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最新の研究成果に基づいて定期的に更新している、
科学的根拠に基づくがん情報の要約です。

下咽頭がんの治療(PDQ®)

  • 原文更新日 : 2016-12-22
    翻訳更新日 : 2017-02-22

Hypopharyngeal Cancer (PDQ®): Treatment PDQ Adult Treatment Editorial Board

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、下咽頭がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。


本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

下咽頭がん

下咽頭がんに関する一般情報

疫学

下咽頭のがんはまれである;米国において毎年新たに診断されるのはおよそ約2,500人である。 [1] このがんの発生のピークは、男女ともに50~60歳の年齢である。 [2] 過度のアルコール使用および喫煙が、下咽頭がんに対する第一危険因子である。 [3] [4] 米国において、下咽頭がんは女性よりも男性の方によくみられる。 [5] ヨーロッパおよびアジアでは、男性における咽頭がん、すなわち口腔咽頭と下咽頭の両方の高い発生率が、フランスのバ・ラン県およびエロー県;スイスのボー州;スペインのバスク地方;スロバキア;スロベニア;およびインドのムンバイ市およびマドラス市で明らかにされている。 [6] このがんは小児においてはきわめてまれである。 [7]

上部の下咽頭がんは、大量の飲酒および喫煙と関連しているようにみえるのに対し、下部の下咽頭、または輪状軟骨後部のがんは、よりしばしば栄養欠乏と関連している。 [1] [8] 北欧、特にスウェーデンからの比較的初期の報告では、鉄欠乏性貧血および気道消化管の上皮変化がみられるプラマー-ヴィンソン症候群と女性における他の栄養欠乏との関連性を示したが、女性における下咽頭がんの症例は現在、栄養欠乏よりもむしろ過度のアルコール使用および喫煙と関連している可能性が高い。 [2] [9] [10] [11]

解剖学

解剖学的に、下咽頭は、上は舌骨の面に始まり下は輪状軟骨下縁まで拡がる。下咽頭は、以下の3つの部分から成り、喉頭は含まれない:


  • 梨状陥凹。

  • 輪状後部。

  • 咽頭後壁。

臨床的特徴

咽頭からのリンパ液は、頸静脈顎二腹筋リンパ節、頸静脈肩甲舌骨リンパ節、上内深頸リンパ節、中内深頸リンパ節および咽頭後リンパ節へと流れている。米国およびカナダでは、下咽頭がんの65~85%が梨状陥凹を冒し、10~20%が咽頭後壁を冒し、5~15%が輪状後部を冒す。 [12] 梨状陥凹および輪状後部がんは一般的に隆起した縁および表在性の潰瘍を伴う扁平な斑である。対照的に、下咽頭後壁の腫瘍は外向発育の傾向があり、しばしば発症時に大きい(すなわち、80% > 5cm)。 [13] 下咽頭がんは粘膜内、正常な上皮下で拡がる傾向があり、スキップ転移して原発部位から離れたさまざまな部位で再び表面化しがちである。 [1] [13] この事実およびこの領域の豊富なリンパ管ネットワークのために、限局した下咽頭がんは例外である。 [1]

ほとんどすべての下咽頭がんは粘膜の扁平上皮がん(SCC)である。 [1] 多発原発腫がんはまれではない。150症例のレトロスペクティブ研究において、患者の約25%は二次原発がんを有することが明らかにされた。 [14] 領域がん化は、一部、下咽頭がん患者に発生する多発同時性原発悪性腫瘍の原因である。 [1] [14] [15] [16] 領域がん化の概念は、当初は1953年に記述され、腫瘍が発がん物質に長期間曝露している組織の領域内で多病巣性に発生するということを提唱する。 [17]

臨床的に、下咽頭のがんは侵攻性で、びまん性の局所的な拡がり、早期の転移、および比較的高い割合の遠隔転移によって特徴付けられる自然史を示す傾向がある。50%を超える下咽頭がん患者が、発症時に臨床的に頸部リンパ節陽性である。これらの患者の50%において、頸部腫瘤は初発症状である。 [2] [18] [19] 下咽頭がん78症例のレトロスペクティブ研究において、頸部腫瘤(25.6%)に加え他の症状には、嚥下困難(46.1%)、嚥下痛(44.8%)、声の変化(16.3%)および耳痛(14.2%)があった。 [2] 梨状陥凹または輪状後部病変による声の変化は晩期の症状であり、通常は喉頭または反回神経への浸潤を示す。 [1]

喉頭および下咽頭のSCC患者の大規模レトロスペクティブ研究において、梨状陥凹SCC患者の87%はIII期またはIV期の疾患を有することが明らかにされた;咽頭後壁SCC患者の82%はIII期またはIV期の疾患を有することが明らかにされた。 [20] 下咽頭SCCの17%は、臨床的に診断されるときには遠隔転移と関連しているであろう。 [20] このことは、60%という高い割合が報告される剖検で発見される遠隔転移の割合とは全く異なる。 [21] 下咽頭SCCにおける遅延型(すなわち、第一次療法完了後2年以上)局所再発および遠隔転移の比較的高い発生率は、診断時の疾患の進行期と関係している。梨状陥凹がんのほぼ33%は、遅延型局所転移と関連しているであろう。 [20]

下咽頭がんの治療には議論の余地があるが、一部にはその低い発生率や十分なパワーをもつプロスペクティブ・ランダム化臨床研究を実行することが本来困難であることが原因の一部である。 [22] このため、下咽頭がんの特定の部位または病期での理想的な治療法を明確に定義することは困難である。一般に、手術および放射線療法はいずれもこのがんに向けられた最も治癒的な努力の中心である。近年、化学療法が下咽頭がんの一部の進行例に対する治療戦略に加えられている。 [23] 梨状陥凹がんにおいては、ネオアジュバント化学療法後の放射線療法が生存を危険にさらすことなく喉頭温存を提供しうる。 [24]

予後および生存率

過度の喫煙およびアルコール使用と関係する慢性的な肺および肝疾患が、下咽頭がん患者において認められる。これらの共存症の認識は、適切な治療計画の構築においてきわめて重要である。 [1] 下咽頭SCCの主要な予後因子として、以下のものがある: [1] [25] [26]


  • 病期。

  • 年齢。

  • パフォーマンスステータス。

下咽頭SCCの全体的な予後不良に関与する因子には、以下を含む:


  • 進行した病期で発症。

  • 下咽頭内に病変部が複数ある。

  • 非制限的な軟部組織への腫瘍増殖。

  • 転移の発生を可能とする広範囲な所属リンパ管ネットワーク。

  • 完全切除するには手術の選択肢が限定される場合。

多くの患者において、不良な予後は、不良な全健康と関係する。 [13] 原発がんの治療失敗の原因で最もよくみられるものは、局所再発および/または所属リンパ節再発である。根治治療後の最初の2年間にほとんどの治療失敗が判明する。リンパ節転移の負荷は予後的価値の情報をもたらすことがある。あるレトロスペクティブ研究において、全容積が100cm3を超える転移疾患は特に不良な予後を示した。 [25]

危険因子

上部気道消化管のがんを有する患者において、遅延型所属リンパ節転移のリスクに加えて、二次原発がんを発生するリスクは年間4~7%であると推定されている。 [20] [26] [27] [28] これらのリスクのために、下咽頭がん患者の監視は生涯にわたるべきである。

組織病理学

現在までのところ、下咽頭のSCCはいずれの特異的な染色体異常または遺伝的異常とも関連していないが、 [13] 1件の研究において18番染色体の欠損が下咽頭腫瘍の57%で観察された。 [29] 他の複数の研究が、11番染色体長腕13領域の増幅の重要性を強調しているが、それはリンパ節転移の存在やより重度の局所浸潤性やより高い腫瘍再発率と関係しうる。 [30] [31] [32] [33]


参考文献
  1. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  2. Uzcudun AE, Bravo Fernández P, Sánchez JJ, et al.: Clinical features of pharyngeal cancer: a retrospective study of 258 consecutive patients. J Laryngol Otol 115 (2): 112-8, 2001.[PUBMED Abstract]

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  12. Barnes L, Johnson JT: Pathologic and clinical considerations in the evaluation of major head and neck specimens resected for cancer. Part I. Pathol Annu 21 Pt 1: 173-250, 1986.[PUBMED Abstract]

  13. Helliwell TR: acp Best Practice No 169. Evidence based pathology: squamous carcinoma of the hypopharynx. J Clin Pathol 56 (2): 81-5, 2003.[PUBMED Abstract]

  14. Raghavan U, Quraishi S, Bradley PJ: Multiple primary tumors in patients diagnosed with hypopharyngeal cancer. Otolaryngol Head Neck Surg 128 (3): 419-25, 2003.[PUBMED Abstract]

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  18. Horwitz SD, Caldarelli DD, Hendrickson FR: Treatment of carcinoma of the hypopharynx. Head Neck Surg 2 (2): 107-11, 1979 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  19. Keane TJ: Carcinoma of the hypopharynx. J Otolaryngol 11 (4): 227-31, 1982.[PUBMED Abstract]

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  22. Godballe C, Jørgensen K, Hansen O, et al.: Hypopharyngeal cancer: results of treatment based on radiation therapy and salvage surgery. Laryngoscope 112 (5): 834-8, 2002.[PUBMED Abstract]

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  24. Lefebvre JL, Andry G, Chevalier D, et al.: Laryngeal preservation with induction chemotherapy for hypopharyngeal squamous cell carcinoma: 10-year results of EORTC trial 24891. Ann Oncol 23 (10): 2708-14, 2012.[PUBMED Abstract]

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  26. Khuri FR, Lippman SM, Spitz MR, et al.: Molecular epidemiology and retinoid chemoprevention of head and neck cancer. J Natl Cancer Inst 89 (3): 199-211, 1997.[PUBMED Abstract]

  27. Pfister DG, Shaha AR, Harrison LB: The role of chemotherapy in the curative treatment of head and neck cancer. Surg Oncol Clin N Am 6 (4): 749-68, 1997.[PUBMED Abstract]

  28. León X, Quer M, Diez S, et al.: Second neoplasm in patients with head and neck cancer. Head Neck 21 (3): 204-10, 1999.[PUBMED Abstract]

  29. Poetsch M, Kleist B, Lorenz G, et al.: Different numerical chromosomal aberrations detected by FISH in oropharyngeal, hypopharyngeal and laryngeal squamous cell carcinoma. Histopathology 34 (3): 234-40, 1999.[PUBMED Abstract]

  30. Meredith SD, Levine PA, Burns JA, et al.: Chromosome 11q13 amplification in head and neck squamous cell carcinoma. Association with poor prognosis. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 121 (7): 790-4, 1995.[PUBMED Abstract]

  31. Muller D, Millon R, Velten M, et al.: Amplification of 11q13 DNA markers in head and neck squamous cell carcinomas: correlation with clinical outcome. Eur J Cancer 33 (13): 2203-10, 1997.[PUBMED Abstract]

  32. Rodrigo JP, García LA, Ramos S, et al.: EMS1 gene amplification correlates with poor prognosis in squamous cell carcinomas of the head and neck. Clin Cancer Res 6 (8): 3177-82, 2000.[PUBMED Abstract]

  33. Rodrigo JP, González MV, Lazo PS, et al.: Genetic alterations in squamous cell carcinomas of the hypopharynx with correlations to clinicopathological features. Oral Oncol 38 (4): 357-63, 2002.[PUBMED Abstract]

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下咽頭がんの細胞分類

ほとんどすべての下咽頭がんは、上皮性で主に扁平上皮(すなわち、類表皮)がん(SCC)であり、さまざまな前がん病変が先行しうる。 [1] [2] まれな種類の下咽頭がんには、以下を含む:


  • 類基底細胞扁平上皮がん。

  • 紡錘細胞(すなわち、肉腫様)がん。

  • 小細胞がん。

  • 上咽頭型未分化がん(すなわち、リンパ上皮腫)。

  • 小唾液腺のがん。

非上皮性腫瘍には、リンパ腫、肉腫、黒色腫が含まれるが、別に考慮する必要があり、本要約で考察される病期分類および治療法の選択肢には含まれない。 [1] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

浸潤性SCCは通常、中分化、または低分化であり、常にケラチンに対して陽性に染色する。 [1] 上皮内がんはしばしば浸潤性SCCに隣接してみられる。 [1] [9]

白斑症という用語は、擦っても除去できない白い斑点を認めることを意味する臨床記述用語としてのみ使用されるべきであり、その重要性は組織学的所見によって決まる。 [10] この記述に基づくと、白斑症は角化症から実際の早期浸潤がんに及ぶ可能性もあれば、単なる真菌症、扁平苔癬をはじめとする良性口腔疾患の場合もある。


参考文献
  1. Oral cavity and oropharynx. In: Rosai J, ed.: Ackerman's Surgical Pathology. 8th ed. St. Louis, Mo: Mosby, 1996, pp 223-55.[PUBMED Abstract]

  2. Mendenhall WM, Werning JW, Pfister DG: Treatment of head and neck cancer. In: DeVita VT Jr, Lawrence TS, Rosenberg SA: Cancer: Principles and Practice of Oncology. 9th ed. Philadelphia, Pa: Lippincott Williams & Wilkins, 2011, pp 729-80.[PUBMED Abstract]

  3. Ibrahim NB, Briggs JC, Corbishley CM: Extrapulmonary oat cell carcinoma. Cancer 54 (8): 1645-61, 1984.[PUBMED Abstract]

  4. Stanley RJ, Weiland LH, DeSanto LW, et al.: Lymphoepithelioma (undifferentiated carcinoma) of the laryngohypopharynx. Laryngoscope 95 (9 Pt 1): 1077-81, 1985.[PUBMED Abstract]

  5. McKay MJ, Bilous AM: Basaloid-squamous carcinoma of the hypopharynx. Cancer 63 (12): 2528-31, 1989.[PUBMED Abstract]

  6. Frank DK, Cheron F, Cho H, et al.: Nonnasopharyngeal lymphoepitheliomas (undifferentiated carcinomas) of the upper aerodigestive tract. Ann Otol Rhinol Laryngol 104 (4 Pt 1): 305-10, 1995.[PUBMED Abstract]

  7. Olsen KD, Lewis JE, Suman VJ: Spindle cell carcinoma of the larynx and hypopharynx. Otolaryngol Head Neck Surg 116 (1): 47-52, 1997.[PUBMED Abstract]

  8. Lengyel E, Gilde K, Remenár E, et al.: Malignant mucosal melanoma of the head and neck. Pathol Oncol Res 9 (1): 7-12, 2003.[PUBMED Abstract]

  9. Helliwell TR: acp Best Practice No 169. Evidence based pathology: squamous carcinoma of the hypopharynx. J Clin Pathol 56 (2): 81-5, 2003.[PUBMED Abstract]

  10. Neville BW, Day TA: Oral cancer and precancerous lesions. CA Cancer J Clin 52 (4): 195-215, 2002 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

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下咽頭がんの病期情報

病期システムはすべて臨床病期分類であり、治療前に疾患の進展度をできる限り評価したものに基づいている。原発がんは、可能であれば視診および触診に基づいて評価するほか、間接鏡検査および直接内視鏡検査によって評価する。腫瘍は組織学的に確認するべきで、生検によって得られたあらゆる病理学的データが含まれる。さらにX線検査を実施することもある。診察の補助として、CTおよび/またはMRIが、喉頭および下咽頭がんの正確な病期分類に必要であるが、これは両方の横断的画像方式が深部の腫瘍浸潤を確実に評価することが知られているためである。 [1] [2] [3] 考えられるリンパ流領域は、注意深く触診する。患者が再発した場合、適切な追加治療を選択するために、完全な再病期決定を実施しなければならない。

TNMの定義

米国がん合同委員会はTNM分類による病期判定を設定して、下咽頭がんを定義している。 [4]

表1.原発腫瘍(T)a

aAJCCから許諾を得て転載:Pharynx.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 41-56.
b頸部正中軟部組織には、喉頭前方帯状筋および皮下脂肪が含まれる。
TX 原発腫瘍が評価できない。
T0 原発腫瘍を認めない。
Tis 上皮内(in situ)がん。
下咽頭
T1 下咽頭の1亜部位に限局した腫瘍および/または最大径が2cm以下の腫瘍。
T2 片側喉頭の固定がなく、下咽頭の1亜部位を超えるか、隣接部位に浸潤するか、または最大径が2cmを超えるが4cm以下の腫瘍。
T3 最大径4cmを超えるか、または片側喉頭の固定する腫瘍、あるいは食道へ進展。
T4a 中度に進行した局所病変。
甲状/輪状軟骨、舌骨、甲状腺、食道、または頸部正中軟部組織のいずれかに浸潤する腫瘍。b
T4b かなり進行した局所病変。
椎前筋膜に浸潤する腫瘍、頸動脈を全周性に取り囲む腫瘍、または縦隔構造に転移する腫瘍。


表2.所属リンパ節(N)a, b

中咽頭および下咽頭
aAJCCから許諾を得て転載:Pharynx.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 41-56.
bレベルVIIでの転移は、所属リンパ節転移とみなす。
NX 所属リンパ節が評価できない。
N0 所属リンパ節に転移を認めない。
N1 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cm以下。
N2 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmを超えるが6cm以下、同側の多発リンパ節転移で最大径が6cmを超えるものがない、または両側ないし対側のリンパ節転移で最大径が6cmを超えるものがない。
N2a 同側の単発性リンパ節転移で最大径が3cmを超えるが6cm以下。
N2b 同側の多発リンパ節転移で最大径が6cmを超えるものがない。
N2c 両側あるいは対側リンパ節転移で最大径が6cmを超えるものがない。
N3 最大径が6cmを超えるリンパ節転移。


表3.遠隔転移(M)a

aAJCCから許諾を得て転載:Pharynx.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 41-56.
M0 遠隔転移を認めない。
M1 遠隔転移を認める。


表4.解剖学的病期/予後グループa

病期 T N M
中咽頭および下咽頭
aAJCCから許諾を得て転載:Pharynx.In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual.7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 41-56.
0 Tis N0 M0
I T1 N0 M0
II T2 N0 M0
III T3 N0 M0
T1 N1 M0
T2 N1 M0
T3 N1 M0
IVA T4a N0 M0
T4a N1 M0
T1 N2 M0
T2 N2 M0
T3 N2 M0
T4a N2 M0
IVB T4b すべてのN M0
すべてのT N3 M0
IVC すべてのT すべてのN M1



参考文献
  1. Thabet HM, Sessions DG, Gado MH, et al.: Comparison of clinical evaluation and computed tomographic diagnostic accuracy for tumors of the larynx and hypopharynx. Laryngoscope 106 (5 Pt 1): 589-94, 1996.[PUBMED Abstract]

  2. Becker M: Larynx and hypopharynx. Radiol Clin North Am 36 (5): 891-920, vi, 1998.[PUBMED Abstract]

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  4. Pharynx. In: Edge SB, Byrd DR, Compton CC, et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual. 7th ed. New York, NY: Springer, 2010, pp 41-56.[PUBMED Abstract]

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治療法選択肢の概要

下咽頭がんは通常、がんの経過の末期まで症状が現れない。この事実および高い早期転移率のために、下咽頭がんの生存率は全頭頸部がんの中でおそらく最も低い。

どの単一治療レジメンもその他のレジメンより明確に優れた優位な生存率をもたらすものではない。文献は、さまざまな治療法の選択肢を強調しているが、妥当な比較研究を紹介した報告はほとんど記載されていない。最終的にどの治療法を選択するかは、腫瘍の病期決定、患者の全身の健康状態、患者の感情面、医療チームの経験および利用できる医療設備に留意し、個々の症例を慎重に評価することで決まる。 [1] [2]

治療の概要

この領域のきわめて早期(T1)のがんを除き、治療は主に手術であり、通常は術後放射線療法(PORT)が続けて施行されている。一部の早期(T1およびT2)で低容積の外向発育型梨状陥凹がんは、放射線単独で具合よく治療されている。 [3] [4] [5] 手術または放射線療法のいずれかによる進行期下咽頭がんの単独療法は、いずれも不良な生存率となる。 [6] [7] [8]

III期またはIV期の疾患を呈する患者には、集学的治療が検討されるべきである。 [4] [6] [9] [10] 放射線療法は手術と併用される場合、一般的に術後に実施される。ネオアジュバント化学療法と放射線療法を用いる代替戦略により、特定の進行した症状を局所コントロールできる可能性が切除およびPORTに迫るレベルまで高まる場合がある。 [4]

頭頸部がんにおける根治的放射線療法の公表された臨床結果のレビューでは、放射線療法が長期にわたれば重大な局所制御不能に陥ることが示唆されている;したがって、標準治療計画を長引かせるのは可能な限り回避すべきである。 [11] [12]

過度の喫煙およびアルコール使用と関係する慢性的な肺および肝疾患は、頭頸部がん患者においては一般的であり、これらの共存症の認識は、適切な治療計画の構築においてきわめて重要である。 [6] 放射線療法中に喫煙する患者は、喫煙しない患者よりも奏効率が低く、生存期間が短いようである、 [13] その結果、このような患者は、放射線療法の開始前に禁煙するように忠告されるべきである。証拠が蓄積されるにつれて、甲状腺全体または下垂体に外照射療法を受けた患者では、甲状腺機能低下症の発生率が高い(すなわち、30~40%を超える)ことが実証されている。治療開始前、および治療後追跡の一環として、甲状腺機能検査を検討すべきである。 [14] [15]


参考文献
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  8. Johansen LV, Grau C, Overgaard J: Hypopharyngeal squamous cell carcinoma--treatment results in 138 consecutively admitted patients. Acta Oncol 39 (4): 529-36, 2000.[PUBMED Abstract]

  9. Spector JG, Sessions DG, Emami B, et al.: Squamous cell carcinoma of the pyriform sinus: a nonrandomized comparison of therapeutic modalities and long-term results. Laryngoscope 105 (4 Pt 1): 397-406, 1995.[PUBMED Abstract]

  10. Jones AS, Stell PM: Squamous carcinoma of the posterior pharyngeal wall. Clin Otolaryngol 16 (5): 462-5, 1991.[PUBMED Abstract]

  11. Fowler JF, Lindstrom MJ: Loss of local control with prolongation in radiotherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys 23 (2): 457-67, 1992.[PUBMED Abstract]

  12. Hansen O, Overgaard J, Hansen HS, et al.: Importance of overall treatment time for the outcome of radiotherapy of advanced head and neck carcinoma: dependency on tumor differentiation. Radiother Oncol 43 (1): 47-51, 1997.[PUBMED Abstract]

  13. Browman GP, Wong G, Hodson I, et al.: Influence of cigarette smoking on the efficacy of radiation therapy in head and neck cancer. N Engl J Med 328 (3): 159-63, 1993.[PUBMED Abstract]

  14. Turner SL, Tiver KW, Boyages SC: Thyroid dysfunction following radiotherapy for head and neck cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 31 (2): 279-83, 1995.[PUBMED Abstract]

  15. Constine LS: What else don't we know about the late effects of radiation in patients treated for head and neck cancer? Int J Radiat Oncol Biol Phys 31 (2): 427-9, 1995.[PUBMED Abstract]

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I期の下咽頭がん

下咽頭のきわめて早期のT1がん以外では、治療としてまず手術を施行したのち、通常術後放射線療法を実施している。下咽頭がんは、進行期に達するまでは臨床的に無症候性であるため、T1 N0の時点でがんの診断がつくことはきわめて珍しい。入手可能なレトロスペクティブレビューのほとんどで、T1 N0の症例は全受診患者のうち1~2%に過ぎない。T1 N0の外向発育型病変の症例では、放射線療法のみが治療として検討されるであろう。 [1] [2]

標準治療法の選択肢:


  • 下咽頭がんでは、下咽頭・喉頭切除術および頸部リンパ節郭清術が最もよく用いられている治療法である。

    梨状陥凹がんの、側壁上部に発生するきわめて限られた症例では、喉頭温存・下咽頭部分切除術が、発声機能の温存に好成績を上げている。放射線療法を用いているグループはすべて、咽頭後リンパ節および側頸リンパ節も照射するために、原発部位および両側頸部への高線量治療を提唱している。 [1]


最新の臨床試験

I期の下咽頭がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Mendenhall WM, Parsons JT, Devine JW, et al.: Squamous cell carcinoma of the pyriform sinus treated with surgery and/or radiotherapy. Head Neck Surg 10 (2): 88-92, 1987 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  2. Murthy AK, Galinsky D, Hendrickson FR: Hypopharynx. In: Laramore GE, ed.: Radiation Therapy of Head and Neck Cancer. Berlin: Springer-Verlag, 1989, pp 107-24.[PUBMED Abstract]

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II期の下咽頭がん

治療は主に手術であり、通常は術後放射線療法(PORT)が続けて施行されている。下咽頭がんは、進行期に達するまでは臨床的に無症候性であるため、T2 N0の時点でがんの診断がつくことはきわめてまれである。

標準治療法の選択肢:

  1. 下咽頭がんでは、下咽頭・喉頭切除術および頸部リンパ節郭清術が最もよく用いられている治療法である。

    梨状陥凹がんの、内壁上部に発生するきわめて限られた症例では、喉頭温存・下咽頭部分切除術が、発声機能の温存に好成績を上げている。T2の症例では、手術単独による局所コントロール率を改善するために、手術と併用してPORTが施行されている。術前放射線療法を主張する声もあるが、放射線療法を用いているグループはいずれも、咽頭後リンパ節および側頸リンパ節も照射するため、原発部位および両側頸部への高線量治療を提唱している。 [1] [2]

  2. 臨床試験で投与されているようなネオアジュバント化学療法は、腫瘍を縮小させるために用いており、腫瘍を縮小させて、手術または放射線療法のいずれかを用いる腫瘍の治療をさらに確実なものにする。その化学療法は他の治療法に先んじて実施され、このため、放射線を用いた根治治療後、根治治療中または術後に実施される標準アジュバント療法と区別してネオアジュバントという名称が使用されている。ネオアジュバント化学療法では多剤併用が用いられている。ランダム化プロスペクティブ試験のデータは欠けているが、ネオアジュバント化学療法は局所制御率または生存率を改善するために、進行がん患者の治療で一般的に用いられる。 [3]

    臓器温存を増加させるためのネオアジュバント化学療法も提唱されている。GORTEC-TREMPLIN試験と呼ばれるプロスペクティブ・ランダム化試験(NCT00169247)では、European Organization for the Research and Treatment of Cancerにより、ネオアジュバント化学療法(すなわち、シスプラチン + 5-フルオロウラシル)とその後の反応した患者に対する放射線療法と対比して、手術 + PORTが比較された。2群において局所および所属リンパ節制御失敗はほぼ同じであった。生存期間中央値は、即時手術群では25ヵ月で、導入化学療法群では44ヵ月であったが(P=0.006)、5年無病生存率および全生存率は同じであった。導入化学療法を実施した患者のうち、機能を維持したまま喉頭を温存できたのは3年後で42%、5年後では35%であった。これらのデータは他の第3相試験では確認されていないが、生存率を低下させずに喉頭の温存が実現可能であることを示唆している。 [4] [証拠レベル:1iiA1iiC]


    II期の下咽頭がん患者の生存率が低いため、ほとんどのネオアジュバント化学療法の臨床試験はこの病期の患者を対象としている。 [5]

最新の臨床試験

II期の下咽頭がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Mendenhall WM, Parsons JT, Devine JW, et al.: Squamous cell carcinoma of the pyriform sinus treated with surgery and/or radiotherapy. Head Neck Surg 10 (2): 88-92, 1987 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  2. Murthy AK, Galinsky D, Hendrickson FR: Hypopharynx. In: Laramore GE, ed.: Radiation Therapy of Head and Neck Cancer. Berlin: Springer-Verlag, 1989, pp 107-24.[PUBMED Abstract]

  3. Harari PM: Why has induction chemotherapy for advanced head and neck cancer become a United States community standard of practice? J Clin Oncol 15 (5): 2050-5, 1997.[PUBMED Abstract]

  4. Lefebvre JL, Andry G, Chevalier D, et al.: Laryngeal preservation with induction chemotherapy for hypopharyngeal squamous cell carcinoma: 10-year results of EORTC trial 24891. Ann Oncol 23 (10): 2708-14, 2012.[PUBMED Abstract]

  5. Meoz-Mendez RT, Fletcher GH, Guillamondegui OM, et al.: Analysis of the results of irradiation in the treatment of squamous cell carcinomas of the pharyngeal walls. Int J Radiat Oncol Biol Phys 4 (7-8): 579-85, 1978 Jul-Aug.[PUBMED Abstract]

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III期の下咽頭がん

この病期の患者の管理は複雑で、至適治療レジメンを確立するために集学的データを必要とする。胃管挙上術または遊離空腸移植術を用いた新しい手術手技および再建術により、これらの腫瘍の切除による術後病的状態が大幅に短縮し、多段階の再建術がほとんど必要なくなっている。このことは治療レジメンの併用に大きく役立っており、その理由は、これらの患者では切除後3~4週間以内に術後放射線療法(PORT)を開始する可能性が高いためである。

種々のプロスペクティブ・データによると、さまざまな治療施設で生存率に関し、ほぼ同じ結果を出している論理的な手技が多岐にわたるため、ここでは術式および照射野の補正または線量計画などの詳細は具体的に指定していない。この病期の患者は、有用な複数の処置および手技に熟練し、精力的かつ頻繁にこれらの患者の治療に関与する外科医および放射線腫瘍医により治療されるべきである。

標準治療法の選択肢:

  1. 手術と放射線療法の併用は、術前放射線療法とPORTを比較したフォローアップ研究(RTOG-7303)でみられたように、術後が最も多いが、米国では、この患者グループに対する通常の治療法となっている。 [1] [2] [3]
  2. 臨床試験で投与されているようなネオアジュバント化学療法は、腫瘍を縮小させるために用いており、腫瘍を縮小させて、手術または放射線療法のいずれかを用いる腫瘍の治療をさらに確実なものにする。その化学療法は他の治療法に先んじて実施され、このため、放射線を用いた根治治療後、根治治療中または術後に実施される標準アジュバント療法と区別してネオアジュバントという名称が使用されている。ネオアジュバント化学療法では多剤併用が用いられている。ランダム化プロスペクティブ試験のデータは欠けているが、ネオアジュバント化学療法は局所制御率または生存率を改善するために、進行がん患者の治療で一般的に用いられる。 [4]

    臓器温存を増加させるためのネオアジュバント化学療法も提唱されている。GORTEC-TREMPLIN試験と呼ばれるプロスペクティブ・ランダム化試験(NCT00169247)では、European Organization for the Treatment and Research of Cancerにより、導入化学療法(すなわち、シスプラチン + 5-フルオロウラシル[5-FU])とその後の反応した患者に対する放射線療法と対比して、手術 + PORTが比較された。 [5] 2群において局所および所属リンパ節制御失敗はほぼ同じであった。生存期間中央値は、即時手術群では25ヵ月で、導入化学療法群では44ヵ月であったが(P = 0.006)、5年無病生存(DFS)率および全生存(OS)率は同じであった。導入化学療法を実施した患者のうち、機能を維持したまま喉頭を温存できたのは3年後で42%、5年後では35%であった。 [5] [証拠レベル:1iiA1iiC]


    これとは対照的に、別のプロスペクティブ・ランダム化試験によると、化学療法(すなわち、シスプラチン + 5-FU)に続いて下咽頭・喉頭切除術とPORTを受けた患者では、化学療法および放射線療法と比較した場合、統計的に有意な生存的利益が実証されている。 [6] [証拠レベル:1iiA1iiC]この研究では臓器の温存については考察されなかったが、手術を施行せずに化学療法と放射線療法とを併用することを標準であると考えてはならない。

  3. III期の下咽頭がん患者には、術後アジュバント放射線療法および化学療法の併用による治療を考慮すべきである。

    プロスペクティブ・ランダム化試験で、術後補助放射線療法単独が、術後補助放射線療法 + 化学療法の同時併用と比較された。OS(P < 0.01)およびDFS(P < 0.02)は、いずれも放射線療法 + 化学療法の同時併用を受けた患者群の方が良好であった。 [7] [証拠レベル:1iiA]別の研究では、化学療法を放射線と同時併用してもOSは改善されなかったが、原発部位の温存が改善された。 [8] [9]

III期の下咽頭がんに対する治療法の選択肢に関する詳しい情報については、本要約のIV期の切除不可能下咽頭がんを参照のこと。

臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 複数の別の研究が、放射線療法と併用する化学療法が局所進行例には有益であるということを示唆している。 [10] [11] [12]

    同時化学療法は局所進行(III期およびIV期)下咽頭がん患者に対する標準治療法の選択肢である。1965年から2000年に発表された頭頸部がんに関する93件のプロスペクティブ・ランダム化試験のメタアナリシスにより、化学療法と放射線療法を受けた患者のサブセットにおいて4.5%の絶対生存優位性が示された。 [13] [証拠レベル:2A]同時化学療法を受けた患者の生存利益は導入化学療法を受けた患者よりも大きかった。


最新の臨床試験

III期の下咽頭がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Arriagada R, Eschwege F, Cachin Y, et al.: The value of combining radiotherapy with surgery in the treatment of hypopharyngeal and laryngeal cancers. Cancer 51 (10): 1819-25, 1983.[PUBMED Abstract]

  2. Mendenhall WM, Parsons JT, Devine JW, et al.: Squamous cell carcinoma of the pyriform sinus treated with surgery and/or radiotherapy. Head Neck Surg 10 (2): 88-92, 1987 Nov-Dec.[PUBMED Abstract]

  3. Tupchong L, Scott CB, Blitzer PH, et al.: Randomized study of preoperative versus postoperative radiation therapy in advanced head and neck carcinoma: long-term follow-up of RTOG study 73-03. Int J Radiat Oncol Biol Phys 20 (1): 21-8, 1991.[PUBMED Abstract]

  4. Harari PM: Why has induction chemotherapy for advanced head and neck cancer become a United States community standard of practice? J Clin Oncol 15 (5): 2050-5, 1997.[PUBMED Abstract]

  5. Lefebvre JL, Andry G, Chevalier D, et al.: Laryngeal preservation with induction chemotherapy for hypopharyngeal squamous cell carcinoma: 10-year results of EORTC trial 24891. Ann Oncol 23 (10): 2708-14, 2012.[PUBMED Abstract]

  6. Beauvillain C, Mahé M, Bourdin S, et al.: Final results of a randomized trial comparing chemotherapy plus radiotherapy with chemotherapy plus surgery plus radiotherapy in locally advanced resectable hypopharyngeal carcinomas. Laryngoscope 107 (5): 648-53, 1997.[PUBMED Abstract]

  7. Bachaud JM, Cohen-Jonathan E, Alzieu C, et al.: Combined postoperative radiotherapy and weekly cisplatin infusion for locally advanced head and neck carcinoma: final report of a randomized trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 36 (5): 999-1004, 1996.[PUBMED Abstract]

  8. Adelstein DJ, Lavertu P, Saxton JP, et al.: Mature results of a phase III randomized trial comparing concurrent chemoradiotherapy with radiation therapy alone in patients with stage III and IV squamous cell carcinoma of the head and neck. Cancer 88 (4): 876-83, 2000.[PUBMED Abstract]

  9. Bernier J, Domenge C, Ozsahin M, et al.: Postoperative irradiation with or without concomitant chemotherapy for locally advanced head and neck cancer. N Engl J Med 350 (19): 1945-52, 2004.[PUBMED Abstract]

  10. Browman GP, Cripps C, Hodson DI, et al.: Placebo-controlled randomized trial of infusional fluorouracil during standard radiotherapy in locally advanced head and neck cancer. J Clin Oncol 12 (12): 2648-53, 1994.[PUBMED Abstract]

  11. Merlano M, Benasso M, Corvò R, et al.: Five-year update of a randomized trial of alternating radiotherapy and chemotherapy compared with radiotherapy alone in treatment of unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck. J Natl Cancer Inst 88 (9): 583-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  12. Jeremic B, Shibamoto Y, Milicic B, et al.: Hyperfractionated radiation therapy with or without concurrent low-dose daily cisplatin in locally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: a prospective randomized trial. J Clin Oncol 18 (7): 1458-64, 2000.[PUBMED Abstract]

  13. Pignon JP, le Maître A, Maillard E, et al.: Meta-analysis of chemotherapy in head and neck cancer (MACH-NC): an update on 93 randomised trials and 17,346 patients. Radiother Oncol 92 (1): 4-14, 2009.[PUBMED Abstract]

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IV期の下咽頭がん

切除可能下咽頭がん

切除可能下咽頭がん患者の管理は複雑で、至適治療レジメンを確立するために集学的データを必要とする。胃管挙上術または遊離空腸移植術を用いた新しい手術手技および再建術により、これらの腫瘍の切除による術後病的状態が大幅に短縮し、多段階の再建術がほとんど必要なくなっている。これらの患者は切除後3~4週間以内に術後放射線療法を開始する可能性がきわめて高いため、このことが併用療法レジメンの大きく役立っている。

種々のプロスペクティブ・データによると、さまざまな治療施設で生存率に関し、ほぼ同じ結果を出している論理的な手技が多岐にわたるため、ここでは術式および照射野の補正または線量計画などの詳細は具体的に指定していない。この病期の患者は、有用な複数の処置および手技に熟練し、精力的かつ頻繁にこれらの患者の治療に関与する外科医および放射線腫瘍医により治療されるべきである。

標準治療法の選択肢:

  1. 手術と放射線療法の併用は、術前放射線療法と術後放射線療法(PORT)を比較したフォローアップ研究(RTOG-7303)でみられたように術後が最も多いが、米国では、この患者グループに対する通常の治療法となっている。 [1] [2]
  2. 臨床試験で投与されているようなネオアジュバント化学療法は、腫瘍を縮小させるために用いており、腫瘍を縮小させて、手術または放射線療法のいずれかを用いる腫瘍の治療をさらに確実なものにする。その化学療法は他の治療法に先んじて実施され、このため、放射線を用いた根治治療後、根治治療中または術後に実施される標準アジュバント療法と区別してネオアジュバントという名称が使用されている。ネオアジュバント化学療法では多剤併用が用いられている。プロスペクティブ・ランダム化試験のデータは欠けているが、ネオアジュバント化学療法は局所領域制御率または生存率を改善するために、進行がん患者の治療で一般的に用いられる。 [3]

    臓器温存を増加させるためのネオアジュバント化学療法も提唱されている。GORTEC-TREMPLIN試験と呼ばれるプロスペクティブ・ランダム化試験(NCT00169247)では、European Organization for the Research and Treatment of Cancerにより、導入化学療法(すなわち、シスプラチン + 5-フルオロウラシル[5-FU])とその後の反応した患者に対する放射線照射と対比して、手術 + PORTが比較された。 [4] 2群において局所および所属リンパ節制御失敗はほぼ同じであった。生存期間中央値は、即時手術群では25ヵ月で、導入化学療法群では44ヵ月であったが(P = 0.006)、5年無病生存(DFS)率および全生存(OS)率は同じであった。導入化学療法を実施した患者のうち、機能を維持したまま喉頭を温存できたのは3年後で42%、5年後では35%であった。 [4] [証拠レベル:1iiA1iiC]


    これとは対照的に、別のプロスペクティブ・ランダム化試験によると、化学療法(すなわち、シスプラチン + 5-FU)に続いて下咽頭・喉頭切除術とPORTを受けた患者では、化学療法および放射線療法と比較した場合、統計的に有意な生存的利益が実証されている。 [5] [証拠レベル:1iiA1iiC]臓器の温存については考察していないが、手術を施行せずに化学療法と放射線療法とを併用することを標準であると考えてはならない。

  3. IV期の下咽頭がん患者には、術後アジュバント放射線療法および化学療法の併用による治療を考慮すべきである。

    プロスペクティブ・ランダム化試験で、術後補助放射線療法単独が、術後補助放射線療法 + 化学療法の同時併用と比較された。OS(P < 0.01)およびDFS(P < 0.02)は、いずれも放射線療法 + 化学療法の同時併用を受けた患者群の方が良好であった。 [6] [証拠レベル:1iiA]別の研究では、化学療法を放射線と同時併用してもOSは改善されなかったが、原発部位の温存が改善された。 [7] [8]

切除不可能下咽頭がん

標準治療法の選択肢:

  1. 放射線療法。
  2. 局所的に進行した疾患がある患者には、放射線療法と化学療法を併用している。 [9] [10] [11] あるランダム化試験では、III期またはIV期で病変が手術不可能な患者に対し、シスプラチンを同時併用して、1日1回単回の分割照射を施行した場合の3年推定OSは37%であった(P = 0.14)。 [11] [証拠レベル:1iiA]

臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 化学療法を併用する、多分割照射計画を評価する放射線療法の臨床試験が検討されるべきである。 [12] [13] [14] [15] [16] [17]

    同時化学療法は局所進行(III期およびIV期)下咽頭がん患者に対する標準治療法の選択肢である。1965年から2000年に発表された頭頸部がんに関する93件のプロスペクティブ・ランダム化試験のメタアナリシスにより、化学療法と放射線療法を受けた患者のサブセットにおいて4.5%の絶対生存優位性が示された。 [18] [証拠レベル:2A]同時化学療法を受けた患者の生存利益は導入化学療法を受けた患者よりも大きかった。


治療後の追跡:


  • これらの患者は、治療後最初の1年は1ヵ月に1回、治療後2年目は2ヵ月ごとに、治療後3年目は3ヵ月ごとに、それ以降は6ヵ月ごとに、綿密な頭頸部の検査を実施して再発を調べる必要がある。

最新の臨床試験

IV期の下咽頭がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Arriagada R, Eschwege F, Cachin Y, et al.: The value of combining radiotherapy with surgery in the treatment of hypopharyngeal and laryngeal cancers. Cancer 51 (10): 1819-25, 1983.[PUBMED Abstract]

  2. Tupchong L, Scott CB, Blitzer PH, et al.: Randomized study of preoperative versus postoperative radiation therapy in advanced head and neck carcinoma: long-term follow-up of RTOG study 73-03. Int J Radiat Oncol Biol Phys 20 (1): 21-8, 1991.[PUBMED Abstract]

  3. Harari PM: Why has induction chemotherapy for advanced head and neck cancer become a United States community standard of practice? J Clin Oncol 15 (5): 2050-5, 1997.[PUBMED Abstract]

  4. Lefebvre JL, Andry G, Chevalier D, et al.: Laryngeal preservation with induction chemotherapy for hypopharyngeal squamous cell carcinoma: 10-year results of EORTC trial 24891. Ann Oncol 23 (10): 2708-14, 2012.[PUBMED Abstract]

  5. Beauvillain C, Mahé M, Bourdin S, et al.: Final results of a randomized trial comparing chemotherapy plus radiotherapy with chemotherapy plus surgery plus radiotherapy in locally advanced resectable hypopharyngeal carcinomas. Laryngoscope 107 (5): 648-53, 1997.[PUBMED Abstract]

  6. Bachaud JM, Cohen-Jonathan E, Alzieu C, et al.: Combined postoperative radiotherapy and weekly cisplatin infusion for locally advanced head and neck carcinoma: final report of a randomized trial. Int J Radiat Oncol Biol Phys 36 (5): 999-1004, 1996.[PUBMED Abstract]

  7. Adelstein DJ, Lavertu P, Saxton JP, et al.: Mature results of a phase III randomized trial comparing concurrent chemoradiotherapy with radiation therapy alone in patients with stage III and IV squamous cell carcinoma of the head and neck. Cancer 88 (4): 876-83, 2000.[PUBMED Abstract]

  8. Bernier J, Domenge C, Ozsahin M, et al.: Postoperative irradiation with or without concomitant chemotherapy for locally advanced head and neck cancer. N Engl J Med 350 (19): 1945-52, 2004.[PUBMED Abstract]

  9. Al-Sarraf M, Pajak TF, Marcial VA, et al.: Concurrent radiotherapy and chemotherapy with cisplatin in inoperable squamous cell carcinoma of the head and neck. An RTOG Study. Cancer 59 (2): 259-65, 1987.[PUBMED Abstract]

  10. Merlano M, Benasso M, Corvò R, et al.: Five-year update of a randomized trial of alternating radiotherapy and chemotherapy compared with radiotherapy alone in treatment of unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck. J Natl Cancer Inst 88 (9): 583-9, 1996.[PUBMED Abstract]

  11. Adelstein DJ, Li Y, Adams GL, et al.: An intergroup phase III comparison of standard radiation therapy and two schedules of concurrent chemoradiotherapy in patients with unresectable squamous cell head and neck cancer. J Clin Oncol 21 (1): 92-8, 2003.[PUBMED Abstract]

  12. Weissler MC, Melin S, Sailer SL, et al.: Simultaneous chemoradiation in the treatment of advanced head and neck cancer. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 118 (8): 806-10, 1992.[PUBMED Abstract]

  13. Jeremic B, Shibamoto Y, Milicic B, et al.: Hyperfractionated radiation therapy with or without concurrent low-dose daily cisplatin in locally advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: a prospective randomized trial. J Clin Oncol 18 (7): 1458-64, 2000.[PUBMED Abstract]

  14. Staar S, Rudat V, Stuetzer H, et al.: Intensified hyperfractionated accelerated radiotherapy limits the additional benefit of simultaneous chemotherapy--results of a multicentric randomized German trial in advanced head-and-neck cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 50 (5): 1161-71, 2001.[PUBMED Abstract]

  15. Wendt TG, Grabenbauer GG, Rödel CM, et al.: Simultaneous radiochemotherapy versus radiotherapy alone in advanced head and neck cancer: a randomized multicenter study. J Clin Oncol 16 (4): 1318-24, 1998.[PUBMED Abstract]

  16. Brizel DM, Albers ME, Fisher SR, et al.: Hyperfractionated irradiation with or without concurrent chemotherapy for locally advanced head and neck cancer. N Engl J Med 338 (25): 1798-804, 1998.[PUBMED Abstract]

  17. Semrau R, Mueller RP, Stuetzer H, et al.: Efficacy of intensified hyperfractionated and accelerated radiotherapy and concurrent chemotherapy with carboplatin and 5-fluorouracil: updated results of a randomized multicentric trial in advanced head-and-neck cancer. Int J Radiat Oncol Biol Phys 64 (5): 1308-16, 2006.[PUBMED Abstract]

  18. Pignon JP, le Maître A, Maillard E, et al.: Meta-analysis of chemotherapy in head and neck cancer (MACH-NC): an update on 93 randomised trials and 17,346 patients. Radiother Oncol 92 (1): 4-14, 2009.[PUBMED Abstract]

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再発および転移性下咽頭がん

標準治療法の選択肢:

  1. 放射線療法が失敗し、技術的に施行可能であれば外科的切除を施行する。 [1]
  2. 手術が失敗し、さらなる放射線療法を不可能にするほどの治癒線量で以前に治療したことがなければ、放射線療法を実施する。
  3. 手術が失敗し、技術的に施行可能であれば外科的救助療法を施行する。
  4. 転移性病変には化学療法を実施する。 [2]

臨床評価段階にある治療法の選択肢:


  • 化学療法の使用を評価する臨床試験を検討すべきである。 [3]

治療後の追跡:


  • これらの患者は、治療後最初の1年は1ヵ月に1回、治療後2年目は2ヵ月ごとに、治療後3年目は3ヵ月ごとに、それ以降は6ヵ月ごとに、綿密な頭頸部の検査を実施して再発を調べる必要がある。

最新の臨床試験

再発下咽頭がん患者を現在受け入れているNCI支援のがん臨床試験のリストを参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。


参考文献
  1. Wong LY, Wei WI, Lam LK, et al.: Salvage of recurrent head and neck squamous cell carcinoma after primary curative surgery. Head Neck 25 (11): 953-9, 2003.[PUBMED Abstract]

  2. Adelstein DJ, Tan EH, Lavertu P: Treatment of head and neck cancer: the role of chemotherapy. Crit Rev Oncol Hematol 24 (2): 97-116, 1996.[PUBMED Abstract]

  3. Jacobs C, Lyman G, Velez-García E, et al.: A phase III randomized study comparing cisplatin and fluorouracil as single agents and in combination for advanced squamous cell carcinoma of the head and neck. J Clin Oncol 10 (2): 257-63, 1992.[PUBMED Abstract]

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本要約の変更点(12/22/2016)

PDQがん情報要約は定期的に見直され、新情報が利用可能になり次第更新される。本セクションでは、上記の日付における本要約最新変更点を記述する。

下咽頭がんに関する一般情報

参考文献24としてLefebvre et al.が追加された。

II期の下咽頭がん

参考文献4としてLefebvre et al.が追加された。

III期の下咽頭がん

参考文献5としてLefebvre et al.が追加された。

本文に以下の記述が追加された;同時化学療法は局所進行下咽頭がん患者に対する標準治療法の選択肢である。以下の記述が追加された;1965年から2000年に発表された頭頸部がんに関する93件のプロスペクティブ・ランダム化試験のメタアナリシスにより、化学療法と放射線療法を受けた患者のサブセットにおいて4.5%の絶対生存優位性が示された(引用、参考文献13としてPignon et al.および証拠レベル:2A)。また以下の記述が追加された;同時化学療法を受けた患者の生存利益は導入化学療法を受けた患者よりも大きかった。

IV期の下咽頭がん

参考文献4としてLefebvre et al.が追加された。

本文に以下の記述が追加された;同時化学療法は局所進行下咽頭がん患者に対する標準治療法の選択肢である。以下の記述が追加された;1965年から2000年に発表された頭頸部がんに関する93件のプロスペクティブ・ランダム化試験のメタアナリシスにより、化学療法と放射線療法を受けた患者のサブセットにおいて4.5%の絶対生存優位性が示された(引用、参考文献18としてPignon et al.および証拠レベル:2A)。また以下の記述が追加された;同時化学療法を受けた患者の生存利益は導入化学療法を受けた患者よりも大きかった。

本要約はPDQ Adult Treatment Editorial Boardが作成と内容の更新を行っており、編集に関してはNCIから独立している。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたはNIHの方針声明を示すものではない。PDQ要約の更新におけるPDQ編集委員会の役割および要約の方針に関する詳しい情報については、本PDQ要約についておよびPDQ® - NCI's Comprehensive Cancer Databaseを参照のこと。

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本PDQ要約について

本要約の目的

医療専門家向けの本PDQがん情報要約では、下咽頭がんの治療について、包括的な、専門家の査読を経た、そして証拠に基づいた情報を提供する。本要約は、がん患者を治療する臨床家に情報を与え支援するための情報資源として作成されている。これは医療における意思決定のための公式なガイドラインまたは推奨事項を提供しているわけではない。

査読者および更新情報

本要約は編集作業において米国国立がん研究所(NCI)とは独立したPDQ Adult Treatment Editorial Boardにより定期的に見直され、随時更新される。本要約は独自の文献レビューを反映しており、NCIまたは米国国立衛生研究所(NIH)の方針声明を示すものではない。

委員会のメンバーは毎月、最近発表された記事を見直し、記事に対して以下を行うべきか決定する:


  • 会議での議論、

  • 本文の引用、または

  • 既に引用されている既存の記事との入れ替え、または既存の記事の更新。

要約の変更は、発表された記事の証拠の強さを委員会のメンバーが評価し、記事を本要約にどのように組み入れるべきかを決定するコンセンサス過程を経て行われる。

下咽頭がんの治療に対する主要な査読者は以下の通りである:


    本要約の内容に関するコメントまたは質問は、NCIウェブサイトのEmail UsからCancer.govまで送信のこと。要約に関する質問またはコメントについて委員会のメンバー個人に連絡することを禁じる。委員会のメンバーは個別の問い合わせには対応しない。

    証拠レベル

    本要約で引用される文献の中には証拠レベルの指定が記載されているものがある。これらの指定は、特定の介入やアプローチの使用を支持する証拠の強さを読者が査定する際、助けとなるよう意図されている。PDQ Adult Treatment Editorial Boardは、証拠レベルの指定を展開する際に公式順位分類を使用している。

    本要約の使用許可

    PDQは登録商標である。PDQ文書の内容は本文として自由に使用できるが、完全な形で記し定期的に更新しなければ、NCI PDQがん情報要約として特定することはできない。しかし、著者は“NCI's PDQ cancer information summary about breast cancer prevention states the risks succinctly: 【本要約からの抜粋を含める】.”のような一文を記述してもよい。

    本PDQ要約の好ましい引用は以下の通りである:

    PDQ® Adult Treatment Editorial Board.PDQ Hypopharyngeal Cancer Treatment.Bethesda, MD: National Cancer Institute.Updated <MM/DD/YYYY>.Available at: http://www.cancer.gov/types/head-and-neck/hp/hypopharyngeal-treatment-pdq.Accessed <MM/DD/YYYY>.[PMID: 26389199]

    本要約内の画像は、PDQ要約内での使用に限って著者、イラストレーター、および/または出版社の許可を得て使用されている。PDQ情報以外での画像の使用許可は、所有者から得る必要があり、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)が付与できるものではない。本要約内のイラストの使用に関する情報は、多くの他のがん関連画像とともにVisuals Online(2,000以上の科学画像を収蔵)で入手できる。

    免責条項

    入手可能な証拠の強さに基づき、治療選択肢は「標準」または「臨床評価段階にある」のいずれかで記載される場合がある。これらの分類は、保険払い戻しの決定基準として使用されるべきものではない。保険の適用範囲に関する詳しい情報については、Cancer.govのManaging Cancer Careページで入手できる。

    お問い合わせ

    Cancer.govウェブサイトについての問い合わせまたはヘルプの利用に関する詳しい情報は、Contact Us for Helpページに掲載されている。質問はウェブサイトのEmail UsからもCancer.govに送信可能である。

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