝子の融合を引き起こす染色体転座t(17;22)(q22;q13)が一貫して認められる。

治療

隆起性皮膚線維肉腫の治療法には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 放射線療法とその後の手術または手術とその後の放射線療法。
  3. 切除不能腫瘍または再発腫瘍に対してのイマチニブ療法。

皮膚線維肉腫のほとんどの腫瘍は、外科的な完全切除により治癒が可能である。切除断端陰性の広範囲切除またはモース手術あるいは修正モース手術により、ほとんどの腫瘍で再発を回避できる。 [58]

複数のレトロスペクティブ・レビューでは、不完全切除後の術後放射線療法により再発可能性が低下した可能性がある。 [59] [60]

外科的切除を遂行できない場合や腫瘍が再発した場合でも、イマチニブによる治療が有効とされている。 [61] [62] [63]

隆起性皮膚線維肉腫に対する精密検査および管理のためのガイドラインが発表されている。 [64]

乳児型線維肉腫

小児および青年における線維肉腫には、明らかに異なる種類として次の2つがある:乳児型線維肉腫(先天性線維肉腫とも呼ばれる)、および成人にみられる線維肉腫と区別できない線維肉腫。両者は病理学的診断が明らかに異なり、別の治療法が必要である。成人型線維肉腫について以下で取り扱う。

乳児型線維肉腫は通常、1歳未満の乳児に発生する。ときには4歳までの小児に発生することもある。

臨床像

乳児型線維肉腫は、通常は急速に増殖する腫瘤を示し、しばしば出生時に認められ、出生前の超音波検査で確認されることもある。発症時に腫瘍がきわめて大きくなっていることが多い。 [65]

分子的特徴

通常、腫瘍には細胞遺伝学的に特徴的なt(12;15)(ETV-NTRK3)の転座が認められる。乳児型線維肉腫にもこの転座が認められ、組織学的所見が間葉芽腎腫と実質的に一致している。

予後

このような腫瘍では、診断時に転移が認められる可能性は低い。

治療

乳児型線維肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術およびその後の経過観察。
  2. 手術およびその後の化学療法。
  3. 化学療法およびその後の手術。

乳児型線維肉腫患者の大多数が完全切除により治癒可能である。しかしながら、病変のサイズが大きいと、重大な機能的後遺症をもたらすことなしに切除することが不可能になる(例えば、四肢の腫瘍では完全切除に切断術が必要になる)。欧州の小児科グループは、手術後の第II群病変の患者では経過観察も選択肢となりうることを報告している。 [66] 第II群病変の患者12人は追加治療を受けず、2人が再燃した。1人は化学療法後に完全寛解を得た。より悪性度の高い病変群の患者および増悪を来した患者に対し術後化学療法が施行された。その後の研究では、第II群病変の患者7人のうち、経過観察中に増悪を来した患者は1人のみであった;その患者は化学療法により完全寛解を達成した。 [67] [証拠レベル:3iiA]

術前化学療法により、さらに保存的な外科アプローチが可能となる;この設定で活性のある薬剤には、ビンクリスチンダクチノマイシンシクロホスファミド、およびイホスファミドがある。 [68] [69] ; [67] [70] [証拠レベル:3iiA]; [71] [証拠レベル:3iiB]

乳児型線維肉腫の患者を対象とした3件の研究から、アルキル化剤を含まないレジメンが有効であり、肉眼的病変を有する患児において第一選択治療法として使用すべきであることが示唆されている。 [66] [67] [72] LMNA/NTRK1融合の変異型を示す2例がクリゾチニブに反応した。 [73] [74]

ETS多様体遺伝子6-ニューロトロフィン3受容体遺伝子融合(ETV6-NTRK3)によりトロポミオシン関連キナーゼシグナル伝達経路の構成的活性化を伴う難治性乳児型線維肉腫の1人の小児患者(生後16ヵ月)がLOXO-101に反応し、治療の2ヵ月後に腫瘍サイズが90%低下した。 [75]

単一の症例報告で、子宮内に乳児型線維肉腫が診断された生後2ヵ月の患者が記述された;この乳児は最初に化学療法で治療された。疾患増悪時に、血管内皮増殖因子受容体阻害剤のパゾパニブによる治療で腫瘍の反応が得られた。 [76]

治療なしに自然退縮を生じたまれな症例が1例報告されている。 [77] [証拠レベル:3iiiDiv]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

現在実施されている国および/または施設の臨床試験の例を次に掲げる。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • LOXO-TRK-15003(NCT02637687)

    (小児の進行期固形腫瘍または原発性中枢神経系[CNS]腫瘍を治療するための経口TRK阻害剤、LOXO-101)

    利用可能な治療法に対して進行したか、反応が得られなかった、および標準的なまたは利用可能な治癒的治療法が存在しない固形腫瘍または脳腫瘍の小児に対して汎TRK阻害剤、LOXO-101の第I相試験が実施されている。LOXO-101は、3つのTRKファミリーキナーゼすべてに対する高度に選択的な阻害剤である。

  • RXDX-101-03(NCT02650401)

    (再発または難治性の固形腫瘍および原発性CNS腫瘍の小児におけるRXDX-101の研究)

    この研究は、次の小児患者における4つの部分から成るオープンラベルの第I/Ib相用量漸増研究である:1)再燃したまたは難治性の固形腫瘍;2)原発性CNS腫瘍;3)神経芽腫;および4)NTRK1/2/3ROS1またはALK遺伝子再構成を伴う非神経芽腫、頭蓋外固形腫瘍。この研究は、entrectinib(RXDX-101)の安全性、最大耐容量または推奨される第II相での用量、薬物動態、および抗腫瘍活性を探索するようにデザインされている。

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍はまれな間葉系腫瘍であり、小児および青年に好発する。 [78] [79] [80]

臨床像

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍はまれな腫瘍であり、小児および若年成人の軟部組織および内臓に生じる。 [81] 転移はまれだが、局所浸潤性となることが多い。病変が生じる一般的な解剖学的部位には軟部組織、肺、脾臓、結腸、および乳房がある。 [78]

分子的特徴

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の約半数は、染色体2p23における未分化リンパ腫キナーゼALK)受容体チロシンキナーゼ遺伝子を活性化するクローン変異を示す。 [82] 免疫組織化学検査でALK陰性であった症例11人中8人(73%)で、ROS1およびPDGFR-βキナーゼ融合が同定されている。 [83] [証拠レベル:3iiiDiv]

予後

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍は頻繁に再発するが転移はまれである。 [78] [79] [80]

治療

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 化学療法。
  3. ステロイド療法。
  4. NSAIDによる治療。
  5. 標的療法(ALK阻害薬)。

実施可能な場合は、外科的完全切除が治療の中心である。 [84] 9人の患者を対象にしたシリーズにおいて、完全切除後に4人の患者が持続的寛解を達成し、残存病変が認められた3人の患者は再発したが、後に持続的寛解を達成し、転移性病変が認められた1人の患者が多剤併用化学療法への反応を示した。 [85] [証拠レベル:3iiA]化学療法の有益性が症例報告で認められている。 [86] ステロイドまたはNSAIDのいずれかに対して奏効が認められた症例報告がいくつかある。 [87] [88]

ALK再構成炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の成人患者2人がクリゾチニブにより部分奏効を得ている。 [89] [証拠レベル:3iiiDiv]測定可能な病変を認める患児について、クリゾチニブを使用することでALK転座炎症性筋線維芽細胞性腫瘍患児6人中3人において部分的腫瘍反応が得られた。 [90] ROS1再構成小細胞肺がんに対するクリゾチニブの使用から、この薬物がROS1再構成腫瘍に有効である可能性が示唆されている。 [91] 以前にALK阻害薬による治療を受けた成人患者を対象とするセリチニブの第I相試験において、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍患者1人が部分奏効を得ている。 [92]

成人型線維肉腫

これらの腫瘍では、乳児型線維肉腫にみられる転座がみられない。また、大多数の非横紋筋肉腫と類似しており、管理アプローチも同様である。

低悪性度線維粘液性肉腫

低悪性度線維粘液性肉腫は、若年成人および中年期の成人が最も多く罹患する組織学的見かけがあてにならない軟部新生物であり、四肢の深部にみられることが多く、FUS/CREB3L3の転座を特徴とする。 [93] [94]

予後

低悪性度線維粘液性肉腫患者33人(3人は18歳未満であった)を対象としたレビューで、33人中21人が診断から最長15年(中央値で3.5年)経過後に局所再発を来し、15人が診断から最長45年(中央値で5年)経過後に主に肺および胸膜に転移を来したことから、これらの患者を継続的に追跡する必要があることが浮き彫りとなっている。 [93] 転移した後でも、経過が緩慢な場合がある。 [95]

他の報告では、73例中14例が18歳未満であった。追跡期間が比較的短い(中央値24ヵ月)このシリーズでは、適切な追跡を受けた患者54人中8人のみが局所(9%)または遠隔(6%)再発を生じた。この報告は、この腫瘍の挙動がかつて報告されていたものより顕著に良好である可能性を示唆するものである。 [96] しかしながら、晩期に転移が発生するため、これらの患者については注意深いモニタリングが必要となる。

最新の小児腫瘍学グループ(COG)試験(ARST0332[NCT00346164])でこの腫瘍の患者11人が登録された。診断時の年齢中央値は13歳で、男児の方が多く罹患していた。最好発部位は下肢および上肢(n = 9)で、中央値2.7年間の追跡後に局所または遠隔転移を生じていた患児はいなかった。 [97]

治療

低悪性度線維粘液性肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。

低悪性度線維粘液性肉腫についての限られた治療情報は、この腫瘍にあまり化学療法感受性がないことから、手術が選択すべき治療法であることを示唆している。 [95] この腫瘍に対する化学療法および/または放射線療法の使用に関するデータはほとんどない。1件の報告から、低悪性度線維粘液性肉腫の治療においてトラベクテジンが有効となる可能性が示唆されている。 [98]

粘液線維肉腫

粘液線維肉腫はまれな病変であり、特に小児ではまれである。一般には外科的完全切除による治療が実施される。

硬化性類上皮線維肉腫

硬化性類上皮線維肉腫はまれな悪性肉腫であり、EWSR1遺伝子再構成を有することが多く、侵攻的な臨床経過をたどる。 [99] 一般には外科的完全切除による治療が実施される。局所再発および転移が晩期に生じることがあるため、長期的追跡が推奨される。

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。乳児型線維肉腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、低悪性度筋線維芽細胞性腫瘍、粘液炎症性線維芽細胞肉腫、孤在性線維性腫瘍、成人型線維肉腫、低悪性度線維粘液性肉腫、粘液線維肉腫、および硬化性類上皮線維肉腫患者はこの試験に適格とされる。

骨格筋腫瘍

横紋筋肉腫

詳しい情報については、小児横紋筋肉腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。

平滑筋腫瘍

平滑筋肉腫

平滑筋肉腫は20歳未満の患者における軟部肉腫の2%を占める(表1を参照のこと)。

危険因子

腫瘍の発生をみたHIV/AIDSの小児43人のうち、8人にエプスタイン-バーウイルス関連平滑筋肉腫の発生がみられた。 [100] 遺伝性網膜芽細胞腫の生存者は、統計的に平滑筋肉腫の発症リスが有意に高く、その78%が網膜芽細胞腫の最初の診断から30年以上経過後に診断された。 [101]

治療

平滑筋肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 化学療法(トラベクテジン)。

再発肉腫の成人患者を対象としたトラベクテジンのオープンラベル研究では、最高の全奏効率(完全寛解および部分寛解)が平滑筋肉腫患者で認められた(7.5%)。 [102] 平滑筋肉腫の臨床的有益性(病勢安定化を含む)の割合は54%であった。成人を対象とした別の研究では、再発脂肪肉腫および平滑筋肉腫の患者をトラベクテジンまたはダカルバジンによる治療にランダムに割り付けた。トラベクテジンによる治療を受けた患者は疾患増悪の45%の低減を示した。 [14] 小児患者においてトラベクテジンの使用を支持するデータは存在しない。

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。平滑筋肉腫患者はこの試験に適格とされる。

いわゆる線維組織球性腫瘍

いわゆる線維組織球性腫瘍として、以下の腫瘍サブタイプがある:


叢状線維組織球腫瘍

叢状組織球腫瘍はまれで、小児および若年成人が最も多く罹患する低悪性度~中悪性度の腫瘍である。シリーズにもよるが、初診時の年齢中央値は8~14.5歳の範囲である;しかしながら、生後3ヵ月という若い患児でも報告がある。 [103] [104]

臨床像

腫瘍は、皮膚または皮下組織に痛みを伴わない腫瘤として多く発生し、指、手、手首などの上肢に現れることが最も多い。 [105] [106] [107] 所属リンパ節または肺へ進展したという報告はまれである。 [103] [107] [108]

分子的特徴

一貫性のある染色体異常は検出されていないが、t(4;15)(q21;q15)転座が報告されている。 [109]

予後

叢状線維組織球腫瘍は中悪性度の腫瘍であり、転移はまれである。

治療

手術が治療として選択されるが、局所再発が12~50%の症例に報告されている。 [110]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。軟部巨細胞腫および叢状線維組織球腫瘍患者はこの試験に適格とされる。

末梢神経の腫瘍

外胚葉性間葉腫

外胚葉性間葉腫はまれな神経鞘腫瘍で、主に小児に生じる。この腫瘍は間葉性成分および外胚葉性成分の両方を示す二重表現型軟部肉腫である。横紋筋肉腫に似た要素が同定されている。

German Soft Tissue Sarcoma Group(Cooperative Weichteilsarkon Studiengruppe[CWS])が14年間で6人の患者(0.2~13.5歳)の登録を報告している。 [111] [証拠レベル:3iiA]この腫瘍は四肢、腹部、眼窩を含むさまざまな部位にみられた。6人の患者は全員横紋筋肉腫を対象とする手術および化学療法による治療を受けた。2人が放射線療法を受けた。3人は横紋筋肉腫の特徴を示す再発を来した。データは乏しいが、この腫瘍は化学療法に反応する可能性があるとみられる。 [111]

悪性末梢神経鞘腫瘍

悪性末梢神経鞘腫瘍は、20歳未満の患者における軟部肉腫の5%を占める(表1を参照のこと)。

危険因子

悪性末梢神経鞘腫瘍は散発性に、また1型神経線維腫症(NF1)の小児に発生することがある。 [112]

分子的特徴

これらの腫瘍ではSUZ12の不活性化変異が記述されているが、神経線維腫では見られない。 [113]

予後

良好な予後を伴う特徴として、以下のものがある: [112] [114] [115] [116]


  • 腫瘍が比較的小さい。多変量解析では、腫瘍サイズおよび核内p53発現のみが疾患特異的生存の独立した予測因子であることが明らかとなった。 [115]

  • 男性および非ヒスパニック系白人。 [117]

  • 診察時に転移がない。MD Anderson Cancer Centerの悪性末梢神経鞘腫瘍患者140人のレトロスペクティブ・レビューでは、小児および青年が含まれていた。10年疾患特異的生存率は32%であった。このシリーズにおいて、転移性病変の存在ははるかに不良な予後と関連していた。 [115]

  • 病期がより早期。

  • 組織学的悪性度がより低い。

  • 原発部位が四肢。

不良な予後を伴う特徴として、以下のものがある: [118]


  • 高悪性度。

  • 深在性腫瘍。

  • 診断時に局所進行期。

  • 肉眼的不完全切除(R2)。

MD Anderson Cancer Centerの研究における限局性病変の患者では、NF1を合併した患者と合併していない患者において転帰に有意差は認められなかった。 [115] 他の諸研究において、NF1を合併していないことが良好な予後因子であるかどうかについては、良好 [114] および不良 [112] [114] [116] な転帰の両方で関連性が指摘されているため明らかではなかった。French Sarcoma Group研究において、NF1は他の予後不良な特徴に関連していたが、不良な転帰の独立した予測因子ではなかった。 [118]

治療

悪性末梢神経鞘腫瘍に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 放射線療法とその後の手術または手術とその後の放射線療法。 [8] [9]
  3. 切除不能腫瘍に対する化学療法。

腫瘍の外科的な完全切除が実施可能な場合は、常に治療の柱となることに異論はない。

放射線療法の役割については評価が困難であるが、術後の顕微鏡的な残存腫瘍が既知の場合、放射線療法後に局所制御が持続するかどうかは確実ではない。

小児悪性末梢神経鞘腫瘍では、化学療法により客観的奏効が得られている。ドイツおよびイタリアにおける悪性末梢神経鞘腫瘍の経験に関する大規模なレトロスペクティブ解析では、測定可能な腫瘍の65%がイホスファミドを含む化学療法レジメンに対して客観的奏効を示したが、この解析では化学療法による生存率の改善について、決定的な実証はなされていない。 [112] このレトロスペクティブ解析では、術後放射線療法により転帰が改善する傾向もみられた。 [112] 悪性末梢神経鞘腫瘍とNF1を合併している若年患者37人を対象としたシリーズでは、ほとんどの患者が化学療法に対する反応の乏しい大きな浸潤性腫瘍を有していることが示された;PFSは19%、5年OSは28%であった。 [119]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

現在実施されている国および/または施設の臨床試験の例を次に掲げる。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。悪性末梢神経鞘腫瘍患者はこの試験に適格とされる。

  • SARC023(NCT02008877)

    (悪性末梢神経鞘腫瘍患者におけるガネテスピブおよびシロリムス):この試験では、切除不能または転移性の悪性末梢神経鞘腫瘍患者を治療するための熱ショック蛋白阻害剤のガネテスピブと、哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害剤のシロリムスの併用が検証されている。切除不能軟部肉腫または骨肉腫患者がこの試験の第I相に適格である。この試験の第II相には切除不能悪性末梢神経鞘腫瘍患者が適格である。適格性は18歳以上の患者に制限されている。

  • NCT02601937

    (再燃したまたは難治性INI1-陰性腫瘍あるいは滑膜肉腫の小児被験者におけるEZH2阻害剤、tazemetostatの第1相研究)

    INI1-陰性腫瘍患者はEZH2阻害剤による標的療法に適格である。この試験は、tazemetostatを1日2回経口投与する第I相オープンラベルの、用量漸増、用量拡大研究である。

  • ADVL1522(NCT02452554)

    (再燃したまたは難治性ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、胸膜肺芽腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、または滑膜肉腫の若年患者の治療におけるlorvotuzumab mertansine)

    この試験は、再燃したまたは難治性ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、胸膜肺芽腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、および滑膜肉腫の小児におけるIMGN901(lorvotuzumab mertansine)に関する第II相研究である。この試験では、CD56を標的とする抗体に強力な有糸分裂阻害剤を結合させた抗体-薬物複合体であるIMGN901の効果が検討されている。

悪性トリトン腫瘍

悪性トリトン腫瘍は悪性末梢神経鞘腫瘍の1亜型である。この腫瘍は神経線維腫症I型患者に最も好発し、神経原性および横紋筋芽細胞性成分からなる。悪性トリトン腫瘍は高悪性度の腫瘍である。この腫瘍は通常は35歳までに生じ、小児ではきわめてまれである(症例報告のみ)。 [120]

悪性トリトン腫瘍は通常は化学療法および放射線療法に反応しないが、横紋筋肉腫に対して行われる治療法による治療が行われている。 [120] [証拠レベル:3iiiA]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。悪性トリトン腫瘍患者はこの試験に適格とされる。

周皮性(血管周囲性)腫瘍

筋周皮腫

乳児型血管周皮腫は筋周皮腫の亜型である。

血管周皮腫は、原発不明で高度な血管新生を示す腫瘍である。

組織型

組織学的に、血管周皮腫は複雑な脈管構造の周りに密に配列した円形細胞または紡錘状細胞から構成され、多くの分岐様構造を形成する。硝子化がよくみられる。乳児型血管周皮腫は組織学的に類似しており、多くの場合、腫瘍の腫瘤の外側に脈管構造を伴う多葉性となっている。 [121]

治療および転帰

乳児型血管周皮腫の治療法には以下のものがある:

  1. 化学療法。

小児17人のシリーズで、成人と乳児の血管周皮腫では転移の可能性および治療に対する反応に差があることが明確に実証された。 [122] 11人の小児が1歳を過ぎていた。これらの患者の数人にリンパ節または肺の病変が認められた。II期またはIII期の患者6人が進行して死亡した。I期の患者3人が生存していたが、1人は肺に再発が認められた。6人の患者が幼児性血管周皮腫で、ほとんど(6人中5人)の病期がI期を超えていた。6人すべてが生存していたが、3人はビンクリスチン、アクチノマイシン、およびシクロホスファミドに対して良好な反応を示した。1歳未満の乳児における血管周皮腫は、1歳以上の小児より予後が良好と考えられる。 [123] [124] [125]

乳児筋線維腫症

この疾患実体は、最も一般的には生後2年以内に発症する乳児および小児期の線維性腫瘍である。 [126] 病変は最も一般的には頭頸部における単一の皮下小結節(筋線維腫)として現れることもあれば、病変が複数の皮膚、筋肉、および骨を冒すこともある(筋線維腫症)。 [127] [128] [129] [130]

この疾患の常染色体優性型が記述されており、PDGFRB遺伝子の生殖細胞変異に関連している。 [131]

治療

これらの病変の予後は非常に優れており、自然に退縮することがある。多中心性病変を有する症例の約3分の1では内臓への浸潤もみられ、これらの患者は予後不良である。 [129] [130] [132] ビンクリスチン/ダクチノマイシンおよびビンブラスチン/メトトレキサートによる併用療法の使用は、内臓への浸潤がみられる多中心性疾患の症例および疾患が進行しており、患者の生命が脅かされている(例、上気道閉塞)症例において有効であることが証明されている。 [129] [130] [133]

分化不明の腫瘍

分化不明の腫瘍として、以下の腫瘍サブタイプがある:


胞巣状軟部肉腫

胞巣状軟部肉腫は20歳未満の患者における軟部肉腫の1.4%を占める(表1を参照のこと)。

臨床像

発症時の年齢中央値は25歳であり、胞巣状軟部肉腫は四肢に最も好発するが、口腔および顎顔面領域にも発生しうる。 [134] [135] [136] 小児の胞巣状軟部肉腫は転移病変の証拠を呈することがある。 [137]

分子的特徴

この腫瘍は組織発生が不明確であり、ASPSCR1遺伝子がTFE3遺伝子と融合する一貫した染色体転座t(X;17)(p11.2;q25)を特徴とする。 [138] [139]

予後

小児の胞巣状軟部肉腫は緩徐な経過をたどる場合がある。 [137] 胞巣状軟部肉腫の患者では、長期間にわたる見かけ上の寛解を経て、数年後に再燃がみられることがある。 [140] このような腫瘍はまれであるため、胞巣状軟部肉腫の小児はすべてプロスペクティブ臨床試験への登録を検討すべきである。

治療を受けた患者19人についての1件の症例集積研究において、報告された5年OS率は80%、局所疾患患者のOS率は91%、腫瘍が5cm以下の患者のOS率は100%、腫瘍が5cmより大きい患者のOS率は31%であった。 [141] 33人の患者を対象とした別のシリーズにおけるOSは、診断から5年で68%、診断から10年で53%であった。腫瘍が小さい(5cm以下)ほど、さらに完全に腫瘍が切除された場合ほど、生存は良好であった。 [142] [証拠レベル:3iiA]脳および肺への後発転移はまれである。 [134]

治療

胞巣状軟部肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 放射線療法とその後の手術または手術とその後の放射線療法。 [8] [9]
  3. 標的療法。

標準的アプローチは原発病変の完全切除である。 [141] 完全切除が不可能な場合は放射線療法を施行すべきである。中国の1件の研究により、口腔および顎顔面領域の胞巣状軟部肉腫の患者18人について報告された;15人の患者が30歳未満であった。 [136] [証拠レベル:3iiDii]切除断端陰性での外科的切除が初回治療であった。すべての患者が生存し、1人の患者においてのみ転移性病変の再発がみられた。

胞巣状軟部肉腫を有する0~21歳の小児患者51人のシリーズでは、10年OS率が78%およびEFS率は約63%であった。限局性疾患の患者(n = 37)に対する10年OS率は87%で、診断時に転移が認められた14人の患者の10年OS率は44%であったが、これは一部の患者で原発腫瘍と肺転移巣の外科的切除を行えた結果であろう。測定可能な病変を有する患者18人中、従来の肉腫に対する化学療法で反応が得られたのは3人のみ(17%)であったが、スニチニブで治療された患者4人中2人で部分奏効が得られた。 [134] [証拠レベル:3iiiA]インターフェロンアルファおよびベバシズマブに客観的奏効が得られたとする報告が散見される。 [134] [143] [144]

スニチニブによる治療を受けた転移胞巣状軟部肉腫の成人患者9人を対象とした小規模レトロスペクティブ研究は、5人における部分奏効および2人における病勢安定化を報告している。 [145] [証拠レベル:3iiiDiv]既知の3つの上皮成長因子受容体すべてに対する阻害薬であるセジラニブに関する第II相試験において、転移性胞巣状軟部肉腫を有する成人患者43人中15人(35%)が部分奏効を示した。 [146] [証拠レベル:3iiDiv]小児患者を対象とした試験は報告されていない。

胞巣状軟部肉腫に対して臨床評価段階にある治療法の選択肢

現在実施されている国および/または施設の臨床試験の例を次に掲げる。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • NCT00942877

    (胞巣状軟部肉腫患者におけるセジラニブ[AZD2171]の第II相研究)

    胞巣状軟部肉腫患者を対象にしたセジラニブの第II相研究が、米国国立衛生研究所の臨床センターで16歳未満の患者に実施されている。

  • NCT01391962

    (胞巣状軟部肉腫に対するスニチニブまたはセジラニブ)

    転移性胞巣状軟部肉腫患者がスニチニブまたはセジラニブのいずれかの単剤療法にランダムに割り付けられた第II相試験で、疾患増悪時にはクロスオーバーが実施される。16歳以上の患者が適格である。この研究は米国国立衛生研究所の臨床センターで実施されている。

軟部明細胞肉腫

明細胞肉腫(以前は軟部悪性黒色腫という不適切な名称で呼ばれていた)はまれな軟部肉腫であり、典型的には四肢の深部の軟部組織に生じる。この腫瘍は腱および腱膜の明細胞肉腫とも呼ばれる。この腫瘍は青年および若年成人に好発する。

分裂速度が低く組織学的悪性度が中等度の小さな限局腫瘍の患者は最良の経過をとる。 [147]

臨床像

この腫瘍は下肢、特に足、踵、足関節部に最も好発する。 [148] [149] この腫瘍はリンパ節播種、特に所属リンパ節への転移を生じる傾向が強い(12~43%)。 [149] [150] この腫瘍は典型的には緩徐な臨床経過をたどる。

分子的特徴

軟部明細胞肉腫はEWS-ATF1の融合を特徴とする。 [151]

治療

軟部明細胞肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 放射線療法とその後の手術または手術とその後の放射線療法。 [8] [9]

Italian and German Soft Tissue Cooperative Studiesにより報告された小児患者28人を対象としたシリーズでは、診断時年齢の中央値は14歳で、原発部位として最も多かったのは下肢であった(50%)。放射線療法を併用するまたは併用しない手術が選択すべき治療法であり、治癒が得られる確率が最も高い。このシリーズでは、完全切除を受けた患者13人中12人が治癒した。より進行した患者では転帰は不良であり、化学療法が奏効することはまれである。 [152] ; [153] [証拠レベル:3iiDii]

線維形成性小円形細胞腫瘍

線維形成性小円形細胞腫瘍はまれな原始的肉腫である。

臨床像

線維形成性小円形細胞腫瘍は、腹部、骨盤、または精巣周囲組織に最も好発するが、腎臓に発生することもある。 [154] [155] [156] [157] この腫瘍は男性に多く発生し、肺およびその他の部位に転移することがある。腹膜および骨盤病変には広範な腹腔内播種が頻繁にみられる。 [158]

65人の患者を対象にした単一施設の大規模シリーズでは、ほとんどの患者で実施されたコンピュータ断層撮影(CT)スキャンと11人の患者で実施されたポジトロン放射断層撮影(PET)/CTキャン間で相関がみられた。PET/CTキャンでは偽陰性の結果が非常に少なく、従来のCTキャンで見逃されていた転移部位が発見された。 [158]

分子的特徴

この腫瘍の細胞遺伝学的検査では、WT1遺伝子とEWS遺伝子の融合と考えられている転座t(11;22)(p13;q12)がよく証明される。 [157] [159] WT1-EWS融合により線維形成性小円形細胞腫瘍の診断が確定する。

予後

線維形成性小円形細胞腫瘍の全般的な予後は依然としてきわめて不良であり、報告されている死亡率は90%である。受診時または術前化学療法後のいずれかで切除された腫瘍が90%を超えることが、OSについての良好な予後因子となる可能性がある。 [160] [161]

治療

線維形成性小円形細胞腫瘍の治療に標準的アプローチは存在しない。

線維形成性小円形細胞腫瘍に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 化学療法およびその後の手術。
  3. 放射線療法。

外科的完全切除はまれなため、線維形成性小円形細胞腫瘍の全体的な予後は依然としてきわめて不良であり、報告されている死亡率は90%である。

治療法としては、化学療法、手術、および放射線療法が考えられる。全腹部放射線療法だけでなく、肉腫に対して使用されるものに類似した多剤併用化学療法も使用されている。 [154] [155] [160] [162] [163]

Center for International Blood and Marrow Transplant Research(CIBMTR)が、そのレジストリの、大量化学療法および自家幹細胞による再構築による地固めを受けた線維形成性小円形細胞腫瘍患者を分析している。 [164] このレトロスペクティブ・レジストリ分析でこのアプローチについて若干の有益性が示唆された一方で、過度の毒性および有効性の欠如のためにこのアプローチを放棄した研究者もいる。 [160]

類上皮肉腫

類上皮肉腫は、組織発生が不明で多系統への分化を示すまれな間葉系腫瘍である。 [165]

臨床像

類上皮肉腫は、深部の軟部組織を基盤とした増殖の遅い硬結節として多くみられる;近位型は主に成人にみられ、体軸骨格および近位部位に生じる。高度に侵攻性の腫瘍であり、リンパ節転移を来す可能性もある。

分子的特徴

類上皮肉腫はSMARCB1遺伝子の不活化を特徴とし、これは類上皮肉腫の通常型および近位型の両方において認められる。 [166] この異常により、EZH2への依存度の増加および腫瘍形成が生じる。 [167]

治療

類上皮肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 化学療法。
  2. 手術。
  3. 放射線療法とその後の手術または手術とその後の放射線療法。

リンパ節転移の有無について患者を注意深く評価すべきである;疑わしいリンパ節については生検を行うべきである。原発腫瘍および再発腫瘍の外科的切除が最も有効な治療法である。 [168] [証拠レベル:3iiiA]

類上皮肉腫の小児患者30人(発症時年齢の中央値は12歳)を対象としたレビューによると、肉腫向けをベースにしたレジメンを用いた患者の40%に化学療法に対する奏効が報告され、初回診断から5年後の時点で60%の患者が生存していた。 [169] 小児および成人を含む20人の患者(年齢中央値、27.3歳)を対象とした単一施設のレトロスペクティブ・レビューでは、化学療法を受けた患者と受けなかった患者とで再発確率に差が認められなかったことから、放射線療法が有用となる可能性が示唆された。 [168]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

現在実施されている国および/または施設の臨床試験の例を次に掲げる。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • NCT01897571

    (進行固形腫瘍またはB細胞リンパ腫の被験者を対象とした単剤としてのE7438[EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)阻害薬]のオープンラベル、多施設、第I/II相研究)

    ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害薬であるEPZ6438を用いる第I/II相研究が現在18歳以上の患者の登録を行っている。

  • NCT02601937

    (再燃したまたは難治性INI1-陰性腫瘍あるいは滑膜肉腫の小児被験者におけるEZH2阻害剤、tazemetostatの第1相研究)

    INI1-陰性腫瘍患者はEZH2阻害剤による標的療法に適格である。この試験は、tazemetostatを1日2回経口投与する第I相オープンラベルの、用量漸増、用量拡大研究である。

腎外性(頭蓋外)ラブドイド腫瘍

悪性ラブドイド腫瘍は1981年に腎腫瘍の小児において初めて報告され(詳しい情報については、小児ウィルムス腫瘍およびその他の腎腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと)、後に腎外のさまざまな部位で発見された。これらの腫瘍はまれで悪性度が高く、特に2歳未満の小児でその傾向が強い。

腎外性(頭蓋外)ラブドイド腫瘍は20歳未満の患者における軟部肉腫の2%を占める(表1を参照のこと)。

分子的特徴

軟部組織の腎外性頭蓋外悪性ラブドイド腫瘍の小児患者26人を対象にした最初の大規模シリーズは、病理学資料のレビュー中にIntergroup Rhabdomyosarcoma Studies I~IIIに登録した患者からのものである。無病状態で生存していた患者はわずか5人(19%)であった。 [170] 後に、脳の非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍の小児のほか、腎および腎外性の悪性ラブドイド腫瘍の小児が調査され、検査された29の腫瘍すべてでSMARCB1遺伝子の生殖細胞変異および後天性変異が明らかにされた。 [171] ラブドイド腫瘍はSMARCB1遺伝子の生殖細胞変異に関連していると考えられ、見たところ罹患していない一方の親から遺伝している可能性がある。 [172] この観察は、診断時平均年齢が12ヵ月の患者のすべての部位にある32の悪性ラブドイド腫瘍に拡大された。 [173]

予後

腎臓、中枢神経系、および腎外性の悪性ラブドイド腫瘍の患者229人を対象にしたSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)研究では、2~18歳の患者の年齢、腫瘍の範囲が限られていること、放射線療法の実施が他の患者と比較して治療成績に良好に作用することが示されている(それぞれの比較についてP < 0.002)。原発腫瘍部位は予後的に重要ではなかった。5年OS率は33%であった。 [174]

治療

治療には、可能な場合の外科的切除、軟部肉腫に用いられている化学療法(ただし、現在最善のものとして認められている単一のレジメンはない)、および放射線療法が含まれる。 [175] [証拠レベル:3iA]; [176] [177] [証拠レベル:3iiiB]

アリセルチブに対する反応が中枢神経系(CNS)非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍の患者4人において報告されている。 [178] (CNS非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍に関する詳しい情報については、小児中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • NCT02601937

    (再燃したまたは難治性INI1-陰性腫瘍あるいは滑膜肉腫の小児被験者におけるEZH2阻害剤、tazemetostatの第1相研究)

    INI1-陰性腫瘍患者はEZH2阻害剤による標的療法に適格である。この試験は、tazemetostatを1日2回経口投与する第I相オープンラベルの、用量漸増、用量拡大研究である。

骨外性粘液型軟骨肉腫

骨外性粘液型軟骨肉腫は、軟部肉腫の中では比較的まれで、すべての軟部肉腫に占める割合はわずか2.3%である。 [179] また、小児および青年において報告されている。 [180]

分子的特徴

骨外性粘液型軟骨肉腫は多結節性の新生物である。この円形細胞は、コンドロイチン硫酸による粘液性の基礎環境では索状に配列し糸状となる。細胞遺伝学的にいくつかの異常が特定されており(表2を参照のこと)、EWSR1/NR4A3遺伝子に関わるt(9;22)(q22;q12)の転座が最も高頻度に認められる。 [181]

予後

この腫瘍は従来から低悪性度の可能性があるとみなされている。 [182] しかしながら、大規模施設からの最近の報告によると、骨外性粘液型軟骨肉腫は、特に長期にわたって患者を追跡すると、悪性度が有意に高いことが示された。 [183] [184] 患者は長期にわたり緩徐な経過を示す傾向がある。リンパ節転移については、多くの報告がなされている。局所再発(57%)および肺への転移(26%)が報告されている。 [184]

治療

骨外性粘液型軟骨肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 放射線療法。

治療上の化学療法の有益性については、まだ確立されていない。積極的な局所制御および転移病変の切除により、5年OSが87%、10年OSが63%となった。この腫瘍は放射線療法に対し比較的抵抗性が高かった。 [183]

小分子に対する遺伝的標的薬の可能性は考えられるが、これらは臨床試験の一環として研究すべきである。成人を対象とした1件の研究で、スニチニブ投与を受けた患者10人中6人が部分奏効を得た。 [185]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • NCT02601937

    (再燃したまたは難治性INI1-陰性腫瘍あるいは滑膜肉腫の小児被験者におけるEZH2阻害剤、tazemetostatの第1相研究)

    INI1-陰性腫瘍患者はEZH2阻害剤による標的療法に適格である。この試験は、tazemetostatを1日2回経口投与する第I相オープンラベルの、用量漸増、用量拡大研究である。

血管周囲類上皮細胞への分化を伴う腫瘍(PEComa)

危険因子および分子的特徴

良性のPEComaは、腎細胞がんおよび脳腫瘍の素因もある常染色体優性遺伝症候群の結節硬化症に多くみられる。結節硬化症は、TSC1(9q34)またはTSC2(16p13.3)のいずれかの生殖細胞系不活化により引き起こされ、散発性PEComaではこの同じ腫瘍抑制遺伝子が体細胞で不活化されている。 [186] いずれかの遺伝子の不活化により、mTOR経路が刺激されることから、手術によらずmTOR阻害薬により治癒可能なPEComa治療の基礎が得られる。 [187] [188] ごく一部のPEComaはSFPQ/PSFおよびRAD51Bを含むさまざまな遺伝子が関わる融合を伴うTFE3再構成を有する。 [189]

臨床像

PEComaは、まれに消化管、肺、女性器、尿生殖器などのさまざまな部位に発生する。軟部組織、内臓、および女性器のPEComaは、中年女性患者により多くみられ、通常結節硬化症とは無関係である。 [190] 疾患の経過は緩慢な場合がある。

予後

ほとんどのPEComaは、良性の臨床経過を示すが、悪性の挙動が報告されており、腫瘍サイズ、分裂速度、および壊死の有無を基に予想可能である。 [191]

治療

治療法の選択肢は確定していない。治療は手術または、腫瘍が大きい場合に観察とその後の手術が挙げられる。 [192]

mTORC1の活性化およびTSC欠失の証拠を示す腫瘍における、シロリムスなどのmTOR阻害薬による臨床活性が詳細に報告されている。 [193]

原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)/骨外性ユーイング腫瘍

(詳しい情報については、ユーイング肉腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

滑膜肉腫

滑膜肉腫は20歳未満の患者における軟部肉腫の9%を占める(表1を参照のこと)。

滑膜肉腫は、小児および青年において最もよくみられる非横紋筋肉腫性軟部肉腫の1つである。1973年から2005年までのSEERのレビューでは、滑膜肉腫患者1,268人が特定された。これらの患者の約17%が小児および青年で、診断時年齢の中央値は34歳であった。 [194]

組織学的分類

滑膜肉腫は、以下のタイプに下位分類可能である:


  • 滑膜肉腫、NOS。

  • 滑膜肉腫、紡錘細胞型。

  • 滑膜肉腫、二相型。

臨床像

最もよくみられる腫瘍部位は四肢で、体幹および頭頸部が続く。 [194] 滑膜肉腫はまれに心臓または心膜に発生することがある。 [195]

転移好発部位は肺である。 [196] [197] 転移リスクは腫瘍の大きさによって大きく影響を受ける;腫瘍の大きさが5cmを超える患者は、それ以外の患者と比べて転移するリスクが32倍高いと推定される。

診断的評価

滑膜肉腫の診断は、免疫組織化学的分析、超微細構造所見、および特異的なt(X;18)(p11.2;q11.2)の染色体転座の立証によって確定される。この異常は滑膜肉腫に特有のものであり、すべての形態学的亜型にみられるものである。滑膜肉腫では、第18番染色体上のSYT遺伝子とX染色体上のSSX遺伝子の亜型(1、2または4)の1つとの間で再構成が起こる。 [198] [199] SYT/SSX18の転写産物は、重要な腫瘍抑制遺伝子のエピジェネティックサイレンシングを促進すると考えられている。 [200] 免疫組織化学的染色でINI1核内反応の低下は、調査されたほとんどの滑膜肉腫で典型的にみられ、他の類似の組織型では起こらないため、遺伝子検査を待つ間の高速診断を提供する。 [201]

予後

10歳未満の患者は、これより年齢が高い患者よりも転帰が良好で、その臨床的特徴として、四肢原発、小さい腫瘍、限局性腫瘍などが挙げられる。 [194] [202] メタアナリシスで、化学療法に対する奏効が生存延長に関係していることも示唆された。 [203]

以下の諸研究から転帰不良と関連する複数の因子が報告されている:


  • ドイツおよびイタリアで治療を受けた小児および青年における滑膜肉腫のレトロスペクティブ解析によると、腫瘍サイズは(最大径で5cm超または5cm以下で)、EFSの重要な予測因子であった。 [204] この解析では、局所浸潤がEFSの可能性を低下させる要因であったが、外科的切除断端は、臨床転帰と無関係であった。

  • 滑膜肉腫で診断時年齢が22歳未満であった患者111人を対象にした単一施設のレトロスペクティブ解析では、腫瘍サイズが大きいこと、腫瘍組織が深いこと、局所浸潤が広いこと、および腫瘍の位置が近位であることが不良なOSと関連した。 [205] [証拠レベル:3iiA]

  • ドイツ、SJCRH、Instituto Tumori、MD Anderson Cancer Centerなどのさまざまな治療センターからの小児219人を対象とした多施設共同解析では、推定5年OS率が80%、EFS率が72%であることが報告された。 [203] この解析では、腫瘍の大きさと浸潤性の間の相互作用が確認された;多変量解析で、大きいまたは浸潤した腫瘍の患者、またはIntergroup Rhabdomyosarcoma Studyによる臨床グループIII(限局性、切除が不完全または生検のみ)およびIV(診断時に転移あり)の病変を有する患者はOSが低かった。放射線療法による治療はOS改善に関連していた(ハザード比、0.4;95%信頼区間、0.2-0.7)。Intergroup Rhabdomyosarcoma StudyでグループIIIの患者では、化学療法に対する客観的奏効(30人中18人[60%])が生存期間延長に関連していた。成人では、国際対がん連合(International Union Against Cancer)/米国がん合同委員会(American Joint Committee on Cancer)のIII期およびIVA期、腫瘍壊死、体幹局在、細胞分裂速度の上昇、年齢、組織学的悪性度などの因子が、予後不良の原因となっている。 [206] [207] [208]

  • 滑膜肉腫において遺伝子発現およびゲノム指標の予後シグネチャーに関する研究が行われている。滑膜肉腫の成人では、若い患者よりもゲノムの比較的大きな再構成を伴う複雑なゲノムプロファイルが一般的であり、これは転移のリスクの高さと関連している。 [209]

  • 融合状態(SYT-SSX)および組織学的悪性度に関する情報が得られている限局性滑膜肉腫患者84人のレビューでは、これらの基準によってOSに差は認められなかった。しかしながら、診断時の腫瘍の大きさについて、この研究では腫瘍が5~10cmの患者はこれより腫瘍が小さかった患者より予後不良であり(P = 0.02)、腫瘍が10cmを超えた患者ではOSがさらに不良であった(P = 0.0003)ことが示された。 [210] [証拠レベル:3iiiA]

  • ドイツのCWSグループにより、滑膜肉腫患者296人について肺転移を来した21歳未満の評価可能な患者27人が見直された。すべての患者が肺に転移を来していた。5年EFS率は26%で、OS率は30%であった。発症時の最も重要な予後因子は、転移が一方の肺に1つの病変または両方の肺に1つの病変(少数転移と称される病変群)に限定されていることであった。優れた生存に関連した治療の要素は、原発腫瘍および、実施可能であれば、転移病変の適切な局所療法であった。全肺照射の使用はより良好な転帰と相関しなかった。 [211] [証拠レベル:3iiA]

再燃後の生存率は不良である(5年で30%)。再燃後の転帰に関連する因子としては、初回寛解の持続期間(18ヵ月を超えるまたは18ヵ月以下)および二回目の寛解なしが挙げられる。 [212]

治療

滑膜肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 化学療法。
  2. 手術。手術の前または後に放射線療法および/または化学療法が施行されることがある。 [8] [9]

滑膜肉腫は、他の多くの軟部肉腫よりも化学療法に対する感受性が高いようであり、滑膜肉腫の小児は成人と比べ予後が良好と考えられる。 [11] [197] [208] [213] [214] [215] [216] [217] 滑膜肉腫の治療に最も一般的に用いられるレジメンには、イホスファミドおよびドキソルビシンが組み入れられている。 [203] [216] [218] イホスファミドおよびドキソルビシンのレジメンに対する奏効率は、他の非横紋筋肉腫性軟部肉腫より高い。 [219]

数件の研究から以下の化学療法関連の治療結果が報告されている:


  • いくつかの治療施設では、小児および若年成人の滑膜肉腫に対して切除後の術後化学療法および放射線療法を提唱している。 [203] [204] [220] [221] [222]

  • International Society of Pediatric OncologyによるMalignant Mesenchymal Tumors研究によると、非転移性滑膜肉腫の特定の患者(若年、切除される腫瘍が5cm未満)は放射線療法なしで優れた転帰が得られるが、このアプローチにより局所または領域制御に対する放射線療法の利点がなくなるかどうかはまだ明らかではない。 [221]

  • 1件のドイツの試験が、滑膜肉腫の患児における術後化学療法の有益性を示唆している。 [222]

  • メタアナリシスもまた化学療法が有益となりうることを示唆した。 [203]

  • 最新のCOGのARST0332(NCT00346164)研究において、滑膜肉腫患者129人(うち43人が低リスクに、66人が中リスクに、20人が高リスクに分類された)がリスクに基づく治療プログラム(予後のセクションに詳述している)を用いてプロスペクティブに治療を受けた。追跡期間中央値2.6年で、低、中、高リスク群の3年EFSはそれぞれ83%、79%、16%であった。危険因子に基づく療法の使用により転帰が正確に予測された。 [223]

  • European Pediatric Soft Tissue Sarcoma Study Groupにより、21歳未満の滑膜肉腫患者を対象にしたプロスペクティブ研究(CCLG-EPSSG-NRSTS-2005[NCT00334854])が実施された。 [224] [証拠レベル:3iiA]患者は、以下の3つのリスクグループに層別化され、リスクグループごとの治療にランダム化されずに割り付けられた:
      低リスク患者は、大きさが5cm未満でIntergroup Rhabdomyosarcoma Study(IRS)グループIの腫瘍および体軸以外(nonaxial)の原発腫瘍を有した。
      中リスク患者は体軸の原発腫瘍を有さず、IRSグループIの5cm超の腫瘍またはIRSグループIIの腫瘍を有した。
      高リスク患者には、体軸の原発腫瘍(頭頸部、肺および胸膜、体幹、後腹膜)、IRSグループIIIの腫瘍、N1の腫瘍を有するすべての患者が含まれた。

    表9.CCLG-EPSSG-NRSTS-2005 Trialで治療された低リスク、中リスク、および高リスク滑膜肉腫患者におけるイベントフリー生存率(EFS)および全生存率(OS)

    リスクグループ 治療 3年EFS(%) 3年OS(%)
    IRS = Intergroup Rhabdomyosarcoma Study;RT = 放射線療法。
    a化学療法はイホスファミド/ドキソルビシンで、放射線療法中はドキソルビシンは省略された。
    b二次切除が選択されなかった症例において59.4Gy;術前放射線療法として50.4Gy;R0、R1、およびR2切除を受けた症例における術後放射線療法として、それぞれ50.4Gy、54Gy、および59.4Gy(6歳未満の小児では、切除縁陰性での二次完全切除の症例における追加の放射線療法は実施されなかった)。
    低リスク 手術単独 92 100
    中リスク 手術、3~6サイクルの化学療法a ± RTb 91 100
    高リスク(IRSグループIII) 3サイクルの化学療法a、手術、追加で3サイクルの化学療法、 ± RTb 77 94
    高リスク(体軸の原発部位) 手術、6サイクルの化学療法a、RTb 78 100



臨床評価段階にある治療法の選択肢

現在実施されている国および/または施設の臨床試験の例を次に掲げる。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ADP 04511(NCT01343043)

    (HLA-A2+の滑膜肉腫患者における遺伝子操作NY-ESO-1特異的[c259]T細胞のパイロット研究

    切除不能、転移性、または再発滑膜肉腫患者はアフェレーシスを受ける。細胞は中央検査施設に送られ、そこでNY-ESO-1の形質導入、拡張、および冷凍保存が行われる。患者はフルダラビンおよびシクロホスファミドによるリンパ球除去を受け、その後に自家遺伝子導入細胞を注入される。適格性はHLA-A2+を有し、年齢が4歳超で、体重が18kg超の患者に制限されている。

  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。胞巣状軟部肉腫、軟部明細胞肉腫、類上皮肉腫、骨外性粘液型軟骨肉腫、PEComa、および滑膜肉腫患者はこの試験に適格とされる。

  • NCT02601937

    (再燃したまたは難治性INI1-陰性腫瘍あるいは滑膜肉腫の小児被験者におけるEZH2阻害剤、tazemetostatの第1相研究)

    INI1-陰性腫瘍患者はEZH2阻害剤による標的療法に適格である。この試験は、tazemetostatを1日2回経口投与する第I相オープンラベルの、用量漸増、用量拡大研究である。

  • ADVL1522(NCT02452554)

    (再燃したまたは難治性ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、胸膜肺芽腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、または滑膜肉腫の若年患者の治療におけるlorvotuzumab mertansine)

    この試験は、再燃したまたは難治性ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、胸膜肺芽腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、および滑膜肉腫の小児におけるIMGN901(lorvotuzumab mertansine)に関する第II相研究である。この試験では、CD56を標的とする抗体に強力な有糸分裂阻害剤を結合させた抗体-薬物複合体であるIMGN901の効果が検討されている。

未分化/分類不能肉腫

1972年から2006年にIntergroup Rhabdomyosarcoma Study GroupおよびCOGの統括下に実施された横紋筋肉腫の臨床試験への参加では、未分化軟部肉腫患者が適格とされた。その理論的根拠は、未分化軟部肉腫患者の病変部位および転帰が胞巣状横紋筋肉腫患者と類似しているという観察所見であった。軟部肉腫の成人に対する治療試験には未分化肉腫および他の病歴の患者も含まれ、イホスファミドドキソルビシンに加え、ときには他の化学療法薬、手術および放射線療法を使用して同様の治療を行っている。

COGのARST0332(NCT00346164)試験では、高悪性度未分化肉腫患者がイホスファミドおよびドキソルビシンをベースとしたレジメンによる治療を受け、また過去のIntergroup Rhabdomyosarcoma Study Groupの諸研究(非転移患者での推定5年生存率は72%)で用いられた横紋筋肉腫を対象とする治療法を受けた。 [225] [証拠レベル:3iiA]現在、これらの患者は、非横紋筋肉腫性軟部肉腫の患者を対象とするCOGのオープンARST1321(NCT02180867)試験に適格である。

未分化多形肉腫/悪性線維性組織球腫(高悪性度)

悪性線維組織球腫は、かつては成人の軟部肉腫の中で単一で最も頻度の高い組織型とされていた。悪性線維組織球腫は、1960年代初期に初めて認知されて以降、その組織発生および臨床病理学的疾患としての妥当性の両面において絶えず議論の的となってきた。最新のWHO分類は、現在では悪性線維組織球腫を別個の診断カテゴリーとして含めておらず、むしろ未分化多形肉腫の亜型の1つとしている。 [226]

この腫瘍はすべての小児軟部肉腫の2~6%を占める。 [227] これらの腫瘍は、過去に放射線が照射された部位に、または網膜芽細胞腫患者における二次悪性腫瘍として現れることがある。

また、主に10歳代に発生する。患者10人のシリーズにおける年齢中央値は10歳で、腫瘍は主に四肢に局在する場合が最も多かった。このシリーズでは、すべての腫瘍が限局性で、(追跡可能であった)9人中5人が生存しており、初回寛解状態にあった。 [227] 悪性線維組織球腫の小児患者17人を対象とした別のシリーズでは、診断時年齢の中央値は5歳で、四肢に病変がみられたのは8例であった。 [228] 転移したすべての患者が死亡し、ドキソルビシンをベースとしたレジメンに対する臨床的奏効が2人の患者に認められた。

(骨悪性線維性組織球腫の治療に関する詳しい情報については、骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法)

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。未分化類上皮肉腫、未分化多形肉腫、未分化円形細胞肉腫、および未分化紡錘細胞肉腫患者はこの試験に適格とされる。

脈管腫瘍

脈管腫瘍は、常に良性と考えられる血管腫から悪性度の高い血管肉腫まで多様である。 [229] 脈管腫瘍として、以下の腫瘍サブタイプがある:


軟部血管肉腫

発生率

血管肉腫はまれな(肉腫の2%を占める)侵攻性の脈管腫瘍で身体のあらゆる部位に生じうるが、軟部組織においてより一般的である。血管肉腫の推定発生率は100万人当たり2例である;米国では、年間約600人(典型的には60~70歳)が罹患する。 [230]

血管肉腫は小児ではきわめてまれである。しかしながら、新生児および歩き始めの幼児において多発性の皮膚病変および肝病変(これらの一部はGLUT1陽性である)の発症を伴う症例が報告されている。 [231] [232] [233] [234] ほとんどの血管肉腫は皮膚および表在性軟部組織に病変が見られるが、肝臓、脾臓、および肺に見られることもある;骨に病変が見られることはまれである。

危険因子

危険因子として確立されているものには、塩化ビニル曝露、放射線曝露、およびスチュアート-トリーヴェス症候群など、何らかの原因による慢性リンパ浮腫がある。 [235]

病理学および生物学

血管肉腫は一般に異数体腫瘍である。血管腫などの良性病変から発生する血管肉腫のまれな症例は、研究が必要な異なる経路を有している。MYC増幅は放射線誘発性血管肉腫において見られる。KDR-VEGFR2の突然変異およびFLT4-VEGFR3の増幅が見られる頻度は50%未満である。 [235]

病理組織学的診断は、多様な異型の範囲が存在する可能性があるため非常に困難である。一般的な特徴は、真皮コラーゲン束に沿って切断したようなパターンの不規則なチャンネルのネットワークである。多様な細胞の形状、サイズ、有糸分裂、内皮多層構造、および乳頭状構造が見られる。類上皮細胞が見られることもある。壊死および出血が一般的である。腫瘍は第VIII因子、CD31、およびCD34に染色される。一部の肝病変は乳児血管腫に酷似し、病巣のGLUT1が陽性である。こうした肝病変の命名法は難しく、1971年以降の専門用語(例、I型血管内皮腫:乳児血管腫;II型血管内皮腫:低悪性度血管肉腫;III型血管内皮腫:高悪性度血管肉腫)の使用により混乱させるものとなっている。 [232]

軟部血管肉腫の治療

軟部血管肉腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 手術。
  2. 手術、化学療法、および放射線療法(転移性腫瘍)。
  3. ベバシズマブと化学療法の併用(乳児血管腫に続発する血管肉腫)。

限局性疾患は積極的な手術により治癒する。血管肉腫およびリンパ管肉腫に対しては、局所療法または全身療法で治療された一部の患者で腫瘍の縮小を示した証拠が存在するにもかかわらず、外科的完全切除がきわめて重要なようである。 [233] [236] [237] [238] 患者222人(年齢中央値62歳;範囲15~90歳)を対象としたレビューでは、全疾患特異的生存率(DSS)が5年で38%であったことを示した。5年DSSは、限局性腫瘍を切除した患者138人では44%であったが、診断時に転移が認められた患者43人ではわずか16%であった。 [238] 限局性血管肉腫に対する肝移植のデータは限られている。 [239] [証拠レベル:3iiA]

転移性腫瘍に対しては、手術、全身化学療法、および放射線療法による集学的治療が用いられるが、治癒が得られることはまれである。 [240] 転移性血管肉腫では疾患の制御が目標であり、発表されている無増悪生存期間は3~7ヵ月 [241] および全生存(OS)期間中央値は14~18ヵ月 [242] である。成人と小児の両方で、20~35%の5年OS率が報告されている。 [233] [234] [243]

乳児血管腫からの悪性転換に続発する血管肉腫と診断された小児では、血管内皮増殖因子に対するモノクローナル抗体のベバシズマブと全身化学療法とを併用する治療での反応が報告されている。 [231]

血管形成を阻害する生物学的製剤が血管肉腫の成人で活性を示している。 [232] [243]

臨床評価段階にある治療法の選択肢

以下は、現在実施されている国内および/または施設内の臨床試験の一例である。現在実施中の臨床試験に関する情報は、NCIウェブサイトから入手することができる。


  • ARST1321(NCT02180867)

    (手術で切除可能な非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された患者の治療における手術前の多剤併用化学療法または塩酸パゾパニブを併用するまたは併用しない放射線療法[PAZNTIS])

    この研究では、切除術未施行で中リスクおよび高リスクの非横紋筋肉腫性軟部肉腫を新たに診断された小児および成人患者において、放射線療法、または化学療法(イホスファミド/エトポシド)および放射線療法との併用でチロシンキナーゼ阻害薬を追加できるかどうかの実施可能性がまず判断される。その後、この試験では、1)切除できる可能性のある(5cm超)、悪性度3の中~高リスクの化学療法感受性を示す成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対する術前パゾパニブ + 化学放射線療法 vs 術前化学放射線療法単独;および2)切除できる可能性のある中~高リスクの成人および小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫に対するパゾパニブ + 術前放射線療法 vs 術前放射線療法単独の、ほぼ完全(90%を超える壊死)な病理的奏効率が比較される。軟部血管肉腫患者はこの試験に適格とされる。

最新の臨床試験

小児血管肉腫患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

類上皮血管内皮腫

発生率および転帰

この腫瘍は1982年にWeissおよびEnzingerにより軟部組織において最初に記述された。類上皮血管内皮腫は若年で発生することがあるが、発生率のピークは30~40歳代である。腫瘍は緩慢な経過をたどる場合も、非常に侵攻性の経過をたどる場合もあり、5年全生存率は73%である。非常に侵攻性の経過をたどる患者がいるのに対して、未治療の多発性病変を有しながら非常に良性の経過をたどる患者の症例報告もある。病理医はリスクを評価し治療を調整するために患者を層別化しようと試みているが、さらなる研究が必要である。 [244] [245] [246] [247] [248] [249] [250]

病理学および生物学

患者の大部分でWWTR1-CAMTA1遺伝子融合が認められている;頻度は少ないが、YAP1-TFE3遺伝子融合が報告されている。 [244] これらの融合は薬物を用いた直接の標的として治療できていない。多発性肝病変で単クローン性が記述されており、転移の過程が示唆されている。組織学的に、これらの病変は血管腔をほとんど認めない巣状、糸状、および索状パターンで配列した類上皮病変を特徴としている。侵攻性の臨床的挙動に関連しうる特徴としては、細胞異型、10高倍率視野当たり1つ以上の有糸分裂像、高い割合の紡錘形細胞、病巣壊死、および化生性骨形成が挙げられる。 [246]

臨床像および診断的評価

一般的な病変の部位は、肝単独(21%)、肝 + 肺(18%)、肺単独(12%)、および骨単独(14%)である。 [246] [251] [252] 臨床像は以下に示すように、病変の部位によって異なる:


  • 肝:

    肝結節は、超音波検査で中心性の血管分布(central vascularity)を、コンピュータ断層撮影ではコントラスト増強性の病変を、磁気共鳴画像法では低いT1信号および中等度のT2信号を示す。

  • 肺:

    肺類上皮血管内皮腫は胸部X線で無症候性の所見がみられることもあれば、胸膜痛、喀血、貧血、および線維症と関連することもある。

  • 骨:

    骨転移は病的骨折と関連しうる。X線では、はっきりした溶骨性病変であり、多発性のことも孤立性のこともある。

  • 軟部組織:

    軟部組織症例の30%は転移と関連しており、転移を来している場合は非常に侵攻性の経過をたどることがあり、化学療法への反応は限定的である。

  • 皮膚:

    皮膚病変は隆起し、結節性の場合もあれば、熱を帯びた赤褐色の斑の場合もある。

類上皮血管内皮腫の治療

類上皮血管内皮腫に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 経過観察。
  2. 手術。
  3. 免疫療法。
  4. 標的療法。
  5. 化学療法。

経過が緩慢な症例には、観察が妥当である。経過がより侵攻性の症例には、インターフェロンサリドマイド、ソラフェニブ、パゾパニブ、シロリムスなど複数の医薬品が使用されている。経過が最も侵攻性の症例は、血管肉腫と同様の化学療法で治療される。可能な場合には手術が用いられる。侵攻性の肝病変では、転移の有無にかかわらず、肝移植が用いられている。 [246] [253] [254] [255] [256]

最新の臨床試験

小児類上皮血管内皮腫患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

最新の臨床試験

非転移性小児軟部肉腫患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Ferrari A, Casanova M, Collini P, et al.: Adult-type soft tissue sarcomas in pediatric-age patients: experience at the Istituto Nazionale Tumori in Milan. J Clin Oncol 23 (18): 4021-30, 2005.[PUBMED Abstract]

  2. Stanelle EJ, Christison-Lagay ER, Sidebotham EL, et al.: Prognostic factors and survival in pediatric and adolescent liposarcoma. Sarcoma 2012: 870910, 2012.[PUBMED Abstract]

  3. Alaggio R, Coffin CM, Weiss SW, et al.: Liposarcomas in young patients: a study of 82 cases occurring in patients younger than 22 years of age. Am J Surg Pathol 33 (5): 645-58, 2009.[PUBMED Abstract]

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転移性小児軟部肉腫の治療

転移性の小児軟部肉腫に対する標準治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 化学療法、放射線療法、肺転移巣の外科的切除の併用治療。

治療法の選択肢については、本要約の個々の腫瘍型のセクションを参照のこと。

転移性軟部肉腫の小児患者の予後は不良であり [1] [2] [3] [4] [5] [6] 、このような小児には化学療法、放射線療法および肺転移巣の外科的切除を組み合わせた治療が行われるべきである。プロスペクティブ・ランダム化試験では、ビンクリスチンダクチノマイシンドキソルビシン、およびシクロホスファミドによる化学療法にダカルバジンを併用または併用しないで、切除不能または転移性の病変を認める患者の3分の1において腫瘍反応が得られた。しかしながら、推定4年生存率は不良で、生存者は3分の1未満であった。 [6] [7] [8]

肺転移

一般的に、孤立性の肺転移巣が認められる小児には、肉眼的病変をすべて切除することを目的に外科的手技を検討すべきである。 [9] 多発性または反復性の肺転移を認める患者に対しては、合併症が認容可能と考えられる場合は、外科手術を追加施行することがある。1件のレトロスペクティブ・レビューにおいて、滑膜肉腫および複数の肺転移が認められたが、すべての転移性肺病変を完全切除できた患者は、完全切除を達成できなかった患者よりも生存が優れていた。 [9] [証拠レベル:3iiiA]正式の肺区域切除術、肺葉切除術、および縦隔リンパ節郭清術は不要である。 [10]

代替アプローチとして集中的な放射線療法(分割定位放射線治療)があり、成人患者に使用され、病変の無力化に成功している。成人を対象とした諸試験では、肺転移巣切除目的の開胸が実施された後の推定5年生存率は10~58%とされている。最新のデータによれば、集中型放射線療法を施行しても同様の治療成績が得られることが示唆されている。 [11]


参考文献
  1. Demetri GD, Elias AD: Results of single-agent and combination chemotherapy for advanced soft tissue sarcomas. Implications for decision making in the clinic. Hematol Oncol Clin North Am 9 (4): 765-85, 1995.[PUBMED Abstract]

  2. Elias A, Ryan L, Sulkes A, et al.: Response to mesna, doxorubicin, ifosfamide, and dacarbazine in 108 patients with metastatic or unresectable sarcoma and no prior chemotherapy. J Clin Oncol 7 (9): 1208-16, 1989.[PUBMED Abstract]

  3. Edmonson JH, Ryan LM, Blum RH, et al.: Randomized comparison of doxorubicin alone versus ifosfamide plus doxorubicin or mitomycin, doxorubicin, and cisplatin against advanced soft tissue sarcomas. J Clin Oncol 11 (7): 1269-75, 1993.[PUBMED Abstract]

  4. Rao BN: Nonrhabdomyosarcoma in children: prognostic factors influencing survival. Semin Surg Oncol 9 (6): 524-31, 1993 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  5. deCou JM, Rao BN, Parham DM, et al.: Malignant peripheral nerve sheath tumors: the St. Jude Children's Research Hospital experience. Ann Surg Oncol 2 (6): 524-9, 1995.[PUBMED Abstract]

  6. Pappo AS, Rao BN, Jenkins JJ, et al.: Metastatic nonrhabdomyosarcomatous soft-tissue sarcomas in children and adolescents: the St. Jude Children's Research Hospital experience. Med Pediatr Oncol 33 (2): 76-82, 1999.[PUBMED Abstract]

  7. Pratt CB, Pappo AS, Gieser P, et al.: Role of adjuvant chemotherapy in the treatment of surgically resected pediatric nonrhabdomyosarcomatous soft tissue sarcomas: A Pediatric Oncology Group Study. J Clin Oncol 17 (4): 1219, 1999.[PUBMED Abstract]

  8. Pratt CB, Maurer HM, Gieser P, et al.: Treatment of unresectable or metastatic pediatric soft tissue sarcomas with surgery, irradiation, and chemotherapy: a Pediatric Oncology Group study. Med Pediatr Oncol 30 (4): 201-9, 1998.[PUBMED Abstract]

  9. Stanelle EJ, Christison-Lagay ER, Wolden SL, et al.: Pulmonary metastasectomy in pediatric/adolescent patients with synovial sarcoma: an institutional review. J Pediatr Surg 48 (4): 757-63, 2013.[PUBMED Abstract]

  10. Putnam JB Jr, Roth JA: Surgical treatment for pulmonary metastases from sarcoma. Hematol Oncol Clin North Am 9 (4): 869-87, 1995.[PUBMED Abstract]

  11. Dhakal S, Corbin KS, Milano MT, et al.: Stereotactic body radiotherapy for pulmonary metastases from soft-tissue sarcomas: excellent local lesion control and improved patient survival. Int J Radiat Oncol Biol Phys 82 (2): 940-5, 2012.[PUBMED Abstract]

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進行性/再発性小児軟部肉腫の治療

乳児型線維肉腫の乳児は除外される可能性があるが、腫瘍が再発性または進行性の患者における予後は不良である。小児軟部肉腫の局所制御を強化することが最終的な生存率改善につながることを明らかにしたプロスペクティブ試験は存在しない。このため、治療は再発部位と腫瘍の生物学的特徴(例、悪性度、浸潤度、大きさ)に応じて個別に行っていくべきである。

進行性または再発小児軟部肉腫に対する治療選択肢に関する決定は、以下を含む多くの因子に基づいて行う:


  • 再発部位。

  • 腫瘍の生物学的特徴。

  • 以前の治療。

  • 患者個々の事情。

再発または進行性疾患に対する治療法の選択肢には以下のものがある:

  1. 局所再発巣または孤立性肺再発巣の外科的切除。
  2. 局所再発巣の外科的切除とその後の放射線療法または密封小線源治療(過去に放射線療法が行われていない場合)。
  3. 患肢切断術(既に放射線療法を受けている四肢発生の肉腫患者のみ)。
  4. ゲムシタビンおよびドセタキセル。 [1]
  5. トラベクテジン。 [2] [3] [4]
  6. パゾパニブ。パゾパニブに関する第I相試験では、1人の線維形成性小円形細胞腫瘍患者で部分奏効および8人の再発肉腫患者で長期の疾患安定化が報告された。 [5] [証拠レベル:2Diii]パゾパニブは再発性軟部肉腫に対する使用が承認されている。承認を得るために用いられた臨床試験は成人に限定されており、疾患の安定および増悪までの期間の延長が実証された;全生存の改善は実証されなかった。 [6]
  7. 新規化学療法薬の臨床試験。

再発した小児非横紋筋肉腫性軟部肉腫の標準治療は外科的切除である。それまでに放射線療法を受けたことのない患者であれば、再発腫瘍の局所切除実施後に術後放射線療法を検討すべきである。成人では術後密封小線源治療による患肢温存療法が評価済みであるが、小児では大々的な研究は実施されていない。四肢に肉腫が認められ以前に放射線療法を受けたことのある小児では、切断が唯一の治療法の選択肢となる場合もある。

患者によっては、肺の転移巣切除により長期にわたる腫瘍制御が得られる場合がある。 [7] 再発軟部肉腫の患者の大規模なレトロスペクティブ分析から、孤立性の局所再燃の方が予後良好であるということと、肺転移巣の切除により生存確率が高まるということが示された。 [8] 滑膜肉腫から肺転移を来した小児および23歳未満の青年31人において、肺の転移巣を完全切除できれば、転移巣切除の候補と考えられなかった他の10人の患者と比較して生存が延長されたようである。 [9] [証拠レベル:3iiiA]再発腫瘍が認められる患者は、最新の臨床試験を検討すべきである。

滑膜肉腫の再燃を来した小児の治療成績に関して2件の試験の結果が発表された。1件の試験ではほとんどの患児に遠隔部位の再燃があり(44例中29例)、 [10] もう一方の試験では、ほとんどの患児に局所再燃が認められた(37例中27例)。 [11] 遠隔再発は予後不良変数であった一方で、四肢への再燃のように、再燃時に腫瘍が切除可能であることが両試験において良好な治療成績に関連していた。

最新の臨床試験

再発小児軟部肉腫患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Maki RG, Wathen JK, Patel SR, et al.: Randomized phase II study of gemcitabine and docetaxel compared with gemcitabine alone in patients with metastatic soft tissue sarcomas: results of sarcoma alliance for research through collaboration study 002 [corrected]. J Clin Oncol 25 (19): 2755-63, 2007.[PUBMED Abstract]

  2. Le Cesne A, Cresta S, Maki RG, et al.: A retrospective analysis of antitumour activity with trabectedin in translocation-related sarcomas. Eur J Cancer 48 (16): 3036-44, 2012.[PUBMED Abstract]

  3. Garcia-Carbonero R, Supko JG, Maki RG, et al.: Ecteinascidin-743 (ET-743) for chemotherapy-naive patients with advanced soft tissue sarcomas: multicenter phase II and pharmacokinetic study. J Clin Oncol 23 (24): 5484-92, 2005.[PUBMED Abstract]

  4. Garcia-Carbonero R, Supko JG, Manola J, et al.: Phase II and pharmacokinetic study of ecteinascidin 743 in patients with progressive sarcomas of soft tissues refractory to chemotherapy. J Clin Oncol 22 (8): 1480-90, 2004.[PUBMED Abstract]

  5. Glade Bender JL, Lee A, Reid JM, et al.: Phase I pharmacokinetic and pharmacodynamic study of pazopanib in children with soft tissue sarcoma and other refractory solid tumors: a children's oncology group phase I consortium report. J Clin Oncol 31 (24): 3034-43, 2013.[PUBMED Abstract]

  6. van der Graaf WT, Blay JY, Chawla SP, et al.: Pazopanib for metastatic soft-tissue sarcoma (PALETTE): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet 379 (9829): 1879-86, 2012.[PUBMED Abstract]

  7. Belal A, Salah E, Hajjar W, et al.: Pulmonary metastatectomy for soft tissue sarcomas: is it valuable? J Cardiovasc Surg (Torino) 42 (6): 835-40, 2001.[PUBMED Abstract]

  8. Zagars GK, Ballo MT, Pisters PW, et al.: Prognostic factors for disease-specific survival after first relapse of soft-tissue sarcoma: analysis of 402 patients with disease relapse after initial conservative surgery and radiotherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys 57 (3): 739-47, 2003.[PUBMED Abstract]

  9. Stanelle EJ, Christison-Lagay ER, Wolden SL, et al.: Pulmonary metastasectomy in pediatric/adolescent patients with synovial sarcoma: an institutional review. J Pediatr Surg 48 (4): 757-63, 2013.[PUBMED Abstract]

  10. Ferrari A, De Salvo GL, Dall'Igna P, et al.: Salvage rates and prognostic factors after relapse in children and adolescents with initially localised synovial sarcoma. Eur J Cancer 48 (18): 3448-55, 2012.[PUBMED Abstract]

  11. Soole F, Maupain C, Defachelles AS, et al.: Synovial sarcoma relapses in children and adolescents: prognostic factors, treatment, and outcome. Pediatr Blood Cancer 61 (8): 1387-93, 2014.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(12/06/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

小児軟部肉腫に関する一般情報

参考文献43としてWang et al.が追加された。

新規診断小児軟部肉腫の治療

本文に以下の記述が追加された;その後の研究では、第II群病変の患者7人のうち、経過観察中に増悪を来した患者は1人のみであった;その患者は化学療法により完全寛解を達成した(引用、参考文献67としてOrbach et al.および証拠レベル:3iiA)。

本文で以下の記述が改訂された;乳児型線維肉腫の患者を対象とした3件の研究から、アルキル化剤を含まないレジメンが有効であり、肉眼的病変を有する患児において第一選択治療法として使用すべきであることが示唆されている。

本文に以下の記述が追加された;単一の症例報告で、子宮内に乳児型線維肉腫が診断された生後2ヵ月の患者が記述された;この乳児は最初に化学療法で治療された。疾患増悪時に、血管内皮増殖因子受容体阻害剤のパゾパニブによる治療で腫瘍の反応が得られた(引用、参考文献76としてYanagisawa et al.)。

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍に対する治療法の選択肢として標的療法が追加された。

本文に以下の記述が追加された;不良な予後を伴う特徴として、高悪性度、深在性腫瘍、診断時に局所進行期、および肉眼的不完全切除が挙げられた(引用、参考文献118としてValentin et al.)。

本文に以下の記述が追加された;French Sarcoma Group研究において、神経線維腫症1型は他の予後不良な特徴に関連していたが、不良な転帰の独立した予測因子ではなかった。

本文で以下の記述が改訂された;線維形成性小円形細胞腫瘍は、腹部、骨盤、または精巣周囲組織に最も好発するが、腎臓に発生することもある(引用、参考文献157としてWang et al.)。

本文に以下の記述が追加された;融合状態および組織学的悪性度に関する情報が得られている限局性滑膜肉腫患者84人のレビューでは、これらの基準によって全生存(OS)に差は認められなかった。しかしながら、診断時の腫瘍の大きさについて、この研究では腫瘍が5~10cmの患者はこれより腫瘍が小さかった患者より予後不良であり、腫瘍が10cmを超えた患者ではOSがさらに不良であったことが示された(引用、参考文献210としてStegmaier et al.および証拠レベル:3iiiA)。

本文に、21歳未満の滑膜肉腫患者を対象にEuropean Pediatric Soft Tissue Sarcoma Study Groupにより実施されたプロスペクティブ研究、患者のリスクグループ、治療割り付け、および転帰に関する記述が追加された(引用、参考文献224としてFerrari et al.および証拠レベル:3iiA)。

本要約はPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、小児軟部肉腫の治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Pediatric Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

小児軟部肉腫の治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Pediatric Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約とすることはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Pediatric Treatment Editorial Board.PDQ Childhood Soft Tissue Sarcoma Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/types/soft-tissue-sarcoma/hp/child-soft-tissue-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389361]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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